10年ぶりに腕時計を新調
- 2014/01/27 13:48
- カテゴリー:散財
腕時計を買いました。
私は趣味で腕時計を買う人ではありませんので,これまで長く使っていたシチズンのプロマスター以来,実に10年ぶりになります。
2003年9月末に買ったこのプロマスターは,電波時計でかつ太陽電池でしたから,精度は抜群,閏年や閏秒も自動で補正,太陽電池で電池切れも起きず,20気圧防水で汚れたら水でジャブジャブ丸洗いと,本当にメンテフリーでした。
ケースもバンドもチタンコーティングで傷も付かず,本当に悪くなる部分,消耗する部分がない,優秀な時計でした。問題があるとすれば,結構大ぶりなことと,実用性の反面で今ひとつ格好良くないということでしょうか。
そして私の趣味とはちょっとずれていて,最近は違和感がありました。買った時はまだ若かったのですが,ちょっとフォーマルな場には使えないなと思っていました。
高校生の時に使い出したセイコーのクオーツは皮のバンドで,何度も交換しましたし,電池も交換しました。パッキンが悪くなって水が入り込み,8年ほどで壊れてしまいました。
その後,大学卒業時に総長賞でもらったセイコーのクオーツを就職と同時に10年ほど使っていましたが,記念の時計でもガンガン常用したため,傷がついてしまいました。
しかも,秒針が外れてしまい修理に出したのですが,元の部品は手に入らずちょっと違う部品で修理をしました。
自分で電池交換をするとパッキンを壊すのでいつも時計店に頼んでいましたが,プロでもヘマをするらしく,水が入っていて,オーバーホールも必要になりました。やっぱり記念の時計を常用するのはやめようと,その時思ったのです。
皮バンドは交換が面倒臭い,電池交換は故障のリスクが大きいという事で,結論はメタルバンドに太陽電池,そして防水です。この条件を満たしたのが,先のプロマスターでした。
こいつは本当に手がかからない素晴らしい時計でしたが,正確な時刻は携帯電話で手に入る現在,腕時計にそこまでの精度が必要だろうかという疑問もあり,機械式の時計に興味がわいてきたのが,1年ほど前の話です。
そんな折,セイコーが文字盤をホーローで作った機械式時計を限定で生産したのが一昨年の末で,シンプルなデザインに,透き通るような白い文字盤がとても綺麗で,欲しかったのですが,すでに完売。
縁がなかったのだと諦めていたところが,今年1月にカタログモデルとして販売されることを知りました。1月24日発売という事で値段を見れば,そんなに高いものではありません。定価で84000円です。
いい大人が10万円を割るような時計をするのもどうかと思いましたが,気に入ったのがたまたまその値段だったわけですから,あきらめるのもおかしな話です。
いろいろ迷ったのですが,結局シンプルな3針式の安いモデル,SARX019を予約しました。ポイント10%で,実質6万円ちょっとというところでしょう。
実は,この時計を予約する前に,激安の機械式時計を買って使っていました。amazonのタイムセールを見ていると,ブルッキアーナという聞いたこともないようなメーカーの腕時計が5800円でした。すぐ壊れた,精度が良くないなど,定価18万円とはどういうことだ,などなど悪い評判ばかりが目に付きますが,なによりこの値段で機械式ですから,おもちゃとして買ってみるのも悪くないでしょう。安い時計を安いものとして使う分には,別に恥ずかしいことではありませんし。
それまで,時計に全く手間をかけることがなかった私が機械式のような面倒な時計を本当に扱えるのか,とにかくこの時計で試して見ることにしました。実際に使ってみると,毎朝家を出る前にさっと時刻を合わせることは思ったほど面倒ではなく,これは苦になりません。自動巻のくせにゼンマイが切れていたことが2度ほどありましたが,1日30秒ほどの誤差はあっても,別に実生活で困ることもありませんでした。
それより,機械式時計のがっしりとした存在感が好ましく,使っていて楽しいものであることがよく分かりました。針が太いのは機械式の特徴ということで,クオーツだと消費電力低減のために,細い針しか使えないんだそうです。
果たして,1月24日に届いた,自分で買った初めての機械式腕時計は,想像以上の上品さでした。数字上は大きいなと思っていた厚みも,実際には全然気にならず,機械式時計らしくうまくデザインとしてまとめてあります。
針は青色で,バンドもクロコダイルの黒地と,シワの部分に紺色が使われていて,とても綺麗です。そして文字盤はホーローの白さが際立っているのと,ぽってりとした厚みがまた素晴らしくて,良く出来ているなあと感心することしかりです。
これが6万円ほどで買えるんですから,日本という国は大したものだと思います。
精度については,まだ使い始めたばかりで馴染んでいませんが,日差で10秒ほどとい感じです。これなら全然問題はありません。
SARX019はプレサージュという中級シリーズに該当するらしく,そのキャリバーである6R15は,低コストで精度も高いベストセラーとして,セイコーの機械式時計のラインナップを支えており,機械式時計を親しみやすいものにしています。
早速常用することにしましたが,純正のバンドは同じ物を数年後に手に入れるのが難しいし,高価だと思うので,消耗品として別のものに交換することにしました。紺色のクロコダイルを選びましたが,そんなに悪くはないという感じです。
機械式時計は,3年くらいでオーバーホールに出す方がよいということですが,そうやって一生使えるのもまた魅力といいます。もとが安い時計ですからオーバーホールなんてもったいないような気もしますが,買い換えるというのが当たり前のクオーツ時計と違って,機械式時計には長持ちさせようという気持ちにさせるものがあるようです。3年はともかく,5年ほどしたらオーバーホールにだしてみましょうか。
ということで,シンプルな文字盤に皮のバンドの腕時計を,20年ぶりに常用することになりました。時計に手がかからない10年を過ごして来ましたが,時計にちょっとした手間をかけることが苦にならないよう,ギアを1段落としていきたいものです。