PC-1255とPC-1211も復活,PC-1245は18kバイトのRAMに
- 2021/01/26 14:29
- カテゴリー:マニアックなおはなし
PC-1251とPC-1211のLCDが,アメリカからようやく届きました。
PC-1245のヘビーユーザーだった私にとって,上位機種であるPC-1250系は高嶺の花で,あまり思い入れもありません。
しかし,PC-1245はPC-1250の廉価版ですから,オリジナルのPC-1250系を買わないわけには行かないと,CE-125を買うついでに手に入れました。
表示桁数が24桁であることはメリットと思いましたが,リザーブキーをユーザー定義しないといけない事,文字が大きいことがどうも慣れませんでした。
PC-1255相当にメモリを増設してあるのですが,あまり使う事なくLCDが死んでしまいました。
PC-1211は,PC-1200シリーズの源流ですので,これもやはり使ってみたかったということで手に入れたものです。PC-1210も手に入れたのですが,CE-121とCE-122も持っているので,先にCE-121と一緒に手に入れて,あとからCE-122が欲しくて買ったら付いてきた,と言う感じでしょう。
独特の黄色いLCDと高級感のある外観,この頃のシャープの関数電卓のテイスト満載のなかなか綺麗なデザインですが,2つの4ビットCPUに仕事を分担させて,よっこいしょとBASICが走っている姿はけなげで,実用マシンではないのですが,なぜか手元に置いておきたくなります。
しかしこれもLCDが死んでしまいました。
この2つの機種は,私にとっては実用マシンではありません。コレクションの1つに過ぎないのですが,それゆえLCDの復活は非常にうれしいことで,互換LCDを作って頒布してくれた方には,頭が上がりません。
昨日カリフォルニアからはるばる届き,早速交換作業ですが,どっちもちょっと苦労しました。
PC-1251は,これはメモリがメイン基板にないので,通電しながらLCDが綺麗に表示される場所を探り,固定するという技が使えません。この方法は下手をすると壊れるのでお奨めしませんが,導電ゴムに付着したゴミや位置ずれ,フレームをきつく締め過ぎたなどのトラブルを回避するにはとても良い方法です。
PC-1245はこの方法が有効に使えたのですが,PC-1251はROMもRAMも別基板です。しかもこれを接続しているのは別の導電ゴムです。基板をフレームにきちんと固定しなければ,起動してくれません。
どうしたものかと思案していたのですが,とりあえず電源を入れてみたところ,どうもCPU内蔵のROMまでは起動しているらしいです。BUSYが点灯していますし,コントラストを最大にすればLCDの導通までは確かめられそうです。
幸いにして一発で位置決めが出来,フレームの爪を曲げて固定します。あとは磨いて組み立てて修理完了です。
しかしこのLCD,先日のPC-1245のものとは違って,低い電圧で動くもののようです。コントラスト最大では文字色が黒から青に変わるほどです。あまり電圧を上げると劣化しますので,ここはコントラストを出来るだけ下げて,文字が黒くなるところで使わなければなりません。
次にPC-1211です。PC-1211は以前LCDを外して修理を試みた時にバラバラにして,そのままになっています。しかもLCDを紛失している(すでにすてたかも)ので,PC-1210から外さねばなりません。
PC-1210を分解し,LCDをフレームごと取り外します。フレームからLCDを外すにはドライヤーで暖めるのが一番です。
ここでも電源を入れながらLCDの位置決めをするのですが,悪いことに全く表示が出てきません。おかしいなともう1つのPC-1210で試すと,こちらは表示が出てきます。
PC-1211の基板が壊れているという事なので,良く確認してみると,コントラスト調整用の半固定抵抗がなくなっていました。こりゃダメです。
PC-1210から移植しようとするも,ペイントでがっちり固定されているので,簡単には外れません。無理に外そうとして壊してしまいました。
値はちょっと珍しい250kΩです。手持ちがなかったので500kΩをとりあえず取り付けておきました。
これでLCDが表示されるようになったので,位置決めして固定。上手くいきました。
しかし,バラして5年ほども放置していましたので,もう組み立て方を覚えていません。バネを付け忘れる,電池端子をなくしているなど,何度も組み立ててばらしてを繰り返して,どうにか組み立てが完了しました。
完成したPC-1211をちょっと触ってみたのですが,やっぱり遅いのは困ったものです。処理速度もそうなのですが,起動時間がかかるというのは不便です。
LCDは電池残量表示まで再現された完成度の高いものですが,色が緑色で,オリジナルの黄色とはかなり違います。それならPC-1212のようにグレーにしておいても良かったんじゃないかと思ったのですが,それでもPC-1210と1211の個性は,あのLCDの色にありましたから,これはこれで良いとしましょう。
ということで,うちのポケコンはすべて甦りました。
PiOやI/Oに掲載された殺人的に長いダンプリストも,OCRによって楽に入力できる世の中です。エミュレータで楽しむのもよいですが,やはり実機には実機の面白さがあります。簡単な回路,素人にも修理や改造が出来る実装レベルと,長く使えるマシンだとも思います。(LCDが復活するまではそうも言えなかったですが)
なにより,この小ささでフルキーボードにテンキーまで持ち,BASICが走るというのが面白いのですが,すでに過去の遺物になっていることが残念でなりません。
(追記)
すっかり忘れていたのですが,もっとも程度の良い別のPC-1211を片付けてありました。最初からこれをLCDの交換機にすればよかったと思ったのですが,よく見るとキズも多いですし,まあいいか。
でこの別個体,コントラスト調整用の半固定抵抗がちゃんと実装されていて,しかもペイントが緩めだったので外せそうでした。そこで壊さないように外して,LCDを交換した個体に取り付ける事にしました。
慌てたのは,LCDを交換した個体を分解したら,ボリュームの厚みのせいでキーボード基板にぶちあたり,メイン基板がねじれてしまっていたのです。これはまずい。すぐに交換することにします。
念のため,外した500kΩの半固定抵抗の抵抗値を測定するとなんと380kΩ。これ,オリジナルのボリュームである250kΩの調整範囲を超えていますよね。LCDを交換するとコントラスト電圧の仕様も大きく変わってしまうようです。
とりあえず交換してみますが,やはりLCDが黒くなります。最適な濃度にするには調整範囲が足りません。そこで基板上の100kΩを330kΩに交換しました。交換前はトータルで480kΩだったので,このくらいの値に調整範囲が入ってくればよいでしょう。でもギリギリなので,もう少し大きめの値を入れておけば良かったかなあ。
・おまけ PC-1245の18kByte改造
むかしのI/Oを見ていたら,PC-1245を18kByteにする改造が出ていました。拡張RAMのCSに,A13をフルデコードしたRAMをあてがってやると,0xa000のイメージにみえる0x8000が独立したエリアになるというやつです。
手持ちに腐るほど256kbitのSRAMがありますので,中学生の時に改造して以来ずっとそこにあったuPD4364Gとその下のHM6116を取り外し,富士通のMB84256をハンダ付けしました。
FO3とFO4の2つのCSはANDをとり1つのCSにまとめ,FO4をA13にくっつければ完成です。これでメモリはめでたく17870バイトになりました。
BASICのスタートアドレスはこれまでの0xa000から0x8000になりましたし,メモリチェックもパスしたので問題なさそうです。あるエミュレータの開発者が0x8000からのエリアは0xa000のイメージでないとBASICが入力出来ないと行ってらっしゃいましたが,うちでは少なくともそういうことは起こっていません。