急に寒くなったという印象が強くなり,そんな中で真夏のころの日誌がここにあるというのもおかしいと思い,新しいページにしました。過去の物はこちらです。

今年の総括
 さて、本年も本当に後わずかとなってしまいました。毎年毎年訪れる年末ですが、実に20世紀という激動の世紀を越えるということに、それほどの実感はなくとも、なぜか感慨深い物を感じてしまうのは、やはり昭和生まれの感性なのでしょうか。みなさんはいかがですか?
 本来なら、今世紀の総括などをするのがいいかと思ったりしたのですが、1970年代に生まれた私に出来るはずもなく、それではとりあえず例年する事もない、今年一年の総括をまとめてみようと思いました。
 ここから先、いつも以上に私事モードに入りますので、ご了承下さい。
 今年はとにかく、滅多に起きないようなイベントがいろいろありました。実家の建て直しというのがそれですね。私は今まで、寮への引っ越しという事以外、住み替えや引っ越しという物を経験したことが無く、家を建て直すなどという空前絶後なことには、正直想像も出来ないほど大きな物を感じました。
 実際の所東京に住む私が直接出来ることなど何もなくて、せいぜい家庭内ネットワークの立案をするくらいのものでした。これはこれでなかなか大変だったわけですが、結果としていいものができたと思います。実は年明けしばらくしてから、弟が実家に戻ることが決まっていて、それでこの設備も、やっと役に立つのかなと思ったりしています。
 実は引っ越しや建て替えそのものはこのくらいの程度だったわけですが、これに伴って、不要品の処分を思い切って行いました。このホームページでもコーナーを設けていますが、古いパソコンの多くを処分しました。当時はまだ安全だったYahoo!オークションを使ったのですが、特別高いことも安いこともなく、普通の値段で処分できたと思います。別にお金儲けがしたいわけではなく、有料で引き取ってくれる人だから、きっと捨てずに大事にしてくれるんじゃないかとの期待もあってのことです。私自身は収集できる限度は超えてしまいました。そこで新たな収集家を募ったというわけです。
 手元に残ったマシンは、PC-6001、PC-6001mk2、X1turbo3、MZ-80C、Apple][、HC-20やPC-8201、PC-600などのハンドヘルドやポケコンのたぐいというところです。PC-98RLについては売れ残ったので捨てました。
 この作業で、本当に大切な物とそうでないものを区別する必要に迫られました。倫理的な観点から区別するのはおかしいなどと思っていたのですが、必要に迫られればそんなことを言ってるわけにもいかず、やってみるとこれが意外にすっきりするんです。私はここで、ものに対する執着心が薄れていくことに気が付きました。寂しい話ではあるのですが、これはこれで利点もあるので、まぁいいかと思っています。
 今年は、ある意味原点回帰の年でした。昨年はPC110にはまりまくったり、Macintoshに対する投資や検討がいくつもあって、たとえばG3アップグレードやUSBの追加などがありました。これはOSのアップデートも頻繁にあったからなのですが、今年はそういったディジタルの世界に迎合することはなく、私の原点であるオーディオ、それもとてもアナログな部分の話に明け暮れました。
 特に今年は、3台の真空管アンプを作り上げました。1つ目は7月に実家に置くためと、次に完全自作するための練習として、三栄無線のキットを組み立てましたし、これを受けて秋には完全自作のアンプを作りました。この自作アンプ、結局時間不足や検討不足から自分で完全に設計をしたわけではありませんが、それでも後日問題が発生しても自分で定数の変更を行って対策を打てたことは、それなりに理解を済ませていたからなんだろうなと思ったりしています。
 ここまでくると、完全に設計からしたいと思うわけですけども、その機会は意外にもすぐにやってくることになります。タンゴブランドで有名な平田電機の廃業に端を発して、国産のトランスの入手が難しくなったことも今年の大きな変化でしたが、たまたま秋葉原のトランス屋さんでU-608という、平田富弥氏が最初に開発されたという安価でも定評のある出力トランスが偶然手に入ったのです。
 設計を済ませてから素材を集めるというのも確かに1つですが、良い素材が手元に来てから、これをどうやって生かすかを考えながら設計をするのもとても楽しい物です。
 結局6V6-GTという素直なビーム管を選んで、小さなアンプを作って見たわけですが、考えてみると3台のアンプを数ヶ月の間に作り上げて、製作技術と言うよりも測定や調整の技術が手に入ったことが多かったと思います。
 で、これにも副産物がやっぱりあって、1つは真空管、それも特に三極真空管の音の違いをきちんと体験できたことが大きいです。ギターアンプはビーム管や五極管ですし、トランジスタのアンプというのは特性的には五極管ですから、我々はよほどのことがない限り三極管の音を耳にすることはないわけです。
 さすがにそこは自作の強みで、私は5998Aという非常に野太い三極管を使って18W×2chのアンプを組み上げました。その圧倒的なエネルギー感、密度の高さ、素直さには一度聞いただけでその違い我が解るほどの差がありました。
 スピーカーを4312Mに買い換えたことも大きいですね。そんなわけで、結局オーディオという非常にローテクな分野に随分投資をし、そしてそれなりの知識と技術を得た年でした。
 ただ、結果として、ジャズに随分はまりました。ジャズの楽しさが見えるような機材が偶然揃ってきたというのが正解かもしれません。あまりここには書いてませんが、今になってマイルス・デイビスを聴きあさるようになりました。
 最初に手にしたアルバムが、何気なく店頭で手に取った1枚で、これがジャズの歴史を変えたと言われる「Kind of Blue」であることを知るのに、そんなに時間はかかりませんでした。そして、帝王の残した足跡を知るにつけ、「これはえらいものに手を出したものだ」と大いに反省することしかりです。
 今は取り敢えず、いわゆるアコースティック・マイルスしか聴いていません。まだ私の耳が後の彼の音楽には対応できないからなのですが、そのアコースティックマイルスでさえきちんと理解するのはとてもじゃないけど、できる物ではありません。
 ただ、はっきり言えることは、最初に手にした1枚が「Kind of Blue」であったことは、ものすごい幸運であったと言えて、もしそれ以外なら、相変わらず食わず嫌いをしていただろうと思うのです。ジャズを等身大で耳にして、全身でそれをすごいと感じたこのアルバムは、私の音楽の趣味を根底から変えてしまう物になるような気がしています。
 三極管の中出力アンプ、JBLの4312Mというスピーカー、そしてkind of Blueに始まるアコースティックマイルスの世界、よくもまぁ、この3つの特殊な条件が一気に揃ったものだと思います。
 そして一気にアナログオーディオの世界へ。新しいカートリッジの購入も検討していますし、録音用ではなくリスニング用としては非常にいい性能のイコライザアンプも作りました。来年は寮を出て、自分の部屋を持つことになります。そこでどんなオーディオの世界が待っているのか、今からとても楽しみです。
 サトー無線に始めた行ったことも私にとっては事件でしたね。中学生の時から広告を見て過ごした私がそれから15年近くも経てその店を訪ねることになるというのも、なかなかおもしろい物があると思いました。結局そこで買った物は、今すぐ必要な物はなにもなく、大昔に廃品種になってしまったような懐かしいトランジスタやラジオの部品、高校生の時に作ったMOS-FETアンプの補修部品などでした。
 そして、DVDを見直したこと。PS2というメジャーなハードウェアを購入したことで知ることになった
 DVDの楽しさは、映像が音楽同様、手元にコレクションされる価値のある物であることを私に知らしめました。そして、コレクションをしたいと思うようになるには、それにふさわしい器が必要なんだなと思いました。
 そうそう、映画もおもしろい物がいくつもありましたね。中でも「ミラクル・ペティント」がおもしろかったです。これは早くDVDになることを望んでいます。
 そんなわけで、今年をざっと見てみると、10年以上眠っていた私のアナログ魂に火を付けた年だったと言えますね。時間はなくなりましたが、お金と知識はそこそこ手に入っています。そんな今だから、ようやく出来ることもあるんだなと、素直に楽しみたいと思っています。
 それではみなさま、来年もどうぞよろしくお願いいたします。よいお年を。
2000年12月31日 15時30分24秒

坊やだからさ
 実は昨日から冬休みです。社会人のくせに随分早くから休むんだなとお思いでしょうが、12月に入ってから、かなり忙しかったのでメリハリという意味でもいいんではないかと思っています。
 ということで今日は実家にいます。急激に気温が下がったのでとても寒く、それでもこれでようやく年の瀬だなと実感する次第です。
 ところでところで、12月23日ですが、私のプレステ2用のゲームとしては2つ目になる、「機動戦士ガンダム」を買いました。本当はガンダムのDVDを買おうと思ったのですが、近所のツタヤでは売り切れていて手に入らず、悔しいのでゲームを買って帰ったというわけです。
 実家に戻る前の数日間、軽くプレイしてみました。
 いやいや、熱いです。子供の頃、ガンプラ片手に友達や兄弟とロールプレイをしていたのを思い出し、あのころにこんなゲームがあったらなぁ、などとしみじみ思いました。
 ゲームそのもののは、音楽や声なども原作に忠実で、時々挿入されるアニメも悪くなく、当時を知る人間にはとても楽しめる物だと思います。惜しいのは、モビルスーツのモデリングが、やっぱりポリゴン臭いことですが、これはアニメでは描かれなかった細かい描写まで造り込まれている(たとえばモノアイのあたりですね)ので、私は許します。
 あと、ちょっと難しいですね。それでも、バーニアをふかしてジャンプすれば「モビルスーツが飛んだぁ」、シャアと戦えば「連邦のモビルスーツは化け物か」、セイラさんには「あなたならやれるわ」など、にやにやさせられっぱなしです。
 まだ本格的にやってないので、序盤をやっただけですが、これから先が楽しみなゲームだなと思ってます。
2000年12月27日 12時07分12秒

ありがとうバンダイ
 発売日にコンビニで予約してまでワンダースワンカラーを購入した話はここに書きましたが,実はこれ,ちょっと調子が悪かったのです。
 最初の現象は,モノクロ用のカセットで「上海」を差し込んだときでした。電源を入れてみても,起動しません。起動音もしなければ,画面も真っ黒のままなんです。
 差し込み直しをしてもだめで,何度か繰り返しているうちに起動するようになりました。最初は互換性の問題で動かないのだと思ってしまうくらいに,うんともすんとも言わなかったのです。
 翌日カラー専用のカセットを買おうということで,グンペイのカラー版を買ったのですが,早速試してみたところ,また起動しません。
 何度か差し込み直しをすることでようやく起動するようになりましたが,以後同じ症状が出なかったので,あまり気にしてませんでした。
 ところが液晶の不良というのが初期ロットで起こっていて,交換してもらえるという話を耳にした時に,そうか初期不良の期間の内にはっきりさせないといかんなということで,とりあえず先週の月曜日に電話をしてみました。
 お客様相談センターなるところへ電話してみると,何度かの話し中の後,つながって出てきた女性に,先ほどの話を伝えました。
 どうも初耳だったらしく,どうしましょうねぇ,という話になったのですが,新しいのを送りますから,一緒に入っている返信用の切手で送り返してください,という話になりました。
 まず送り返して症状の確認をしてから交換ということになるのかなと思っていましたし,ひょっとしたらそんなことは知らないとか,販売店で交換してもらってくれとか,面倒なことになるかもなぁ,と思って潮来路,思いの外いいお返事をいただきました。
 住所と名前,電話番号を聞かれて答えてから,「失礼ですが,お使いになる方の年齢をお教え下さい」ときました。
 う,30歳前の男が7000円の携帯ゲームマシンを予約してまで購入し,挙げ句にクレームを入れてるなんて,なんて格好の悪いことだろう・・・
 年齢を答えて,「お恥ずかしいですが」と一言添えて笑いが取れるかと思ったところ,「はいありがとうございました」と行った瞬間に「がちゃ」と切られました。
 寒い風が吹き抜けたわけですが,3日後,新しいワンダースワンカラーが届いていました。なんと素早い対応でしょう。
 開けてみると,中には返信用の切手と住所を書いたシール,そして「ささやかなものですがおおさめください」と書かれた袋が1つありました。
 なんだろうとワクワクしてみると,仮面ライダークウガのハンカチでした。
 なめとんのか,と思ったわけですが,友人曰く,「それがおそらく,最も年齢の高い人向けのプレゼントだよ」と諭され,妙になっとくしたわけです。
 ま,どっちにしても,バンダイさんの今回の対応の早さや誠実さには,非常にありがたいと思いました。ありがとう,バンダイさん,きっとラジコンのザクも予約して買うからね,と心の中で誓ったのでした。
2000年12月22日 21時23分53秒

ドリキャスの新メモリ
 昨日は,評判のすごく悪いドリキャスのビジュアルメモリに変わる,大容量メモリがセガから発売になった日でした。
 ビジュアルメモリは,従来のメモリカードに液晶画面を付けて,携帯ゲームマシンとしての機能を追加したものです。一見して未来を感じさせるものだったのですが,内蔵CPUが8bitでとってもプア,メモリの容量がそもそも小さく,すぐに一杯になる,電池がコイン電池が2つも必要で,しかもすぐになくなり,あげく切れるとドリキャスを起動するたびに「ぴー」っとでかい警告音を出してくると,それはもうセガならなんでも許せた私でさえも,許せない代物でした。
 誰も逆鱗に触れたみたいで,セガとしても横行するバッタもんに対する回答としても,ようやく純正品がでたのでした。
 しかし値段が4800円。高いです。つくりもちゃちです。どうしようもないですね。でも,ないと困るから買いました。
 少しはPS2のメモリカードを見習ってもらいたいところですよ,本当に。
2000年12月15日 21時41分11秒

本当に復活するタンゴ
 真空管アンプマニアが心配で心配で眠れぬ夜を過ごしたこの半年,噂ばかりが先行していたタンゴ・ブランドで有名だったトランスメーカーの平田電気の復活ですが,どうやら正式に決定したようです。
 (有)アイエスオー。これが復活する新しい社名です。平田元会長は,基本的には関与しないというのは本当のようで,元従業員の有志で立ち上がる会社です。
 当初来年1月からの生産開始が2月にずれ込むという話で,当然ながら最初はラインナップは限られた物になると思います。
 いずれにしても驚きです。この不況。職人さんの高齢化,静かなブームとはいっても,いつ駄目になるかわからない,不安定要素の大きな世界に,新しく会社が出来るなんて,なんとすごいことか。
 日本は,実は真空管オーディオの先進国です。未だに新しい回路が開発されて検証されていますし,トランスなども新製品が出て,さらにそれらの入手が非常に簡単です。真空管を全く生産していないのに,この盛り上がりはなんだと,私などはおもってしまいます。
 その一翼を担っていたのが,間違いなくタンゴ。そのシュアーな性能は,誰が作っても失敗がないというまさに理想的なトランスであり,私もそのタンゴのトランスの性能に救われた人だと言えるかも知れません。
 最初はいろいろ大変だと思います。会社というのは,ただ物を作っていればいいと言うわけではなく,税金1つとっても,非常に大変なものだと聞きます。
 是非頑張って頂きたいと思います。私も,まだ先ですが,1つ手に入れて新しいアンプを作ってみたい物だと思いました。
2000年12月13日 19時23分28秒

バイオレンスシティー・アキハバラ
 日曜日,体調が最悪だったのですが,思い立って秋葉原に出かけました。職場に1つ,CD-Rドライブが欲しかったんですが,1万円は出せないという勝手な価値判断より,渋っていました。
 ところが日曜日の昼過ぎ,AKIBA PC Hotlineを見てると,1万円を切る価格のものが,いくつか出ていました。内蔵,外付けを問わないですし,4倍速程度あればいい,CD-RWは書き込めなくてもいいですが,SCSIであることが必須でした。
 体調の悪さから,行きの電車の中でも「今ならまだ引き返せる・・・」などと考えながらいると,アキバについてしまいました。
 ついてしまうと元気なもので,うひょうひょいいながら,その1万円のCD-Rを買いました。プレクスターのPX-R412Ciってやつです。
 とりあえず順調に動いているようですが,SCSIカードが怪しいので,どうも心配です。
 CD-Rの次は,ワンダースワンカラーのソフトを買いました。実は私,近所のコンビニで予約をしてあって,発売日である12月9日に購入済みなのでした。ファイナルファンタジーがやりたいわけではなかったので,同梱板を買うことはしませんでしたが,実機を手にして,その空しさが,「カラーのソフトがないやんけ」とつぶやくことで増幅されることに気がつきました。
 そうと決まれば買うしかないです。が,ろくなソフトがありません。GUNPEY EXなるものを買いましたが,あの名作GUNPEYに,果たしてカラーである必然性があるのかと,問われる結果となりました。
 でですね,とりあえずワンダースワンカラーですが,携帯ゲーム機としてのバランスの良さは健在です。液晶については,個人的レベルにおいてなんとか許せる範囲。ただSTN液晶は,やっぱりTFTにはかなわないんだということを感じました。
 初代ワンダースワンの嫌なところも随分改善されています。電源スイッチはメカニカルなスライドスイッチから押しボタン式になりました。さらに,本体の設定で起動時の音量を設定できるようになって,電源投入時に「びゅぅーーん」という爆音で自分も周りも驚くということがなくなりました。
 画面サイズは大きくなりましたし,それでいて電池1本で20時間。もしも次世代ゲームボーイが登場しないというなら,間違いなくナンバーワンかなと思います。
 値段は6800円で,次世代ゲームボーイが似たような価格で出てくることを考えると,かなり割高感があります。
 ワンダースワンのCPUはV30相当(速度的には486と同等らしいです)の約3MHz,一方次世代GBはARM7の約40MHz。圧倒的な差です。
 画面も次世代GBが反射型カラーTFTですから,これもワンダースワンの負け。実際に動いている画面を見てきましたが,ちょっと大きいかなと思う以外は,携帯ゲームマシンの決定版かなと思わせる,完成度でした。やはり,餅は餅屋,なんでしょうかね。
 あと,現在製作中のフォノイコライザアンプ(アナログレコードを再生するには,再生時にある特性のイコライザ,現代用語で言うとデコーダを通す必要があるんですよ)のケースやスイッチなどを買いました。
 随分しっかりした肉厚のアルミケースだったんですが,2000円ちょっとで買えるんですね。もっと高いものかと思っていました。
 そうそう,あと,Photoshopの店頭アップグレードパッケージも買いました。Adobe税を納める時期がやってきたわけですが,今回はしゃくにさわるので,店頭ですませることにしました。これでポイントカードで割り引き出来るというわけです。
 そんなわけで,帰宅後どっと疲れが出てしまったことは言うまでもないのですが,こういう無駄遣いがなくならないと,立派な大人になれないような気がしてきました。

 
2000年12月11日 17時57分16秒

よろしくメカドック
 先週のことですが,なにげに古本屋をふらふらしていたら,突然目の中に「よろしくメカドック」というタイトルが飛び込んできました。
 文庫になって最近出たものだと(といっても1年前ですが)がならんでいたわけです。
 私にとって,このメカドックは未知の漫画でした。世代的にはリアルタイムであったにもかかわらず,まず少年ジャンプとの接点がまったくなかった珍しい人間であるということ,さらにいうとあの連載があった時期は,私は完全に漫画から遠ざかっていたということが,理由にあるとおもいます。
 ただ,中学校の時にクラスの仲間がメカドックがどうのこうと,といってるのを耳にしていましたし,どうも車の漫画で,チューンだなんだと無茶をやってる大袈裟な漫画らしいということは,なんとなく知っていました。
 そして,いつか読んでみたいなと思うようになりました。
 こういうのって,機会の問題ですよね。今はありますが,当時3ローターロータリーエンジンなんて,なんて無茶な発想だと思ったことも思い出しました。
 とりあえず買って帰りました。
 いやー,やっぱり80年代前半の漫画ですよねぇ。ストーリーも薄いし,キャラクターは濃すぎる。
 でも,熱いですよね。かなり大袈裟です。ゲームセンターあらしやとどろけ!一番なんかにも通ずるものがあります。
 登場する車に偏りがありますが,エスハチ,ヨタハチ,そしてロータリーエンジンとRX-7,CR-Xなんかは当時私も欲しかったですよねぇ。
 たぶんもう2度と読まないと思いますが,とりあえず,おくればせながら,同世代の人間に少し追いついた気がします。
2000年12月08日 11時29分37秒

なんと5000カウント
 皆様のおかげを持ちまして,当ホームページは,本日めでたく5000カウントを突破いたしました。
 にゅーすな記事を扱わない,全くの個人サイト(それも全く独りよがりな)でありながら,細く長く5000カウントというのは,「継続は力なり」という格言の大好きだったパソコン博士こと故・宮永好道先生を思い出してしまいます。
 それはさておき,このホームページを総括すると,もともとLA音源という,過去形のシンセサイザ音源に関すること,古いパソコンのこと,そしてこの艦長日誌が3つの柱になっています。
 LA音源について,その内容が新規に追加されることはありませんし,古いパソコンについても,私が新たに古いパソコンを入手せねば,記事の追加はないことになります。
 それでは,継続性の鍵は,この艦長日誌にかかっているということになりますね。
 ホームページを開設した当初,日記なんてまともに付けたことのなかった私が,「毎日」「おもしろいことを」をいうある種の拘束の元に,しかも誰に見られても構わないようなことを書いていけるか,とても自信がありませんでした。
 しかし,ある朝歯を磨いていると,ぴぴーとひらめいたのです。別に毎日でなくてもいいじゃないか,面白くなくてもいいじゃないか,その時その時で,どんなことが頭の中を支配してるのか,それをただただ書いていけば,1年後見直すとき,きっと面白いと,少なくとも私自身が思えるはずだ,と。
 急に楽になったことで,決まったタイトルが「艦長日誌・私的記録」です。この「私的記録」というのが非常に重要で,これがなければ私はこの日誌を,とっくに閉鎖していたことでしょう。
 そんなわけで,その時々になにをやっていたか,何を思っていたかを書くまさに日記という役目を,まだしばらくここは担ってもらうことになると思います。
 そんな日誌でも,面白いと思って読んでいただける方がいらしゃる限りは,少なくともやめないつもりですので,皆様どうぞよろしくお願いいたします。
2000年12月07日 20時50分08秒

ボンボンシナボンシナボンボン
 えー,昨日のカメラ購入の話には後日談があります。
 あまりにおもしろいおもちゃだったことで,私はそれを他人の所有物にするのがとても惜しくなってしまったわけですが,それをそのまま言うとつまらないので,「お金はいいよ,ずっと持っていてもいいし。だけど,所有権は私に残るということで」というふうに話をまとめたわけです。
 すると,お礼に「シナボン」なるお菓子をご馳走してくれました。
 私もちらっと聞いただけの話だったので記憶も薄かったのですが,東京だとお台場なんかにお店があって,少し前は長蛇の列が出来ていたりするような,ちょっと流行気味のお菓子だったりするんだそうです。
 自由が丘にもお店があるとのことで,そこで調達してきたものをご馳走になったというわけです。
 感想。
 まず,一口食べると,その尋常ではない甘さに,まるで歯が溶けてなくってしまうかのような感覚がします。
 私は甘いものが好きですが,この甘さははっきりいって食料品を食べるというより,化合物を食べるという感覚です。
 しかし,しかしです。恐ろしいのは病み付きになるということでしょう。2口,3口と食べるにしたがって,非常に心地よい甘さになっていきます。
 シナモンの香りも手伝って,食べ終わったときには「おいしかった」という感想でいっぱいになります。シナボン,恐るべし。
 1つ250円なんだそうです。なかなか巨大な大きさでもあり,これ1つでお腹が一杯になるという意味でも,コストパフォーマンスは高く,こう言うお菓子にありがちな「ぼったくられた」という気分もないことが,おいしさをさらに高めているといえるでしょう。
 ただ,甘いものがそれほど好きではない人にとっては,1つ食べきるのはかなり難しく,甘いものが嫌いな人にとっては拷問のようなつらさがあることは間違いないでしょう。したがって私は,どんな人にもお勧めできるものだとは思っていません。
 ですが,今年の年末に実家に帰るときの,土産にしようかと画策しています。
 家族みんな,それほど甘いものが好きというわけではないのですが,私が食べたいという理由で,この計画は実行に移される予定です。
2000年12月06日 11時39分53秒

散財
 最近になってさらに忙しくなってしまったので,ここもなかなかペースが落ち気味なのですが,毎日毎日,ここに書きたいなと思うことが起こっていることは確かなので,出来るだけ書いていきます。
 さて,今回は散財のお話し。ある私の友人が,今週の末に結婚式に招待されているそうなのですが,それがきっけかで突然一眼レフで写真が撮りたいと言い出しました。
 私がF3を使っているのを知っていて相談に来てくれたのはいいんですが,写真やカメラについては素人同然であり,私のF3を貸してあげてもたぶん全く使えないだろうと言うことになりました。
 そこで購入を考えるわけですが,安くなったとはいえそれでも10万円近くの買い物になるわけで,それを簡単に薦めるわけにもいかず,なんとかいろいろ考えてみました。
 私はF3に使うつもりで,タムロンの28mm-200mmのズームの2世代目(171Dってやつです)を持っています。AF用のレンズですがMFでも使えるので買ったのですが,私の場合はやっぱ単レンズを使うことが多く,ほとんど出番がありませんでした。
 これを活用すべく,ボディーを中古のニコンのAF機にすれば,安く,それなりのものが用意できるはずです。
 調べてみると,F70Dが3万円くらいです。
 早速新宿の中古カメラやへ行くと,F70Dが28000円,F90Sが31000円です。
 かつてのプロ用サブカメラにもなっていたF90がそんな値段であるとは・・・かなり悩みました。
 しかし,大きい,重い,音がでかい。AFの合焦速度も結構ルーズな感じ。それに程度がいまいちでした。F70Dもそんなにいい程度ではなかったのですが,軽快な操作感とストロボ内蔵というところが決め手になって,これを購入しました。
 さて,テストです。タムロンのレンズを取り付けて遊んでみます。おお,これがAFか。すごいな,確かに便利だわ,それは,ってなわけで,すっかりおもちゃにしていました。
 撮影した物を現像してみると,なかなかいい仕上がりです。特に露出の決定が随分進化しているものだと驚きました。普段のシーンはもちろん,ベテランでも失敗するような特殊な光の具合でも,まずまずのものが撮影できるでしょう。
 当初代金を請求しようとしていた私ですが,このF70Dがすっかり気に入ってしまったので,お金はもらわず,とりあえず貸すということにしました。
 予定外の散財でした。
2000年12月05日 11時34分37秒

三栄無線の復活
 私のチェックが漏れていたというのもあるかも知れませんが,真空管アンプキットの老舗であった,秋葉原の三栄無線さんが,真空管アンプキットの通信販売で,とりあえず復活したようです。
 ホームページによると,11月中旬と言うことですから,もう2週間ほどたっていることになりますね。
 9月末頃から,一体どういう方針で再開するか,悩まれているようなことがホームページに書かれていたのですが,その結果として通信販売のお店に特化されるということなんだと思います。
 私は,実は三栄無線さんにメールを書いて出したことがあります。これからどうしてお店を再開しようかと悩まれているのを見て,いてもたってもいられなくなったのです。私の何も店舗を持つことが重要なわけではない,店舗を持たずとも三栄無線のブランドは,十分信用に足るブランドであり,通信販売のデメリットは,ユーザーにも三栄無線さんにもないと,そういうことを書いた記憶があります。
 ホームページによると,まだまだ品種も少なく,そのほとんどは台数限定となっています。本格始動していないということでしょうが,そもそも三栄無線がお店を閉じたのは,別に売り上げ不振でも債務超過でもなく(本当のところは知りませんがおそらく真実でしょう),タンゴの廃業に伴うトランスの入手不能によるものでした。
 トランスの手当が付き次第再開するようなことが書かれていたわけですが,台数限定の物はたぶん在庫品を集めて,そうでない物はタンゴ以外のトランスメーカーのトランスを元々使っていたんではないでしょうか。
 いずれにせよ,私が初めて組み立てたKT88シングルのアンプは販売が再開されました。これで,良質で安価,高度な測定技術を持たずとも確実に動作させることの出来る真空管アンプが入手可能となったわけで,入門者にとっては非常に心強い物があると思います。
 タンゴが年明けから復活するという話,秋葉原のトランス販売の大手ノグチトランスさんでの,従来品のバージョンアップなど,ちょっと明るい話が出てきました。これで三栄無線さんが軌道に乗れば,また我々愛好者は安心して,楽しむことができます。
 聞けば,ユーゴスラビアの空爆で真空管工場が爆破され,日本への供給が止まっているとのこと。中国でも工場の閉鎖があったりと真空管そのものも以前のような安泰な状況ではないということを頭に入れておく必要があると思いますが,一方でトランスの精算に新規に参入する会社がいくつかあったりと,明るい材料もないわけではありません。
 なぜ今,真空管アンプのブームなのか,半導体アンプが本当に優れているなら,完全に駆逐されても良かったはずで,それが単なる回顧主義と思われる以上の市場規模を持つに至ったのは,それ以外の何かが理由となっているはず。
 今の状況が,出来るだけ長く続けばいいなと思っています。
2000年11月28日 18時47分06秒

DATの修理
 またマニアックな話で恐縮ですが,10年来のつき合いであるDATデッキが壊れたので修理をした話を書きます。
 DATって最近見ないですね。カセットテープと同じ幅のメタルテープと,ビデオのような回転ヘッドを使ってディジタル録音が可能なテープデッキです。テープのサイズはMDよりも小さく,それでいて16ビットリニア,非圧縮でサンプリング周波数は民生用録音機器の統一規格では最高の48kHz。1980年代後半に登場しましたが,CDからのディジタルダビングが出来ることが発売直前に問題となり,様々な制約を受けることでようやく発売に漕ぎ着けたものの,時すでに遅し。アナログのカセットの音質の向上とMDの登場のお陰で,一部のマニアとプロユースで使われるにとどまりました。
 で,私はと言うと,FM放送で放送されていたライブものを毎週のようにチェックしていた関係で,これをとりあえず丸録りするために10年ほど前に導入しました。アイワの安物で,確か4万円ほどだったんじゃないでしょうかね。
 安物ゆえLPモードには未対応,44.1kHzでのアナログ録音は出来ません。しかし信頼性が意外に高く,安心して録音を任せられました。音質はFM放送くらいなら十分で,お気に入りの1台だったわけです。
 しかしDATが徐々に市場からなくなるにつけ,これは危ないと思った私はソニーのちょっと高めのデッキを購入しました。ポータブルサイズのものも持っていますから,都合3台あることになりますね。
 ただ,痛感するのは,テープ自身の耐久度が低く,回転ヘッドというメカニズムということもあって,すぐに音飛びが発生してしまうんですね。これでは貴重な録音を残せません。ですのでもっぱら私は,編集前のマスターとして使っていました。もちろん,音質重視の録音などは,編集後の保存用としても活躍してもらったわけですが。
 新規に導入したソニーのデッキでは,それまで使っていたアイワのデッキで録音したものだと,どうも音飛びが頻発するんです。テープの傷かいえばそうではなく,もとのアイワのデッキで再生すれば全く問題なし。
 DATのテープの走行系には,ビデオデッキを越えるサーボ機構が使われていますが,トラックピッチが狭い上にテープの走行速度が遅い関係もあって,規格化されているとはいえ,やはり微妙な機械的なズレ,つまり相性というのがあるようです。
 そんなわけで,古いアイワのデッキを動くようにしておかねば,ならない理由ができてしまいました。
 そんな中,先日テープの巻き込みをアイワのデッキがやらかしまして,原因を調べるとリールを回すゴムベルトがスリップしています。かわりのベルトは手元にないので,油分をふき取ってスリップしにくくすると,かなり改善されました。
 しかし,どうしたことか,今度は表示が全くつかなくなってしまったのです。
 これには焦りました。操作はできるのでいいんですが,時間やレベルが表示されないと,かなり不自由です。壊れた原因も,もしも表示や操作を司るマイコンの破損だったら,もう素人にはお手上げです。
 オシロなどで波形を確認したところ,どうやらマイコンの故障ではなさそうです。しかし,蛍光表示管という表示デバイスは私にとっては未知の物。動作原理や駆動方法など,さっぱりわかりません。
 急遽勉強して(インターネットの普及で便利なのは,素人でもこの種の情報をすぐに手に入れられることにあると思います。)いろいろ調べてみたところ,蛍光表示管のヒーターをバイアスする電源を作っている,ツェナーダイオードの不良と分かりました。
 これを偶然手持ちで持っていたものと交換。これで元のように表示が復活しました。
 ほっと一息。サンプルレートコンバータの方も,回路のバグや新しいアイデアを組み込んで,ようやくこれでよかろうと思うレベルの完成度に仕上がりました。
 おもしろいんですよね,やっぱりこういうことは。こういうトラブルがあることで,新しい知識が手に入る訳で,チャンスであると考えると,トラブルもまた楽しいものだと思いました。
2000年11月27日 13時44分18秒

内閣不信任案不成立
 アメリカ大統領選挙も大変なことになっていますが(どっちが大統領になっても国民の半数の意見はきっちり葬り去られるわけで,この辺が多数決民主主義の限界とも言われてますね),日本の政治も混迷を極めています。
 そもそも,あの森という総理大臣に問題があることは誰の目にも明らかで,これまでの発言の数々,もう図体がでかいだけの能無し宰相であることは明白でしょう。そしてこれが間接民主主義の限界でもあるわけです。
 自民党が与党となる,自動的にその総裁が首相になるというシステムは,理論的には正しいですが,その内閣の支持率が10%台という事態は,やはり民意にそぐわないものとなっていることに,否定は難しいんではないでしょうか。
 例えば傀儡政権であるならば,それは国民にはわかりにくさがあるため,支持も不支持もしないというスタンスの国民が増えます。言ってみれば,コントロールする側も,される側も,こうした首相がトップに付くことで,大きな問題が外に吹き出すことは避けられるという計算です。大平内閣などは,その好例でしょう。
 さて,今の首相ですが,この人は極めてわかりやすい。スキャンダルはあるわ,発言は誰にもわかる無茶苦茶さで,よく言えばとっても無垢な人であるとも言えます。上司に持つと最も嫌われるタイプの,小汚いオヤジの代表とも言えると思います。
 自民党も,随分スマートで個性的な若いリーダーが台頭するようになりました。YKKなど,得意分野がオーバーラップせず,互いに信頼があるという世界は,それぞれが意見の違いがあっても熱意で結束できるという,ひょっとしたら日本が変わるかも知れないと期待させるに十分な物があります。彼らも歳を取ればわかりませんが。
 さて,昨夜の内閣不信任案決議ですが,深夜に及んだそうです。私は10時頃からテレビを見ておりましたが,10時20分頃にハプニングがありましたね。
 私はこの時,同じテレビを見ている友人と電話をしながらだったのですが,コップの水をかけたちょんまげオールバックのおっさんが,周りに集まった野党の人から指を指されて罵声を浴びせられているシーンは,音が聞こえない状態で見ていると,まさにヘビメタのライブ中継を見ているかのよう。電話の友人が「ロックだロック」と言い出すので,あのコップがブタの頭で,水が血しぶきかなんかだったら,まんまモトリークルーだよなぁ,そう,背後の綿貫さんが空中でグルグル回転してるともっと絵になるよなぁ,などと考えて笑ってました。
 結局ハプニングはありましたが,不信任案は否決。我々が選んだ代議士が森内閣を信任したということになるので,これが民意というのが理屈ですが,そのあたりに実際の民意とのギャップを感じるのは前述の通りです。
 ただ,加藤さんや山崎さんが今回,敗北したとはいえ決起したことは,非常に意味があると思っています。私も今回の件はがっかりしましたが,きっとこれで風穴があくことと思います。少なくとも,次の総裁選挙で森さんが選ばれる可能性は非常に小さくなり,その総裁選挙も参議院選挙をにらんで前倒しされる可能性が高まっています。どっちに転んでも,あと数ヶ月。私の目はすでに,次の総理大臣が誰になるのか,そこに興味が移っています。
 新しい世代に政治の主役が移ること,それがそろそろ起こるような気がしています。遅すぎるのですが,今回こそ,少しばかり期待してもいいかもしれません。
2000年11月21日 13時03分56秒

5年越しの製作
 ここのところ急激に製作熱がやってきていまして,アルミのケースに穴を開けたり,ハンダ付けをするのがとにかく楽しくて仕方がないという感じです。(相変わらず時間はないんですが)
 そんな中で,「サンプルレートコンバーター」なるものを製作しました。
 これ,BSチューナーの32kHz,DATの48kHz,CD やMDの44.1kHzというサンプリング周波数を,ディジタル信号のままで相互変換するものです。ほら,録音可能なMDに内蔵されることが多くなってるでしょ,あれです。
 私がMDを導入したのが今から5年ほど前なのですが,私が買った安物のポータブル型には当然サンプリング周波数を変換するものなど,ありません。そこで買おうと思ったわけですが,2万円近くしてるんですよ。
 それに,テーマとして面白そうですし,自分で作ってみようと考えたんです。幸いにして変換用のICが市販されていることも知っていましたし。
 そんなとき,販売実習なるものがあり,実家の大阪に1ヶ月戻っていました。古巣,日本橋でまた販売員をすることになろうとは。
 昼休みに近所の部品屋やジャンク屋を回るということも,学生時代のころと同じく,とても懐かしく気持ちよく過ごしたわけなののですが,サンプルレートコンバータを作るだけの部品をちょっと集めてみたわけです。
 キーデバイスのサンプルレートコンバートICは,入手の関係でアナログデバイセスのAD1893というものです。結構高価で,確か5000円くらいしたんじゃないかと思います。その代わりなかなか面白そうなICで,入力の周波数と出力の周波数が完全に非同期でいいということですから,例えば39kHzとか47kHzとか,そういう周波数への変換も出来るんです。実用価値はないのですが,これを可能にする技術というのが面白いのです。
 原理はとても簡単です。あるディジタル信号を一旦アナログにして,これをもう一度ディジタルに変換するとします。変換の前後でサンプリング周波数が違っていても構いませんし非同期でもいいわけですが,このIC,原理的にはこれを内部でディジタルのままでやっているんですね。
 アナログがサンプリング周波数が無限大になったものと考えてやると,変換の前後の周波数から見て十分に高い周波数で再サンプリングしてやると,ディジタルのまま変換出来ます。つまり,このAD1983というICは,高速で再サンプリングするディジタルフィルタと,これを一時的に保存するFIFOというメモリからなっているものだと言えます。
 さて,5年前,構想そのものは出来ていましたし,回路もある程度設計を終わらせたはずだったんですけども,今それがどこにいったか,わかりません。手元にあるのはキーデバイスとそれらの技術仕様だけです。
 回路を設計し直しました。三菱のDAIレシーバーICと使ってクロックとデータを分離します。これをAD1893につっこみ,出力を東芝のDAIトランスミッタICに入れて,光コネクタと同軸コネクタをつなぎます。理屈の上では,これで大丈夫なはず。
 ところが勘違いをしていました。あるメーカーのDAIトランスミッタでは,クロックの生成も行われるんですけども,この東芝の物はクロックを外から入れる必要があったのです。ここを訂正してやったのですが,それでもまだ出力されたディジタルデータを音にしてみると,ノイズだらけで聞けたものではありません。
 これはAD1893を,入出力ともにワードクロックに同期して処理をするモードに切り替えることで解決しました。東芝のトランスミッタICの,LRクロックの極性が反対だったのでここをインバータで反転して,一応完成。
 早速試してみました。
 44.1kHzのCDが,32kHzのDATのLPモード用の信号に変換することも出来ます。これはなかなかにすごいですよ。もちろん,MD録音用に出力を44.1kHzにしておけば,外から来る信号がどんな周波数であっても無関係,どんどん録音できてしまいます。
 ただ,どうも32kHzへの変換はちょっとシビアな物があるようで,たぶんクロックとデータの位相がずれてしまったことにあると思うのですが,ノイズ混じりになることがあります。リセットをかければ直るので気にしてませんが,ここを解析する根性はなくなっていたので,アマチュアの工作として割り切りました。
 実はこれ,DATからCDを起こすときに重宝するんですよ。
 DATの古いテープをMacに取り込み,CDにすることを何度かやってみたのですが,48kHzのDATをMacの内部で44.1kHzに変換することがとても時間のかかる作業なんです。だから,リアルタイムで変換できれば,非常に楽な話になるわけです。
 さすがにCDを32kHzのサンプリング周波数に変換すると音質の劣化は避けられませんが,AD1893は音質の分野でもなかなかいい評価をもらっているICのようで,私としては非常に満足な結果となりました。
 5年間ほっといたこの企画が,こうして実現に至るとは私自身も思いませんでしたが,気になっていることが解決して,良かったと思います。
2000年11月20日 19時59分43秒

サトー電気とはこんなところか
 私がラジオ少年だったその昔,初歩のラジオに毎月掲載される製作記事にわくわくしながらも,なにせ電子部品を売っているお店がどこにあるのかも知らない当時,通信販売の広告を見ながらその製作にはいくらかかるのかを計算して一喜一憂するのが唯一の楽しみでした。
 初歩のラジオにはいろいろ通信販売の広告が出ていましたが,トランジスタや抵抗1個の個別の単価が出ている広告など,手間もかかるし効果も薄いということで,そんなにありませんでした。
 しかし,サトー電気といわれるお店だけは違っていました。非常に小さな文字で,1つ1つの部品に値段がついているだけではなく,その品種も半端ではなく,電池ケースやスペーサー,ボリュームのつまみやコンデンサに至るまで,きちんと掲載されていたので,ここだけで1つの製作を完結させることが可能でした。
 で,その私にとっては馴染み深いサトー電気さんですが,大阪にいた当時の印象が強く,その所在は「なにせ遠いところ」という程度のものでした。だから,実際に店頭に足を運ぼうとは思ったことがありませんでした。
 東京に来てからは秋葉原が主戦場でしたから,サトー電気さんのことなどすっかり忘れていたわけですが,あるFETを探していたときに,ふと思い出したのでした。
 このFET,それほど珍しいものではないんですけど,秋葉原の某W松通商では1つ400円というひどい価格がついています。全般的にここはパーツが高価であり,私には印象が非常に悪いお店です。
 参考までに日本橋のテクニカルサンヨーさんでは,1つ200円未満だったと思います。半額以下ですがこれが妥当な値段でしょう。(そういえばファーストリカバリーダイオードの2NU41も,ずいぶん価格差がありましたね。)
 半導体は,仕入れルートや仕入れ量によって値段が大きく開きます。W松通商が暴利をむさぼっているわけではないでしょうが,それにしても数の小さな小売店の,なんと悲しいことでしょう。
 で,問題のサトー電気さんですが,なんと130円と出ています。うーん,えらい安いですね。これなら,数を買って選別をするということをやっても,勿体なくないです。
 通販もいいけど,実際に出向くのもいいだろうと場所を見てみると,神奈川県の川崎でした。
 川崎・・・えらい近くやないか・・・ということで,先週末の土曜日,いってきました。
 川崎駅から少し外れたところにあるんですけど,工場の町って感じですね。駄菓子屋のような小さな店に入っていくと,誰もいません。
 しばらくして店先に出てきた若い方に欲しい半導体のリストを渡して揃えてもらうことにしました。
 実は,価格表をつぶさに見ていると,今や入手不能になった廃品種もたくさんありました。
 2SA12など,私が中学生の時の理科の先生にコピーしてもらったずいぶん古い「ラジオ教科書」の参考回路に出ていたものです。
 100円だし,買っておこうということでリストに加えたわけですが,昔製作したものに使っている半導体を補修部品として確保することを思いついたら,ものすごい品種の半導体を買うことになってしまったのです。
 かれこれ1時間ほどかかったでしょうか,ようやく揃え終わってみると,なんと17000円を超える金額になっていました。まぉ,それだけの買い物をしたよなと思って,途中から出てきた店の主人と思しき方にも「またきます」といって,喜んで帰ったのでした。
 おおむね満足な買い物だったわけですが,1つやられたことがあります。
 私がオーディオ用に好んで使っているトランジスタに,2SA1191という日立のローノイズ品があるのですが,これをお願いしていたところ,2SA1091が間違って袋に入っていました。
 2SA1091を調べてみると,高耐圧のトランジスタだそうで,プラズマディスプレイやニキシー管の駆動用だそうです。
 こんなもん,つかいもんになあんがなー,とか思って伝票を見てみると,伝票には2SA1191と書かれています。
 2SA1191が1つ35円,2SA1091が1つ50円で価格差は15円ですが,私は50円のトランジスタを35円で買ったことになったわけで,「許す」ことにしました・・・
 ま,それは冗談ですが,このちょっと珍しい(自分では買わないよな)高耐圧のトランジスタ,手元にやってきたのも何かの縁でしょう。使いこなして遊んでみるのも悪くないでしょうね。
 そんなわけで,品種も豊富で安く,通販も可能で,ホームページも最近出来たサトー電気さん,私の中では非常にお勧めのお店になりました。良心的なお店で買い物をするのは,とっても気持ちのいいものですね。
2000年11月14日 14時51分50秒

ついてない事件
 朝,会社に出かける途中,外壁のペンキを塗りなおしているマンションの横を通りました。
 マンションの面した歩道をいつものように歩いていると,突然そのマンションから,ペンキ塗りの職人さんが飛び出してきました。
 すんでのところで彼をよけて通ったつもりだったのですが,ズボンの左のポケットになにかぶつかった感覚があります。
 数メートル歩いてから気になってポケットを見てみると,直径1.5cmほどの白いペンキの跡がついています。
 どうも,ペンキ職人の親父の,軍手についたペンキのようです。何かがぶつかった気がしたのは,彼の手だったようです。
 ペンキですからね,洗濯して落ちるものではないですから,どうしようかと思って振り返ったんですよ。
 彼は,オーナーとおぼしきおばさんと,なにやら話をしています。
 「なにしてけつかんどんねん」と,言ってやっても良かったのですが,ここで私は冷静な判断をしました。
 まず,彼が飛び出してきて,急に止まれなかったという事情があるにせよ,ぶつかるぎりぎりのところですり抜けたという行為にそれなりのリスクがあったこと。
 それに,ここで怒ったところで,どうにもならないものですし,その上会社に遅れてしまうのもばかばかしい話です。
 結局彼は私に気がつかず(そりゃそうです)だったのですが,それも「まぁ,職人さんは細かいことに気がつくようではあかんよな」などと,勝手な考えで納得してしまった次第です。
 ウールのズボンでしたので,ペンキは良く乾かしてから,揉むことで大半落とすことができましたし,残りはカッターで削って目立たない程度にできました。
 こうやって実害が出なかったことで,不愉快な思いは消えたわけですが,それでも「いろいろなことがおこるもんだなぁ」と改めて思った,朝でした。
2000年11月10日 19時59分36秒

しばらくぶり
 本当に日誌を書かなくなってしまったので,もう終わりかな,などと思った方もいらっしゃるかと思います。残念でした。まだもうしばらく続けます。
 ただ,そもそもこの日誌を始めた理由が,その時々に思いついたことを記録しておこう程度のものであるため,気分が乗らない時には書かなくなってしまうということは,いかんともしがたいなと思ったりしています。
 さて,長く書かなかったことで,ネタはあります。早速書いていきましょう。
 まず,赤井電機の経営破綻です。赤井電機といえば戦後まもなく,進駐していたアメリカ兵たちに好評だったカセットデッキで,アイワと共に特にカセットデッキの性能で定評のあるオーディオメーカーです。
 オーディオブームの時には非常に輝いた存在だったわけですが,時代がアナログからディジタルに移行すると共に,売りであったテープデッキに対する音質の要求が市場から消えうせ,途端に経営が厳しくなってしまった経緯がありました。
 三菱電機の傘下に入り,営業部門をダイヤトーンと共有しA&Dブランドを作りますが,その後香港の企業グループの傘下に入り,経営の建て直しを進めていました。
 その企業グループも経営不振になったことから,自力再建が不可能として民事再生法の適用を受けることとなったわけです。
 今後は別の香港の企業グループの支援を受けるそうですが,このグループというのがかの山水電気も支援していたりします。
 サンスイ,アカイ,アイワ,ラックスなど,それこそ名門といわれたオーディオ専業メーカーは軒並み買収されたりして,寂しい状況になっています。オンキョーなどは積極的なパソコン周辺機器へのシフトを行っていますし,やはりうまく時代に乗らないと成り立たない世界のようです。
 私自身は以前にも書きましたが,カセットテープの底力を信じている人なので,GX-Z9100EVというアカイの高級機種を,市場からこの種のカセットデッキが消えてなくなってしまう少し前に買っておきました。ずっとTEACファンだったんですが,やはりアカイ独自のGXヘッドを使ってみたくなり,またメカデッキの性能にも定評があって,なによりテープが痛まないという評判を信じて,買うことにしました。
 アナログオーディオというのは,ディジタルとは違い,お金をかければその分だけきちんと音質の向上が図れます。安物と高級品の差がはっきりしているのがアナログであり,ディジタルオーディオが安物でもそこそこの音が出てくるのとは大違いです。
 こういったアナログにはノウハウが必要になるわけですが,その会社がこうして「必要とされない」存在であることを告げられているのを目にして,ちょっと悲しい気分になります。
 幸いなことに,電子楽器部門は昨年,完全に別会社に独立し,資金面での関連が完全になくなっているおかげで,今回の騒動には巻き込まれずに済んだようです。
 オーディオからの脱却を目指して始めた電子楽器部門でしたが,結局会社を救うことが出来ずにおわったということですね。
 次のネタです。私が大学生の約4年間,ずっと働いていた大阪・日本橋のあるパソコンショップが閉店したという話です。
 もっとも,店舗の統合化による閉店であって,会社そのものは以前よりも大きくなっています。小さなワンフロアーのお店ではなく,大規模な店舗を構える形態を目指していただけに,小さな店舗を整理していく方針だったようです。
 そのお店は,実に16年間も,日本橋の汚いビルにありました。まだ8ビットパソコンが主流だった時代の話で,その会社が大阪に出したじゃ時馬手のお店でした。
 ここはお店の感じもとてもあやしく,中古やジャンクも売られていたし,実は値段も安かったので,実は名物店の1つでした。
 最近は本部との方針の違いからギクシャクしていたようで,それも閉店に追い込まれた原因ではないでしょうか。
 当時のメンバーは今でも,他の店舗にいます。だからそんなにショックではないんですけども,やっぱり自分の働いたところが,それも10代後半にいた思い出深い場所がなくなってしまうのは,非常に寂しい思いがします。
 あそこで学んだことは,本当にたくさんありました。「変わらないことの難しさ」を,特に感じました。

 
2000年11月09日 22時51分21秒

真空管アンプ第2号完成
 性懲りもなく,真空管を使ったアンプを2度にわたって作っていることは,先日から書いていたわけですが,昨日その2つ目のアンプが完成しました。
 前回が5998Aという三極管を使った20Wのプッシュプルで,規模や出力からいうと中型機になるところから,気軽に使うと言うものではないわけで,特に低音の再生能力が欲しいときに使うアンプになっています。(この低音,ベースの音程が取れるという話はしましたが,その音程が次第に下がるようなプレイでも,これまでのように下げ止まるような感覚がなく,どんどん底なしに下がっていく感じがあるんですね,このあたりはさすがです。)
 2度目はこの対極となる,小型のシングル,それも多極管を用いて見ようと言うことが,テーマでした。
 秋葉原で偶然見つけたタンゴの出力トランスU-608という良質の素材を手に入れたことがきっかけで,出力管には6V6-GT,初段は6SL7,電源トランスはタンゴのST-220を手持ちから使うという構成を,鈴蘭堂のSU-3というB5サイズよりもまだ小さい小型のシャシーに押し込んでみることにしました。
 U-608はユニバーサルトランスというやつで,1次側のタップにいろいろなインピーダンスのタップが出ていますが,6V6などビーム出力管のスクリーングリッドの始末に最適な,ULタップが出ていません。
 こうしたことを元に,今度は抵抗1本に至るまで,自分で完全に設計をしてみました。とはいえ,あまりにあっけないんですよ,真空管アンプの設計は。
 使う真空管を決めて,電源電圧を決めて,回路形式を決めてやると,もう自動的に回路が決まるんですね。プッシュプルになるとそういうわけにもいかないのですが,小出力のシングルなんかでは,気を遣うのはNFBの位相補償くらいのものです。
 部品を集め,シャシーに穴を開けたところまでが1週間前に終わってるんですが,なにせ狭いシャシーに無理矢理押し込んだので,シャシーの表は,トランスでほとんどの面積を占めています。真空管3本もシャシーの隅っこに追いやられて,随分窮屈そうです。
 心配なのはトランスからの漏洩磁束で,出力トランス,チョークコイル,電源トランスいずれもシールドがない安物ですし,それぞれの向きをきちんと考慮しているとはいえ,非常に近い距離でくっついています。
 特に電源トランスの最も磁束のたくさん出ている方向に,真空管を並べないといけないという厳しいレイアウトになってしまったので,こうした物理的な位置関係からハムが増大して,取りきれなくなることが懸念されてました。(ハムというのは,AC電源の50Hzの周波数がスピーカーからブーンと出てくる現象言います。)
 部品点数が比較的少なく,真空管周りは大したことはなかったのですが,電源回路が大変でした。スペース的にブロックコンデンサをおかず,バラのチューブラー型電解コンデンサをシャシー裏側に配置することにしたのはいいんですが,47μFを2つ,初段用に100μFを1つ,スクリーングリッド電圧生成用に100μFを2つと,かなり大きなものにした関係で,なかなかおさまりません。
 配線も何とか終わり,緊張の火入れです。ざっと危険なショートがないかどうかを確認して,電源を投入します。
 今回のアンプはヘッドフォンも使えるようにと,ヘッドフォンジャックを付けています。ヘッドフォンを差し込んでみます。
 う,すごい,ハムが強烈に出ている・・・
 CDをならしてみます。
 うう,低音がさっぱり出てない。高音も厳しい・・・
 シンバルがなりました。
 ううう,シンバルがなると「びゃーん」とかって変な音がする・・・
 各部の電圧を測ると,プレート電流が設計値の半分くらいになってます。
 確認すると,スクリーングリッドの電圧が100Vを切っています。???配線ミスでした。初段へ送る電圧160Vからスクリーングリッド電圧を作ってしまったので,100Vを切ったのでした。回路図通り出力管へ行く300Vに配線し直します。
 再度電源投入。おお,今度は電流が流れすぎ。6V6の定格を少し越えているなぁ。
 ですが,先にハム退治をすることにしました。
 ついうっかり,各真空管のヒーターをグランドに落とすのを忘れていました。グランドに落とすとかなりハムは小さくなりました。初段だけハムバランサを使おうかと思いましたが,比較した結果グランドに素直に落とした方がハムが小さくなったので,ハムバランサは不採用です。
 それにしても,まぁなんと音の悪いアンプでしょうか。憎くなってきますよ,本当に。
 ま,多極管アンプというのは,負帰還をかけないで使うことはあり得ませんので,先に負帰還をかけていみます。ちょっとたくさんの負帰還をかけて電源投入。
 すると不思議なことに,ハムがほとんど聞こえなくなりました。CDをならしてみますが,さっきとはうってかわって,低音もしっかり出て,高音も伸びています。歪みも減って,なんと素晴らしい澄み切った音に変わったことか。
 気をよくした私は,高域の位相補償をさっさと済ませて,容量負荷時の発振が起こらないことを確認すると,ざっくり測定を行いました。
 最大出力は1kHzで約4.5W。設計よりも少し取れています。周波数特性は-3dBで60Hzから100kHz以上。トランスの特性がそのまま出ました。ダンピングファクタは4.5。多極管アンプとしては優秀な方です。
 音を改めて聞いてみると,これがなかなかいいんです。確かに低域のパワー感は少ないですね。でも,特に声ですが自然に伸びやかな音がします。1号機の三極管アンプに比べると個性は少な目で,音そのものは今時の音ではありますが,今のものより解像度が低い分だけ,柔らかく聞こえるんですね。
 88dB程度の能率の悪いスピーカをつなぐと,音量がちょっともの足りません。でも,本当に4W近くまで歪まず出てくれるので,かなり無理がききます。
 で,一応完成かなと思ったところで,プレート電流が流れすぎていて,定格をオーバーしていることを思い出しました。
 スクリーングリッドの電圧を測定すると,あろう事か295Vもあります。これも明らかに定格オーバーですし,設計値を大幅に越えています。
 そこでここを260V程度に下げる必要が出てきます。抵抗の値を大きくして260Vくらいにしたところで,きっちり設計値通りのプレート電流が流れるようになりました。
 スクリーングリッド恐るべし。こんなにプレート電流に影響を与えるものとは,知りませんでした。
 多極管の使いこなしで難しいのは,やはりスクリーングリッドの扱いでした。しかし,ここをきっちり作れば,大体うまくいくというのもまた事実で,いい勉強になりました。
 定格を越えず,ほぼ設計値の通りに完成した2号機。これもかなりの自信作です。6V6を6L6や6CA7(EL34),KT66等にかえて見る事もできるので,いろいろな真空管の音を試してみる楽しみも手に入りました。
 バランス的に6V6というのは,本当に優秀な真空管だと思ったところで,三極真空管とは違う,さらさらとした手触りの音も,また格別です。
 ところで,お恥ずかしいながら,私は最大出力の測定で,大きな勘違いを今までしておりました。
 オシロスコープで波高値を測定し,これを実効値に直すため1.41で割ってから,その値を2乗して負荷抵抗(4Ωとか8Ωとか)で割ると,出力電力が求まります。
 この,波高値を測定するのが間違ってまして,最大と最小の差を測定していたんです。Peak-to-Peakってやつですね。
 だからいくら計算しても2倍の出力が出てることになっていたのです。正しくは,0Vから最大になる点までを測るべきでだったんです。
 この方法で1号機の最大出力を計算すると,ざっと19.6W。ほぼ設計通りの出力になっています。
 ああ,情けない。基礎中の基礎なんですよね,このあたりの話は。でも,すっきりしました。1号機,2号機とも,矛盾なくきちんと完成したような気がします。
 さて,これで当分真空管アンプの設計と製作はお休みです。これ以上作ることがあるとすれば,他の方へのプレゼントくらいなもので,そんな機会もまずないでしょうから,おそらくこれっきりでしょう。
 次のテーマは,イコライザアンプ。引っ越しをすれば実家からアナログレコードのプレーヤーをもってくるつもりですが,イコライザアンプには現状のものは不満があります。
 現在いくつかの方式を検討中でして,ここは得意の半導体アンプで自作しようと思っています。
 これはまだまだ当分先になると思いますが,私の中ではまたちょっとしたオーディオブームになってますので,10代の時に聞こえなかった音が聞こえるようになったことを,素直に喜んでみたいとおもいます。
2000年10月23日 15時32分18秒

男は黙って黒ラベル
 近所にお酒の売っているコンビニがない私の場合,会社から帰ってのビールは,休みの日に面倒くさがらずに車で1ケースをきちんと買ってあった場合にのみ与えられる,ご褒美です。
 ワインや日本酒というのは体に合わず,バーボンなんかは気分が乗らないと飲まないということで,アルコールの度数から考えるとアルコール1%あたりの重量や体積が不利であるビールは,運搬が面倒というポイントを除けば非常においしいお酒です。
 いろいろ飲み比べて見た結果,関西限定の「生一丁」というビールか,サッポロの黒ラベルのどちらかがお気に入りとなっています。
 生一丁は東京では手に入りにくいので,もっぱら大阪に自動車で帰省したときだけ手に入るわけで,普段は結局黒ラベルということになります。
 さて,先日,髪を切った時に,いつもの商店街の小さな酒屋さんが新装開店しているのが目に付きました。いわゆる酒屋さんから,ディスカウントショップへの転身です。
 お酒は法律による規制があって,誰でも酒屋を開くことが出来るわけではありません。コンビニにお酒をおいているところとそうでないところがあるのは,もともと「酒の販売許可」をもっている酒屋さんがコンビニに転身したかそうでないか,の差となっているんですね。
 話がそれましたが,そのディスカウントショップ,開店セールなるものをやっていたので,立ち寄ってみました。なるほど,いつも1ケース買ってるお店よりもちょっと安い。種類は少ないんだけども,どうせ黒ラベルだからいいやと思って,1ケース買って帰ることにしました。350mlの24本入りです。
 冷蔵庫で冷やして,早速飲んでみました。
 お,おおお,うまいがな・・・
 ビールのもってる香りとでもいうのでしょうか,ふわーっと広がる香ばしさが,口の中にひろがります。
 そう,まるでビールの工場で飲むビールみたいです。
 それに気が付いて缶の底を見ると,なんとまぁ製造が10月中旬となってるではありませんか。ということは,まだ製造後1週間程度ということになります。
 正直驚きました。新装開店ということで,新たに仕入れたビールなんでしょう。ラッキーでした。
 メーカーは工場に在庫せず,出来るだけ早くに出荷してしまうことを,鮮度を維持するという事ともちろん経営的にも積極的に取り組んでいます。
 しかし,とても残念なことに,それから後ろ,つまり酒店での在庫の時間が長く,結局手に入るのは早いものでも製造後1ヶ月ほど経ってしまうものです。
 ひどいものだと半年たってるものが当たる場合もありますね。
 それぞれ,明らかに味が違います。半年経つと,ただ苦いだけの炭酸飲料となってしまいます。しかし,できたてが飲める工場の敷地内にあるビアホールやメーカーの直営店の生ビール,とてもおいしいですよね。
 あと,よく言う話で,黒ラベルは缶より瓶がうまい,ということも,きっとこのあたりと関係があるんではないでしょうか。瓶の方が鮮度を落とさずに済むとか,瓶の方が在庫としてお店におかれる時間が短いとか。
 つくづくビールは生き物だなと思った訳ですが,それにしても,製造後の時間でこれほど味が変わる,言い換えれば品質が変わる食品が,それを全く考慮しない価格で販売されているという仕組みが,どうも納得できません。
 お酒は,製造から時間が経つほど値打ちの出るものもあれば,そんなものに無関係なものもあります。ビールのようにとても鮮度が重要なものもあるわけで,メーカーさんは自分の手元を離れたら知らん顔,ではなく,鮮度を保つ工夫を販売店にも指導するべきなんではないでしょうか。
 ともかく,せっかくのおいしいビール,鮮度の落ちないうちに飲みきってしまわねば。
2000年10月18日 19時41分07秒