ギックリ腰からの帰還
- 2015/09/30 14:10
- カテゴリー:どんくさいはなし
誰が言ったか知らないが,9月の連休を「シルバーウィーク」と,世代間闘争に油を注ぐかも知れない不用意な名前で呼ぶようになり,そこはさすがに休みだからと闘争もお休みに入ったわけですが,私も自分の母親を自宅に招いて,のんびり過ごさせてもらいました。
一応私は母親を招く「ホスト」にあたるので,食事の用意などは基本的に私の役割で,黙々とこなします。といっても,普段も同じ事をやっているので,一人分増えるだけのことでしたが・・・
母は別に外に出かけたがるような人ではなく,家にいて孫の顔を見ているのが一番という人ですので,わざわざ私がおかしな企画を立案して外に連れ出し,結局誰もハッピーにならなかったという状況を作るような失敗をせずに済みます。
実家では母が猫を飼っており,本来なら両者の利害は長期滞在で一致を見る(往復の時間と費用,その他にかかる種々のコストを滞在時間で割った値を最小化する)のですが,生き物がいる以上そういうわけにはいきません。
例年,2泊で帰阪する母親に,今年は3泊にチャレンジしたらどうか,と提案してみました。母親が来ると誰かが必ず体調を崩すという失態を続けていた我々も,今年は体調も良く,楽しい時間が過ごせそうだという見込みがあったことも理由です。
かくして,3泊して母親は無事に実家に戻っていきました。
本題はこれからです。
母親が帰り,連休最大のイベントが終わったことで油断をしたのでしょうか,それとも日頃の疲労の蓄積ゆえだったのでしょうか,木曜日の夕方に,俗に言うギックリ腰に見舞われたのです。
木曜日の16時30分過ぎのことです。米びつのお米がなくなりそうになっていて,今日炊く予定だった4合に足りません。そこで買ってあった10kgのお米の袋をえっちらおっちら引き摺って,米びつに半分ほど入れました。
この時鈍くさい私は,何粒か米粒をこぼしてしまったのです。
いつもならそのまま「もうええわ」と放置するのですが,この日はなぜか気になり,ネズミが出たり虫がわいたりすると嫌だと考え,せっかくだから綺麗に掃除をしようと思い至って(私の場合概ねこういうことが動機となります),ハンディクリーナーで掃除を始めたのです。
右手に持ったハンディクリーナーを屈んで引き出しに突っ込んで掃除をしていると,何か突然,腰に強烈な刺激がありました。あまりの衝撃に,一体何が起こったのか,わかりません。
私もギックリ腰は何度かやっているのですが,まるで火箸で焼かれたような熱を感じる事もあれば,ブチブチという音がしたような気になることも,目の前にぱっと閃光が走ることもあるのですが,今回はそういうものは一切無し,ただなにかすごいことが起きた,と言うことだけがわかる感じです。
しかし,すぐに強烈な痛みが襲い,崩れそうになる体を両手で何とか支えますが,痛みが治まる気配がありません。どうにか支え方を変えたりつかまったりしていましたが,この時すでにギックリ腰になったこと,それもかなり程度が悪いことを腰が焼けたように熱く感じた事と一緒に,理解していました。
そうこうしているうちに,病院に行っていた娘と嫁さんが帰ってきて,階段を上がってきた娘が私の異変に気が付きました。私はなんとか,背もたれのない椅子に腹ばいになり,腰の力を抜いて移動する方法を見つけ,隣の部屋で横になりました。
そこからがもう地獄です。1ミリも動けません。少しでも動けば激痛が走ります。そして一度痛みが発生すると,その痛みをカバーすべく背筋に力が入り,そのせいでまた痛みが強まり,さらに背中の筋肉に力が入って・・・を繰り返して,際限のない痛み地獄にはまり込みます。痛くない姿勢に戻しただけでは痛みは引かず,ここで深呼吸をして力を抜くことを覚えて,ようやく痛みから逃げられるようになりました。
3時間も安静にしていれば,まあトイレに行くことくらいは出来るようになるだろうと,これまでの経験から思っていたのですが,痛みのひどさと経過の悪さから,それも難しいと分かってきたのは,2時間ほど経過してからでした。
もしかすると,週明けも満足に動けず,私が担当している家事や保育園の迎えが出来なくなってしまうんじゃないかと,焦りが出てきます。
結果から先に書くと,自分でも驚くほど急激に回復し,週明けにはほぼ痛みが取れ,元の生活に戻ることができました。わずか3日で普段通りの生活にほぼ戻ることが出来たその驚異的な回復速度は私も未体験で,ここに何をやったかをまとめておくと,次の約立つだろうと思った次第です。
9月24日 16時40分頃
ギックリ腰発生。過去最大の痛み,もはや痛い場所もわからない。とにかく仰向けに寝ているしかない。
9月24日 17時30分頃
お医者さんでもらったボルタレンをはる。
9月25日 19時半頃
食事。飲み食いすると当然出るものが出るわけで,食べないつもりだったがそうもいかず,おにぎりとおかず少々を食べる。嫁さんが食べやすいようにと作ってくれたおにぎりの美味しかったこと。ただし水は飲まないが,痛み止めとしていつも飲んでいる頭痛薬のエキセドリンを飲む。
9月24日 20時30分頃
全く改善せず。痛みで動けず,這うのが精一杯。おしっこが我慢できず,やむなく嫁さんに2Lのペットボトルを加工して急ごしらえの溲瓶を作ってもらい,これでなんとな乗り来る。嫁さん曰く「はじめてあなたの下の世話をしたわ」
9月24日 夜
22時頃にもう一度おしっこをとってもらい,そのまま寝ることにするが,痛くない姿勢の範囲が狭く,ちょっとしたことで痛みが走り,その都度深呼吸が必要になるので,ほとんど眠ることが出来ない。当然風呂にも入れず,自分の布団にもいけず,カーペットの上という,健康なときでも背中が痛くなる状況で,寝返りも姿勢を変えることも許されずに,まさに地獄のような時間を過ごす。寝たきりになると,こういうしんどさがあるんだと思う。
9月25日 8時ごろ
家族が起き出して活動開始。私はまだ動けない。しかし,寝返りが打てるようになっていて,朝目が覚めたときの改善具合に驚く。
9月25日 9時ごろ
軽くお菓子を食べ,ロキソニンを飲む。ボルタレンを貼り替えてみるが,大きな改善はなし。
9月25日 9時30分ごろ
意を決してゆっくり動き,中腰のままではあるが立ち上がることに成功。このままよろよろと歩き,3階にあるトイレにいって久々に自分で用を足す。寝室に向かうが,嫁さんの使っている敷き布団が低反発ウレタンのもので,腰が楽という話から,これを借りることにする。
9月25日 17時頃
腰痛の時には最初の48時間はとにかく動かずじっとする,その後は出来るだけ動くようにすると,回復が早いと聞いたことがあり,実戦する。24時間が経過し,少しは動けるようになってくる。ロキソニンのせいで胃と腸を壊してしまい,下痢をするがそれがまた腰には厳しく,大変な思いをする。
9月25日 19時頃
夕食は2階に降りてみんなと一緒に食べられそうだったので,椅子に座って食べる。ただし長時間は無理で,さっさと食べてまた寝室に戻る。この時にはなんとか立って歩けるようになっている。ロキソニンに加えて,ナボリンも飲む。
9月25日 21時頃
シャワーに入る。なんとか体を洗って,そのまま寝る。
9月26日 8時頃
活動開始。なんとこの日は朝から背筋を伸ばして歩くことが出来るようになっていた。しかし,痛みはあるので,無理せず朝食後にすぐ寝る。
9月26日 17時頃
48時間が経過,ほとんど回復。絶っている状態から座ると痛かったり,座っている状態から立ち上がると痛いという状況すら,もうほとんど出なくなっている。
ただし無理はしない。この日の夜から,自分の薄い布団で寝る。
9月27日 8時
活動開始,起き上がるときにも,寝るときにも,もう痛みをほとんど感じる事なく,生活に支障はないレベルに改善。下痢がひどいのでロキソニンをやめる。
9月27日 10時30分頃
自転車に乗って,来週分の食材を買いにスーパーへ。それまで体が不自由だっただけに,自転車で走ることが楽しくて仕方がない。問題なく帰宅。以後は用心しつつ,出来るだけ普段通りの生活をする。
9月28日 7時
出勤。痛みはないが,ずっと寝ていたせいで筋肉が弱っているらしく,電車で立っていると,非常に腰に疲れを感じてだるい。しかし午後には元通りになり,以後はちょっとした痛みを感じつつも,普段の生活に完全に戻る。
てなわけで,48時間ひたすら寝る,と言う初動によって,急激に状況を改善させることに成功しました。ナボリンも効いているのだと思います。また,消炎剤としてロキソニンが大きな貢献をしているはずで,この結果として徐々に痛い場所が特定出来るようになり,やがて痛みが気にならなくなったのでしょう。
また,ボルタレンは強い効き目があるとは言え,貼り薬ですので,そんなに深い場所には入っていきません。ボルタレンで痛みが取れたなあと実感出来るようになるには,かなり痛みが弱まっている必要があり,48時間の安静とロキソニン&ナボリンは,そのことにも大きな貢献をしているはずです。
だから後日,ボルタレンを貼る場所がずれてしまった際に,弱い痛みが一日続いたんだと思います。
長々と書きましたが,48時間で家の中で生活出来るレベルに復活し,72時間で普段通りの生活にほぼ戻ることが出来るというのは,かなり画期的な成果でした。これまで,この手のギックリ腰はどのくらいで動けるようになるかさっぱり分からず,自分の周りも予定が立たないので,それがますます焦りを生んでいましたが,今回ほどのひどい痛みでも,3日で復活出来ることがわかれば,かなり負担を軽減できるでしょう。
こういう話をすると,ご自分の「腰痛自慢」する人ばかりになってしまうので,私はあまり周りにこういう話をしませんが,少なくない自慢話を聞いていると,復活するのに2週間とか,1ヶ月とか,そのくらいのスパンでかかったと言う人が多いです。数日という人は,まずいません。
2日で動けるようになり,3日で復活出来るなら,ギックリ腰ももう怖くありません。私は4回目になりますが,普段から気をつけて生活することも大事ですが,不幸にもギックリ腰になったとしても,慌てず騒がず焦らずいられるようになったことは,大きな転換点だと思います。
ポイントは4つ。
(1)48時間はとにかく寝る。起きるのはトイレだけ。出来ればトイレもいかない。
(2)ナボリンとロキソニンを毎食後に飲む。
(3)貼り薬はボルタレンを使う。
(4)48時間経過後は無理のない範囲で起きて動く。変にかばわない。
ちなみに,パナコランも併用していますが,外す段階で電池が切れていることがほとんどで,効いているんだかいないだか,はっきりしませんのでここには書きません。