APX-T2のサドルとナットをTUSQにしてみる~その1
- 2026/08/03 11:43
- カテゴリー:マニアックなおはなし
APX-T2のサドルとナットをTUSQに交換してみました。先に結論を書くと失敗で,継続検討です。
(1)サドル
サドルは弦の振動をボディに伝える,私から見ると最も音に影響しそうなパーツです。弦とは点接触,素材は硬質なほど高温の減衰がなく,繊細な音が出そうという感じですが,これもオーディオ界隈でよく耳にする,伝搬速度と内部損失が関係してそうな気がして,ちょっとクラクラしますね。
難しい話はおいておいて,それ単体で「カチャカチャ」というか「チンチン」と鈴のような音がするかは大きな違いがあるはずで,TUSQという材料で作られたサドルが澄んだ音を出すことに,私の期待は高まりました。
固い材料というわけでもないので,根性があれば紙やすりで削れるのではと思いますが,私は面倒くさがりなのでベルトサンダーを投入,これで一気に片付けてしまいました。
私が買ったのはPQ-9110-00という型番のもので,サイズは
・Width(幅):約2.73mm
・Length(長さ):約73.66mm
・Height(高さ):約10.16mm
でした。元のサドルが実測で75mm x 3mm x10mmでしたので,高さを少し合わせれば大丈夫という読みでしたが,試してみると長さが少し足りず,ちょっと隙間が出来てしまいました。とはいえ,弦を張ってしまえば全く問題はなく,見た目にも全く分かりません。
ということで,サドルはこれでOKです。
(2)ナット
失敗したのはナットです。購入したのはPQ-6116-00という型番のもので,サイズは,
・Width(幅):約4.83mm
・Length(長さ):約43.12mm
・Height(高さ):約9.01mm
・E to E Spacing:約34.5mm
でした。元のナットを実測すると43mm x 8.5mm x 5mm ,EtoE36.5mmだったので,これに一番近いものをと探した結果だったのですが,まず幅が全然あいません。かなり削って幅を小さくして,どうにか元の溝にはまるようにしました。
そうして取り付けて見ると,なるほど高さはこのままで問題ないのですが,弦を張ってみると1弦がすでに第一フレットに当たっています。これは話になりません。
よく見てみると,ナットの高さはぴったりあっているのですが,1弦と2弦の溝が深くて,弦の高さが極端に下がっていることがわかりました。これを対策するには6弦側を削って低くしてやるしかないのですが,もともと高さがぴったりだったものを削るわけにも行かず,これで万策尽きました。
音が悪くなることを承知の上で,1弦側に0.5mmほどの貼り物をして下駄を履かせたところ,ギリギリ高さは揃ったのでこれで実際に音を出してみることにしました。
うーん,確かにサドルとの合わせ技もあってか,サスティンが伸びます。倍音も減衰せず,しゃーんと綺麗に残りますので,とても華やかできらびやかですが,ちょっとうるさいかなという感じも否めません。
しかし,それより何より,弦と弦の間が狭いのです。EtoEが2mmほど違ってますが,お隣の弦の間は0.5mmほどだと思ったので,そんなに気にしなくて良いと思っていましたし,実際にもの間隔のギターが存在するわけですから,なんとかなると思ってましたが,これが甘かったです。
もともと0.5mmほど狭い事に加えて,1弦と2弦の溝が深いこともあってか,特に1弦と2弦の間が狭いのです。指が太い私にとっては結構致命的で,2弦を抑えると1弦にミュートがかかってしまいます。
これは面倒くさいです。そこでもったいないですが,ナットは失敗と素直に認めて,元に戻しました。
元に戻すと,確かに前に出てくるような華やかさが少し引っ込み,特にオープンコードで寂しいなあと感じるようになりました。やっぱりTUSQのナットには効果があったみたいです。
(3)てなわけで
サドルはこれで確定,ナットは失敗で現在は元に戻していますが不満があるので,新しいものを買い直しています。今度はPQ-6116-00というもので,サイズは
・Width(幅):約4.88mm
・Length(長さ):約43.36mm
・Height(高さ):約8.41mm
・E to E Spacing:約36.45mm
という,これまた微妙な違いです。ただ,同じ轍は踏みたくないので,EtoEだけは元のナットと同じ物を選んでいます。それでも溝が深いと失敗するので,届いてみないとなんとも言えません。
まあ,実のところナットもサドルも,自分で交換する人は,あわないといっては買い直して,を繰り返すものなので,一発でフィットするものが手に入るとは思っていませんし,次回のものがぴったりであっても,演奏のしやすさや音の良し悪しで,やっぱり戻すという話になるかも知れません。
結局,楽器というのは,程度の差はあれこうした試行錯誤を続けるものなんだろうと思いますが,それで目指しているところってどこなんだとふと顔を上げると,実は中学生の時に手にした初めてのギターの弾き心地と音が指標になっていることに気が付いて,つくづく捨てなきゃ良かったと,後悔することになるのです。