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ANKER POWER BANK (10000mAh,22.5W)を買った

  • 2024/05/17 12:02
  • カテゴリー:散財

 先日,いつものようにネットを彷徨っておりますと,ANKERが新しいモバイルバッテリーを出すとの話が目にとまりました。

 ANKER POWER BANK (10000mAh,22.5W)というものです。お値段は初回限定で2790円。

 折も折,2つあったモバイルバッテリーを処分した所だったので,このニュースが引っかかったのでしょう。

 モバイルバッテリーは最近,知ってる人が便利に使っている物から,ガジェット好きではない人や学生にもよく知られるようになってきていて,もはや必需品とさえ扱われるようになったと思います。

 それこそガラケーの時代にはキワモノとして扱われていたように記憶しています(エネループブランドで出ていた事を覚えている年寄りも多いことでしょう)が,さすがに最近のスマホの高機能化とそれに伴う消費電力の増大,そしてまさかに電池切れに「まあいいか」で済ませることの出来ないほど社会生活にがっちり組み込まれたインフラの入り口の機能停止に,どれほどの人が怯えているかという話でしょう。

 とはいえそのモバイルバッテリーですが,処分に困るという話も最近は注目されています。こういうことに注目が集まるようになることを私はとても良いことだと思うのですが,それは簡単に捨てることができないという,小さく持ち運びに適した形でまとまった筐体の中身のほぼすべてがリチウムイオン電池という,冷静に考えると恐ろしい現実があるからに他なりません。

 もちろん有害物質の問題もありますが,本質的には高いエネルギーのかたまりであることに危険性があるわけで,そんな物騒な物を手軽に個人レベルで処分する方法など,そんなにある訳がありません。

 もちろん,ちゃんとしたメーカーなら処分も引き受けてくれると思いますが,安いことをウリにするような会社の物だと,売りっぱなしで放置です。リサイクルどうのとか環境がどうのとかSDGsがどうのという高尚なことに興味がない人でも,危険物を何十年も持っておくのはやっぱり怖いでしょう。

 そこで,回収という商品の最後まできちんと見てくれる会社の製品を買うことが必須になるわけです。安いには安いなりの理屈があり,それがこの回収や処分にかかるお金,だという事です。

 かくいう私も,かつて持っていた2つのモバイルバッテリーは中国製の訳のわからんものでした。使用頻度は低く,ほとんど使う事のない保険のような物でしたが,10年をこえると危険になるという判断で,先日処分したわけです。

 当然処分には困るわけで,結局私は分解し,セルだけきちんとした処分ルートで廃棄したわけですが,これがなかなか手間で面倒です。このルートもいつまでもあるとは限りませんし,やっぱり捨てるときのことを考えないとダメだなあと思った一件でした。

 そこへくると,ANKERというメーカーは(今のところは)処分まで考えてくれているメーカーで,しかも良心的です。さすがに送料は元払いですが,それ以外については自社製品なら正規品であってもなくても,古くても壊れていても引き取ってくれます。

 こういうとき,あれこれと条件を付けたりされると「結局引き取りたくないんとちゃうのん」と思ってしまうので,ANKERのこの消費者に知解できる簡単な条件というのは,実にうれしいわけです。

 そんなわけで,もしモバイルバッテリーを次に買うことがあったらANKERのものにしようと思っていた所に,新製品の話です。

 なになに,10000mAh,22.5W・・・今どきのモバイルバッテリーってすごいですね。セルの電圧が3.7Vとして10000mAhってことは37Whですか。40W近いエネルギーをこんな小さいところに押し込んで大丈夫なんやろか?

 一時期よく見られた2.5インチのHDDを使ったポータブルHDDと同じような大きさで,この容量ですから大したものです。それに容量を数字で教えてくれるディスプレイもなかなか格好いいですし,なにより便利です。

 私はストラップは邪魔で,取り回しが面倒なので外す人ですが,この製品のストラップはそうもいきません。なんとまあ,USBケーブルになっています。

 これ,誰もが一度は考える事なんですが,耐久性やら安全性やらで結局諦める小学生的なアイデアですよ。それをこうして実現するというのは,なかなか大したものだと私は感動しました。

 それで価格は2750円。ちょうどamazonの期間限定ポイントがこのくらい余っていたので,この際だからと買うことにしました。

 災害が起きたときや,そこまで行かずとも停電が起きたときなんかに私自身も助けられるでしょうし,うっかりスマホの充電を忘れてパニックになっている娘にさっと差し出してあげれば,父親としての株もうなぎ登りというもの。うしし。

 発売予定だと思っていたものが,なんと翌日届くというのもすごい。日本一高い山の名前を頂くカメラメーカーに見習ってもらいたいです。

 さて,届いたモバイルバッテリーですが,私がかつて持っていた物とほぼ同じ大きさでありながら,容量は倍以上,同時に3台まで充電出来てみんなで仲良く充電出来たり,出力電圧も5Vだけではなく9Vや10Vまで対応したりと,なかなかの機能性です。

 また,充電も9V/2.22Aを突っ込めるので,空っぽからでも1時間半ほどで充電出来る計算です。これもすごい。最長2年の保証というのも,なかなか。

 最近日本のメーカーは余裕がないので,消費者がうれしいと思うことはなかなか出来ず,むしろ消費者を軽く見るような言動にがっかりさせられることが多いです。その一方で,中国や台湾,韓国のメーカーは日本のメーカーがかつてやっていたようなことばかりでなく,その上を行くようなことをやってくれるようになりました。

 私が日本人でなければ,日本の会社のことなどもう頭から消えていると思います。

 ということで,久々に良い買い物をしたと思います。これで外出前にスマホの電池が切れていることへの恐怖から解放されます。

 ・・・そもそも,外に出るのが嫌いな私が,そんなシーンに出くわすものか?

RPi5とLakka5.0でうちのすべてのゲームを集めたマシンを

 RaspberryPi5がリリースされたのが昨年の秋,日本でもようやく普通に買えるようになってきました。

 私はRaspberryPiで高尚なことはなにもせず,Lakkaを入れてゲームマシンにすることで,その進化具合を味わうことにしていました。RPi3でガクガクしていたゲームがRPi4ではスムーズに動きゲームを堪能出来ると,そんな感じです。

 同じ話はGPiCaseにもあって,RPiZeroWだったものをRPiZero2Wに入れ換えて,あの小さな画面でアーケードゲームがグリグリ動く事に感激していました。

 そしてとうとうRPi5の登場です。数年前のノートPCくらいのパワーがあると言われているRPi5,どれくらい快適にゲームが出来るようになったのか楽しみにして,今年2月にいの一番に4GBモデルを購入しました。

 ところが,LakkaがRPi5にまだ対応していないことが発覚,安定版が出るまで待とうと放置していたら知らぬ間に正式版がLakka5.0と同時に4月末にリリースされていました。これはこのGWの仕事になるなと,ケースなどをぼちぼち集めて用意していました。

 果たしてGWがやってきて,死蔵していたRPi5をケースに組み込みテスト。問題ないことを確かめたら128GBのmicroSDにLakkaを入れて起動を試みますが,残念な事に起動しません。

 初回起動時にストレージを拡張する作業が入るのですが,どうもこれが走らないようです。詳しいことはわかりませんが,こういう問題はすぐに解決するだろうと数日待つも,全然解決しそうにありません。

 仕方がないのでnightly buildを試してみるとあら不思議,ちゃんと起動するではありませんか。この状態でアップデートをかけると正式な最新版になってくれるので,これで先に進めることにします。

 RPi4のLAKK4.3も起動して,ここからROMのデータをコピーします。RPi4もRPi5もGbitのEtherなので速くて助かります。

 ROMのコピーが終わったら早速評価に移ります。さっと確かめると,やはりパワーが上がっており,これまで苦しかったゲームがヌルヌル動き,もはや私が楽しんでいたゲームは全く問題なく遊べるようになっていました。

 ここでトラブル発生。画面が出なくなってしまいました。RPi5はRPi4と同じで,MicroHDMIで繋ぐのですが,私は変換コネクタを介してHDMIで繋いでいました。

 不思議なことに,RPi5は全く表示がでなくなりましたし,RPi4ではVGAでしか表示されなくなりました。このおかしな動作に半日悩んだのですが,もしかしてと変換コネクタを見ると,ピンが曲がっていました。

 こんなことってあるんですね,曲がったピンをピンセットで無理矢理伸ばして整形したところ,RPI5もRPI4も正常に表示されるようになりました。

 あわててamazonでMicroHDMIのケーブルを調達してこの問題は解決。

 さあこれでRPiのゲームマシン化はおしまいかなと思ったところで,ふと思ったのは,もしかしたらSegaSaturnやPlaystationも十分な速度で遊べるようになっているんじゃないかということです。

 手持ちのソフトをリッピングして試してみると,まったく問題なく遊べます。もう実機が壊れても構わないレベルです。

 さらに欲が出た私はDreamcastも試しましたが,こちらも全く問題なし。これで私の手持ちのSS,PS,DCのゲームが遊べるようになりました。素晴らしい。

 時間はかかりましたがリッピング,そして.chdに圧縮して転送,動作テストを行って,私は20年前に買った多くのゲームをまた遊ぶ機会に恵まれたのでした。

 さらにPlaystation2も遊びたいなと思って頑張りましたが,残念ながらこれは全く動作しません。起動すらしないのでもともとダメなのか,私の設定がまずいかなにかだと思います。全く動かないという報告を他でも見たので,ここは慌てないで時間が解決するのを待つことにしましょう。

 私がテストプレイと言いながら結構真面目にSegaSaturnのゲームで遊んでいると,中学生になったばかりの娘が興味深そうにやってきました。

 ダイナマイト刑事をみて,あまりの画像の悪さに文句の1つでも言うかなと思っていたらそうでもなく,ゲラゲラ笑ってみています。そう,ゲームの面白さというのが,グラフィックの良し悪しではないのです。

 あくまでグラフィックは脳への入力情報に過ぎず,我々が体験するゲームとはそこから保管されたイメージです。つまり,ゲームそのものがしっかり作られていて,見劣りするのがグラフィックだけならば,そんなものは人間の豊かな想像力によって,いかようにもなるということです。

 同じ事は,一世代前のゲームやパソコンに対して常に言われたことでした。モノクロのマシンに対しても,スプライトがないキャラクタベースのマシンに対しても,色数の少ないマシンに対しても,ポリゴンが出せないマシンに対しても・・・

 楽しさの本質は,画面の派手さではありません。楽しい物は時を超えて楽しいんだなとつくづく思いました。

 ぱずるだまって,こんなに難しかったかなあ・・・

kobo libra COLOURを買いました

  • 2024/05/03 16:33
  • カテゴリー:散財

 電子ペーパー(特にEink)に縁のあった私としては,技術的な面白さに加えて視認性の観点から,自炊を含めた電子書籍のプレイヤーとしてKindleを昔から愛用してきました。

 とはいえ,近年のKindleはディスプレイの進歩がほとんどなく,新しい端末に更新する機会を逸していました。考えてみれば,日本語に未対応のKindleに始まり,300dpiになったり7インチになったりと,技十的な進歩をきっかけに新しい物を買い足していったわけですが,ここ数年そうしたことがなかったことに気が付きます。

 300dpiで印刷物相当になった次は,当然カラー化な訳ですが,これがなかなかお手頃価格に降りてくることがなく,またKindleシリーズにカラーモデルが登場する気配もない(当然タブレットがそれを担うからですが)ので,ずっと手を出さずにいました。

 ところが,koboにお手頃なカラーモデルが登場するという話を聞きつけました。6インチモデルは3万円を切ります。7インチモデルは35000円でペンまで使えるというありがたいマシンです。ああ,Kindleはもうだめかも・・・

 これまで何度もkoboには心が揺らいできたのですが,PDFも無加工でそのまま流し込める汎用性に魅力を感じつつも,Kindleのコンテンツが読めないことが足かせとなって,手を出さずに来ました。

 しかし,カラーになったなら話は別です。これは新しいEinkを試す絶好のチャンスでしょう。

 ということで,予約開始とほぼ同時にポチって,約束通り発売日の5月1日に届きました。買ったモデルは7インチモデルであるkobo libra COLOUR(色はブラック)です。

 正直なところ,koboにはあまりいいイメージを持っていません。これはもう好き嫌いの話なのですが,koboが楽天傘下にあるということがまず決定的でした。いや,楽天が嫌いというわけではなく,これ以上「〜経済圏」と呼ばれる物に巻き取られたくないという気持ちから,避けてきたということです。だから,今回のkobo libra COLOURについても楽天Booksのコンテンツを買うことはしないと思います。

 それだと安価に端末を(しかも継続的に)作ってくれているkoboに申し訳ないんですが,amazonのように赤字でばらまくということでもないでしょうから,許してもらいましょう。

 前置きが長くなりましたが,kobo libra COLOURのざっくりレビューです。

(1)外観,質感

 外観は⒎イントしてはそつなくまとまっていて,物理キーも備わっていて助かります。6インチモデルにしなかったのはこの物理キーが欲しかったからで,大きさはKindleOasisとほぼ同じです。

 ただし厚みはかなりあり,持った感触は全然別物です。また,Oasisは高級機と言うこともありアルミ製ですが,kobo libra COLOURはプラスチックです。この値段なら仕方がないのですが,質感は今ひとつです。

 電源ボタンが左上の背面にあるというのもいまいちですが,これは慣れの問題かも知れません。

 とても残何なのは,ディスプレイが奥に落ち込んでいることでしょうか。Kindleの高級機はディスプレイが表面とツライチになっていて,あたかも文字がそこに浮かんでいるように見えて,奥行き感を感じません。これが読書体験としては思った以上に好感触なのですが,それはすでに私が紙に印刷された文字を追いかけているのと同じ感覚である事の裏返しだともいえます。

 しかしkobo libra COLOURはディスプレイが奥に落ち込んでいることで,どうも一世代前のノートPCを見ているような気分させられます。つまるところ,表示面と同じ高さに余計な枠が目に入ると,その段階で紙との違いを認識してしまうようで,全然違う気分になってしまうのです。

 このあたり,すでにディスコンになって久しいKindle Voyageが最高傑作だと思っているのですが,kobo libra COLOURはこの円安時代に頑張っているとは言え,もう少し頑張って欲しかったと思います。

(2)カラー

 カラーは想像以上に素晴らしいです。読書を始めてしまえばカラーもモノクロも関係ないと思っていましたが,挿絵や表紙がカラーになるとこんなにワクワクする物なんですね。読書体験というのは装丁も含めての物だと再認識しました。

 それに,本の一覧表示でもカラフルな表紙がずらーっと並ぶと,これも感動的です。表紙は本の顔です。手に取ってもらおう,買ってもらおうとみんな必死に磨き上げてきます。いわば未来の読者との対話であって,私の琴線に触れた結果私のkobo libra COLOURに収まった本が並ぶ姿は,ちょっとした感動があります。

 これだけの本がここにすべておさまっている,これさえあれば何日も本と暮らせるという期待感を,最初にKindleを手に入れた時に味わったことを思い出します。

 そのカラーの表示品質は,下地が完全な白ではないこと,発色が悪くくすんでいること,そして150dpiになってしまうことから,はっきりいってよくありません。一言で言うなら新聞のカラー印刷くらいの物です。LCDやOLEDのタブレットには全く歯が立ちません(そりゃそうです,解像度もすごいですからねipadなんかは)

 でも,それらLCDなんかは肝心の文字を見ることには向いていません。これは反射型デバイスのEinkが圧勝で,そもそも写真を鑑賞するのではなく文字を読むという行為が大半である読書には,文字の読みやすさこそが正義です。その点で言うと,私はこのkobo libra COLOURこそベストバランスだと思いました。

 ところでカラーと白黒の切り替えについてですが,これはまだはっきりしません。グレースケールのページでもカラーのモアレが出てる場合もありますし,600dpiのモノクロ二値の場合には白黒白黒モードで動いているような感じがします。

 なにがスイッチになっているのかさえわかれば,コンテンツを生成するときに意識できるのでありがたいのですが,これはもう少し試行錯誤が必要だと思います。

 え,なんでそんなことにこだわるかですか?

 だって,白黒なら300dpiなのに,カラーだと150dpiになってしまうんですよ。カラーなら150dpiもあれば十分なんですが,白黒のページが150dpiで表示されるなら,それは残念ですよね。

(3)使い勝手

UIまわりはKindleとは違って少々違和感があります。例えばホームに戻るためにタッチするエリアが中央部であることなどは混乱の原因になっています。

 前述のように電源ボタンの位置もどうかと思いますし,USBコネクタも側面にあるのは充電の時に邪魔になって困ります。

 そのUSBについても,PCに接続した時にいちいち確認を取ってくるあたり面倒くさくて,そもそもPCに繋ぐのだからファイルの転送をしたいわけで,即マウントして欲しいわけです。この一手間がサーッとやる気を削いでくれます。

 読書を始めてみると,ややレスポンスが遅いことは期待外れでしたが,別に実用上問題があるほどではないので気にしません。

 ただ,表示の品質はKindleの高級機に比べると今ひとつで,やはりバックの白がよくないです。もっと鮮やかな白であって欲しいと思います。

 とはいえこれはディスプレイデバイスだけの問題とへいえず,フロントライトの問題もあるようです。Kindleではフロントライトがとても良く出来ていて,暗い所での視認性ではなく,明るいところで白をより白く見せるためのものでした。

 kobo libra COLOURはフロントライトが良くないので,Einkの地の色が目立つのだと思います。ではその良くない点というのはなにかといえば,それは色と明るさの調整機能です。

 色も調整が可能ではありますがちょうどいい色に出来ないところがもどかしく,寝る前に勝手に電球色に切り替える機能などいらないから,もっと作り込んで欲しかったです。

 明るさについては自動調整がありません。Kindleなら周囲の明るさにあわせてフロントライトの明るさも調整をし,白がより綺麗に見えるようにしてくれましたが,kobo libra COLOURにはこの機能がないので周囲の明るさで見え方が大きく変わります。

 かといって手動で毎回調整するのも面倒なので,ここは不満点の1つです。

(4)扱えるファイル

 Kindlenの最大の欠点は,その素晴らしい読書体験を実質的にKindleのコンテンツだけでしか享受できないことだったと思います。一応PDFも読めますが,表示品質が悪かったり拡大縮小が実質的に出来なかったり,動作がとにかく遅くなったりと,使い物になりませんでした。

 そこで私などはPDFをKindleの解像度に合わせてリサイズし,縁をカットしたmobiに変換していたのですが,これがなかなか手間でついついサボりがちでした。

 そこへ行くとこのkobo libra COLOURはScanSnapで作ったPDFをそのまま無加工で快適に読めます。

 動作もサクサクですし,縁のカットも112%の拡大でOK,拡大率も拡大中央もちゃんとコンテンツごとに覚えていてくれるので快適です。

 epubなどの他のフォーマットはまだ試せていませんが,PDFがこれだけしっかり扱えるならむしろ他のフォーマットの必要などないかも知れなくて,少なくともうちでは「自炊プレイヤー」としての立場を不動のものとしました。

(5)スリープモード

 kobo libra COLOURは電源OFFとは別にスリープモードがあり,こちらが実運用では使われるモードです。Kindleでは電源OFFは見えない位置にありますが,kobo libra COLOURでは電源OFFも別にあり,このステートに入るための条件も設定出来ます。

 スリープモードでは,画面に今読んでいる本の表紙がカラーで表示されます。これがなかなかよくて,そろそろ寝るか,と本を閉じたときに,目に入る本の表紙がそこに出ている事は,明日の夜に続きを読むのが楽しみになる仕掛けだと思います。

 これがKindleでは広告かあまり意味のない画像であり,面白くありません。以前のKindleでは好きな画像をスリープモードでの表示画像にすることができましたので,私は古今東西の書店のブックカバーをスキャンして順番に表示するようにしていました。これはこれでとても面白かったのですが,同じ事がkobo libra COLOURでできたらいいなあと思います。

(6)残念な事

 デザイン,プラスチックで出来た筐体,そしてディスプレイが落ち込んでいることは先に述べましたが,もっともバカらしいのが別売りのペンです。このペン,なんと2万円近くします。35000円の本体に2万円のペン,しかもそのペンで出来る事は大した事ではないという,そんな状態で一体誰が買うのかと思います。

 先日4万円で買ったiPadでは,中国製のペンが3000円ほどで買えました。これでも立派に使える事を考えると,koboでペンを使うことはないと断言しましょう。


(7)まとめ

 なんと言ってもカラーです。カラーの電子書籍リーダーがこの値段とこの大きさで手に入ることそのものが買う理由になりますし,私もその点だけで満足していますが,細かいところはやはりKindleに及ばないという感じがします。

 ハンドリングの悪さもあって,私はkobo libra COLOURを家で使う専用にして持ち歩く事をしないつもりです。悪い点として書くと気の毒なのでここに書きますが,背面にRakutenと書かれていることも正直恥ずかしいです。

 Einkの質も,カラーという点を除けば最上位とは言いがたく,文字を読むという行為だけで見ればまだまだ上があります。その点で,これですべてを置き換えると言うよりも,Kindle Oasisとの併用になるだろうと思います。

 とはいえ,原稿のOasisをあの値段で買うのかと言えばそれもバカバカしく,今から買うならkobo libra COLOURは有力な選択肢の1つとなるでしょう。

 

CherryMX2Aに交換した結果

 キーボード(PCのやつです。楽器じゃないです。)に昔ほどのこだわりがなくなっている昨今ですが,毎日使う物ですから,やはり気持ちよく使いたいものです。

 今仕事用に使っているキーボードは上海問屋で買ったDN-915975という73キーのキーボードを改造したもので,もともとGateronの赤軸だったキースイッチを,元祖Cherryの赤軸に根性で交換した物です。

 改造したのが2020年の9月,今から3年半も前の話ですか・・・時間が経つのは早いものです。

 DN-915975というキーボード,当時5180円という破格値で売られていました。その後1500円ほど値上がりしているようですが,それにしても今では考えられないお値段です。

 ただ,今思えばGateronのキースイッチを持つキーボードの打ち心地は十分とは言えず,Cherryに交換してみて初めて,本物の良さを知る事になったわけです。

 配列も必要なキーが揃っていることも含めてですが,Cherryのキースイッチに交換したこのキーボードは,底打ちの時の音がカチャと大きい事以外は気に入って使っていて,会社においてあるRealForceよりも心地よいんじゃないかと思うこともあります。

でも,やっぱり音が問題です。自分でもこのカチャカチャという音はかなり耳障りで,ノイズキャンセリングヘッドフォンをしているとちょうどいいくらいです。

 自分でもこんなに気になるんだから,周りの人にはさぞや迷惑なことでしょう。

 なんとかしないとなあと思っていた所に,CherryMXの次世代品,CherryMX2Aが秋葉原で販売開始というニュースを目にしました。

 あのCherryMXの新製品です。気にならないわけはありません。見れば,ルブが最大のポイントみたいで,これまで自分でスイッチを分解して油を塗っていたマニアたちの苦労が,ようやく本家に伝わったということでしょう。

 スプリングの形状も変わったそうですし,精度も上がっているという話です。さらにズムーズな押し心地に高い信頼性と,試してみようと思うに十分です。

 そして,せっかく全数を交換するんですから,静音品を選んでみましょう。幸いお気に入りの赤軸には静音赤軸というバリエーションがあります。少し高いですが,これだと底を打ったときの音がかなり軽減されるそうです。(ただし噂ではステムがPOMではないらしいです)

 早速ヨドバシで注文。80個で8800円にポイント13%でした。73キーですので,70個では足りないんですよね。

 取り寄せという事で連休明けになるだろうと思っていたら,なんと数日で届いてしまいました。早速スイッチを見てみると,実にスムーズで期待が膨らみます。

 キースイッチの交換だけなら簡単で(簡単というわけではないんでしょうが,単純作業の繰り返しですので頭は使いません),すぐにも取りかかれる物なのですが,せっかくキースイッチを全部外すのですから,気になっていたキー配列の変更改造も計画しました。

 やりたいことは,スペースキーの左側にある無変換キーとその左にあるALTキーを交換するという物です。

 この変換/無変換キーは,私はCTRLキーに割り当てて,ショートカット用に使っています。MacでいうCMDキーなわけですが,これが一般の文字キーと同じ小さいサイズなことが気に入りませんでした。

 少し大きめだと,左手の親指が少々斜めになっても隣のキーに触れることもありません。親指の位置に自由度がないと,ショートカットキーが押しにくくて仕方がなかったのです。

 物理的なキーの入れ替えは大昔にもやっていて,PC-9801のキーボードで,Aキーの隣をCTRLだけにするという改造をやりました。この時はたまたまEWS-4800のキーボードも手に入り,ここから横長のCTRLキーのキートップを入手出来た事が大きいのですが,フレームを削り,基板にジャンパを飛ばして改造したキーボードが,実に使いやすくなったことを覚えています。

 ということで,物理的なキーの移動に抵抗のない私は,今回も改造を試みました。

 このDN-915975というキーボードは,アルミの天板がそのままフレームを兼ねています。キーを入れ換えるには穴を横方向に削り,スイッチをずらして固定する必要があります。そのためにはキースイッチを全部取り外し今が最適なタイミングです。面倒くさがっている場合じゃありません。

 まずはハンダ吸い取り機でLEDとキースイッチのハンダを吸い取ります。綺麗に吸い取れると基板だけを取り外す事が出来るので,基板が外れたらキースイッチをフレームから1つずつ外して行きます。

 フレームだけになったら無変換キーとALTキーの入れ替えを行う為に,寸法を出してヤスリで削ります。ALTキーの方が横に長いのですが,この2つを入れ換えただけですから,2つあわせて長さには変化はありません。

 削る作業は,柔らかいアルミですしヤスリを使って手でやっても良かったんですが,手間と労力と仕上がりの綺麗さから,ベルトサンダーを使うことにしました。

 2つの穴の左側を,右側のキーは2mmほど,左側のキーは1.5mほど削ります。実物をはめ込みながら慎重に手で削って位置を修正し,決まったところで1mmのアルミパイプを2本並べて右側の隙間を塞ぎ,接着します。

 我ながら上手く加工出来たところで,今後は基板です。スイッチの位置が変わるので基板はそのままでは使えません。まず4mmの大穴をそれぞれ左に広げて楕円にします。そうして位置が決まったら今度は新しいピンの位置に新しい穴をドリルで開けます。

 ここで失敗。続けてLEDの穴も開けないといけなかったんですがすっかり忘れてしまいました。後で気付いた時には,組み立てが終わってました・・・

 スイッチがおさまったら,他のスイッチも取り付け,基板をおいて一気にハンダ付けです。入れ換えたスイッチは穴を開けただけでハンダ付けは出来ませんから,そこはジャンパ線を使って配線します。

 で困ったのがLEDです。位置を交換したキーのLEDもずらす必要があることをすっかり忘れてしまいましたが,いろいろ考えて上側から1mmの取りつで足が通る穴を基板に開けることにしました。

 幸い,1本はこれまでのランドをそのまま使えそうなので,ハンダ付けによる位置の固定はできそうです。

 本当はFNキーとその左側のCTRLキーも入れ替えたかったのですが,ここはビスが通るため諦めました。しかし,FNキーも大きい方がよいので,となりのCTRLキーと並列に繋いで,どっちを押してもFNキーになるようにしておきました。

 そしてもう1つ,ずっと我慢していたことを解決しましょう。

 このキーボードは73キーと適度なキーが揃っているうれしいキーボードなんですが,標準で気に入らないことの1つにINSERTキーがないことがあります。

 INSERTキーなんか使わないという方も多いでしょうが,テキストの編集ではしばしば使いますし,アプリケーションによってはINSERTキーに機能を割り当てているケースもあります。私はこのキーをそれなりに使っていたので,FN+DELキーを押すことになれておらず,困っていました。

 一方で半角/全角キーは全く使わない(こんな変なキーがあるのはIBM互換機だけです)ので,それがINSERキーの場所にいることが許せずにいました。

 ただ,半角/全角キーはすでにESCキーとしてソフトウェアで割り当てを行っているので,半角/全角キーをINSERキーに割り当てることを,これまで断念してきました。

 しかし,物理的なキーの入れ替えをやると決めれば,これも解決しそうです。同様に使わないキーであるカナキーと半角/全角キーを物理的に入れ換え,カナキーにINSERキーをソフトウェアで割り当てるのです。

 こうすれば,DELキーの上という元の位置にINSERTキーが来ますし,カナキーは半角/全角キーとして,私の環境ではESCキーに割り当てられて機能することになります。

 この加工,なんでもないと思っていたのですが,実はそうでもなく,左右のキーを入れ換えるのと違って上下の段数も異なるキーの入れ替えなので,キーボードマトリクスのローとカラムの両方を入れ換える必要が出てくるのです。

 多くの場合,ローとカラムの両方が基板の片面に出てくることはなく,裏と表に配線されます。なので,基板をハンダ付けした今となっては,手が出せない場所のパターンをカットして再配線しないといけません,

 そこで,まずキースイッチの足のハンダを吸い取り,ここにビニルチューブを被せランドから絶縁,キースイッチの足に直接細い銅線をハンダ付けして再配線しました。

 テストも終わり,早速試し打ちです。

 おお,なんとスムースな打ち心地。まるでメンブレン式のキーボードのようなソフト感です。それいてストロークはしっかり確保されていて,さすがに静音だけあって底打ちの音もカチャンからポコ,という感じに調整されています。

 底を打つまでにキーが入るのも,メカスイッチの利点です。メンブレン式は底にぶち当たった時までキーが入ってくれませんから,ショートストロークのキーボードが主流になるのも頷けます。

 打ち心地に静音と,今回のキースイッチの交換は価値ある物になりました。いかにCherryとはいえ,油が塗布された部品の寿命や経年変化は気がかりですが,この心地よさが長く続いてくれることを願ってやみません。

 配列変更も快適そのもので,見た目のバランスの様さもようやく手に入りました。以前の赤軸の「かつーん」という底打ち感も懐かしいですが,とりあえず良かったよかった。これは癖になる打ち心地,REAL FORCEを越えたかも知れません。

 せっかくですからね,タイピングも楽しく心地よく,もっと触っていたと思うようなものに出会いたいものです。私のキーボードはすでに世の中に1つしかないオリジナルになってしまったわけで,そういう意味でも長く使いたいなあと思います。

Z 24-120mm f/4Sは想像以上に素晴らしい

  • 2024/04/09 15:23
  • カテゴリー:散財

 品薄だったZfもぼちぼち店頭に並び始めたみたいです。

 私は昨年初回の予約で入手して,ニコンの最新のカメラになんとな食いついているわけですが,D850とは違った点も多くて,レンズにもどういう方向性を持たせればいいか試行錯誤が続いていました。

 しかしそれもおしまい。Z 24-120mm f/4Sでもう決まりです。

 D850との相違点を考えると,D850は高画素機ですので最悪トリミングで逃げることも出来るのですが,Zfは2400万画素ですので,トリミングをあてには出来ません。撮影時にそれなりの画角と構図を考えておかないと随分と画素数の少ない写真の出来上がりです。

 だから,D850で欲しいレンズの性能はトリミングに耐えられるだけの高解像度です。ということは自ずと大三元になります。

 一方のZfはトリミングで逃げられないことと,そもそも画素数が少ないので極端な高解像度が求められるレンズでなくてもよいことになります。

 ということは,Zfで必要なのは倍率の高いズームレンズが実用的ということになりそうです。

 ただ,私はどうも高倍率ズームには悪いイメージを持っていて,かつてのタムロンの28-200mmには余りのひどさに泣きましたし,その後のAF-S28-200mmもコントラストの低さに閉口しました。画質に定評があったAF-S24-120mmも私は気に入りませんでしたから,最終的に24-70mm,70-200mmと刻んで持つ事にしたわけです。

 Zでも同じようになると考えていたのですが,F2,8通しを使うようになるとF4通しの表現力の範囲の狭さが窮屈になりますし,画質も想像以上に下がってきます。それでもSラインだからとZ 24-70mmf/4sを中古で買ったわけですが,これがハズレでした。

 確かに良く写るのですが,開放絞りがf4というのはやっぱりつまらないです。もともと開放から十分な画質のレンズですから,絞りを開けても閉めても出てくる画にそれ程違いがあるわけではありません。これならスマホで撮っても全然いいんじゃないかと。

 ついでにいうとこのZ 24-70mmは,美品と書かれた中古だったのに届いて見ると傷だらけで汚れベトベト,フードなしでレンズキャップは旧純正が付属,ちょっとこれはいくらなんでもなあと思うようなものでした。

 あげく,後玉にはなにやら消えない拭きムラのようなものが・・・

 気分の悪さもあり,ここは当時迷ったZ 24-120mmに買い換えようと思った次第です。

 レビューなどを見ていると,24-70と24-120の違いは,画質の違いよりも望遠側に50mm長いかどうかだけだ,とのこと。どちらも高画質なので差はそれくらいしかないということなんですが,70mmというのは案外中途半端な画角で,そこからもう少し,105mmくらいまでがあると随分使い勝手が変わってくるものです。

 そういう便利さにZマウントを求めるのも悪くないと,買ってみたのです。

 買っていたところ,これが想像以上のよさでした。

 Zマウントだからかも知れませんが,画質は申し分なし。開放からキレキレですし,色も良く乗っています。周辺光量の低下は結構ありますが,一段絞れば問題なしですし,ビネットコントロールで補正も出来ます。それに,周辺光量が適度に落ちるのは表現として面白いものです。

 どの画角も破綻なく安心して使えるんですが,それは24-70も同じです。24-120が面白いのは70mmから120mmまでの望遠側に拡張された50mmで,これがまさにこのレンズの真骨頂です。

 あたりまえのことを言いますが,望遠になるほど同じ絞りでもボケが大きくなります。そう,70mmまでならそんなにボケなかったF4という開放絞りも,120mmまで伸ばせば十分にボケてくれるのです。

 開放でボケてくれればあとは絞りでボケをコントロールして背景処理を楽しめます。中望遠として知られるこの領域でF4なら,それなりの背景処理が出来ることを私はすっかり忘れていました。

 ということでこのレンズ,24mmの広角から標準域,そして中望遠の120mmまでを固い水準でカバーするレンズで,そこらへんの便利ズームでも小三元でもありませんでした。

 色も乗り高解像度,寄れる,ボケる,逆光にも強く,しかも小型軽量でファンクションボタンまで装備していて,Sラインのくせに13万円台と,もう買わない理由がないほどの素晴らしいレンズでした。

 当分Zfの付けっぱなしレンズに決定です。

 

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