cle.jpg(37312 byte)

復活のCLE


アサヒペンタックスES2のジャンクを見るに見かねて保護して以来,やってみるとなんとか出来るものだなあと深みにはまったカメラの修理ですが,2つめのチャレンジであるニコマートELの修理も終わって,そのことを某巨大掲示板にちょろっと書いてみたところ,


どうですか,ジャンクのCLEを修理してみませんか?

というお話をある方から頂きました。

ミノルタCLEといえば,80年代初頭に生まれたMマウントのレンジファインダー機で,本家ライツの先を行き,電子制御・絞り優先AEを搭載したコンパクトなカメラとして知られています。この実用性の高さから現在でも根強い人気があり,中古価格も高価です。ただ,このころの電子制御カメラの例に漏れず,多くの修理業者が修理を断っている状況のようで,常に故障という恐怖がつきまとっていると聞きます。

私はミノルタのカメラには縁がなく,特に興味がなかったためにほとんど知識もなかったのですが,ライツとの共同開発であるCLやその後発売になったCLEなどには,ちょっと興味がありました。ただ,いずれも古いカメラの割には高価であり,私のような人間には身分不相応であると思って,手を出さずにいました。

そんな中で突然降ってわいた絶好の機会。オークションに出せばジャンクといえど数千円にもなったであろうCLEを,わざわざ手間をかけて見ず知らずの私に託してくださるというのですから,修理を楽しんでいる私としてもこれに勝る名誉はありません。

電気系が専門の私としても,むしろメカメカのカメラより修理できる可能性が高いとふんで,このお申し出をありがたく受けさせていただくことにしました。

しかしこれが,とても険しい冒険の始まりであるということを,この時は知るよしもありません。

頂いた方とのお約束で,一連の顛末を公開してCLEのユーザーに情報の提供をするということを最初から予定していたのですが,実際に作業にかかると写真を撮ったりすることもわすれてしまい,想像以上に画像の少ない内容になってしまいました。

とはいえ,CLEの分解や修理の記事は少ないようで,私もあまり目にすることはありませんでした。情報を必要としている方々のお役にたてば素晴らしいと思います。

なお,この記事を参考にされるのはご自由ですが,その結果起こることについて一切関知いたしません。ご了承下さい。

また,あくまで提供いただいた個体について,復活までの記録をまとめたものですので,CLEの修理やメンテナンス,復活の方法を書いたものではないとご理解いただき,修理のご依頼や部品の提供,プログラムの公開などのお問い合わせについてはご遠慮下さい。


  1. 分解編
  2. 電子回路の説明編
  3. 修理編
  4. 製作編
  5. 測定・調整編
  6. 完成編

[TOP]