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戦前は輸入品ばかりだった趣味の世界というと,オーディオとカメラがその代表でしょうか。どっちもそれなりの歴史があり,また生活の中に完全にとけ込んだものになっています。
どちらにも共通して言えることは,戦後日本はこの分野でまず外国に追いつき,その後エレクトロニクスの民生品への応用とディジタル技術で世界をリードするに至ったということと,今では考えられないような国内市場に支えられて多くのメーカーが個性を競い合っていくことが可能だったことでしょう。 オーディオメーカーは,特に戦後,個性的な商品を出し続けました。私らが子供の頃,中学や高校の入学祝いには30万円近くもするコンポーネントステレオ一式が定番プレゼントだったりしましたし,大学のバイトはオーディオ機器に消えることも当たり前だったわけです。 今はこの座をちょうどPCが譲り受けたことになっているのですが,おかげでオーディオメーカーはどこも風前の灯火です。 昨日,高級オーディオメーカーのナカミチが,民事再生手続き開始を申請しました。負債は約200億円だそうです。 ナカミチと言えば,天才と呼ばれた機械技術者・中道次郎氏が作り上げた究極のテープデッキ,DRAGONシリーズが私にとってはあまりに強烈な印象です。小さなカセットテープを電子レンジくらいの大きな本体の真ん中にセットし,なんとテープをカセットから引っ張り出して大きな駆動メカで動かしていました。なんと無駄なことをするもんだと思いましたが,それをバカにする人がいなかったのが,ナカミチのすごささったんでしょうね。以後,ナカミチのフラッグシップモデルにはことごとく「DRAGON」の称号が与えられます。 ある時期からは最高級のカーオーディオメーカーとして有名になりました。車がもう一台買えるほど高価なシステムでしたが,体験した人に聞くと「あれは下手な部屋で聞く音楽よりもずっと素晴らしいものだ」と言います。これもまた,ナカミチの世界です。 オーディオ機器の低迷,情報関連機器への進出の失敗があって,ナカミチは事実上の倒産をしました。とても残念な事なのですが,こうした例は最近特に増えています。 ・アカイ・・・主力のカセットデッキが廃れて三菱電機の参加に入るが見捨てられ,今は外国資本の傘下に入っている。電子楽器部隊は別法人として存続。 ・アイワ・・・同じくラジカセやカセットデッキでピンチになり,ソニーの傘下に。まだオーディオメーカーの参加にいるだけましだと思う。 ・デンオン・・・日本コロンビアはデンオンを切り離し,結果海外資本の傘下に。今はデノンという名前に。 ・サンスイ・・・紆余曲折があったが,今は海外資本の傘下に。 ・スタックス・・・一度倒産したが従業員有志によって復活。 ・NEC・・・オーディオ部門は社内ベンチャーによって存続。 倒産ではなくとも,ダイヤトーンはスピーカーから完全撤退しましたし,こうしてみると, ・ある分野に対してのみ強かった会社(アカイはテープデッキ,サンスイはアンプという具合に)・・・倒産 ・ミニコンポが売れていたりどの分野もそつなくこなした会社(ソニー,パイオニア,ケンウッド,ギリギリでオンキョーも)・・・存続中 ・ミニコンポも一品ものも全然駄目だった会社(東芝,日立,サンヨー)・・・早期に撤退したので全然平気 という感じではないでしょうか。 惜しいのは,やはりある分野で強かった会社が消えていくことです。コンポーネントステレオの良さは,違うメーカーの違う製品を集めて音を出せることで,その分野で個性を放つメーカーを選ぶことが楽しみの1つです。 こうした商品は,開発にお金がかかるわりには,台数が出ませんので,なかなか現実は厳しいのです。20年ほど前,出せば売れた時代はもうはるか過去の物です。 そんなわけで,別資本が入ることで個性が変わってしまった会社も多く,もし手に入れたいのなら早めが良いというのが私の考えです。 そうはいっても,横幅43cmのフルサイズコンポがおけるほどのゆとりは日本人の家にはありませんし,そういう大きな物がかっこうわるい物と言われる考えが浸透しているのもまた事実で,私自身がそういう考えの持ち主でもあるだけに,なんだか複雑な気分です。 |
2002年02月20日 17時54分18秒
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このところ,気分的なゆとりもなくて,映画なんてさっぱり見てません。しかし,ふとしたことから2つの作品のDVDを買って見たので,その感想を。
1.スペースカウボーイ 昨年の夏でしたっけね,これがDVDで出たの。中古で2000円で買いました。見るからにスカッとさわやかハリウッド映画,って感じの駄作っぽい気がしていたのですが,このところいい作品に恵まれていない(MIBなんて拷問ですよ)心の師匠トミー・リー・ジョーンズ狙いで見る事にしました。ちなみにケンカ大好き橋の上のニコン野郎には私は興味はございませんです。 いわゆるテストパイロットの剛毅な世界を描いた名作として,ライト・スタッフってのがありましたね。この作品は誇りをかけて危険に挑む男を描いた作品なわけですが,このスペースカウボーイの主人公たちも,空軍きっての凄腕テストパイロットという設定です。 期待を裏切られたのは,宇宙なんかとても無理と思われるジジイ連中が,なぜか宇宙に出るというハートウォーミングな映画かと思っていたところが,なぜか後半急激に雲行きが怪しくなり,冷戦だの大国同士の取引だの核兵器だの人類存亡の危機だのと話がドロドロと無意味に大きくなってしまったことでしょう。 あげく,心の師匠トミー・リー・ジョーンズは不治の病で余命僅か&月に置き去りをくらってしまいますし,どうもアメリカ映画ってのは,英雄的犠牲を賛美する,言い換えれば奨励する映画が好きですよね。私が愛してやまないコメディ大作「インディペンデンス・ディ」も,なぜか酔っぱらいのジジイがジェット戦闘機で特攻をかけて大統領大喜び!ですしね。やはりガンダムの影響がここまで出てるんだなと実感した次第です。ジークジオン! 私としては,前半で年寄りが宇宙に出るまでをそれなりにコミカルに描いていただけに,後半の重たいノリは残念でした。 ちなみに,当初この映画とサタデーナイトフィーバーのジジイが出てくる映画を混同していたことは,私にとって棺桶に持って入りたい最高機密事項です。 2.ギター弾きの恋 昨年の秋頃に出たDVDで,映画館で見ることが出来なかった上に,今頃買うことになったDVDです。今やアメリカを代表する巨匠ウッディ・アレンの監督30作品目にあたるそうです。 ウッディ・アレンは,今では泣く子も黙るスーパーアーティストなわけですが,その風貌は頼りなげな駄目そうな男で,実際私生活は駄目男です。そのくせ私の心の恋人ミア・ファローをもてあそんだ罪は許されがたい物があります。 とはいえ,もともとジャズマンであり,コメディ俳優でもあった経験から,絶妙な間や空気を作り出す力には脱帽です。また,話そのものは単純でも,見終わった後にいろいろ考えさせられる映画が多いことも,巨匠と言われるゆえんでしょう。 ギター弾きの恋は,ジャズ黎明期の,ある架空のジャズギタリストを描いた作品です。主人公エメット・レイの見栄っ張りぶりを,ショーン・ペンが見事に演じています。また,彼が見下しつつ次第に惹かれていく口の利けない女性ハッティに,サマンサ・モートンが素晴らしい演技を見せています。 エメットは孤高のギタリスト。自由で奔放で勝手気ままに生きる事が自分には必要と強がっていますが,実はとても機の小さな寂しがりやさん。でも自分から人に甘えることは彼のプライドが許しません。それゆえ,彼の演奏には「感情」が希薄でした。 彼もそれが分かっていたんでしょうね,自分は世界で2番目だ,1番目のジャンゴはすごいと自ら言い切ってしまいます。その差は,感情表現の差にあることも分かっているようです。 しかし,感情を表に出すことはスマートじゃない。とってもクールにすごいギターをプレイする格好良さ,それにこだわるエメットは,小手先で自分のプライドを守ろうと必死です。まぁ,楽器をやってた人間なら自分の高校時代を思い出してください。 そんな彼にいつも純粋な気持ちで接したのがハッティ。セリフが一切なく,表情と身振りだけでその無垢な愛くるしさを表現するのは,とても大変な事のはずですが,エメット以上に見てる人間がどんどん惹かれていきます。恐るべしサマンサ・モートン。 一度ハッティの元を離れて別の女性と結婚,すぐに離婚してまたハッティの元に戻ってくるエメットは,彼女が結婚して子供もいることを本人から聞くことになります。その時もエメットは強がって,自分の悲しさを表に出さず,自分の失敗を認めることをしません。 自暴自棄になった彼は,最後の最後に感情を爆発させ,自分の気持ちに正直になって後悔の涙を流します。 このことが彼のギターを感情豊かな美しい物に変えることになり,後の人間は彼を「史上最高のギタリスト」と賞賛するわけです。 ハッティが結婚したことを知るシーンは,実にあっけないものです。脂っこく描いたりしません。しかし,エメットが自分の気持ちに正直になってギターをたたき壊すシーンまでの短時間での緊張感の高まりは,それまでの出来事を丁寧に時間をかけて描いてきただけに,非常に鮮烈なものがあります。 例によって見終わった後にいろいろ考えさせられるわけですが,エメットはハッティを失った引き替えに,ギタリストとして上り詰めることに成功するわけです。最も恥ずかしい部分である感情を表に出すことで,自分に欠けている要素を手に入れ,切ないほどの美しさを手に入れたエメットのギターは,その最高傑作を最後に残して表舞台から消えるのですが,この高みに登るまでのエメットの葛藤は,どれほどまでに大きく辛い物だったのでしょうか。それを乗り越えることで手にした「史上最高」は,どれほどの密度を持つ物だったのでしょうか。 コメディタッチですし,いわゆるウッディ・アレン節が満載の映画なんですけども,特に10代の頃に楽器をやってた人間は,どこか自分を見てるような気恥ずかしさがあって,いろいろ考えさせられるものがあるんではないかと思います。迷わずお勧めの作品だと,いっておきましょう。出来れば映画館で見たかった作品です。 |
2002年02月19日 17時14分12秒
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忙しかったり体調が悪かったりで,ずっと艦長日誌も更新せずにいたわけですが,別にその間なにもやっていなかったわけではなく,むしろいろいろありすぎて困ってるという感じです。
そんな中で,今回の話は,マウスについてです。 実はこないだ,マウスを買い換えました。 私は,もうMacintoshを使い続けて10年になりますし,WindowsはVersion2.11の頃を知っている(常用していた訳ではない)古い人です(ついでにいうと前方後円墳マウスにしびれまくった人でもありますし,トラックボールといえばキャメルトライよりコンバットスクールの人ですが,なにか?)ので,それなりにマウスやトラックボールには思い入れがあります。 考えてみるとマウスっていうのは,最初はお絵かきソフトなんかから普及が始まったような記憶があるんですね,少なくとも日本では。もちろんそのころ,「MS-DOSってなんどすか」などというふざけた名前のDOS入門書がよく売れていて,いわゆるコマンドリファレンスを片手にDOSコマンドを打ち込むことがコンピュータを操作することと同義だった時代ですので,当然といえば当然かも知れません。 私も当然そういう人だったわけで,趣味で使っていたプリント基板のCADやワープロソフトから進化したレイアウトソフト,あるいは安直にゲームのためにマウスを当時の国民機につないでました。これはこれで結構使えたんです。 ところで,私にとっての最初のマウスはX1turboとZ'sStaffというペイントソフトでして,メニューやアイコンという概念をMacintoshから体験できなかったことは,島国日本に生まれた悲しさだったのかも知れません。 後にUNIXにかぶれた時期,3ボタンマウスの素晴らしさに開眼しました。PCを使ったX端末やPC-UNIXの使いにくさの1つは,マウスにあると今でも思います。 UNIXの3ボタンマウスは,左クリックで選択,右ボタンでメニューなどを出すというところまではPCのそれと同じですが,真ん中のボタンでペーストが出来るんですね。これも,まぁコマンドラインとテキスト文化のUNIXならではの世界観で,私はその考え方に共感していたんだと思います。理屈はともかく,便利でした。 で,Macintoshです。 Macintoshは,ご存じの通り,今でもボタンは1つです。どこぞのマシンのようにホイールがついていたりはしません。 ではMacintoshが不便かというと,そんなことはありません。Macユーザーに聞いてみてください。1ボタンマウスでなにか困ったことはあるか?って。 Macintoshは,GUIを持つ先駆的なマシンです。現在においてもそのUIは高く評価され,アンチMacの人でも,これだけは納得して聞いてくれるほどの物です。そのGUIがたった1つのボタンで解決しているなんていうのは,Windowsとは対極に位置していると思えませんでしょうか? これはつまり,Macが1つのボタンしか必要としないUIだ,ということの証明です。 増え続ける機能に比例して増える操作を,うまく処理しないととても複雑な操作系になってしまいます。ボタンが増えたり,メニューが増えたり,階層が深くなったりしますよね。最近のPCが画面の広さを要求するようになったというのも,その1つでしょう。 Windowsのマウスは,ホイールがついたりボタンが増えたりしていますし,キーボードもなんだかキーが増えていますよね。これって,増える機能をボタンという機構で解決を図った痕跡だといえます。 その結果,使いやすくなったことは否定しませんが,同時に初心者と熟練者の差が開くことになりました。多くのボタンやキーを使いこなせた人ほど,目的に早く到達出来るということは,そうでない人には難しすぎるということを意味しています。これって,熟練者の独りよがりになってしまってはいないでしょうか? 理想とするべきUIというのは,初心者にはやさしく,熟練者のパワーにも十分対応できる操作でしょう。誰にとっても「難しい」とか「面倒だ」とか思われないことが必要なんですよね。 で,Macのマウスを見てみます。ボタンが1つしかありません。これによって初心者は,ボタンは2つを区別して押し分けるものから,ただ押す物,という対象物に格下げされます。これは実はとても大きな事です。ボタンの押分を体で覚えるまで,訓練が必要になるかならないか,そういう意味になるのです。 訓練の必要のない1つのボタンで,Macは破綻してません。押し分ける必要のない仕組みに,Macはその機能のすべてを入れ込むことに成功しているんですね。これはまた,とてもすごいことです。 ボタンの数が減ればそれはそれに越したことはありません。しかし,それで機能が減ったりするとまずいです。そこをMacはいかに解決したのか,これが重要だと思います。 Macは,GUIの先駆者といいながら,実はマウスとキーボードを併用することで熟練者に対応する方針をとってきました。そもそも熟練者にキーボードを使えない人はいないはずですし,キーボードには「ボタン」が100個以上もついています。これを使わないのは不自然だと,アップルは考えた訳です。 こうしてみると,マウスに求められる機能は, ・UNIX・・・コマンドを打ち込むのでマウスの機能は変えなくていい ・Macintosh・・・1ボタンで初心者に優しく,熟練者にはショートカット ・Windows・・・基本的にマウスが主役。マウスが肥大化する傾向がある という感じです。こうしてみると,同じマウスでも随分スタンスが違う物です。 前置きが随分長くなりましたが,そんなわけで,私はあれだけの事をさせるのに,マウスのボタンは1つで十分だというMacintoshのポリシーとまとめ方に共感して,ショートカットを駆使して頑固に1ボタンマウスを使っているのでした。 ところが,ところがです。自宅のMacOS Xで,突然それまで長年使ってきたADBマウスが認識しなくなってしまったのです。 これまでにも認識しなくなることは何度もありました。しかし,差し直したり再起動すると直ってきたのであまり気にしてこなかったのです。 しかし,今回は違います。どうやっても認識しません。PCにつないでいたUSBマウスを一時的につないでみると,これなら動きます。うーん,悲しいかなADBは過去の遺物。今後まともなサポートが期待できない事も含めて,USBマウスへの移行をする時期が来たかな,と思いました。 で,PCのマウスをMacで使ってみると,これがまぁ,なかなか便利だったりします。特にWEBをブラウズする時,ホイールがあると便利だったりするんですよねぇ。 で,ころっと寝返りました。すいません。やっぱホイールがあると便利です,はい。 そうなると,もう新しいマウスを気合いを入れて買うしかありません。 気合いを入れたマウスというと,もうロジクールのマウスしかありません。 マウスの発明者,ダグラス・エンゲルバート博士が顧問を務めるマウスの老舗,米Logitec社。この日本法人がロジクールです。日本ではすでに「ロジテック」という社名が登記されているためでしょうが,日本だけlogitecではありません。 ここのマウスは,確かにやや高価です。しかし,フィット感,操作感,そして安定性などの基本性能で,私にとっては「いつかはロジクール」でした。 そして,目指すは天。Over the Topです。ワイアレス&光学式を目指すのです。 ワイアレスは赤外線式でかつて泣きを見てますので,やっぱRF方式でないとだめですし,光学式は昔高価なワークステーションで味わったあの感覚を取り戻すため,譲れない線です。 結局,形の好みで,6500円ほどのものを買いました。 早速使ってみたのですが,これがまぁ,最高によいです。 マウスパッドは,マウスの移動エリアを予約しておく(パッドなしでもこのマウスは使えますが,私の場合パッドがないとそこに物が置かれてしまい,移動エリアが自動的に減少していきます)ためにおいていますが,ボールがごろごろ転がる感覚もなく,滑るように動かせます。しかもメンテフリーなんですから,いい世の中になったものです。 光学式800カウントというスペックは,移動速度もなめらかさも期待以上のものです。 ボタンのストロークはやや浅く,ちょっと慣れてないので違和感があります。ホイールはちょっと頼りなげで,ここはやや不満です。 無線方式というのは非常に便利で,机の上がすっきりすることもありますし,マウスを緊急避難的に左手で使う場合にもケーブルの取り回しを気にしなくてもよいのが素晴らしいです。 マウスに入れる電池は単3が2本で,ちょっと野暮なんですが,ここには余っていたニッケル水素電池を使っています。まぁこれで電池コストは気にしなくても済みそうです。 日本人が好む,肉厚の薄い筐体と小柄なマウスではありません。ごつい大きさ,中国製らしい肉厚で,見た感じはいまいちなんですが,使えば馴染むこの感覚は,結婚記念日や誕生日,入学祝いのプレゼントにも最適でしょう。 マウスなんか,バカにして選ぶこともこだわることもしない人が多いと思いますが,ちょっと奮発すると,そこにはパラダイスがあります。 てなわけで,もう1ボタンには戻れない体になってしまいました。皆さんすいません。散々いきがってましたが,ホイールマンセー,です。 |
2002年02月15日 17時27分44秒
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1週間ほどPalmをきちんと触ってみて思ったのですが,ザウルスに比べて,
1.動作が軽快 2.電池寿命が長い上 3.乾電池で動く 4.モノクロの狭い画面でも十分見やすく工夫して作られている 5.PC/Macintoshとの連携が実にスムーズ 6.データの入力は基本的にPCで行うという割り切り 7.多くのソフトが揃っている(特にフリーのものに魅力的なものが多い) 8.小さくて軽い 9.ザウルスで出来ることはほぼ出来ることが分かった という結果になりました。 私個人は電池の消費が小さいことがなによりうれしく,そのためにモノクロという画面は非常にありがたいとも思えるので,このm100という機種は私にはぴったりなのかもしれません。 ザウルスにはそれなりの投資も行ってきましたし,なんといっても電子手帳時代から10年以上もザウルスの世話になっているので,今さら他へ移るというのも無理かなと思ってましたが,Palmによって電子手帳の軽快さを思い出した私は,ザウルスの重さに耐えられなくなってしまいました。 Palmもある意味,重くなってきつつあるといいます。カラー化,外部ストレージの対応,高解像度化,大容量の画像/音声データを扱う必要性,といった具合に,現状のCPUではかなりきつい状況になりつつあるようです。 m100という機種は,Palmが軽さを売りに出来る軽いOSの最新版が搭載されている上,機能も絞り込まれているので,それなりに軽快です。だから,私がm100に出会ったというのは,非常にラッキーだったと言えるかもしれません。 ということで,10年以上も連れ添ってきたザウルスから,Palmへの移行を済ませてしまいました。データの変換は結構大変でしたが,うまい方法を見つけたので過去数年分のスケジュール,個人用のアドレスやメモなど,大部分をそのまま持っていくことが出来ました。 その上,トラ技データベースを入れてみたり,買い物リストを使ってみたり(m100には支払いリストはついてないんですよね,だから置き換えアプリから探しました),なかなか便利に使えます。 ザウルスは仕事のアドレスブックと割り切って,会社に残しておくことにします。お金を出して購入したザウルス版ゼビウスが腐ってしまうのがもったいないんですが,どうせ遊んでいませんでしたから,いいです,もう。 で,そうと決まれば環境整備です。まず,Macを母艦としてシンクロナイズが確実に出来る環境を作らないといけません。 悪いことに,MacOS Xで動くPalmDesktopはまだβ版で,シリアルポート経由のHotSyncは時々しか成功しません。これはたまらんとUSBアダプタを買いに行くもどこも在庫なし。 ところが,土曜日,サードパーティ製のUSBのHotSyncケーブルが売っていました。m100用はないと思っていたのに,目の前にあるのがそれだったので,私は慌てて買いました。フェイスプレートも気に入った色が安く売られていたので買いましたし,不満だったペンもいい物に買い直しました。 うちに戻って試してみますが,だめです,ケーブルは認識できませんでした。こういう場合,純正のUSBアダプタと互換性を維持して,ドライバはそのまま流用するということをやるもんだと思っていたんですけど,実にご丁寧に別のベンダーのUSB-Serial変換チップを使っていることがわかりました。 結構メジャーなPL2303という変換チップで,Linuxのカーネルではサポートされていますし,IOデータやATEN等がこれを採用して製品を作っていることも分かったのですが,これら製品に同梱されているドライバは,少なくともMacOS版についてはPL2303の開発元であるBillionton社のものと同じものなんですね。 Windowsのドライバは分かりませんが,少なくともMacOSでは,自力で作っているわけではなさそうです。そうなると,Billionton社がこのチップをMacOS Xに対応させない限り,今回購入したケーブルは使えないことになります。とほほほ。 望みがあるとすれば,次のOSのメジャーアップデートでサポートがあるかどうか,というところでしょうが,もうこうなったらPalm純正のUSBアダプタを何が何でも手に入れるしかありません。今回のケーブルは,会社に持っていってPCで使うことにします。 それはともかく,本日21日から完全にPalmへの移行を行うことになりました。このデータがPalmの上で使えるのが,あと何何くらいなのかさっぱりわかりませんが,これほど世界中で使われているんですから,きっとしばらくは無駄にならないでしょう。 よく言われることではあるのですが,PalmってMacっぽいところがあります。MacのユーザーにもPalmの愛好者は多く,私のようにザウルスを長年使っている人は少ないと思います。それゆえいろいろ不自由をしたのも事実なのですが,もしAppleがPDAを噂通り開発中だとしたら,きっとそっちに移行するんだろうなと,今から思っていたりもします。 |
2002年01月21日 22時21分14秒
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昨年の出来事ベスト10
以前,2001年の私的10大ニュースをまとめると書きましたが,ようやくまとまりました。発表しましょう! 10位 iPod購入 なにせ5万円もする高額なMP3プレイヤーです。買うべきかどうか悩んだのですが,こいつがこれほど,それまでの私と音楽の接し方を変えてしまうとは,創造していませんでした。いつでもどこでも,自分の大多数のライブラリに接しておれて,その日の気分で聴きたいと思う音楽を「たくさん」の中から「選ぶ」という楽しさを与えてくれたのは,おそらく人類史上始めての画期的なことではないのかなと思います。 9位 自転車 生活を変えたものとして,自転車もありますね。子供頃は自転車が大好きで,1日50km以上も自転車で走り回ることもありました。車の免許を取ってからはあまり乗ることもなくなりましたし,なにより電車が便利であると思い始めると,自転車に乗ることも考えつかなくなります。 私の場合は寮にいましたので,自転車を買うことも非現実だったのですが,退寮をきっかけに自転車を買いました。いやー,全く自動車に乗らなくなってしまいましたよ。はっはっは。 8位 茶髪 夏も終わりになるころですが,マンネリ化した毎日に突然ブチ切れ,それまで興味はあったがきっかけがなかった茶髪にすることを思い立ちました。最初は自分で,次は年末にちゃんとプロにやってもらいました。反響がないのがさみしいですが,ただでさえ陰鬱な髪が,少しは軽くなったんではないかと思ったりしてみたり,です。 7位 ステージピアノRD-700購入 夏のボーナスで買いました。RD-700って,ローランドのステージピアノです。もう5年以上も欲しかったんですよね,ステージピアノ。ちょうどRD-600とかSG-1等の新製品が相次いだ時に,余程買おうと思ったんですが,やはり寮では狭くておけません。これも退寮をきっかけに購入を検討したんですが,RD-700はなかなか良い買い物だったと思います。 6位 デジカメE-20購入 冬のボーナスで年末に買いました。デジカメも100万画素を越えるあたりからレンズ性能が見えてくるようになり,また液晶画面ではそのレンズやCCDの性能を生かして作品づくりが出来ないと言う理由から,銀塩からの移行は当分先と考えていました。 しかし,オリンパスからE-10という一眼レフのデジカメが出ていることを知り,これがプロのサブ機になっているという話を聞いて,ちょっとまじめに検討したところ,これは銀塩からの移行に耐えうると判断,上位機種のE-20を買いました。 まだ使いこなせていません。思った通りの写真を撮るには,とにかくとってとって取りまくる,ただ修行あるのみなんですが,そのポテンシャルの高さと,操作系の一眼レフとの互換性の高さが,まさに秀逸です。これで写真も完全にディジタルに移行しました。 5位 友人が亡くなったこと 高校3年生の時の仲間限定で,同窓会的なホームページを私が立ち上げて管理をしているんですが,ここの掲示板によく書き込んでくれていた絵の上手な女の子が,突然亡くなりました。 一昨年の秋頃でしたか,翌年2月頃結婚するつもりだという書き込みがあったんですが,その2月に,突然亡くなったのです。 掲示板の過去ログを見てみると,そのころの屈託のない明るい書き込みが目立ちます。この時,まさか結婚しようと思っていた2月に,自らがこの世にいなくなっているなど,本人が気付く由もありません。さぞ無念だったろうと思います。 お葬式に出た友人の話では,婚約者が指輪をして参列していたそうです。残された者もまた,無念なはずです。 多くの友人と同じですが,彼女がもうこの世にいないなど,ちょっと信じられません。人の命って,本当にはかないものだと,つくづく思い知らされました。 4位 iModeにジョイン 新しもの好きと言うよりマイナー指向の私にとって,携帯電話は忌むべき存在でした。しかし,連絡が付かないと言う理由でやむなく持つことにしたのはPHS。音質もよくデータ通信も快適で,別に問題はなかったのですが,気が付いてみると携帯電話に比べて料金が割高になってました。全国どこでも使える訳ではないのに,割高とはなにごとじゃと,携帯電話にスイッチ。 やるからにはiアプリもやろうということになり,D503iを買いました。今はタダで配られていますが,当時は結構なお値段だったんですよね。 使ってみた感想は,音が悪すぎて,話をしようという気になりません。 3位 ADSL導入,来たれブロードバンド時代 こんな仕事をやってる割には,私のネットワーク環境はお粗末なもので,モデムもしばらくは33.6kbpsでしたし,56kにしたのも随分後でした。メールくらいならダイヤルアップで十分という理屈で,ずっと当たり前のように使っていました。 引っ越しをして,常時接続もやろうと思えば出来るようになって,あのYahoo!BBが現れました。月々5000以上をインターネットに払えない私にとって,その後のADSLの値下がりは福音でした。 Yahoo!BBはやばそうと察知した私は早々にキャンセル,自分が使っていたプロバイダがADSLを値下げしたのを受けてこちらに切り替えました。 速度もそうですが,やっぱり常時接続というのがすばらしいですね。おかげで会社では仕事しかしなくなりましたよ(ワラ)。 2位 MacOS Xの発売,そしてはまりまくる 最新の機種を持ってる人にはわからないでしょうが,私の持ってるマシンは古いマシンですから,MacOS Xは動作対象外です。それを動かすのは大変な苦労がありました。 とはいえ,自分でパッチを作っていれたわけではなく,海外の同じようなことを考えていたチャレンジャーが作ったパッチを使っただけでした。しかし,そもそもインストールも出来ないマシンにあの高度なOSを入れることは困難を極め,それなりの投資も必要になりました。 なにより,原因不明のトラブルで2週間,マシンがバラバラになったままだったことが辛かったですね。結局メモリの不良とわかったんですが,OS9では問題がなかった環境でも,OS Xでは非常にシビアだったので,参りました。 でも,発売日から MacOS Xを使い続けているおかげで,徐々にOS9を起動する事が少なくなり,今ではほとんどOS9をたちあげることはなくなりました。 今年はMacOS Xも勝負の年。多数のキラーアプリケーションが揃い,本格的な離陸が期待できます。 最初は戸惑ったUIもすっかり慣れてしまい,OSの堅牢性やUNIX環境などから,もうOS9には戻れません。先日もOS9であることを忘れてOS Xの気分でつい負荷をかけたら,OSが落ちました。OS9の頃は,安定動作するように知らず知らずのうちに使うクセがついていたんですね。OS Xが手に馴染んでくると,こういうことにはっとさせられます。 1位 引っ越し なんといっても昨年の大仕事は引っ越しでした。いやー,大変でしたね。 昨年の春には寮を出ないといけないので,年初から部屋探し。2月には引っ越しを終えたんですが,部屋代は結構贅沢でも,駐車場とあわせれば安いという物件ゆえ,一人で済むには十分すぎる広さです。 気ままな生活は誰の遠慮もいらないだけに気楽なものですが,考えてみるとそのために大きなコストをかけているわけで,ある意味では当然と言える気がします。 仮に将来誰かと生活することになったとすると,普通は一人一部屋なわけでして,今ある持ち物をそのまま持っていくことは到底不可能だと思います。 新しい生活場所としては,それまでよりもやや通勤に時間がかかるようになりましたが,以前が短すぎたくらいなので今くらいがちょうどいいような感じです。重要なことは普段からゆったりのんびりしている電車が使えること,それと始発に乗れることでしょうか。 ここはどうも古い街のようで,駅前の道も車がようやくすれ違えるかどうかと言う狭く曲がりくねった道です。それゆえ,自動車で幹線道路に出るのはちょっとした緊張があります。 だから,ついつい歩いたり自転車を使ったりするんですね,ますます車の世話になることがなくなってきましたが,まぁそれも仕方がないことでしょう。 笑うのは,近くにトイザらスがあるんですね,自転車で行ける距離です。いやー,これはまずいっすね。ついつい暇になるとおもちゃ屋に出かけてしまう自分が情けないです。 ここにどのくらい住むことになるのかわかりませんが,急に決めてあわただしく引っ越しをしたわりには,なかなかいい感じのところです。 そんなわけで,昨年の10大ニュースを書き連ねてみました。他にもいろいろ書くべき事もありますし,つい忘れてしまっていることもあると思います。 こうしてみると流れの速い時代に,やはり乗ってしまったものと,それらに関係のないこととがあるように思うのですが,総じて思うのは,お金がある時には時間がない,昔から言われるこに尽きると思いますね,ええ。 |
2002年01月18日 14時25分46秒
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えー,実はPalmにはまってます。というか,その良さを素直に認めたという感じです。
ずっと昔の電子手帳からザウルスへ流れた私としては,いまさら新参者のPalmを認める訳には行かず,まだ英語版が輸入されていた頃から注目してはいたもの,結局買うことはありませんでした。 しかし,急激に安くなったこともあって,ちょっと買おうかなという気にもなったんです。でも,買ってどうする?という疑問に答えが出ず,買うことはなかったのです。 しかし,神様はいたずら好きです。一度Palmをすっぱり諦めたにもかかわらず,福袋に入れるという嫌がらせをなさる。なんという試練なのか! そんなことはどうでもいいんですが,福袋に入っていて,おもむろにPalmのm100ユーザーになってしまった私は,正直途方に暮れてしまったのです。 ちょっと使った限りでは,ザウルスよりもさくさく動き,必要にして十分な機能を非常にイイバランスで実現しているような感じです。画面の荒さもフォントの工夫でそれほど見にくくないし,むしろ古き良き時代のMacを触っているような気にもさせられます。 とはいえ,今さら大量のアドレス帳と過去数年分の予定表をザウルスから移行させるほどの力はなく,またそれがたやすくできるツールもありません。もっと深刻なのは私のメインPCは,Mac,それもMacOS Xだということです。 Palmの魅力(というか必須条件なんですが)は,HotSyncの賢さに尽きます。つまりPC前提で作られたPDAなわけで,このあたりが「PCでやることとPDAでやることをきっちり分けて,PDAの負荷を軽くする」という思想を具現化している顕著な例だったりするわけです。 とはいえ,PDAの勝ち組Palmがつながるのは,PCの勝ち組Windowsだったりするのも,また世の常人の常。MacはMacOS9でこそHotSyncが可能ですが,MacOS Xというまだまだ小さなコミュニティでは,結局サポートされないんじゃないかとも思っていたんです。 それで「あー,やめやめ」と思っていたところ,また神様のいたずら。MacOS X版のPalmDesktopがβリリースされているではありませんか。うーん,そこまでして私にPalmを使わせたいのか,ええい,かかってこいや,とPalmに挑戦してみたわけです。 ご存じの通り,m100は最弱のエントリーモデル。DragonballEZという最低のCPUで,クロックは最低の16MHz,メモリは最低の2MByte,勿論モノクロです。ここにまずはPalmwareと呼ばれる,サンプルのゲームなどのソフトを入れてみました。 HotSyncはβ版で,正式サポート外の私のマシンでもとりあえず動き,ゲームがインストール出来ました。ちょっと遊ぶと,なんだかシンプルで,それでいて軽快なので楽しいです。おお,これは・・・という感じですか。 それで調子に乗ってあちこちのサイトを巡ってみました。 Palmのもう1つの楽しさは,世界中で作られる豊富なpalmwareです。製品版からフリーの物まで,あらゆるものが揃っています。特に日本では,草の根的にヘビーユーザーから広まっていきましたから,こだわりのある優秀なものがたくさんあります。 これらをダウンロードし,使っては驚き,使っては喜びを繰り返しているうちに,すっかりPalmの虜に。 甘い話はそうそう続きません。あっという間に2MByteのメモリを使い果たしてしまったのです。そりゃそうです,今や8MByteが最低ラインですから。 そこでまたサイトを探してみると,やっぱりありました。m100を8MByteにする方法が。元々m105という8MByte版が出ていることを考えると,RAMチップの付け替えで8MByteになることはもはや自明ですから。 見てみると,64Mbit×16bitのEDO-DRAMと交換すると良いそうです。秋葉原で部品を買えば某店で3200円。改造サービスを頼むと3800円。うーん,迷うところです。 とりあえず秋葉原に出かけてみると,一昔前のノートPC用に,EDOのSO-DIMMがジャンクで売られています。32MByteで5000円というところです。SO-DIMMは面積が限られるので,32MByteでも64Mbitのチップが普通に使われています。 なにげにみてみると,16MByteのSO-DIMM(2500円でした)に64Mbitのチップが4つついているのが見つかりました。これは・・・そうです,大もうけです。 チップのメーカーは三菱,品名はあらかじめ調べた動作実績のある物ということで,喜んで買って帰りました。ついでに,Palmの聖地イケショップで,ケースとフェイスプレートを買いました。 サイトに紹介されていたm100の基板と私の基板とはリビジョンが違うらしく,レイアウトが違う物だったので焦りましたが,2カ所のジャンパーは基板のパターンから追いかけて,無事に改造終了。一発で8MByteマシンになりました。 あとはもう怒濤のダウンロードです。PoBox,TRAIN,JFileという定番をインストールし,ゲームもいろいろ入れました。私が過去20年以上の蓄積を持っているトランジスタ技術のデータベースをJFile用に変換し,入れてみました。これで,いつでもどこでもモバイルでトラ技の記事を検索できます! さらにクロックアップ。メモリアクセスをノーウェイトにし,クロックを28MHzまで上げました。これでベンチマークを取るとVisorPrismを10%ほど上回る好成績。最近の機種には歯が立たないと思いますが,モノクロでもありますし,十分軽快に動いてくれます。 会社のマシンとは赤外線でHotSync。これでばっちりです。 で,住所録はプライベートの20人ほど,予定については完全にプライベートな物を少し,入れ直すことにしました。ザウルスからの移行は現実的に無理ですし,ザウルスにはザウルスの良さがありますから,これはもう手放せません。 Palmは,完全にプライベートなサポートマシンと言う位置づけです。思い起こせば昔高嶺の花だったX68000は,Palmと同じMC68000を10MHzで動かしていたんですよね。それがまぁ,手のひらに収まってしまうとは。 思っていたことは一通りすませ,今は使い込むことに専念しています。m100で出来ることは大体やった気がするので,必要に応じて上位機種にステップアップすることになるんでしょうが,どうもそれはあまり気が進みません。 思ったことですが,Palmwareは確かに豊富に揃っていますけども,こういっては失礼ですが,内容にしては高額なシェアウェアが多いような気がしました。これいいなと思うとシェアウェア,なんじゃこりゃと思ってもシェアウェア,デファクトになってるフォーマットを閲覧するツールはなんと製品版,という具合に,まともにやればお金が随分かかってしまいます。 私は,シェアウェアについては厳しい意見の人なのですが,一般的にすぐれたソフトほど,フリーか安いシェアウェアのようです。それ以上に,フリーかどうかが作者の意図を如実に示すということで,そこを評価対象にしてるというのも事実ではあります。 てなわけで,グラフィティも覚えましたし,あとはどんどん遊ぶだけです。なかなか侮りがたいPalmでしたが,とりあえず飽きるまで遊んでみます。 |
2002年01月16日 15時02分34秒
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昨夜,深夜2時から始まった,Macworld Conference & Expo/San Francisco 2002でのJobsのキーノートスピーチを,ライブで見ていました。
なんといっても,私も今はADSL。そう,ブロードバンダーです。これは見るしかないでしょう。あれほど米国Appleのサイトで煽っていたんですからね。 で,出てきたものは大方の予想通り,新しいiMacでした。これについてはいろいろな人が紹介するし,論評されるので私も多くは語りません。 ただ1つ,初代iMacと同じ,非常に望ましいコンセプトを今回もきちんと継承したなということは,うれしかったですね。 初代iMacというのは,明らかに初心者向きのマシンでした。接続を簡単にし,インターネットへの一番の近道が売りでしたよね。 でも,そのスペックは当時のハイエンドマシンに匹敵するほど,高いものでした。 日本では,初心者は安いものを買っておくという風習があります。おそらく,初心者は挫折することがあるので安いものを買っておこうとか,初心者は高スペックの物を使いこなせないので,安いものを買っておこうとか,そういうことなんでしょう。 しかし,これは,ことパソコンに限っては成り立たないと思います。 熟練者であれば,低スペックのものでも工夫して使いこなすことができます。初心者は,そもそも操作がおぼつかないような状態なのに,低スペックなもの(概して低速のマシンです)なんか使ってしまったら,挫折しなくてもいいところで挫折してしまいます。 それで,私は初心者には,まず使いこなす覚悟を決めてもらって,予算の許す限り良いマシンを買ってもらうことにしています。最初から最高の道具を持って欲しいんですよね。 初代iMacというのは,まさにこの条件を満たしていました。初心者にこそ,最高のマシンを,しかも安価に。このコンセプトに気付いている他のメーカーがどれほどあるでしょうか。このあたりの感性,Jobsは分かってるんでしょうね。脱帽です。 今回のiMacも,そのコンセプトは外していません。PowerPC G4の800MHzといえば,もう立派なハイエンドです。別にG3でもよかったんじゃないかと思うところに,G4を入れてくるあたり,さすがだなと思いました。さらにDVD-R搭載。iMovie2とiDVDというソフトのおかげで,iMacだけでDVD-Videoが作れてしまうんですよね。 結局のところ,iMacはJobsのいうディジタルハブという戦略の中核をなすマシンなわけです。そのために強力なパワーを与え,しかもそのパワーを初心者でも使い切れる,それがiMacと4つのソフト,iMovie,iDVD,iTunes,そしてiPhotoの存在が,まさにAppleの,Macの目指すところなのですね。 ま,iMacも素晴らしいし,デカiBookも笑いましたが, 私が最も注目したいのは,iPhotoです。 これ,Jobsがいうディジタルハブという戦略上は,iMovieがビデオカメラ,iDVDがDVD,iTunesがMP3プレイヤーやCDをそれぞれ担っています。残ったディジタルギアというと,ディジタルスチルカメラですね。 これまで,MacではImageCaptureというソフトがスチルカメラとの接点でした。これは単に画像の取り込みとリサイズを行うものだったのですが,このソフトの実質的な後継になると思うiPhotoは,取り込み,編集,印刷という3つのプロセスを,すべて統合して行えるものなんだそうです。しかもフリーです。 編集といっても,出来ることはリサイズや回転,赤目を消すとかその程度なのですが,Jobsが講演の中で「Photoshopのプラグインが使える」といってましたので,場合によっては面白いこともできそうです。 ただ,高価なPhtoshopは難しいものでもありますし,普通の人がやってることはiPhotoで出来てしまうのでしょうから,iTunesが市販のMP3エンコーダを駆逐したのと同じようなことが起こるような気もします。 さて,ここまでなら,別にAppleでなくてもいいし,誰にでも考えつくこと,誰にでもやろうと思えば出来てしまうことです。iPhotoがすごいと思ったことは,ここからです。 北米に限定されたサービスなんですが,iPhotoで編集した画像を20×30インチのポスターサイズにプリントアウトするサービスと,iPhotoで編集したアルバムをハードカバーのアルバム本を作って送ってくれるサービスが,iPhotoから利用できるのです。 ポスターが19.99ドル,アルバムが最初の10ページまでが29.99ドル,それ以上は1ページあたり3ドルという料金体系なんですが,これって,いわゆる「ブックオンデマンド」なんですよ。 例えば,電子書籍を紙の本にしてくれるサービスとか,絶版のCDをCD-Rで作ってくれるサービスとか,聞いたことありますよね?でも,どれも未来の話だったり,あまり現実味のある話ではないじゃないですか。 アイデア自体は昔からあるんですけど,実際に商業ベースにのせた会社はそう多くはないはずです。 ディジタルカメラで撮影した画像を,編集し,管理し,そしてポスターに,アルバム本に・・・これをiPhotoが統合化する,データの転送もインターネットでクリック1つ,いや,まさかこんなに早くに,こんな世界がやってくるとは思ってませんでした。まさに「ディジタルハブ」ですよね,すごいです。 日本ではこの分野,フィルムメーカーが主導権を握ってますね。しかし,これでは昔のまま。そうではなく,もっとコンピュータメーカーが頑張るべきです。そして,それが出来るのは,やっぱりAppleでした。 このサービスが日本でも行われることを望むと同時に,はやくビジネスとして確立・定着してくれることを望みたいと思います。 いや,本当に,今回はなかなか盛りだくさんの内容でした。 |
2002年01月08日 19時56分28秒
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正月といえば福袋。在庫処分とわかっていても,それでも福袋という名前が消えない限り,それはめでたいものなわけです。
私は福袋には非常に懐疑的な人でして,福袋の価格でまともな商品を買った方がずっといいものだと思ってました。 ところが一度いい思いをしてしまうと,癖になってしまうあたり,ギャンブル性の中毒症状がでてますね。 そんなわけで,この正月,福袋にチャレンジしました。 結果は, ・Palm m100 ・ゲームボーイアドバンスと画面保護フィルタ ・APSカメラ(オリンパスi75ZOOM) ・チェキPOPと専用フィルム10枚 ・スタンダードビデオテープ3本 ・MD5枚 ・エアーダストクリーナー ・犬のぬいぐるみ(おなかにクリーナーがついている) ・のぽぽん携帯ストラップ(ライト付き) ・のぽぽんスクイーズ(握ってストレス解消らしい) ・ハンディマッサージャー ・黄色いふさふさのついているダストクリーナー ・乾電池単三2本 ・テーブルタップ(5色のiMacの色をしてます) ・ジェルパッド(マウス操作のときに手首に敷くもの) 結構いいですね,まぁ1万円の元はとったと思います。幸いにしてPalmも持ってませんし,チェキは前から欲しかったものなので,よかったと思います。問題はゲームボーイアドバンスで,これ持ってますから,そのままではあまり価値がありません。現金化するのは勿体無い気もしますし,かといって持っているだけでは無駄ですしね,誰かに上げてもいいのですが,これを上げてしまうと福袋が原価割れするので,それもちょっと出来ないですしね・・・ しかし,今回の福袋もそうですけど,結構中身が使い物になるものが入っているもんなんですよね。昔は,ただ在庫処分というだけでなく,使い物にならないものが定番だったもんなんですけどね。 考えてみたんですが,1つに,商品のサイクルが短くなっているというのがあります。福袋に在庫処分という意味合いが強いのは今も昔も同じだと思うのですが,在庫になっている商品が,一昔前ならまだまだ最新のものだったりするような,立派に使えるものが在庫になってしまっているんですね。 性能や使い勝手にそれほどの問題はなくとも,あっという間に旧モデルとなってしまい,それゆえに処分されるんですからメーカーはたまったものではありません。しかし,これが福袋の中身を意味のあるものにしてくれているのは間違いないでしょう。 もう1つ,価格破壊もそうですね。今回私は1万円の福袋を買いました。もしPalmが昔のように高価なものだったら,1万円の福袋には入らなかったでしょう。1万円の福袋の中身の価値が,一昔前に比べて随分向上しているんですね。 とはいえ,やっぱり福袋。万人が満足する福袋はありえず,結局買った人の価値観によって喜んだり後悔したりするものであることに違いはありません。今回は私はPalmを持ってませんでしたからうれしかったですが,もしこの1万円の福袋に先日買ったばかりのデジカメが入っていたりすると,私は間違いなく怒ったでしょう。しかし,大多数の人は普通18万円ほどで売られているデジカメを手にして,とてもハッピーな気分になっているはずです。これほどに,人それぞれの境遇で,その価値が左右されるのも,福袋なわけです。 不況になると福袋の売れ行きがよくなるそうです。無駄遣いがしにくくなる不況の時こそ福袋が売れるとは,人々の福袋への期待が,中身の価値だけではなく,明るい未来にもあるという証ではないでしょうか。 |
2002年01月04日 20時30分35秒
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2002年の正月は、まさに寝正月という感じでした。普段以上にだらだら過ごした正月でしたが、それはそれでとても贅沢だなと思います。
とても月並みな言葉ではありますが、昨年はとてもとてもややこしい年でした。 アフガニスタン、インドとパキスタン、イスラエルとパレスチナ・・・こうしている愛大にも戦いが続いているかの地を思うと、今年こそ人が無駄に死なずにすむ世界の訪れを祈らずにはおれません。 私自身はあまりにのんびりしすぎて、昨年1年の10大ニュースなども考えずに新年を迎えてしまったのですが、まぁこれはまた後日考えることにしましょうか。 そんなわけで、今年も一年、どうぞよろしくお願いいたします。 |
2002年01月01日 22時55分07秒
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