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REALFORCE RC1にスペーサーを試してみる

 キーボードを探す旅に終止符を打った,REALFORCE RC1。私が選んだのは荷重30gのUS配列で,確かに現時点で最高のキーボードであることは間違いないのですが,しばらく使っていると不満も出てくるようになってきます。

 暗い所ではキートップの印字が見にくいとか,黒っぽい配色がちょっと気に入らないとか,スペースキーがグラグラするとか,DELETEキーが遠いとか,まあいろいろあるのですが,中でもストロークと音の関係は実に難しいと感じていました。

 REALFORCE RC1のストロークは4mmと,標準的というか古典的なストロークです。スコスコと入力出来る気持ちよさが売りのREALFORCEにとって,ストロークが深いことは欠点と言い切れないものがありますが,それでも底打ちの時に独特の音がすることは避けられませんし,好みの問題としてストロークが浅い方が好きな人もいると思います。

 私はストロークの浅い方が好きな人なのですが,それはきっと,底打ちがあるまでキーを叩き込む人だからで,寸止めできる人ならきっと問題にはしないんじゃないかと思います。

 そんなおり,amazonで見つけたのがキースペーサーでした。純正品ですので当然以前から存在は知っていましたが,メーカーが「これだ」と思って作ったキーにスペーサーを入れるというのもなんか違う気がしたので,見送っていました。

 しかし,2mmと3mmが同梱されていて(おかげで2000円と高価なのですが),レビューを見ると概ね高評価のようです。好みの問題なので高評価そのものをあてには出来ないのですが,悪い評判がないということも私の背中を押すのに十分でした。

 ということで届いたスペーサーですが,いわゆるポロンと言う樹脂で出来たシートに穴を開け,裏側にPETで裏打ちしてあるものが2mm厚と3mm厚の2枚入っているものでした。1枚1000円です。やっぱり高いという印象は拭えません。

 早速取り付けてみるわけですが,最初に悩むのは2mmにするか3mmにするか,です。キートップを外し,まずは2mmから試しますが,あれ?こんなもん?と思うような,差の少なさに拍子抜けしました。

 底打ち感はあまり変わらず,音も以前とそんなに変わりません。これだったら効果のわかりやすさで3mmだなと,3mmに交換してキートップを取り付けます。専用のソフトでスペーサを設定して,準備OK。

 早速試し打ちですが,ミスタイプを連発。それもそのはず,APCの設定が2.2mmのままでした。

 3mmのスペーサをを取り付けると,ストロークは2mmになるそうです。押したと判定されるストロークであるAPCの設定がが2.2mmなら,そりゃミスタイプが連発するのも当然です。

 あわてて1.5mmに再設定して試すのですが,思ったように浅いストロークは高速タイピングに向いています。音も静かになりましたし,RETURNキーやSHIFT,CTRLキーの安定感も良くなっています。特にスペースキーは良くなっていて,グラグラすることも変な音がすることもなくなりました。

 しかし,使い始めると欠点が浮かび上がってきます。ストロークが浅いのは結構ですが,底打ちの時にふにゃっとしたキレの悪さがあります。また,APCが1.5mmであることも影響しているみたいで,私のようなしっかりタイピングする人にはどうにも違和感が残ってしまいます。

 ふにゃっとした感じがどうにも許せなくなってしまい,もう一度キートップを外して2mmのスペーサーに交換してみました。APCは2.2mmに戻します。

 確かにストロークは深くなり,スコスコとしたREALFORCEの感触が戻ってきました。底打ちの時のふにゃっとした感じはかなり改善されていますが僅かに残っていて,これはスペーサーを使う限りはやむを得ないと諦めることにしました。

 ただ,スペースキーやRETURNキーの安定感は2mmでも大幅に改善されています。このレベルなら不満はありません。スペースキーは本当に良くなったと思います。

 ここでAPCを1.5mmにしてみました。もともと,小指でRETURNキーを押した時にうっかり他にキーに触れてしまうことがあったため,そのキーが入力されてしまわないようにAPCを2.2mmにしていたのですが,ストロークが浅くなったのだからこれも1,5mmにしてみようと思ったわけです。

 結果ですが,これでさらに快適になりました。理屈で言えば,スペーサーによってストロークが4mmから3mmに変わっても,APCが1.5mmでミスタイプがあった状況が変わるはずがないのですが,これは私自身がREALFORCE RC1に慣れたという事かも知れません。

 ということで,REALFORCE RC1の我慢の1つであったストロークについては,1mm減らして3mmにすることで解決しました。特にスペースキーやRETURN,BSキーの安定感も向上しているので,ますますタイピングそのものに意識を持って行かれなくなりました。

 難点を言えば,ファンクションキーやDELETEキーなどの最上段にはスペーサーが入らないことでしょう。あまり使わないキーとは言え,2000円もしてすべてのキーをカバーしないスペーサーというのもどうか思います。

 1キーのシートを2つ,4キーのシートを3つ入れてくれれば済む話で,しかもこれは日本語版も英語版も共通ですから,そんなにお金はかからないはずです。

 最近,REALFORCE RC1用の白いキートップが新たに販売されるようになりましたが,これも結構高価ですし,装飾キーは別売りになっているなど,どうもREALFORCEはあれこれを買わせたいみたいな感じがします。同じ高級キーボードの部類に入るHHKBでは交換用のキートップはそんなに高価ではありませんでしたし,装飾キーを含めたすべてのキートップが入っていました。

 考え方も違いますのでHHKBと比較するのはナンセンスですし,そもそも高級なキーボードを使うのにせこい話も無粋だとは思いますが,お金の問題と言うよりもあれこれ試して使わなくなった物が手元に残るのに抵抗があります。

 キーボードのように,100人いたら100人とも違う物を好む製品で,最初から完璧な物を期待するのは無理だとわかっています。むしろカスタマイズ用のニッチな商品を用意してくれることがユーザーに手厚いといえるわけで,その点では東プレは立派だと思います。しかし,もうちょっと手軽に試せたらなあと思いました。

2024年の散財を振り返る

  • 2025/01/15 14:36
  • カテゴリー:散財

 2024年は,娘の受験&進学や手術&長期入院があったりして,大変な年だったと思いますが,それでも自分の事を多少なりとも楽しむチャンスを家族が許してくれたので,ゆとりのない中でも面白い時間を過ごさせてもらうことが出来ました。

 散財については,欲しいものが見つかった時点で買うと言うよりも,amazonのセールに合わせて欲しいものをリストアップしておき一気に買う,そうでなければ発売日に手に入るように予約して買うという買い方が普通になったこともあって,衝動的な無駄遣いはあまりしなかったように思います。

 とはいえ,欲しいものを我慢したという記憶はあまりないので,欲しいものが少なくなったということがあるんじゃないかと思います。2024年は様々な物が値上がりしましたし,円安が強烈に進んだこともあって,単価も上がったと思いますが,例えばパソコンなどは40万円や50万円が普通だったバブルの頃に比べても,今はまだまだずっと安いので,物によりけりかと思ったりもします。

 ということで,毎年この時期にやっている「この1年の散財」,いってみましょう。

・楽器

 無駄遣いはしなかったと言いましたが,この段階でウソだったと白状します。ごめんなさい。楽器はいろいろ勝って楽しみました。

 まずSEQTRAK。少し前まで入手が絶望的と言われたヤマハの音楽制作ツールです。フレキシビリティに富み,音も良く,小さく持ち運びが可能で,その割には安いと言うこともあって大ヒットモデルとなったわけですが,私はピピッときて予約して買いました。

 しかし,結論をさっさと書くと,どうも肌に合わず,売却しました。この手の楽器としてはそれなりの値段で買い取ってもらえた(フジヤカメラにお願いしました)のは,新品同様だったことと品薄だったことがあると思います。

 あれこれかけるほど使っていないのですが,自分の思うように演奏することが楽器演奏の楽しみなのに,あれこれと制限がついてしまうのは,フラストレーションがたまる一方で私には苦痛でした。

 この手の楽器は,自由度と引き換えに制作の簡便さや楽曲の完成度の高さを目指したものでしょう。自分の頭の中で鳴っている音楽を再現したいと思っている人にとっては,あらかじめ用意されたパターンや音色から選んで配置しループさせるというものは,自分のやりたいこととの間のギャップを埋めるために大変な苦労をするものです。

 SEQTRAKは良く出来ているので,使えるパターンも音色も大量に用意されていますし,マニュアル操作で細かい演奏や編集が出来るようになっているあたり,さすがヤマハだなと思わせるものがありましたが,それくらいならリアルタイムでシーケンサーに打ち込めば早いわけで,結局私にはそれが一番楽しいのだと思い知りました。

 SEQTRAKをMIDI音源モジュールとして機能させる前提で,USB-MIDIのホストを持っていたなら手放さなかったと思うのですが,USBのデバイスしか持たないなら,必ずホストとなるPCが必要になってしまうわけで,それならもういいよ,となります。

 ミニ鍵盤の小さいMIDIキーボードと直結出来ると,音の良さだけで価値があると思うんですけどね。残念だったと思います。

 さてさて,次に買ったのはハモンドのM-soloです。バーガンディーが復活という情報を耳にし,初回に躊躇し買わなかったことを後悔した経緯から,今回は速攻で予約したのですが,久々に嫁さんの厳しい視線を浴びてしまいました。

 ただし,近年買った楽器で最も素晴らしい楽器だったと思いますし,安いとはいえ本物のハモンドオルガンを手に入れた喜びと,弾きこなすための学びには非常に新鮮な感激がありました。

 ハモンドオルガンって私が生まれるずっとずっと前からあるわけですよ。そしてシンセサイザやデジタルピアノのプリセットには必ず入っている音で,私もそれなり演奏して楽しいなと思う事も多かったのです。

 しかし,本物を演奏した経験は数えるほどしかありません。白と黒のキーを押せば音が出るという鍵盤楽器でありながら,実はハモンドオルガン特有の演奏方法やお作法は,やはり本物でしか知り得ないものです。

 上手いか下手かはちょっと置いておいて,これで私もハモンドオルガンを演奏していますと目をそらさずに言えるようになりました。本当に楽しい楽器です。

 それから,このM-soloを買った時のポイントを使うのに好都合だったのが,ヤマハのフィンガードラム,FDGP-30でした。

 とにかくヤマハとコルグとの相性が悪い私は,これらのメーカーの楽器に大きなお金を出すのが怖くて,フィンガードラム専用機というコンセプトにしびれても,上位機種を買うことは出来ませんでした。

 今にして思えば上位機種のFGDP-50を買えばもっと面白い事ができたのにと後悔している面もあるのですが,いやいやFGDP-30でも十分楽しいです。

 まず,音がいい。自分の指先からこれほどのドラムの音が出てくるとは夢のようです。それから,ちょっとしたニュアンスを指先で表現出来るのも素晴らしいです。もちろん,ドラムセットは全身で演奏する楽器ですので,指先だけで様々なニュアンスを表現するなど出来るはずもないのですが,これが電子楽器であるという前提でみれば,かなりの表現力を持っていると思います。

 惜しいのは,パッドの配置が練られすぎていて,私のように標準の配列では楽しく演奏出来ない困った人には,カスタマイズをしないと楽しくないということでしょうか。

 こういうのは新しい楽器として練習を重ねて弾きこなすのが正しいと百も承知ですが,それでも,右手でハイハット,左手でバスとスネアというキーボードドラムの人ってそれなりの人口がいると思うのです。私としては,ヤマハのFGDPという全く新しい楽器としての提案を受け入れると共に,一方ですでに他のレイアウトでフィンガードラムを楽しんでいる人を救う配慮があってもよかったかなと思います。

 少なくとも,レイアウトの編集結果が他のドラムキットにも反映されるような仕組みは欲しいです。今のように,ドラムキットごとにレイアウトを編集しないといけないというのは苦行です。

 ついでに書いておくと,RD-2000をRD-2000EXにアップグレードしました。円安が進んだ今となっては,やっておいて良かったと思いますが,そもそもRD-2000EXにしたところで希望アップしたところがほとんどありませんので,しなくても良かったかなと思います。

 もし,RD-2000EXとしてのアップデートが行われていれば,アップグレードはやっておいて良かったと思ったでしょうが,現時点でRD-2000EXのアップデートは一度も行われていませんからね。


・カメラ関係

 カメラ関連の値段もべらぼうに上がりました。日本の製品なんだから円相場なんか無関係だと思っていたらそんなことなくて,ドルベースで価格が決まり,それをその時々のレートで日本円にして国内価格を決めるんだそうで,もはやニコンもキヤノンもフジも日本のメーカーだと思わない方が幸せです。

 内外価格差を小さくするためだと分かっているし,海外で転売されることを防ぎたい気持ちもわからないではありませんが,もっと円安だった1970年代や1980年代中頃まで
がこんな状態だったという記憶はありませんから,当時のように国内モデルと海外モデルを分けるなどの手を講じて欲しいです。

 そんな愚痴はさておき,今年はZマウントのレンズをZf用に2本買いました。Z24-120mmf/4Sと,Z50mmf/1.8Sです。どちらも大満足で,買って良かったレンズです。

 Z24-120mmは24-120mmというズーム域のレンズへの悪いイメージを間然に払拭した,私にとっての記念碑的レンズです。Zマウントのポテンシャルのたまものだろうと思いますが,ともかくもこれが1本あれば全く妥協することなく,一般的な撮影で不安もを感じることがない,安心の高画質がとにかく素晴らしいレンズです。

 一方のZ50mmf/1.8Sですが,これはこれで欠点のない完璧なレンズの1つだと言えるんではないでしょうか。切れ味は素晴らしく,画面の五個を見ても破綻はありません。ボケも自然でうるさくなく,背景処理もそつなくこなします。

 そんな完璧なレンズも,価格を思い出せば「そりゃそうか」と思ったりします。かつての50mmレンズと比べるのが間違いで,私は中途半端な性能の50mmを安くばらまかれるより,ちゃんとした50mmを必要な人に向けてきちんと売って欲しいと思っていた人なので,単純な値上げや高級路線とは違う意味を感じて納得していますが,当然これには反論もあり,それらの声に応えるものが,同じ50mmでもf/1.4のシリーズなのだと思います。

 それはそれとして,このZ50mmf/1.8Sは本当にいいレンズです。F1.8という控えめなところが少々残念ですが,開放から切れ味抜群,周辺の画質低下もなく,色もしっかり乗ってきます。絞ればここからさらに画質が上がり,もう惚れ惚れするくらいで,このレンズは,むしろ絞って使うのが正解なんじゃないかと思うほどの静謐さです。

 被写体ブレを防ぐためにも明るさは正義。感度だってISO200やISO400の画像の軽やかさ,ISO3200やISO6400の湿った画像とは比較になりません。やはり明るさは正義なのです。

 さてこのZ50mmf/1.8Sですが,ほぼ衝動買いです。きっかけはZ35mmf/1.4の登場です。シグマの35mmF1.4Artと同じようなレンズがZマウントでも欲しかった私は,Z35mmf/1.4に期待をしたのですが,試写してみたところ傾向が全然違うことがわかりました。

 もともと狙いが異なるレンズなので当然ですが,こうなってくるとZ35mmf/1.8Sが気になりだします。しかしここで私は35mmを捨て,50mmを選ぶ事になったのです。価格も要因の一つですが,同じf/1.8でも,50mmの方がよりボケるということが決め手でした。

 開放から絞るにしたがって,なだらかにボケが締まっていきます。もはやシグマの35mmとは関係ないところまで来ましたが,私はシグマの35mmが気に入った理由が,解放から普通に使えるレンズあったことに気が付いて,その延長で50mmを選んでみたくなったのです。

 ZマウントでしかもSラインですから画質にハズレなし。逆光にも強く,その時ニコンが考える理想がそこに詰め込まれています。その点での心配はありませんでした。

 Zマウントの登場時にラインナップされたレンズだけに設計がやや古くい上に,デザインも旧世代のものです。光学設計の古さは性能の問題と言うよりも,流行遅れの画質である事が問題となる昨今ですが,マウントによる強い設計制約から解き放たれた工学設計者の,ゆとりを謳歌するのびのびとした設計が感じられ,その画質は私にとって結果は大正解でした。

 このレンズは,1本目に選ぶZ24-120mmの次に2本目のレンズとして買うと,もう他にレンズを揃える必要がなくなると思います。その意味で,Zマウントはかえってお金がかからないマウントだと言えるかも知れません。


・キーボード

 キーボードと行っても楽器ではなく,PCの入力装置の方です。

 いや,昨今キーボードブーム(あろうことか自作までブームになっている)ので,それに流されたんだなと思うなかれ,私は昔から手に馴染む理想のキーボードを求めて彷徨っておりました。

 しかし,私がキーボードを探しているときには激しいコストダウンの並が押し寄せ,高級なキーボードが理解されなかった時代です。PC-9801RやDシリーズのキーボードなどは実に素晴らしいキーボードだと思うのですが,当時はそんなものも「昔は無駄に高かったよねえ」と嘲笑の対象だったのです。

 ただ,キーボードブームはキーボードにお金をかけることの正しさが浸透したことと,意外にニーズがあることがわかったため,各社が高級なキーボードやキースイッチを展開するようになったため,私のような人間にもおこぼれがくるようになりました。

 CherryMXの特許が切れて,互換品が安価に出回るようになったことも大きいです。

 また,テンキー付きのフルキーボードは大きすぎ,私が求めていた小型のキーボードの選択肢が増えたこともありがたい話でした。

 昨年はREALFORCE RC1を買って満足しています。20年前からずっと使っているREALFORCEを,もう一度買うことになったわけですし,また買って満足したということも20年前と同じですが,やっぱり使っていていい気分になるキーボードに出会えたというのは幸せな事だと思います。

 私のRC1は30gの軽い物で,US配列です。シンプルな刻印,スペースキーが長い,Returnキーが横長というのが私の好みの配列ですが,最近はこういうUS配列のキーボードも普通に買えるようになり,選択肢が増えたように思います。

 RC1の最大の欠点は,Bluetoothの再接続に時間がかかることです。中国メーカーのワイアレスキーボードは即座に再接続するので省電力のための切断が全く気にならなかったのですが,RC1では再接続に時間がかかる上,再接続のトリガになった入力が無効になるので,省電力のための切断が煩わしい物になっています。

 しかし,長時間の放置で電力を消費するというのももったいないことですし,内蔵の充電池だけに切れた電池を交換して作業を即座に続行できるわけでもないので,上手く使いこなさないといけないところでもあります。

 RC1についてはこれが最大の欠点で,あとは刻印が見にくいとか,CTRLキーのキートップ位は付属しておいて欲しいとか,そのくらいが気になるところです。

 現在,私はRC1にHHKBのキートップを一部転用しています。ESC,Tab,Ctrl,Return ,Fn,Alt,Spaceは,HHKBの白いキーに置き換わっています。統一性やデザイン性を考慮するならSpaceキーなどは標準のままであるべきなのでしょうが,汚れやテカリが出てくるのも嫌なので,余っているキーに交換した次第です。


・kobo Libra COLOUR

 とうとうE-INKもカラーの時代に,ということで,kobo Libra COLOURを買いました。もっとも,以前からカラーのE-INKは売られていましたが,現実的な価格ではなかったので自分に無関係と決め込んでいたのですが,kobo Libra COLOURは現実的な価格だったので買いました。

 さて,kobo Libra COLOURを日常的に使っていますが,結論を言うとカラーであることはあまり関係ありませんでした。私がカラーのコンテンツを読む機会がないという話ではありますが,表紙がカラーで出てきても読書体験としては大きな違いはありません。

 なので結局,モノクロのE-INK端末としてもっぱら使うことになっています。

 表示の品質はKindle oasisが最高で,kobo Libra COLOURは表示が奥まったところにあり,表面からの視差が気になる事(紙の上にガラス板がある感覚といえばわかって頂けるでしょう),加えてフロントライトがギラギラしていて見にくいこと(Kindle oasisは暗所での補助光と言うより,紙の反射率に近づけるためにフロントライトを使っているので見やすいのです)が問題で,読書体験としては1ランク落ちます。

 しかし,PDFを直接読み込めること,PDFでも高い表示品質を持ち,かつ動作速度が落ちないこと,表示範囲を調整して余白をkobo Libra COLOURでカット出来ることは,非常に良く出来ていると思います。

 kobo Libraでは,内蔵のフラッシュを交換する技があったらしいのですが,kobo Libra COLOURではそうはいかず,フラッシュはオンボードで交換不能です。確かに容量を増やせたら面白いなとは思いますが,居間の運用で大容量のストレージは必要ないですし,私はこのままで全く問題ありません。

 本命たるKindleのカラー版が海外では入手出来るそうです。日本でのアナウンスはまだありませんが,この円安ですから,かなり高価なものになると思います。確かにコミックはカラーだとうれしい場合もあるのでKindleがカラーになるのは歓迎ですが,5万円もするようなら私は見送ることになると思います。

 

・テレビ

 偶然ですがオリンピックの前に,OLEDのテレビに買い換えました。レグザの55X8900Lですが,その鮮やかさにすっかり目が慣れてしまいました。それでもテレビを見ることが楽しくなりましたので,生活を少しばかり変える力が合ったのだと思います。

 55インチのテレビは今どき大画面でもなく,いわゆる売れ筋です。ですが,黒の締まり具合,緑や赤の発色の素晴らしさ,そして実はとても薄いことがOLEDのメリットで,これらは買ってからでないとなかなかわからないものだと思います。

 その55X8900Lですが,購入後3ヶ月ほどして,画面の右下に小さい傷があることに気が付きました。小さいとはいえ深く,尖った物をぶつけたかんじで,表面が盛り上がっています。

 1mほど離れればわからなくなりますが,50cmも近づくと目に入ってきます。色が白いので目立つのです。パネルの表面はハードコードされているので擦り傷などは着きにくいと思うのですが,何かが刺さったようなキズには当然無力で,我が家は新品のテレビを僅か3ヶ月で非可逆的なキズを付けてしまうのかと,心からがっかりしました。


・自転車

 自転車といっても新しい物を買ったわけではなく,古い自転車を改造したり復活させたりしたという話です。

 とはいえ,この部品代でちゃんとした自転車が買えたかもなと思うので,成功だったかどうかは怪しいところです。

 自転車のメンテというのは,特殊な工具やノウハウが必要な世界で,ちょっと工作に自信があるとか,自動車いじりを昔やってた,と言う程度ではなかなか前に進みません。

 特に工具は,自転車専用で,しかもある作業を1つ進めるためだけに存在していたりしているので,一々揃えないといけないですし,とても効率が悪いです。

 その上技術的にも日進月歩で,古い規格の物はどんどん選択肢が少なくなってきています。そういう状況でも古い自転車をメンテし続ける事が得なのかどうかは,なかなか難しいところだと思います。

 その自転車ですが,作業が落ち着いた秋頃までは乗っていたのですが,寒くなってからは外に出ることすらなくなりました。一応タイヤの空気は補充していますが,次に乗るのは春になってからでしょう。


・家電,設備

 この家も10年が経過しました。家にいる時間が長いのでどうしても痛みが出ますが,電気関係の設備の劣化も進んでいます。

 昨年は食洗機を夏頃に交換しました。クリナップのZWPP45R21ADK-Eという商品をamazonで調達,自分で交換したのですが,このモデルはリンナイのRKW-405A-Bの同等品で,我が家に備え付けの食洗機の後継機にあたります。

 円安も進み,今後高くなることはあっても安くなる事はないだろうと,セールの時に買いました。

 交換手順は難しくありませんし,別に資格も必要ありません。最大の問題は大きくて重いことです。もちろん,重いといっても一人で持てないほどではありませんが,大きいので抱えるのに不自然な姿勢をしなくてはならず,腰を痛めることが心配でした。

 商品は早めに届いていたので,ある夏の夜に突如思い立って交換作業を結構しました。作業そのものはとても簡単で,本当に交換という感じに過ぎなかったのですが,やはり重量物を不自然な姿勢で取り回すことはなかなか大変でした。

 幸いにして腰を痛めたり怪我をしたことはなかったのですが,それだけのリスクをおかして食洗機を交換しても,メリットはありませんでした。

 もちろん,新しい物にすることで安心して使えることは事実ですが,洗浄力がアップしたわけでもなく,食器がたくさん入るとか,入れやすくなったとか,そういう改善はまったくありません。

 それどころか,時間が倍ほどかかるようになったり,操作スイッチが上部に来たため開かないと操作できないとか,短時間で洗浄するモードが削除されていたりと,従来の使い方をそのまま継承できないような改悪がいくつもあり,辟易しました。

 本当にこれでいいと思っているんでしょうかね,作っている人たちは・・・

 もう1つ,インターフォンも交換しました。VL-SWZ200KLと言う安価なものですが,親機がない部屋でも応対が出来るようにと,ワイヤレスの親機が使いたくて交換しました。

 交換してみて,画面が小さくなったこと,カメラが広角レンズでなくなったことで,確実に使い勝手は悪化しています。安い物に交換したので当然の結果だとは思いますが,もう少し考えて購入すれば良かったかなと思います。

 そしてワイヤレスの親機ですが,これもまだ本格的に活躍してはいません。冬と言うこともあり,他の部屋で長時間過ごすことがなくなっていることも原因ですが,近日中に活躍することがあると思います。慌てず応対が出来るように,慣れることも期待しましょう。

 掃除機も買い換えました。満身創痍なダイソンV7からV10 Fluffyへの買い換えです。

 ただ,これもなかなか微妙で,手放しに買い換えを喜べるようなものではありません。掃除中の取り回しの悪さは,慣れたとは言えやはり不自由しますし,ゴミを捨てるのに下からではなく前からになったことは想像以上に面倒になりました。

 一番面倒になったのはFluffyヘッドです。これ,なにかとすぐに巻き込むのでなんでかなあと思って調べてみると,先端のカバーが大きく開いていて,これまでの感覚でゴンゴンぶつけて障害物をヘッドでどけていると,簡単に巻き込んでしまうのです。

 おかげで掃除がしょっちゅう中断しますし,少し飛び出たもの,たとえば冷蔵庫のハイスを受けるトレイの出っ張りとか,少したるんだカーペットとか,そういうものさえも巻き込んでしまうのです。

 これ,改悪だと思います。以前のヘッドの方が掃除しやすかったですからね。ダイソンで新しい物に買い換えて良くなかったのって,今回が初めてでした。

 さてさて,届いたのが2025年1月なので厳密には昨年の買い物ではないのですが,手続きは昨年だったので書いておきますと,トースターをリプレースしました。

 アラジンのトースターで,今回もヨドバシの夢のお年玉で購入しました。前回は2022年1月でしたから,3年ほど使って買い換えたことになります。

 まだまだ十分使えますし,不満もないので同じ機種ならそのまま使うつもりでいたのですが,届いたものはグリル機能付きの上位機種でした。

 正直グリルはどうでもいいのですが,庫内が広いのが素晴らしく,食パンが4枚同時に焼ける,イングリッシュマフィンが3人分入る,チルドのピザがそのまま入る,というメリットは従来機種の唯一の不満点が解決するので,即交換となりました。

 今回のモデルは,網の位置を上げ下げできるようになっていて,焼き加減を選ぶ事ができます。1cmほどかさ上げできるので,上側はカリカリ,下側はしっとりという焼き方が出来るのですが,個人的には従来と同じように,上下が同じ程度に焼ける方が美味しいと思いました。

 設置面積は従来と同じで,ほぼ倍の処理能力ですから,これは画期的でしょう。これだけ広いと,もうオーブン機能付きの電子レンジを選ぶ必要はないかも知れません。


・オーディオ関連

 そんなに新しい事はやっていませんが,T50RPmk4はいいヘッドフォンだと思います。T50RPシリーズはもともと安価なモニターヘッドフォンで,初代に比べると随分値上がりしたように感じても,相場を考えるとこの音でこの価格というのはバーゲンセールかも知れません。

 さて,実はバカにして相手にしてこなかった,左右別体のイヤホンに手を出していました。完全ワイヤレスというのは利便性はこの上ない,人類の長年の夢だったわけですが,所詮はBluetoothですし音質的に期待出来ないわけで,少々の不便で音質への妥協を許せるほど私は寛容ではなかったのです。それに,高エネルギー源である電池を耳の知覚にはめ込むなんて,なんと恐ろしいことかとビビっていたにも事実です。

 ところがタブレットで動画を見るようになると,やはりTWSのイヤホンが欲しくなります。試しに使ってみたところ,これがなにより便利。これは使い方次第ではいいんじゃないかと気合いを入れて上位機種を買ってみました。

 ソニーのWF-1000XM5です。3万円以上の商品ですから,なかなか思い切った買い物になりましたが,これは便利なこと以上に,音質の良さに驚きました。コーデックがAACならそれほど問題にはならないだろうし,杯ビットレートのLDACが使えるなら音質への心配もほとんどなくなります。

 R3proはLDACに対応しているので,これとの組み合わせなら文句なし。MacやiPadとの組み合わせでも音質に不満はありません。こういうイヤホンって高音が伸びなくてかまぼこ型になっていたり,音質の悪さをごまかすためにドンシャリになっていたりとろくな物もないと思っていた訳ですが,WF-1000XM5はバランスも良く,自然な音でとてもよいと思います。モニター的と言ったら違うかも知れませんが,MDR-M1STに慣れた状態でも違和感なく使えています。

 電池の関係でずっと使える物でもなく,3万円が数年で溶けてなくなるというのはなんだか悔しいのですが,便利さと音質を両立したこの機種なら,多くの人に「使ってみたら」といえると思います。

 昨今,この手の商品も1000円前後から10万円近い物までまさに玉石混淆です。音質や安全性,接続性を検討するにはある程度のコストもかかりますから数千円は論外としても,2万円を越えると一般には十分な性能と音質であり,そこから先は価格の割に違いが小さくなると思います。

 TWSは着け心地も重要で,これは個人差があるので一概には言えませんが,WF-1000XM5は小さく角がないよい形状なので,おそらく多くの人の耳に違和感なく装着出来るのではないかと思います。

 ノイズキャンセル性能も非常に高いので,電子耳栓としても私は便利に使っています。前述のとおり,いずれ電池がダメになるわけで,そのあとこの便利さとこの音質を両立出来る商品があるのか,心配になっています。


 そんなわけで,2024年の散財を書いてみました。これ以外にも腕時計の修理とか,娘の入学&入院などでいろいろ支出はあったのですが,そういうのは散財とちょっと違います。

 これまでの調子で際在するわけにはいかないでしょうから,来年は果たしてどうなることやら・・・

 

ワンダースワン復活の道~その4・完結編

 ワンダースワンカラーのLCD,ようやく決着しました。手間もお金もかかってしまって,結局何をやってるんだろうと思うこともありましたが,LCDの綺麗さを見ると,やってよかったかもなあと思ったりします。

 さて,前回壊してしまったLCDだけを買い直すことは失敗に終わり,もう一度コントローラ基板ごとフルセットで買い直すことにしました。円安が進行してしまったため前回よりも価格が上がっていましたが,それは仕方がありません。

 今回は配送のトラブルもなく(とはいえエスポ便はまたも深夜に配達してくれたわけですが),無事に予定日よりも前に到着。動作テストも良好で,今回は前回の反省から,とにかく余計な事をしないと誓って作業開始です。

 風防は前回取り付けてありますので,今回はホコリをよく取った上で,LCDをケースに貼り付ける作業からです。一番問題となるホコリ,そしてうっかり触って表面を汚してしまうということがないように,慎重に,でも手早く作業を進めます。

 上手くいったので,LCDとコントローラ基板と繋ぎ,メイン基板を重ねます。付属の両面テープは,もともと基板についていたスポンジよりも少しだけ薄いので,コントローラ基板の厚みを上手く相殺してくれるだろうと,スポンジを剥がして両面テープに交換します。

 上手く基板を固定できたら,今度はコントローラ基板に電源を供給する配線を行います。メイン基板にあるDC-DCコンバータモジュールから2本,細い線で引き出してコントローラ基板に取り付けます。この辺は商品ページにあるとおりです。

 前回は配線の取り回しが悪かった(最短で配線したら基板とケースのリブに挟まってしまった)ので,よく考えて配線を回します。

 これもうまくいきました。あとはフレキの途中にあるタッチパッドをテープでケースの裏側に固定します。このタッチパッド,短押しで画面の明るさを段階的に変更,長押しで画面モードを変える機能があります。

 画面モードは,カラー,カラーで縦のスキャンラインあり,カラーで横のスキャンラインあり,モノクロ,を繰り返して変更出来ます。

 このLCDは3インチという小さいサイズのくせに480*320ピクセルの解像度があるんです。ワンダースワンの解像度は224*144ピクセルですから,縦横をそれぞれ2倍して448*288ピクセルとし,長辺に余った32*288ピクセルのエリアに,ワンダースワンに特徴的なアイコンの固定パターンをドットマトリクスで表示する仕組みです。良く出来ています。

 スキャンラインは1本間引いて黒を表示すれば,解像度を落とすことなくオリジナルのLCDに近い表示が出来る事になります。これもなかなか憎い工夫です。

 とはいえこのスキャンライン,画面の輝度が半分に落ちてしまいます。それだけ画面が暗くなりますし,明るくするにはバックライトの輝度を上げねばならず,結局電池寿命に影響します。

 もともとLCDですので,そんなにスキャンラインが目立つわけではありませんので,私はスキャンラインはなしで使うことにしました。せっかく改造するんですから,IPSという高画質LCDで,その上倍の解像度で表示するという高画質を堪能しましょう。

 さて,今回はスムーズに改造が出来ました。GUNPEY EXをテストプレイしますが,これがもう素晴らしい画質で,感動的です。登場から経過していますが,あの見にくいSTNカラー液晶が,筐体のサイズを変えることなくIPSにバックライトのカラー液晶になるんですから,技術的な進歩はすごいなと思います。

 そして,その進歩が主に中国企業の努力によってなし得ているというのも興味深いです。もともとSTNのカラー液晶だって,当時は最先端のLCD技術だったはずです。

 それが,画質,電力,価格的にも追いつかれて追い越されてしまい,セット全体の価値が大きく向上するという結果に繋がっています。もう,中国の技術力なしに世界は動かないのかも知れません。少なくとも,世界の技術の中心に日本はいません。

 消費電力は増えてしまうので,駆動時間が短くなると言う話は聞いています。しかし,フル充電したNi-MHで3時間ほど遊べるようですし,ワンダースワンを長時間遊ぶこともしませんので,これで十分だと思います。シミュレーションゲームやRPGで遊び始めたら,なにか対策が必要かも知れません。

 ということで,ビネガーシンドロームの同時発生で右往左往したワンダースワンの復活祭りは,これでひとまず終了。

 モノクロの初代ワンダースワンは,緑/青で復活。ワンダースワンカラーはIPS化,スワンクリスタルはオリジナルと同じ状態に復活。部品取りに使ったスワンクリスタルは,電池の液漏れで死んだメイン基板と,ほぼ無傷のLCDが手元に残りました。

 費用はそれなりにかかってしまいましたが,今出来ることはとりあえず全部こなしたと思います。

 さてさて,実は怖くて様子を見ていないLCDがあるのです。PC-386BookLです。夏頃だったか,ちらっと見た時,LCDに斜めの線が入っていたことに気が付きました。

 これってもしや・・・しかし,見たくない現実から目を背けて,私はその場を立ち去ったのですが,今回のワンダースワンが落ち着いたことで,勇気を持ってPC-386BookLを見ました。

 結果は・・・恐ろしいことになっていました・・・続く。

NASの10TBのHDDとamazon

 今回はワンダースワンの話から少し離れて,うちのNAS(QNAPのTS-231P)についてです。

 ちょうど今年のamazonのブラックフライデーが終わろうとしているとき,突如NASから警告メールが飛んできました。なになに,ドライブ2でリードエラーだと!

 うちはいっちょ前にRAID1で運用していますので,エラーが出ても深刻なことにはなりませんが,この手のエラーというのは放置するとボロボロと壊れていくものです。ですが,これには思い当たる節もありました。

 実は,この8TBのHDDは,WD BLUEなんです。そう,2台とも,です。

 もともと,TS-231Pを導入したときには見栄を張ってWD REDの4TBを導入したのです。振動が異常なほど大きかった1台は初期不良という事で交換になりましたが,運用に入ってからはとても堅牢で信頼性も抜群,まだまだ使えそうな状況なのに,容量不足で6TBに交換することになりました。

 この6TBもWD REDだったのですが,RAID1の最大の問題は,容量不足という「運用上の寿命」を迎えた場合には,一気に2台のHDDがゴミになることだなあと思いました。

 しかし,この6TBも簡単に一杯になり,2023年の頭には残り容量が5%を切るようになってしまいました。次のamazonのセールで8TBに交換しようと思って迎えた4月,WD REDの8TBが思った以上に高額であることに私は迷いました。

 これがWD BLUEなら1台14000円ほどです。安い。しかもCMRです。

 せっかく倍のコストをかけてRAIDを組んで冗長性を確保しているのだから,安いHDDをどんどん交換して回して行くというのもありだよな,とWD BLUE導入に傾く私は,もともとWDのHDDが信頼性も高いし,もし3年も使えたら大もうけだぜウシシ,というスケベな気持ちも忘れてはおりません。

 届いた2台のWD BLUEの8TBのうち,1台はまたも初期不良Niあたり交換しました。届いたものもかなり大きな振動があって,これはハズレだったなと思ったのですが,仕方がありません。

 そしてその数日後,私は知らなかった事実を突きつけられます。WD BLUEはある機能の設定のために,NASで使うと壊れやすいという話です。

 それは,IntelliParkという機能です。ある時間の間アクセスがないとヘッドを自動的に待避する機能だそうで,回転数も落とすので消費電力も下がるという事で,WDのHDDに特徴的な機能です。

 問題はそのアクセスがなかったときの時間です。聞いた話だとREDが300秒なのに対し,BLUEはなんと8秒。8秒アクセスがなかったらヘッドを待避してしまうのです。

 かなり極端だと思いますが,ホームユースならむしろ良いかもしれません。連続したアクセスがないなら,きっとその先のアクセスもないでしょう。それに24時間運転なんかやりませんし。

 しかし,これをNASに使うとどうなるか。NASはアクセスが頻繁でしかも24時間運転です。8秒という時間は実に絶妙で,待避したと思ったらすぐにまたアクセスされるということが繰り返されるわけです。

 こうなると心配なのは,ヘッドロードの寿命です。ヘッドのロードは機械物ですので当然寿命があり,30万回くらいと言われています。天文学的な数字と思いきや,実はそうでもなく,WD BLUEをNASに使って,160日程度で20万回に達するという話も耳にしました。

 工業製品ですから30万回きっちりで壊れるものでもなく,100万回持つ物もあれば,10万回で壊れるものもあると思いますが,一応設計保証値は30万回でしょうから,IntelliParkはその30万回の寿命を削って消費電力の削減に割り当てたと考えてもいいでしょう。

 回数はSMARTのロードサイクルカウントを見ればわかりますが,実は私のWD BLUEもそろそろカウントが0になりそうな感じだったのです。稼働時間は20.5ヶ月なので620日ほど。ということは15000時間ほどです。

 さすがに8TBだと容量的にもまだなんとかゆとりもあり,せめて2年は使いたいなあと思っていたのですが,SMARTが信頼性を問題にして警告を出すのも間近というこの状況は,警告が出たらどんどん交換して行こうという作戦が,昨今の円安や値上がりも相まって決して成功とは言えなくなってしまいました。

 それにしても,こんなに簡単にロードサイクルカウントが消費されるというのはまずいですね。一時期この機能をOFFにすることが世界的に流行ったみたいですが,私はすでにNASに組み込んで運用を開始してしまったので,そのままで使っていたのです。

 もちろん,今回のリードエラーがIntelliParkと関係があるとは言えません。もともと24時間運転を想定していないHDDをNASで酷使したんですから文句は言えませんし,そもそもハズレだったのかも知れません。しかし,やっぱり2年持たなかったというのは残念です。

 悔しいですが,ブラックフライデーが後数時間で終わるというところで警告が出たのも何かの啓示。さっそく8TBのWD BLUEを買うことにしますが,想像以上の値上がりに加えて,在庫切れ&納期は1月半ば。これでは話になりません。他社の8TBを検討するも,2万円超えで手が出せず,状況は思っていた以上に厳しいものであることを思い知りました。

 この際10TBに増量するかと10TBのHDDを探してみると,これがまた高価。しかも2台ですので,とても手が出せません。

 なんとかならんかとトボトボとamazonを彷徨っていると,10TBなのに18500円という激安のHDDが目に入りました。Ultrastar WD10EZAZという,ちょっと見慣れないものです。再生品なので安いというのはわかりますが,それにしてもこのいかつい外観はなんだ?

 なになに,NASやデータセンターで使われていたヘビーデューティなHDDで,新品と同じ状態にした上で1年保証。

 さらに調べてみると,もともとHGSTのデータセンター用HDD,Ultrastar He10の系譜で,あのヘリウム充填のHDDだというではありませんか。DC HC510の回転数を7200rpmから5400rpmに落としたものらしく,キャッシュは256MBと変わらず,耐久性も抜群です。

 24時間運転を前提にしたプロ用HDDですので,堅牢で低消費電力,うちのNASにはもったいないくらいのお嬢様でした。

 これなら2台買っても37000円。10TBになって信頼性も向上するなら出せない金額ではありません。しかも在庫ありで納期も早い。マケプレですがamazonの発送で,保証もあり,レビューも悪くはありません。

 実質選択肢はこれしかないと,2台手配をしました。

 さて,届いて確認したところ,2台ともシリカゲルの入った帯電防止袋に,きちんと密封されて届き一安心。リファービッシュ品であることと,2023年2月という日付がありましたが,これが製造を意味するのか再生を意味するのかはわかりません。ただ,見た目は新品とかわらず,とても綺麗です。

 それから,HGSTのデータセンター用のHDDに有名な話で,電源ピンの一部の使用が変更されていて,リセット端子になっているそうです。サーバーの電源を落とさずにHDDをリセット出来るようにしたためということですが,この端子に3.3Vが繋がっている一般的な電源だとリセットが解除されず起動しないので,オープンになっているような電源ケーブルに変換して使う事が広く知られています。

 このHDDにも対策用のケーブルが付属しています。NASへの組み込みでは関係ないので使わないことになるでしょう。

 クッション材から出てしまっていたHDDを先に試すことにし,まずはNASを停止させます。そして問題となっていたドライブ2を抜取り,交換しNASの電源を再投入します。

 なにも問題なく起動し,RAIDの再構築が始まりました。15時間後に完了ということで,翌日に確認するとなにも問題なく動作しています。異音もなく静かですし,振動もほとんどありません。WD BLUEの8TBはとにかくブーンと振動がうるさかったので,やっぱりハズレだったんですね。

 簡単なテストを行ってNASをシャットダウン。いよいよドライブ1を交換して再起動しますが,様子がなにやらおかしいです。

 まずカリカリという異音がおさまりません。それもかなり大きな音が出続けています。振動も大きいようです。なにより,NASがいつまでたっても起動しません。

 仕方がないので強制的に電源をOFFし,問題のドライブを取り外して,別のケースを用意して単独で動かしてみます。

 やはり状況は悪く,ずっとカリカリいってますし,Macに繋いでも認識しません。すでに夜10時半ですが,不幸にもまたも不良にあたった私は,大慌てでamazonに連絡です。

 こういう場合は,電話で話が出来ると助かります。amazonは夜でも話が出来るのでとてもありがたいです。

 交換にはメーカーの証明が必要になる場合もあるのですが,今回は異音がすると言えばすぐに返品の話になりました。交換を希望しましたがマケプレの商品だということもあり,一度返品して買い直すことになりました。

 ブラックフライデーの時とは価格が違うんだけど,と話をすると,その場で差額をギフトカードで補填してくれた上に,返品の手続きもその場で済ませることができ,翌日に集荷してもらえることになりました。amazonすごいです。

 実は,ポイントアップキャンペーンも補填してもらえないかとダメモトでお願いしたのですが,これは却下されました・・・

 というわけで,こちらの不良という言葉を全く疑わずに信じてくれて,差額も補填した上で,返品の手続きまで済み,この間全く嫌な気持ちにならないという担当の方には,感謝しかありません。

 実のところ,amazonでこうしたサポートを受ける度に,期待以上の対応を頂くのですね。丁寧だけど杓子定規なものでもなく,こちらの要望に出来るだけ応えようと臨機応変に提案をくれます。それがかつてのamazonを含めた通販業者のイメージ,いうなれば「自分は悪くない,客の落ち度だ,でも対応してやってる」という店側の心理と,これに由来する電話してくる客は面倒な客,という観念がなく,電話してくる客は困ってる客という当たり前の話と向き合った上で,その問題を出来るだけよい形で解決しよう,という気持ちからブレないんですね。

 担当者によるのかなと思うとそうでもなく,これまで私が何度か相談した担当の方は皆,同様の気持ちの良い対応をして下さいました。はっきりいってこれ,日本一だと思います。

 先頃,公正取引委員会にamazonは怒られましたが,これまでに何度か注意されたことも含めて内容を見てみると,決して消費者の不利になるような話から来ているわけではないんですね。どっちかというと,消費者が有利になるように,出品者に圧力をかけたりしていたことが問題になっています。

 もちろん,不正は不正ですし,理不尽で不当な扱いに苦しむ出品者がいらっしゃったことも事実ですが,これまでの自らの利益のために不正を働いてきたことを咎められたケースとはちょっと違うなと,私はそんな印象を持っていました。

 まあ,幻想かも思い込みかも情報操作かも陰謀かも知れませんが,少なくとも私が困った時に,amazonはいつもちゃんと私を助けてくれました。そんなことまでしてたら赤字で潰れるよ,と思うようなことを,amazon側から先に提案してくれるので,交渉など全く必要がありません。ついでにいうと,amazonは必要以上の謝罪はしません。謝罪で解決しようとするのではなく,最低限の謝罪で済むように問題そのものの解決を優先するからだと思います。

 かくして,実に気持ちよく安心して問題の処理が終わりました。新たに購入したWD100EZAZは問題なく動作し,RAIDの再構築を済ませて現在何の問題もなく運用に入っています。

 不良のHDDも翌日(そう,返品処理が夜10時半なのにです)にヤマトのドライバーが自宅まで引き取りに来てくれました。そして2日後に無事に返金されています。すべてがスムーズで,すべてが完璧です。

 不良は仕方がありません。でもその後の処理は人がやるものだけに,お店で差が出ます。amazonは満点です。正直すごいと思います。

 そんなわけで,HDDの不良によくあたる私ですが,amazonで買ううちはなにも心配なく変えるでしょう。20年前,当時のツクモに9GBのHDDを交換してもらう時に,散々疑われて散々ごねられ,ようやく交換してもらえたことがウソのようです。

 海外からamazonが,日本の小売りの常識を変えています。日本のオモテナシとやらは,どこに行ってしまったんですかね?

 あ,そんなもの,もともとなかったですか?

ワンダースワン復活の道~番外編

 先日,aliexpressで購入したLCDが,配達完了になっているにもかかわらず届いていない,というお話を書きました。

 この件,エスポ便なる国内の配達業者の問題で私の手元に届いておらず,問題の解決をしようにもaliexpressは3秒で私からの申請を却下,エスポ便への連絡も電話が一切繋がらないという状況から,不本意ながら泣き寝入りすることになったわけです。

 ただ,LCDのフレキの形状が違っていて,仮に届いても使えないものであることがわかったことで,この件なんだか吹っ切れてしまったのでした。

 この面倒な話の傷が癒えた昨日,ポストを見ると黄色い封筒があることに気が付きました。もしかしてと見てみると,エスポ便。

 開封すると,あのLCDが入っていました。開封された痕もないですし,これだけ見ると配達が遅れたと言うだけの話に見えます。

 ただ,配達完了となってからの時間経過を見ると,やはりごはいだったのではないかと思います。誤配された方が新設にもエスポ便に電話をして下さって回収,その後再配達という流れで考えると,ちょうどこのくらいに届くことになるでしょう。

 とりあえず,aliexpressでの買い物の全勝記録を後進し,これまで無敗です。しかし,やはりなにか釈然としない物も気持ち悪さもありますし,今後もこの通り上手く届くとは限りません。といいますか,届くことは数々の幸運によるものであると,改めて認識させられました。

 一方で,届いた荷物については使えない事が分かっていながらも,よくも中国から長旅を経て,私の所にまで届いたものだとちょっと感動しました。まるで冒険物語です。

 LCDを確認すると,違うのはフレキだけではなくLCDそのものもちょっと違うみたいです。コネクタの形状やピン数は同じなので,壊れてもいいやとコントローラ基板に繋いでスイッチON。

 もしかすると表示が綺麗に出るかなと思いましたが,出てきた画像はなんと左右2分割で同じ画像が2枚出ました。

 いやはや,これでは使えません。せっかく届きましたが役に立たないのも悲しく,どうにか使う方法はないものかと考えることにしましょう。(多分だめですが)

 それにしても,aliexpressは何かあったときの回避手段がなにもない,恐ろしい仕組みだと再認識しました。高いものは絶対に無理ですね。amazonのサポートについては後日書くことにしていますが,日本語が使えるからと言ってaliexporessをamazonの感覚で使うと痛い目に遭います。皆さんも十分に気を付けましょう。

 

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