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2016年08月の記事は以下のとおりです。

ダイソンDC45にDC35のクリアビンは使えるのか

  • 2016/08/31 15:55

 ダイソンのDC45というコードレスクリーナーがうちの主力掃除機になったのが2013年の10月末ですので,もうすぐ3年です。

 掃除機で3年と言えばまだまだですね。週末の掃除に合計40分ほど動くわけですから,ざっと156週間で1週間あたり40分で,6240分=104時間の稼働時間です。

 えー,たったこれだけですか?

 104時間って,24時間連続運転をするとたった4日ですよ。12時間の運転であればたった1週間ですよ。まだまだ頑張ってもらわないと。

 なのに,掃除機というのはラフに扱われるせいもあってか,傷みが早いです。うちのDC45は1度修理に出ていますし,電池パックとクリアビンの接点が壊れてモーターヘッドが回らなくなり,私が自分で修理をしています。そういえば,パイプの取り付け口の固定ネジがしょっちゅう外れるので,接着剤で固定しました。

 104時間のくせに満身創痍です。

 DC45を私は36000円ほどで買った(ここにポイント10%も付いた)のですが,今ざっと調べて見るとこんな値段では買えなくなっています。3年ほど前はなんでも観でも安かったんですけど,同じ物を同じ値段で買えなくなったなあと感じる事が増えたように思います。

 その分,3万円くらいから日本製のコードレスクリーナーが買えるようになってきているので心配しなくてもいいんでしょうが,どうしてもダイソンでないとダメだという人は,予算を倍額しないといけないので,厳しいです。

 先日,DC45で掃除をしていたら,前後に動かすごとに「ガコガコ」と嫌な音がするのです。よく見ると,クリアビン(ダストカップのことです)のパイプの取り付け口のあたりに,盾の割れ筋が入っていて,ここが隙間を作っています。前後する度にこの部分が開き,ガコガコと音を立てているようです。

 使えなくはないのですが,ここからの空気漏れもありますし,いつ壊れてしまうか分かりません。修理をしようとエポキシで接着をしましたが,過酷な負荷に耐えきれずに,簡単に割れてしまいました。

 こうなるとクリアビンの交換しかありません。

 しかし,ダイソンは案外面倒なのです。サポートは手厚く,最終的に不愉快な想いをすることはないのですが,部品の小売りはやっておらず,本体丸ごとの修理対応を迫られます。このあたりかなり融通が利かず,交渉をしても部品を分けてもらえません。

 部品を分けてもらえないのは当然のことで,別にダイソンが悪いわけではありませんし,素人が勝手に修理をしてその性能を出し切れないのをメーカーとして看過できないのもよくわかります。

 日本の大手メーカーなんかは,修理業者がメーカー意外にもたくさんいるので,こういう人達に部品を販売することがありますから,1つ2つの小売りも仕組みとして対応可能なのでしょうが,ダイソンは直接しかないので,そもそも小売りの仕組みもないのでしょう。

 でも,いくら速いとは言え,往復の配送には時間がかかるし,発送と受け取りの2回,宅急便を自宅待機で待たねばなりません。なんだかんだで1週間掃除機が手元にないので掃除が出来ないという実害もあります。

 だから,交換が簡単で確実に可能なものについては,やっぱり部品で分けて欲しいというのが,本音です。そうすると安く済むし,時間もかからず,自宅待機も1階で済みますからね。

 ということで,クリアビンを探してみました。

 なんと,さくっと見つかりました。しかもダイソンの直販サイトでです。お値段はわずか3240円。接着剤で修理するのがバカバカしくなる価格です。しかも在庫ありの即納ときます。「付属品」という扱いになっているのがちょっと引っかかります。

 おお,やるなダイソン。

 しかし,次の瞬間,私はがっくりを肩を落としました。このクリアビン,DC35用でした。DC45用のクリアビンを探しますが,見つかりません。

 DC35といえば,私の持っているDC45の前の機種です。なんでDC35のクリアビンは「付属品」として売られているのに,DC45はダメなんでしょう。

 もしかするとDC45は組み立て済みだったので,本体の一部になっていますが,DC35はここが外れていて,使用前に自分で組み立てないといけないんじゃないかと想像しますが,まあそんなのはダイソンの都合ですので私にはよくわかりません。

 amazonでは昨年くらいまで部品で売られていたようですが今は販売中止になっていますし,他のサイトでもDC45のクリアビンは買えません。万策尽きた,もう修理を頼むしかないか・・・1万円コースだなあ,なんてことを考えて,シリアル番号なんかをメモしたのですが,ふと私の中のmakerの血が騒ぎ始めました。

 DC35のクリアビンが手に入るなら,これをDC45に使えないものか?

 うっすらとして記憶では,DC35とDC45の本体の差は僅かで,形も大きさもほとんど一緒です。調べて見るとやはりそうで,モーターヘッドが強力になっているのが主な改良点です。モーターやサイクロンの機構には変化はありません。

 なら,わざわざクリアビンの形状を変えたりしないんじゃないだろうか,外形の寸法はほぼ同じなので,そのままついちゃうんじゃないかと,そんな風に都合良く考えました。

 嫁さんに相談したところ,「どうせダメと言ってもあなたはやっちゃうんでしょ」と全く相手にしてくれません。

 そんな風に言われたら引っ込みが付かないじゃないですか。早速ポチってしまいました。日曜日のことです。

 月曜日には発送連絡があり,火曜日には届きました。早いです。

 開梱して手に取ってみると,新品のクリアビンのなんと綺麗なこと。そうか,DC45も買ったばかりの時はこんなに綺麗だったんだなあと感慨にふけっていても先に進まないので,早速DC45に取り付けて見ます。

 しかし,残念な事に,はまりません。

 クリアビンの内径と高さは一致しており,フタを開けるレバーの位置も同じです。このまま付くと確信したのですが,よく見るとクリアビンの背中にあるフックの形状が,ちょっとDC45のものと違っています。

 大きさがやや小さいのは問題ないとして,DC45のフックの真ん中に,幅2mm,長さ4mm程の切り込みが入っています。本体側を見ると,個々に勘合するように突起があり,DC35のクリアビンはこれがぶつかってしまい,装着出来なくなっているようです。

 わざわざこんなことをして流用を禁止してあるのは,嫁さんに言わせるとずるいらしいのですが,まあそれはそれでなにか事情があるんでしょう。

 でも,こういう挑戦は受けて立つのが私です。リューターでさっさと削って溝を作ります。試して見ると,あっさりと本体に装着出来ました。グラグラすることもなく,きちんと装着出来ています。いやー,うれしいです。

 ブラシを取り付けて見ましたが,問題なく動作していて,吸引力も問題なし。割れ筋がなくなった分強力になっています。

 嫁さんに「なおったで~」と自慢げに見せますが,モーターヘッドの付いたパイプを取り付け用として私は凍り付きました。パイプがささりません。

 太さは問題ないのですが,モーターヘッドに電源を供給するピンが出ている部分の形状がちょっと違っていて,刺さらないのです。

 ここまでするか,と悔しくなったのですが,DC35にDC45のモーターヘッドがそのまま付いてしまったら,確かにダイソンとしては面白くないでしょう。もしかしたら危険なのかも知れません。

 しばらく対応を考えます。

 1つは,パイプを加工してしまうこと。こうすればDC35のクリアビンにそのまま装着可能になります。しかし,加工することでパイプの付け根の部分の強度が下がってしまうため,壊れてしまうかも知れません。

 それに,小型のブラシやモーターヘッドを直接繋げません。

 次に考えたのは,DC45の取付口部分を移植する方法です。割れているのは透明なポリカーボネートのクリアビンで,取付口は壊れていません。しかし,これを外すのにちょっと手間がかかり,壊してしまうかも知れません。

 それに,せっかく電池から電源を引っ張る接点も新品になったのに,取り付け口を古い物にしてしまうと,この部分も古い物になってしまいます。

 端子の部分は新しい物に交換することも考えましたが,現段階で古い端子でもモーターヘッドは動いていますから,とりあえずこの部分も古い物をそのまま使うことにします。摩耗などでいよいよ駄目になったら,新しい物を移植しましょう。

 吸い込み口の部分(くちばしの部分)は,ネジを外しただけでは外せません。この部分はなかなか良く出来ていて,はめ込むときには簡単ですが,外すときにはなかなか外せないようになっています。

 苦労しながらも吸い込み口を外し,パッキンを忘れないように取り付けて,配線を取り回して,新しい吸い込み口を取り付けます。うまくネジ止めまで出来れば完成です。

 パイプを取り付けて試運転ですが,とりあえず問題なく動いています。使い心地も違和感はなく,これでしばらくは使えそうな感じです。

 ということで,DC35のクリアビンはDC45で使えるかどうか,についてですが,そのままでは無理ですが,背面のフックを削ることと,吸い込み口を交換することで使用可能になります。

 ですが,手間もかかるし,壊してしまう可能性もありますから,オススメしませんし,私の場合偶然うまくいっただけで,もともと別機種用の物なのですから,ダメで当然だと考えてください。

 ただ,DC35とDC45はほとんど同じ物で,共通にしようと思えば出来たはずですし,わざわざ互換性がないようにしてあるのは,私としてはちょっと悔しい気もします。それでDC45のクリアビンも簡単に購入出来るのなら別に構わないのですが,DC35だけ販売されていて,DC45はダメというのは,素直にあきらめきれないものがあります。

 DC45も古い機種ですし,今さら万全のサポートを期待しませんが,それでも部品くらいは簡単に手に入るようにしてほしいと思いますし,部品の供給という部分でユーザーの首根っこを押さえつけてしまうようなことだけは,やめて欲しいなあと思います。

 さあ,あと3年使うか。

現実逃避に測定環境の改善プロジェクト

  • 2016/08/29 16:16
  • カテゴリー:make:

 ちょっと現実逃避したくて,簡単な改造と修理をやってました。

・周波数カウンタHP53131Aの主電源スイッチ増設

 先日,GPSDOが完成し,高精度な基準クロックを突っ込まれることで,ますますその制度に磨きがかかった周波数カウンタの標準器,HP53131Aですが,こいつの最大の問題は,常時電源が入っているということです。

 基準周波数の生成用に,標準で入っている水晶発振器もそうですし,特にオプションのOCXOを入れた場合には必要になるのですが,周波数が安定するには常時通電の必要性があります。HP53131Aも当然のように,電源スイッチをOFFにしても,発振器には常時給電が行われる仕組みです。

 と,ここまではいいんですが,そのための仕組みがまた大げさで,20年ほどの前の大きな(しっかりした)主殿減容のスイッチング電源から12Vと5Vを常時給電用に引っ張り出しているので,空冷用のファンがずっと回っているのです。

 ですので,電源スイッチをOFFにしていても,10W近い電力を消費しているのは間違いないと思います。

 すでに内蔵の基準周波数は使っておらず,GPSDOからの入力を使っているのですから,この常時通電は全くの無駄です。そのGPSDOが5Wくらいで常時運転しているのに,なにが悲しくて10Wも電気を食わせにゃいかんのか。

 かといって,いちいちAC電源を引っこ抜くのも美しくありません。

 海外には,フロントの電源スイッチを改造し,AC電源を切断するスイッチにしてしまう人もいるのですが,私はそこまで大げさなことをする気はありません。さてどうしたものか。

 考えたのは,リアにある,オプション増設用に用意されている丸穴を別のスイッチの取り付けに使うことです。そしてこのスイッチで直接AC電源をON/OFFします。ACコードを引っこ抜くのと同じ効果が期待出来ますし,背面ですから邪魔になりません。改造前に戻そうと思えば,いつでも戻せますし。

 とはいうものの,AC周りを改造するので安全性には気を遣わねばなりません。配線もそうですが,スイッチにもAC100Vを扱う事の出来るしっかりしたものを選ばないといけません。

 私の場合,真空管のアンプを作るためにいくつか買ってあった,2回路の大きめのトグルスイッチが見つかり,大きさ,スペックともばっちりだったので,これを使うことにしました。ミヤマの,えーっとなんだっけな。

 改造は,ACインレットからの配線をN側もE側も両方ともスイッチにつなぎ,ここからスイッチング電源に繋ぐという簡単なものです。

 簡単ですが,効果は絶大です。背面の廃熱ファンは低騒音の物に交換してありますが,それでも止まるとシーンと静寂が訪れます。これはいい。ほんのり熱が出ているのも収まりましたし,24時間265日ずっと通電すれば,やっぱりスイッチング電源の寿命のことを考えてしまいます。

 フロントのスイッチだけで電源が入ることはそれほど重要なことではなく,周波数カウンタの精度はGPSDOで担保されているわけですから,アマチュアの測定環境としては理想的だなあと,改造に至った動機を再確認した次第です。

 HP53131Aを使っている方,この改造は簡単で効果絶大です。ただし,オプションのOCXOを内蔵している方は,これをやってしまうと精度が出ませんので,やめてください。


・安定化電源器AD-8724Dの出力スイッチ増設

 AD-8724Dという安定化電源を13000円ほどで買って便利に使っています。今は16000円ほどになっているようなので,安いときに買えて良かったと思います。

 この電源器,購入時にも現場でよく使われている旧ケンウッドのPA18シリーズと性能比較をやっていて,AD-8724Dの惨敗という結果を「安いなりの物」と結論しているわけですが,PA18シリーズにはあって,AD-8724Dにはないもののうち,特に不便だなと思うのは,出力をON/OFFするスイッチです。

 PA18シリーズを始め,まともな安定化電源には,必ずといっていいほど,出力をON/OFFするスイッチが用意されているものです。電源器から回路に配線した瞬間に通電してしまうなんてことは危険ですし,かといって最初に主電源を切っておき,配線後におもむろにONすると言うのも,主電源を入れた直後は,安定化電源の出力が安定せず,せっかく作った回路が壊れるかも知れないだけに,恐ろしくて出来ません。

 それで私は,出力端子に繋いであるバナナプラグをいちいち抜き差ししていたわけですが,通電してショートがわかりあわててプラグを引き抜いたなんてことは,日常茶飯事です。

 こうしてあわててぬいたプラグが,どこかに紛れてしまったとか,そういう面倒な事が何度もあったりして,やっぱりスイッチが欲しいなあとなったわけです。

 外付けのスイッチボックスというのはお手軽ですが,収まりが悪いです。これはやっぱり内蔵でしょう。

 回路構成を考えます。スイッチはやっぱり押しボタンがいいです。出来れば主電源投入後は前回の状態にかかわらず初期状態は安全のためにOFF,押すたびにONとOFFを繰り返すのがいいでしょうね。

 でも,そのためには,プッシュONのスイッチにフリップフロップ,そしてリレーが必要です。大した回路ではないのでやればいいんですが,現実逃避の簡単工作にしてはちょっと重いかなと,再考することに。

 なら,オルタネート動作のスイッチを選びましょう。初期状態が前回の動作を保っているので,主電源ONでいきなり出力が出てしまう問題はありますが,そこだけ気をつけるようにします。

 そうすると,リレーを使わずいきなりスイッチでON/OFF出来ます。とても簡単にできそうです。

 しかし,DC30Vで3A以上の,信頼性の高いオルタネートの押しボタンスイッチなど手元にありません。オルタネートでなければ,いい物があるんですけど・・・

 ないものを探しても,見つかりません。あきらめて,手持ちのオルタネートを見てみると,HP53131Aを修理した時に買った,小信号用のスイッチが出てきました。感触も大きさも悪くないので,これを使うように考えてみます。

 問題はまず,このスイッチは基板取り付け型でパネル取り付けは基板ごと固定しないといけないということです。基板を固定する仕組みが用意されているはずもありませんので,自分で何とか工夫するしかありません。

 よく見ていると,電圧調整のボリュームと,電流リミットのボリュームの間にスイッチを付けるのによい場所がありそうです。そして,電流リミットのボリュームの背面に基板をばちっとハンダ付けし,この基板にスイッチを付ければ,高さも場所も綺麗にまとまりそうです。

 問題は強度です。基板はスルーホールの両面基板を使い,これをたっぷりのハンダでがっちり固定します。これだけでは心許ないので,電圧調整用の多回転ボリュームに引っかけるような形で,太めの銅線を基板にハンダ付けし,この銅線をエポキシ接着剤でがちっとボリュームに接着します。よし,この作戦でいこう。

 パネルにはあらかじめ6.5mmの穴を開けておき,ハンダを溶かしながら慎重に位置決めをします。位置が決まったら接着剤で固定です。

 一晩経ったあとスイッチを動かしてみましたが,想像以上の剛性感があり,スイッチ操作も全く不安がありません。素晴らしい。しかし,もともと鈍くさい私の事ですので,パネルに穴を開けるときに化粧ステッカーにうまく穴が開かず,カッターで整えたところ,ますますいびつな形になってしまいました。この辺が素人丸出しです。

 さて,このスイッチは小信号用ですので,3Aなどとんでもありません。そこでリレーです。5Vが電圧計用に出ている事が分かっていますから,5Vで動作する小型のリレーを引っ張り出します。

 定格をみると,30Vで2Aでした。2回路あるので並列に繋げば3Aくらいいくだろうと,さっさと配線です。出力端子が付いている基板は適当にパターンカットをし,電圧計が常に動作するようにしておきます。LEDも付けましょう。

 さて完成です。案外うまくいき,出力は綺麗にON/OFF出来るようになりました。確かにオルタネートは面倒で,初期状態でOFFになってくれると便利だとは思いますが,これは仕方がありません。

 負荷をかけて,電圧計の指示がどれくらい狂うかも見てみました。リレーには接触抵抗がありますので,ここで電圧降下があります。内蔵の電圧計はリレーの手前に入っているので,実際の出力電圧とは,この電圧降下分だけずれてしまうことになります。

 確かに,リレーの後ろに電圧計を入れるというのも手ですが,これだと出力をOFFすると0Vになってしまい,電源を入れる前に電圧を設定出来なくなります。

 とまあこんな理由でリレーの手前の電圧を表示することにしたからには,どのくらいの差があるかを把握する必要があります。調べて見ると,数十mA程度では0.1V以下なのですが,2Aほど引っ張ると0.2V以上のズレが出ます。

 配線の抵抗まで含めて100mΩとすれば,2Aだと電圧降下は0.2Vです。リレーのスペックによると100mΩ以下とありますので,まあこんなもんではないでしょうか。

 でも気持ちが悪いですから,あまり活躍の機会がないケンウッドのDL-2050をAD-8724Dの電圧監視専用にあてがうことにしました。電源の電圧というのはとても大事な情報ですので,DL-2050の電源を入れるだけで電圧がぱっと表示されるよう,配線済みにしておくのは非常に助かるはずです。

 これで大幅に実験の環境は改善しました。

 ところでリレーの並列接続ですが,気になって調べたところ,禁止事項になってました。2回路のリレーでも,同時に接触するとは限らず,片側だけ接触している時間に大電流が流れてしまうのでまずいんですって。

 特に今回の使い方だと,電源投入時の突入電流が流れるでしょうから,ここは潔くパワーリレーに交換した方がよいでしょうね。接触抵抗も50mΩくらいになるものも,あるようですし。



・カード型テスターMT2000のレストア

 25年ほど前に1000円ほどでかったテスターで,当時私の弟が,ゲーム基板の収拾にのめり込み,電圧のチェックやハーネスの断線確認をするのに便利だろうと,プレゼントしたものです。

 ところが弟はこれを全く使わず,いつの間にやら私の所に出戻ってきたのですが,その後は車のメンテキットの一員として,長くバッテリーの電圧を測ることをしてくれていました。

 私が車に乗らなくなってしまい,活躍の場がなくなってしまったこのMT-2000というテスターですが,精度は先日標準電圧発生器で確認したとおり,そんなに悪くはありません。もともと3.5桁のテスターですから,精度を期待しても仕方がありませんし。

 最近は,安全性に関する規制が厳しくなったこともあり,どのテスターも感電防止のためにごっついんです。本当にカード型と呼んでいいような,小型で薄いテスターは安全性をうるさく言われることのなかった,この時代特有のものだといっていいでしょう。

 ということで,レストアです。

 フルークで使っていたテスターリードのバナナプラグがこわれてしまったので,棒の部分だけ使おうと思って取ってあったものを引っ張り出し,MT-2000にあてがいます。

 MT-2000を分解し,ロータリースイッチの汚れをアルコールで拭き取り,グリスで動きを滑らかにします。リードを付け替えて,フタを閉じるだけです。

 お,使い勝手がかなり向上しました。これならバンバン使えるんじゃないでしょうか。

 4.5桁以上で,更新周期が0.2秒以下の最近のテスターになれてしまうと,こういう旧式のテスターはしんどいものですが,昔はこのくらいのテスターでなんでもこなしていたんですよね・・・

 
 とまあ,3つの工作をさくっと済ませた土日でした。簡単な割には満足度の高い改造だったわけで,これが現実逃避でなかったら,どんなに素晴らしい事か。


子供用MP3プレイヤーを作る[その2]

  • 2016/08/23 14:37
  • カテゴリー:make:

 昨日の続きです。

 スピーカーの端子に基板をハンダ付け,意外にもがっちり固定できて気をよくした私は,そのまま配線を処理していきます。

 2芯シールドでMP3基板からボリュームまでを配線,ボリュームでモノラルにするためにLとRをくっつけ,そこからは単芯シールドでアンプに引っ張り込みました。

 LEDはピンク色(というか赤紫ですね)にしたのですが,これが非常にまぶしいため,抵抗をシリーズに入れて輝度を落としました。

 電源は昨日書いたように単三ニッケル水素を2本で使います。電池ケースを配線し,試しに電池を入れてみると,ちゃんと音が出ました。シールド線を使い,きちんとGNDの配線も行ったので,ボツボツいうノイズなども聞こえなくなり,一安心です。

 ボタンも問題なく動作していますし,定電圧化で気になっていた出力の低下も問題なさそうです。

 かなりよくまとまっているのですが,残念なのはやっぱりブリキの缶の剛性のなさで,スピーカーと電池という重量物を支え切れていない感じがしますし,ボタンを押せばたわみます。

 加工時に変形してしまったこともあり,見た目も悪く,なんというか,子供の工作のような貧相な感じになってしまいました。アルミのケースでぴしっと作れば,こんなみすぼらしい感じにはならないんですけど・・・

 でもまあ,今回は,鯉のぼりの空き缶で作るというのがコンセプトです。もし,ケースが駄目になったら,似たような形のしっかりしたプラケースにでも移し替えましょう。

 さて,実際に使ってみて思ったのですが,この薄い鉄板で出来た空き缶,確かに音を出すとビンビンと響いて音が濁るのですが,それでもなかなかしっかりとした音を出してくれます。安物のラジカセや,アクティブスピーカーのようなかまぼこ形の音ではなく,割にフラットで好ましいです。

 アンプの素性の良さもよく分かり,全体にきめが細かく,特にボーカルのスムーズさやベースの腰の強さには,ちょっと感心しました。

 電流はうるさくない程度の実用的な音量で,ざっと110mAです。2400mAhのニッケル水素だと,20時間ほど連続で動く計算です。まあ,なんとか実用レベルと言うところでしょうか。

 あとは,お好きなMP3ファイルを突っ込むだけです。娘は,ホネホネロックとパタパタママが大好きなのでこれは外せませんが,あとは嫁さんに頼んで,揃えてもらうことにしましょう。

 4歳の娘が初めて手にした自分だけのオーディオ機器が,父親の自作品というのも可愛そうな気がしますけど,モノラルでMP3で電池駆動でアナログボリュームってのがなかなか世の中にないんだから,まあ仕方がないでしょう。

 彼女が本当に自分で欲しいと思ったオーディオ機器が現れるまでの間(あるいは興味を示さなくなって使わなくなるまでの間),使ってもらえればそれでよいことにします。

 

子供用MP3プレイヤーを作る[その1]

  • 2016/08/22 14:31
  • カテゴリー:make:

 少し前の事ですが,5月のこどもの日の頃に,鯉のぼりのイラストが描かれたお菓子の空き缶を手に入れました。

 大きすぎず小さすぎず,手頃な大きさだったので「MP3プレイヤーでも仕込むか」などと話していたのですが,子供が大きくなり,自分で音楽を聴くという事に興味を持ち始めたこともあり,作ってみることにしました。

 対応フォーマットは使うMP3プレイヤーモジュールによって決まりますが,そんなにこだわっても仕方がないので,MP3のCBRに対応していればいいとしましょう。

 出力はモノラルで十分だと思いますが,それなりにしっかりしたいいフルレンジスピーカーを搭載したいです。

 アンプもモノラルでいいわけですが,電池駆動で1Wくらいを出したいと思うので,そうすると自動的にBTLのアンプになると思います。

 操作系ですが,これもモジュール次第になりますけど,出来るだけシンプルにいきたいです。ボタンは再生/停止,送りと戻しの3つで十分ですし,音量調整はアナログのボリュームでグリグリまわすものがいいと思います。

 表示もLEDが1つだけあればそれでいいです。

 電源は乾電池で,単三が4本の6Vでいきましょう。

 このくらいの緩い目標を決めて,部品集めです。

 自作がちょっと大変なMP3プレイヤーは,まだ現在の店舗に移転する前のaitendoに友人と出向いた折,その友人のオススメで安価に買ったものが手元にあります。MP3-SB16という型番のもので,今でも500円くらいで買えるようです。

 正直,今さらMP3というのもなあ,と思いますが,MP3くらいだからこそ,緩い工作が出来るというものです。

 ところでこのモジュール,電源は5V単電源です。またストレージはUSBで繋ぎますので,消費電流がどのくらいになるかはUSBに繋がったメモリ次第ですので,ちょっと見積もりにくいです。

 次に,またまた重要なスピーカーです。大きさが6cmから7cmくらいで,いい音のするフルレンジって案外ないものなんですが,随分昔の「大人の科学マガジン」で手に入れた,7cmのフルレンジスピーカーキットが1つ出てきたので,これを使います。

 スピーカーキットといえば,スピーカーユニットはすでに完成していて,これを入れる箱を作るというのがおきまりだったのですが,この学研のキットはスピーカーユニットを組み立てるキットで,フォステクスが作っていました。

 当時の私は驚いてしまい,思わず2つ買ってしまったことを覚えています。

 1つはキッチンにおいてあるFMラジオの高音質化で使い,もう1つ残っていた物に今回出番が回ってきたというわけです。ホワイトコーンでなかなかいい音がしそうな外観なのですが,接着剤のはみ出しもあり,とっても手作り感あふれるものになっています。

 次,アンプです。BTLでいくと決まっていますが,どんなICを使うか迷うところです。HT82V739は部品点数が圧倒的に少なく,抵抗は全く外付けを使いません。それでいて安く,音質にも定評があります。しかもトラブルがなく,一発動作できます。

 これにしようかなと思って部品箱を眺めていると,NJM2073Dが腐るほど出てきました。ステレオの小型アンプとしては定番で,確かBTL接続も可能だったはず。,もったいないから,これを使ってみましょう。

 ということで,まずはアンプの製作です。いくらモノラル,いくら子供用とはいえ,あまり程度が悪いものは避けたいところです。

 BTLで1W程度を出す回路をデータシートで確認すると,なにやら部品が一杯ついています。もともとNJM2073Dはゲインが高く,負帰還をかけてゲインを下げて使うことも普通に行われています。

 しかし,負帰還をかけることで発振しやすくなり,その対策にあれこれと部品が追加しなくてはいけません。今回はお手軽工作ですので,発振対策やノイズ対策に時間をかける暇はありませんので,データシートの通りに作ります。

 一応完成したのですが,まずサーッというノイズが大きくて,話にならないです。また,MP3再生中は0.5秒おきくらいにボツボツという音が出ていて,とても耳障りです(なおこのボツボツはアンプのせいではありません)。

 また,随分歪みっぽい音がして,聞いていて楽しくありません。1kHzの歪率を測定すると,0.1Wから1Wくらいまで,ほぼ全域で4%を越えています。

 波形を見たいのですが,BTLなのでオシロを繋ぐことが出来ず,方サイドずつ対GNDでみてみたところ,たくさんのノイズが乗っていて,。波形も崩れているのがわかります。

 とりあえず発振は対策で止めましたが,ノイズの多さと歪みの多さは無視できず,これを真面目に検討する時間もないので,NJM2073Dはもうあきらめました。

 そして本命,HT82V739を試してみます。回路は本当に簡単で,設計もなにも,指定通りにコンデンサを2つ繋ぐだけです。そして音を出してみると,これがまたなかなかいい音でなってくれます。測定すると1Wくらいまで0.04%以下の歪み率です。S/Nは70dBほどで,NJM2073に比べると10dBほど良い数値です。それでも70dBですから,ラジオ並みですが・・・

 これでMP3とアンプ,そしてスピーカーは揃いました。あとは電池です。ニッケル水素電池を4本使うと,5.5Vくらいから4.2Vくらいまで出てきます。アンプはどの電圧でも動作しますし,MP3プレイヤーは4.2Vを下回ると動作しなくなりますから,バッテリー直結でもいいだろうと,このまま先に進めます。

 ところが大きな落とし穴です。単三4本を電池ケースにいれてブリキの缶に入れ,スピーカーと取り付けた蓋を被せても,スピーカーが電池にぶつかってしまい蓋が閉まりません。

 単三2本の電池ケースを2つ使ってあれこれと配置を考え,ようやく蓋が閉まるようになりましたが,そうするとボタンもボリュームも置けませんし,そもそも基板を置く場所がありません。

 単四にしても,そんなに状況は変わらないでしょう。そもそも電池ケースが手元にありません。

 詰みました。

 5分ほど考えて,これはもう,電池を減らすしかないという結論に達しました。単三2本に設計変更です。

 電池電圧が1.1Vから1.4Vまで変動するとして,アンプは動作電圧範囲ですから,直結でよさそうです。ただし出力が300mW程度に下がりますので,音量不足が心配です。

 次にMP3プレイヤーですが,これは全然動作しません。そこで昇圧回路を入れる事にします。昇圧型のDC-DCコンバータをブーストコンバータと言いますが,これは部品点数も多く,アマチュアには鬼門であるコイルが不可欠で,しかもコイルの性能と選択で成否がくっきりわかれます。部品屋さんでもコイルはなかなか選べません。

 当然スイッチングレギュレータの1種ということになるので,ノイズも多いし,使いこなしが難しいものですので,市販の電蓄銅製品の大半に入っている割に,電子工作の世界ではあまり目にすることがない不思議な回路でもあります。

 ですが,ここ数年でとても手軽なブーストコンバータ用のICが安価に手に入るようになりました。かなり適当にコイルを選んでもそれなりの効率が得られる優れものです。

 HT7750Aというがそれです。トランジスタと同じ3本足のTO-92に入っており,外にはコイルとショットキーダイオード,コンデンサ2つだけ取り付ければ,もうブーストコンバータの完成です。

 大きな電流は取れませんが,それでも200mAまで引っ張る事が可能で,CMOSであることからIC自身が動作するための電流が小さく,PFMであることから小電流出力時のロスが小さくなっていますので,特に低消費電力機器での使いやすさが売りです。

 私も数年前にこれをいろいろ検討しましたが,効率85%はウソではなく,以前評価したときは入力電圧が3Vから4.5Vまで,ほぼ全域で85%以上の効率をたたき出していました。(出力電流は30mAです)

 90%以上を目指すには,スイッチングのMOS-FETに性能の良いものを使い,かつ回路もな同期整流というものを使う必要があるのですが,価格も上がるし,回路規模も大きくなります。

 ですが,HT7750Aはこの価格でこの使いやすさで85%ですから,アマチュアにはうれしい選択肢です。

 早速作ってみましたが,あっという間に電池2本から5Vが生成できました。MP3プレイヤーに供給し,3Vでスピーカーから音楽を鳴らしてみたのですが,全く問題なしです。

 確かに,最大出力は下がります。しかし,もともとそんなに大きな音を出すようなものではありませんし,3V駆動でも実用上全く問題にはならないと思います。

 さて,次は実装です。

 アンプを作ったときに,少し大きめの基板に作り,余った部分をあとで切り取る予定でした。しかし,これだけスペースがきついと,基板を置く場所もよく考えないといけません。

 そこで,基板を立てて,スピーカーの端子を基板にハンダ付けすることにしました。マグネットを避けるように,基板の両端にアンプとブーストコンバータを配置します。

 さらに,MP3プレイヤー基板をこの基板と直交するようにアルミでアングルを作り,2枚の基板がL字になるように固定します。

 そしてこれをそのままスピーカーの端子にハンダ付けすると,見事にスピーカーの周りに基板が差し込まれたようになります。これで基板の置き場所を新規に確保する必要はなくなりました。

 ここまできたらしめたものです。ボタンを3つ,LEDを1つ,スイッチ付きのボリュームを1つ用意し,蓋に穴を開けてそれぞれ取り付けていきます。ブリキの缶は柔らかく,加工している間に変形したりして大変なのですが,文句を言っても始まりませんので,少し大きめの穴を開けては,接着剤で固定してなんとかしました。

 蓋にスピーカーや基板,スイッチまでも取り付けられたので,電池の交換やファイルの追加などメンテも楽ちんになりました。電池はスポンジに来るんで中に転がしておけばいいでしょうし。

 ということで,長くなったので続きは後日です。

GPSDOで手に入れる高精度クロック[その後]

  • 2016/08/19 15:24
  • カテゴリー:make:

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 GPSDOが動き始めて1週間ほど経過したある日,ステータス表示のLCDに表示されている時計が,思いの外便利である事に気が付きました。

 と同時に,見にくいのでごうしても目をこらす必要があり,不満が募ります。

 実は,当初からLCDにバックライトを用意することは考えていました。しかし,AQM1248Aにバックライト付きのものは売られていませんし,あれこれ試すのも面倒だったので,とにかく完成させることを優先しました。

 ですが,一度チャレンジしようとしたことは,目の前の問題が片付くと気になり始めるものです。せっかくここまで頑張って作ったのだし・・・

 いっちょやるか,バックライト。

 ということで,AQM1248Aにバックライトを装備します。

 市販品はありません。手元の材料を使って,切った貼ったすることになります。

 簡単に済ませるには,現在のLCDと基板の間に挟んである3mm厚のゴムシートを取り外し,そこに同じ厚みのバックライトを挟み込むことです。ただし,このゴムシート,LCDの位置決めに使った関係もあり,基板とLCDのそれぞれの面を両面テープでくっつけてあります。

 カッターを差し込んでゴムは取り外せました。ちょうど3mmほどの隙間がLCDの裏側に用意出来ました。

 次にバックライトです。以前,aitendoで特価していたセグメントLCDが壊れてしまったときに,そこに使われていたバックライトユニットの部品を残してありました。

 導光板と呼ばれる透明なアクリルの板の端っこからLEDで光を入れ,面光源にするのがバックライトの役割なのですが,この導光板,単なる透明アクリルのように見えますが,一応光学樹脂ですので透明度は一般の物より高いですし,傷もありません。反射面には白いドットが印刷されていて,サイドライトのLEDの光を,均一に広げるようになっています。

 導光板の端面には丁寧に白い反射シートがぐるっと貼られていて,入ってくる光を無駄なく均一に広げる工夫がなされています。

 そしてLCDと接触する面にはトレーシングペーパーのような拡散シート,反対側の面には真っ白な反射シートが用意されていて,ムラのない,そしてバックライトの色が変化しないように配慮されています。

 実は私,今簡単に「~シート」なんて来ましたが,ここって特許とノウハウの塊になっていて,ただザラザラになっているだけの表面も,顕微鏡で見れば複雑な形状になっていたりしますし,ただ拡散するのではなく指向性を設けて正面方向の輝度を上げたりと,シートそのものが高い機能を持っています。

 シートを挟むと,輝度が上がるんですよ。不思議でしょう?

 20年ほど前は小型の液晶に見られたこれらの工夫は,現在の大画面LCDテレビの高画質化を支えています。

 話がそれてしまいましたが,導光板をLCDの大きさに切り出し,これにあわせてシートも切りそろえて一式揃えます。

 そして,白色のLEDを点灯させて,導光板の横から光を入れます。これをLCDの裏側において,どんな見栄えになるかを確認します。

 ・・・全然光っていません。暗いままです。

 それもそのはず,このLCDの裏側には,反射シートが貼られていて,裏側から照射された光が出てこないのです。

 AQM1248Aは全反射型といいます。外光を100%反射して,LCDを表示させています。これに対し,透過型というLCDもあります。これはLCDの反射シートの代わりに拡散シートを置き,バックライトの光を100%使うものです。バックライトが消えると表示が全く見えません。

 この中間の半透過型というものもあります。バックライトの光も通しつつ,外光も反射するタイプなので,明るいところではバックライトを消して消費電力を低減できるのですが,どちらの見栄えもいまいちで,最近はあまり見なくなりました。

 で,このAQM1248Aにバックライトを装備するなら,現在の反射型から透過型,あるいは半透過型にLCDそのものを改造しなくてはなりません。

 うーん,LCDの裏面の反射シートは,シートと言うよりシールになっていて,剥がしてしまうともう二度と使えません。シートを新しい物にしても,気泡なく綺麗に張ることは至難の業で,果たして剥がして良いものかどうか悩みます。

 そんな風にあれこれといじって考えているうちに,今回はもうやめよう,そのうちAQM1248Aにバックライト搭載タイプがでるだろう,そうなったら交換すればいいよ,とやる気がなくなってしまいました。

 もとに戻そうとLCDをよく見ると,なにから黒い割れ筋が入っています。

 あー,割ってしまった!

 慌てましたが,もう遅い。どうもゴムを外したりあれこれを試行錯誤をしている間に割ってしまったようです。電源をいれてみますが,残念な事に一部しか表示が出てきません。それもそのうち出てこなくなりました。完全に壊してしまいました。

 ううう,1つ450円もするのに。しかも,位置決めと取り付けに手間も時間もかかったのに。

 嘆いていても仕方がありません。とりあえずLCDを外してしまいます。そしてえいやっ,と反射シートを引っ張って剥がします。

 さて,この状態で先のバックライトを重ねてみますと,懸念していたバックライトの模様がLCDの向こうに見えたりすることもなく,案外綺麗に光ることが分かりました。

 この反射シールは剥がしてしまってもよさそうです。

 そこで,新しいAQM1248Aを早速改造します。実はLCD改造の前に,LCDの交換を住ませてしまったのですが,一夜明けて考え直すとバックライトの目処が立ち,もう一度LCDを取り外したのでした。

 反射シートを剥がしたLCDの裏面にノリが残っているのが嫌だったのでアルコールでさっと拭いてみると,しゃーっと細かい傷が入ってしまいました。やわですね。偏光シート。

 バックライトにいい感触を感じたので,このまま基板にハンダ付けして固定です。暫定で通電し,バックライトも点灯させて,綺麗に光ることを確認しました。自分でもうまくいったので驚いているくらいです。

 こうなると,LCDの外周と表示エリアの間に,額縁をおきたくなります。適当な額縁がないかとあれこれ探していると,先日発売になったWiredの最新号の裏表紙の広告が良さそうです。

 うまく外見を切り出し,内側を抜いて,完成です。

 LEDは3mmの砲弾型の頭をニッパーで切り取り,面で接触するようにしました。また,ムラが気になるので,表示エリアよりも随分下の方にLEDをおきました。3.3Vを電源にし,47Ωの抵抗を直列に入れます。およそ10mAくらいで光らせている感じですね。

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 おー,随分見やすくなりました。手間はかかったけど,なかなかいいじゃありませんか。

 そうすると今度は,右隣のメーターにもライトを仕込みたくなるものです。アナログメーターですから,ここはやはり電球色のLEDでしょう。メーターの一番下,コイルやマグネットの入ったケースの下側にLEDをおいて光らせてみると,これがまたいい雰囲気なのです。

 今度は100Ωの抵抗をいれて光らせます。ざっと5mAほどですかね。部屋を暗くすると,ぼやーっと光っている感じなかなかよいです。

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 さて,こうしてLCDもメーターも,見やすく格好良くまとまったところで,本当にこれで完成です。昨日から24時間運転に入りました。

 最初に完成してから2週間以上経過していますが,ここからは「使う」ことがメインになることでしょう。もっとアナログ部分で苦労するかと思っていましたが,動いてしまえば案外簡単だったなあと,思います。

 GPSDOは,手軽に,低コストで,維持管理をほとんど必要としないで,高精度なクロックを手元に置くことが出来る,アマチュアには非常に好都合な装置です。今や電圧も音質も,クロックの精度に左右される時代です。高性能な周波数カウンタをお持ちの方なら,1台作るととても安心ですし,測定も楽しく,見えない物が見えてくるようになります。

 興味が少しでもある方は,ぜひ自作してみて下さい。

 

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