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カテゴリー「散財」の検索結果は以下のとおりです。

GR IVの第一印象

 さて,GR IVの使い心地など,ファーストインプレッションです。

(1)大きさ,質感

 箱から取り出したときの第一印象は,小さい,でした。ストロボがないぶん無印GRよりも小さいですし,前機種であるGR IIIよりも薄くなっているので本当に小さいのですが,印象としてはもっと小さく感じます。

 ただ,GR1や無印GRの時のような薄さは感じず,ずんぐりとした凝縮感のある小ささです。そんな外見ですから,この軽さでも手に取ると重く感じます。

 質感はいつもの通りマグネシウムらしい手触りと持ちやすさで期待を裏切りません。

 この質感を安物っぽいと言う人もいますが,確かに真鍮のようなヒンヤリ感こそありませんが,剛性感もしっかりありますし,ボタンやダイヤルの感触も悪くないですから,私はそんなに悪いとは思いません。


(2)操作系

 GR II,GR IIIとパスしてきたので無印GRからの差分になるのですが,十字キーの周りにダイヤルがないことでボタンが押しやすくなっているのではないかと思います。そのダイヤルをGR IIIで見た時に使いにくそうだなあと思ったので,GR IVでなくなったのは私にはありがたい話です。

 露出補正のボタンが復活したのもうれしいですし,GR IVは無印GRの直系なんじゃないかと思うほどです。

 十字キーで測距点をすぐに移動できるようになったのもありがたい変更です。従来だとOKボタンを一度押さないとダメだった測距点の移動が,直接できるようになったので操作性が抜群に向上しました。

 ADJもダイヤルに変更になりましたから,全体としてニコンの操作系に寄せてきたようにも見えます。私には大歓迎です。

 そうそう,驚いたのはモードダイヤルのロックボタンに,Pモードの標準値に戻る機能がアサインされています。単なるロックだと思っていましたが,電気的なスイッチの機能を持たせたことに目からウロコです。確かに良い位置にあるボタンですので,ここに何か機能をアサイン出来れば好都合で,ペンタックスでいうグリーンボタンのような機能を持たせてあるのは面白い工夫だと感じました。

 ロックボタンにくぼみがあるのも,なにやらペンタックスの維持のようなものを感じますしね・・・そこまでやるならくぼみを緑色にして,Mモードでの適正露出ボタンも兼ねてくれたらうれしいのに。


(3)レスポンス

 レスポンスはさすが,スナップシューターを自称するだけあります。撮影までにかかる起動時間も短いし,2600万画素のカメラとしては書き込み速度も高速で,待たされることがありません。起動時にレンズが飛び出す速度は,GR1を知るものとしてはびっくりするほどです。

 AFについてはあまり良い評価がないようですが,私はそうは思いません。速度もそうですが,外さなくなったことが大切です。無印GRが良く外していたことを考えると,ようやく実用レベルに至ったと言えるでしょうし,このカメラでスポーツやレースを撮るはずもないですから,これで十分だと思います。

 特筆すべきはスナップモードです。無印GRにもスナップに適した機能はありましたが,複数の設定をいじる必要が合ったので面倒でした。それがSnモードに集約されて,被写界深度とピント位置を2つのダイヤルで調整出来るようになっているので,とても便利です。これでGR IVはスナップ最強カメラになったと言えるでしょう。


(4)画質

 レンズは確かに素晴らしい性能で,破綻がありません。力強さというより,線の細さを強調した今どきの高性能レンズだなという印象です。色のりも淡泊に感じるので,見たままをドライに映し込むのが狙いなのでしょう。

 非球面レンズを贅沢に使っていますが,ためネギボケも出ませんし,苦手なシーンはないんじゃないかと思います。

 もちろん今どきのレンズですから,開放からガンガン使えます。むしろ絞っても画質か向上しないので,絞るのは被写界深度のコントロールのためだけです。厳しい目で見ればF8あたりから画質の低下が見られますので,結局F2.8からF5.6位で使うのが美味しいレンズという事になるでしょう。

 しかし,これも個人的な印象ですが,Zfに24-70mmF2.8Sや50mmF1.8Sといった高画質なレンズを組み合わせると,GR IV以上の画質をたたき出します。その点ではGRにはまだまだやるべき事があると思います。

 確かにこのレンズは切れ味は素晴らしいですし,それがスナップ用に向いていることは理解していますが,立体の描写はあまり得意ではないように思いました。

 総合的な画質もさすがにAPS-Cで2600万画素になると緻密で,素晴らしいと思います。以前からGRに足りないのは高感度特性だと思っていたのですが,暗い所での撮影能力に加えて,。暗部でのノイズの発生も抑えられているので,強力な手ぶれ補正と相まって,撮影シーンが増えそうです。

 手ぶれ補正も前述のように強力で,私の場合1秒でもピタッと止まります。もちろん動く被写体には無力ですが,撮影可能な場面が増えるので,特にスナップでは超強力な武器となるでしょう。

 それから,初代GRで気になったことの1つに,モアレがあります。1600万画素で無理にローパスレスにしたせいでしょうか,被写体や構図によって結構モアレが出ました。2600万画素にもなるとモアレが出ることはかなり少なくなりますので,モアレのことを気にしなくても良くなったのは,撮影自由度が上がって気が楽になります。


(5)電池寿命

 電池の容量がアップしましたが,EVFもないコンパクトデジカメでこの電池の減りの速さは驚きです。まるでDP2Merrillみたいです(それはいいすぎです)

 電池の減りが早いことは,本体がすぐに熱を持つことでも思い出されるわけで,このあたりは課題かなと思います。

 当座予備の電池を持つ事になるのですが,これも結構なお値段ですし,電池の複数運用に必須な充電器がまた高価で,しかも2個充電タイプしかなく,私には開き直っているようにしか思えませんでした。


(6)内蔵ストレージ

 GR IVから内蔵ストレージが53GBと強化され,基本的にメモリカードを使った運用はなくなりました。緊急避難的な意味もあってmicroSDのスロットはあるのですが,絶望的に取り出しにくくて,以前のようなメモリカードを介したデータの読み込みは簡単にできそうにありません。

 ついでにいうと,microSDの種類によっては書き込み時間が遅くて,撮影のレスポンスが低下します。内蔵ストレージと同じ程度の速度を維持したい私は,あれこれ試してUHSスピードクラス3で,30MB/sを最低保障するようなカードを使うことにしました。SamsungのEVOplusの64GBですが,これだと内蔵ストレージとほぼ同じ感じで使えます。

 取り出しにくいmicroSDを使う理由ですが,内蔵ストレージではUSBで吸い出すしか方法がないからです。せっかくWiFiを内蔵しているのに使えるのはスマホからだけ。MacやPCで使えないのは厳しいです。

 確かにSNSにアップするにはスマホでしょうけど,現像や編集,管理や印刷はMacやPCが主体です。そこをUSBだけに限ったのは,作品作りを目指すプロやハイアマにはちょっとしんどいんじゃないでしょうか。

 また,充電もUSBからなんですね。にもかかわらず,USBのゴムキャップが華奢で,GR IIIではよくちぎれたそうです。GR IVでも改良されていない様子ですので,私はUSBを避けることにし,充電器とmicroSDを用意したというわけです。

(7)残念な事

 何もかも別売りにしていること,その価格も安くないことにも残念ですが,その割に付属のストラップが本当にチープで,20万円の高性能カメラには不釣り合いです。コストの問題もあるでしょうが,ここはGR1に付属していたしっかりしたストラップと同じくらいのものを,せめて同梱して欲しかったと思います。


(8)まとめ

 つまるところ,GR IVというカメラは,GRという「フォーマット」を維持したまま,今どきのデジカメに求められる機能を妥協なく盛り込んだことに最大の意味があります。これを理解出来るなら買いでしょうし,理解出来ないなら後悔するカメラだと思います。

 スナップシューターを自らの存在意義ととらえ,その方向に磨きをかけた結果として,鋭い視線の切れ味のいい写真はこのカメラなら難なく手に入るでしょうが,一方で易しい眼差しの写真をこのカメラで手に入れるには,それなりの練習が必要ではないかと思います。

 触っていて楽しいカメラであり,もっと撮影していたいと思うカメラです。こんなカメラは久々で,まだまだカメラという世界には進歩があるんだなと思います。

 この機能とこの画質をこの大きさに詰め込んだ上で,自らの長所をググッと伸ばしてきたGR IV。あらゆるシーンに対応することを期待されたニコンやキヤノンと違い,苦手なシーンがあっても許す度量が必要なカメラだったGRは,GR IVでようやく撮影者への我慢を前提にしたカメラから脱したように思います。

 そうなってくると,小さく軽いこと,レスポンスがいいこと,レンズの切れがいいことは他にない強烈なメリットになるわけで,GR1からコンセプトを受け継いだ無印GRから3世代を経て,実力をも継承してくれました。

 心配なのは,スナップシューターにこだわりすぎてしまうことです。これだけの性能と機能をスナップだけに使うのはもったいないことで,家族旅行や学校行事,ちょっとした出来事の記録に,柔らかい優しい眼差しを再現し共有できる表現力も,将来のGRに備わることを期待します。

 最後に価格。高いと言われるGR IVですが,この性能と機能なら妥当です。ここまで必要ないならもう少し安くなるでしょうが,それに意味があるかと言われればないでしょう。

 しかし,この価格でカバーされるシーンは,スナップです。スナップという写真ジャンルにこの価格を投じる事が出来ればなっとく,出来なければ高いという評価になるのでしょう。

 その意味では特殊用途向けのカメラだとも言えて,購入者の期待がそこにあるかないかで,価格に対する評価が分かれるのだと思います。

 DRAMの価格のこともありますし,ナフサ不足から基板などの価格も上がるでしょう。この値段で買えるのは今のうちだと思いますが,果たして20万円を越えたときに,このカメラはどういう評価をされるのでしょうね。

 

きいてください,GR IVが手に入ったのです

 念願だったGR IV,ようやく手に入れる事が出来ました。

 いやー,予約開始の時点で出遅れてしまい,その後の唯一の入手方法であった抽選販売にはことごとく外れまくり。とにかくこのまま手に入らないまま一生を終えるのではないかと思うほど,絶望的な状況からようやく脱出しました。

 ここでこんな愚痴を言うのもなんですが,発売時の予約に失敗した人にはもう抽選販売という一見すると公平な方法に頼る以外なく,他の手段がない以上,自分の努力や工夫ではどうすることも出来ないことがとにかく辛かったというのが本音です。

 聞けば,抽選販売に何度も当選する人がいる一方で,GR IIIの時代から2年近くも公式の抽選に外れ続けている人がいるなど,およそ公平とは言えないと思います。生産量が需要に対して少ないことが根本原因ですし,かつてのリコーフレックスだって同じような状況があったことを考えると今に始まった話ではないのですが,リコーという会社が誰の顔を見て商売しているのかが,よく分かりました。

 ということで,今回は手に入れるまでの動きをまとめてみます。

(1)予約前

 フィルムのGR1を気に入って使っていた私は,GR Digitalシリーズはパスし,APS-Cになってそのコンセプトを明確にした無印GRにピピッときて,予約して発売日に手に入れていました。

 入手してしばらくはGR1を持て余していたことを,この無印GRでも感じながら,やっぱりGRは一筋縄ではいかないカメラなんだよなあと思いながら,GR IIは大きな変化もないため,GR IIIは一番重要だったと考えていたサイズの変更と露出補正のUIが変わったことでパスすることにしました。

 実際,GRを使いこなせるようになってくると,1600万画素でも十分で,レンズの性能や速写性能に不満を感じることもありません。唯一の問題点は感度の低さで,手ぶれ補正がないことも相まって,使えるシーンが限られてしまったことでした。

 もっといえば,1600万画素くらいだとローパスフィルタがないとモアレを気にして被写体や構図を考えなくてはいけないので,このあたりも相応の覚悟が必要なカメラだったと思います。

 GR IIIやGR IIIxの入手が難しくなっていることは聞いていましたが,まあリコーもカメラ事業は本流ではないですし,カメラ,それも市場が蒸発したと言われるほど急激に売れなくなったコンパクトデジカメを続けて売ることはないでしょうから,きっとGR IVは出ないものと考えていたわけです。

 ところが,時々私にも届いていたアンケートに後押しされたのか,まさかのGR IVの発売が決定,その内容はかなり魅力的でまさにGRシリーズの集大成と言えるものでした。

 サイズがGR1よりも小さい事や,使わないけどGR1が持っているからと言う理由で欲しい内蔵ストロボがないこと,相変わらずファインダーがないことは気に入りませんでしたが,右端の上下キーによる露出補正の復活や,今どきの高感度性能に手ぶれ補正がやっと実現したうえ,レンズも一新され起動時間もレスポンスも高速化されているというではありませんか。

 それに,おそらくこのGRが最終モデルになるだろうと思って,目を回しそうな値段でしたが購入を決定したのでした。しかし,この時はまだ予約開始当日に予約すれば入手は容易だと考えていたのです。

(1)予約開始日

 当然ながら,予約開始当日は勤務中です。さらにいうと予約が何時から始まるのかを全く知らず,気が付いたら予約開始から20分ほど過ぎていました。慌ててあちこちの販売サイトを見て回りますが,キタムラは予約を締め切っていましたし,フジヤカメラは最初から抽選販売にしていました。

 八百富は予約を受け付けておらず,お得意様専用の予約リンクがホームページにあるだけです。

 ヨドバシは完売,ビックも完売,どこも完売か予約終了です。

 そんな中マップカメラだけはまだ予約出来る状態でした。あわててカートに入れようと手続きを始めますが,全く先に進めません。何度もカートに入れようとして失敗,ごく希にカートに入ってもそこから先に進むことが出来ず,何度もリロードを行ったせいでBANされてしまいました。

 おいおい,登録ユーザーをBANするとは!

 この時,サイトがパンクしていたことを私は後で知ったのでした。

 しばらくするとサイトに繋がるようになってきましたが,すでに予約は締め切られていました。先着の予約はこの時点で完敗だったのです。

 この段階でほぼ入手は絶望的状況で,初動の遅れを悔やんだわけですが,公式とフジヤカメラのの抽選販売があります。ここに応募して結果を待ちましょう。しかし,この段階ではまだ私はそんなに深刻だとは考えていませんでした。

 先着の予約が多かったのは転売目当ての人もいたからでしょう。抽選販売,それも公式ならそういう不正は弾かれるでしょうし,なんと言ってもメーカー公式ですから数も十分に確保され,しかも正確な数の確保が出来るはずです。

 しかし,予約の後にネットの書き込みを見て私は戦慄します。GR IIIの頃からとにかく抽選に当たらない,そもそも品物が足りなすぎて抽選どころではない,海外,特に中国での人気がすごくて国内に回ってこない,日本は価格が安めの設定なのでメーカーは日本で売りたがらない,などなど。

 富士フイルムのカメラの品薄も相当非難されていて,私にとっては対岸の火事だったのですが,まさに当事者となってしまったことに,私は絶望を禁じ得ませんでした。

 公式は10月28日の初回から,11月,12月,1月,2月,3月,4月と7回連続で外れました。12月からはHDFも一緒に応募しましたが当たりませんでした。

 フジヤカメラは初回,12月,3月と3回とも外れました。

 荻窪カメラのさくらや(以下おぎさく)でも1月に抽選がありましたがこれも外れました。

 たまたま店頭にあったものを買えた,店によっては予約を受けてくれるという話も聞いていたので,新宿に行ったついでにヨドバシカメラに立ち寄り,状況を聞いてみたこともありました。

 忘れもしません,この時の新宿西口のカメラ館の店員の対応に私は絶望し,怒りさえ感じました。

私 : GR IVを見に来たのですが展示が出ていないですね。
店 : 展示に出すものもないという感じです。(ヘラヘラ笑いながら)ほんと困ってます。
私 : 予約したいんですけど,どうですか。
店 : (ヘラヘラ笑いながら)一切やってません。大変なことになるんで。
私 : うーん,じゃどうやって買えばいいんです?
店 : (ヘラヘラ笑いながら)公式で抽選販売に応募して下さい。それしかないです。

 まあ,お店としてはどうしようもないでしょうし,予約を受けても渡せる見込みがないのですから,予約を受けないことも誠実さの1つとして理解出来ますが,カメラ屋がカメラを売ることが出来ない状況をヘラヘラ笑いながら自分たちも迷惑してるんですよーと被害者面することが,欲しいと思って足を運んだお客の神経をどれだけ逆なでするかを,接客のプロとして考え直してもらいたいと思いました。

 それに,そもそも,人気のカメラをメーカーの公式サイトが売ること自体,自分たちの商売を上流で邪魔することに他なりません。なのに天下のヨドバシカメラが公式サイトで買ってくださいとケツをまくるのは,カメラ屋として完全に地に落ちたなと思いました。

 さらにいうと,先月のヨドバシカメラのランキングを見ていると,店頭在庫もなく予約も「一切」受けていないはずのGR IVがランクインしています。こういうのを正直に公表するのも偉いと思いますが,言ってることとやってることが食い違うことは,ヨドバシカメラらしくないなと思います。

 もちろん,人によると思いますし,新宿西口での統一された対応であって,例えば八王子店とか仙台店での対応は違ったものになっているのかも知れません。しかし,その場合でもヘラヘラ笑いながら説明するようなことではないと思います。売り手が強い商品だからこそ,目の前のお客さんの味方になって欲しいし,かつてのヨドバシカメラならそれが出来たと思うから,私はヨドバシカメラのカメラ売り場で店員さんとお話しするのが好きだったのです。

(3)抽選販売以外の方法

 在庫のあるお店は一般的な価格(定価とは言いませんが公式や量販店の販売価格)よりも随分高価な値付けをしています。さすがに22万円とかは,ありえません。

 転売されたものを買うのは価格の問題ありますが,保証の問題やモラルの問題からこれも絶対に許されません。

 中古品を買うことも手の1つですが,故障や不良のリスクもありますし,発売されたすぐとは言え人の手に一度渡ったものですから,何があるか分かりません。それで一般的な価格よりも高かったりするのですから,そこまでして手に入れるようなものでもないでしょう。

 かといって,地元の馴染みのカメラ店がある訳でもないですし,なにか個人的なツテや縁故がある訳でもありません。

 中にはリコーの株主になって,株主優待販売で手に入れるという強者もいらっしゃるようですが,資本主義社会における公正な「えこひいき」を利用するなど,私には思いもつかなかった方法です。

 だいたい,世界中の人が欲しがっているのですから,私のような凡人が自分だけ特別扱いをしてもらえるはずもありません。その他大勢の中に入って,その中のルールに従う以外に方法はないのです。

 そう大人の聞き分けで,半年辛抱してきました。

 そしてこの一連の騒動は,嫁さんと娘にも影響を与え始め,嫁さんはトランプにかけた呪いの一部を抽選に当たることの祈りに振り分けたと言い出しますし,娘はヨドバシの配達があるごとに「GRなの?GRなの?」と騒ぐようになりました。

 もう,GRに振り舞わされっぱなしです。これではいけません。

 そして,先日におぎさくで行われていた,先着5名様の販売の案内メールを,日曜日の夜に見逃したことをきっかけに,私の心が動きました。


(4)偶然,本当に偶然

 混乱があるとまずいので正確には書きませんが,ニコンの大三元の2つを買い,古いレンズを下取りに出したあるお店は,とても親切で価格も安く,まるで昭和の販売店のような機転の効き方を見せてくれる,大好きなお店です。(まあ悪いところも昭和的なんですが)
 
 ここは,品薄だったニコンの大三元の時も,偶然キャンセルが出て在庫があったことで,助けてもらったのです。そんな経緯もあり,今回ももしかしてとピピッときて,木曜日の午前中にダメモトで電話をしてみたのです。親切なこのお店なら,そんなに冷たい対応はされず,心が折れることもないだろうという心理的な安全性も背中を押しました。

 電話番号を押し,長く感じた呼び出し音は,まるで彼女の家に電話する時のような,口から心臓が飛び出そうなドキドキを思い出させます。果たして電話の向こうの声は優しく,名乗られたお名前でさっと顔が浮かんできます。

 いつも送ってくれるチラシを見ながら電話してますと伝えて納期を尋ねると,折り返しますと意味深な返答。名前と電話番号を伝えて待っていると,15分ほどして折り返しがありました。

 在庫が1つだけある,どうしますか,と。

 驚きを抑えつつ,感情を悟られないように,わざとらしい平静を装いながら,もちろん買いますと伝えました。送ってもらえますかと尋ねるともちろんOK。支払いはカードにしたいと言えば,私あての専用の商品を作りそのURLをメールするので,これをカートに入れて決済して下さいと,なんとすばらしいご対応を頂きました。

 メールアドレスを言おうとしたら,登録済みなので大丈夫ですとのこと。そう,お得意様扱いをして頂いていたんですね。

 しかも,早く欲しいと言う私の気持ちを汲んでくれて,すぐに発送,翌日午前の着日指定までしてくれました。

 推測ですが,チラシを見ているということから,名前と電話番号で本人確認,購入履歴から転売目的ではないことを確認し,偶然キャンセルが出たか,あるいはこういう顧客からの電話や店頭での問い合わせのための確保分を,出してくれたのだと思います。ああ,ヨドバシカメラと雲泥の差よ。

 果たして,翌日の午前中に,私の手元にようやくやってきたGR IV。

 無事開封の儀を終え,初期不良もなく,現在私の隣で元気にしています。無印GRから進歩したところ,変わらなかったところなど,いろいろ思う所がありますが,そういった使い心地については;また後日。

 何かを得るためには待ってるだけではダメ,自分で動いてチャンスを掴むという,当たり前のことを今さら思い知った次第です。

 そう,じっとしているだけでは「その他大勢」から抜け出せません。公平の名の下に他の方法が封じられがちな昨今でも,きっとなにか方法があるはず。自分で考えて行動した人にこそ,女神は微笑むのです。いやホント。

 

注意!BDレコを買う人へ

 BDレコのソフト単体売りに手を出し,BDドライブの故障が発覚,結局BDドライブを新たに買い直す羽目になった顛末は先日書きましたが,その後いろいろ試して分かった事がありました。

 先に結論を書きますが,BDレコに過度な期待は禁物です。素直にパナソニックかシャープのBDレコーダーを買った方がよいと思います。でも,テレビ番組の保存にそこまでのお金を用意出来るかどうかは,もはや熱意の問題かなとも思います。

 では,実際に触って困った事を書いていきます。

(1)書き込み失敗時の問題

 一番困ったのはこれです。テスト運用ということもあって私は主にBD-REを使っていますが,BD-REのDLは2回に1回は失敗します。無事に書き込めたと思っても再生出来なかったりすることもあるので,それも含めると私はBD-REのDLへは一度も書き込みに成功していません。

 で,問題はここからです。DRMの関係から仕方がないのですが,書き込んだ番組はPCから削除されます。この場合,書き込みエラーで中止された場合でも,書き込みが出来た番組はPCから消えるのです。

 これ,例えば書き込みの最後でエラーが出た場合,転送した番組のほとんどが失われます。私はディスク全体の書き込みが成功した場合のみ削除されると思っていましたから,番組単位で削除が行われると知って愕然としました。

 テレビからPCへ転送が完了した段階でダビング回数が一つ減ります。そして,PCからBDへの書き込みの段階でPCの番組が消えてしまいますから,書き込みに失敗して手元に番組が残らない場合でも,ダビングの回数は一つ減ってしまうというわけです。

 もともと10回ダビングが許された経緯に,こうしたダビングの失敗をカバーするというのがあったように思いますが,希にダビングではなくムーブしか許可されないケースもあるわけで,この場合は特に深刻でしょう。

 こうした致命的な機会損失やユーザーの権利の喪失について,専用のレコーダーは真摯に検討を重ねていると思うのですが,BDレコは後述する要因と相まって,このあたりの意識が低いと言わざるを得ません。

 とにかく,失敗した時の損失が大きいです。失敗がないように信頼性をあげること,さらに失敗を回避するための工夫を行うことなど,失敗を回避するような工夫がなく,その結果簡単に失敗し,当たり前のように権利が失われていきます。

 PCベースということでもともと信頼性確保には不利なシステムありますが,だからこそ失敗した場合の「ユーザー保護」を第一に考えて欲しかったです。


(2)書き込む番組は順番も含め転送前に決める必要がある

 これも驚きました。PCに転送された番組は,BDに書き込む時に選択出来ません。言い換えると,転送された番組は書き込み時にすべて書き込むことになります。

 だから,先にまとめて転送しておき,書き込み時に選んで書き込むという事が出来ません。私はこれで,400番組ほどのダビング回数を1つまとめて失いました。

 例えば,DRモードで1枚におさまると思って転送したところ,実際に書き込もうとすると数分オーバーしたせいで2枚必要と言われたとします。そこで数分短い番組を選んで組み合わせて1枚に収めようとするわけですが,書き込む番組を番組単位で選べないのでどうすることも出来ません。

 書き込む番組を選べないだけではなく,番組単位で削除も出来ない(追加は出来る)ので,もし1枚をオーバーしてしまった場合には,他のモードで書き込むか,一度全部削除して転送からやり直すしか手がありません。

 他のモードについては後述のとおり非現実で,全削除から再転送になるのですが,当然ダビング回数が減ります。何を書き込むかを選ぶ作業に権利が一つ必要だなんて,おかしいと思います。

 こだわる人もいると思いますが,書き込む順番も指定出来ません。PCへの転送順で決まります。つまり,連続再生される順番も指定出来ないわけで,そこまで考えてテレビから転送しないといけないのです。

 でも,テレビ側でも順番を指定出来るわけではないので,結局番組1つ1つを順番に転送することになります。まさに付きっ切りです。バカバカしい。


(3)実用になるのはDRモードだけ

 BDレコでは,トランスコードを行わない最高画質(DRモード),トランスコードを行う高画質,標準画質,長時間画質の4つの画質モードが選べます。

 このうち,DRモード以外のトランスコードが行われるモードでは,膨大な時間がかかります。マシンの性能が効いているわけですが,非力なうちのマシンの場合,高画質モードで4時間の番組を書き込むのに24時間以上の時間がかかりました。

 DVDの場合はディスクイメージを作って書き込むのでエラーも起きにくいのですが,BDの場合はオンザフライなので,24時間書き込みっぱなし状態です。この場合ほぼエラーで書き込みに失敗します。

 長時間の記録を行う標準画質や長時間画質のモードではさらに時間がかかると予想されるのでほぼ確実に書き込み失敗となり,待てば済むと言う状況ではなくなってしまうため,実質使えるモードはDRモードのみという事になります。

 DRモードでは1層で2.5時間,DLで5時間ですので,30分の番組12話では3枚のディスクが必要になります。ここで私は自問することになります。そこまでして残したい番組か,それは?


(4)どれくらい書き込めるかは容量ではなく時間だった

 そしてこれもまた嫌になる仕様で,1枚に書き込める制限は容量ではなく,時間でした。地上デジタルでは30分で2GBちょっと,BSでは4GBちょっとと言うところですが,どちらも30分として扱われ,半分の容量しかない地上デジタルはディスクの半分しか使えません。

 DRモードでは1層で2.5時間という制限になっていますから,22.5GB/5 = 4.5GBと,BSデジタルをカバーします。もし30分で2.5GBの地デジが容量一杯に書き込めたら4.5時間も記録出来るはずなわけで,時間で縛ってしまうのは明らかに無駄が多すぎます。

 当初,2.5時間を越え3時間ほどの地上デジタルの番組を転送して書き込みを行おうとしたのですが,DRモードでは2枚必要と言われました。高画質モードなら1枚でOKだったわけですが,高画質モードの方がトランスコードを経ることで容量そのものは増加するのと同じ事が起こるというわけです,しかし画質は変わらず。(とマニュアルのも記載があります)

 バカバカしい。


(5)ソフトの不安定さ

 加えて,ソフトそのものも不安定なところがあります。例えば一時フォルダーを見失ってしまうことが頻繁に起こります。転送した番組を見つけられない,転送を始める事ができない,書き込みが始められない,最悪なのは書き込み中にフォルダを見失い,書き込みが中止することが頻発します。

 起動ドライブが十分に空いていればここに一時フォルダーを用意するのが最も確実だと思いますが,私のようにSDカードスロットやUSB経由の外部ドライブの場合,突然フォルダーが見つからないと言われることがあり,PCを再起動する,もしくは設定を初期化するまで解決しません。

 他の細かいバグはともかく,この一時フォルダーが見つからない問題は致命的なので,なんとかしてもらわないと話になりません。


(6)CMカットなどの編集は不可能

 当然のことですが,PCでの編集は全く出来ません。カット,マージはもちろんですが,前述のように削除もできなければ順番の入れ換えすら出来ません。さらにいうと番組名の修正も出来ません。とにかく転送した物をそのまま書き込むことしか出来ないのです。


 ということで,BDレコアプリの機能があまりに貧弱過ぎて,機会損失が避けられません。とにかくユーザーのミスはどんなルートを選んでもリカバー出来ず,権利を1回失うことで解決を図る仕組みになっています。


ディスクの書き込みに失敗した -> 新たに焼き直しをするためには転送からやりなおし -> 権利-1

転送した番組がDRモードで入らないことがわかった -> 全部削除してからDRで入る分だけ再転送 -> 権利-1

DRモードで1枚に入らないことが分かったので最高画質で書き込む -> トランスコードしながらなので書き込みに時間がかかって結局エラー -> 転送からやりなおし -> 権利-1


 と言う具合に,最終的に権利-1に落ち着きます。これでは10回のダビング回数など人鉛もありません。(ついでに時間もどんどん溶けていきます)

 唯一救われるのは書き込み前なら転送済みの番組は残るという事でしょうか。転送を終わったあと,アプリを終了しても番組は消えません。ここから転送を新たに行った場合でも,これまでも転送した番組は消えることなく,追加されていきます。

 しかし,書き込み時の選択が出来ませんから,目標とする時間を越えてしまうと全削除です。まるでトランプゲームのブラックジャックです。


 ということで,BDレコでは,

・1層のDRモードしか現実的に使えない
・低ビットレートの地デジでも1枚あたり2.5時間まで
・テレビからの転送前に書き込む番組を選び順番を決める必要がある
・ムーブになるような番組は番組そのものを失う危険があるあるので避ける
・高スペックのPCを使うこと,ストレージは内蔵ドライブに
・それでも失敗する覚悟が必要

 ということになると思います。

 確かにソフトは3000円ちょっとです。この値段なら文句も言えません。しかし,ドライブ込みで22000円出そうと思っている人は,今一度考え直した方がよいです。

 もし番組のアーカイブを重視するなら,なくなる前にBDレコーダーを買いましょう。

 もし,気分で残しておこうと思っているだけなら,HDDに入れっぱなしで十分でしょう。

 間違っても,BDレコでテレビのHDDにある番組を待避出来ると考えてはなりません。運が良ければ出来る場合がある,程度に考えておく必要があるでしょう。

 BDレコを買うことが許されるのは,アプリだけを3000円ほどで買って済む人だけです。間違ってもドライブまで買わなければならない人が,このBDレコに手を出すべきではありません。

BDレコのソフト単体売りは本当に他社のBDドライブでも動くのか

 東芝に続きソニーも,BDレコーダーの製造をやめました。日本独自の文化と言われたテレビ番組の録画と保存が潰えようとしています。

 メディアはデータ用途もありますので海外製品がしばらくは手に入るとは思いますが,録画機はどう考えても復活することはないでしょうし,そもそもキーデバイスであるBDドライブの調達が難しくなっているそうですので,入手が出来なくなるのは時間の問題ではないかと思います。

 そもそも,海外にはテレビ番組を録画するという発想がなく,結局見返すことなどないのにとりあえず保存しておくという日本人も,タイムシフトだけ出来ればそれで実は事足りるという事実に目が覚めたのでしょう。

 もっと言えば,自分で手間とお金をかけて保存しなくてもネット配信で簡単に見られるようになったことで,先に面白そうな番組をチェックして録画を仕掛けるよりも,後から評判を聞いて見逃し配信で見る方がずっと楽だったという事実が広く認知されるようになったのではないかと思います。

 タイムシフトに特化した録画機能なら,テレビに安価に標準搭載出来ます。HDDは外付けになりますが,安価で大容量のHDDを1つ買えば,現実的に次の買い換えまで使い続けることができるわけで,結局のところこの方法で困る人が少なかったことが,BDレコーダーの衰退の一因だと言わざるを得ません。

 ただ,記録される番組は当然暗号化によって保護されるわけで,その暗号が解けるのは録画したテレビとの組み合わせでのみですから,テレビの買い換えはもちろん,場合によっては修理されたテレビでも,HDDに記録された番組を見ることは出来なくなります。

 こんな難しい話,一般の人は想像もつかないでしょう。しかも,こんなこと消費者は全く聞いておらず,作る側の都合で勝手に導入された不便な仕組みというのですから,消費者が自分たちのためにならないと感じてそっぽを向くのも当然です。

 これが結局,手元に残すに値するような良質な番組を制作するエネルギーを制作者サイドから奪うことになったのだとしたら,ダビング10という仕組みはなんと皮肉なものなのかと思います。

 閑話休題。

 HDDに残った番組を救出できずに廃棄したことは,私もこれまでに買い換えで2度ほど経験しました。私はHDDに録画したという事実だけを記憶しており,その番組がどうなったかはちゃんと覚えていないので,録画したはずなんだけどなあ,ということが何度も起きていました。だから,本当に残しておきたいものや後で見ようと思うものは,HDDから取り出しておきたいと思う事もありました。

 そのためには高価で大きなBDレコーダーが必要。でももうそんな面倒は御免です。

 ところが先日,IOデータから,BDレコなる製品が登場し話題になりました。DTCP-IPを実装したWindowsのソフトでテレビからネットワーク経由で番組を転送し,PCに繋いだBDドライブで書き込むというものです。BRP-R1という製品はBDドライブとソフトのセットで,これをPCにつないで作ったBDは,市販のBDプレイヤーで再生出来ます。

 2万円ちょっとという安価な値段もあり,初回は完売という人気ぶりなのですが,付属の書き込みソフトは当然のように専用の専用のドライブでしか動かないものでした。

 ところが,この付属のソフトだけが別に販売されることになり,しかも他のメーカーのドライブでも動くという話が聞こえてきました。お値段はわずか3300円ほど。今手元にあるドライブでテレビ番組を録画できるなんて,そんなうまい話がある訳ないと思っていたのですが,どうも本当の話らしいです。

 BDレコという商品は,このソフトにこそ価値があると思う訳で,それをこんな価格で,しかも縛りなしで販売する意図がわからんのですが,ともあれこの値段ならダメモトで試しても悔しくないでしょう。ダウンロード販売が始まると同時に,購入して試してみました。

 まず,Windowsのバージョンです。うちには非力なWindows11マシンが1台ありますが,あとはまだWindows10です。案の定Windows10ではダウンロードが出来ず,結局この非力なマシンで動かすことになります。

 メモリも4GBと話にならない少なさですが,とりあえず起動まで出来ました。

 BDドライブは過去に購入したパイオニアのBDR-XD05です。これも無事認識し,テレビから転送も終わりました。しかし,いざBD-REに書き込みを行おうとするとエラーで止まります。

 やっぱりダメなのかと思ったのですが,このドライブをMacに繋いでToastでBD-REの消去を行おうとすると,やはりエラーが出ます。ドライブが死んだのかもと,もう1台あるパイオニアのBR-203を引っ張り出してきたのですが,やはり同じようにエラーが出ます。

 ただ,最近買った,一度も書き込みを行っていないBD-REだと書き込みが進み,出来上がったディスクは別のプレイヤーで再生することが出来ました。ということで,ソフトは問題なく動いています。

 しかし,これだけ書き込みエラーが出ると実用になりません。メディアが古いのが悪いのか,それともドライブが2つとも壊れたのか,どうもすっきりしません。

 いずれにしてもこのままではソフトも無駄になりますし,ドライブを新しい物にしてみましょう。amazonで探すと,13500円ほどのドライブが見つかりました。これが一番安いようですが,2014年に買ったBDR-XD05は9000円ほどでしたから,すでに貴重品になりつつあるんだろうと思います。

 届いたBDドライブはロジテックのLBD-LPWAWU3NDBというもので,今見たら1500円値上がりしていました。危ない危ない。

 とりあえずBD-REの消去を行ってみると,あれほど失敗してエラーを出していたディスクが簡単に消去出来るようになりました。やはりドライブの問題だったようです。

 ならばとPCに繋いで書き込みを行ってみますが,これも無事ドライブを認識し,書き込みも完了しました。出来たディスクはちゃんとプレイヤーで再生も出来ました。

 一応これで問題は解決したわけですが,モヤモヤすることが2つ。

 13500円のドライブに3300円のソフトですから,合計すると17000円ほど出費しています。BRP-R1が23000円にポイント10%で実質2万円ちょっとで買えることを考えると,3000円ほど安くなっただけじゃないかという事が1つ。これだったら動作保証のあるBRP-R1を買った方がよかったんじゃないかと思います。

 もう1つは,あてにしていたBDドライブが2台とも壊れていたこと。BDR-XD05もDVR-203も長く使えることを期待してパイオニアにしたのに,どちらも数枚BDを焼いただけで壊れていたことにがっかりしました。

 確かに光学ドライブは消耗品ですが,それは書き込み回数の増加に伴ってレーザーが劣化するからです。2台でBD-Rを10枚,BD-REを3枚ほど焼いただけでダメになるというのは,想像していませんでした。

 どちらも購入は2014年ともう12年も昔の話ですので壊れて当たり前でしょうし,もはや悔しくもありませんが,どちらも電源を入れることもせず,ほとんど使うことがなかったので,もし時間の経過だけで壊れてしまうなら,お店に長く在庫されていたものやデッドストックも壊れてしまうことになるわけで,それはもう消耗品と言うより生ものですよね。

 DVD-Rは今でも書き込めていますし,読み出しも問題ありませんから,BDの書き込みだけダメになっていたのがなんとなく残念で,そんなにBDの書き込み機能って華奢なのかと思うと,今回買ったLBD-LPWAWU3NDBも2021年発売という事ですから,数年もすればダメになるかもしれず,光学ドライブの儚さに涙が出そうになります。

 こんなものにお金を出すことが正しいのか・・・数年使えればそれでいい,壊れたら捨てればいい,かつてそんな考え方で作られた悲しい製品があふれた時代があったことを思い出しました。

 

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S,買っちゃいました

 買っちゃいました。NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S(以下Z24-70mmF2.8S)。

 いや,GR4の抽選販売が全くあたらず,また今後もあたる気が全然しないということで,衝動的に買ってしまった感じがあります。

 家族からは「毎日外れた外れたと騒いでるけどそんなに毎日抽選ってやってるわけ,GR4って?」などと皮肉を言われてましたが,経済的に退路を断ち,すがすがしい気持ちでこのレンズをお迎えしました。

 実のところ,昨年末の旅行の前にこのレンズが気になったことがありました。II型の登場で新品の在庫処分があり,一時は実質22万円ちょっとという破格値で出ていた事を知ったのですが,この時にはそんな底値のものは払底しており,別のお店で24万円程度でアウトレット品が出ていることを知って,今買わないと後悔するかも,と思ったわけです。

 この時は,新品とはいえアウトレットであること,なのに底値に対して2万円近くも高い,中古との価格差も結構あるという事実に加えて,24-120mmF4Sで画質は十分,しかも便利という実利の面でも,割と簡単にあきらめが付きました。

 しかし,今回某店からのメールを見て,私の心はざわざわしました。新品218900円。

 これは底値です。この値段で新品が出てくることは,円安,インフレなど,値下がりの要素がなにも見当たらない今後,絶対にないでしょう。さらにいうなら,大三元の標準ズームの新品がこの値段で買えるという事は,あらゆるマウントにおいて奇跡です。

 これが,性能や品質に問題があったり,評判の悪くて処分されるようなレンズならともかく,天下のニコン純正,現行Zマウントで,2019年に登場した時にはその画質に絶賛の嵐,そして現在もトップクラスの性能を誇っています。

 ここで買わないと後悔する,この値段でこの性能は破格だと,私はまず自らの気持ちを整理しました。というのも,これは私にとっては大きな方針変更で,ZマウントがFマウントと同じメインのシステムになるということを意味するからです。

 私はフィルムのカメラとレンズを共用したいと思っていたこともあり,Fマウントからの完全移行は考えていませんでした。それに,Zマウントが本当に育つのかどうかも見極めたいと思っていたので,Zマウントへの投資は限定的でした。

 Zマウントのお試しにと,あくまでサブという位置付けでZfcを買ってみたところ,期待以上の感触を得た私は,次に登場したZfでフルサイズを導入します。

 サブに見合った投資で済んだAPS-CのZマウントに対し,一気に投資額が増えてしまったフルサイズZマウントではありましたが,ニコンの最新機種らしい高画質にミラーレスのメリットである静粛性,Zシリーズに共通するEVFの見やすさ,そしてZマウントレンズにハズレなしと言われるほど優れたレンズたちを前に,自然に持ち出す機会が増えていきました。

 とはいえD850は我が家では最も高画素で,その画質も未だ最高です。ZfはまだまだD850の代わりにはなりません。手に馴染んだ操作系であるD850を差し置いて,そんなZfの出番が増えている事は,やはり総合力でZfがよく出来ていることを認めざるを得ません。

 ですが,前述の通りFマウントからZマウントへの移行には躊躇していました。そのうち,Fマウントのレンズの買い取り価格が下がり,売り時を逸したというのが,これまでの経緯です。

 大きくなるとはいえ,AF-S70-200mmF2.8EあるいはAF-S14-24mmF2.8GとFTZの組み合わせでZfに取り付ければ,画質も操作感も問題なく運用できますし,ZマウントのレンズとしてZ24-120mmF4Sを持っていれば画質もほとんど妥協しません。支出もほとんどなく,FマウントとZマウントを使い分けることが出来るこの状況は,非常に望ましいともいえます。

 こうして私のZマウントはメイン並の役割を負いながらも,サブに甘んじていたわけです。

 ですから,大三元の標準ズームをZマウント用に用意するという決定は,Zマウントをメインに格上げすることを意味します。いくら気持ちでFマウントもメインだと思っていても,Zマウントに対する歯止は利かなくなるはずです。

 大げさな話ではありますが,Zマウントを格上げするという決断は,慣れ親しんだFマウントからの距離が自然と出来てしまっていることを追認することになり,大きな転換であることを意識せざるを得ないのです。

 なによりFマウントとZマウントの二重投資になることを許容しなければなりません。D850とZfの使い分けがなくなり,やがてZfに次第に一本化されることにつながるでしょう。ひいてはFマウントレンズの処分も検討する事になるかも知れません。次第にZマウントへの移行が進むことは止められないでしょう。

 一方で,FマウントのAF-S24-70mmF2.8Sはかなり大きく,それに高価だったこともあり,なにか特別な事でもなければ持ち出しませんでしたから,使用頻度は低く,標準とは裏腹に「特殊」だったことは事実で,宝の持ち腐れであったことに後悔があります。

 これがZ24-70mmF2.8Sの導入によって,一気に大三元が日常に降りてきます。これこそ進化ではないかと思ったわけです。
 
 それこそ特別な時に持ち出す14-24mmや70-200mmはFマウントと共用でもいいでしょう。しかし標準ズームはZfにつけっぱなしであることが理想です。それが今なら現実になると結論し,私は目の前に座っている嫁さんに,素直にレンズが欲しいことを打ち明けました。

私:レンズ買いたい!
嫁:いいよ。いくらなの?
私:高いよ。
嫁:15万円くらい?
私:(ぼそっと)もっと高い。
嫁:(しばらく絶句して)22万円くらい?
私:(目を逸らしつつ)うん,そんなもん

 大人の駆け引きが繰り広げられ,かくて私はZ24-70mmF2.8Sを買うことにしたのでした。(なお,この会話で最も重要なことは,嫁さんにとって高価なレンズとは15万円くらいを境目にするということが分かったことでした。)

 そして先日の土曜日,私の手元にF2.8通しの標準ズーム,Z24-70mmF2.8Sが届いたのでした。


 ということで,お約束のファーストインプレションです。なお,私はFマウントでもAF-S24-70mmF2.8GとEを使っていましたので,どうしてもそれらとの比較になります。

・大きさ,質感

 大きさはFマウントに比べて大幅に小さく,軽くて本当に大三元なのか,と思ったほど驚きました。いや,数字上のF2.8通しなら,かつてタムロンから出ていた28-75mmとか,APS-Cの標準ズームにも小さい物はあったと思います。

 しかしZ24-70mmF2.8Sはニコンの看板レンズであり,最高画質を期待するプロの使用を前提とした,その時々の最高水準の技術で作られる,とても高価なレンズです。それがこのサイズです。拍子抜けしました。

 フィルターサイズはも82mmとII型に比べて大きいのですが,AF-S24-70mmF2.8Eを同じだと思えば許せます。ズーム時に鏡筒が伸びることはII型に比べてウィークポイントかも知れませんが,収納時に小さくなることはむしろメリットとも言えます。

 質感は大変良く,さすが高価なレンズだけあります。フードも内側にフェルトが貼られており,そもそもフードなんていらないんじゃないかと思うほどの耐逆光性能を持つZマウントのレンズにそこまでの手間が必要だったかと不思議な気持ちになるほどです。

 デザインもなかなかよくて,調べてみるとこのレンズあたりから,現在のZマウントレンズのデザインになってきたらしいです。なるほど,Z50mmF1.8Sとは違ってゴムの巻かれたリングは手に馴染みますし,シルエットもZ24-120mmF4Sと似たような印象があります。個人的にはZ24-70mmF4Sがとにかく全面的にダメで良い思い出も何もないので,よかったです。

・操作系

 ズームリングやフォーカスリングは使いやすく,滑らかで素晴らしいです。コントロールリングがあるのはさすがにSシリーズで,クリックはありませんが私は絞りに割り当てて使っています。ただ,Zfは絞りのステップが1/3段から変更出来ないので,そこが残念ではありますね。

 Fnボタンも装備していて,被写体を追いつつ操作が必要なシーンで活躍しそうです。。私はAF-ONに割り当てています。それから高価なレンズに象徴的なOLEDのディスプレイには距離だけではなくズームや絞りも切り替えて表示出来るのですが,距離の場合にはAFが停止する直前にぐぐっと少しだけ行きすぎて戻るような表現がなされており,キビキビとした印象を与えてくれます。楽しいですよ。

 正直,目をファインダーからそらしてわざわざ見ることになるレンズの指標を昔から見た事はなく,II型で廃止されたことを考えても,あまり必要のない装備だなと思います。故障する箇所も増えるわけですし,鏡筒が太くなった理由の1つでもあるでしょう。

 ただ,高級なレンズには備わっている装備でもあるので,私はズームの指標にでも使おうかと思っています。

・画質

 肝心の画質ですが,当然ながら文句なしです。本当に良く写ります。良く写りすぎてつまらないくらいです。高解像度でカリカリで色も鮮やかですし,ボケも綺麗。広角から望遠まで破綻なく,同じ画質でズームします。

 もちろん開放から高画質ですが,F5.6くらいまで絞ればさらに画質は向上し,これ以上を望まなくなってしまいます。もはた単焦点レンズを使う理由は,固定された画角による縛りを積極的に楽しむ事くらいなんじゃないでしょうか。

 一方で,当たり前の画像すぎて,冷たい感じがします。何を撮っても真実が写るというのは正しいのですが,時に人間は真実以上に感情を強調したい時があるもので,AF-S24-70mmF2.8GやEにあった線の太さや色のり方が引っ込み,あまりに優等生になってしまっていて,どんどんシャッターを切ろうと言う気持ちに乗ってきませんでした。

 それと,ちょっと周辺光量の落ち方が大きいように思います。広角側もそうですし,望遠側でも絞り開放だとちょっと目立つようです。絞れば改善しますし,現像時に補正することも可能ですが,優等生のくせに周辺光量が落ちることを計算に入れないといけないレンズというのも,大三元としてはちょっと面倒くさいように感じました。

 あと,逆光への耐性ですが,これは確かに強烈です。少し厳しい条件で光が入ってくると,並のレンズならすぐにコントラストが下がったりいろが褪せたりするものですが,全然破綻しません。

・II型と比べて

 II型との比較は,気にはなりましたが行っていません。II型を触る機会が全くなかったからなのですが,画質や操作感を除くと,まずインナーズームであるかどうかがポイントかなと思いました。私は望遠ズームはインナーズームでないと困ると思っていますが,標準ズームなら別に構いません。それより持ち運びが楽なように,小さくなることが大切です。

 II型はインナーズームですがI型に比べて全長が長いので,持ち運びを考えると私はI型の方がありがたいと思います。また,II型はフィルターが77mmだそうで,これはちょっと羨ましいです。

 画質は実写していないのでなんともですが,MTFを見る限りI型の急な落ち込みも改善されているので,全体的に向上していると思います。ただ,I型のMTFも文句なく素晴らしいので,その違いがどれほどの画質の差になっているかは,もうわかりません。

 そうそう,I型はニコンのF2.8通しの標準ズームとしては珍しく,凸先行なんですね。II型もそうですしAF-S24-70F2.8GもEも,凹先行です。

 どちらが優れているとか,そういう問題ではないことを重々承知の上で言うのですが,凹先行型には独特の線の太さやボケの変化があるように思います。凸先行型は線も細く,解像感も高いですし,望遠から広角までとにかく自然にまとまった画です。それがかえって無個性な印象を与えてしまうのかも知れません。大げさに言えば,まるで他社のレンズのようです。

 個人的にはAF-S24-70mmF2.8Gが好きだったので,これと同じ傾向を期待したのですが,F2.8通しの標準ズームがレンズタイプでそんなに変わるものではないと思いつつも,ニコンらしい三次元Hi-Fiを目指して欲しかったとも思うのです。

 II型が凹先行に回帰したからと言って,以前のような味わいになっているとも思いませんが,少なくともI型は「平凡」で「まじめ」な「超」高画質レンズだと思いました。果たしてこれ楽しいかなあ。

・まとめ

 明らかにZ24-120mmF4に比べて高画質で,大きさはむしろ小さいくらい,それでいて1段明るいなんてのは,もう日常にガンガン使えという事でしょう。とはいえ,70mmから120mmまでは実はなかなか美味しいところで,これがないことでZ24-70mmF2.8Sはちょっとしんどいなと思う事もありました。

 しかしZ24-70mmF2.8Sが見せる繊細さや色には,便利ズームが持ち得ない物があります。私が使いこなせていないということの証ですが,Z24-70mmF2.8Sという,ごく普通の標準ズームを進化させたレンズでは,ただ撮影しただけでは作品にはなりません。そこにあるものをただ素直に高解像度で写し取る馬鹿正直なこのレンズを自分の想いのとおりに使うには,また別の訓練が必要になるような気がしてきました。

 AF-S24-70mmF2.8Eに比べて,さらに高画質になったことは実感しました。しかし,被写体を滑らかにふわっと浮かび上がらせる独特の表現が引っ込み,細い線で輪郭を正確に切り抜くような画像が出てくるZ24-70mmF2.8Sは,同じ大三元でも別物だなと感じました。

 20万円を越える高価なレンズですが,温存するのはもったいない。特別なレンズではなく,贅沢な普段使いレンズとして,手に馴染ませて,線の細さも武器にしていければと思います。

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