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うちの近鉄を今どきのものに

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 さて,グリーンマックスの動力ユニット全車更新にしっかり反省したので,新車の導入です。ちょうどよいタイミングで再販された近鉄の新しめの車両が手に入ったので,これをDCC改造です。

近鉄6820系・・・シリーズ21の南大阪線仕様のものです。1編成2両だけが投入され,以後はどんどん古くなった6020系を淘汰していくのかと思いきや,一向に数が増えずに20年近い時間が流れています。せめて塗装くらいは新旧どちらかに統一すればいいのになあと思ったりします。
 どういう訳だか,私が帰阪したときには決まってあべの橋発藤井寺行きの普通電車に充当されているので,私は一度も乗ったことがありません。
 なので模型も買わずにいたのですが,ちょうどいい機会なので再販された9020系をベースに,6820系にしてみました。細かいところはわかりませんが,シリーズ21は全車共通の車体だと聞いたことがあり,それをなんとなく信じた結果です。
 動力ユニットは最新のコアレスモーター仕様,ここに新たに作ったワンコインデコーダを搭載します。非動力の車両もライトを点灯させたいので,モータードライバを省略したデコーダを小さく作り,ライトユニットと一体化して搭載します。
 ボディマウントTNカプラーは搭載不可となっているのですが,そんなことは気にしないで取付位置を細かく調整して搭載しました。
 ここまでやったらもう室内灯も欲しい所です。2両編成ですので費用負担も大きく内という事で,いつの間にやら出ていたグリーンマックス純正の室内灯を取り付けます。これ,へんに導光板を使わずLEDの多灯点灯を使っていますので,明るいし薄いし,思った以上に気に入りました。

近鉄16600系・・・16400系はウソ改造を行って配備しているので,ここは1つ16600系を導入しましょう。ちょうど再販されたものが手に入ったので,早速DCC化です。とはいえ,6820系と手順は同じで,一気に室内灯まで取り付けて終了。ウソ改造の16400系と並べてみると,模型そのものも完成度が上がっているんだなあと思いました。


 ということで,現在のうちの線区には,6820系と6400系の4両編成と,16400系の2両編成が走っています。コアレスモーターのスムーズな走りと,ヘッドライトとテールライトがよい雰囲気を出してくれていて,ニッチな車両を出してくれるのはいいが今ひとつクオリティがなあというグリーンマックスの弱点が,随分解消しているんだなあと思いました。

 でも,価格は随分高くなっています。グリーンマックスといえば貧乏モデラーの強い味方だったのですが,2両編成でなければ手が出ないほどに高価になった車両を見て,ちょっと続けられないなあとも感じました。

 別に,グリーンマックスが路線変更を行ったわけではなく,相変わらずエコノミーキットも再販してくれていますし,パーツの販売も積極的です。こうして幅広いモデラーの期待に応えてくれるのは,私は良いことだと思っています。

 

グリーンマックスの大改修

 私鉄,とりわけ近鉄や東急という私に馴染みのある車両の模型は大手の完成品ではなく,グリーンマックスのキットで具現化することが,太古からの習わしとなっています。

 というと大げさですが,今でこそカトーやトミックスから私鉄車両が出るようになっていますが,特に通勤車両についてはグリーンマックスのキット一択だった時代も長かったのです。

 それも,ズバリそのものではなく,近似した車両のキットを改造して「なんちゃって」で再現したりと,一工夫も二工夫も必要で,それがまた面白さの1つでもありました。

 思うに,鉄道模型というのは,非日常への羨望が,動機ではないかと。

 普段使うことがない長距離特急に人気があるのはそれが理由で,日常の足となる原液の通勤電車にはそれほど人気が集まりません。しかし,それが世代交代で過去の車両になると話は変わってきて,101系や201系,あるいは115系といったあたりに懐かしさを感じる人も多いでしょう。

 つまり,乗る事が難しいものほど人気があるという事です。ただし,それもその存在を正しく認知しているというのが前提です。知らないものは乗りたいと思えません。

 この点で,"現役"の"私鉄"の"通勤電車"という三重苦は,誠に不人気極まりないわけです。

 それでも,鉄道に興味があって足として使う鉄道には,一定の興味や関心がついて回るもので,それをなんとか自分の箱庭で再現したいと思うのは自然な感情でしょう。10年経ち,それらが現役を引退すると,懐古まで加わってさらに魅力が増します。

 私もかつて作った東急の8000系や8090系,近鉄の6020系や6420系は,当時の技術の未熟さから満足な仕上がりではないにせよ,雰囲気と当時の熱量を伝えるには十分だと思っていて,完成品よりも愛着が沸いています。

 そんなグリーンマックスのキットですが,動力車のモーターが不調で,メンテをした話をここに書きました。今は復活しているのですが,いつ壊れるかわからないので出来れば新品の動力ユニットに買い直しをしたいところです。

 しかし,グリーンマックスの動力ユニットは世代が変わっています。かつての社内を埋め尽くすようなごっつい動力ユニットは廃止され,今は室内が見える低床のもので,フライホイールのみならずなんとコアレスモーターまで搭載している最先端のものです。

 動力ユニットのみとはいえ,それなりに高価なものなので全部を交換出来ないと思っていましたが,22000系(改造して16400系)の2モータ仕様の動力ユニットだけは,交換したいと思っていました。

 早速注文,届いた21mm級の動力ユニットは今どきの薄型ですが,とても軽くて牽引力はあまり期待出来そうにありませんでした。

 分解はとても簡単で,構造もシンプルです。また,ギアは台車側に密封されていますので,ゴミやホコリに強いだけではなく,台車を取りはず際に壊したりバラバラになったりすることもないでしょう。信頼性の確保にはとても良い工夫です。

 新しい動力ユニットは,台車と床下機器が別売りになっていて,ユニットそのものは汎用性が高くなっています。しかし裏を返すと,台車と床下機器が発売されていなかったり,売り切れていたりするともうお手上げです。

 そこで22000系の床下機器と台車枠を探したのですが,ぴったりのものが見つかりません。入手することは可能だったようですが,今簡単に手に入るかものではないみたいです。

 そこで,ちょっと残念ではあるのですが,もとの動力車から移植を考えます。当然元の動力車は再利用できません。

 肝心のモータはコアレスモータです。コアレスモータにしては大型で,トルクもしっかりあります。

 まず床下機器ですが,これは加工せず,そのまま新しい動力ユニットに接着できそうです。

 問題は台車枠です。これは元の動力ユニットの台車から切り取って,新しい台車に接着します。この場合,前述のように元の動力ユニットは使えなくなってしまいます。それだけではなく,接着による強度の問題に加え,台車枠を取り付ける事によってしっかり固定される集電金具がグラグラして集電不良を起こしてしまうので,その対策も必要です。なにより,そんなに器用に台車枠を切り取れるのかどうかもわかりません。

 幸いなことに,切り取りは上手くいきました。車輪のピボットを納める集電金具の膨らみが入り込む内側のへこみもドリルでさらって作りました。

 今回は台車側に0.4mmのプラ板を貼り付け,かさ上げしたところに台車枠を接着して完成させましたが,やはり集電の問題が出てしまいました。そこでペンチでカシメ手動かないようにして,安定した集電が出来るようになるまで調整を繰り返しました。

 そうそう,うちはDCCですので,自作したワンコインデコーダV6を搭載します。両面に実装した超小型のものを運転席のすぐ後ろあたりに立てて取り付け,ヘッドライトとテールライトもデコーダから配線します。

 それから,この際ですのでワンコインデコーダからモータードライバを省いたファンクション専用のデコーダをさっさと作り,これを後部側の車両にも搭載しました。モータードライバICが110円ですので,400円ほどでファンクション専用のデコーダが出来上がったことになります。

 ということで,とりあえず22000系は更新工事が完了。コアレスモーターはDCCとは相性が良く,超スローな運転も可能ですし,静かでスムーズです。フライホイール付きですので加速率を設定出来ないワンコインデコーダでも問題はなく,とても好印象です。

 この印象の良さによって,私はグリーンマックスの車両の更新工事を全車輌にすることを決断しました。

近鉄6020系冷房なし旧塗装・・・台車枠はKDタイプ,しかし床下機器は該当するものがありません。そこで元の動力車から移植を考えるも,大きさが異なるためそのままでは取り付けられません。そこで切って削ってを繰り返し,どうにか上手く取り付ける事が出来ました。


近鉄6020系冷房改造新塗装・・・旧塗装の6020系と同じな訳ですが,そもそも旧塗装の床下機器が実車と同じかどうかと問えば,どうもそれはウソのようです。もともと車体が同じという前提で2410系のエコノミーキットを流用しているので,床下機器は6020系のものではありませんし,やたらとならんだ抵抗器は2410系としてもエラーなんじゃないかと思います。
 そこで,ちょっと他の車両と食い違うのですが,台車枠と同梱されていた床下機器をそのまま使って見る事にしました。
 ところで,この4両もともと全部非動力で作ったものでした。旧塗装に連結したり動力ユニットを使い回すことを考えていたのですが,もうせっかくだからこの編成だけで自走できるようにしました。

東急1000系・・・かつての池上線を再現したものです。先頭車の動力ユニットを更新しますが,台車枠も床下機器も販売されていません。そこで,床下機器と台車枠も移植します。
 元の動力ユニットは2モータ仕様のものなので,床下機器はそのまま取り付け可能です。問題は台車枠ですが,今回はプラ板でかさ上げしなくても済むように,台車を切り離す時に,少し厚めに切り出して削って合わせ,直接接着しました。

東急8090系・・・これもエコノミーキットキットです。幸い専用の床下機器と台車枠セットが買えましたので,楽勝のはずでした。
3両目に動力ユニットを仕込んであったものを交換するだけなのですが,床下機器が全然違います。どうもこの床下機器は2両目もしくは4両目のパンタグラフのある車両用のもののようです。
しかし,実車とは全然違っているので,私はここで間違っているもので統一するか,1両でもいいから正確なものを使うかの選択を迫られました。ここは河口が面倒という理由で,後者を選択。
しかし,もともと動力ユニットだった3両目を4両目にしたので,3両目をトレーラにしなくてはいけなくなりました。この作業はなかなか面倒で,床下機器の交換が必要です。手間がかかりましたが,なんとか交換出来たので,DCCの配線を行って完成です。

東急8000系・・・これもエコノミーキットです。8090系と同じ方針でいくのですが,この系列は動力ユニットを最初から2両目にしてあったのでほとんど加工は必要ありませんでした。これは楽勝。

近鉄12400系・・・塗装さえしっかりやればぱっと見でばれないだろうと安易に考えて16010系に改造したものですが,屋根上や窓が全然違うので,ちゃんとした16000系が出た今となっては恥ずかしい作品です。塗装も未熟で人前に出せるものではないのですが,手間と時間をかけたので愛着はありこれも動力ユニットを更新しました。6020系と同じく台車と床下機器が問題になりましたが,もともといい加減な改造を行ったものですので,もう気にしないことにします。

近鉄6620系・・・動力ユニット付きの4両編成のキットだったのですが,これも動力ユニットを交換します。台車と床下機器の問題はマッチしたものが売られているので解決,問題なくスムーズに走っています。


 勢いで全車更新となったわけですが,いちいち正方形型のDCCデコーダを作ったりしているうちにえらい時間がかかってしまいましたし,お金もかかったように思います。

 古い動力ユニットも予備をあわてて手配したのですが,それも含めると結構な出費になりましたし,さすがにちょっと反省です。

DCCデコーダを手作りする

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 安価な製品の入手が現実的に難しい中,実質的に倍近い値段になってしまったDCCデコーダをなんとかしないといけないと,意を決してDCCデコーダの自作をやってみることにしました。

 かつて,海外のサイトで自作デコーダの回路とファームウェアが掲載されていて,私もこれを作ってみたことがありました。PIC16F84Aという懐かしのマイコンにディスクリートのフルブリッジを組み合わせてあります。

 PICは面実装品が手に入ったのですが,三端子レギュレータはTO-92の78L05でしたし,Hブリッジは配線ミスで火を噴いてしまい,面倒になってパワーオペアンプを使うことにしたせいで小型化できませんでした。

 動いたとはいえ,PWMの周波数が低かったらしく滑らかさな動作が出来ませんでしたし,結局高く付いたこともあって,1つ作っておしまいにしました。

 あれから15年,えらいもんですね,日本の方が実用になる小型のデコーダをちゃんと継続的に作ってらっしゃいます。多くのフォロワーがいて,実績もたくさんありそうです。

 私もこの回路とファームウェアを,そのまま利用させて頂く事にしました。

 こういう場合問題になるのは基板で,この方は親切に専用の基板を頒布なさっています。それでも部品代の合計が500円程度に収まるというのですから素晴らしいのですが,私の場合万能基板で手配線することが楽しく,それこそ電子工作の醍醐味と思っている変わり者なので,秋月電子で面実装用の万能基板も合わせて購入しました。

 20セットくらい作る事が出来ればと思ったので,ざっと10000円ほどの部品代を支払って待つこと数日,届いた部品を早速確認して,組み立てを始めます。

 基板を細長く切り出し,ここに4つの主要ICを並べていきます。ブリッジダイオードと三端子レギュレータが上手く配置できずに悩んだのですが,ブリッジダイオードを裏返してハンダ付けという禁じ手でしのぎました。

 基板を起こさず,万能基板で作るというのは手間がかかって大変ですし,ミスもしがちです。ですが,好きな大きさと形で作ることが出来るので,いわば車両ごとにカスタムメイドできます。

 ということで,部品を一列に並べた細長いものをまず1枚。少し小さく作って7枚,基板の切れ端を使って両面貼り合わせで超小型を2つ,正方形に近いものを3つ,合計13個を作ってみました。

 万能基板を使うと,パターンの面積を考えずに済みますので,場合によってはかなり小さく作る事も出来ます。写真にある超小型のものは電源で1枚,マイコンとHブリッジで1枚の基板を貼り合わせて作ったもので,これってDZ123よりも小さいです。

 長細いものでも片面ですので,DZ123の半分以下の分厚さです。Nゲージはスペースが厳しいのですが,特に隙間がないので,小さい事も大事ですが薄いことも大事です。

 注意しないといけないのは,ランドを一部剥がしておかないといけないことです。三端子レギュレータは背面のフィンと2番ピンが繋がっているので,背面にハンダが回ると予期しないところが繋がってしまいます。

 同じ事はHブリッジにも当てはまります。Hブリッジの底面には放熱のために金属が露出しています。ここはどの端子にも繋がっていないので放熱も考えてそのままにしていたのですが,2,3,6,7番ピンのランドにかかってしまい,ショートするという問題が発生して困ったことがありました。

 こういうICは放熱しないと性能を発揮しませんので悩んだのですが,上手くショートの方が深刻だと考えてランドを剥がすことにしました。

 で,電気的な性能ですが,Hブリッジにしっかりした保護回路があるので,ミスによって焼損することが今まで起きていません。これは助かります。

 小さいですが駆動能力も大きく,発熱も小さいです。LEDなら直接駆動出来るファンクション機能もあるそうです(私は使っていません)

 欠点は,まず加速率と減速率が設定出来ないこと。DZ123を含む多くのデコーダは,加速率と減速率を設定出来ます。私もこれをすべての車両で設定しているのですが,この自作デコーダは設定出来ないです。

 あと,BEMFが使えません。これはDZ123にもないので仕方がないのですが,EM13には搭載されている機能で,しかも効果絶大ですので,ぜひ欲しい機能です。

 そうそう,ちょっと気になる事があります。グリーンマックスの旧型の動力ユニットなんですが,どうもガクガク動いてしまうのです。3つある同じ製品のうち,1つは問題なし,1つは注油で改善,しかしもう1つはどうしても改善出来ませんでした。

 集電不良かと思って何度も磨いたりしたのですが,デコーダに直接電源を入れてもギクシャクします。

 モーターを直流電源に繋いでみればスムーズに回転するのでモーターの問題ではないでしょうし,DZ123にすれば綺麗に動くのできっとデコーダの性能なんだろうと思っていました。

 しかし,スムーズに動く動力ユニットもあるので,これはおかしいと考えて調べたところ,直流では上手く回るモーターも,PWMではギクシャクするものがあるとわかりました。

 試しにユニクリーンオイルをブラシに注油すると,ウソのようにスムーズに回り出します。モーターが汚れていて,高速回転では上手くPWMについて行けないのかも知れません。

 しかし,トミックスの旧製品のモーターで試すと,今度はユニクリーンオイルでもダメ。正常に回転する回転数がどんどん低下しています。

 そこで,パーツクリーナでモーターを洗浄してみたところ,かなり改善されました。PWMでは上手く回らないこともあるんですね・・・

 それと,やっぱりモーターに注油は御法度みたいです。綺麗に洗浄した方がずっと上手く回ります。モーターといえばミニ四駆で,あちらの世界では注油は普通に行われているようなのですが,おそらく数年もすると上手く回らなくなるんじゃないのかなあと思います。

 まあ,文句があるなら自分で設計せんかい,という話で,加速率も自分でソースをいじって書き換えようかと思ったのですが,ROMサイズに収めるのが大変そうでしたし,面倒だったのでやめました。

 ということで,DCCデコーダが500円で出来ました。DZ123である必要も,EM13である必要もない車両はこれに置き換えていこうと思います。これでデコーダの入手と価格の問題は,とりあえず解決です。

 

DD54とC57とDE10とキハ81とキハ181

 連休を挟んで,Nゲージの集中作業を行っています。ナンバープレートも取り付けず,DCC化も行っていない,購入したままの車両もいくつかあり,これを片付けてしまいます。

 DD54はカトーのブルートレイン牽引期です。Hゴムの後期型です。ポンつけできるデコーダもありますが高価ですので,DZ123を使うことにします。

 もともとのライト基板にDZ123を取り付け,天井の部分をくりぬいてしまえば完成です。ライトLEDに抵抗を入れ忘れて燃やしてしまったのはここだけの話です。

 後はカトーのキハ81とキハ181です。これはEM13とFL12を使えば無改造ですので,簡単に終わります。10年前なら手に入った安い室内灯は入手出来ず,倍の値段になったLEDタイプの室内灯を奢って,これらも完成です。

 さて,これで一段落かと思いきや,トミックスのC57とカトーのDE10(暖地型と寒地型)の3つが発掘されました・・・

 C57はテンダにEM13を組み込みました。EM13はファンクション機能がない代わりにBEMFがありますし,安かったので私は多用していたのですが,最近は値上がりと入手が難しくなっているので,大事に使わないといけなくなってきました。

 DE10は苦労しました。DZ123を使うのですが,キャブの下あたりを削って場所を確保するのが一苦労。配線をして完成したと思ってもキャブの組み立てに失敗したりして,なかなか大変でした。

 先に暖地型を片付け,次に寒地型を改造しますが,壊してしまったのか後ろのLEDが点灯しません。デコーダを交換して完成しましたが,壊れたDZ123の修理を試みてモーターの駆動回路も壊すという失敗をやらかします。

 その後頑張ってなんとかモーターの駆動と片側のLEDは復活させましたが,もう片方は点灯しません。どうもPICマイコンのポートを壊してしまったようです。

 DE10の寒地型は,手が滑って落下した時にスノープラウとステップを壊してしまいました。修理も接着に失敗してしまい,結局部品を買い直しました。

 さて,DZ123を3つも使うことになるので,これらを電車のモーター車に使っているDZ123から外して対応しました。電車ですのでファンクション機能は必要ありません。EM13で十分なのですが,旧製品の動力車はEM13もポンつけ出来ません。

 しかし,改造は比較的楽で,117系,キハ25,103系をEM13に交換しました。

 ただ,EM13も今や貴重品。ストックがそれなりにあるのですが,例えばグリーンマックスのキットの動力車などにEM13はもったいないですから,なんとか良い方法を考えなければなりません。

 そもそも,安いデコーダーが入手出来なくなっていますから,1両あたり5000円の予算を見込む必要があります。これは高い。

 EM13なら2000円でしたからね,なんとかしないといけないということで,考えたのが自作です。

 ということで,一気に電子工作の世界に突入です。以下次号。

温故知新のエコノミーキット

 ということで,久々に気合いの入った模型作りが終わってしまいました。やっている間は夢中になってやっているわけですが,終わってしまえばぽっかりと穴が開いたような気分になってしまいます。うう,模型ロスです。

 塗装の用意も残してありますから,ここはもう1つ,キットを作ってみましょう。

 実は自動車のプラモデルが4つほど積みプラになっているんですが,それはちょっと大変そうなのでパス。スーパースムースクリアーの練習も兼ねて,やはり鉄道模型を選びたいところです。

 そうなると,手軽に安く組めるキットとして長年親しまれているあれですね,そう,グリーンマックスのエコノミーキットです。

 あっけなく組み上がり,しかも安く,かつてはどんな模型屋にもぶら下げてあった定番キットですが,なけなしのお小遣いから,ガムもアイスクリームも我慢してひねり出した数百円で買ってきたキットをワクワクしながら組み立てた子どもたちが,出来上がった目の前のねずみ色一緒の小さな電車に唖然とし,しかも台車が別売りと知って奈落の底にたたき落とされるという,そんな経験をかつて味わったモデラーも多いんじゃないでしょうか。

 完成までは誰でもたどり着くものの,そこから先の完成度の向上はまさに底なしで,やってもやっても終わりが見えずまさにエンドレスです。

 作成例をゴールと置いてもなかなかそこにたどり着けず,あちこちに落とし穴が潜んでいます。うっかりしているとリカバー出来ないミスも出るので気を抜けません。

 私もかつて近鉄の車両をエコノミーキットで作りましたが,なかなか手強く,今見てみると恥ずかしいくらいの完成度です。

 今回はそんなに頑張らず,習作というくらいの気軽さで作ってみたいと思います。

 選んだのはオハ35の2両セット。1500円ほどで売られています。半切妻のものしか買えなかったのですが,これは予想通り,後に組み立てと塗装に手こずることになります。

 台車は別売りで2両分で1000円ほど。合計2500円で2両ですので,1両あたり1200円ほどとなりますが,特に台車の値段が上がったこともあって,これが安いかどうかはちょっと微妙になってきました。

 いやいや,模型作りというのは,作っている過程を楽しむ趣味です。金額の大小を論ずるのは野暮というものです。

 ということで早速作って行きます。板キットですのでランナーから丁寧に切り離し,ヤスリで綺麗に仕上げて接着。以上!でも,本番はこれからです。

 床下は説明書を見ながら部品を選んで丁寧に接着。細かい部品が多いので難しいです。

 一番の難関は屋根です。ベンチレータを取り付ける穴がなく,所定の位置にただ接着するだけのものですので,場所を決めるのがまず大変。作った2両でズレていたら格好が悪いですし,さらにいうとカトー製のオハ35とズレているのもみっともないです。

 この,カトー製のオハ35を基準に,実測して場所を決めて接着しました。しかし,ベンチレータもシャープさがなく,その甘さに時代を感じさせます。

 それぞれ別体で塗装してあとで組み立てることも考えましたが,屋根とボディは先に取り付けないとあとで隙間を埋められません。それに,今回のオハ35は半切妻ですので,車端部は塗り分けが必要ですので,先に組み立ててしまいます。

 出来上がったらさっとペーパーをかけて,プラサフを塗ります。これで隙間や修正箇所に気が付きますので,そこから本気で修正です。やはり車端部が難しく,ここの段差をなくしておく事が大変でした。

 作業効率を考えて,今回のパテは光硬化型をメインに使いました。これ,紫外線で硬化するので,太陽光や蛍光灯を使うのですが,お日様をあてにすると夜は作業が止まりますし,蛍光灯はピンポイントで光を当てることが出来ませんので,ほとんど使ってきませんでした。

 しかし,紫外線硬化樹脂に付属していた紫外線LEDを使ったハンディタイプのライト思いだし,これを使うとなんとまあ便利なことか。僅か30秒で硬化して,作業を続行できます。DE50でも試験的に使ってみましたが,塗装中にさえその場でさっと修正できる対応力の高さに感激しました。

 ということでこれをメインに使って修正をしていきます。板キットならではのバリやヒケもあり,完全ではないにせよ,気付いたところは妥協しないで数日かけて修正を行っていきます。

 気が済んだら(そう,気が済んだらです)塗装です。先にマスキングを行って,屋根とボディの塗り分けをします。車端部は難しい曲面を塗り分けることになるので,吹き込みが心配です。しっかりテープを貼り付けて,エアブラシも弱めに吹き付けましょう。

 今回はグリーンマックスの鉄道カラーではなく,評判のいいガイアカラーのぶどう色2号を使ってみました。評判通り粒子が綺麗ですし,発色もいいです。そして色の再現性も高く,メーカーの完成品に並びます。

 今回は塗装にも大きな失敗はなく,後でタッチアップを行ってからクリアを吹き付けます。窓ガラスを接着し,黒で塗装した床下にウェイトを組み込んで組み合わせ,台車を取り付ければ完成です。

 うーん,仕上がりそのものは悪くないですし,これだけ見れば良くやってるなと思うのですが,やはりカトーのオハ35に連結して走らせてみると,安っぽさというか完成度の低さが目立ちます。

 板が薄くて華奢な感じがするのは,実車がそうだから別にいいと言う考え方もあるでしょうけど,やぱり旧型客車の重厚感がこのキットにはないように思います。

 特に大きな失敗もなく無難に完成したオハ35。どこら辺で手を引くかという妥協で完成度と製作時間が変わってくると思いますが,最終的な完成度から考えると,潔く完成品を買った方がよいかもなあと思ったりしました。いやですね,大人というのは。

 ああ,歳は取りたくないものです。

 

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