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2014年06月の記事は以下のとおりです。

もう一度こんにちはPS3

  • 2014/06/30 12:46
  • カテゴリー:散財

 PS4も世に出ているこのご時世に,あえて先日PS3を買いました。

 2012年の8月に最初に買ったPS3が壊れたことを艦長日誌に書いていたのですが,あれから約2年,別に何かしようと思っていたわけではないのですが,買うことにしました。

 というのも,PS3が出てからもPS2が長く利益に貢献していた話と違い,PS4が好調ゆえにコストも下げ止まったPS3は案外早く生産中止になるのではないかと,勝手に思ったのです。

 別にPS3なんかなくなっても痛くもかゆくもないと言いたいところなのですが,実はダウンロードで購入したゲームが2つほどあり,これを手元にとっておくため,本体を今のうちに買わないといけないと思っていたのです。

 DVD-ROMなりBDのパッケージメディアで供給されるゲームであっても,結局本体がないと動かせないわけですから,ダウンロードであるかどうかどうかはあまり関係ないような気もしますが,なにせ買ったゲームが手元にあるかないか,というのは気分的に結構な問題なので,ちゃんとダウンロードが出来るうちに,いずれ買えなくなる本体を買っておく必要を感じていたわけです。

 で,24000円ほどで買えた本体ですが,随分随分小さくなっていると思いましたが,それでも安っぽくなっていないあたり,さすがだなあと思いました。ドライブはトップローディングに変わっていましたが,フタはボタンを押すとシュッと小気味良く左側にスライドしますし,開いたフタを右側にスライドすれば,まるで吸い込まれるようにシュッと閉じます。これは癖になる感覚です。

 動き出せばそれはもうただのPS3です。特に以前のPS3に比べて変わったところはありません。それがまたゲームコンソールのいい所でもあり,面白くないところでもあるわけですが・・・

 とりあえずPSNにログイン,PlaystationStoreから購入済みのゲームソフトを再ダウンロードして,遊べることを確認しました。そして,ついでにゲームのラインナップをざっと眺めてみました。

 モデル末期の最後の輝きとも言える,きら星の如く瞬くギャルゲーの数におののきつつ,案外昔のゲームが多いことに気が付きます。そうなんですね,これがまたオッサンホイホイなわけで,価格も安く,今どきのゲームにどっから手を付ければいいか分からない我々の世代でも,即楽しめるのが,20年ほど前のゲームなわけです。


 今さらDAYTONA USAなんか面白いのか,と思うのですが,824円だったので買ってみました。いやはや,おもしろいですよ。レースゲームならグランツーリスモ6があるのですが,ここまで真面目でストイックだと本当のマニアしか,面白いと思えるレベルまでやり込めません。

 でもDAYTONA USAなら,およそ実写の感覚とは違う「別の乗り物」でかっ飛ばす爽快感があり,短時間で遊べることも非常に楽しいです。思うに,やはりアーケード向けに練り上げられたゲームは,短時間で確実に愉しんでもらう工夫に満ちあふれているなあと・・・ああ,いい時代だったなあ・・・

 で,ここで1つ気が付いた事があります。ギャラクシーフォースIIもダウンロード出来るようになっていましたが,これってPS2版そのものなんですね。

 事象ギャラクシーフォースマニアの私としては,これは一応買っておく必要があります。ダウンロードして遊んで見ると,やはりPS2版そのままです。画面はもちろん,メニューの構成などもそのままです。

 ここでピンとくるものがあります。PS3で走る,PS2の互換機能をソフトで実現出来るのかどうか,です。

 初代PS3は,PS2と同じチップを内蔵して,力業でPS2との互換性を持っていました。いわばPS2をそのまま内蔵したこの構成は高コストであり,次の世代からは省かれてしまったのです。

 多くのユーザーは,高いコストをかけてまでこだわったPS2の互換性が簡単になくなるわけはないから,ハードによる互換性が省かれたのはきっとソフトによる互換性に目処がついたからだと思いましたし,毎度多くの機能が実装されるアップデートが頻繁に行われている事も考えると,そのうち標準機能になるだろうと思っていたはずです。

 しかし,実際に,PS2の互換性が復活することはありませんでした。

 数年前まで,やっぱりソフトによるPS2互換は技術的に難しいから出来ないのだ,という話もあったり,いやいや技術的には可能なはずだと反論があったりと,なかなかホットな議論がありました。技術論もさることながら,「SCEがエミュレータ技術に長けたエンジニアを募集している」といった話も出てきて,いちいち一喜一憂したものです。

 私自身は,この艦長日誌で,PS2互換を実現するためになにが一番大変で,それは技術的に打破可能なのかどうかを考察したことがありました。結論として,技術的には十分可能と書きました。

 しかし,その考察が正しかったことを示してくれるはずの,PS2互換は結局実現しなかったのです。そして2014年,もうそんな話が合ったことすら,すっかり忘れていました。

 それが,PS2版そのままのギャラクシーフォースIIを見て思いだしたのです。これこそ,まさにPS2互換機能だ,と。

 今さらこんな話で恐縮なのですが,そうなんです。PS2互換はすでに実現していたのです。ただ,その使い方は,PS3の機能拡張ではなく,PS3のコンテンツを増やすためだったというわけです。

 もちろん,PS2互換機能が,互換というには厳しい互換性しか持てなかったせいかもしれません。性能面では十分ではあっても,すべてのPS2ソフトの動作検証を行う為のお金と時間がかかりすぎたせいかも知れません。

 だから,特定のPS2ソフトをPS3のソフトとして動かすための仕組みとして使うようにしたのかもしれません。

 でも,SCEの人材募集に応募して,PS2互換の実現に邁進したエンジニアが,その成果物をこんな限定的な使われ方で済んでしまい,しかも大して話題にもならずに終わってしまったことに,私はちょっと不憫なものを感じます。

 今からでも遅くはないので,PS2互換を入れて欲しいなあと思います。最後の大型アップデートとして,PS3をこれまでのPSの集大成として末永く使うため,ぜひお願いしたいです。

D810雑感

 D810が発表になりました。

 こういう高級機は,慎ましい生活を愉しむ私にはあまり関係がないのですが,なにせ私はD800を背伸びして購入したユーザーであり,その後継機種は買うか買わないかに関係なく,興味がわくものです。

 その意味では,D810の噂がポロポロと出始めた頃からウォッチしてきたのですが,D800の時程ではないにせよ,いい意味で期待を裏切る進化を遂げていました。

 詳しい話は他にふさわしい場所を見て頂ければと思いますが,個人的に思う所を少し並べてみます。

・ローパスレス

 D800はフルサイズで3600万画素ということですので,画素ピッチは3.9um程度です。D800が出た当時,このピッチでローパスレスにするべきかどうかは意見が分かれており,ニコンとしてはどちらが主流になるか,判断しかねたのではないかと思います。

 その後,ローパスレスのD800Eが思った以上に売れたことと,ほぼ同じピッチのAPS-Cで2400万画素でもローパスレスが支持され始め,今はすでに高画素機のローパスフィルタの必要/不必要については,もう軍配が上がったと考えて良いでしょう。

 これは,ローパスレスによるデメリットである,モアレの発生がそんなに頻繁に起きない上に,画像処理でそこそこ消せることが分かって,メリットである高精細な画質に軸足を移すべきと,ユーザーが考えた結果だと思います。

 まあ,実際にモアレが出るシーンというはそんなにないし,出ても意外に気が付かないものですから,100枚のうち1枚にモアレが出るより,100枚とも高精細である事の方が,わかりやすいだけという話かも知れません。メーカーとしては,その1枚のミスショットを問題としましたが,私はそれをカメラメーカーの良心ととらえます。

 個人的には,折り返しノイズを後処理で除去できないことが理論上はっきりしている以上は,ローパスフィルタは必須と考えているのですが,そもそもローパスフィルタが必要ないような低周波数しか存在しない画像なら,別にあってもなくてもいいですし,折り返しノイズが出るような高周波数が豊富な画像なら,モアレが出るのでローパスフィルタがなければ成立しません。

 モアレが出た場合には,構図を変えたりして出ないようにすることも行われますが,これって結局構図を変えて,モアレと認知できないような周波数に折り返しノイズをシフトしているだけで,他に折り返しノイズが出ていることに気が付かないだけか,さもなくば折り返しノイズが出るような高周波数が貼ってこなくなっただけの話です。いずれの問題も,ローパスフィルタがあれば綺麗に解決するお話です。

 なのに,どうしてこんなにローパスレスが支持されるのかなあと考えたのですが,それはローパスフィルタの弊害が大きいことがあげられるでしょう。その弊害は2つで,画質の劣化と価格です。

 ローパスフィルタが純粋に高周波数のカットを行うだけの素子ならば問題はなにもありませんが,実は低周波数にも影響を与え,最終的に画質の劣化を起こします。これがモヤモヤとスッキリしない画像に繋がっていると思いますし,発色についてもやっぱりローパスレスの方が良かったりするのでしょう。

 それと,性能の良いローパスフィルタほど,高価です。安いデジカメと高価なデジカメの差にはいろいろありますが,ローパスフィルタの性能差も大きいです。高級機のローパスフィルタは,それだけでコンパクトデジカメが何台も買えてしまうほど,高価だったりします。

 これが一気に不要という事になれば,それはコストを削減するのに心血を注ぐメーカーに取って,この上なくありがたい話ですね。メーカーとしては,ちょっとでも可能性のあるモアレの発生を「機会損失」ととらえて完全防止することに大きなコストをかけていたのに,ユーザーの「そんなもんいらん」という錦の御旗を手に入れたという感じではないでしょうか。

 いずれにせよ,ローパスフィルタにはメリットもデメリットもあります。あるならあるで,ないならないで,上手に使いこなす必要があるということです。でも,ローパスフィルタありなしのカメラを,メーカーがチューニングをしたローパスフィルタありのカメラ同様に使いこなすのは,私はかなり難しいんじゃないかと思いますが・・・


(2)センサ

 センサは微妙に画素数が変わりましたし,低感度域が広がったこともあって,全く別のセンサに変わったようです。従来のセンサには定評があり,私も満足して使っていましたが,新しいセンサがどういう画像を吐き出すのか,ちょっと興味があります。

 センサが変わったという事は,そもそもRAWのデータが変わったということですので,画像エンジンが変わったという話よりももっと大きな話です。カメラの性格が根本から変わってしまう可能性もあるわけで,いい意味で挑戦的だなあと思いました。


(3)メカ

 メカも手が入っているようです。シャッターとミラーが改良されたらしく,その一番の恩恵は連写速度でしょう。私はD800の不満点に連写速度を上げていて,それは実際の連写速度と言うよりも,その速度に耐えうる骨格と筋肉を備えていることが重要と考えていたからです。

 DXで最高7コマ/秒というのは,D300に近い数字で,スポーツなどの動きの激しいものにも,それなりに追随できる性能です。もう一息欲しいところですが,7コマあればD800では対応出来なかったシーンでも活躍できることでしょう。

 また,骨格と筋肉はそれにふさわしいものになったことで,シャッター音も切れ味が出て良くなったと思いますし,その点でもD810には期待出来ます。

 ただ,1つだけ気になっていることがあります。それはレリーズタイムラグです。D800は0.042秒でD4などと同じ,一方でD810は0.052秒と随分遅くなっているのですね。

 この数字を信じるなら(信じるもなにもニコンの公式サイトにある数字ですが),この0.052秒というのは結構問題かなと私は思っています。

 GRやPentaxQなどを使っていて思うのは,今見たものが記録されていないという,タイムラグの深刻さです。それほどシビアな撮影ばかりではないのでGRもPentaxQもちゃんと使えているわけですが,D800をわざわざ持ち出すのは,やはりそこに高速レスポンスに期待するものがあるからです。

 0.052秒と言えば,D7100と同じです。またキヤノンの5D3なんかに近い数字のはずで,あのくらいの緩慢さというのは,0.042秒に慣れた人には結構辛いものがあるんじゃないでしょうか。

 私としては,他が素晴らしいだけにD810への買い換えも検討しましたが,このタイムラグの数字を見て,その気が失せてしまいました。


(4)有機EL

 ファインダーに投影される情報が,従来のLEDから有機ELに変わったそうです。このくらいのサイズの有機ELには十分は実績もあるし,実用上のデメリットはほとんどないのですが,個人的にはやっぱり寿命が短いことと,湿気による劣化の恐れがあることが心配で,LEDを使ったD800の方が安心して使えると思っています。


(5)LCD

 背面LCDはさらに高画質化したようです。従来の92万画素から120万画素に向上し,しかもRGBに加えてWまで加わったもので,これはかなり良くなったのではないでしょうか。

 そもそもD800は,発売直後に色がおかしいと散々クレームがついたカメラで,サービス対応で色の調整が行われるに至った程です。私は背面LCDに最初から期待していなかったので全然気にしていませんでしたが,ここまでよいLCDが搭載されるなら,もっと積極的に使って見ようかなと思わせます。


(6)電子先幕シャッター

 とうとうこれが搭載される時代が来たか,と感慨深いものがあるのですが,電子シャッターを先幕だけにしておくと,メリットは大きく,デメリットはほとんどありません。

 D810での電子先幕シャッターは,シャッターによる振動を減らしてブレを押さえるという,高画素機ならではの目的で搭載されたものですが,つまるところD800でもシャッターによるブレを押さえ込めていないはずということになってしまい,3600万画素を完璧に使い切れていないという話になるわけです。

 どのみち,手持ちであれば,シャッターはおろか,ミラーショックでさえも誤差となるほど,手ぶれの影響が大きいですから,そこは使い道の違いなんだろうと思いますが,この機能がライブビュー時にしか使えない事を考えると,ライブビューで撮影する(つまりミラーレスでよいという)理由が1つ増えるということになるのでしょうか。


(7)現像ソフト

 D800はCaptureNX2で現像可能なのですが,D810は不可能になるそうです。CaptureNX2の後継であるCaptureNX-Dで現像して下さいという話らしいですが,NX-Dはフリーになるとはいえ,NX2とは大きく異なるものです。

 一番大きいのは,NX2で使えたコントロールポイントが使えなくなることです。これはNIKの技術が使われているのですが,NIKが買収されたことでNX-Dには使う事が出来ないのでしょう。

 NX2の操作系はコントールポイントを軸にしたもので,慣れれば意のままに画像を調整出来る優れものでしたが,あまりに特徴的なものだっただけに,他のソフトへ簡単には移行できないんですね。

 私はNX2が高速で動作するマシンを持っておらず,その操作性の素晴らしさは認めていたものの,レスポンスが悪くて使わなくなりましたし,もっといえば他のカメラのRAWを現像するのに,結局他のソフトを使うことになってしまうので,NX2に慣れる前にLightroomへ移行する事にしました。だから,D810でNX2が使えなくなる問題は些細なことなのですが,NX2を愛用する人にとっては,D800からの買い換えを踏みとどまらせるほどインパクトがあるようです。


 てな感じです。

 D810いいなあ,かなり欲しいなあ,と思っていた私を,今一歩のところで踏みとどまらせたのは,やはりあのレリーズタイムラグの悪化です。僅かではなく,10msも遅くなるのは,もう普通にバレるレベルでしょう。いくら連写に強くなっても,これが悪くなっていることは,無視できません。

 また,D800Eなら買い換えたかも知れません。しかし私はローパスフィルタ信者です。おそらく3600万画素機でローパスフィルタを搭載するカメラは,D800が最初で最後になるでしょう。その意味で無印のD800が分類上貴重な存在になっているわけで,これを手放すときにはそれなりの覚悟が必要になるんじゃないかと思います。

 そもそも,D800に不満をちっとも感じていませんし,まだまだ使いこなしが出来ていません。もっと素晴らしい写真が撮れるはず。今のレベルでD810へ買い換えても,またカメラに振り回されるだけと思って,D800で精進したいと思います。

壁にUSB

  • 2014/06/23 21:04
  • カテゴリー:make:

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 電気工事の総仕上げとして位置づけていた,USBコンセントの取付が,先日終わりました。

 これまで,リビングに作ったカウンターテーブルの下側にコンセントが集まっていたのですが,上側にこのUSBコンセントとACのコンセントを増設したのです。

 今年5月に発売になったUSBコンセント「WN1471SW」が品薄で納期がかかり,ずっと作業が出来なかったのですが,ようやく手に入ったので作業を完了したというわけです。

 以前も書きましたが,私自身はこのUSBコンセント「WN1471SW」には少々懐疑的で,いずれもっと大きな容量のものが出てくるだろうとか,2口のものが出てくるだろうとか,ACアダプタの方が安いとか,思ったのです。

 しかし嫁さんに言わせると,カウンターテーブルの上側にあるので抜き差しが楽で,充電とデータの転送を同じケーブルで行う時に楽なんだそうです。私ならもう1つケーブルを買いますけどね・・・

 ACアダプタを上側に出すのは邪魔ですし,壁から直接USBが出ていると言うのは,それはそれですっきりします。もしどうしてもカウンターテーブルの上にUSBが欲しいなら,まあ壁に埋め込むしかないでしょう。

 私の場合,むしろ一緒に増設されることになるACのコンセントが便利かなと思っていました。デジカメの電池の充電するのに,カウンターテーブルの下側に潜るのはちょっと面倒ですし,異常に気が付きにくく不安だったのです。1つくらいコンセントが出ていないと,なにかと不便だなと思っていました。

 と,ここまで考えてWN1471SWを注文しようとしたのが5月末。当初5月中旬だった発売日が5月下旬になり,6月上旬となっていたのは知っていましたが,結局発売が遅れているだけの話だと思っていました。5月末に注文を出せば,発売後に手に入るだろうと思っていたのが,甘かったです。

 どうも,5月中旬に「新発売」として即納していた業者があり,ここに注文を出すとメーカー在庫切れで7月になると回答があったのです。まあ,どこまで本当かわかりませんし,話半分で聞いて頂きたいのですが,どうやら5月下旬に発売したのは本当で,ただ数が少なくてすぐに注残を抱える羽目になり,増産をかけても納期が7月になるという話のようなのです。

 実は,ある業者に注文を出したところ,7月上旬という回答をもらい,別の業者をみると即納とあるので,先に注文した業者をキャンセルさせてもらい,即納の業者にお願いしたところ,結局ここも7月上旬という話になったのでした。

 支払いも済ませたし,どこに頼んでも同じだろうと,もうここに任せたのですが,6月22日に私の手元に届いたというわけです。まあ10日ほど早まった計算ですね。

 作業そのものは難しいものではなく,壁の適当な場所に穴をあけ,配線を引っ張り,スイッチボックスをはめ込み柱にビスで固定,そしてコンセント取付枠にWN1471SWとACコンセントWN1001SWを取り付けて配線し,スイッチボックスに固定して,プレートをはめるだけです。作業そのものは1時間ほどで終わりました。

 WN1471SWを,取り付け前にしげしげとみていると,娘がトコトコとやってきて,じーっと見ています。気になる様子なのですが,「これはお母さんへのプレゼント」と説明すると,喜んでどこかに行きました。

 そして,子供を寝かしつけて一緒に昼寝をしていた嫁さんが,作業終了後にやってきたときに,「はいプレゼント」と壁を指さしたところ,今ひとつピンと来ない様子でしたが,ようやく意味がわかったらしく,「ありがとう」といってくれました。

 まあ,USBが壁から出ている一戸建ては,まだ少ないでしょう。今のうちから接客アイテムとしても活躍してくれそうですが,何にしても危険がないようにだけ,気にしないと行けません。様子をよく見て,危なそうならすぐに確認するという姿勢が大事だなと思います。

 ところでこのWN1471SWですが,仕様としては5V2Aということで,10Wクラスのアダプタです。一応iPad2,Walkmanあたりの充電は出来ています。どんな機器で充電出来るのか,充電出来るとして500mA以上の電流を引ける仕組みに準拠しているのかどうか,そのあたりははっきりせず,様子見という感じなのですが,とりあえずこれで壁からUSB充電計画は完了,です。

Q7に対する誤解

 先日,PENTAX Q7のレビューを書きましたが,200枚ほど撮影した後,ようやく先日Lightroomで現像するというワークフローにのせることが出来ました。

 で,驚いたのは,その画像の素性の良さです。

 先日の印象では,画質は2014年レベルにはほど遠く,過度な期待は禁物と思っていました。Qに比べてQ7はセンササイズが一回り大きくなっただけで,高感度特性も実質的に向上していないし,やっぱりレンズ交換式のコンデジの域を超えていないという結論に至り,むしろそのレンズ交換を楽しむデジカメだと考えたのです。

 しかし,Lightroomで画像を開いた私は,大幅に進化した画質を見る事になります。思わず「いやー良く写るなあ」と声を漏らしてしまいました。

 この画質の良さは,2つの意味があると思っています。1つはQ7というボディの画質向上,もう1つはレンズの良さです。

 まずボディですが,ノイズの量から言えば,確かにQ7の方がノイズは少ないのですが,それでもISO3200は厳しく,ISO1600が常用範囲だと思います。この点でQとの違いはやっぱりないと思いますが,実際に現像をしていて思ったのは,色情報がしっかり残っていることと,コントラストをきちんととらえていることでしょう。

 ISO1600の場合,Qなら色が落ちてしまい,いかにも高感度で撮りました,と言うかすれた印象になります。コントラストも低下していますから,もう階調が破綻しているんですね。だから調整をしようにも手出しが出来ません。

 しかしこれがQ7だと,色もしっかり残っているし,コントラストも十分です。階調が破綻していませんから,調整もまだまだ可能です。この差は実に大きく,Qならもう遊びと割り切らないと行けないものでも,Q7なら記録として残す価値のあるものになるわけです。人の肌の局面の滑らかな階調をすべて残せているとはいいませんが,ISO1600でここまで残せるなら,現像もやる気が出てくるというものです。

 それと,この傾向はISO2500くらいまでなら踏みとどまってくれる感じがあります。さすがにISO3200では駄目ですが,緊急避難的にISO2500くらいまでなら,まだなんとか救えるということがわかったので,これは大きな収穫でした。

 色に関して思うのは,ホワイトバランスが優秀になったということでしょうか。ホワイトバランスの進化は各社本当に実感します。15年前のデジカメはもうボロボロでした。D2Hもよく外すので太陽光に固定していましたが,この話はK10Dでもそうでした。Qも良くなったとは言え,やっぱり外すことが多くて,ホワイトバランスの確認は現像時の必須事項でした。

 ですが,D800,GR,そしてQ7と,もうオートで十分です。というより,オートが一番良いです。現像時にホワイトバランスを調整しないで済むというのは本当に楽が出来て助かりますし,なによりサムネールとして使うJPEG画像で正しいホワイトバランスが得られていることは,その写真に対する印象を正しく持つためにも必要なことです。

 現像の前に,もしかすると面白い事になるかもなあと思いついて,Kマウントアダプターを引っ張り出してきました。Qでは結局使い物にならなかったのですが,Q7なら案外使えるかもと閃いたのです。

ファイル 699-1.jpg

 この写真は,先の日曜日のお昼に,近所の庭に咲いているアジサイを,自宅の窓から撮影したものです。Q7にFA77mmF1.8Ltdで,ISO800,1/320秒,絞りは忘れましたがおそらくF5.6かF4だったと思います。35mm換算で324mmの望遠ですが,手持ちでここまで撮れるんですから,面白いです。

 実はこのアダプターを使うと,1段ほどオーバーになります。これで白く飛んでしまうのですが,現像時に露光を-1.0すると,なんとか階調が戻ってきます。色を見てみるとアジサイの淡い青が残っていて,葉の緑色と古びたコンクリートのグレーが綺麗だったので,六つ切りに伸ばしました。

 その際に,ざっくりとトリミングをして縦にしたのですが,もともと2200x1700くらいの画像だったものを,ここでは1/4に縮小してあります。

 もともと設計の古い銀塩用のレンズですから,画像が眠いのは致し方なく,それは最近のレンズやカメラの流行に乗っていないと思うのですが,それでもFA77mmの持つ滑らかさや視線の優しさは,私は十分残っていると思っています。センサも小さいし,トリミングをしておいて,残っているFA77mmの個性などごく僅かだとは思いますが,ただのオールドレンズの眠い画像とは,ぱっと見の印象が違っていると私は唸ってしまいました。

 そもそもQが遊びのカメラ,マウントアダプタもお遊び,そしてFA77mmという古い設計のレンズとくれば,もう結果は実用性など微塵もない,趣味性の強いものになってしまいそうです。しかし,私はこの結果を六つ切りに伸ばしてみようと思うくらいの実用性を感じました。
 

 さて,もう1つのレンズの良さです。

 本体がこれほど改善しているから,レンズの良さが見えてきたという側面もあるのでしょうが,特に06と08の2つの画質が際立って良いのです。もう絶賛です。

 06はさすが通しF2.8の望遠ズームといった当たり前の使い勝手ですが,出てくる画像はキレもあり,豊かな階調もあり,色もこってりとのっていて,暖色系の色再現性に長けているような印象を持ちました。開放から使っても破綻せず,使っていて楽しいレンズです。

 一方の08ですが,これはもうすごいです。35mm換算で18mmという超広角で,なにも考えずにレンズを向けると,余計なものがいっぱい映り込んでしまうのですが,その映り込んだ余計なものの写りがよくて,思わずニヤニヤしてしまうのです。

 解像度も透明感もあるし,いわゆるアンシャープマスクで作ったエッジとは違って,ちゃんと色も乗っています。超広角ですからディストーションはありますが,周辺光量の低下もなければ,中心と周辺との解像度の差も小さく,色収差も含めた様々な収差も良く補正されて,ほとんど気になりません。

 さすがにちょっとフレアが出たりしますが,このレンズは寒色系の色再現性に長けているような印象で,特に空や木の葉が美しく出ます。

 そして,なにがすごいって,このレンズはほとんど補正がいらないのです。06では,Lightroomでもレンズプロファイルが用意されて,RAWからの現像時にはこれを適用しないと,ちょっと辛いものがありました。しかし,08はレンズプロファイルが用意されていません。

 そのうち出るんじゃないかと思っていましたが,実は必要性がないんじゃないかとも思っています。RAWから現像するのに,レンズプロファイルなしで,もう十分な画像が出ているからです。

 JPEGと見比べて見ましたが,ほとんど見分けがつきません。つまり,08は本体でも補正をあまり積極的にはかけていないということです。01は補正が前提,06も補正をしないと辛いものだったわけですが,ここへきて08は補正無しでも十分な性能を持つ,ともすればQマウントシステムの設計思想(すべての収差を光学的に平均的に潰すのではなく,光学補正で潰せる収差を徹底的に潰して,副作用をデジタル補正で補正するという,レンズ補正が前提という考え方)の根幹を揺るがしかねない,超高性能レンズなわけです。

 確かに,08の値段はQ7本体よりもずっと高価です。この価格が故に購入を断念した声もちらほらあったと記憶していますが,ここまでの性能を見せつけられると,特にQ7のオーナーは,借金してでも買えと,言いたいくらいです。それくらい,Q7とはベストマッチです。

 ところで,一緒についてきた(というと可愛そうですが)02ですが,さすがに標準ズームだけあって,画角は使いやすい(35mm換算で24-70ですからね)のですが,評判通り,画質は今一歩な感じです。いや,決して悪いわけではないのですが,やっぱり眠いというか,キレがないというか,今一歩感が画像から滲んででてくる感じなのです。

 もっとも,06と08の列びで02を見ていますから,特にそういう気分にさせられるのでしょうけど,これが06だったら,あるいは08だったらなあと,思うことがしばしばありました。やっぱり,02のプレミアムバージョンが欲しいです。Q7の後継や上位機種が出るとしたら,24-70のF2.8通しズームが出ないと,ちょうどここだけ欠落した感じになってしまいます。この穴は大きいです。


 ということで,Q7を私は見くびっていました。あちこちでみた作例も,撮って出しのJPEGで本体が加工に加工を重ねた,原形をとどめない画像だと思っていたのですが,さにあらん。RAWデータの質がもうQとは別次元で,たくさんの情報がそこには眠っています。現像でいじることの出来る範囲は大きく広がり,多少の無理も利くようになっています。

 これに06や08を組み合わせれば,Q7は本当に懐の深い画像を吐き出してくれます。見た目のかわいらしさ,面白さに惑わされると損をしますね。良く出来たカメラだと感心しました。

 さて,こうなってくると,Qシステムの今後が気になります。直接関係する話としてはレンズですが,予定に入っているのはマクロレンズでしょう。まあ,Q7でマクロレンズってどれだけの需要があるのかなと思う所もありますが,マクロレンズは解像度が命です。ポートレートにも使いやすい画角で出てくる事も考えると,どんなレンズになるのか楽しみです。

 あとは,やっぱり標準ズームに高画質なものが欲しいですよね。02の立ち位置が微妙になりますが,24-70のF2.8通しは,もう絶対に必要です。
 
 マクロでしょ,標準ズームでしょ,もうこれで最低限のラインナップは揃ったわけですが,ここにあえて加えるなら,大口径の標準レンズと,パンケーキでしょうか。35mm換算で35mmのF1.4とか,50mmのF1.2とか,大きな前玉が(それでもフィルタ口径は49mmだったりするんですが)ギラギラしてたりすると,もうたまりません。

 パンケーキも,そうですね,PENTAX伝統の40mmでF2.8で,厚みは12mm-13mmくらいがいいですね。グリップとツライチになるくらいの厚みがちょうど良くて,ちゃんとAFがきいて,レンズシャッターがついているものがあるといいかなと思います。

 今の01はちょっと分厚すぎますし,F1.9という明るさが中途半端で難しいです。かといって07は単レンズだし,パンフォーカスだし,トイレンズとしてはありかもしれませんが,あれを常用して貴重なシャッターチャンスを待ち受ける勇気は,ありません。

 まあ,レンズはそんなもんですが,あとはボディです。これだけレンズの性能が高いのですから,ボディにももっと期待したいところです。Qの画像を見て,もうQはこの路線でいくんだろうなと思っていましたが,Q7の画像は,カメラとしての本質を今後も追いかけていくだけの素質を,垣間見せてくれました。

 PENTAXの命名ルールからいくと,7はフラッグシップ機で,その後継は5,そして3に続きます。きっとQ5は出るでしょうし,Q3も続くかも知れません。名機で知られたK-5に続き,Q5も名機であることを望みたいところです。

 ところで,QからQ7への進化は,センササイズの変更という,まさかの飛び道具によって成された部分が大きいわけですが,イメージサークルの大きさからいって,これ以上のセンササイズに拡大する事は出来そうにありません。

 ということは,Q5になって進化するのは,センサで言うと画素数のアップ,高感度特性の向上,そしてダイナミックレンジの拡大という,正常進化になるはずです。

 このうち,画素数のアップに対して高感度特性とダイナミックレンジの2つは,両立が難しい問題です。Q7の画素ピッチはすでに1.9umまで小さくなっています。GRはAPS-Cで1600万画素ですが,これならさすがに画素ピッチは4.8umありますし,K-3のような2400万画素になっても3.9umあります。D800はフルサイズで3600万画素なので3.9umということで,さすがに大型センサはしっかり画素ピッチが確保できるのがわかります。

 これが,例えばNikon1J3のような1インチになると2.9umまで小さくなりますが,それでも2umを割ることはありません。2umを割るのは,もうコンパクトカメラの世界なのです。逆にびっくりするのは,iPhone5SとPENTAX Q10の画素ピッチが同じなんですね。
 
 こういう状況を踏まえると,画素数アップはかなり厳しいなあと思います。もちろん,画素数が上がることで得られるメリットは大きいですから,頭から否定するつもりもありませんが,画素数が1600万画素になって画素ピッチがQ10並になっても,あんまりうれしくないですよね。2400万画素になって,画素ピッチが1um近くなったら,それまで出来ていたことが出来なくなったりしますよね。

 かといって,画素数を減らすという選択肢は,今さら出来ないでしょう。そうすると,もう1/1.7のセンササイズ,1200万画素で,ひたすら高画質化をするしか,ないでしょう。しかし,プレミアムコンパクトカメラのセンササイズがAPS-Cに移行するに至って,1/1.7はもう性能的な要求の低い,普及価格帯のセンサになってしまうでしょう。

 そうすると,画像処理エンジンの高性能化によって高画質化することになりますが,これも結局撮って出しのJPEGで有利になる話ですから,私のようなRAWで使う人には,難しいなあと思います。

 ちょっと視点を変えて,センサのアスペクト比を変えてみたらどうでしょうか。今は4:3のセンサで,実はイメージサークルが目一杯生かせるのですが,これが3:2になると,どんな風になるかなあと思ったりしました。

 が,冷静に考えると,4:3のセンサを3:2でクロップするのと同じですね。それならQ7で出来ています。(そうそう,QはRAWデータにクロップデータが入っていませんが,Q7はクロップデータが埋め込まれているので,3:2で撮影すればJPEGだけではなく,RAWでも3:2で自動でクロップされるんですね。小さな違いですがちょっとうれしい機能です)

 そんな中で,Q5はまず,全体のレスポンスを向上させて,2014年レベルのサクサク感を実現せねばなりません。メモリカードへの書き込みも高速化しないといけないし,撮影画像のプレビューも今は時間がかかりすぎです。待たされることが多いQ7は,まだまだこの点で伸びしろがあります。

 高感度については,ISO3200が常用域,ISO6400までが緊急用,それ以上は画像処理と組み合わせてISO25600までという感じがボトムラインでしょう。

 LCDは,色,明るさ,画素数と,もっともっと進化しないといけません。バッテリーの持ちも悪いので,低消費電力化もテーマになりますね。

 それとぜひお願いしたいのが,薄型化です。ボディの厚みが結構あるので,これをもう2mmほど薄くすれば,持ちやすく,また格好良くなるはずです。

 Kマウントアダプタをもっと主役に引っ張り出して欲しいというのも感じる事です。デザイン上の統一感,持ちやすさの向上もそうですし,いちいち焦点距離を入力するのも面倒なので,いくつかプリセットして選ぶようにする仕組みとか,手ぶれ補正をもっと強くかかるようにして,500mmオーバーでも手持ちOKとか,とにかくこのマウントアダプタをもっと使えるようなボディにして欲しいです。

 うーん・・・無理にQ7から買い換える必要性って薄くなってきてますよね。だったら,Q7とQ5は併売とし,Q5はストイックな全金属超小型モデルとして登場しても面白いかも知れません。縦グリップも付属,バッテリーは2個内蔵できたりして,大口径のKマウントレンズにも見た目に負けないカメラになると,面白いなあと思います。

PENTAX Q7を手に入れた

  • 2014/06/10 10:08
  • カテゴリー:散財

 PENTAX Q7を買いました。色は,オリーブドラブに黒の張り皮という組み合わせを狙ってオーダーしました。

 急にQ7?

 そうなんです。初代PENTAX Qを持っている私ですが,すっかり出番が減っていて,ほとんど使う事もなくなっているのですが,そんな中でさらにQマウント機に投資というのは,結構悩むものがあります。

 ですが,年末に08WIDE ZOOMを買ったものの,これが稼働していないことはさらに残念なことであり,しかもセンササイズの関係でQよりはQ7でないと,このレンズのうまみが引き出せないということから,いつかはQ7を買おうと思っていました。

 とはいえ,Q7もなかなか高価で,簡単に買うことは出来ません。それがここしばらく,レンズキット(02が入っています)で3万円とかなり下がってきており,買ってみようという気持ちになっていました。

 普通,レギュラーカラーなら3万円で出ていても,オーダーカラーで3万円はなかなかないのですが,私がお願いしたお店はオーダーカラーでも3万円でした。

 Q7やQ10は表面がプラスチックですので,あまり黒とか銀色にこだわる必要もなく,それなら欲しい色を頼んでみようずっと思っていましたが,価格が3万円ということなら非常に好都合です。

 Qマウントのレンズは,おそらくイメージサークルが1/1.7が最大ではないかと勝手に思っているので,これ以上待っていてもQ7から劇的に改良されたモデルというのは出にくいだろうと思います。画素数も別に必要ではありませんし。

 そうすると,ここらでQ7を買っておいた方がいいんじゃないかと。買ったわけです。

 まだあんまり使っていませんが,良いと思う点といまいち,と思う点がいろいろ混じったカメラでした。

・たたずまい

 Qのような凝縮感は薄く,ちょっと大雑把な印象がある外観ですが,これはこれで十分格好がいいです。角が丸くなったあたりなどはデザインとして秀逸で,私はここが一番気に入っています。

 ただ,Qにもいえることですが,レンズを付けた状態で格好いいものって,なかなかないのです。実はボディーキャップを取り付けた状態が一番格好がよいと思っています。

 Qよりも一回り大きな感じがするのですが,そのせいもあっててにはよく馴染むようになりました。ぱっと手に取ったときの自然さは,Q7の方がはるかに上です。これから写真を撮るぞと言う,そんな気持ちになります。


・外観

 Qと並べてしげしげと見比べて見たのですが,Qよりも一回り大きく,しかしQとねじ穴の位置まで同じなんですね。LCDもHDMIのコネクタも,外側のプラスチックの皮1枚分だけ奥まったところにあったりして,なんだかQにカバーを付けたようなだけのような気がします。

 もしかすると,Q7を分解してQの筐体に入れる事が出来たり,あるいはQの外側をQ7にはめ込んだり出来たりしないかなーなんて考えたりしました。

・AFモード

 初代Qは25点セレクトでAFを使っていましたが,Q7はこれが廃止されているんですね。探し回ったのですが,結局これはオートに置き換わっていました。えー,困ったなあと思ったのですが,使って見るとオートの方がはるかに便利です。

 25点セレクトは本当に25点を動かさないと行けないのですが,オートであれば25点のうち9点分のエリアを大雑把に選ぶだけですので,楽にエリアを選択できて,素早い操作が可能です。Qにこの機能が欲しいと思いました。

・レスポンス

 Q7が出た時,レスポンスが良くなったと書かれていました。私も結構期待したのですが,これは期待外れに終わった気がします。起動時の待ち時間もそんなに向上した感じはないし,撮影時のサクサク感も,確かに良くはなっていますが,意識するほどの向上ではありません。

 メモリカードが古いもので,class10でもそんなに高速ではないから,書き込み時間で待たされているような気もしますが,いずれにしてもD800やGRという使い慣れたカメラに比べて,Q7はやっぱり遅すぎて,ちょっとイライラさせられる感じです。

・手ぶれ補正

 初代Qにもあった機能ですが,センササイズが大きくなってもちゃんと手ぶれ補正が搭載されているというのは大したものです。なんでも,この手ぶれ補正はリニアモーターではなく,ステッピングモーターでやってるそうなのですが,追従性とか分解能とか大丈夫なんだろうかとちょっと心配になりました。まあ実際問題はなにもないのですが・・・

・高感度の画質

 ISO設定が12800まで出来るようになったし,センササイズが大きくなったこと,そもそもQよりも後の機種だけに,きっと高感度の画質も向上しているものだろうと期待していました。

 さすがにISO12800までは無理だとしても,ISO6400まではギリギリなんとかOK,常用範囲としてISO3200までは使えるのではないかと思っていました。QはISO1600がギリギリでしたから。

 ところがQ7を実際に使ってみると,ISO6400は全く駄目,ISO3200もノイズと潰れがひどく,実用域ではありません。結局Qと同じくISO1600を上限としました。ノイズや解像度というわかりやすいところで評価した結果であり,まだきちんとRAWからの現像を行っていない現時点でコントラストや発色について確認出来ていません。もしかすると,Qに比べてコントラストや発色といった,自然な補正がなかなか難しい劣化が改善されていて,案外高感度域が工夫次第で使えたりするかも知れません。

 思えば,QではISO1600でもコントラストの低下と退色がひどく,これを補正するには本当に骨が折れました。その意味ではISO800くらいが普通に使える限界だったわけですが,Q7のISO800はまだまだ余裕を感じる画質でした。

・動画

 私はデジタルカメラは静止画がメインで,動画はお遊びですが,実はQの動画って使って見ると便利だなと思うことが多くありました。手ぶれ補正がしっかりきいて,撮影のスタートとストップの反応もまずまず,室内の撮影でも色が破綻しないで,結構踏ん張ってくれます。

 それに,被写体が動き回るときにセンササイズが小さいQは,フォーカスのあう範囲が大きいので,ラフに撮影しても失敗しません。これがAPS-CのGRや,フルサイズのD800だと,ちょっと動かれるとぼけてしまうので,あまりうまく撮影出来ません。

 ということで,実はお遊びで撮影したQの動画は,結構記録として楽しいもので,しばらく建って見返すと,撮っておいて良かったなあと思うことが多いのです。

 もちろん,フルHDとはいえ30fpsまで,フォーマットもAVCですから,画質は大したことはありません。しかし,超広角ズームで動画を撮るという事だけでも,Qというシステムは面白いものだと思います。

 Q7もこの利点は継承していて(というより改良もされずに放置されたと言うべきか),センササイズが若干大きくなったことでさらに画角が広がり,超広角ズームの面白さが際立った感じです。それゆえに難易度は急激に上がった気がします。

 という感じで,Qに比べて格段に良くなったQ7ですが,デジカメとしてのQ7の絶対位置を改めて考えてみると,これは申し訳ないけど中の下,という感じです。レスポンス,画質,使い勝手など,Qに対する正常進化には納得するも,その到達点は2014年としては物足りず,過度な期待は禁物かなと思います。

 Q7登場時のレビューも,みんな手放しで褒めているんですが,なんだか上滑り感があるというか,根拠が今ひとつはっきりしないというか,同じ褒めるでも歯切れの悪い褒め方をするという感じがして,ちょっと微妙だなと思っていたのですが,その理由が分かった気がします。

 個人的には,デザインはQ7の方がいいんですが,質感や密度感はQが圧倒的に上で,Q7の上位機種としてQのような剛性感のあるマグネシウム筐体に,もっと高画質を奢ったものが,あってもいいんじゃないかなと思いました。

 Qの面白さは,そのレンズにあると思います。私はトイレンズが使いこなせない人なのであまり感心はありませんが,01,06,08といった画質に定評のあるレンズは,使っていても実も面白いです。そのレンズの性能をもっともっと生かせるボディが出ることを,願ってやみません。

 そんなこといいつつ,ここ最近はQ7にフード付きの08ばかりで写真を撮っています。オリーブドラブに黒の張り皮は,もっと緑色が深いと精悍さが出るんじゃないかと思いますし,そもそもプラスチックの筐体の角は丸く,その点でもキヤノンF-1のオリーブドラブとは全然違うものなのですが,このちょっとオモチャっぽい感じはそれなりによくて,ストラップなしで右手で「わしっ」と掴んで歩くのがとてもうれしいのです。

 派手に広がった花形フードに太いレンズは,まるで大型一眼レフに高級なレンズを取り付けた印象をそのままミニチュアサイズにした感じで,私などは使い終わった後にわざと片付けずに,ノートPCの上にぽんと放置しています。

 これが眼に入ると,「あ,格好いいな」と思うのですが,それがQ7の,他にはない楽しみ方だなあと思ったりします。

 Qの時にも書きましたが,この小さいセンササイズで,レンズ交換式というのがQの最大の面白さです。ペンタックスは無謀にもまた複数のマウントを保有するカメラメーカーの道を選んだのですが,いろいろしんどい世の中でも良いレンズをちゃんと出してくれていることは,本当によく頑張っていると思います。

 Qマウントが,例えばタムロンやシグマといったレンズメーカーでサポートされる可能性を考えている人はほとんどいないと思いますし,当のペンタックスだっていつまでやってくれるか分かったものではありませんが,それはそれ。この際Q7に08で超広角専用デジカメという割り切りをしても,その存在理由は十分かも知れません。

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