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カテゴリー「マニアックなおはなし」の検索結果は以下のとおりです。

5月の修理びより その2 PENTAX Q7と防湿庫

 お次はPENTAX Q7です。

 モードダイヤルの接点が悪くなっているみたいで,モードの切り替えが不安定です。こういう場合は分解して接点をアルコールで拭いて汚れを落とすと簡単に復帰します。

 簡単にいかないのが分解ですが,これも30分ほどで分解。モードダイヤルの接点は黒く汚れており,これをアルコールで拭いて修理はできました。

 ついでにシャッターボタンの削れも見ておきましょう。PENTAX Qのシャッターボタンは筒の内側にすれて,メッキが剥げるという問題があります。もしかしたら汚れかもしれないと,分解して拭き掃除をします。

 しかし汚れはなく,やはりメッキの剥げでした。なすすべなく組み直します。

 修理出来たら動作確認です。モードダイヤルは完全復活です。他の機能も問題ありません。

 これでPENTAX Q7も元気になりました。


 最後は防湿庫です。

 私は20年ほど前に買った,乾燥剤式の防湿庫と,10年ほど前に買ったペルチェ方式の防湿庫の2つを持っています。高価なレンズを後者の防湿庫に入れているのですが,最近どうも湿度が下がりにくくなっています。

 ペルチェは寿命があるので,いずれダメになるとはきいていましたが,さすがに10年ですから劣化も進んでいるのでしょう。

 分解して通電すると,ちゃんと冷えていますし,結露も出ています。一応機能しているのですが,その能力が低いのは事実です。予防的な意味も込めて,ペルチェ素子を交換しておく事にしました。

 外したペルチェ素子には,TES1-4902という刻印があります。この刻印をそのままamazonで検索すると,全く同じものが出てきました。20mm x 20mm,6V2A,6.5Wという小型のペルチェ素子ですが,1つ1300円ほどと思っているほど安いものではありません。

 この刻印,私は知らなかったのですが,型名というよりはスペックに由来した記号のようなものらしく,メーカーや作り方が違っても同じ刻印になるそうです。とはいえ主要なスペックは同じなわけですから,互換性はあると言えるでしょう。

 翌日に届くのがamazonの素晴らしいところ。届いたペルチェ素子に交換し,念のためパッキンも新しくして組み直して通電すると,湿度がどんどん下がります。

 これまで頑張っても36%だったものが,26%まで下がるようになりました。下げすぎもまずいので30%程度に調整して修理完了です。元通りFマウントの大三元を心して収納し一段落です。

 ペルチェ素子は10年もすると交換しないといけませんから,予備をもう1つ買っておきました。ここから20年持つ計算ですが,先に私がくたばるかも知れないなあ。

5月の修理びより その1 PIXUS PRO-100

 5月に連休は,普段出来ずにいた修理やメンテを一気に行う絶好の機会です。滅多に使うものではなくても,壊れていることが分かったら,そしてその原因がなんとなくつかめていたら,修理して元の状態に戻したくなると言うのが,これ人情というもの。

 なにかと路雄をつけては後回しにすることが増えてしまった昨今,重い腰を上げていろいろ気がかりだったことを片付けてみました。

 今回はCANON PIXUS PRO-100です。

 慢性的に発生していたヘッドの目詰まりがいよいよひどくなり,復活にはクリーニングを繰り返して何本ものインクを無駄にするという,私のフォトプリンタであるPIXUS PRO-100。

 すでに12年もの間使い続けているプリンタですが,コストが高いという問題はありつつも,いちいち写真屋さんやコンビニに行かなくてもいいですし,紙を選べばもっと高画質で印刷でき,しかもA3ノビまで好きなサイズで印刷出来ると言う素晴らしさ。

 もはやこれなくして私の写真生活は成り立ちません。最近は高級な写真用紙が手に入りにくくなってきつつありますが,ILFORDの写真用紙などは安いのに画質も良いので,ぜひカラーインクジェットプリンタをお持ちの方は,ちょっとだけ奮発した写真用紙で2Lサイズを印刷して飾ってみて下さい。生活が賑やかになりますよ。

 PRO-100はプロ用のフォトプリンタで,今なお名の知られた名機です。プリンタの市場そのものが大幅に縮小している昨今,その選択肢は年々狭まるばかりですが,プロ用のプリンタについてはキヤノンもエプソンも,数機種のラインナップが残っています。ありがたい事ではありますが,価格は大幅に上がってしまい,ちょっと無理すれば買えるというレベルを超えていると感じます。

 また,紙の大きさや画質も重要ですが,プロ用のプリンタに大事なことはソフトウェアやワークフローです。ちゃんとLightroomから16ビット印刷が出来るかどうか,カラーマネジメントはどうなっているか,おかしな色補正を勝手にやらないかなど,作者の意図が正しく反映され,その作業を邪魔しないものになっているかどうかが,本当に大事なことです。

 私が思いきってPRO-100を買って良かったなと思うのはまさにここで,勝手なカラーマネジメントを行われて画面と印刷の色調が大きくズレてしまうことがなくなったことで,どれほど気分良く写真を楽しめるようになったか分かりません。

 そんなPRO-100もさすがに10年を超えたあたりから,もう今回限りかもと思うほどのインク詰まりを繰り返しては,クリーニングでどうにか復活という綱渡りで印刷をしていました。クリーニングで大量にインクを無駄にする上,時間もかかるので困っていました。

 年末にはいよいよ黒が完全に出なくなってしまい,何度クリーニングを繰り返しても全く治らなくなってしまいました。黒が全く出なくなったということは,すべてのノズルが詰まってしまったという可能性だけではなく,ヘッドそのものがダメになった可能性も出てきます。だとすれば,このままクリーニングを繰り返しても回復する見込みはありません。

 そこで思い切って,ヘッドの交換を検討しました。aliexpressでは安いものは1万円程度,高いものだと4万円程度で売られています。箱に入った純正部品の新品もあれば,新品と言いつつも明らかな再生品だったり,なかには金峰寺にヘッドを保護するカバーがなさそうなものまであり,まさに玉石混淆です。

 aliexpressではリスクが大きすぎて腰が引けた私は,amazonで買えないか調べてみました。PRO-100もしくはPRO-100Sのヘッドの型名は,QY6-0084といいます。しかしamazonでは高めのものしか見当たらず,安いものは見るからに怪しい物でした。

 とはいえ,詰まった私のヘッドよりもずっとましだろうと,16000円ほどのものを注文しました。数日後に届いたものは,銀色の真空パックに入ったヘッドユニットでした。

 寒いときに開封して交換して無事に直ったとしても,また詰まるかも知れません。そもそも黒は消費量の少ないインクです。使わないと詰まりがちなインクの中でも,最も目詰まりを起こしやすいので,暖かくなるのを待って修理することにしたのです。

 で,4月30日,いよいよ暖かくなってきました。時間もあります。写真も溜まってきました。

 意を決して交換作業です。

 真空パックを開封して見ると,傷だらけのヘッドユニットが出てきました。ヘッドの保護カバーはありませんが,綺麗に清掃されていて,保護液もちゃんと染み込ませてあります。

 交換前にテスト印刷をしますが,黒だけ全く出ない状況は変わりません。インクを取り外し,ヘッドを外して新しいものに交換して電源を入れます。

 ドキドキして待っていますが,あいにくエラーが出ています。調べてみるとB200というハードウェアに関するエラーで,修理するしかないという絶望的なエラーの1つです。海外でも困っている人がいます。

 ヘッドを古いものに戻すとエラーは出ません。ということはヘッドが認識されていないという事になります。やられました。

 いろいろ手を尽くしましたが改善しません。aliexpressに出品されているヘッドのレビューを見ると,B200エラーが出て使えないと言う評価を頻繁に目にします。ということは,私のヘッドもダメな奴かも知れません。

 このままではにっちもさっちもいきません。ヘッドを買い直す(もっと高価で箱入りの純正と銘打ったものを選ぶ)か,その値段で買えそうな別機種の新品を買うか迷います。

 新しいプリンタを買うことにしようかと考えると同時に,私は壊す覚悟でさらに修理を試みます。ヘッドを分解し,フレキの裏面にあるEEPROMを発見。なるほど,ここに書かれた情報でやばいヘッドを排除するのでしょう。

 ならばEEPROMを移植するまで。さくっと移植して組み直し,これでいけるだろうと余裕で電源を入れますが,まさかのB200エラーです。EEPROMが原因ではないということか・・・とよく見ると,フレキが切れていました。

 分解時にくしゃくしゃになっていたのですが,大丈夫だろうと気にせずいたのですが,ルーペでよく見ると切れていました。私が切ったのではないのですが,切れてしまってはこれはもうただのゴミです。

 ここまでくると,意地でも古いヘッドを組成しないといけなくなりました。アルコールをヘッドに注入し,指で圧力をグイグイかけて,インクを溶かします。最初は全く出てこなかった黒のインクですが,徐々に出てくるようになりました。

 ということは,ヘッドで詰まっていたということですね。もちろん可能性としてヘッドにインクを供給する経路でも詰まっていたことも考えられますので,これは新しいヘッドユニットから転用します。

 組み上げたところB200エラーは出ません。クリーニングを何度か試してみると,黒のノズルがいくつか開通していることがわかりました。この調子です。ガンガンクリーニングを行いましょう。

 そしてめでたく全部のノズルが開通。元のように綺麗なテスト印刷の結果が出てきました。

 早速写真の印刷を行いますが,いつも通りの綺麗な結果です。4700枚以上の印刷を行ったプリンタですが,まだまだ画質に影響するような劣化はないようです。

 ということで,めでたくPRO-100は復活しました。このプリンタの復活は本当にうれしくて,買い換えの結果が必ずしも良いものではないかも知れないという状況から考えると,原状復帰こそが最善だっただけに,もうしばらくこの理想的な写真環境が維持出来て,ホッとしました。

 ところでインクについて。インクはクリーニングで大量消費します。さらにキヤノンのインクカートリッジは,実際のインクの残量を見ているわけではなく,何回噴射したかという回数を数えて,インクが空っぽになったことを検出する仕組みです。

 なので,詰まってしまえば,クリーニングを繰り返してもインクは満タンのままだったりしますが,にもかかわらず空っぽになったと言い出して,インクの交換を迫ってきます。

 私はこのことで何千円ものインクを満タンのままゴミ箱に入れてきましたが,これ,なんと回避する手段があったんですね。知りませんでした。

 インク切れの警告でエラーランプが点灯し,印刷が中断したら,エラーからの復帰ボタン(リセットボタンと言うらしいです)を5秒押すと,インク検出を無効に出来ます。その代わりインクが本当に空っぽになってもそのまま止まらず印刷を続けてしまうので,空気を噛み込んで故障する可能性が出てきます。

 こまめにインクの残量を自分で見ればなんとかなるわけで,これを知っていればインクを無駄に捨てることはなかったのにと,後悔しました。

 残念ながら,クリーニングの時にエラーを無効化することはできないのですが,テスト印刷を含む通常の印刷時には無効化出来るので,今後はこの方法でインクを有効利用しようと思います。というか,正常に動作するようになった今,現在使っているインクが空っぽに出来たら,あとは無効化する必要もないのですが。

 とりあえず,よかった。

クォーツ時計のムーブメントを交換してみる

 中学生の娘は腕時計をする習慣がありません。だからといって時間にルーズというわけではなく,相応に時間を気にして動いてはるのですが,特に通学時の時刻管理については,リュックにぶら下げたカラビナウォッチを常用しています。

 腕時計のバンドの代わりにカラビナを設けてあり,これを鞄にぶら下げて使うというものなのですが,腕に時計をするのが気に入らないけど時刻は気になるという,複雑な中学生の心理にマッチしているようです。

 いやいや自分の体にくっついてくるから意味があるんだろうと私などは思うのですが,それまで全く時計を持ち歩くことがなかった彼女が,祖母からの何気ないプレゼントであるこのカラビナウォッチをいたく気に入り,時計と共に行動することが日常になったと言うのは,なかなか興味深いところですし,大事にしたいことでもあります。

 その時計は,GY050という名称で,3000円弱で販売されているものです。針がスズランを模していて,短針と長針が葉,秒針が花になっています。針が湾曲しているので見にくいことこの上ないのですが,慣れれば問題ないのでしょう。

 で,ある時娘が「長針が12時の位置の時に短針が真ん中に来るのよ」とおかしな事を言い出しました。見せてもらうと,確かに短針が30分の位置にあります。多分ぶつけたかなにかでズレてしまったのでしょう。

 直せるというと喜んで修理を任せてくれたのですが,調べることもせずいきなり分解する私の悪い癖が出てしまい,壊してしまったのです。

 短針のズレを直そうと,針を外さず回したのが悪かったようです。いや,経験的にそれくらいのことは出来ると思いましたし,そうでないと短針と長針の位置決めってきちんと出来ないですよね・・・

 動かして見ると,短針の動きが変です。時々止まります。おかしいと思ってよくよくムーブメントを観察すると,なんとギアの歯が欠けていました。

 最初はこれが原因で短針の位置がおかしいのではと思ったのですが,冷静に考えると私が横着して長針を動かしたからで,こんなくらいで壊れてしまうのかと絶望すると共に娘に悪いことをしたと誤りました。

 このままではいかんと新しいものを買うことにしたのですが,改めてケースや風防を見ると傷だらけです。この傷も彼女の持ち物なんだよなあと思うと,新品を買って終わりに出来るようなものでもなく,本人が臨まない限り元の状態に戻すことをまず最初に考えないといけないと思いました。

 となると修理ですが,この手のクォーツ時計は安い汎用のムーブメントを使っています。交換すれば簡単に修理出来ることは分かっていたのですが,問題は交換可能なムーブメントを見つけて購入出来るかどうかです。

 ムーブメントには,Y121と刻印されていました。エプソンのY121シリーズだとすぐに分かるのですが,Y121にはいくつかのバージョンがあるので,そこを特定しないといけません。

 加えてamazonで調べてみると,Y121はあまり売られておらず,入手性が低いです。目に入ってくるのは業界標準で名高いミヨタの2035というムーブメントです。

 個人的にシチズンとミヨタには信頼を置いているので,この際このムーブメントに交換を考えてみました。外形には違いはありますが,寸法は同一で,今回の時計の内部のフレームにもぴったり合いそうです。

 ただ,針を取り付ける軸の直径が僅かに違うことと,Y121のどのバージョンか不明だったことで軸の長さが合わないことが心配でした。

 しかし,送料込みで700円弱で2035が買えると言うことで,勉強にもなるしと1つ買うことにしたわけです。

 果たして3日後届いた2035は,電池とリューズの軸が同梱されていました。この軸ははめ込む時計に合わせてカットしないといけません。

 切りすぎると取り返しがつかないので少しずつ短くしていきます。一応これでOKと言う長さになったら,針を取り付けます。

 簡単にできると思ったのですが,径の違いのせいで,全然はまりません。

 まず短針はY121の1.10mmに対し2035が1.20mm,長針はY121の0.656mmに対し2035が0.700mm,秒針はY121が0.2065mmに対し2035が0.170mmと結構違っています。

 0.1mmくらいなら押し込めばどうにかなると思ったのですが全然ダメで,やむなく針の穴を小さいヤスリで少しずつ削って広げました。おかげで短針はぴったり取り付けできました。

 長針はわずか0.05mmの差ですから,これこそ押し込めばと思いましたがやっぱりダメで,同じようにヤスリで広げるも削りすぎてしまい,固定できません。やってしまった,とうなだれるも,少し穴をかしめてなんとか固定できるようにしました。

 秒針については0.035mmとさらに差が小さい上,2035の方が細いのでそのまま取り付けできました。動作を確認して問題がないことを取り急ぎ確認出来たら,ケースに入れて様子を見ます。

 しかし,衝撃を加えると秒針がズレることがわかりました。なんどか衝撃を加えるととうとう外れてしまい,わずか0.035mmでもダメなものはダメだと,時計の世界をなめていたことを恥じました。

 もう一度分解し,秒針も少し軸を差し込む穴をかしめたのですが,あまりに小さいため穴を潰してしまいます。あわててコンパスの針を使って広げてはかしめ,広げてはかしめを繰り返して,どうにかきちんと固定できるようになりました。

 元通り組み立ててから何度か衝撃を加えますが,今のところ大丈夫みたいです。丸一日持ち出してテストを行っていますが,これも今のところ問題なさそうです。

 しかし,きちんと寸法があっておらず,かなり適当にはめ込んである針ですので,いずれ外れることは間違いないと思います。こういう場合接着剤で固定するのがよいのですが,適当な接着剤もないし,失敗した時にムーブメントごと壊してしまう可能性を考えて,今回は見送り,もし外れるなどしたらその時に使うことにしました。

 ということで,非常に細かい作業が続き疲れてしまいましたが,日本製ムーブメントが業界標準になっていること(ミヨタの2035など40年以上の実績です),使いやすく高精度で安価なムーブメントがあることで,デザイン重視の時計が低価格で買えるのだなあと,安心した次第です。

 また,ムーブメントによって微妙な違いがあることもわかりました。こんなの共通にしつぃまえば互換性もあっていいのにと思うのですが,そうもいかない事情があるんでしょうね。Y121と2035では電池寿命が全然違っていて,Y121は2年,2035は3年,ちょっと高価な2035の上位版なら4年も持つんだそうです。一般消費者にとって2年と4年では雲泥の差ですよね,やっぱりミヨタは優秀だなあ。

斜めドラム洗濯機がC33エラーを出し修理した顛末

 今使っている洗濯乾燥機は,シャープのES-G110という機種です。2018年6月に15万円で近所のコジマで買いました。

 そうか,もう8年になるのか・・・

 買った時は設計者の心意気に共感し,シャープというブランドに賭けてみようと指名買いをしました。

 3年経ち,5年経ち,斜めドラムにありがちな乾燥しなくなる問題が出ず,エラーも故障もなく,元気にけなげにせっせと働くES-G110を見ていて,もしかしてシャープは洗濯機につよいのではないかと思うようになりました。

 そういえば,シャープの洗濯機で悪い評判を聞きません。モーターもコンプレッサも自社で作っておらず他から買うので,その時々で最も良いものを選んでいるはずですから,それらの信頼性は心配しなくて良いはずです。(よく日立や東芝を褒める人がいますが今はあまり関係ないと思います)

 なら,全体のとりまとめがシャープの仕事ですが,これがなかなかいいんじゃないかと思うようになりました。縦型の全自動洗濯機の話ですが,洗濯槽に穴が開いていないのはシャープだけで,他のメーカーはやってないそうです。

 1992年に初登場だそうですから,すでに30年以上経過していますので特許の問題はないでしょう。でも追随しないのは難しいからでしょう。未だにシャープは穴なし洗濯槽を売りにしていますし,そこが彼らの独自技術であることは間違いなさそうです。

 確か以前テレビで見たのですが,この穴なし洗濯槽の実現にはいろいろ工夫が必要だったそうで,誰でも一度は考える穴なし洗濯槽が実際に商品レベルになるまであきらめなかったのはシャープらしいと思います。

 その番組では,発売同時のモデルを放送当時にも人を探し出したと,シャープのエンジニアが言ってました。こういっては何ですが,イメージで言えばパナソニックや日立,東芝の方がずっと堅牢だと思ってましたが,シャープの洗濯機は長持ちするというのも,実は本当かも知れないと思ったのでした。

 そしてうちのES-G110も今年で8年。故障らしい故障もなく,せっせと家族3人の洗濯を続けてくれています。やっぱり長持ちなんじゃないかと思います。

 とまあ,褒めてみましたが,2年ほど前から乾燥に時間がかかるようになりました。昨年には乾燥終了でもベチョベチョのままになってしまい,これはいかんと乾燥経路のホコリを取って,乾燥フィルターを新品に交換して回復させました。

 もちろん新品の時のような乾燥性能は得られませんし,乾燥時間も長いままです。でも,以前使っていたパナソニックのNA-VR5600ほどひどい状況でもなかったので,そのまましばらく使っていたのです。

 すると3月下旬,C33という見慣れないエラーでとうとう乾燥が途中でストップしました。取説を見るとヒートポンプの排水異常とのことで,電源コードをコンセントから抜いてリセットをかけてみろとあります。再発するならサービスを依頼するしかないということなので,これはもう素人には手を出せない領域なわけで,とうとうES-G110もダメになってしまったかと落胆しました。やっぱりヒートポンプ式はだめなのか・・・

 とはいえこの手の家電は自分で修理される方も多いので,まずはgoogleで検索。するとやはり同じエラーで修理をしている方がいらっしゃることがわかりました。

 このエラーですが,ヒートポンプを格納する容器に溜まった水を排水できないときに起きます。ヒートポンプ式の乾燥機は,ヒートポンプで熱を吸い込んで熱風を作り,この熱風を衣類にあてて乾燥させて,湿気を含んだ空気を先程のヒートポンプに戻して冷却,含んだ湿気を凝縮して水にして排出します。こうして衣類の水を集めて捨てるということをやって乾燥にさせるわけです。良く出来ていますね。

 問題はこの凝縮水で,熱交換器に水滴として発生した水は一度コンプレッサーを格納する容器の底にたまり,これを小型のポンプで吸い出す仕組みになっています。もしポンプが壊れるとやがてヒートポンプは水に浸かってしまい,壊れてしまいます。

 万が一排水の経路が詰まったり,ポンプが壊れたりした場合には,ヒートポンプが水没したり,水漏れが発生しないように,浮きを使ったセンサが水位をチェックしているのですが,このセンサが水位異常を感知した場合に出るのが,C33エラーです。

 センサとメイン基板を繋ぐ配線に静電気が乗ったりすると基板が水位異常として誤検出しますから,この場合はリセットで復活します。しかし再発する場合には明らかに異常があるので,そのまま使い続けるわけにはいきません。

 ということで,基本的にはサービスマンによる修理をしないといけないのですが,ダメモトで修理を試みました。


(1)1回目

 ヒートポンプを格納する容器,凝縮水の排水ルートを確認するには,背面の蓋を外す必要があります。裏側に回って背面をあけますが,かつてのNA-VR5600と違って割にスッキリとしていて,分解がしやすくなっているような印象です。もっともNA-VR5600は最初期のヒートポンプ式ですので,ややこしくて当然ではあります。

 背面をあけたら,乾燥用の熱風が循環するダクトを外します。これも簡単。ダクトを覗き込むとホコリがこびりついていますので,これは風呂場で綺麗に掃除です。

 次にヒートポンプユニットを取り出します。ハーネスの束を取り出しコネクタを外し,排水ポンプを取り外します。この時大量の水が出てきました。タオルを詰めて水が出ないようにして,ヒートポンプユニットを固定するたった2本のネジを外し,ユニットを引き出します。

 ヒートポンプの格納容器を分解すると,中からコンプレッサと熱交換器(パナソニック製でした)が出てきます。これをさらに容器から抜き出すと,底に溜まった大量の水が目に入ってきます。

 そして悪いことに,コンプレッサの土台の部分が一部錆びてしまっています。かなり水が抜けない状態が続いたのでしょうね。

 とりあえず容器の水を捨て,内部のドロドロを風呂場で掃除します。排水ポンプの付近もドロドロした物が溜まっていましたので,こいつが排水の邪魔をしていた可能性があります。もちろんフロートも掃除して,スムーズに動く事を確認しておきます。

 綺麗に掃除が出来たら,今度は熱交換器の掃除です。今回のトラブルとは直接関係がありませんが,ヒートポンプ式の持病として熱交換器のホコリ付着による乾燥不良があります。以前見たNA-VR5600に比べると全然少ないのですが,それでも結構なホコリが膜のようにこびりついていましたので,丁寧にアルミのフィンを壊さないように掃除します。

 終わったら元通り組み立てます。これで乾燥性能も復活するはずですが,問題は排水です。

 分解してわかったことは,C33エラーはセンサの故障ではなく,実際に凝縮水が溜まったことで発生した可能性が高いことでした。

 その原因を考えてみると,ヒートポンプの格納容器内部が汚れていて凝縮水の貯水能力が極端に低くなったこと,排水ポンプの故障および能力低下,排水経路の詰まりというところでしょうか。

 そこで排水ポンプの動作確認です。外部電源を繋いでモーターの回転を確認しますが,やや苦しそうにするも一応動作しているようです。せっかくですから分解して掃除をしておきます。

 排水経路も分解して清掃できれば良かったのですが,そのためには前面も分解する必要があり,面倒&時間がないため,息を吹き込んで詰まっていないことだけ確認しておきました。

 ヒートポンプ格納容器の内部清掃とポンプおよび排水経路の確認をしましたので,これで同じエラーが出たら,他に問題があるということでしょう。


(2)2回目

 前回の修理から1週間,同じC33エラーが出てしまいました。ただし,乾燥機能は完全復活で,家族は大喜びでした。そこへC33エラーですので,落胆は大きいです。

 前回は面倒くさくて清掃できなかった排水経路を分解して掃除します。

 排水ポンプからの排水は洗濯槽からの排水と排水フィルターの部分で合流して外に排出されるのですが,洗濯槽からの大量の排水が逆流してヒートポンプユニットに入り込むことを防ぐため,その排水経路はヒートポンプユニットの低い部分にある排水ポンプから一度高いところを通り,途中に挟まった弁を経て再び低い位置にある排水フィルターに接続しています。

 こうすることで逆流を防いでいるわけですが,その代わり排水ポンプにはそれなりの負荷がかかりますし,高さの分だけ水が残ってしまいます。

 ただでさえ負荷の大きな排水経路が詰まっていたらますます負荷が大きくなりますし,排水能力も低くなります。弁の動作も心配ですので排水パイプごと取り出し,徹底的に内部を掃除します。

 思った以上に長いので,ティッシュを丸めて1mの竹ひごで突っついて,何度も内壁の水垢を落としていきます。一応通ってはいるのですが,かなりの量の水垢が出てきました。

 弁も分解して掃除をします。隙間も心配ですが,開きにくくなって抵抗が大きくなることも心配です。

 今回出来るのはここまで。かなり大がかりな分解になったのですが,やったことは排水経路の分解掃除だけです。なのでこれでダメだったら,いよいよ排水ポンプを疑うことになります。

 余談ですが,組み立てが終わったところでネジが一本余ってしまいました。泣く泣く再度分解したのですが,なんと2箇所の締め忘れが発見されました。ということはネジを1本紛失したことになるわけで,あちこち探し回ったところ床に転がって落ちていました。実に危ないところでしたが,この話を娘にするとゲラゲラ笑っていました。


(3)3回目

 前回の修理後,排水ポンプが修理部品として買えないものかと探してみると,売ってました。ありがたい。

 シャープの家電のいい所は,こうした部品が割と入手出来ることにあります。ヘルシオホットクックのパッキンも部品で買えたのですが,中には部品が絶望的に手に入らないメーカーもありますので,私のような自分で修理する人には厳しいものがあります。

 さて,その排水ポンプですが,「排水ポンプ 2103960167」を手配しました。お値段は6000円弱。普通のブラシモーターですし,水を扱いますので,必ず寿命を迎えます。交換を前提にしておくべきと判断し注文しました。

 部品の到着を待っている1週間ほどの間に,やはりC33という同じエラーが出てしまいました。

 ということはもうポンプしかない,ということで,届いたばかりの排水ポンプに交換します。古いポンプはどういう訳だか固着して外部電源でも回転しなくなっていました。少し指で回すと以後は問題なく回転し始めたのですが,これが原因かもしれません。

 新しいポンプは配線の長さも同じで,何も考えずにさっと交換が出来ました。とはいえ動作確認が出来ないので,次の洗濯まで成否は不明です。

 そしてそれから10日。本格的な乾燥を2回行ってもエラーは発生せず,耳をそばだてると時折排水ポンプの動作音が聞こえます。以前は派手にゴーッと音を立てていましたが,今回は静かに,しかし水の流れる音がしています。

 もし排水異常が改善していなければ,同じC33エラーが出てもおかしくない状況ですが,問題なく動作しています。乾燥能力もまるで新品のように復活していますし,今のところ修理は上手くいったと考えていいでしょう。

 ただ,給水ホースから若干の水漏れが見つかったので,給水ホースも新品に交換して解決しました。


 ということで,うちの洗濯ロボ,ES-G110が無事に復活しました。専門の業者なら2時間ほどで出来る修理を数時間,3回かけてようやく完了できたわけで,これではプロにはなれないなあと思いつつ,それでも6000円ほどで修理出来たメリットはありました。

 全自動洗濯機は一見すると複雑ですが,実のところそんなに大変なものはありません。ただ,水を扱うものですから適当にやると大きな被害が出ます。そこだけ気を付ければ,細かい作業も少ないですし,実は見た目にわかりやすい単純な機械ですから,部品さえあれば自分でどうにかなるものです。

 もうしばらく様子を見てみる必要はありますが,多分大丈夫でしょう。他の場所が壊れる可能性もありますが,とりあえず一番の弱点である乾燥経路を確認出来たことで,安心感はあります。

 出来るだけホコリをその都度洗い流すこと,ホコリや洗剤が出来るだけ少なくなるように工夫することをこれまで通り行って,出来るだけ長持ちさせたいところです。

 だって,ヒートポンプ式の斜めドラム全自動洗濯乾燥機って,びっくりするほど値上がりしていますものね。今となっては15万円で買えた8年前が信じられません。

GR IVの第一印象

 さて,GR IVの使い心地など,ファーストインプレッションです。

(1)大きさ,質感

 箱から取り出したときの第一印象は,小さい,でした。ストロボがないぶん無印GRよりも小さいですし,前機種であるGR IIIよりも薄くなっているので本当に小さいのですが,印象としてはもっと小さく感じます。

 ただ,GR1や無印GRの時のような薄さは感じず,ずんぐりとした凝縮感のある小ささです。そんな外見ですから,この軽さでも手に取ると重く感じます。

 質感はいつもの通りマグネシウムらしい手触りと持ちやすさで期待を裏切りません。

 この質感を安物っぽいと言う人もいますが,確かに真鍮のようなヒンヤリ感こそありませんが,剛性感もしっかりありますし,ボタンやダイヤルの感触も悪くないですから,私はそんなに悪いとは思いません。


(2)操作系

 GR II,GR IIIとパスしてきたので無印GRからの差分になるのですが,十字キーの周りにダイヤルがないことでボタンが押しやすくなっているのではないかと思います。そのダイヤルをGR IIIで見た時に使いにくそうだなあと思ったので,GR IVでなくなったのは私にはありがたい話です。

 露出補正のボタンが復活したのもうれしいですし,GR IVは無印GRの直系なんじゃないかと思うほどです。

 十字キーで測距点をすぐに移動できるようになったのもありがたい変更です。従来だとOKボタンを一度押さないとダメだった測距点の移動が,直接できるようになったので操作性が抜群に向上しました。

 ADJもダイヤルに変更になりましたから,全体としてニコンの操作系に寄せてきたようにも見えます。私には大歓迎です。

 そうそう,驚いたのはモードダイヤルのロックボタンに,Pモードの標準値に戻る機能がアサインされています。単なるロックだと思っていましたが,電気的なスイッチの機能を持たせたことに目からウロコです。確かに良い位置にあるボタンですので,ここに何か機能をアサイン出来れば好都合で,ペンタックスでいうグリーンボタンのような機能を持たせてあるのは面白い工夫だと感じました。

 ロックボタンにくぼみがあるのも,なにやらペンタックスの維持のようなものを感じますしね・・・そこまでやるならくぼみを緑色にして,Mモードでの適正露出ボタンも兼ねてくれたらうれしいのに。


(3)レスポンス

 レスポンスはさすが,スナップシューターを自称するだけあります。撮影までにかかる起動時間も短いし,2600万画素のカメラとしては書き込み速度も高速で,待たされることがありません。起動時にレンズが飛び出す速度は,GR1を知るものとしてはびっくりするほどです。

 AFについてはあまり良い評価がないようですが,私はそうは思いません。速度もそうですが,外さなくなったことが大切です。無印GRが良く外していたことを考えると,ようやく実用レベルに至ったと言えるでしょうし,このカメラでスポーツやレースを撮るはずもないですから,これで十分だと思います。

 特筆すべきはスナップモードです。無印GRにもスナップに適した機能はありましたが,複数の設定をいじる必要が合ったので面倒でした。それがSnモードに集約されて,被写界深度とピント位置を2つのダイヤルで調整出来るようになっているので,とても便利です。これでGR IVはスナップ最強カメラになったと言えるでしょう。


(4)画質

 レンズは確かに素晴らしい性能で,破綻がありません。力強さというより,線の細さを強調した今どきの高性能レンズだなという印象です。色のりも淡泊に感じるので,見たままをドライに映し込むのが狙いなのでしょう。

 非球面レンズを贅沢に使っていますが,ためネギボケも出ませんし,苦手なシーンはないんじゃないかと思います。

 もちろん今どきのレンズですから,開放からガンガン使えます。むしろ絞っても画質か向上しないので,絞るのは被写界深度のコントロールのためだけです。厳しい目で見ればF8あたりから画質の低下が見られますので,結局F2.8からF5.6位で使うのが美味しいレンズという事になるでしょう。

 しかし,これも個人的な印象ですが,Zfに24-70mmF2.8Sや50mmF1.8Sといった高画質なレンズを組み合わせると,GR IV以上の画質をたたき出します。その点ではGRにはまだまだやるべき事があると思います。

 確かにこのレンズは切れ味は素晴らしいですし,それがスナップ用に向いていることは理解していますが,立体の描写はあまり得意ではないように思いました。

 総合的な画質もさすがにAPS-Cで2600万画素になると緻密で,素晴らしいと思います。以前からGRに足りないのは高感度特性だと思っていたのですが,暗い所での撮影能力に加えて,。暗部でのノイズの発生も抑えられているので,強力な手ぶれ補正と相まって,撮影シーンが増えそうです。

 手ぶれ補正も前述のように強力で,私の場合1秒でもピタッと止まります。もちろん動く被写体には無力ですが,撮影可能な場面が増えるので,特にスナップでは超強力な武器となるでしょう。

 それから,初代GRで気になったことの1つに,モアレがあります。1600万画素で無理にローパスレスにしたせいでしょうか,被写体や構図によって結構モアレが出ました。2600万画素にもなるとモアレが出ることはかなり少なくなりますので,モアレのことを気にしなくても良くなったのは,撮影自由度が上がって気が楽になります。


(5)電池寿命

 電池の容量がアップしましたが,EVFもないコンパクトデジカメでこの電池の減りの速さは驚きです。まるでDP2Merrillみたいです(それはいいすぎです)

 電池の減りが早いことは,本体がすぐに熱を持つことでも思い出されるわけで,このあたりは課題かなと思います。

 当座予備の電池を持つ事になるのですが,これも結構なお値段ですし,電池の複数運用に必須な充電器がまた高価で,しかも2個充電タイプしかなく,私には開き直っているようにしか思えませんでした。


(6)内蔵ストレージ

 GR IVから内蔵ストレージが53GBと強化され,基本的にメモリカードを使った運用はなくなりました。緊急避難的な意味もあってmicroSDのスロットはあるのですが,絶望的に取り出しにくくて,以前のようなメモリカードを介したデータの読み込みは簡単にできそうにありません。

 ついでにいうと,microSDの種類によっては書き込み時間が遅くて,撮影のレスポンスが低下します。内蔵ストレージと同じ程度の速度を維持したい私は,あれこれ試してUHSスピードクラス3で,30MB/sを最低保障するようなカードを使うことにしました。SamsungのEVOplusの64GBですが,これだと内蔵ストレージとほぼ同じ感じで使えます。

 取り出しにくいmicroSDを使う理由ですが,内蔵ストレージではUSBで吸い出すしか方法がないからです。せっかくWiFiを内蔵しているのに使えるのはスマホからだけ。MacやPCで使えないのは厳しいです。

 確かにSNSにアップするにはスマホでしょうけど,現像や編集,管理や印刷はMacやPCが主体です。そこをUSBだけに限ったのは,作品作りを目指すプロやハイアマにはちょっとしんどいんじゃないでしょうか。

 また,充電もUSBからなんですね。にもかかわらず,USBのゴムキャップが華奢で,GR IIIではよくちぎれたそうです。GR IVでも改良されていない様子ですので,私はUSBを避けることにし,充電器とmicroSDを用意したというわけです。

(7)残念な事

 何もかも別売りにしていること,その価格も安くないことにも残念ですが,その割に付属のストラップが本当にチープで,20万円の高性能カメラには不釣り合いです。コストの問題もあるでしょうが,ここはGR1に付属していたしっかりしたストラップと同じくらいのものを,せめて同梱して欲しかったと思います。


(8)まとめ

 つまるところ,GR IVというカメラは,GRという「フォーマット」を維持したまま,今どきのデジカメに求められる機能を妥協なく盛り込んだことに最大の意味があります。これを理解出来るなら買いでしょうし,理解出来ないなら後悔するカメラだと思います。

 スナップシューターを自らの存在意義ととらえ,その方向に磨きをかけた結果として,鋭い視線の切れ味のいい写真はこのカメラなら難なく手に入るでしょうが,一方で易しい眼差しの写真をこのカメラで手に入れるには,それなりの練習が必要ではないかと思います。

 触っていて楽しいカメラであり,もっと撮影していたいと思うカメラです。こんなカメラは久々で,まだまだカメラという世界には進歩があるんだなと思います。

 この機能とこの画質をこの大きさに詰め込んだ上で,自らの長所をググッと伸ばしてきたGR IV。あらゆるシーンに対応することを期待されたニコンやキヤノンと違い,苦手なシーンがあっても許す度量が必要なカメラだったGRは,GR IVでようやく撮影者への我慢を前提にしたカメラから脱したように思います。

 そうなってくると,小さく軽いこと,レスポンスがいいこと,レンズの切れがいいことは他にない強烈なメリットになるわけで,GR1からコンセプトを受け継いだ無印GRから3世代を経て,実力をも継承してくれました。

 心配なのは,スナップシューターにこだわりすぎてしまうことです。これだけの性能と機能をスナップだけに使うのはもったいないことで,家族旅行や学校行事,ちょっとした出来事の記録に,柔らかい優しい眼差しを再現し共有できる表現力も,将来のGRに備わることを期待します。

 最後に価格。高いと言われるGR IVですが,この性能と機能なら妥当です。ここまで必要ないならもう少し安くなるでしょうが,それに意味があるかと言われればないでしょう。

 しかし,この価格でカバーされるシーンは,スナップです。スナップという写真ジャンルにこの価格を投じる事が出来ればなっとく,出来なければ高いという評価になるのでしょう。

 その意味では特殊用途向けのカメラだとも言えて,購入者の期待がそこにあるかないかで,価格に対する評価が分かれるのだと思います。

 DRAMの価格のこともありますし,ナフサ不足から基板などの価格も上がるでしょう。この値段で買えるのは今のうちだと思いますが,果たして20万円を越えたときに,このカメラはどういう評価をされるのでしょうね。

 

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