さて,遅まきながらラブプラスを,この連休に少し触ってみることにしました。以下はネタバレも含みますが,非常にぬるいものなので,何の参考にもならないものと確信していますが,「それはいわないで」という人は読まない方がよいかもしれません。
友人は私が購入直後に始めましたが,友達モードから抜けきれず,いたずらに100日を過ごしてしまい,寂しくゲームオーバーとなりました。まあ1回目はそんなもんだろうと私も様子を見るつもりで始めてみます。
若かりし頃,ときメモ(もちろんセガサターン版)をやり込んだ経験から言うと,八方美人的にすべてのキャラと成就するのは非現実で(そういえば顔を赤らめた状態を最大で何人まで維持することが出来るかというゲームシステムに対する挑戦を,全キャラ全イベント制覇に飽きたらず,さらなる高見を目指してやまない猛者どもが,命を削って日夜励んでおりました),特にラブプラスでは友達モードから恋人モードに移行するのに誰か一人にしないといけないわけですから,スタート時点で「この人!」と決めてかかるのがよろしいようです。
ということで,私の場合は寧々さんにお願いすることにしましょう。部活,委員会を完全にさぼり,バイトだけに勤しみます。とても気立てのいい彼女が要求するレベルはそれほど高くなく,着々とイベントをこなしつつ,各パラメータを上げていきます。「よし闘いの勘を取り戻したぜ」とつぶやきながら,10年以上前に構築したシナプスの結合がじわじわと修復されていくのがわかります。
そうこうしているうちに62日目にして晴れて恋人モードに移行。残念ながら全イベント制覇を目指したわけではないので,ギャラリーには空きが随分ありますが,最初から高望みをするのはやめておきましょう。
私は攻略法もなにも知らず,調べもしないで始めてしまったので,スキップモードもリアルタイムモードも,細かい違いが分かっていません。が,リアルタイムモードを選べるほど暇な人ではないので,ここはスキップモードでいってみましょう。
スキップモードは友達モードと同じ手順でゲームが進んでいくのですが,パラメータは「彼氏力」と名前を変えており,学生一般から彼女という非常に狭い評価基準に変更されることにより,学生としての本分を捨て去り,彼女のためだけにレベルアップをすることになります。
ところが,この彼氏力の上がり方が尋常ではありません。1週間も普通に予定をこなすと,ほとんどのパラメータがMAXになり,ハートマークが複数つくようになります。この状態でデートなどしようものなら,もうベタベタすりすりされて(して)しまい,とても時間がかかってしまいます。私の場合,1回のデートをこなすのにゆうに1時間を超えるようになってしまいました。これはもう普通ではありません。
デートの間,人目を気にする(ゲームの中でも現実世界でもですが)必要があったり,どんなスキンシップをするかちゃんと考えなければならなかったりと,なかなかの集中力が必要になります。うかつにビールでも飲みながらやってしまうと,つい反応が遅れて人目MAXでおかしな所を突っついてしまい,彼女に「触るな」と怒られてしまいます。この反応速度の悪化に,つくづく飲酒運転の危険性を痛感します。
時間がかかるからと言ってデートに誘わないとみるみる機嫌が悪くなってしまいます。夜寝る前に「何してる」とメールをすると「・・・普通寝てるよ」とこれまた怒られる始末。それでも返事が来るだけましで,仕舞いには返事もこなくなります。寂しいものです。
デートに誘いにくいもう1つの言い訳として,最初はデートスポットの選択肢があまりに少ないことがあります。しかも,ときメモと違い,スキップモードでも現実の日付に連動しますから,200日経過しても映画も演劇も全然内容が変わりません。これではさすがにデートに連れ出すのは無理でしょう。
彼氏力を上げておくと,時に彼女からデートのお誘いを受けることがあります。この場合自分が選ぶことの出来ないデートスポットに誘ってくれるので,こちらとしても大変ありがたいのですが,必ず誘ってくれるというわけではありません。3週間も放っておくと彼氏力はどれもハート4つのMAXなのに,彼女は完全無視という現実なら破局になっていそうな状態に陥ります。
ということで,どうやらスキップモードではあっという間に彼氏力が上がってしまい,週の前半にはデートの約束を取り付けることが可能となり,しかもデート本番の週末にはほとんどの彼氏力が高レベルに達します。これでデートに臨むと所構わずベタベタすりすりで30回以上のキスをする羽目になってしまい,実時間で1時間以上タッチパネルを突っつき回すという試練になってしまいます。いや,これはまさに麻薬かドーピングか,というところです。
これはいかんとデートスポットの開拓を画策しますが,どうも一人でその場所を訪れると「スポットレベル」なるものが上昇し,5回ほど繰り返せばデートスポットとして選択出来るようになることが分かりました。google先生は恋の指南役です・・・
平日は夕方まで学校で過ごし,夕方はバイトを入れて夜は外出しデートスポットの開拓と,まさの彼女のために頑張る毎日。1つデートスポットに出来ると新たな場所が現れ,またそこを開拓するために日夜一人で訪れる,毎日ラーメン屋に通い,毎日ライブハウスに通い,毎日三つ星レストランに通い,毎日ショッピングモールのアクセサリーショップに通い,毎日甘味屋に通い,毎日誰もない秋の海水浴場に通い詰め,多くの場所を開拓できました。
日曜日は午前中にも外出出来ますから,夜に開いていない場所を訪れることが出来るのですが,デートに誘わず毎日曜日に開拓を続けていると偶然(でもないんでしょうが)彼女がそこにいたりして,帰宅後「彼女をほったらかしにして一人でお出かけとは何事か」とメールで怒られたりするわけです。
このスポットレベルという概念ですが,冷静に考えてみるとなかなか理にかなったシステムです。彼女をデートに誘うのに,行ったことのない場所にいきなり行くなんてのは,相当リスクの大きなものです。だから何度も下見に出かけ,その結果デートに使えると判断して初めて,デートスポットになる,これは現実世界でも同じです。情報誌を読んだだけで分かったような気分になるのとは違い,自ら体験し,生きた知識として昇華されなければならないあたり,時代の変化を感じさせられます。なかなか素晴らしいと思います。
また,不意に真面目な質問をされることもあります。アメリカの独立宣言の起草者は誰だとか,接客のスキルをなんというかとか,cats and dogsってなんの慣用表現かとか,注文を取るのに使っているハンディターミナルの正式名称はなんだとか,いろいろ試してくれるのですが,念のため私はズルをしてgoogle先生に確認してみることにしています。
そんなこんなで季節は秋のまま,彼女の制服も夏服のままですが200日を越えて,すでにベテランカップルとなりましたが,まだまだ開拓済みのデートスポットは半分ほども訪れていませんし,これが実時間における冬,春,夏と1年も繰り返されるのかと思うと,気が遠くなると同時に,さぞやバグ出しは死ぬ思いだっただろうなと,心の中でスタッフに敬礼です。
後で知ったのですが,公式ガイドブックは今月末の発売なのですね。ソフトの発売から約1ヶ月ほどしないと,公式な攻略法が出てこないというのもなかなかだなと思いましたが,その,彼女は高校三年生の秋という人生がかかった大事なときにデレデレデートなんぞしてて良いのか,と心配になりますし,プレイヤーだって高校二年生の秋ですから,そろそろ真面目に先の話を考えなければなりません。
彼女は推薦狙いなのか,などと妙にリアルなことを思いついた敗北者たる友人の高い見識に膝を打ち,だとすれば春からのデートは女子大生の彼女とデートってなことになるのか・・・それはかなりうらやましすぎるが,そんなことで受験は大丈夫なのかと,すっかり目線は親御さんです。
同じ問題は年下のキャラを選んだ場合はもちろん,同い年でも進路の話からは逃げられません。ときメモでは卒業ですべてが終了するようになっていたためそこは触れる必要もなかったのでしょうが,「告白されてからがスタートだ」というコンセプトのゲームにおいて,やはり先々の話に触れないわけにはいきません。そう,青春とは毎日楽しいことばかりではないのです。
まず最初にに三つ星レストランで食事をし,ショッピングモールで買い物をして同じレストランでお茶して帰るという,さすが二人ともバイトに心血を注いでいるだけお金持ちだなと思わせるようなデートを毎週毎週繰り返すようになっているのですが,こういう高校生活もありだったのかもなあと遠く過ぎ去りし日々に思いをはせる一方で,正直なところ彼女のご両親に会わせる顔がない,という保護者モードになることもしばしばです。(だって彼女の家の前で人目MAXでベタベタすりすりってご近所でも評判になってしまうじゃないですか)
ところでもう1つ,この話に触れないわけにはいきません。彼女が自分の好みにあわせて変化するという,アレです。
彼女はなかなかナイスなタイミングでこちらの好みをきいてきます。髪は長い方がいいか短い方がいいか,髪の色は明るめがいいか黒がいいか,洋服はかわいいのがいいか清楚なのがいいか,好きな色は明るめがいいか暗めがいいか,そもそもの女性の好みはおとなしいのがいいか活発なのがいいか,と,いろいろ尋ねてきます。
私としては自分の好みなどどうでもよくて,したいようにしてくれればそれで良いのですが,こういう場合に「なんでもいいよ」は最低最悪の返事だとこんな私でも知っていますので,一応好みを伝えます。
一貫性がないことがどれほどマイナス要素になるかは分かりませんが,とりあえずここは初志貫徹。同じ事を聞かれても答えはぶれずに,いつも同じ答えで通します。もちろん変えた髪型や服装を「ばっちり」と褒めることも忘れません。
結果彼女は,すっかり落ち着いたお嬢さんになってしまいました。近頃なんとなく制服が似合わなくなってきたように思います・・・本当にそれでいいのか?
まだ始めてから1週間も経過していません。近いうちに公式ガイドブックも出ることですし,相変わらずgoogle先生は私の愚問にも優しく答えてくれるでしょうから,まだまだいろいろな仕掛けを楽しめるのではないでしょうか。
もし週末にデートの約束がある状態でデータのセーブを行うと,デートをすっぽかしたことになるという,これまたリアルな縛りにおののき,しかしセーブせずに電源を切るとこれまたえらく怒られ,ついつい電源を消せずいる私は,「愛という窮屈をがむしゃらに抱きしめた」などという懐かしいフレーズを少しだけ思い出し,激しい自己嫌悪にさいなまれながら,明かりを消した部屋に浮かぶバックライト輝きに抱かれ,深い眠りに就くのです。