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2021年01月の記事は以下のとおりです。

PC-1255とPC-1211も復活,PC-1245は18kバイトのRAMに

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 PC-1251とPC-1211のLCDが,アメリカからようやく届きました。

 PC-1245のヘビーユーザーだった私にとって,上位機種であるPC-1250系は高嶺の花で,あまり思い入れもありません。

 しかし,PC-1245はPC-1250の廉価版ですから,オリジナルのPC-1250系を買わないわけには行かないと,CE-125を買うついでに手に入れました。

 表示桁数が24桁であることはメリットと思いましたが,リザーブキーをユーザー定義しないといけない事,文字が大きいことがどうも慣れませんでした。

 PC-1255相当にメモリを増設してあるのですが,あまり使う事なくLCDが死んでしまいました。

 PC-1211は,PC-1200シリーズの源流ですので,これもやはり使ってみたかったということで手に入れたものです。PC-1210も手に入れたのですが,CE-121とCE-122も持っているので,先にCE-121と一緒に手に入れて,あとからCE-122が欲しくて買ったら付いてきた,と言う感じでしょう。

 独特の黄色いLCDと高級感のある外観,この頃のシャープの関数電卓のテイスト満載のなかなか綺麗なデザインですが,2つの4ビットCPUに仕事を分担させて,よっこいしょとBASICが走っている姿はけなげで,実用マシンではないのですが,なぜか手元に置いておきたくなります。

 しかしこれもLCDが死んでしまいました。

 この2つの機種は,私にとっては実用マシンではありません。コレクションの1つに過ぎないのですが,それゆえLCDの復活は非常にうれしいことで,互換LCDを作って頒布してくれた方には,頭が上がりません。

 昨日カリフォルニアからはるばる届き,早速交換作業ですが,どっちもちょっと苦労しました。

 PC-1251は,これはメモリがメイン基板にないので,通電しながらLCDが綺麗に表示される場所を探り,固定するという技が使えません。この方法は下手をすると壊れるのでお奨めしませんが,導電ゴムに付着したゴミや位置ずれ,フレームをきつく締め過ぎたなどのトラブルを回避するにはとても良い方法です。

 PC-1245はこの方法が有効に使えたのですが,PC-1251はROMもRAMも別基板です。しかもこれを接続しているのは別の導電ゴムです。基板をフレームにきちんと固定しなければ,起動してくれません。

 どうしたものかと思案していたのですが,とりあえず電源を入れてみたところ,どうもCPU内蔵のROMまでは起動しているらしいです。BUSYが点灯していますし,コントラストを最大にすればLCDの導通までは確かめられそうです。

 幸いにして一発で位置決めが出来,フレームの爪を曲げて固定します。あとは磨いて組み立てて修理完了です。

 しかしこのLCD,先日のPC-1245のものとは違って,低い電圧で動くもののようです。コントラスト最大では文字色が黒から青に変わるほどです。あまり電圧を上げると劣化しますので,ここはコントラストを出来るだけ下げて,文字が黒くなるところで使わなければなりません。

 次にPC-1211です。PC-1211は以前LCDを外して修理を試みた時にバラバラにして,そのままになっています。しかもLCDを紛失している(すでにすてたかも)ので,PC-1210から外さねばなりません。

 PC-1210を分解し,LCDをフレームごと取り外します。フレームからLCDを外すにはドライヤーで暖めるのが一番です。

 ここでも電源を入れながらLCDの位置決めをするのですが,悪いことに全く表示が出てきません。おかしいなともう1つのPC-1210で試すと,こちらは表示が出てきます。

 PC-1211の基板が壊れているという事なので,良く確認してみると,コントラスト調整用の半固定抵抗がなくなっていました。こりゃダメです。

 PC-1210から移植しようとするも,ペイントでがっちり固定されているので,簡単には外れません。無理に外そうとして壊してしまいました。

 値はちょっと珍しい250kΩです。手持ちがなかったので500kΩをとりあえず取り付けておきました。

 これでLCDが表示されるようになったので,位置決めして固定。上手くいきました。

 しかし,バラして5年ほども放置していましたので,もう組み立て方を覚えていません。バネを付け忘れる,電池端子をなくしているなど,何度も組み立ててばらしてを繰り返して,どうにか組み立てが完了しました。

 完成したPC-1211をちょっと触ってみたのですが,やっぱり遅いのは困ったものです。処理速度もそうなのですが,起動時間がかかるというのは不便です。

 LCDは電池残量表示まで再現された完成度の高いものですが,色が緑色で,オリジナルの黄色とはかなり違います。それならPC-1212のようにグレーにしておいても良かったんじゃないかと思ったのですが,それでもPC-1210と1211の個性は,あのLCDの色にありましたから,これはこれで良いとしましょう。

 ということで,うちのポケコンはすべて甦りました。

 PiOやI/Oに掲載された殺人的に長いダンプリストも,OCRによって楽に入力できる世の中です。エミュレータで楽しむのもよいですが,やはり実機には実機の面白さがあります。簡単な回路,素人にも修理や改造が出来る実装レベルと,長く使えるマシンだとも思います。(LCDが復活するまではそうも言えなかったですが)

 なにより,この小ささでフルキーボードにテンキーまで持ち,BASICが走るというのが面白いのですが,すでに過去の遺物になっていることが残念でなりません。

(追記)
 すっかり忘れていたのですが,もっとも程度の良い別のPC-1211を片付けてありました。最初からこれをLCDの交換機にすればよかったと思ったのですが,よく見るとキズも多いですし,まあいいか。

 でこの別個体,コントラスト調整用の半固定抵抗がちゃんと実装されていて,しかもペイントが緩めだったので外せそうでした。そこで壊さないように外して,LCDを交換した個体に取り付ける事にしました。

 慌てたのは,LCDを交換した個体を分解したら,ボリュームの厚みのせいでキーボード基板にぶちあたり,メイン基板がねじれてしまっていたのです。これはまずい。すぐに交換することにします。

 念のため,外した500kΩの半固定抵抗の抵抗値を測定するとなんと380kΩ。これ,オリジナルのボリュームである250kΩの調整範囲を超えていますよね。LCDを交換するとコントラスト電圧の仕様も大きく変わってしまうようです。

 とりあえず交換してみますが,やはりLCDが黒くなります。最適な濃度にするには調整範囲が足りません。そこで基板上の100kΩを330kΩに交換しました。交換前はトータルで480kΩだったので,このくらいの値に調整範囲が入ってくればよいでしょう。でもギリギリなので,もう少し大きめの値を入れておけば良かったかなあ。


・おまけ PC-1245の18kByte改造

 むかしのI/Oを見ていたら,PC-1245を18kByteにする改造が出ていました。拡張RAMのCSに,A13をフルデコードしたRAMをあてがってやると,0xa000のイメージにみえる0x8000が独立したエリアになるというやつです。

 手持ちに腐るほど256kbitのSRAMがありますので,中学生の時に改造して以来ずっとそこにあったuPD4364Gとその下のHM6116を取り外し,富士通のMB84256をハンダ付けしました。

 FO3とFO4の2つのCSはANDをとり1つのCSにまとめ,FO4をA13にくっつければ完成です。これでメモリはめでたく17870バイトになりました。

 BASICのスタートアドレスはこれまでの0xa000から0x8000になりましたし,メモリチェックもパスしたので問題なさそうです。あるエミュレータの開発者が0x8000からのエリアは0xa000のイメージでないとBASICが入力出来ないと行ってらっしゃいましたが,うちでは少なくともそういうことは起こっていません。

 

ScanSnapを買い換えた

  • 2021/01/25 10:57
  • カテゴリー:散財

 

 本と雑誌が大好きな人に共通の悩みというのが置き場所です。対象がコミックを含む人は特にそうですが,そうでない私のような人でも置き場所は深刻な問題です。

 そんな人たちを救い出したのが,電子化です。文書のスキャンに特化したドキュメントスキャナと,PDFというプラットフォームに依存しないファイルフォーマットがデファクトになったこと,そして十分な解像度を扱うに足るCPUパワーとメモリ,そしてストレージが現実的なものとなったことが,本の電子化を一気に庶民に引き寄せてくれました。

 それまでは,実体を失う事はすなわち内容を失う事だったわけですが,電子化によって実体と内容が分離され,実体を残さねばならないもののみの場所を確保すれば良くなったことで,新しい本や雑誌をさらに蓄えることが出来るようになったのです。

 ドキュメントスキャナの定番,ScanSnapを最初に導入したのが2007年でした。この時の機種はS500でしたが,良くなったとは言えまだまだ使いこなしの難しい機種でした。

 30万枚を越えたあたりでix500に買い換えたのが2013年。6年も使ったS500はもうヨレヨレでした。

そして2021年,新しいScnanSnapが発表になったことをきっかけに,ix1400という新機種に買い換えました。

 ix500は7年半ほど使いましたから,S500よりも長く使っています。スキャンした枚数は322321枚と少しだけ多いのですが,もはや大した差ではないですね。

 しかし,S500がボロボロだったのに対し,ix500はまだまだ全然大丈夫です。消耗品も長持ちするので,交換は1回だけ,それでも特に不調はなく,画質,紙送り共に問題は感じません。

 これまでに壊れたのはUSB3.0のコネクタが割れてしまったことで,これはコネクタだけ買ってきて交換しました。筐体は割れたり傷が付いたりしていますが,性能面で問題となるものはなにもありません。

 もうしばらく使おうと思っていたのに,なぜ買い換えることにしたのか・・・

 今回の新製品は,それまで全部入りの1機種だけだったものが,WiFiの有無とソフトウェアのライセンスの数の差で,上位機種であるix1600と下位機種のix1400に分かれたのです。

 従来機種と同じスペックが欲しい人にとっては1万円の値上げ,それらが必要なかった人にとっては1万円の値下げになります。

 私は後者なので安くなったことに喜んでいたのですが,ありがたいのはスキャン性能に差がないことです。WiFiを使うこともなく,私だけが使う我が家では,ix1400こそ最適なモデルなわけです。

 メカものは初物に手を出すと痛い目に遭いますから,少し値下がりするころに様子を見て買おうと思っていたのですが,そんな私の心を見透かしたように,PFUから登録ユーザー向けの優待販売の案内が届きました。

 価格を書くとちょっとまずそうなので今は書きませんが,S500もix500も37000円くらいで買っていた私にとっても,最安値となる値段でした。

 ix500の後継品が安くなったわけではなく,機能を削減した下位機種が安いだけなので別に得な話ではないのですが,使わない機能を削除してこの価格になっているならとてもうれしいお話です。

 ix500はまだまだ使えますが,購入後7年以上も経過していること,性能が劇的に上がっていること(毎分25枚から毎分40枚),使い慣れたScanSnapMAnagerが今後も使用出来るようになった事,そして今後もスキャンすることが続くことを考えて,買い換えることにしました。

 購入手続きは1月19日,発売日である1月21日に届きました。シリアル番号は1000に満たず,製造も昨年11月となかなか初々しいですねえ。

 さて開梱して動かしてみましょう。ix500からix1400につなぎ替えただけでは認識せず,ScanSnapmanagerをアップデートする必要がありました。

 しかし,ix1400専用と言うことではなく,これまでにインストールされていたScanSnapからのアップデートで問題なくix1400を認識してくれるので,環境も含めて完全に移行できました。

 早速雑誌を1冊スキャンしてみます。

 うーん,確かに速い。紙がにゅーっと出てくる感じから,がっと飛び出してくるような印象です。これで給装も問題なく,もちろん画質も従来通りというのなら,素晴らしいです。

 ただ,速さというのは慣れしまうとそれが普通になるものなので,4冊程度の雑誌をどのくらいの時間でスキャンできるかというトータルの時間で考えたいところです。

 ところが,スキャン2枚目にして縦筋が発生。ix500でも発生しますし,それはScanSnapの宿命なので文句はないのですが,縦筋軽減機能を謳っているのに,ix500と同じ程度の能力なんじゃ,ないも同然です。これはいきなりがっかりでした。

 もう1つ,画質の差です。これは良し悪しではないのですが,ix500と比べると結構なさがあります。まず色合いです。ix1400の方が青っぽくスキャンされるようです。これはix500の結果と比べるとはっきりとした差で,個人的にはix500が好みでした。

 もう1つはモアレです。カラー印刷の網点で,ix1400はモアレが出てしまいました。ix500では発生しないのでix1400での画質の差となるわけですが,これはなかなか判断が難しいです。

 一般にモアレが出るというのは,解像度が高くなったことが要因となるからで,ix500よりもix1400の方が光学的な解像度が上がっているということでしょう。

 あるいは,ix500が経年変化でボケているのかも知れませんが,どちらにしてもモアレという結果で目に付いてしまうことを,どう割り切るか結論を出さねばなりません。

 ix500の画質は,画像のキレも色合いもよく,気に入っていました。モアレも出ることが少なかったので,スキャン結果についての疑問はなにもなかったのです。

 対してix1400はキレは問題ないですが色は青っぽく,モアレの発生もあります。果たしてix500を置き換えて良い物かどうか,ちょっと迷います。結果の質が良いのですが,i500との差が結構あるのです。

 とはいえ,速度がこれだけ上がり,画像そのものも悪いものではないなら,置き換えないという選択肢はありません。ix500はまだ使えますから,もう少し手元に置いておき,ix1400への全面移行を徐々に進めるようにしたいと思います。

 印刷物が減っていること,いわゆる自炊ブームが去ってしまったことで,ドキュメントスキャナの今後は明るくありません。一方でテレワークの浸透でドキュメントスキャナへの需要は高まったという話もあり,いずれにせよドキュメントスキャナがハードもソフトも最新のもので居続けられるのは,そんなに長くはないように思います。

 少なくとも私は,10年前と同じだけの雑誌を定期的に購入してほぼすべてをスキャンしていますし,本も相変わらず買っていますから,なにも変わっていませんし,今後も急に変わることはないでしょう。

 S500とix500あわせて60万枚以上の紙が電子化され,処分されました。

 長く生きるということは,こうやって澱が溜まることなのかも,知れません。

PC-1245の奇跡の復活

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 ある日,PC-1245などLCDに持病を抱えるポケコンの現状が気になり,google先生に尋ねてみました。

 すると,なんとPC-1250系に互換LCDを作った人がアメリカにいて,その人から購入したLCDでPC-1251を復活させた人の話が飛び込んで来ました。

 いやー,とうとうこういう人が現れましたか。交換するしか修理の手立てがないLCDの問題を,こうして根本的に解決するというのはなかなか出来ない事ですが,昨今のレトロPCブームのおかげで個人ではなく会社やお店がやってくれるんじゃないかと,ちょっとだけ期待してはいました。

でも,まさか個人でやってるとは。

 考えてみれば,LCDのカスタムメイドは初期費用も大きいですが,1回で製造される数が膨大です。1つ1000円で作れたとしても,最低3000個とかいわれたら,それだけで300万円ですからね,ポケコンの修理代として300万円はあまりに非現実です。

 ですが,昨今中国でLCDを作ることが当たり前になりました。初期費用も数万円程度,単価も100円とか200円とか,そんなもんで,数も少なくて済むケースがあると思います。仮に1000個で作ってもらえたら,30万円ほどで作れちゃうんじゃないでしょうか。

 そしてそのLCDを欲しい人に3000円くらいで買ってもらえて,そんな人が100人もいれば元は取れてしまいます。中国でLCDが作れることが,これだけ物事を変えていくと言うことでしょう。

 このアメリカの方はPC-1250系だけではなく,PC-1210系のLCDも復刻させています。価格は良心的な$17程度で,送料を入れても悔しくない価格です。

 私はPC-1251とPC-1211を持っていて,どちらもLCDが死んでいるので迷わず注文しました。

 そして,ついでにPC-1245のLCDも同じように作っている人がいるかもと思って調べてみたのですが,そうするとなんと,日本の方が作ってくれていました。昨年あたりから一部の人の間で話題になっていたようで,私は乗り遅れていたような感じです。

 あわてて注文をします。価格は5500円と結構高価ですが,修理代として出せない金額ではありませんし,なにより自分では出来ない事をやってくれているのでから,そこは感謝です。

 4つまでの購入制限があるので,我が家の3台のPC-1245に予備を1枚でなんとかギリギリ。金額的にも厳しいので4つだけ買うことで辛抱しましょう。

 さすがに日本だけって数日で到着。うれしくてその日のうちに交換作業を敢行しました。

(1)MC-2200

 いきなりこれか,という声が聞こえてきそうですが,そう,セイコーにOEM供給されたPC-1245である,MC-2200です。

 同じ大きさ,同じキーボード配列ですが,真っ黒なボディカラーにクリーム色と真っ赤なキーがアクセントになった,なかなか格好いいマシンです。PC-1245のLCDが左にオフセットしているのに対し,MC-2200は中央に配置されています。

 実物を目にした人が少ないということでなかなか貴重なマシンとして扱われているようなのですが,これもPC-1245と同様にLCDが劣化しますので,完動品はほぼ絶滅でしょう。

 私はLCDが死んだものを安く入手してありました。もしかするとLCDを復活させる方法が見つかるかも知れない,もしかするとLCDだけ生きている壊れたPC-1245が手に入るかもしれないと,入手しておいたのです。

 それがこうして役に立ちました。

 湿気を吸っているため,基板にゆがみが出ていますが,慎重に作業を進め,復活しました。最初の交換作業ということもあり,上手く表示が出ずに何度かやり直す羽目になりましたが,最終的には上手くいきました。

 MC-2200がちゃんと動いているなんて,夢を見ているようです。


(2)PC-1245

 2台目は,私が中学生の時に買ってもらったPC-1245,そのものです。10代の私は常にこれを鞄に入れていました。中学でも高校でも大学でも,いつもこれが私の計算機能を担っていました。

 処分価格で出ていたものをねだって買ってもらったのですが,これがこんなに長年の友となるとはその頃思っていませんでした。

 面白がって改造し,RAMは10.2kBまで増設してあります。これも若気の至りと言いますか,結構乱暴な改造をしてあったりしますし,使っているSRAMもよく分からずに選んでいた感じもあって,恥ずかしいものです。

 社会人になって日頃の仕事にも活躍してくれていましたが,10年ほど前からLCDが黒ずみ始め,現在は真っ黒になってしまいました。少しずつLCDが見えなくなるのを見るのは辛く,不治の病に冒されて朽ちてゆく長年の友をなんとかしようとするも,交換以外に方法がないという現実を受け入れ,同じ大きさで同じように使えるPC-1246を主力機にするという決断をしたのでした。

 それがまたこうして,甦ります。感激です。

 で,会社に置いてあるPC-1246は,気分だけでもPC-1245を継承したいと,PC-1245オリジナルのゴムキーを,PC-1245が持つプラスチック製のキートップのキーボードに交換してしまいました。

 手元のPC-1245は確かに中学生の頃から使うPC-1245に間違いはないのですが,キーボードだけはPC-1246のものに交換されてしまっています。

 いずれPC-1246は会社から取り返してくるとして,先にこのPC-1245のLCDを交換しましょう。

 MC-2200で困った点を注意して,作業を進めます。

 古いLCDをフレームから取り外すのが難しいのですが,私はアセトンなどの溶剤を使わず,ドライヤーで熱を加えて外しました。この時,腕時計の裏蓋を外す工具をLCDの表面からフレームに差し込み,少しずつ隙間を広げていくと上手く外れます。

 裏側からこじるとガラスが割れてしまいますので,無理はしない方が安全です。

 ゼブラゴムは同じ場所,同じ面を使わずにローテーションすると上手くいきます。それから汚れを綺麗にアルコールで拭き取らないと,表示が書けたりリークで余計なドットが表示されたりします。特にLCD側に接触する面にゴミがあると,簡単に表示不良になりますので注意が必要です。

 それから偏光板です。オリジナルはLCDの表面に偏光フィルムが貼り付けられておらず,偏光板が鉄のフレームの上から重ねられています。しかし今回のLCDは偏光フィルムが最初から貼り付けられているので,オリジナルの偏光板は必要がなくなります。

 もちろんあっても表示は出るのですが,暗くなるので外さないといけません。そうすると偏光板の厚みだけ薄くなりますので,LCDの表面を覆うプラスチックの透明カバー(風防と言います)がガタガタします。でも,それはそれで大した問題はないのでOKとします。

 そして,組み込みの際には,電源を入れて動かしながら行います。鉄製のフレームから出ている爪は基板の穴に差し込んで裏側で折り返すわけですが,先にすべての爪を曲げてしまわず,左側から表示を確認しながら1つずつ曲げていくのです。

 爪をさらにきちんと曲げて強く固定し,交換完了。最終組み立てを行って電源を入れますが,起動しません。あちゃー,壊してしまいました。

 ああ友よ,さっきまで君は元気に動いていたじゃないか。

 なのにリセットをかけてもBUSYと出るばかり。

 なにせ私にとっては特別な1台ですから,急遽修理を始める事にします。まずは電源とリセットですが,これは大丈夫。ならばクロックを確認しないととオシロスコープの電源を入れて確認をすると,これも大丈夫です。

 バスのアクセスはどうなっているかと確認すると,これはリセット解除後からずっとパタパタ動いており,少なくともCPUやROMが死んだというわけではなさそうです。

 概ね,基板,それもスルーホールやパターンが切れたんだろうと今度はテスターでパターンを追います。回路図を見ながらCPUとROMとRAM, そしてLCDCのデータバスとアドレスバスを見ていきます。

 すると,一部データバスがショートしているのがわかりました。これは面倒くさいです。バスのショートはハンダのブリッジが主な原因ですが,どこでブリッジしているかは目で追いかけるしかないからです。

 それでも見つからないと,今度はICの不良の可能性を疑うことになりますが,その段階で修理を終わらせるのはかなり困難になってしまうことが確定です。

 バスのショートは,どういう訳だか2本ではなく3本のショートであることがわかりました。そして偶然,LCDのフレームともショートしていることがわかったのです。

 取り付け中までは正常動作していたのですから,問題が起きたのはその後,つまり爪を曲げ直ししたところで起きたのでしょう。強く曲げすぎたせいで鉄製のフレームが基板のどこかに接触してしまったのかも知れません。

 そこで爪を少し起こして緩めてやると,今度は無事に起動しました。あー,よかった。

 同じような失敗をしないように慎重に最終組み立てを行って完成。今度はちゃんと動きます。
13歳の私が初めてにしたモバイルマシン。私の計算能力のほぼすべてと記憶の一部を担った真のポケットに入る小型コンピュータがここに復活です。


(3)PC-1245

 PC-1245は特別なマシンですので予備機を1つ,機会があるときに購入してありました。程度は良く,綺麗な状態で手に入ったので無改造のままです。部品取りになるか,置き換えになるかはわかりませんでしたが,もう1つあるという安心感こそが重要でした。

 これがやはり,LCDの劣化という不可避の病を発病してしていました。

 分解と交換作業は手慣れたもので,手際よく進みます。爪を曲げすぎると暴走するという問題もそのまま再現し,爪を起こして正常動作をするようにしてから最終組み立てを完了です。

 この個体は常用しませんので電池は入れないのですが,少し使ってみると程度の良かった昔のPC-1245を思いだし,そういえば中学生の時の病院の待ち時間で,随分活躍してくれたなあと,懐かしい思い出が蘇ってきました。


 ということで,うちにあるすべてのPC-1245が復活しました。もう完全にあきらめていただけに,この喜びは大きく,こういうチャンスをくれたことに本当に感謝しています。

 期間限定であり,これを超える形での修理はもう二度と出来ないだろうと思うのですが,今回はうまくチャンスをつかまえることが出来ました。

 高価だとは思いましたが,5000円で修理出来ればありがたいくらいです。そして今後は,別の機種にも手を広げて下さるとうれしいのですが,PC-1245やPC-1250のような数の出たモデルではあなく,品種も増え,しかもそれぞれに異なるLCDを持つものばかりですので,難しいだろうと思います。

 私が持つLCDに持病を持つポケコンは,PC-1401,PC-1246です。どっちも不人気機種でしたし,LCDの交換をしてまで修理しようという熱意のある人はいないと思います。PC-1246はマシン語が走りませんから不人気と言うよりも悪者扱いでしたので,私は好きなマシンですがこれはもうこのままになってしまうでしょう。

 さて,次はアメリから届く予定のPC-1211とPC-1251です。まだ発送もされていませんし,海外から届くので時間もかかるでしょう。本命はPC-1251ですが,性能面で実用性の乏しいPC-1211も,実はあの独特の表示を見るのが楽しみです。



浴室乾燥機を交換する

 ここ数年,風呂場の換気/浴室乾燥機が異音を発生していて,困っていました。

 最近はすっかり慣れてしまったのでいつからこんなにひどくなったのか,もう覚えていないのですが,あのベアリングが劣化したゴロゴロいう大きな音に加え,ここ1ヶ月ほどは「チリチリ」という金属が当たるような音まで出るようになりました。

 そんなにうるさければ止めろという声も聞こえてきますが,我が家も24時間換気が必須となっている住宅で,風呂場の換気扇がそれを担っている以上,止めるわけにはいきません。

 モーターのベアリングが悪いことは明白ですので,交換用のモーターが手に入ればそれで修理出来そうなものですが,残念な事にそういう対応を行ってくれるメーカーは限られているでしょう。

 ならば交換か出張修理となるわけですが,この手の住宅設備というのはなにかと高額なもので,私はやむを得ないと思いつつも,これだけ家電の値段が下がっている昨今にあって,どうも割高感を拭えずにいます。

 だって,枯れた技術で作られた,なんでもないファンモーターのベアリングが死んだだけで,交換費用も含めて10万円コースですよ?

 とまあ,そんな事情もあって,今まで面倒で放置していたのです。

 問題となっているのは,マックスという会社のBS-141H2という製品です。24時間回り続けるファンですから壊れてもおかしくないのですが,設計寿命を10年としているのに5年ほどでゴリゴリ言い出すというのは,ちょっとマズいんじゃないかと思います。

 調べてみるとこのシリーズの製品に同様のトラブルは定番らしく,あちこちで「壊れた」「うるさい」といった文句を目にします。うーん,住宅はどんどん壊れるようになってきているような印象です。

 せっかく電気工事士の資格を持っているのですから,自分で交換することも考えてみます。水栓を交換したときにも書きましたが,以前は専門家しか取り付けできないものは市販されておらず,製品の値段で工賃を捻出するような感じだったわけですが,最近はありがたい事に製品だけ販売してくれる業者が増えてきました。

 BS-141H2は製造中止品でした。後継はBS-161になるとのこと。取り付け穴もほぼ同じで,交換にはうってつけです。

 個人的には,モーターの寿命を見積もれなかったマックスは敬遠したかったのですが,他のメーカーにだと取り付け穴が異なるので,かなり大がかりになる上,失敗のリスクも大きくなります。不本意ながら,マックスのものを第一候補とします。

 結局,amazonが一番安いことがわかり,BS-161を発注しました。値段は36000円ほど。言ってみれば電熱ヒーターとシロッコファンに4万円ですから,ボロ儲けだなあと思います。こんなの半額でなくっちゃ。

 さて,届くまでにあれこれを作戦を立てるのですが,最大の難関は高さが十分ではない作業スペースで,どうやって排気口と本体をアルミテープで固定するか,です。

 アルミテープを貼り付けた裏側に手が回りませんし,眼で見ることも出来ませんので,多分上手くいったという想像で作業を進める必要があります。

 加えて,3kg以上もある大きなものを,片手で持ち上げつつ片手でネジを締めるという離れ業をやってのけなくていけなくて,ここがかなりきついだろうと思っていました。

 届いたBS-161は想像していたほど大きくも重くもなく,これなら3時間もあれば作業できるんじゃないかとふんで,夕方から交換作業を決行します。

 最初は古いBS-141H2の取り外しです。まず点検口から手を伸ばし,ダクトを外し,電気の配線を取り外していきます。アルミテープを剥がすのに苦労しましたが,まあこれは大丈夫。あとは電動ドライバーでさっさとネジを外し,落とさないように外してしまいます。

 次にBS-161を持ち上げ,元のネジ穴にネジを入れて固定します。

 しかしこれが大変でした。片腕で持ち上げて位置決めをし,もう片腕でネジを差し込み回さないといけません。最低2本はネジを締めておかないと,重さに耐えかねて落下する危険性もあります。

 なかなかうまく位置決めできず,もうヨレヨレになってようやくネジを差し込むのですが,大きくズレてしまっていて元のネジ穴に刺さりません。刺さっても少し斜めに入り込むと天井の裏側の穴からズレてしまうので,途中で回らなくなってしまいます。

 これを6本でやるんですから,もう大変です。

 しかも,このうち3本は点検口から見えない位置にあります。ネジがきちんと飛び出して固定されているかが目視できないのです。こわいです。

 しかも,頼みの綱の電動ドライバーは,力が強すぎてネジ穴を壊してしまいそうです。ここはしんどいですが,手で回すドライバ-を使いましょう。

 40分ほど格闘して,ようやく固定に成功しました。このうち1本はネジ穴を潰してなめてしまったのですが,ここだけの秘密です。

 次はダクトです。ダクトはフレキシブルパイプをそのまま流用し,本体にはめ込んでアルミテープで固定します。なにせ取り付け箇所が手に入らない場所ですし,目で見えない場所でもあるので,とにかく難しい作業になることを覚悟していました。

 その予想は当たり,ここも40分ほどかかってしまいます。しかも点検口から体を入れての作業で,少し高さの足りない脚立のせいもあって,作業は困難を極めました。

 アルミテープを少し長めに切って,ぐるっと向こう側を回して貼り付けるのですが,アルミテープの端がこちらに来てくれません。無理に回そうとするとくしゃくしゃになったり,他にくっついたりして手に負えません。

 脚立の関係で,片腕は体を支える必要があり,作業に使えるのは実質1本の腕だけです。何度もやり直して,ようやく固定できました。それでも見えているわけではないですし,5mm程の太さの電線を向こう側に回し,引っ張って押して接着したので,上手くいっているかどうかは自分の腕を信じるしかありません。

 心配していてもキリがないので先に進みます。

 次はリモコンです。元のリモコンケーブルは使えませんので,新しいケーブルを古いケーブルの先に巻き付けて,壁側から引っ張ります。すると新しいケーブルの先端が壁から出てきますので,新しいリモコンに取り付けて固定。

 まあ電気屋さんですからね,これくらいは休憩みたいなもんです。

 最後に電源の配線です。これも簡単。被覆を剥いて端子台に差し込むだけです。

 点検を目視で行い,ブレーカーを戻します。一通り動作確認を行い,本当にフラフラしながら作業を完了します。

 音が格段に静かになったことをエネルギー源に,散らかり汚れた風呂場を片付けて掃除します。この時すでに私の体力は限界近くになっていました。

 掃除まで終わったのが,作業開始から3時間後。ほぼ予定していた通りの時間だったのですが,プロはこれをもっと短時間で,しかも一日何件もやるんでしょう?すごいですよね。

 私は夕食も担当ですので,この力仕事の後ご飯も作りました。もう動けないんじゃないかと思うほど疲労していましたが,作業が上手くいき,家族の評判も上々とあれば,そんなに悪い気もしません。

 ということで,36000円ほどで交換作業が終わったわけですが,特別安いという気もしませんし,しんどかったこと,体が痛いことも含めると,なんと面倒くさい話かと思いました。

 静かなことは良いのですが,もともとこれが普通だったことを思い出すと,これまでなんと劣悪な環境だったのかとため息さえ出てきます。

 どうせ数年でまた壊れるでしょう。過度な期待をしないでおこうと思います。

 さて,前述の通り私は電気工事士の資格を持っているので交換作業を行うことが出来ました。これから死ぬまでの間に,こういうことを経験することもそうそうないと思います。壊れたこと,それが自分の手で交換可能なことは,なかなか体験出来ない作業を経験する希有なチャンスと考えて,今回の作業を楽しく行うことが出来ました。

 時間がかかっても,極端に言えば失敗しても自分だけの問題ですから,納得するまでやっても,せいぜい家族が文句を言う程度の話です。アマチュアとは気楽でいいものです。

 そして,私はつくづく体力がないなあと思いました。腕も知識も十分だと思う訳ですが,決定的に不足しているのは体力と経験。経験はやむを得ないとしても体力はもうどうにもこうにも足りないです。

 わずか1件,それもフラフラになりなりながらの作業です。これを毎日毎日何件もこなす仕事は,私には出来ないなあと思いました。別の人生は,こういう理由で閉ざされるものなんですね。

 水栓,浴室乾燥機とくれば,次は食洗機でしょう。

 重量物,電気工事,水道工事,狭い場所での作業と,その難易度はSクラス。本当に自分で出来るのかも疑わしいわけで,出来ればやりたくないものです。

 あと数年,寿命を迎えるまで動き続けてくれることを祈りたいと思います。


 

2020年の散財を振り返る

 毎年恒例,昨年1年の散在を振り返る時がやってきました。

 昨年は新型コロナの影響で例年とは違う毎日を過ごすことになりました。正直なところ,散財どころの話ではなかったというのが本音ですし,一方でコロナが蔓延していてもいなくても,欲しいものは通販で買っただろうから関係なかったという気もします。

 ですが,やはりマインドの問題として,物欲が低調だったことは否めないです。

 ただ,昨年は6月末まで,消費税増税対策としてキャッシュレス決済で5%のポイント還元がありました。私もこれに背中を押されて,高額商品の購入に踏み切りましたが,今となってはそんなこともあったなあという遠い記憶になっています。

(1)カメラ関係

 コンパクトデジカメはほぼ絶滅,ミラーレスへの移行が進んで,Fマウントユーザーの私はお金を使いたくても使えないと言うさみしい状況が昨年の動きだったと思います。

 そういうわけで,デジタルカメラへの大きな投資はなく,せいぜいD850の大容量バッテリーを正しく充電出来る純正チャージャーを買ったくらいです。これ,なかなか高価な代物でして,当初買わずに済ませていたのですが,やがてきちんと充電出来なくなっただけではなく,電池そのものが使用出来なくなるという大問題を引き起こしてしまい,泣く泣く買う羽目になったという感じです。

 積極的にというより,消極的な理由で買ったものだけに記憶も薄いわけですが,冷静に考えると高額故にD850と同時購入は負担が重く,必要になった時期に買うという今回の買い方は案外正しかったように思います。

 それにしてもD850のポテンシャルは高いですね,ちっとも陳腐化しません。

 一方で銀塩はなかなか盛況な年でした。フィルムカメラの中古品の価格が上がり,それでフィルムの消費量が増えて値下がりするかと思いきや,実は値上がりばかりだったという悲しい現実がありました。

 私は今年,ミノルタオートコードが楽しくて,かなり120フィルムを使いました。ISO400のFP5でも粒子が細かく,立体感もグラデーションも素晴らしくて,35mmフィルムのISO100くらいの画質です。

 120フィルムのカラーネガも初めて使いましたが,最新のデジタルカメラと比べて画質面で遜色ないと思うほどの美しさです。よく言われるようにミノルタオートコードのレンズには定評があり,それも大いに貢献していると思いますが,上から覗き込む撮影スタイル,正方形のフォーマットというのも,最終的な結果に大きな影響を与えていると思います。

 1枚あたりのコストはデジタルとは比較になりませんが,6x6版には他にはない魅力があります。思い切って手を出して良かったと思います。

 逆に今ひとつだったのは6x9版のGW690です。それなりに高価な買い物だったのですが,1本のフィルムで12枚撮影できる6x6はその制約を楽しめても,これが8枚になってしまう6x9だと窮屈だと感じしてしまいました。わずか4枚の違いですが,これは結構大きいです。

 それで結果は3:2のフォーマットなので,ネガを見た時の感動は大きいですが,撮影のスタイルはD850となにも変わりません。それならD850の方が楽で楽しいわけで,GW690は私としては失敗だったと思います。

 フィルム関係は35mmでもたくさん使いました。TRI-X一本で勝負していた頃には気が付かなかったフィルムの個性がこれほどわかりやすく存在することが楽しくて仕方がなかったです。

 ISO100(125)ならORWOのUN54,KodakのPlus-X,IlfordのFP4,それからRolleiのRETRO100Sを使った訳ですが,この中で飛び抜けて好感触を得たのがUN54です。粒子の細かさ,黒の深さ,そして美しいグラデーションと,35mmなのに中判のような画質に強烈な印象を持ちました。

 ISO400ならこれが不思議とFP5がお気に入りで,これTRI-Xと同じようなフィルムなはずなのに,ミノルタオートコードで撮影すると今でも感動する程の仕上がりです。FP4だと別に感動などしないというのが不思議でなりません。

 ISO200も使ってみましたが,これはFOMAPANの200です。安かったからまとめ買いしたのですが,T粒子という事もあって期待していました。

 しかしどうも大きな黒点が画面にブツブツと出てきてしまって,本格的な撮影には使えないと判断せざるを得ませんでした。粒子も荒れるしグラデーションも滑らかではなく,ISO100と400の悪いところをそれぞれ引き継いだような中途半端な印象しか持てませんでした。

 120フィルムに手を出した以上,自家現像する環境がないと話にならないわけで,パターソンのタンクを買いました。コストの関係でそんなに120フィルムを現像することはしないだろうと思っていたのですが,予想に反して120フィルムの処理能力の低さにイライラします。

 120フィルムを2本巻き取る方法を習得したので今は効率2倍ですが,慣れない頃に失敗が続いたことは苦い思い出です。

 そうそう,昨年買ったものではないのですが,冷凍庫に置いてあった10年前のTRI-Xを使い切る事にしました。ただ,やっぱり時間が経っているせいか,眠いんですね。もともとそんなにゴリゴリした画質ではないTRI-Xですが,ボヤーっとしすぎている制で写真に締まりがなく,緊張感を表現出来ないことにフラストレーションを感じて,もともと私はTRI-Xを使うべき人ではなかったんじゃないかとも思いました。

 そんななか,フジのACROS-IIを結局使わずに年を越したことがちょっと悔やまれていて,ISO100だから室内では撮影は難しいと敬遠し続けたことがコロナの影響に夜ものであることを,認めざるを得ないでしょう。

 そんなわけで,昨年の前半はまさに銀塩カメラ祭りです。畳の部屋にだーっとカメラとフィルムとネガを広げて写真三昧でしたが,あろうことかダニの発生を許してしまい,あわてて片付けてから急激に私の中のブームがしぼんでしまいました。


(2)楽器関係

 キャッシュレス還元の期限に駆け込む形で,以前から懸案だった電子ピアノの買い換えを行いました。RD-700からRD-2000です。

 鍵盤よし,音よし,表現力よしと,本当に良く出来たステージピアノなのですが,私自身がずっと弾いていたくなるような心地よさを感じた以上に,娘のピアノの腕前が急激に上達したことが何よりよかったことでした。

 RD-2000は現行のステージピアノだけあり,1960年代から現在に至るまで,およそ必要とされるピアノを高い次元で網羅できています。特にRD-1000の再現性には特筆すべきものがあり,自分が若かった頃をふと思い出してしまいます。

 艦長日誌には書かなかったのですが,実は5月頃にMOTUのDigitalPerformer10を買っています。もともとPerformerを使っていた私としては,シーケンス機能をあてにしてDP10を買ったのですが,機能も豊富で使いやすくなり,なかなか歯ごたえのあるソフトだと思いました。

 Jupiter-xmでサクッと1曲作ってみましたが,やはり楽しい作業です。

 そうするとオーディオI/Fも新調したくなるもので,MOTUのM4を買いました。買いにくい時期でしたが,運良く手に入り,キャッシュレス還元も受けられました。


(3)新しいコンピュータ

 なんと言っても11月下旬に手配し,12月初旬に届いた,AppleM1搭載のmacbook airが素晴らしいです。イマも毎日使っていますが,充電は3日に一度くらいで済んでいます。艦長日誌にも書きましたが,充電回数が極端に少ないことは,充電する場所と使う場所を完全に分離出来るということで,これはノートPCの高い生産性がスマートフォンのような自由度を手に入れたということで,ちょっとした革命だったように思います。

 新しいCPUに切り替わったときに軽く盛り上がるのが,ネイティブアプリケーションへの買い換えです。私の場合,これを機械に長く放置していたNisusWriterProを買い換えました。

 ワープロソフトなんかわざわざ買うことないのにというなかれ。印刷する紙が決まっているような場合,例えばハガキなどに文章を書かねばならないとき,ワープロソフトはなかなか便利なんですよ。

 NisusWriterは私がTeXと併用できる唯一のワープロソフトで,もっと積極的に使ってもよいと思っていたソフトです。M1の性能の高さと相まって,高機能がサクサク動くNisusWriterの心地よさを久々に堪能しました。


 実はこれ以外に,子供用のPCとしてASUSのE203MAを8月に購入しています。30000円を切るくらいで買ったので安いなあと思って買ったのですが,生活マシンとしてなら十分なんじゃないかと思ったくらい,コストパフォーマンスに優れていました。

 さすがにキーボードは長時間使う気が起きないほど情けないものでしたが,短時間なら問題はないでしょうし,プログラミングに使うようなものでもないので,割り切れます。

 ただ,タッチパッドの使いにくさはいけません。マウスを買わないとダメです。


(4)ネットワーク

 ADSLが廃止になるというので,やむなく光回線に切り替えました。IPoEに切り替えたので,うちはもう基本的にIPv6への移行を済ませたと思っています。

 今のところ快適で,高速な通信速度を堪能しています。

 ただ,そうすると無線LANの遅さが気になりますので,これも買い換えが必要かも知れません。でもAirMacExtremeはなかなか良く出来ているので,これを越えるシステムはかなり高価になってしまうんですよね。

 そういえばハブが壊れたので買い換えました。TP-LINKのTL-SG1024DEですが,24ポートのハブも安くなったものです。

 ハブが壊れることは何度も経験しているのですが,それでも耐久消費財という意識がまだありました。しかしハブが安いというのは,つまりそれが消耗品であることの証であることでもあり,ネットワーク管理者の間でハブが消耗品である事が半ば常識である事を,ようやく身にしみて理解したのでした。

 そもそもハブの故障に気が付いたのも,光回線にした時に導入したHGWの障害ログを見てのことでした。3秒ほどリンクが切れてすぐに復活という事を毎日繰り返すので原因を調べたらハブだったという話です。

 実害が出ていないので買い換えなくてもいいかと思っていたのですが,いつ壊れるかわからないのも困りますので,買い換えたという感じです。

 ポートトランキングもNASとの間で行っていますが,NASのHDDの速度がネックになって,その効果はあまり実感出来ていません。このあたりは次の課題になりそうです。


(5)ゲーム

 コロナで時間を持て余すとゲームという話になりがちですが,私はコロナでも仕事が忙しく,娘もゲームに魂を奪われることがなかったので,それほどゲーム三昧ではありませんでした。

 個人的にはレトロゲームが中心的で,それらには随分手間とお金をかけた記憶があります。

 PS2をRGBで表示出来るLCDを調達したことに始まり,RPi4でレトロゲーム専用機を組み,RPiWで携帯ゲームマシンを用意しました。

 娘はこれでスペースハリアーの虜になりました。

 その後,秋頃からゲームギアミクロ,ゲーム&ウォッチのスーパーマリオ,そしてアストロシティミニと発売ラッシュが続き,今はアストロシティミニ三昧です。

 これは実に良く出来ていて,ジョイスティックも素晴らしく,画面も筐体も絶妙なサイズでゲームに集中出来ます。ちょっと高価ですが好きな人は迷わず買いです。

 もともと,長時間粘られると商売にならないアーケードゲームを集めたゲーム機ですので,短時間にパッと遊ぶには最適です。セガのこだわりもあちこちに見られて,ファンにはたまらないものはあります。

 個人的にはこの筐体で他の会社のゲームもやってみたいところなのですが,おそらくすでにそういう改造を行っている人はいるだろうと思います。私はもうそういうムーブメントにはついて行けないのですが,それくらい良く出来たゲーム機です。


(6)Aliexpress

 そう,リスクテイカー最後の遊園地,Aliexpressです。amazonもebayもリスクが減ってつまらないという中毒症状の人が,次にこぎ出すフロンティアです。

 細かい事は書きませんが,機械翻訳丸出しの日本語だったり,それすら行わない荒っぽさも,ほんまかいなと思うような値段の商品がゴロゴロしているかと思えば,同じ商品が全然違う値段で大量に出品されていて目利きがないと大損するとか,もうすべてが混沌としています。

 到着まで時間がかかるのは当たり前として,出荷まで2週間もかかったりと,注文をしてしまうとその後届くまで緊張の糸が緩みません。こりゃ中毒患者が出るのも無理はないですよ。

 私は国内ではどうにも手に入りにくい安いものを調達しました。ES9038のボードやAK4137のボードです。どちらも時間はかかりましたが,問題なく到着し動作も大丈夫でした。

 あと,OCXOも買っておきました。すべて中古品なわけですが。ゴミみたいな値段(もともとゴミだったんだから当たり前か)でダブルオーブンの高級品が買えることに驚きました。

 別に急いでいたわけではないのですが,GPSDOの不調が中古のOCXOの故障のせいだったことがあり,この時交換するOCXOがなかなか見つからなくて困ったことがありました。

 壊れる前に使えそうなものを少しずつ準備しておくことにしたのですが,どれも交換出来そうな感じだったのでしばらくは安心です。

 ボードもOCXOも,どちらもトータルで5000円ほどの買い物でしたが,正直これ以上の金額のものを買おうとは思いません。まあ,パチンコくらいの気分で楽しむのが適当だと思います。


 そんなわけで,今年は買ったものを列挙したというより,雑感を中心に書くことになりました。家から出ない生活なのでメリハリが付きにくく,いい意味でも悪い意味でも趣味と仕事の境界が見えにくくなってきます。

 新築した家もそろそろあちこち傷んできています。そこにかかるお金も考えないといけませんし,娘への投資もこれまでと同じレベルでは済まないでしょう。年齢を経た親の事もありますし,増える事がない収入に対し,増える事が確実な支出をどう調整するかが,今後の私のテーマになりそうです。

 うーん,新年早々,守りに入った結論だなあ・・・

 

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