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2015年10月の記事は以下のとおりです。

イコライザアンプのオペアンプを交換してみる

  • 2015/10/30 14:06
  • カテゴリー:make:

 昨今,アナログレコードがブームになっているそうです。

 日本国内でもそうですが,特にアメリカでの人気再燃が顕著で,昨年2014は役920万枚が販売されたという話もあります。日本では約40万枚ということで,絶対数はCDにまだまだ及びませんが,CDが毎年数を減らしているのに対し,アナログレコードは毎年まるで倍々ゲームのように数を増やしているところが,注目です。

 これをうけて,オーディオ業界も「アナログレコードプレイヤー」への再参入を試みるメーカーが増えており,日本のピュアオーディオメーカーからは何らかの形で市場投入のアナウンスがありますし,ガジェット系のメーカーからもいくつかの商品が販売されています。

 オーディオ業界はここ数年,ハイレゾオーディオをキーワードに久々の春を味わっているわけですが,もう1つの流れとしてのアナログレコードにも,期待がかかっているという感じです。

 CDが減少傾向で,代わりに配信が増えてきたことについては,オーディオは音楽を聴くものであって,実体を所有するかどうかがそれ程問題ではなくなったという,そういう消費者サイドの意識の変化があったんじゃないかと思います。

 一方で,所有することに意味があるもの,あるいは再生するのに独自の手間や作法があるもの,総じて「面倒くさいもの」が好ましいものだという価値観に照らしてみると,CDの小ささや簡便さというのは,所有に値しないものだった,ということになるのではないでしょうか。

 CDでのユーザー体験は,配信の音楽を聴くという体験と比較して,あまり差がありません。CDという実体を所有しないと出来ない,CDを再生するという体験はあまりに簡便すぎて,配信の音楽を再生する行為とそんなに変わらないということです。

 しかし,アナログレコードは,アナログレコードを再生するという体験が,配信のそれとは大きく異なるために,アナログレコードを所有することに,大きな意味があるんだろうと,思う訳です。

 大きさ故の,ジャケット写真の大きさや美しさも,評価されているメリットでしょう。CDは音質が配信と同程度(それ以下)なのに,中途半端に大きく,操作もボタンを押すだけでなにも面白くない,そんな存在です。そりゃ,消えてなくなるわけです。

 これを世代交代といってあきらめていたのが,当のメーカーやエンジニア達だと思いますが,ここしばらくのアナログレコードの再燃は,音楽という「中身」だけではなく、器そのものにも十分な価値があることを,証明していると思います。

 ですが,当然のことながら,1990年代から2000年代にかけて,CDの全盛期には,アナログレコードはもう絶滅すると言われていました。アナログレコードが絶滅すると,その再生装置も絶滅します。特にアナログレコードの再生には,交換針という消耗品も供給されねばならないし,そもそもプレイヤーが精密機械ですから,製造も修理も,一度止まってしまうともう再開出来ません。

 それでも生きながらえてきたのは,やはりDJ用途で使われるようになったから,が大きいと思います。私が一番うれしいのは,カートリッジ,とりわけMMカートリッジが生き残っていることです。

 MMカートリッジは針交換が可能な,比較的リーズナブルなカートリッジです。CDが出てくる前は主流だったこのカートリッジは,金型で大量生産せねばならず,それゆえに数が出るなら安価で供給出来ますが,数が出ないならさっさと生産中止になるものです。

 一方のMCカートリッジは,職人の手作りのようなものですから,極端なことを言えば1個からでも製造できます。その代わり,高価なものになりがちです。

 この2つは,良し悪しは別として,音質にかなり異なるキャラクターがあります。同じアナログレコードでも全然違う楽しみ方が出来るのは確かで,私もMMとMCは使い分けています。

 ですから,CDが主流になれば,もうMMカートリッジは手に入らなくなると思っていました。ですが,MMカートリッジの音の傾向と,その堅牢性が,DJたちに支持されるに至り,現在でも優秀なカートリッジが入手可能です。

 DJたちは,パッケージメディアの再生装置を,音楽を創る楽器にするという革命をやってのけましたが,その結果,貴重なMMカートリッジとアナログプレイヤーが残っているわけで,彼らが支えてくれなかったら今のアナログレコードブームは,なかったんじゃないかと思います。

 さて,前置きが長くなりましたが,私もCD全盛時からアナログレコードを細々と使って来たファンの一人です。とはいえ,あくまで趣味ですし,CDを否定しているわけではないので,アナログレコードはサブの扱いであって,プレイヤーはDENONのDP-2500という中級機の中古品,カートリッジもV15typeVxMRとDL-103がメインという,極普通のものです。

 それでも,アナログレコードの音質は楽しんでいますので,今後もちゃんと持ち続けていようと思うのですが,私のような電気設計者にとってアナログレコードの再生システムというのは,あまり手を出せる部分がないというのも,また事実です。

 アナログプレイヤーというのは,前述のように精密機器で,フィードバックを用いずに,絶対精度を追い込む事で成立させている,いわば旧世代のメカです。

 CDなんかは,サーボというフィードバックをふんだんに用いることで,機械的な精度を追い込む事なしに成立させることが出来ますから,お金のかかるメカの精度を高める必要がなく,とてもラフに作る事ができますから,安く簡単にたくさん生産できます。

 このサーボは,電気回路によって構成されるものですから,CDプレイヤーの主役は,なんといっても電気回路です。これがアナログレコードのプレイヤーになると,もう電気回路の入る余地はほとんどなく,完全にメカの世界です。

 これは,当時の技術レベルの問題でもあるのでやむを得ないのですが,そんな中で電気回路が大喜びするのが,イコライザアンプの領域です。

 詳しいとは省きますが,カートリッジの微少な出力電圧を増幅し,周波数特性を補正する役割があるこのアンプは,なかなか高度な技術が必要ですし,真空管はもちろん,その後のトランジスタ,FET,ICと,デバイスの進化でどんどん性能が向上したものでもあります。

 私のイコライザアンプはK&Rというキットメーカーのキットですが,高性能なオペアンプにDCサーボをかけたもので,非常に切れ味のいい,透明感のある音を聞かせてくれます。

 このオペアンプを,交換しようというのが今回の試みです。

 オリジナルは,一世を風靡したNE5532が使われています。大量に使われたのでとても安くなりましたが,1980年代に登場した時には高価で,それでもオーディオ用のオペアンプとしてそれまでの常識を覆しました。

 それから30年。すでにオペアンプが存在しないオーディオ機器は存在しないというくらいに,オペアンプは当たり前になりましたが,それでも性能向上は続いており,高性能,高音質をねらったものが,次々に出ています。

 NE5532の音は,私は嫌いではないのですが,もっと透明な音を期待して,MUSES8820に好感することにしました。

 オペアンプマニアじゃないので,とっかえひっかえするのはそんなにやりませんが,自分なりのオペアンプの傾向は持っているつもりですが,MUSESシリーズは高価なこともあり,試したことがなかったのです。

 秋月で通販をするついでに,その中でも安価なMUSES8820を買って,イコライザアンプに組み込むことにしました。どんな音になるのか・・・

 せっかく測定器があるので,さっと1kHzでの歪みとS/N,チャンネルセパレーションくらいは測定しておこうと思ったのですが,一部交換後に悪化した値があり,首をかしげてしまいました。

 交換前後で,このキットのスペックに達していないこともわかり,ちょっとがっかりでした。といいますか,ハムが結構でています。ケーブルの引き回しと言うより,電源トランスから誘導しているようです。

 これを本気で対策するとなかなか面倒な話になるので,これは次の課題として,実際に音を出してみます。

 ・・・お,なかなかいいですね。もともと変な味付けのない,素直で綺麗な音のイコライザアンプでしたが,それに磨きがかかったような感じです。劇的に変わったという感じはないのですが,歪みが大幅に減ったと感じるのが1つ,もう1つはなんというか,5532らしい音がなくなって,非常に聞きやすくなったという感じでしょう。

 ということで,アナログプレイヤーの使用頻度は低く,レコードも積極的に聞いているわけではありませんが,それでも全く使わないと劣化が進んでしまうのが,この世界です。使用可能なコンディションを維持するために,出来るだけ関心を持つことがひつようで,それが趣味の面倒臭さでもあるのですが,僅かなお金とわずかな手間で変化が楽しめるのは,面白いと思います。

 結局の所,趣味というのは手間をかけた分だけ面白いものなので,アナログプレイヤーについては,出来るだけ「変化」を付けていこうと思います。

ロースターで焼き鳥は出来ない

  • 2015/10/07 15:06
  • カテゴリー:散財

 昨日書いたNF-RT1000ですが,焼き鳥をやってみたところ,大失敗したので書いておきます。

 もも肉とネギを竹串に刺し,タレを付けて網に並べて,焼き鳥メニューを選択,温度は低を選んで,してスタートボタンを押しました。時間は20分と出ています。

 結構長いなと思いながら,様子を見ていると,なにやら庫内にもくもくと煙が立ちこめています。おかしいなと思い,手前に引き出して見ると,ものすごい煙の量です。

 よく見ると,肉が網からはみ出ていて,下側のヒーターに接触しています。接触したところは真っ黒に焦げています。

 ヒーターは,網の直下にあり,間隔は1cmもありません。タレが落ちて焦げるくらいならいいんですが,肉が接触してしまうともう手に負えません。

 しかも,焼き鳥というのは,熱を加えると肉が随分と縮んで小さくなるもので,目の粗い網の間の肉は,どんどん下に落ちてしまうのです。

 それでも何とか場所を工夫し,タレを何度か付けて焼きました。ふっくらしてなかなか美味しそうだったのですが,実際に食べ始めると,火が通っていません。

 これは食べられません・・・

 仕方がないので,いつものようにエアフライヤーを取り出し,これで8分ほど加熱しました。結果,火を入れすぎて縮んで硬くなってしまったのと,焦げた部分がますます焦げてしまったので,美味しくなくなってしまいました。

 こういうことなら,潔く最初からエアフライヤーでやっておけば良かったのですが,まさかここまでひどい結果になるとは思わず,近年希に見る大失敗となりました。

 庫内は焦げた肉やらタレやらで真っ黒になっていますし,炭が中に散らばっています。

 これを取り出そうと,本体を持って側面をバンバンと叩いて出したのですが,気が付くと側面が凹んでいます。それもかなり凹んでいて,あまりにひどいです。

 これって,もしかしたらトースターよりも柔なんじゃないのか?

 悔しかったので分解してカバーを外し,裏側から凹んだ部分を戻しました。購入してまだ1週間も経っていないのに,もう分解する羽目になりました・・・

 魚は綺麗に焼けます。燻製もまずまずです。しかし,肉と野菜を焼くのは,どうも駄目なようです。

 もう少し工夫をしても良いと思いますし,アルミホイルを敷けば良かったようにも思いますが,とにかくこのままでは全く使えません。

 これ,本当に3万円で買う人なんかいるんですかね?

サンマが焼けて,燻製が出来て

 サンマの美味しい季節になりました。

 私は子供の頃は生臭い魚が嫌いでしたし,大きくなってもおいしいと思ったことはなかったのですが,20歳の頃に定食屋さんで食べた日替わり定食のさんまの塩焼きに「世の中にこんなにうまいものがあったのか」と驚愕して以来,魚が好きになりました。

 後でつくづくわかったのですが,要するに私の母親は料理が下手で(自分でもそう言っていた),魚だけではなくいかなるものも,おいしくなかったようなのです。

 外で食べるようになると美味しいものに出会うことが増えるわけですが,私はそれを長年,大阪という街が美味しいものにあふれているからだと思っていましたが,それ以外にも,普段から美味しいものを食べていなかったことも理由だったということでしょう。

 母の名誉のために書き添えますが,すべての料理がまずかったわけではなく,田舎育ちの母らしく,田舎料理は絶品でした。
 
 また,ちょうど私が外で美味しいものを食べるようになり,母の料理にあれこれを口を出すようになってから,母の料理は非常に美味しくなりました。これは,子育てが終わりに近づいたことで生まれたゆとりもあると思いますし,批評家がいることで改善への意欲が出来た事と,持ち前の「賢さ」による学習能力の高さがなし得たのだと思います。

 そんな母のレシピをいくつか,私も引き継ぎました。

 話が脱線しました。サンマです,サンマ。

 サンマの塩焼きは,この季節にはありがたい食べ物で,脂がのって丸々とした大きなサンマを,塩を振ってしっかり焼いて,頂きます。昨今,漁獲高の減少で値段が高めになっていて,体感的には10年前の2倍になった感じもあり,もはや庶民の味とはいえなくなっているなと思いますが,正直なところ毎日食べるものでもないですから,安いことがそれほど重要ではないように思います。

 大事な事は,美味しく焼くことです。これが難しい。

 かつては家で焼くのはあきらめていました。煙は出るし,その割にはうまく焼けないし,片付けも大変だし,こういうものは,外で食べるか,さもなくば焼いてあるのを買って来るのが一番だと思っていました。

 しかし,やっぱり焼きたてが食べたいものです。2009年に引っ越しをしたときに買ったガスコンロに,オートメニューで両面焼きのグリルが搭載されていた事を機に,サンマを家で焼くようになりました。

 とはいえ,煙もすごいし,後片付けは他の魚に比べても大変でした。しかもサンマの大きさによっては中に火が通らないこともあったり,はらわたがポンと破裂して掃除がさらに大変になったりと,苦手意識はついて回っていました。

 今の家に移ってからは,備え付けのガスコンロのグリルにオートメニューがないこともあって,付きっ切りの手動で魚を焼くことになりましたが,やっぱりサンマは難しく,焦げないように,ふっくら美味しく焼き上げたことは,残念ながらありません。

 今年もチャレンジしたのですが,明らかに換気扇の処理能力を超えるものすごい煙が家中に立ちこめ,グリル内では油が飛び散り,真っ黒になっています。あげく,油に引火して炎を上げていました。

 片付けも大変でしたが,それでも決して美味しいとはいえない焼き上がりに,私はとてもがっかりしたのです。

 焼き魚という料理には,大なり小なりこうした問題があり,毎日夕食を担当する私のレパートリーを狭めていました。焼き魚は調理は楽なんですが,料理中の煙と臭いや,グリルのそばを離れられないことと,片付けが大変なことで,どうしても躊躇してしまいます。

 そんなおり,10年ほど前に検討した調理家電のことを,ある記事を見て思い出しました。焼き魚用のロースターです。当時の私は,自宅にグリルがなく,魚を家で焼くことができませんでした。でもサンマは食べたい,そこでサンマを丸々焼くことが出来るロースターを検討したのです。

 しかし,結局置き場所の関係もあり,サンマを焼くだけならバカバカしいという事で,購入をやめたのです。

 その記事によると,随分進化しているようで,なになに,14層の触媒フィルタ(交換不要)で煙と臭いを90%カット?フッ素コートとオートクリーンでお手入れラクラク?姿焼きだけではなく切り身や干物,あげく焼き鳥も焼き芋も出来るオートメニュー搭載?しかも燻製まで出来るだと?

 ちょうど,某ドイツの自動車メーカーが触媒をキャンセルするズルをして大気を汚して世界中から怒られていた時期でしたので,この高機能には「とうとうやったな,パナソニック」と思ったわけですが,あきらかにサンマが丸ごと焼けるような巨大なロースターはいわば季節商品ですから,あまり迷っている暇はありません。

 ということで,パナソニックのロースター「NF-RT1000」を買いました。

 買って1週間ほど経過し,一通り使ってみたので,簡単なレビューです。

・大きさ,重さなど

 大きさは横幅45cmということで,フルサイズのコンポやビデオデッキなんかに比べても大きいです。奥行きも35cm以上あり,置き場所は選ぶと思います。多機能で高価なものですが,5000円のトースターと質感はあまり変わらず,その点を期待するとがっかりします。

 重さは5.4kgと,高いところに収納するにはちょっと厳しい重さです。しかし,あまり軽いとコードで足を引っかけたりしたときに危ないですし,私個人はもう少し重たくて,一人で動かす事をあきらめてしまうくらいであると,割り切れたかなと思います。

 使用中はかなり熱くなります。使用後もしばらく熱くて,外側にうかつにふれるとやけどをしますので,気をつけて下さい。


・魚を焼いてみる

 焼いた魚は,まずはサンマです。煙で家の中が白く煙ってしまうサンマの塩焼きですが,このロースターの最大の売りは,どのくらいの効果があるのでしょう。

 網に並べて,姿焼きのメニューを選んでスタートするだけ。14分で焼き上がります。

 その間,派手に煙が出ているのがわかりますが,その側にはほとんど出てきません。煙が出ないと言うのは,本当です。臭いもかなり抑えられています。これはすごいです。

 出来上がって取り出して見ると,しっかり焼けていますが,縮んでおらず,フカフカです。期待して食べると,なんと美味しいことか。中までしっかり火が通っていますが,ふっくらしっとり,実においしく,食べ応えがあります。しかも皮がぱりぱりといい具合に焼けており,背骨とひれを残して,あっという間に全部食べてしまいました。

 後片付けですが,フッ素加工の網は水を付ければ大体汚れが落ちます。フッ素加工のメリットは片付けはもちろん,焼いた魚を取り出すときに魚を傷つけないということにも意味があって,なんでこれがガスコンロにもつかないのかと,本当に首をかしげていました。中部地方のガス器具メーカーには,改善しようという貪欲さが足りないのでしょうか。

 こびりついた網の汚れは,本当はやってはいけないのですが,食洗機で洗います。数百度の高温にさらされる網ですから,食洗機くらいはなんてことないはずです。

 失敗したのは,オートクリーンを洗う前に運転したことです。というのは,焼き上がった直後に電源を切ると,ファンが止まってしまい,煙が隙間から出てきてしまったからで,ファンを回すために,何か手がないかと考えた結果が,クリーンモードの運転でした。

 この結果,トレイに落ちた油が真っ黒に焦げてしまい,洗うのがとても大変になりました。先に洗ってから,クリーンモードの運転をしないといけません。

 そのトレイと,フロントの硝子窓は分解して取り外すことことが出来るのですが,トレイ側にはハンドルなどの隙間があり,ここに水が入り込んで抜けてくれません。錆びてしまうかも知れませんので,ここは改善の余地があります。

 オートクリーンモードというのは,ある温度になると汚れを分解して焼き切ってしまうものなのですが,これはそのための塗料を塗っている場所に限られます。ですから,中が完全に綺麗になるわけではありませんが,まあそれは仕方がないと思います。

 それでもまあ,掃除の手間は大幅に削減され,これなら毎日使っても大丈夫だと思いました。日々の夕食に幅が出てきそうな感じで,買って正解です。

 そうそう,煙と臭いに関してですが,実は臭いはそれなりに出ます。ただ,煙が出ないので目立たないだけです。換気扇は最強でぶん回さないといけませんが,それでも家の中に臭いが残ります。

 煙たくないので気付きにくいのがさらに良くないのですが,気が付いたら喉が痛い,気が付いたら着るものがくさい,と言うことがおきます。煙が出ないと言うだけで,そこはやはり魚を焼くわけですから,それなりの覚悟は必要という事でしょう,これは,後述する燻製にも当てはまります。


・茄子を焼いてみる

 秋と言えば茄子。茄子と言えば焼き茄子です。

 ですが,焼き茄子もなかなか難しい料理です。説明書に焼き茄子が書かれていたので,試して見ます。

 焼き茄子はオートでは焼けず,手動で焼く必要があります。270度で15分です。

 ただ,説明書には温度と時間だけしか書かれておらず,どうやって切るか,どうやって並べるかなど,肝心な情報が書かれていません。縦に半分にして焼いて見ましたが,結果から言うと失敗です。

 水分が完全に抜けて縮んでしまい,まるで乾いたスポンジのようになっています。焦げ目もほとんどなく,味もほとんどしません。これはダメですね。


・あじの干物を焼いて見る

 あじの干物はそんなに難しいものではないのですが,どちらかというと大きさが問題で,普通のグリルでは,3枚の干物を焼くのはなかなか難しいものです。このロースターでは,なんとか3枚の干物を焼くことが出来るので,これは大きな優位点です。

 オートメニューで干物を選んで,スタートするだけ。出来上がった干物は,干物と思えないほどふっくら,ジューシーでとても美味しく頂きました。


・燻製にチャレンジ

 さて,いよいよ燻製です。私は燻製をそんなに好まないのですが,それでもスモークチーズなんてのは,たまりません。

 ただ,燻製というのは,アウトドアが大好きな人が屋外で煙に巻かれながらやるもんだと思っていて,家の中にいるのが大好きな私には,一生縁のない世界だと思っていました。それが,今や室内で,しかもボタン1つで出来てしまうとは。

 燻製に必要なチップは,無難にサクラを選びました。1回で10から15g使うのだそうですが,私は加減が分からず,500gの袋を買って,その大きさにびっくりしました。

 このチップを付属の燻製用のトレイに入れ,燻製用の網をおきます。この網はあらかじめアルミホイルで包んでありますが,具材をこの網において,最後にトレイをアルミホイルで封止します。

 準備はこれでOKで,あとは燻製メニューを選んでスイッチを押すだけです。

 私は,鶏のむね肉と6Pチーズを燻製してみました。

 まずむね肉ですが,塩をたくさん目にふり,あまり分厚くならないように薄切りにして並べました。ですが,案外網が小さいので,大きい食材だと乗り切らないかも知れません。

 出来上がってみると,確かに燻製ですし,美味しいのは美味しいのですが,むね肉の弱点である油のなさ,水分のなさが協調されてしまい,とてもくしゃくしゃとして食べにくく,うまみも出てきません。

 これなら,他の料理にした方が美味しく食べられそうです。

 次,6Pチーズです。6Pチーズと言ってもいろいろあり,おそらくはトラディショナルな雪印の青い箱に入っているものが対象なのでしょうが,へそ曲がりな私はクラフトのカマンベールを選びました。

 結果は,溶けてしまって,潰れていました。

 ですが,冷えるとアルミホイルから綺麗に剥がれますし,燻製独特のうまみと香りが香ばしく,実に美味しく食べました。

 さて,気が付いたことですが,調理中の煙は確かにほとんど出ません。本当に燻製が出来るのかと不安になるほどです。しかし,出ないのは煙であって,臭いは出ます。目に見えないので気が付くのが遅れますが,さすがに燻製の臭いですので,喉に刺激となり,私も娘も咳をゴホゴホしてしまいました。

 調理中の煙は出ませんが,調理が終わってから取り出すまでに,あたりまえですが煙が出ます。これが結構バカにならないので,気をつけないといけません。

 洗い物は楽なのですが,なにせ高温になっているものばかりですから,やけどに注意が必要です。


 ということで,ロースターは,「焼く」という調理方法を日常に組み込むために,非常に大きな貢献をしてくれそうです。手間がかからず,その上美味しく焼けるというこの機械は,魚という食材を上手に料理するための1つとして,重宝すること間違いなしです。

 焼き鳥も焼けるそうですので,今度試して見たいと思います。

 ただし,目に見える煙はでないけども,目に見えない臭いは出ていることを意識して,しっかり換気をすることは忘れないようにしましょう。

 一方で,燻製にはあまり過度な期待をしない方がいいと思います。そんなに美味しく出来るわけではないし,チーズの燻製などは,買って来れば済む事です。

 一度に作れる燻製の量が少ないですし,同時に複数の食材を燻製出来ませんから,「燻製が出来ますよ」というデモンストレーションのようなもので,実用度は低いと言わざるを得ません。

 電気を熱に変えるという,非常に原始的な機械にしては2万円を超えるという高額商品ですから,上手に使う必要はあるとおもいます。私の場合,フィリップスのエアフライヤーが必需品になっているように,このロースターも必需品になることでしょう。

 そうなると,コンセントの増設ですね。うーん,なにかうまい方法を考えないと・・・

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