Pentax SuperA

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2009年1月 ジャンクを購入

2009年1月 モルトの交換,動作の確認完了

2009年1月 ワインダーMEIIでの動作確認完了


Pentaxのマニュアルカメラのうち,プログラムモードを搭載し,最先端の機能を搭載したマニュアルカメラとして最後に誕生した機種が,このSuperAではないかと思います。LXの存在は別格として,ある時期Pentaxのフラッグシップを担ったカメラと私自身は考えているのですが,デザイン的にも機構的にも,いかにも1980年代のカメラだなと思わせるものがあります。そのたたずまいは,案外NikonF3なんかとも共通するものがあるように思えてなりません。

MEsuperをベースにしながら,積極的なマイコンの導入と,広く使われ始めた液晶ディスプレイを組み合わせ,どちらかというといびつな形で1970年代後半のカメラを1980年代にまで延命したかのような印象があるSuperAですが,実はレンズ側にも大きな規格変更があり,そのおかげでプログラムモードと絞り優先モードが可能になっています。

MEsuperをベースに,とはいうものの,シャッターレリーズはMEsuperが機械式だったのに対し,SuperAは電子式です。よってMEsuperは電池が切れてもシャッターは切れるのですが,SuperAでは全く動作しません。

個人的には,ストロークの小さいシャッターボタンが好きなので,SuperAは大いに歓迎すべきものがあります。また,ファインダースクリーンもLXのものと共通だそうで,見やすいファインダーウリの1つです。しかし,発売当時から言われたことなのですが,AEロックがないことは結構致命的です。

さて,*istDLが初めてのKマウントカメラだった私は,FA43mmF1.9というレンズに出会って,このレンズを銀塩で使いたいと考えるようになりました。MZ-10を手に入れたことで一応その願いは叶えられたのですが,やはりきちんとしたマニュアルカメラが欲しいもの。そこでMEsuperを手に入れ修理を行ったわけです。

このMEsuper,結果としてうまく修理できたのですが,やはり使い込まれた程度の悪さだけはどうしようもなく,撮影していてもあまり楽しくありません。

そこでずっと狙っていたのがSuperAでした。しかしSuperAこそ程度の良いものに出会うことは難しく,あきらめていたんですね。

ところが,2009年1月に中野のカメラ屋のジャンク棚に,ヨーロピアンカメラオブザイヤーの受賞記念モデルが列んでいるのをみて,購入してきました。記念モデルはそんなに使い倒されたケースは少なく,外観が綺麗なら内部の劣化も進んでいないと思います。

持ち帰って試して見ると,これはあたりでした。塗装が所々剥げていますし,グリップも欠品,多少の傷もあるので記念モデルとしては無価値だと思いますが,カメラとしては非常に程度の良い個体でした。

べとついていたモルトをすべて交換し,シャッターを切ってみると,なかなか軽快な音がします。シャッター速度も全速できちんと出ていますし,ファインダーも綺麗です。巻き上げもスムーズですし,シャッターが落ちるときの動作もなめらかです。

作業としては分解なども全く行わず,モルトの交換と各部の清掃,塗装のタッチアップだけだったのですが,大きさや重さ,プログラムモードを持つ便利さで,Kマウントの銀塩の標準機種になりました。いい買い物をしたと思っています。

グリップがないのが残念ですが,それはワインダーMEIIを買ったことでもう気が済みました。実のところ,ワインダーMEIIを付けてしまうとMZ-10の方が全然便利になってしまうので,やはりSuperAは本体だけで使うのが基本ですね。


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