なにがTimeMachineだ時間を返せ!
- 2007/10/29 15:21
- カテゴリー:散財
しばらくさぼっていました。身の回りにいろいろとあったことが直截な原因ですが,どうも最近言葉すらすらと出てこないという,嫌な感触に悩まされ,文章を書くことに以前のような積極性を持てないことも理由です。
ネタはいっぱいあるので,少しずつ書いていこうと思います。
さて,今回は旬なネタ,MacOSX10.5「Leopard」です。
私もMacのオーナーになって15年以上,今はiBookG4に落ち着いていますが,OSだけはその都度最新の物を使い込んでいくことを旨としています。
今にして思えば,MacOSX10.0なんてのは,なかなかひどかったなあと思います。マシンの不安定さ(結局メモリの問題だったと後で分かる)もあったのでなにが原因だったかわかりませんが,起動しない,カーネルパニックが頻発,レインボーサークルが回りっぱなし,設定を覚えてくれない,レスポンスが悪すぎる,ということで,まともな作業に使えるものではなかったです。
それでも,その夢ある未来に期待して,私などはちゃんとAppleについていったわけです。
10.3くらいになるとなにも心配することはなくなり,便利になった新しい機能が増えることで,古いOSに戻れないという,良い状況になったと思います。10.4は安定性も機能も,手に馴染む感覚も,やはり一番良かったなあと思います。
10.5はCoverFlowやTimeMachineなど,興味のある機能がいろいろ追加されているのですが,どれもマシンパワーやHDDの容量を必要としそうで,PowerPCG4-1GHzのiBookではかなり厳しいなあという予感はしていました。
ただ,Appleの場合,メジャーリリースでカーネルやFinderがチューニングされて動作が軽くなることもあったりします。新しく追加された機能を使わなければ,それまでよりも軽くなることもあるので,古いマシンでもそこそこ使えるから,新しいOSにする価値もあるのです。
そんなわけで,10.5,金曜日の夜に会社を少し早めに出て,買いに行きました。祭り好きなら秋葉原や銀座に向かうべきなのでしょうが,当時は雨。雨の中わざわざ列ぶというのはどうもなあと思った私は,会社の帰りに寄れる川崎のヨドバシにいきました。
6時ちょっと過ぎに到着したのですが,お客さんは少なく,祭りとはおよそ縁遠い状態です。店員さんが大声を出して10.5の発売をアナウンスしていましたが,そもそもお客が少ないのですから,あまり意味もないです。
それに,なにも注目されるようなイベントがないんですから,店員さんもちょっと気の毒です。なにかくれるかなーと少し期待しましたが,なにももらえず,極めて事務的に会計が済みました。所要時間3分。
こんなあっけなく2年ぶりの祭りが終わっていいのか!と思いましたが,本当の祭りは,家に帰ってから起こることを,この時の私はまだ知りません。
雨の中帰宅し,軽くメールのチェックを行ったりしたあと,OSをインストールします。
最近のMacOSXはインストーラも良くできていて,それまでの環境を引き継ぐための工夫が随所に見られます。通常のアップグレードインストールに加え,システムだけ入れ替えて環境を移行してくれる方法,他のHDDやマシンから環境を引き継ぐ方法,もちろんクリーンインストールも可能と,いろいろ方法が選べます。
そもそも,インストーラが結構賢く信頼できるので,環境の移行に失敗したり,インストール中に止まるなどという問題も,これまであまり経験していません。
すっかり油断していた私は,軽くお酒が入っていたこともあり,深く考えず「アップグレード」を選んでしまいました。HDDの容量が残り少なかったことも理由ですが,最低でもここは古い環境をアーカイブし,環境を移行するという作戦にすべきでした。
また,1週間前に取ったバックアップを更新し,最新のバックアップにすることもすっかり忘れていました。これをやっておけば,時間の短縮に繋がったのですが・・・
2時間以上の時間がかかり,ようやくインストールが終わりました。インストール途中で止まるという最悪の事態がなくて,もう勝ったも同然だワハハハと思って再起動したのですが,どうも様子がおかしい。
ログインウィンドウまでは表示されるのですが,そこからレインボーサークルが回りっぱなしになり,ログイン出来ません。
まあ,最初の起動の時にはこういうこともあるだろうと,しばらく待ってみることにしたのですが,1時間放置しても変化無し。これはいよいよまずいです。
シングルユーザーモードで起動します。HDDの修復などを行いましたが改善されず。なにか互換性のない機能拡張や起動項目がエラーを起こしているのかと思いましたが,起動しない限りそれを特定するのは難しいです。
セーフモードでもログインできず。結局私のiBookG4は,全く操作ができなくなってしまったのでした。
もう一度同じHDDに「アーカイブしてインストール」を行いますが改善されず。もう一度試みますが,今度はHDDの容量不足でインストールも出来なくなってしまいました。
いやはや,この状態では手も足も出ません。某巨大掲示板でも同じ症状の人がいて,解決策は出ていないようです。他にも多種多様なトラブルが発生しているようで,やはり早まったかなあと反省。
DVDから起動しても結局なにも出来ませんし,HDDを取り出してバックアップを取るのもiBookだけに難しいです。
こうなったら,もうクリーンインストールしかありません。
しかし,データを失うわけにはいきません。そこで,外付けHDDにインストールしてここから起動し,データを待避することにしたのですが,どういう分けだか外付けHDDにインストールしようとすると「出来ません」と言われてしまいます。
万事休す。
しかし,HDDがクラッシュしたわけではなく,中にデータが残っているのですから,わざわざ消すことはありません。それに,消えてしまうととっても困ってしまう書類やメールがたくさんあるので,なんとしても救わねばなりません。
そういえば,かつてUSBドライバをぐちゃぐちゃいじっていた時に,キーボードもトラックパッドも動かなくなって困り果てたとき,外付けのHDDから起動させた経験がありました。
その時のHDDはIEEE1394接続だったのですが,まだそれが残っているはずという記憶を頼りに,探してつないでみます。
無事10.4が起動。
とりあえずデータを失うことはなさそうです。
80GBの外付けHDDをつなぎ,内臓HDDをバックアップし,その日は力尽きて寝ることにしました。
翌朝,普段よりも早起きして作業を続行です。
クリーンインストールの用意にかかります。まあ,私のOSは,10.3から10.4にアップグレードしているものですので,少々汚れています。それに,HDDは最初の30GBから100GB,そして現在の120GBと2回入れ替えを行っていて,その度にCarbonCopyClonerの古いバージョンでクローンを作ったものなので,気持ち悪いのは確かです。
もう意味もない古いアプリケーションやドライバも入ったままですし,Classic環境が全敗になった10.5でクリーンインストールをするのは,実はよい機会なのではないかと,気を取り直して作業にかかります。
MacOSのファイルシステムであるHFS+は,基本的には大文字と小文字を区別しない仕様です。最近になって区別できるようになったのですが,そのためにはファイルシステムを更新しないといけないので,フォーマットからやり直さなければなりません。
私はこの機会に,大文字と小文字を区別させるようにしました。せっかくのクリーンインストールですから,これくらいの新しさがないといけません。
インストールはサクサク進み,無事に起動しました。新しいOSを使うという感動を味わうこともせず,あわてて環境の移行です。
メールはメールボックスの取り込み,アプリケーションは原則ベタコピーですませます。設定類は出来るだけApplicationSupportかPrefernceからコピーして,問題が出たアプリだけ設定し直します。
おおむね環境の移行が済んだところで,PhotoshopCS3です。さすがにコピーだけでは起動できなかったので再インストールをしますが,インストール出来ないといわれます。
アップグレード版だからかなあと思い,PhotoshopCSをインストールして,もう一度CS3をインストールします。しかし結果は同じ。
調べてみると,なんとCS3は大文字と小文字を区別するファイルシステムではインストールできないんだそうです。CSは出来たのに・・・
せっかく環境を移行しましたが,フォーマットからまたやり直しです。くそー,時間を返せ。
しかし,これだけの回数をインストールすると,もう慣れた物です。プリンタドライバをインストールしないでおくとインストール時間が大幅に短縮されるので,チェックを全部外します。ほとんど使わないドライバのインストールに,時間を容量をかけるのは無駄もいいところです。
1時間弱でインストールは終了。今度はアプリケーションを立ち上げる前に書類を先にコピーしておきます。メールなどは,この方法で初回起動時に自動的に書式の変更などを行ってくれて,何食わぬ顔でそれまで通り使えるようになりました。
Safariも同様で,ほとんどのアプリケーションがこの方法で問題なく動いています。これでだいぶ時間の短縮になりました。
PhotoshopCS3も問題なくインストールできて,普段よく使うアプリケーションは一通り揃えることが出来ました。空き容量を見てみると,なんと20GBも節約出来ています。
いかにこれまで無駄が多かったか,です。建て増しを繰り返して使うより,やはり綺麗にクリーンインストールした方が気分もいいし,安全です。無駄も省けていいことずくめと言いたいところですが,しばらくはバックアップを消せないですね。
さて,ようやく使ってみた感想です。
まず,結構バグが多いです。リスト表示もしくはCoverFlowでファイル名を書き換えると,Finderが落ちます。これは再現性があります。あと,カーネルパニックも一度経験しました。
それと,これまでのアプリがちゃんと動かなくなっているケースがあります。PixelCatという画像ビューワを使っているのですが,フォルダをドラッグしても開かなくなりました。
全体的な速度はあまり変わりません。Dockは3Dになったことで少々もたつき気味ですが,それほど気になるレベルではありませんが,最近乗り換えたエディタで,CotEditorは非常に重たくなってしまいました。
フォルダのアイコンもちょっと慣れないせいか違和感がありますね。昔の方がよかったように思います。
新しいウィンドウを開くと,その表示がアイコンだったりリストだったりするので,なんで覚えてくれないのかなあと思っていたら,ウィンドウごとに「いつもリストで表示する」というチェックを入れておかないと,最後に変更した表示方法が引き継がれてしまうんですね。
私はウィンドウごとに自動で記憶してくれるのが正しいと思うのですが,今回の10.5では,それをユーザーが明示しないといけなくなりました。ウィンドウごとに記憶されないという考え方は,それはそれで正しいのかもしれませんが,次に開くウィンドウがどういう表示になるかを知らず知らずに覚えているものなので,開いた瞬間に次の作業に移ることもできず,ひっかっかってしまうのが嫌です。
考えてみると,毎回新しいウィンドウを開くという使い方は,いつの間にやら少数派になっているようです。WEBブラウザのように,ウィンドウはそのままに表示内容だけ変わっていくのが当たり前だと,ウィンドウ単位で記憶されてもあまり意味がないのかも知れません。いやー,私もすっかり旧人種です。
期待していたソニーのGPS-CS1Kのマウントは,やっぱり出来ませんでした。Intel版では,10.4.9(だったかな)あたりでUSBドライバが更新され,マウントできるようになっているのですが,PPC版は更新されていません。そこで10.5に期待したのですが,やっぱり駄目でした。
TimeMachineは,まだ試せていません。ただ,バックアップ中もそんなに重くはないですし,操作ミスで消えたはずのファイルが戻せることの安心感は大きなものがあります。このために外付けHDDを買うのももったいないように思いますが,TimeMachineを使えるなら意味があるんではないかと思います。
多くの人が絶賛している辞書もすばらしいですね。市販の電子辞書端末に入っているような本格的な辞書がきちんと入っているので,使い物になりそうです。これまでこれらを数千円なり数万円で購入してきたことを考えると,15000円という価格はお買い得だなあと思います。しかし,あの渋い辞書屋さんが,よくもバンドルを許したなあと思います。
あとは,これまでのOSと同じですね。見た目もこれまでとあまり変わらないものに出来ますし,使い心地はMacOSXそのものです。もう少しバグが取れて,安定してくれば他の人にもお勧めできるようになると思います。
そうそう,ことえり,随分使いやすくなってるようですね。予測変換も出来るようになってるみたいで,もうATOKを買う必要はないんではないかと思います。
POBOXの作者の増井さんがAppleに移られて,iPodTouchにも関わられたと公言されていますが,ひょっとするとことえりも彼の手が入っている可能性があるんじゃないかと思いました。本当のところはよくわかりませんが・・・
これから本格的な運用に入りますが,かなり私自身は期待しています。マシンの買い換えはもう少し先になりそうですが,OSを新しくすることはマシンの買い換えに匹敵します。楽しんでいこうと思います。