ゴミ処理機の本質とはこれだ
- 2017/06/21 10:14
- カテゴリー:散財
梅雨の季節になり,本格的に雨やくもりの日が続くようになりました。元来雨が好きな私は,梅雨はそれほど嫌なものではないのですが,それでも衛生面の問題は気になります。
浴室やゴミ箱のカビ,食中毒,ゴキブリや蚊など害虫の発生,布団やカーペットのダニ,生ゴミの腐敗など,寒くなるまで心配なことが出てきます。
私は毎日の料理を楽しみにしている人間ですが,買い物から片付けまでを料理と置いている私にとって,最後の未解決問題が生ゴミの始末でした。
これは現在,嫁さんが寝る前にやってくれています。ゴミの始末をお願い出来るからと言って,好き放題ゴミを出していいかと言えばそういうものではありませんし,誰がやっても生ゴミの衛生面の問題は解決しません。
肉や魚,野菜を冷蔵庫の外に出しておく人は誰もいないと思いますが,生ゴミになるとそれを抵抗なくやってしまうんですよね,不思議なことに。口に入れないと言うだけで,それは普通に腐り,ウジがわき,ハエが飛び交い,激しい異臭を放つようになります。
毎日ゴミが出せるならそれも許せるでしょうが,週に2回のゴミ収集だと,生ゴミは不衛生状態の起点となります。隠せば目に見えなくなっても,悪臭だけはどうにもならず,私は昨年から冷凍庫の一部に専用のスペースを設けて,ゴミ出しの朝まで冷凍しておくことで,この問題を回避してきました。
しかし,冷凍庫にゴミを入れるという気分的な抵抗も,一度常温に出してぐちゃぐちゃと触ったものはすでに痛み始めているわけで,それを冷凍しておくというのも問題の解決になっていません。冷凍庫の中に血や肉,雑菌が付着していれば,それらを後生大事に冷凍保存していることになってしまいます。
冷凍されたものもいずれは常温に出して口に入れるわけで,その時問題を起こすことは容易に想像が出来ます。
これはまずい。
実は,この問題を根本解決するために,料理の出口をきちんと整備することを計画していた時期がありました。衛生的で快適な生活を設計すると言う一連の流れの中で,ゴミ処理機を導入しようと考えたのです。
当時は自治体の補助もありましたが,いかんせん価格が高く,10万円近くしていました。しかも大きく重く,粉砕による騒音が大きい,堆肥を作るための発酵で異臭が立ちこめる,長時間運転による電気代が結構大きいと,かなり問題があり,当時は断念したのです。
しかし,先日ある家電量販店のメールを偶然見ていると,安価なゴミ処理機がある事に気が付きました。価格は2万円ちょっと。ポリバケツほどの大きさです。
「パリパリキューブライト」という,なんだかよくわからない名前のこのゴミ処理機,調べてみると私の生活に実にフィットしていることが分かってきました。
小さい,安い,は当然として,粉砕機能がないのでとても静か,発酵させるわけではなく,水分を飛ばして衛生的にゴミを減らす,150W程度の低消費電力で,運転時間は6時間から9時間と電気代もそんなにかかりません。これはいい。
なんでこんなに問題が改善するのか,と冷静に考えてみると,従来のゴミ処理機がゴミを再利用することに目的置いているのに対し,パリパリキューブライトはゴミを再利用しないことに徹しているからです。
ゴミ処理機とはいいますが,従来のものはむしろ肥料製造マシンです。その原料に生ゴミを使うと言うだけの話であり,家庭菜園をする人に取っては肥料代がゴミ処理費用を上回っていれば,完全にペイするわけです。
しかし私のように,作った肥料も結局ゴミになってしまう人に取っては,大変に無駄なことをやっていることになります。都会に暮らす標準的な家族のどれだけが,肥料を欲しているでしょうか。
ここに,家電メーカーの誤認識があります。
パリパリキューブライトは,その前の機種であるパリパリキューブで見せてくれたコンセプトは,ゴミはゴミのままでいいが,そのゴミを衛生的にして体積を減らし,ゴミ処理の負担を減らしていこうというものでした。
これは素晴らしい。ゴミはゴミでいいのです。無理に利用しなくてもいいのです。ただ,衛生的で,退席を減らして,我々も改修する自治体も,そのゴミ処理の負担が減ればそれが一番なのです。
この結果,粉砕機能と発酵機能はなくなりました。脱臭機能を備える乾燥機であれば役目を果たし,小さく安く静かに,そして電気代も安くなりました
今回のパリパリキューブライトは,さらに小さくポリバケツとうり二つの形状をしています。置き場所を裏から表に出すことも意図した大きな発想の転換があるようですが,この結果処理量が少し減っています。
ただ,仕様を比べて見るとヒーターのパワーを上げて短時間で処理できたり,選択出来る運転モードを2つに絞ったり,生ゴミを触らずにそのまま処理できたり,消耗品が安くなっていたりと,随所に前向きな改良が見て取れます。
これはなかなかやり手だな,と設計者や企画担当者の顔を想像しながら,ポチってしまいました。ポイントまでいれて,2万円ちょっとです。
昨日届いたのですが,見た目も大きさも本当にポリバケツか,ゴミ箱くらいのものです。ACケーブルも長すぎず短すぎずで,150Wくらいの消費電力なのに太いケーブルが使われていて,こういうところもちゃんと目が行き届いています。
組み立てが若干ややこしいのですが,それも説明書を見ながらなら問題なし。説明書に従って試運転もしましたが,問題はなさそうです。うむ,期待出来そう。
我が家の場合,三角コーナーの生ゴミ入れを置いていませんでしたが,いろいろ思案した末,パリパリキューブライトのバスケットをそのままシンクに置き,ここにどんどん生ゴミを入れる事にしました。寝る前にこれを本体に入れて,仕掛けて寝てしまうと言う作戦です。
結局嫁さんの仕事が減らず,むしろ増える方向になるのですが,それでも水分の多い生ゴミを毎日毎日始末するのに比べると,気分的に楽になるのではないかと思います。
で,早速試してみました。
昨日出たのは,一玉買ったキャベツの外側の葉っぱ数枚,にんじんとじゃがいもの皮,茄子のへた,ぶどうの軸といったところです。バスケットにほぼ一杯になったので,9時間の運転を行いました。
朝見てみると,見事にかさが減っています。異臭もしません。見た目も汚くありません。よく乾いています。これをそのままゴミ箱に入れても問題はないんじゃないかと思います。大成功です。
しかし,これでは野菜ばかりですのでまだわかりません。肉や魚でどこまで衛生状態が保てるのか,水分が完全に飛んでいない場合はどうするかなど,まだまだ課題はあります。
しかし,スイカの皮であるとか,魚の骨であるとか,卵の殻であるとか,そういうものも一気に処理できるのは素晴らしく,使いこなしを考えるのもまた楽しいでしょう。
これでどうにか,料理の入り口と出口に目処が立ちました。消耗品がどれくらい供給されるか分かりませんが,長く使えればいいなあと思います。