Nikon FE

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2006年11月 ジャンクを購入

2006年11月 各部清掃,レストア完了

2006年11月 高速側で露光ムラ発生

2006年11月 シャッターブレーキの調整

2006年11月 修理完了

2008年7月 モータードライブが動作しないため,MD Winding Switchを調整


F3を持ち出すほどでもないときに,手軽に使えるニコンの中級機を1つ欲しいと思っていたのですが,残念ながらNikomatELはその役割を担えませんでした。

理由はいくつかありますが,大きく重く,そして露出計がCdSであったことと,Ai連動ではなかったために使えるレンズに制約があったためです。

そこで,FMやFEを手に入れたいなあと思っていたところ,いつもの中古屋さんでジャンクを見つけました。外側は非常に汚く,バッテリチェックはOkなのに,ミラーが上がったままになっています。シャッターダイアルをM90にするとミラーは降りてくれて,その後はきちんとシャッターが切れるようになりました。スローシャッターもきちんと出ているようです。

電気系の故障がないことはこれではっきりしたわけですが,時々シャッターが切れないという再現性の低いトラブルの修理は手強いかも知れません。しかしジャンクもカメラは一期一会です。次に欲しいと思ったときにはなかなか手に入らないものです。気になったら迷わず買う,これがジャンクの漁り方です。

幸い,NikonFEは人気機種であるため,多くのレストア例が紹介されています。電気的にもそれほど複雑ではないため,分解は比較的楽です。

ミラーが降りないという問題はよく知られているトラブルのようで,油ぎれ,調整不良,エアダンパーの破損,というあたりなんだそうです。

ミラーボックスを外し,エアダンパーの分解清掃や各部の清掃と注油を行って,スムーズな動きを取り戻したあと,シャッターブレーキの調整を行ったのですが,ここに失敗がありました。

詳しいことは艦長日誌にも書いてあるのですが,試写の結果露光ムラが発生しており,再度の分解となってしまったのです。けちって買わなかったサービスマニュアルを手に入れてきちんと確認すると,シャッターブレーキが強すぎたことがわかり,適正値に再調整を行いました。また,同時に発生していた高速シャッターの速度不良も正しい調整を行ったことで解決しました。

組み立てを終えて試写をすると,先程の問題が綺麗に解決してくれていました。これでFEも修理完了です。

手に馴染む大きさ,非常に軽い操作感,必要にして十分な機能と性能を持っているNikonFEは,使ってみるとなるほど人気機種であったことが素直に理解できるカメラです。際立った個性がないカメラかも知れませんが,いかにもいい写真が撮れそうな,そんな気持ちにさせてくれるカメラというのは,そうそうお目にかかるものではありません。

2008年7月追記

中古のモータードライブ「MD-12」を手に入れたのですが,全く動きません。何が原因か調べるために確認をすると,どうもモータードライブをコントロールする信号が出ていない様子です。

NikonFEの場合,モータードライブに対し,2つの端子間が巻き上げ前はOFF,巻き上げ中はON,巻き上げ完了でもONになるような信号を送っています。ただし,巻き上げレバーが起き上がっている場合にはどの場合も全部OFFです。

ところが私のFEは,巻き上げ前はOFF,巻き上げ中もOFF,そして巻き上げ完了でON異なるという状態でした。サービスマニュアルによると,MD Winding Switchのクリアランスを調整する必要があるようです。目安は0.8mmとのことです。

このスイッチは本体のダイキャストの底部内側にあり,巻き上げ機構と連動しています。ゆえに前板を外さなければなりません。そんな大修理をするのはちょっと避けたいところです。

そこでいろいろ思案したところ,三脚用のネジを外すとスイッチの一部が見える事が分かりました。ここからピンセットを突っ込み,クリアランスを調整出来るようです。実際の作業はなかなかうまくいかず,本来スイッチのバネ板の支点で調整すべきなのに,その支点が隠れているため,かなり無理をしてスイッチを曲げています。

一応サービスマニュアルにある通りであることを確認し,MD-12を取り付けて見たところ動作をしました。


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