今使っている洗濯乾燥機は,シャープのES-G110という機種です。2018年6月に15万円で近所のコジマで買いました。
そうか,もう8年になるのか・・・
買った時は設計者の心意気に共感し,シャープというブランドに賭けてみようと指名買いをしました。
3年経ち,5年経ち,斜めドラムにありがちな乾燥しなくなる問題が出ず,エラーも故障もなく,元気にけなげにせっせと働くES-G110を見ていて,もしかしてシャープは洗濯機につよいのではないかと思うようになりました。
そういえば,シャープの洗濯機で悪い評判を聞きません。モーターもコンプレッサも自社で作っておらず他から買うので,その時々で最も良いものを選んでいるはずですから,それらの信頼性は心配しなくて良いはずです。(よく日立や東芝を褒める人がいますが今はあまり関係ないと思います)
なら,全体のとりまとめがシャープの仕事ですが,これがなかなかいいんじゃないかと思うようになりました。縦型の全自動洗濯機の話ですが,洗濯槽に穴が開いていないのはシャープだけで,他のメーカーはやってないそうです。
1992年に初登場だそうですから,すでに30年以上経過していますので特許の問題はないでしょう。でも追随しないのは難しいからでしょう。未だにシャープは穴なし洗濯槽を売りにしていますし,そこが彼らの独自技術であることは間違いなさそうです。
確か以前テレビで見たのですが,この穴なし洗濯槽の実現にはいろいろ工夫が必要だったそうで,誰でも一度は考える穴なし洗濯槽が実際に商品レベルになるまであきらめなかったのはシャープらしいと思います。
その番組では,発売同時のモデルを放送当時にも人を探し出したと,シャープのエンジニアが言ってました。こういっては何ですが,イメージで言えばパナソニックや日立,東芝の方がずっと堅牢だと思ってましたが,シャープの洗濯機は長持ちするというのも,実は本当かも知れないと思ったのでした。
そしてうちのES-G110も今年で8年。故障らしい故障もなく,せっせと家族3人の洗濯を続けてくれています。やっぱり長持ちなんじゃないかと思います。
とまあ,褒めてみましたが,2年ほど前から乾燥に時間がかかるようになりました。昨年には乾燥終了でもベチョベチョのままになってしまい,これはいかんと乾燥経路のホコリを取って,乾燥フィルターを新品に交換して回復させました。
もちろん新品の時のような乾燥性能は得られませんし,乾燥時間も長いままです。でも,以前使っていたパナソニックのNA-VR5600ほどひどい状況でもなかったので,そのまましばらく使っていたのです。
すると3月下旬,C33という見慣れないエラーでとうとう乾燥が途中でストップしました。取説を見るとヒートポンプの排水異常とのことで,電源コードをコンセントから抜いてリセットをかけてみろとあります。再発するならサービスを依頼するしかないということなので,これはもう素人には手を出せない領域なわけで,とうとうES-G110もダメになってしまったかと落胆しました。やっぱりヒートポンプ式はだめなのか・・・
とはいえこの手の家電は自分で修理される方も多いので,まずはgoogleで検索。するとやはり同じエラーで修理をしている方がいらっしゃることがわかりました。
このエラーですが,ヒートポンプを格納する容器に溜まった水を排水できないときに起きます。ヒートポンプ式の乾燥機は,ヒートポンプで熱を吸い込んで熱風を作り,この熱風を衣類にあてて乾燥させて,湿気を含んだ空気を先程のヒートポンプに戻して冷却,含んだ湿気を凝縮して水にして排出します。こうして衣類の水を集めて捨てるということをやって乾燥にさせるわけです。良く出来ていますね。
問題はこの凝縮水で,熱交換器に水滴として発生した水は一度コンプレッサーを格納する容器の底にたまり,これを小型のポンプで吸い出す仕組みになっています。もしポンプが壊れるとやがてヒートポンプは水に浸かってしまい,壊れてしまいます。
万が一排水の経路が詰まったり,ポンプが壊れたりした場合には,ヒートポンプが水没したり,水漏れが発生しないように,浮きを使ったセンサが水位をチェックしているのですが,このセンサが水位異常を感知した場合に出るのが,C33エラーです。
センサとメイン基板を繋ぐ配線に静電気が乗ったりすると基板が水位異常として誤検出しますから,この場合はリセットで復活します。しかし再発する場合には明らかに異常があるので,そのまま使い続けるわけにはいきません。
ということで,基本的にはサービスマンによる修理をしないといけないのですが,ダメモトで修理を試みました。
(1)1回目
ヒートポンプを格納する容器,凝縮水の排水ルートを確認するには,背面の蓋を外す必要があります。裏側に回って背面をあけますが,かつてのNA-VR5600と違って割にスッキリとしていて,分解がしやすくなっているような印象です。もっともNA-VR5600は最初期のヒートポンプ式ですので,ややこしくて当然ではあります。
背面をあけたら,乾燥用の熱風が循環するダクトを外します。これも簡単。ダクトを覗き込むとホコリがこびりついていますので,これは風呂場で綺麗に掃除です。
次にヒートポンプユニットを取り出します。ハーネスの束を取り出しコネクタを外し,排水ポンプを取り外します。この時大量の水が出てきました。タオルを詰めて水が出ないようにして,ヒートポンプユニットを固定するたった2本のネジを外し,ユニットを引き出します。
ヒートポンプの格納容器を分解すると,中からコンプレッサと熱交換器(パナソニック製でした)が出てきます。これをさらに容器から抜き出すと,底に溜まった大量の水が目に入ってきます。
そして悪いことに,コンプレッサの土台の部分が一部錆びてしまっています。かなり水が抜けない状態が続いたのでしょうね。
とりあえず容器の水を捨て,内部のドロドロを風呂場で掃除します。排水ポンプの付近もドロドロした物が溜まっていましたので,こいつが排水の邪魔をしていた可能性があります。もちろんフロートも掃除して,スムーズに動く事を確認しておきます。
綺麗に掃除が出来たら,今度は熱交換器の掃除です。今回のトラブルとは直接関係がありませんが,ヒートポンプ式の持病として熱交換器のホコリ付着による乾燥不良があります。以前見たNA-VR5600に比べると全然少ないのですが,それでも結構なホコリが膜のようにこびりついていましたので,丁寧にアルミのフィンを壊さないように掃除します。
終わったら元通り組み立てます。これで乾燥性能も復活するはずですが,問題は排水です。
分解してわかったことは,C33エラーはセンサの故障ではなく,実際に凝縮水が溜まったことで発生した可能性が高いことでした。
その原因を考えてみると,ヒートポンプの格納容器内部が汚れていて凝縮水の貯水能力が極端に低くなったこと,排水ポンプの故障および能力低下,排水経路の詰まりというところでしょうか。
そこで排水ポンプの動作確認です。外部電源を繋いでモーターの回転を確認しますが,やや苦しそうにするも一応動作しているようです。せっかくですから分解して掃除をしておきます。
排水経路も分解して清掃できれば良かったのですが,そのためには前面も分解する必要があり,面倒&時間がないため,息を吹き込んで詰まっていないことだけ確認しておきました。
ヒートポンプ格納容器の内部清掃とポンプおよび排水経路の確認をしましたので,これで同じエラーが出たら,他に問題があるということでしょう。
(2)2回目
前回の修理から1週間,同じC33エラーが出てしまいました。ただし,乾燥機能は完全復活で,家族は大喜びでした。そこへC33エラーですので,落胆は大きいです。
前回は面倒くさくて清掃できなかった排水経路を分解して掃除します。
排水ポンプからの排水は洗濯槽からの排水と排水フィルターの部分で合流して外に排出されるのですが,洗濯槽からの大量の排水が逆流してヒートポンプユニットに入り込むことを防ぐため,その排水経路はヒートポンプユニットの低い部分にある排水ポンプから一度高いところを通り,途中に挟まった弁を経て再び低い位置にある排水フィルターに接続しています。
こうすることで逆流を防いでいるわけですが,その代わり排水ポンプにはそれなりの負荷がかかりますし,高さの分だけ水が残ってしまいます。
ただでさえ負荷の大きな排水経路が詰まっていたらますます負荷が大きくなりますし,排水能力も低くなります。弁の動作も心配ですので排水パイプごと取り出し,徹底的に内部を掃除します。
思った以上に長いので,ティッシュを丸めて1mの竹ひごで突っついて,何度も内壁の水垢を落としていきます。一応通ってはいるのですが,かなりの量の水垢が出てきました。
弁も分解して掃除をします。隙間も心配ですが,開きにくくなって抵抗が大きくなることも心配です。
今回出来るのはここまで。かなり大がかりな分解になったのですが,やったことは排水経路の分解掃除だけです。なのでこれでダメだったら,いよいよ排水ポンプを疑うことになります。
余談ですが,組み立てが終わったところでネジが一本余ってしまいました。泣く泣く再度分解したのですが,なんと2箇所の締め忘れが発見されました。ということはネジを1本紛失したことになるわけで,あちこち探し回ったところ床に転がって落ちていました。実に危ないところでしたが,この話を娘にするとゲラゲラ笑っていました。
(3)3回目
前回の修理後,排水ポンプが修理部品として買えないものかと探してみると,売ってました。ありがたい。
シャープの家電のいい所は,こうした部品が割と入手出来ることにあります。ヘルシオホットクックのパッキンも部品で買えたのですが,中には部品が絶望的に手に入らないメーカーもありますので,私のような自分で修理する人には厳しいものがあります。
さて,その排水ポンプですが,「排水ポンプ 2103960167」を手配しました。お値段は6000円弱。普通のブラシモーターですし,水を扱いますので,必ず寿命を迎えます。交換を前提にしておくべきと判断し注文しました。
部品の到着を待っている1週間ほどの間に,やはりC33という同じエラーが出てしまいました。
ということはもうポンプしかない,ということで,届いたばかりの排水ポンプに交換します。古いポンプはどういう訳だか固着して外部電源でも回転しなくなっていました。少し指で回すと以後は問題なく回転し始めたのですが,これが原因かもしれません。
新しいポンプは配線の長さも同じで,何も考えずにさっと交換が出来ました。とはいえ動作確認が出来ないので,次の洗濯まで成否は不明です。
そしてそれから10日。本格的な乾燥を2回行ってもエラーは発生せず,耳をそばだてると時折排水ポンプの動作音が聞こえます。以前は派手にゴーッと音を立てていましたが,今回は静かに,しかし水の流れる音がしています。
もし排水異常が改善していなければ,同じC33エラーが出てもおかしくない状況ですが,問題なく動作しています。乾燥能力もまるで新品のように復活していますし,今のところ修理は上手くいったと考えていいでしょう。
ただ,給水ホースから若干の水漏れが見つかったので,給水ホースも新品に交換して解決しました。
ということで,うちの洗濯ロボ,ES-G110が無事に復活しました。専門の業者なら2時間ほどで出来る修理を数時間,3回かけてようやく完了できたわけで,これではプロにはなれないなあと思いつつ,それでも6000円ほどで修理出来たメリットはありました。
全自動洗濯機は一見すると複雑ですが,実のところそんなに大変なものはありません。ただ,水を扱うものですから適当にやると大きな被害が出ます。そこだけ気を付ければ,細かい作業も少ないですし,実は見た目にわかりやすい単純な機械ですから,部品さえあれば自分でどうにかなるものです。
もうしばらく様子を見てみる必要はありますが,多分大丈夫でしょう。他の場所が壊れる可能性もありますが,とりあえず一番の弱点である乾燥経路を確認出来たことで,安心感はあります。
出来るだけホコリをその都度洗い流すこと,ホコリや洗剤が出来るだけ少なくなるように工夫することをこれまで通り行って,出来るだけ長持ちさせたいところです。
だって,ヒートポンプ式の斜めドラム全自動洗濯乾燥機って,びっくりするほど値上がりしていますものね。今となっては15万円で買えた8年前が信じられません。