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2018年07月の記事は以下のとおりです。

D850を修理に出す その3~再修理に出す

 D850の再修理ですが,あれこれ悩んでいても物事は解決しないので,さっさと再修理に出すことにしました。

 私の見るところ,マルチセレクターの異音という私の訴えを,現場の担当の方が理解してくれなかったことに根本的な問題があるように思うので,これはもう自分の手で再現し,直接この音と感触を確かめてもらうしかありません。

 ということで,今回はニコンのサービスセンターの窓口に出向くことにしました。場所は新宿です。こういう時,都内に住んでいると選択肢があって助かります。

 ここは利便性も良く,朝から晩まで混雑していることで知られています。私も何度か足を運びましたが,すんなり受け付けてもらえたことがありません。

 それに,数年前から窓口の親切さに対する評判に代わって急に質が落ちたと嘆く声を聞いていて,わざわざ時間をかけて人混みをかき分けて,それでがっかりするくらいならとピックアップサービスを使っていたんですが,噂ばかりを信じて行動しないのはダメですね,今回つくづく思いました。

 まず混雑について。平日の午前中に行ったので,全然大丈夫でした。窓口の担当の方にも余裕が見え,私もゆったり離すことが出来ました。素晴らしい。

 次,対応について。なにせ再修理ですし,機能的にわかりやすい故障ではなく,ともすれば「こんなもんです」言われて終わるような問題ですので,説得二時間がかかるかもと覚悟していました。

 ところが,話をするとすぐに先方の備品と比較をしてくれました。そしてその備品というのが非常に程度の良いチャンピオンで,私のマルチセレクターと比較すると実に滑らかです。

 まったく異音がしないわけではないのですが,私の個体の購入時の状態に近く,思わず「あー,これこれ,これです」と声を出してしまいました。

 備品との比較があれば話は早く,私からあれこれお願いするまでもなく,この程度の仕上げておくよう申し伝えます,と約束してくれました。

 そして,他の問題は大丈夫でしたかと気遣いを見せる余裕も。

 修理が上がってきてから,取りに来るのが大変なので送って欲しいから,先に送料を払いますよと言えば,保証期間内の持ち込み修理の場合,変装時の送料は無料ですと言って頂き,これも想像と違っていました。

 「ただ」と前置きして続けるには,「通常,修理が上がったら工場からお客様に直接送るんですが,今回は一度私の手元で修理が出来ているかを確認し,それからお送りしたいと思います。ですので申し訳ないのですが,一日余計にお時間を下さい。もしも修理が出来ていなかったら,その場で工場に送り返して修理させます。」とのこと。

 一日でも早く戻ってきて欲しい私としてはちょっと残念な話ではあったのですが,受けた人間としてきちんと確認してお渡ししたいという彼の言葉に素直にうれしくなって,お願いしますと返事をしました。

 ただ,今なら工場の夏休みまでに戻ってきますよね,と念を押すことはしておきました。

 こうして,私のD850は,バックヤードに彼と共に消えていきました。

 しかし,今回はきちんとしてくれそうだ,という安心感と期待感で,嫌な気分はまったくありません。こんなことなら,前回も面倒くさがらず,最初から窓口に出向けば良かったのに,と後悔しました。


 待ち時間がなかったので,展示されていたデモ機を全く触らずに再修理をお願いしたのですが,終わってからずらっと並んだデモ機を触って見て,マルチセレクターの感触を確かめて見ました。

 すると,D850は程度は私ほど悪くないのですが,やはりゴリッという音がします。スムーズさも今ひとつです。

 あれ,っと思ってD810を手に取ると,これは実に滑らか。でも,D810のマルチセレクターはD850よりも一回り大きいんですね。押しやすいしゆとりもあるし,マルチセレクターはこっちの方が全然いいです。

 さらにD5も確かめてみます。大きさも大きいのですが,コリッとしたクリック感もあり,かっちりとした剛性感も強く,さすがにフラッグシップです。まさかこれほど感触が違うとは思わなかったです。やっぱりヒトケタは違います。欲しい。

 D500の感触はD850と似たようなもので,ふにゃふにゃな感じですが,ゴリッという音はしません。これも個体差があるんだろうと思います。

 D850は現時点で考えられる最高の一眼レフだと思っていましたが,どうも改悪したところはあったということのようで,今回のマルチセレクターはD810に比べて小さくなっていますし,操作しにくく,感触も悪くなっています。いろいろ無理があったんでしょうね。


 預ける前にデモ機を触っていたら,もしかしたら再修理をお願いしなかったかも知れませんが,偶然待ち時間がなく,偶然備品にゴリッという音がないもので,本当に幸運だったと思います。

 来週には何らかの連絡があると思います。すんなり修理が終わり,マルチセレクターが購入時の状態に戻ってきてくれることを願っています。

 

安易なトリミングは許されるのか否か

 D800の3600万画素という画素数は,トリミングを積極的に使って構図を見直すことを日常に引き寄せました。

 画素数が少ない時代はもちろん,銀塩の時代は撮影時に構図も含めてすべて完成している必要があり,またそうすることを強く求められもしました。

 しかし,カメラ自身の自動化が進み,撮影時に考えねばならないことはどんどん減っていきました。そしてデジタル化により,現像や印刷が自宅で簡単にできるようになると,撮影後の画像処理も十分に可能になりました。

 複雑なフィルターワークやライティングの知識と経験が要求されたホワイトバランスも,難しい適正露出も,レンズの歪曲収差の補正はもちろん,水平が出ていない写真の補正やトリミング,完全ではありませんがレフ板の効果を擬似的に与えてみたり,さらには余計なものを消したり,多重露光をやってみたりと,もうなんでもござれです。

 写真とは,真実を写すものなわけですが,すでに撮影時に真実である必要はなくなりました。すごい時代が来たものです。

 で,繰り返しますが私にとっては,積極的なトリミングが撮影スタイルとして定着したことが大きいです。

 これは,トリミングに流れようという逃げではなく,これまでなら救えなかった環境や状況,あるいは結果を,トリミングで救える可能性が出てきたことで,最初からあきらめないで済むようになったということが,大きいと思っています。

 例えばですね,手元には50mmのレンズしかなく,被写体は10mも先にいるとして,銀塩時代ならどうせ撮影しても無駄だからと,撮影をあきらめたんじゃないかと思います。

 1200万画素くらいのカメラでも同じですが,でもD850ならダメモトでとりあえず撮影して,帰ってから確認してみようと思うでしょう。もちろん,こうすると被写体は救えても画質は落ちますし,50mmというレンズの良さや個性は全く死んでしまいます。

 いうならば,コンデジや携帯カメラのセンササイズのカメラに望遠レンズを付けたようなものですから,でかい一眼レフを使っている意味などありません。でも,救えるかも知れないなら,何もしないよりいいでしょう。

 デジタルカメラは,従来のフィルムをCMOSセンサに置き換えたものというのが,現時点での主流です。CMOSセンサに置き換わったのであれば,すでにISO感度やサイズによる縛りはなく,最適な値で使っていけば済むと言うのが本来のあり方だと思っていて,未だにライカ版だのISO400だのと言っているのは,私のような古い人間には楽でも,新しい人には弊害しかないなあと思ったりします。

 閑話休題。

 気になっているのは,それでは画素数が減ってしまい,そのことで印刷が難しくなるのはどのくらいトリミングを行ったらなんだろう,ということです。

 D800では高画素という事もあり,あまりそういうことを考えないでいました。D850ではその傾向はますます強くなりましたが,修理中のD850に代わって主役を務めているD300は僅かに1200万画素です。トリミングにはかなり制約がありそうです。

 なら,ちゃんと考えてみようというのが,今回のテーマです。

 まず。一つの目安に,300dpiをおきましょう。本音を言うと,これでもかなり画像のキレがなくなり,眠くなると思っているのですが,これをボトムと考えて必要なピクセル数を考えていきます。

 自分で計算することも考えましたが,幸いにキヤノンのサイトに一覧表がありました。私はプリンタはキヤノンの愛用者ですからね,なにもアンチキヤノンではないのです。

 これによると,私が普段よく使う紙のサイズでは,

L(89x127) 1051x1500 160万画素
2L(127x178) 1500x2012 315万画素
ハガキ(100x148) 1181x1748 205万画素
六つ切り(203x254) 2398x3000 720万画素
四つ切り(254x305) 3000x3602 1080万画素
A4(210x197) 2480x3508 870万画素

 ということです。あ,画素数は縦横比(アスペクト比)の関係もあるので,単純なカメラ側の画素数と一致しないので注意して下さい。

 で,D850の画素数は8256x5504,D300の画素数は4288x2848 です。

 ということは,例えばA4でトリミング出来そうなのは,D850で縦横それぞれ43%ほど,D300では18%程ですのでほぼトリミングできない,と言うことになります。うーん,1200万画素って案外厳しいんですね。高画素機とかいってますが,3600万画素くらいないと実用にならないんじゃないですか,これだと。

 気を取り直し,私が普段最もよく使うハガキサイズではどうかというと,D850で縦横21%,D300だと40%くらいです。

 D300でもトリミングできそうな気がしてしてきましたが,これってハガキサイズですからね,さみしいもんです。

 これがD500のような2000万画素モデルだと5568x3712ということですのでA4では縦横63%,ハガキサイズでは32%くらいです。えー,2000万画素ではトリミングを考えたら負けなんですか?D5なんか,私には使う資格がないじゃないですか。

 とまあ,改めてトリミングが緊急避難的な(あるいは邪道な)手段である事がわかったところで,この数字を頭に入れて,トリミングと印刷を行うクセを付けたいと思います。

 ざっくり,

ハガキ 1200x1800 
六つ切り 2400x3000 
四つ切り 3000x3600 
A4 2500x3500 

 と覚えておきましょう。

 しかし,こうしてみると,D2Hの400万画素って,六つ切りさえも全然届かないんですね。また,この頃標準的だった600万画素でも六つ切りに届かないんですよ。

 1200万画素のD3でようやく四つ切りがノートリミングでOKですからね,画素数への要求というのは,よく言うスペック競争以上の必然性があるということです。

 しかし,今どき2000万画素以下のカメラを探す方が難しいご時世です。

 もちろん,A3ノビとか出そうとすると,2200万画素必要だったりしますからね,D5でもちょっと足りないわけですが,そこまで大きいと今度は300dpiで出す必要などないんじゃないかという話になりますので,あんまり窮屈に考えない方がいいのかも知れません。

 

D850を修理に出す その2~戻っては来たのですが

 さて,長くかかったD850の修理ですが,火曜日にようやく戻ってきました。

 途中夏休みが入った事もあり,時間はかかったのですが,終盤は毎日のように丁寧な電話をもらってじっくり話せたこともあり,あまり悪い印象が残っていません。

 届いたD850はまるで新品のような綺麗さを取り戻しています。「可能なら」とお願いしてあった交換した部品の返却にも同意頂いたようで,グリップなども返して頂きました。

 肝心の修理内容ですが,まず先にコマンドダイヤルとサブコマンドダイヤルです。一晩経つとぬるっとした感触になってしまうという問題ですが,これは異常と判断して下さったようで,前後とも交換して頂きました。

 ぬるっとしないのは当然ですが,実に小気味良く回転し,交換してもらえてありがたかったです。

 問題はマルチセレクターです。スイッチそのものが載っているフレキは交換して頂けたのですが,一番期待していたセレクターの樹脂部品そのものは全く手が入っていませんでした。そのせいで,問題は全く解決しておらず,相変わらずゴリゴリと音がします。

 電話の担当者の方は,斜めに回すのは避けて下さい,と私にいうのですが,でもジョイパッドのような見た目で,しかもリミッタが機構的に付いてなければ,回さないように操作することを強く意識しない限り難しいです。

 実のところ,電話で「私の訴えている現象はそちらで再現し確認した上で正常範囲といってらっしゃいますか」と聞いたのですが,これには答えて下さらず,とにかくこちらの正常品と同等です,としか応えてくれなかったのです。

 確かにお店で触った限り,ゴリゴリという音がする物もありました。しかし改めて自分の愛機を触って見ると,ここまでひどい音がするものはなかったと思います。仮にあったとしても,この不快な感触はなんとか修理してもらいたいです。

 何を持って普通とすべきかは議論の余地がありますが,ゴリゴリバチバチという大きな異音を,正常ですという事はなかなかいえないものだと思います。おそらく,私はこれは,この音を再現出来なかったのではないかと思うのです。

 目の前でこの音を出せれば,話は早かったノにと思うと,やっぱりサービス窓口に行くしかないと思うようになりました。

 8月には,またニコンの夏休みがあります。これに間に合わせるには,今週中にサービスに行くしかありません。新宿か銀座か,幸い都内に住んでいるわけですから,行かないのももったいない。

 デモ機もふんだんにあるし,比較も検討も出来ます。これで「いやこれは正常です」と言われれば,そのまま持って帰ればいいですし,直しますと言ってくれれば預けてきます。

 戻ってきて動作チェックをしたんですが,やっぱりD850はいいんですよ。D300をしばらく使っていましたが,やっぱりシャッターにキレがないというか,レリーズタイムラグが大きいというか,ワンテンポ遅れる感じがあるのです。

 せっかく丁寧にメンテしてもらい,ようやく3週間ぶりに戻ってきたD850がまた手元になくなるのは残念至極ですが,保証期間の問題もあるので,やはり早めに解決しようと思います。

fire HD8を買いました

  • 2018/07/24 11:12
  • カテゴリー:散財


 先日,amazonのprime祭り(正式な名称はしらん)がありました。今年はやめとこうと思っていても,気が付いたら見てしまい,気が付いたらポチっていて,気が付いたら数日後に見慣れた段ボール箱が届いていて,気が付いたら己の意志の弱さにくずおれるのですが,今年そんな感じでした。

 とはいえ,ちょっと前から気になっていることはあって,それは愛用のkindle fireを買い換えなければという焦りでした。

 このkindle frire HDは2013年7月に購入したものです。すでに5年ですから,壊れることも飽きることもなく,まずまずよく使ったなあと思います。

 買った当時は目的もはっきりせず,流行っているからとか安いからと言う理由で買ったのですが,よく使うアプリをapkで手動で2,3個ばかり突っ込んでみると,非常に便利に使えることがわかってからは,毎日触らない日はありません。

 そんなに酷使しているわけではないのですが,さすがに5年も経てば電池がダメになってしまうもので,昨年の冬あたりで,2日持たない状況になりました。使いたい時に電池が切れてしまうモバイル機器ほど価値のないものはないわけで,1年くらい前から買い換えるチャンスを狙っていたというわけです。

 で,こういうセールがあると一気に数千円安くなるのがfireシリーズで,今回のセールで安く売っていたら買おうと決めていたのでした。(他の余計なものは買わないという決意もあったのですが・・・だめでした)

 私が問題にしていたのは,次の2つです。1つはアプリがちゃんと導入出来て,今出来ていることが満足に出来るようになることと,もう1つは我が家のWiFi環境に耐えられる事です。

 前者はまあいいとして,後者は結構面倒です。うちは木造3階建ての戸建てですが,APは2階のリビングに設置しています。2.4GHzの802.11nと5GHzの802.11acですが,近隣のWiFi事情から2.4GHzは混雑しており,5GHzの方が高速だし気も楽です。

 ただ,5GHzは3階の隅っこや,1階ではかなり電波が弱くなり,繋がらないこともチラホラです。ただ,これも11nの話であって,11acなら概ね大丈夫です。

 で,これまでのkindle frire HDは11nまでしか対応しないのですが,なんとアンテナ2本あるMIMOというのが当時の売りで,私のようなギリギリのところで使う人は随分と救われていました。

 今回買うことになるfire HD8はシングルアンテナの11nです。あまり効果のない(というか恩恵を受けられる人が少ない)機能を省いてコスト削減というのはわかるのですが,当落線上にある私にとってはかなりの不安材料です。

 まあ,そんなことを言っていても,結局5480円という安さには勝てず,fire HD8の16GBを買いました。これ,別のセールでは半額になっていたりして,4700円くらいで買っている人もいるんですよね。

 セールはうれしいし,お得感がないわけではないのですが,あまりに頻繁にセールをやり,しかも値引率が違っていたりすると,次はもっと安くなるかもとか,今回買っても高いかも知れないとか,後で悔しくなるのもいやなのでやめようとか,そういう心理が働きますから,セールはここ一番にどかんとやって欲しいです。

 届いたfire HD8は,さすがに今どきの8インチタブレットです。以前より薄くなっているし,画面も大きくなっています。額縁も小さくなり,洗練された印象です。

 動かしてみれば当たり前の事ですが,キビキビ動いてストレスフリー。UIも昔のkindle fireよりも良くなっている(というよりandroidのそれ)ので,使いやすくなっていると思います。

 しかし,そこは通常9000円,特価で5500円のタブレットです。随所にコストダウンの痕跡が見られ,それは古いikindle fireと並べておくとわかるようなものだったりします。

 一番大きいのは,やっぱり画面でしょう。kindle fire HDの画面は非常に見やすく,見る角度によって色が変化することや,黒が白浮きすることもなく,とても締まった画面でした。

 今回のfire HD8は画面こそ大きくなっているものの,タッチパネルが今ひとつで,少し斜めにすると白くなり,肝心の画面がくすんで見えるのです。おかげで黒も締まって見えず,元々もそんなにいいLCDではないようで,画像のクオリティは落ちたなあという印象です。これは残念。

 あと,心配していたWiFiですが,やっぱりだめでした。

 5GHzでは3階でも時々切れてしまいます。1階に至っては接続すら出来ません。kindle fire HDだと3階は全然大丈夫,1階でも接続くらいはしてくれたものですが,ここは大幅に悪化しています。

 しかし,こういう時の2.4GHzです。混雑やBluetoothとのつばぜり合いにもかかわらず,安定して通信出来るのはさすが2.4GHzです。不本意ではありますが,結果オーライということで,2.4GHzで運用することにします。

 最後はアプリの問題です。apkから入れてもいいんですが,どうもこの頃のfireはgoogle playをそのまま入れるのが流行っているみたいなので,私もやってみます。

 あっさり入った(Blackberryに比べたら簡単です)fire HD8は,この段階で既に普通のandroidタブレットです。もうレビューも何もなく,これにて終了です。

 CPUも高速化し,4コアになるとタスクの重さで待たされることも減ります。RAMも多くなっているのでしょうし,画面が大きいことはやっぱりいいですよ。

 そしてなによりこの値段。ipadの1/10の値段で,出来る事は変わりません。私は長年のMac使いではありますが,iOSには全然関心がありませんから,この値段は大変助かります。

 広告を出さないようにすることも,シンプルな画面にすることも出来ますし,google playでアプリをどんどん追加できます。ATOKを入れておけばちょっとした文章もストレスフリーで書くことができます。

 もう,モバイルルータでテザリングをしてWANへのドアを1つ用意しておき,末端の部分はこういう安いタブレットをどんどん使い潰していくのが,一番気分のいい使い方なんじゃないかと思えてきました。

 8インチと少々大型化し,横長になっていることと,結構な重さがある事で,決して持ちやすいわけでもないし,寝そべって使えば相変わらず顔に落として痛い思いをすることは変わりませんが,サクサク動く事による気分の良さはありがたいことですし,電池の劣化の心配もなくなっている上,BLE対応でozobot evoにも対応するというおまけ付きで,この値段なら大満足,久々に他の人にもお勧めしたい買い物となりました。

 偶然友人とskypeで話す機会があったのですが,全然問題なく使えますし,amazonに抵抗がない人,自分でなんとか出来る人は,この寛容な低価格タブレットをとりあえず備えておけば,なにかと便利に使えるのではないかと思いました。

 それにしても,新しいガジェットを買ってもワクワクすることなく,環境移行が死ぬほど面倒臭いというのは,私も老いたなあと・・・

 

D850を修理に出す その1~修理に入るまでの話

 発売日に購入したD850も,私の手元にきてもうすぐ1年です。

 外に持ち出す機会は少なくとも,常に手の届くところに置いてあり,とても身近な存在です。

 ラフに撮っても高感度+高精度AF+トリミングOKで歩留まりが良く,私が思うカメラの最重要性能である「機会を逃さないこと」に,十分応えてくれています。

 そのD850ですが,D800に比べてちょっと華奢な感じがしています。D800の頃に比べて気にしすぎな感じもあるのですが,それにしてもD850はちょっと気になる事が多いように思います。

 保証期間が終わってしまう前に,現段階で気になっていることを修理してもらうのと,この際だからきちんと点検をしてもらって,安心して使えるようにしたいと,そんな風に考えて,先日D850をサービスに出しました。

 指摘したのは,以下の様なものです。

・マルチセレクターの左側が押しにくい。下から左に回すように押すと,ゴリッという音がして,引っかかったようになる。

・ES-2でネガを取りこんでいるときに,Errが2度発生。ミラーが上がったままになり,電池を抜いても解消されないほど。かなり焦ったがいじっている間にミラーが降りて,以後は問題なく撮影出来ようになった

・絞り開放で0.5から1段ほどアンダーになる。電磁絞りのEタイプレンズではこうした傾向はない。

・サブコマンドダイヤル,およびメインコマンドダイヤルが,ねっとりとしてクリック感がない。一度動かせばクリック感が復活するが,一晩経つとまたクリック感がなくなっている。


 シャッター回数はまだ1万カットくらいなので,そんなに酷使している感じはなく,それでもこれだけUI系のパーツが悪くなってしまうというのは,ちょっと困りました。まさか毎年修理に出すわけにもいきません。D800だとこんなに柔ではなかったのですが・・・

 で,ついでに,これは私の責任なので有償でいいんですが,アクセサリシューに傷を付けてしまい,気になって仕方がないので交換してもらいたいという事と,ラバーグリップも交換しておいて下さいとお願いをしておきました。

 先に電話をしたのですが,保証期間内に故障すれば,無償で修理と一通りの点検をするので,いわゆる点検パックは買わないで下さいという事でした。また,点検をして欲しいと言うことをいちいち指示しなくても,紙に書かなくても大丈夫です,と言うお話でした。

 私は,保証期間内は無償で修理,でも悪いところを見つける作業は保証期間内でも有償という風に,点検パックの存在を解釈していたので,電話口での説明はちょっとうれしく感じました。

 ただまあ,人によるかも知れませんので,念のためメモを同封し,せっかくだから一通り点検しておいて下さいと書いておきました。

 7月1日に発送,7月2日には横浜のサービスに到着しており,7月4日の午後にニコンから「確認完了」のメールが届きました。

 しかし,ここからがうまくいきません。

 混雑しているかもしれないなと7月11日まで待ってみましたが,なんの音沙汰もなし。これはさすがにこちらから電話しないといけないかもなあと思っていたところ,なんと,ニコンのサービスが7月14日から18日まで,夏休みに入るというではありませんか。

 詳しく調べると,7月5日までに修理センターに到着したもの,あるいは7月5日までに修理進行となっているものは13日までに修理を完了して発送する,それ以後は夏休み明けに順次修理して発送するとあります。

 いやはや,これは知りませんでした。到着が7月4日ですから,とりあえず間に合っています。しかし11日まで音沙汰なしですから,これは修理が止まっている可能性が高いです。

 心当たりがありました。今回はピックアップサービスを使ったのですが,申し込みの際にWEBから入力する電話番号を,自宅の固定電話にしたんです。それに気が付いて携帯電話にしようとしたのですが修正が出来なかったので,修理品と一緒に携帯電話の番号を書いたメモを入れておいたのです。

 もし,このメモに気が付かず,固定電話に電話をしただけで連絡がつかないということになっていたら,ここで修理が止まります。

 心配になってあわてて電話をするのですが,話し中。繋がっても10分以上待たされてしまったのですが,ようやく担当の方と話をしたところ,予感的中。

 何度か連絡したが留守だったと言われて,もうがっかりです。

 その上,私の意図もうまく伝わっておらず,しかも診断の結果も私の期待を裏切るものでした。

 まずマルチセレクターの異音ですが,これは「こんなもん」ということで,正常と判断されました。いや,こんなにゴリッと音を出しているし,感触も大きい訳だから,40万円のカメラが「こんなもん」というのは納得いかない,D800ではこんなことはなかったし,お店のD810でもこんな音はしない,D850でも最初はこんな音はしなかったと話したところ,技術と相談しますとの返事です。

 次にES-2使用時のErrについて。こちらでは再現していないのでなんとも言えないが,ライブビュー中に電池の電圧が急激に下がると,まれにミラーを下げずにシャットダウンすることがあり,おそらくこれだろうと。だとすれば復帰している現在は正常なので問題はないということです。まあこれは納得です。

 次,絞り開放でアンダーになる件。これも測定をしてみたが正常範囲であると確認出来たので問題なし。おそらく周辺光量低下のためにアンダーになるのが目立つのだろうということでした。うーん,わかった上でアンダーになっていると言っているんですが,まあ点検してもらって正常なら,それでいいです。

 次,サブコマンドダイヤルとメインコマンドダイヤルの粘りですが,これも再現せず,正常範囲とのこと。まあ,多少気になる程度だったので,仕方がありません。

 最後にアクセサリーシューとラバーグリップです。アクセサリーシューにキズはあるが,動作に支障はないので有償交換,部品代と技術料で約28000円。もし,コマンドダイヤルの交換や調整で分解することがあれば,そのついでにくらいに考えていたことですから,わざわざの修理をこの値段でしようとは思いません。

 ラバーグリップについては,分解修理の時に交換されることが多いので,もし交換されないならば有償でお願いしますということだったのですが,私がどの部分のグリップかを伝え忘れていたため,全部交換では2万円を越えると言われて絶句。

 ということで,想定を遙かに超える厳しい返事に,めまいがしました。今思うと,なんとしても夏休み前にこの件を片付けてしまいたくて,そのまま返却になるように仕向けたんじゃないかと勘ぐってみたくなります。

 他はともかく,マルチセレクターについてはどうも納得がいきません。他の機種ではこんな音も感触もない,これほどの音だから正常とは思えないと食い下がると,もう一度相談すると言って電話を終了しました。これが7月11日の昼過ぎの話です。この時,このカメラが必要になるのはいつだと聞かれたので,15日だと答えました。

 その日の夕方に電話がありましたが,マルチセレクターの音というのは,樹脂が擦れるきしみ音で,これは個体差があり,修理をしても出ることがあるので,修理はおすすめしないという返事でした。どうしてもと言うなら交換することは出来るが,その場合は機能が正常であることから,有償修理になるという冷たい返事です。

 でも私は納得出来ません。ゴリッというんですよ。これが正常というなら,設計ミスもいいところです。ニコンはこのタイプのセレクターを搭載した高級機で,誰もこの音に気が付かなかったんですか?

 先方は,今回は通常はしない分解しての確認まで行って正常であると判断しているので,これ以上はどうしようもないという話です。

 このまま押し切られるかと思ったのですが,実は昔,ゴミか何かを噛み込んで左が入らなくなったことがあり,そこからおかしくなったんだと話をし,有償修理の場合はいくらかかるか調べて電話して欲しいとお願いしました。グリップも,右の前と後ろだけでもう一度見積もってもらうことにしました。

 私はここでもう一度冷静になり,頭の中を整理します。

 ニコンは正常だと言っていますが,私は正常ではないと言っています。この食い違いはどこからくるかを考えてみると,可能性の1つとして私が異常と言っている状態を,ニコンが再現出来ていないことが考えられるでしょう。

 ニコンが「きしみ」といっているあたり,きしみのようなギシギシやギュギュという擦れる音ではないのですから,違う現象を「正常だ」と言っているように思えてなりません。

 考えてみれば,そのゴリッという音を確認したとは一言も言っていないことに気が付きました。なのでまず,この音を再現したかどうかを聞いた上で,再現して正常と判断したなら納得,。再現出来ずに正常としたなら,私が100%再現出来るのだからぜひ再現して欲しいと,いうことにしました。

 ただ,これだけの大見得を切るのですから私も不安で,お店でD850などのマルチセレクターを触って見て,同じ音が出るか出ないかを確かめてみることにしました。音が出なければ私の個体の問題として堂々と修理を依頼できますし,もし音が出ればそれはそれで納得出来ますし。

 翌12日の朝電話があり,こちらが構えて電話に出ると,なんとマルチセレクターについては,異物の噛み込み以後調子が悪いという事なら保証範囲で修理が可能なので,無料で修理をしますというお返事。うーん,良い方向の返事ではあるのですが,ちょっと生煮えです。

 グリップは,右側の前後だと約5000円。これはまあ想定範囲です。マルチセレクターの交換では,グリップの交換は発生しないようです。これは頼んでしまいましょう。

 ということで,もう修理の方針は出たわけですが,なんだかすっきりしない私は,もう一度確認して欲しいこととして,マルチセレクターの異音を出した上で正常と言っているのかを,お願いしました。

 先方は明言を避けているようで,「とにかく技術者が正常品と比較して差がないと判断している」としか言ってくれません。なんどかやりとりしているうちについうっかり異音は確認していないと口を滑らしたので,今大事なことをおっしゃいました,確認していないなら,ぜひ現象を出してから異常か正常かを判断して下さい,私はこの異音を100%出せます,その上で40万円のカメラがこんな音を出すのはおかしいと言っています。

 私を信じて下さい,と言った上で,他のカメラを触って今日確かめるからと言うと,もう既に約束できない日時に鳴っている中,夏休み前に出荷するには一刻も早く修理にかからないといけない,もう一度確認して電話してとやっていると,確実に間に合わない,と言われました。

 その通りです。確認してもらっても修理はしてもらうわけですから,私はマルチセレクターと右グリップの前後を交換してもらうことにして,修理続行をお願いしました。

 頑張って修理をして夏休みまでの返却を試みますが,もしダメそうだったら電話しますということで,電話を切りました。経験上,頑張りますが駄目な場合は連絡しますという話になるときは,概ね大丈夫な見通しの場合が多く,私はこれで済んだとほっとしていました。

 もし,戻ってきたもののマルチセレクターが変わらずゴリッという音がするなら,新宿のサービスセンターに持っていって,窓口の人の目の前で再現させて修理に出そうと思っています。

 しかし,話は簡単に終わってくれません。12日の夕方,再度電話がありました。悪い予感は的中し,やっぱり間に合わないという事です。部品がないとかそういうことを言っていたようですが,これもまあうがった見方をすると,夏休み前にどうしても返して欲しい人を優先して,私を後回しにしたのかも知れません。

 で,ニコンは送料はもらわないので,一度返却し,15日の撮影後に最後送ってもらうということにしたいんだけど,ど提案してくれました。機能としては正常なのですからそのまま返しても問題はなく,まあ気になるようなら再修理に出せということかも知れません。

 これも,私の個体が「正常」とされているから出来る話で,正常ではない修理を優先しているのでしょうね。

 しばらく考えて,私はそのまま預かってもらい,修理を続行してもらうことにしました。19日から業務が再開するので,うまくするとその週の土曜日に戻ってくる可能性があります。というか,戻ってくるでしょう。

 平日にはカメラを使うことも少ないですし,輸送中のトラブルも心配ですから,このまま預かってもらい,その代わり修理も調整も落ち着いてしっかりやってもらうことにしたのです。

 そういう話でまとめようとすると,どんな場合でも修理も点検もきちんとやるし,業務再開すぐに修理が完了する約束も出来ないと,あくまで事務的な冷たい返事。

 いや,こちらのいうことはきちんと聞いてくれるんですよ。でも,いちいち予防線を張るし,なかなかいい返事をしてもらえないのです。電話もこまめにくれるし,その場で却下というのもないから,私も怒る気もしないし,頑張ってくれるんだなあと感謝もしているのですが,結果がどうも伴わず,掛け違いがおこるというか,空回りになるというか,とにかく残念な事が続くのです。

 この流れだと,修理品が戻ってきても,修理されないままとか,修理されてもますます悪くなるとか,別の場所がおかしくなるとか,そういう話になってしまいそうな予感です。そうならないように祈ります・・・

 21日の夕方にはぜひD850を使いたい用事があります。だからこそ6月末に申し込みをして,7月頭に届くようにしたのです。電話番号を固定電話にしたミス,携帯の番号を書いたメモを見てくれなかった,すべて正常という見立てに対し何度もやりとりをした,そしてまさかの夏休みと,とにかく足を引っ張られることが多くて,今回ほどうまく話が進まなかったこともここしばらくなかったと思います。

 考え方を変えれば,私のD850は正常だったということなので,私が気にしすぎているのかも知れないと思いました。D800は一度もサービスに出す事をしなかったわけですしね。

 そんなわけで,当初1週間,長くても2週間の辛抱と思っていたD850が手元にない状況は,まさかの3週間となりました。保証期間が残り1ヶ月ほどというなかでの3週間はなかなかシビアで,これが災いして次の故障が保証期間を過ぎて出るようなオチもありそうでこわいのですが,それ以上にD850が手元にないことがこれほどストレスになるとは想像していませんでした。

 毎日使うものではないと言いましたが,それでも手元にいつも置いていて,撮影したいなあと思った時には我慢せずに撮影するという習慣を持つ私は,撮影したいと思ってもカメラがなく,そもそも撮影したいと思う事も辛抱するような状況がこれほどしんどいものとは思っておらず。代わりにと手元に置いてあるD300が代わりにならないものと知ったことも含めて,さみしい毎日を送っています。

 買い換えた大三元も十分に使えず,カメラロスが結構こたえています。

 果たして,いつ戻ってくるでしょうか。戻ってきたものは期待通りのものとなっているでしょうか。傷が付いたり修理箇所がさらに悪くなったり,今うまく動いているものがダメになっていたりと,そういう嫌なことが起きないでしょうか。

 心配はつきません。

 

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