エントリー

2017年11月の記事は以下のとおりです。

AT-X 16-28 F2.8 PRO FX を買った

  • 2017/11/27 14:52
  • カテゴリー:散財

 F2.8通しのズームレンズは,広角,標準,望遠の3つで「大三元」と呼ばれていて,通常考えられる撮影シーンをほぼ完全にカバーします。

 カバーするのは焦点距離ですが,もちろんそれだけでは成立せず,F2.8という明るさと単焦点をしのぐ画質がなければ成り立ちません。

 そのために大きさ,重さ,そして価格が犠牲になるわけですが,これも考えて見ると,一昔前なら単焦点レンズをいくつも揃えてカバーしていた撮影域がわずか3本で大丈夫になったわけで,トータルで考えると大きさも価格も,一概に大きくなったとは言えないものがあります。

 ただ,以前なら28mmF2.8を選ぶなら35mmF2.8は当分いらない,という人も多かったはずで,少ない予算を自分の好みやスタイルに合わせて配分していくことは難しくなったと思います。

 とまあ,大三元についていろいろ思う訳ですが,トータルで安いとはいえ純正で20万円は随分高価ですし,トータルで軽いとは言え1kgもあるレンズは,やはり購入に一大決心が必要です。

 以前のように,高価で大きなレンズは特殊なレンズだけならば,それでなければ撮影出来ないものがあるわけですので,高い大きいはあまり関係がありません。しかし,単焦点でも大丈夫な撮影をわざわざ20万円のズームで撮影するという事は,単焦点を揃えるよりもメリットがある撮影スタイルを確立しているか,写真に入れ込んでいることを示しているか,のどちらかでしょう。

 どちらにしても,そうした理由で20万円のレンズをわざわざ買うのですから,いい加減なレンズを売るわけにもいかず,そこはメーカーの威信をかけた,まさに「顔」となるようなレンズであることが強く求められるのです。

 当然画質などの性能にはその時々の最高のものが期待されますし,バラツキや不良,耐久性などの品質についても厳しいものが求められます。

 理屈では分かっているのですが,実際に大三元を手に入れて使ってみると,これらを本当に実感するのです。

 今や,大三元の画質は,かつての単焦点をしのぎます。ですので単焦点のレンズは,小型であるとか,クセがあるとか,F2.8よりもずっと明るいとか,安いとか,そうした個性で選ばれるようになっていますが,こんなの25年前にはちょっと考えられなかったことです。

 D800という新鋭機を手に入れた当時の私は,レンズの性能がD800の足を引っ張っている事実を突きつけられていました。安いレンズの収差を味わうことで成り立っていた私のカメラ趣味は,この悩みを凡庸に解決する道を選んだことにより,最新機種と高価なレンズで高画質を狙うという,ごく自然な方向に向くことになります。

 標準域はAF-S24-70,望遠域はAF-S70-200VR2で普段は困らないようになったのですが,やはり広角が欲しくなります。キヤノンユーザーがマウントアダプタを買ってまで使うという神レンズAF-S14-24を当然狙いたいところではあるのですが,いかんせん20万円を超える買い物を,そうそう簡単にできるはずもありません。

 また,広角域はそんなに出番もなく,かけた費用を回収することも出来ないでしょう。

 そこで私は,AF-S18-35mm f/3.5-4.5G EDを買ったのでした。7万円ほどで上位機種をしのぐ画質を誇る,小型軽量の高画質レンズです。

 2014年の10月末に手に入れて,最初はいろいろ遊んでいましたし,その後はD2Hに付けっぱなしにしていたのですが,D800やD850で使うことはほとんどなくなっていました。

 もったいないと思ってしばらく付けていたのですが,出てきた写真がどうもしっくりこず,結局やめてしまったのです。

 解像度もコントラストも優れているレンズのはずなのですが,どうもありきたりのズームレンズの眠たい画像ばかりで,目の覚めるような写真がなかなか出てこないのです。

 我慢できずにシグマの35mm/F1.4に付け替えると,やはりその画質の差にニンマリしてしまうことになり,もうAF-S18-35に戻すことはなくなってしまいました。

 思うに,18mmという広角端がちょっと物足りないのと,やはり開放が暗いということがあったんじゃないでしょうか。

 収差を改善しようとして2段も絞ると,もうF8まで暗くなってしまい,背景もぼけず,シャッター速度も落ちてキレがなくなり,あげく感度が下がってノイズも増えるし色も悪くなるしと,写真の負のスパイラルにはまり込んでいるようです。

 明るい屋外では問題がないかもしれませんが,室内で撮影することが多い私の使い方では,どうもこのレンズは進化を発揮出来ていないようです。

 なので,最後の課題として広角ズームが残っている状態なのですが,AF-S18-35は基本性能が高く,外に持ち出すレンズとして重宝しますし,純正のレンズを手放すにはちょっと惜しいと思っています。

 もちろん,AF-S14-24を買うならすべての問題は解決しますが,やはり20万円を越えるレンズですし,前玉に傷を付けたときの精神的ダメージが大きすぎるように思いますから,これも手を出しにくいです。

 純正のF4ズームからAF-S16-35を選ぶという手もあるのですが,AF-S18-35よりも劣るという話を耳にすると,手を出す気が起きません。

 そうなるとレンズメーカーのF2.8ズームということになるのですが,これはこれで当たり外れもありますし,リセールバリューも低くて,よく考えないといけません。気に入らないと理由で処分することが現実的には出来ないのですから。

 そんなことをここ1年くらい考えたいたところ,発売が古くて全く無視していたトキナーのAT-X16-28を改めて確認する機会がありました。

 16mmと手頃の広角端を持つF2.8通しズームで,前玉が飛び出しているデメキンレンズです。

 登場は2010年と古く,当時はその画質絶賛されたレンズですが,一方で量産性を大きく改善する製造技術により,純正の半額というお値段を実現したレンズでもあります。

 今なら1/3で手に入るこのレンズは,F2.8通しらしい大きく重いレンズで,解像度もコントラストも大変よく,色のりもコク出てくる事で知られています。特に青空の青色が濃く抜けるように出てくることは魅力の1つで,トキナーブルーと呼ばれています。

 ただ,逆光に弱いことは当時から厳しくされています。まあ,でもそれはなんとかなるでしょう。個性として割り切ればいいです。

 そうしているうち,キャッシュバックで1万円も戻ってくることが告知されました。このレンズがなんと実質6万円で買えるのです。これはいい機会かも知れません。

 最安値は7万円ちょっとで,ヨドバシは79020円で10%のポイントですから,実質71200円ほど。差額は1000円ちょっとなので,これくらいならヨドバシで買う方が安心出来ます。(そしてこの選択が正しかったことを私は後に知ることになります)

 ちょうどヨドバシの配達が通常の速さに戻ったこともあり,23日の夜に注文しました。24日の午前中に届くというので待っていましたが出荷の遅れがあり,届いたのは24日の夜でした。

 届いて見てみると,さすがにF2.8の広角ズームです。ずっしりと重く,レンズらしい質感です。デザインは私の好みではないのですが,そんなに悪いものではありません。お金がそれなりにかかっていることがわかります。

 早速試し撮りです。16mmという画角でも周辺光量の低下は少なく,中央部の解像度は極めて良好です。色収差はそれなりに出る条件がありますが,絞れば気にならないレベルです。

 逆光はいわれている通りで,ゴーストもフレアも派手に出ますし,コントラストの低下も見られます。しかし,それも回避方法がないわけではなく,うまく逃げる方法を考えた方が賢いと思います。

 いいなこれ,やっぱりF2.8だなあと思って前玉を覗き込むと,フードの内側にひっかき傷のようなものが見えました。

 あれ,これはなんだと,少し湿らせた綿棒で拭くと,一応とれます。しかし,その周囲を注してみると,レンズに1.5mmほどのキズを発見してしまいました。

 さらに,レンズを固定してあるカニ目にも分解痕のようなものがあります。

 一応レンズを拭き掃除しておこうと,シルボン紙にアルコールを少しだけつけて拭いたところ,油のような汚れもポツポツと出てきます。

 うーん,これはおかしい。

 写りに影響はないとはいえ,これは新品です。外観は綺麗でもレンズにキズはちょっと悔しいです。もしこのレンズを売却する場合,このキズが理由で大きく減額されるでしょう。売らない場合でも,気分的にマイナスです。

 あれこれ考えましたが,こんな時のヨドバシです。

 翌朝電話をしてみたところ,即座に交換するという返事。しかも代品を最短で送るので,届いたときに交換をしてくれればいいと,とても助かる対応を頂きました。

 先に送ってくれとか,初期不良と認定されないとダメとか,メーカーに直接電話しろとか,そういう面倒なことにならず,ヨドバシで買って良かったと思いました。

 果たして翌日の朝に届いた交換品はもう完璧で,チリ一つなく,写りもさらに良いベストコンディションでした。キズはもちろんですが,レンズが入っていた袋も,ピシッと折り目の付いた綺麗な袋で,交換前のものがくしゃくしゃの透明なものであったことを考えると,やはり今回の交換品の方が正解だったんじゃないかと思います。交換してよかったです。

 さて,そこからは試写です。というか,楽しくて随分な枚数を撮影しました。

 繰り返しになりますが,軽くレビューです。

 まず外観ですが,デザインコンセプトは安いズームと同じの癖に,重量も大きさも質感も高く,その辺のアンバランスさに違和感がありますが,そこは質感が勝つわけで,良く手に馴染みます。

 思ったほど大きくも重くもなく,私はこれなら十分取り回せますが,そうはいっても飛び出した前玉が心配なので,それなりに気を遣います。フィルターが付かないことは割り切らざるをえませんが,どうも落ち着かないものです。

 AFとMFの切り替えは,フォーカスリングを前後することで行います。今ひとつ操作性が悪く,切り替えに力がいるので,AFで合わせたフォーカスがMFに切り替えるときにズレてしまうこともしばしばです。

 AFの速度はそんなに速くはありませんが,そんなにレンズを動かすものでもないので,合焦までの時間が遅いと思ったことはありません。音も小さいので,この点で不満を言う人は以内でしょう。

 撮影ですが,さすがにF2.8です。ファインダー越しに見える16mmの景色は胸のすくよな気分です。中央部の解像度もコントラストも十分高く,色も良く乗っています。周辺部の光量低下も思ったほどではありませんが,解像度はやや落ちるので,F5.6くらいで使うのが一番美味しいでしょう。

 気になるのは色収差が大きいことで,周辺部では盛大に色ズレが出ます。これもF5.6まで絞れば消えてしまいますので,うまく使いこなしを覚えていけば大丈夫でしょう。

 それとやはり逆光です。

 トキナーブルーを堪能するには空に向ける必要がありますが,太陽が画面から消えてもゴーストやフレアがずっと残っています。コントラストの低下も出てくるので,超広角なのに光が入ってくるとダメというのは,なかなか厳しいかも知れません。

 望遠なんかだと少し自分が動けばゴーストも消えるものなのですが,広角では少しくらい動いてもなにも変わりません。なかなか難しいですね。

 しかし,室内では怖いものなし。F2.8という明るさと,16mmという画角は狭い部屋でも綺麗に被写体をとらえることが出来ます。まつげ一本一本をきちんと解像し,色もしっかり乗っているので,これは買って良かったなあと,つくづく思った次第です。

 気をつけたいのは,レンズキャップです。フードを完全に覆うレンズキャップで,フードの内側を挟み込むように固定するのですが,もし被せ損ねると前玉を直撃します。

 ですから,少しでも被害が小さくなるよう,28mmのテレ端にすることを忘れないようにすることと,キャップを被せるときはきちんとフードが内側に来ていることを確認しないといけないです。

 というわけで,大きさと重さは想定内,質感も十分で,解像度などの性能も申し分なし。中編の性能低下は2段絞れば余裕で改善し,なんといっても色の出方が素晴らしいです。純正にはない色ですから,これは楽しいです。

 これが実質6万円ちょっとですから,なんと大盤振る舞いかと思います。発売後7年もすれば新製品が出てくることでしょう。そうなるとこの値段では買えなくなるわけで,私はいいタイミングで買ったのかも知れません。

 惜しいのはやはり逆光への弱さで,これは無視できるレベルではありません。明らかにカバー出来る撮影範囲を制限されるものだと思います。

 それと当たり外れへの不安です。私の場合交換品が満足なものでしたが,不安を抱えて使うのもつまらないことですから,良く品定めをする必要はあるかも知れません。

 もう1つは16mmというワイド端です。14mmまでとはいいませんが,せめて15mmくらいまでいってくれれば思しかったのにと思います。16mmがダメだといいませんし,18mmに比べれば圧倒的に面白いのですが,もう一歩ワイドになればなあ,と思う事がしょっちゅうあるので,ここは残念な所かも知れません。

 今回はとてもよい買い物をしました。いくら純正のリセールバリューが高いとはいえ,22万円のレンズが22万円そのままで売れるはずもなく,7万円でこれだけ素晴らしいレンズが手に入るなら,売ることを考えず使い潰したって全然構わないでしょう。

 D850に相応しいレンズかといわれれば素直にNoといわざるをえないと思いますが,試写でこれだけ面白がってバシャバシャ撮影したレンズというのも久しぶりです。今までのAF-S18-35と違って,本当に面白いレンズです。

 これで,私の撮影カバー域は一応の完成を見ました。広角ズームにあえてトキナーを選んだというのも私らしいなあと思いますが。純正とは一味違うその画質が,撮影を単調なものからワクワクするものにしてくれることでしょう。

 

ORANGE Picoを作ってみました

 IchigoJamというBASICが走る安価なワンボードマイコンに触発されてか,この手のマイコンボードがいくつか市場に出ています。

 その1つがORANGE Picoです。

 高性能化したワンチップマイコンでBASICインタプリタとスクリーンエディタが走り,ビデオ出力もソフトで作るというコンセプトは同じなのですが,そこはさすがに後発だけあって,浮動小数点が扱える,カラーグラフィックが扱える,といった特徴を持っています。

 このあたりまで来ると1980年代前半のパソコン程度の能力は持っているといってよく,あのころのBASICなら目を瞑っていても書ける,というおっさんどもには心強い味方になってくれそうです。

 IchigoJamを手に入れてみたものの,案外なにも出来ない事に気が付いてから,この手のコミュニティから距離を取っていた私ですが,カラーと浮動小数点にピクッとき,その上320x240のLCDまで搭載出来ると聞いて,これはもしかしたらポケコンの後継機になるんじゃないかと思って,結局買ってしまいました。

 買ったのはtypeDという最上位機種です。CPUを2つ搭載し,1つは主にUSBの処理を任せたものになっていますが,これっていわゆる「I/Oプロセッサ」ですよね。古くはメインウレーム,新しいところではソニーのNEWSなんかがこういう構成を取ります。

 USBキーボードが繋がり,LCDが搭載され,5V単電源で動いてくれれば,もうどこでも動作出来るフルスペックの8ビットパソコンです。

 私が買ったのはtypeDのキットと専用として売られていた2.8インチのLCDです。素早く送られて来たのはよいのですが,説明書がほとんどなくて,慣れていない人は途方に暮れるんじゃないかと心配になりました。

 部品表を見ながら組み立てるのはそんなに難しくはないのですが,問題はそこからで,どこにどんな電源を繋いで,どういう操作をすれば組み立て完了なのかとか,そういうことが全然わかりません。これホントに初心者向けなのかと思ったのですが,まあそれはそれ。

 MicroUSBに5Vを,ビデオ出力にモニタを繋いで電源を入れます。問題なく起動しました。キーボードはHappyHackingKeyboardLiteのUS版を繋ぎました。

 気になる配列の違いを設定しようと,kbset 1としたのですがキーのマッピングは変化無しです。すべてのキーボードがちゃんと動くわけではないので,まあこれも仕方がありません。

 電源を一度切って,LCDを取り付けます。電源を入れてもなにも表示されませんが,そこはspitft 1としてLCDをイネーブルにすれば,無事に表示されるようになります。

 あとはさくっとプログラムをいくつか入れてみて動作確認です。

 しかし,LCDを使った場合に厳しい制限がありました。スプライトが使えないのです。これは参りました。スプライトがなければ,この手のBASICではゲームを作るのが大変です。

 そしてスプライトが使えないと言うことは,turtle関連の命令が全滅だという事です。私は別にturtle graphicを使いたかったわけではないのですが,デモとしてはこれほど興味をそそるものもなく,使えないのはもったいないと思いました。

 結局の所,Bluetoothの小型キーボードも動作せず,US配列への変更も出来ず,スプライトも動作せずということで,どこでもBASICというポケコンの代わりにはなりそうもありません。

 もっとも,これをポケコン代わりにしようと思えば,ケースにいれて電池を組み込み,小型のキーボードを探さないといけませんから,なかなかハードルが高いです。

 かといって開発者が自らいう,教育用のコンピュータとしては,いまさらBASICもないよなーと思うこともあって,あまり価値を見いだせません。

 そもそもビデオ出力などもう必要なくて,その代わりにLCDをわざわざ取り付けているのですから,ソフトでNTSCの信号を合成することはもうそろそろやめにして。システムとして綺麗にまとめる事が出来るかどうかを,考えたものがあってもいいんじゃないかと思います。

 もしかしたら娘が興味を示すかも知れません。それまでは置いておこうと思いますが,私自身は積極的に使うことは残念ながらないだろうなと思います。

 と,そんなことを考えていたのですが,1つ大事な事を思い出しました。ORANGE Picoは教育用と書いてありましたが,実は組み込み用も想定してあるのです。I2CもGPIOもBASICから叩けるようになっていて,しかもIchigoJamほど制約が強くありません。

 なんといってもBASICインタプリタですから,どんどん修正もできます。そして完成すればそのまま組み込んでしまえばいいわけで,ちょっとした用途には便利に使えそうです。電源を入れたら自動的にプログラムを実行する機能も持っていますので,ディスプレイもキーボードも繋がなくて大丈夫です。

 大事な事は,作ったシステムを他の人が修正することが出来るわかりやすさを持っていることで,ソースコードがないと手も足も出ないとか,開発環境をインストールするだけで半日かかるとか,そういう面倒な事がないことはとても有意義だと思います。

 クロス開発が当たり前の組み込みで,ターゲットで直接開発ができ,しかもそれが安価で簡単だとくれば,これはもしかしたら組み込み初心者向けの学習用にぴったりなんじゃないかと思います。

 うーん,なにかこれでオモチャでも作ってみますかね。

 

どうした,ヨドバシ!

 ヨドバシ・ドット・コムの配達遅延が,今度は大手ニュースサイトや新聞で報道される事態になってきました。

 今度は,というのは9月末にも配達遅延が起きていて,配達予定を過ぎても届かなかったり,配達予定日が数日遅くなっていたりといったことがあったからなのですが,この時には徐々に回復,1週間ほどで正常化し,ヘビーユーザーでありファンである私は,胸をなで下ろしました

 その後,「もしかしたら私の地域ではスピード配達をやめるのか」「この状態が常態化するのではないか」と心配していることをメールで問い合わせたところ,そんなことはない,正常化に向けて頑張っていると,そういう返事をもらったので,とりあえず安心したというわけです。

 ところが10月末からまた配達予定日が後ろにずれ始め,私が11月4日に頼んだプリンタのインクの配達予定日は,最短でなんと11月9日の18時以降でした。仕方がないのでこのまま頼んだのですが,一向に出荷される気配がありません。

 公式サイトに10月27日付で「時間がかかっている」と書かれていましたが,この件でその後の更新は行われておらず,ちっとも好転しない状況にどうなってるんだろと思っていた所,昨日ニュースサイトや新聞で報道され,追いかけるように公式サイトの情報が更新されたのでした。曰く,10月31日午前8時以降の注文は順次出荷,それ以前の注文については出荷停止とのこと。出荷停止とは随分大変なことになっています。

 実は,子供部屋の照明を買いたくてヨドバシ・ドット・コムを見たところ,電話で注文すると下取りをするというので,試しに電話で買い物をしてみたのです。すると納期は明後日の朝とのこと。

 ヨドバシ・ドット・コムよりも数日早く,連休中に決着が着きます。これはありがたいことだと思ったついでに,なんで電話だと早いのかを聞いてみたところ,今回は倉庫が混乱していて時間がかかっているが,電話での注文は手動で処理できるので優先して出荷出来るのだそうです。

 実際,ヤマト運輸が指定時間に持ってきてくれて,古い照明器具を引き取ってくれました。値段もポイントも同じ,下取りで100ポイントもらえて,送料もゼロという事で,今回は一番よい選択だったと思います。

 一方のインクはというと,納期が「最短」とだけ出ており,注文時の納期が見えなくなっています。

 公式のコメントが出るまでは,きっと送料無料のヨドバシにamazonから流れてきた人が増えたせいだとか,ヤマト運輸の値上げに伴いゆうパックが激増し,そのせいで大口のヨドバシにも影響が出たからとか,いろいろな憶測が出ていました。

 ですが,川崎にある物流センターの引っ越しのせいだと一応詳細が出たことで,今回のひどい状況が特別な事であることがわかったわけです。

 まあ,普通これだけの失態をやらかせば,担当者は無傷ではすみませんわね。大丈夫なんでしょうか。

 ヨドバシは目の前のお客さんに対してはとても誠実だと感じていますし,店員さんも印象の良い方が多いです。特にカメラコーナーでは,カメラを好きなんだなと思うお店の人と会話が出来ることも多く,このあたりから自分達はカメラ屋なのだという矜恃を感じたりするわけですが,唯一引っかかるのが,直接のお客さんではない人には興味がないんじゃないかと思われることです。

 例えばヨドバシカメラの経営陣が雑誌や新聞に出てくることは少ないですし,彼らがどういう考えでいるのか,これからどうしようと考えているのかを知る機会はほとんどありません。

 我々のようなお客は,売り場や施策を見て実際に利用し,彼らのメッセージを受け取ることになるわけです。個人的にそれは好ましいものが多く,また利用させてもらおうという気持ちになるので,このことが問題だとは思いません。

 しかし,同業他社はもっと経営者が表に出来ますし,メッセージを社会に向けて発信することも忘れません。

 もちろんヨドバシカメラは株式を上場していない会社ですから,別に社会に話しかける義理はないのですが,すでのこれだけの規模の企業となり,多くの人の消費活動を支え,様々な商売相手の生き死にを握る存在になったわけですから,すでに社会の公器としての役割は大きなものになっていると考えなければならないでしょう。

 amazonやヤマト運輸の動勢がNHKの夜のニュースで取り上げられるのは,それらがすでに多くの人の知りたいという欲求の対象となっており,もっといえばそれらの動き振り回されてしまう人が増えたという事です。

 数あるカメラ量販店や家電量販店がインターネット通販に乗り出しては今ひとつ波に乗れなかった10年前,ヨドバシカメラは頭1つ抜け出して,私の見るところamazonの唯一の対抗馬に勝ち上がった思うのですが,目の前のお客への誠実さとは裏腹に,直接見えにくい相手に対する配慮が,まだ大企業のそれではないと感じるのです。

 もっとも,表に出まくる経営者を私はあまり好みませんし,そうした派手さがないことも私がヨドバシカメラが好きな理由の1つでもありますが,それはトラブルなく,お客さんとしての我々がなんの不満も感じない場合にはよくても,一度トラブルや不祥事を起こした場合には裏目に出ることが多く,それまで無関係だった人たちからも批判を受けることになります。


 私が一連のトラブルで心配しているのは,そうした表向きの対応の手際です。今回の件でいえば,9月末のトラブルが比較的静かに沈静化したことを1つの教訓とし,今回のトラブルについては「聞かれる前に説明する」という姿勢を取ってくれれば,我々ファンは安心出来たのにと思ったりします。

 報道機関に取り上げられてようやく出たコメントによって,ようやく私は自分の商品が出荷されないことを知ったわけです。これを,マスコミの役割だと実感する向きもありますが,やはり残念なのは,ここまで話が大きくなる前に自主的に情報を公開してくれなかったことでしょう。

 ヨドバシカメラは10年前よりさらに強くなりました。新宿のカメラ量販店だったヨドバシカメラが,全国で強さを誇り,ネット通販でも他を圧倒する強さを持つに至っています。

 私が感心するのは,こうした強さを手に入れた企業というのは勘違いして奢るものなのですが,ヨドバシカメラはその強さを,目の前のお客さんのために使うことを忘れません。

 例えば転売対策です。同じ名義で複数の注文があったり,異なる住所に配達する場合には,転売の可能性ありと一方的に注文をキャンセルしてしまいます。

 聞いた話に過ぎませんが,実際には転売ではないケースであっても,事前に話し合うチャンスもなく,いきなりキャンセルされるそうです。

 もし本当なら,奢りの最たる例である「嫌なら他で買って下さい」という商売人の禁じ手が「大多数の普通のお客さん」のために使われているわけで,力を持ってもぶれないことは,なかなか出来る事ではないなあと思う訳です。

 取扱量が増えて,以前に比べると一人一人の客の印象は薄くなっていると思いますが,それでも万が一指定時間に届けられない場合には必ず電話をして謝罪し,そこから超特急で持ってきてくれますし,持ってきた人は丁寧で,またよろしくお願いしますとお店を背負っている自負を表明して,気持ちよく帰られます。

 ヤマト運輸はamazonの人ではありませんが,ヨドバシの配達員の方はヨドバシの人です。この一体感に私が安堵するのは,それがおそらく自然な事だからでしょう。

 これまでにも自転車やベビーカーなども買いましたが,不思議なくらいトラブルもなく,問い合わせにも丁寧に答えてもらいました。ありがたいのは無理なものは無理,出来ない事は出来ないとはっきりいってくれることで,だからこそ出来るといったことを信じて待つことが出来るのです。
 
 ヨドバシ・ドット・コムの勝因は,送料無料に配達速度,そして品揃えですが,私はそれ以上に約束を守ることにあったと思っています。信頼は安心に繋がります。ネットショップがお店と同じ安心感を維持するのは並大抵のことではないだけに,個々が踏ん張りどころと頑張って欲しいと思います。

 

PC-6001と日本語ワープロの思い出

 この季節になると,年賀状をどうするかで頭を痛めたことを思い出します。我が家は父が営業職だったこともあり,一般家庭よりも多い年賀状を出す必要がありました。

 仕事の年賀状は当然父がやるとして,親戚を含めたそれ以外の年賀状はすべて母の仕事となり,寒くなると母が毎晩夜なべをしていたことを思い出します。

 宛名書きも大変ですが,裏面の図案も大変で,母は結局干支の版画を彫ることにしていました。12年後には彫らずに済む,と頑張っていましたが自分の所に不幸があった年は版画を作りませんでしたし,結局あまり楽になった印象がありません。

 無論,当時から印刷をすることは選択肢としてあったわけですが,我々は印刷をするのは最後の手段と考えていたところがあって,結局一度も使わなかったと思います。

 小学生だった私は,自分自身が面倒だったこともありましたし,母親が心血を注いでいるのを見ては,これがパソコンで楽になるんじゃないかと思っていました。

 以来,コンピュータを使って住所の管理や印刷などをするのは,私の夢となったのでした。

 当時の私のマシンはPC-6001です。今でいう全角文字すら扱えず,データはカセットテープで管理せざるを得ませんでした。そのせいもあってか,小学生の私には「ファイル」という概念がさっぱり理解出来ず,せっかくビル・ゲイツが用意してくれたPRINT#やINPUT#という命令を使いこなせないままでした。

 ただ,それらが解決したとしても,相手は紙という実体ですので,プリンタが必要です。プリンタがまた当時は高価で,私が手に入れたのも確か小学校6年頃じゃないかと思います。PC-PR401という,サーマルプリンタです。

 サーマルプリンタは安価で静かなのですが,よく知られたように感熱紙という特殊な紙を使います。当時の郵政省は葉書といえば普通の紙の1種類しか用意せず,かといって感熱紙になっている葉書用紙も市販されておらず,現実的にサーマルプリンタで郵便物を印刷することは出来ませんでした。

 ですが,工夫を厭わなかった当時の私は,なんとかPC-6001とPC-PR401で郵便物を作成出来ない化と試行錯誤を繰り返しました。いつしか,郵便物作成の省力化という本来の目的を忘れ,とにかくPC-6001で葉書を作る事に心血を注いだのです。

 まず,日本語をどうするかです。PC-6001mk2には漢字ROMが入っていましたが,それも大きさが他のキャラクタとは合わず,また1024文字しかないのであまり意味がありませんでしたが,なによりうちのマシンは初代PC-6001です。

 ですが,あるもんですね,漢字ワープロというソフトが初代PC-6001向けに売られていたのです。隣町にあった今はなきニノミヤムセンの,見るからに長期不良在庫だったのですが,子供のお小遣いとしては破格の3800円を払って買いました。

 このソフト,かな漢字変換などという気の利いたものはないのですが,32kByteのRAMとカセットテープ,そして簡単なプリンタで日本語が使えるようになっていました。

 まず,画面はテキストではなくSCREEN4のグラフィックモードを使います。テキスト画面と同じ解像度ですので,文字数は32x16行です。

 英数字とひらがな・カタカナは,標準のものをそのまま使います。これはキーボードから直接入力します。

 問題は漢字です。これは,他のキャラクタと同じドット数でデザインされた900文字程度の漢字を,独自のコードを使って入力していくのです。

 これで,漢字と英数字,カナが画面上で編集できるようになりました。

 問題は印刷なのですが,これがなかなかうまい方法で,ただ画面のコピーを取るだけです。

 プリンタに漢字ROMが内蔵されている,いわゆる日本語プリンタが繋がっていれば印刷は高品位かも知れませんが,そんなものはPC-6001よりも高価です。

 それならばと,漢字やかながグラフィック画面に表示されている状態で,そのままハードコピーを取って印刷してしまおうというのがこのワープロです。純正のサーマルプリンタPC-6021は40桁のプリンタで,ロールペーパーの幅がちょうど葉書の短辺くらいの長さです。一文字の大きさも12ポイントくらいですし,画面に出ているものがそのまま印刷されるという仕組みは,画面の編集機能がそのまま印刷にも生きるという事を意味していて,とても合理的です。

 もっとも,画面の解像度やサイズ,文字品質がそのまま印刷の質に直結するので,印刷物としては話にならないのですが・・・

 とはいえ,アイデアでPC-6001のハードウェアの限界に挑んだ,まさかに漢字ワープロですから,実用性は別にして私はすごいなと今でも思うのです。

 当時の私は,これで雑誌の投稿を1つか2つ,無理に作ってみた記憶があります。ただ,感熱紙のロールペーパーゆえ,印刷した紙を葉書サイズに切り抜き,上下に2枚糊で貼り付けて葉書1枚を作りました。

 感熱紙ですので,すぐに変色したり脱色して読めなくなります。PC-6021やその後継のPC-PR401は印字濃度が薄いので,ますます見にくくなります。

 ですから,葉書のようなものに感熱紙を貼り付けたところで,それが届く頃にはもはや読めない葉書になっていたのではないかと思います。

 結局,そもそも文書を作る必要性が低い子供のこと,面白半分で使った程度でもう使わなくなってしまいましたが,今思い出してもなかなか面白いシステムだったなあと思います。

 その後,我が家にはX1turboが導入され,本気の日本語処理に24ドットの熱転写プリンタが組み合わされ,一気に日本語の処理が身近になったのですが,PC-6001というファミコンにも負けるようなマシンで,日本語ワープロを動かしたという事実は,私にとってとても思い出深いものになっています。

 

Kindle oasisを買いました

  • 2017/11/01 15:56
  • カテゴリー:散財

 2014年の11月にKindle Voyageを買って3年,日々の読書に手放せないアイテムとなりました。300dpiの電子ペーパーが奥行きのない表面に表示する文字は,まさに紙に書かれたそれといっても違和感がありません。

 暗い所で見るためのものでななく,より紙に近づけるためのフロントライトを装備したのがPaperwhiteであり,その後のVoyageで300dpiを実現したKindleは,3年間大きな進歩もなく,このままになってしまうのではないかと心配していました。

 昨年のoasisは,コンセプトは別にしてVoyageよりも高価な割には優位点がほとんどなく,私のような人でさえ購入を見送ったほどですから,あまり売れなかったのではないかと思います。

 しかしamazonが偉いのは,そのoasisを徹底的に改良し,新しいフラッグシップとして新登場させたことです。

 新しいoasisは9世代目といわれていて,価格は約34000円。キャンペーンとクーポンを使えば3万円ちょっとまで安く買えますが,Voyageの登場時に2万円ちょっとだったことを考えると,かなり高額です。

 そしてその改良点は,

・Kindle発の7インチ電子ペーパー搭載

・旧機種ではカバーにも電池が収められていたのに対し,新機種では電池があるのは本体だけ。カバーなしでも他のKindle並みの駆動時間になった。

・安いモデルでも内蔵ストレージが8GBにアップ。

・IPX8の防水になり,風呂場でも本が読める。

 とまあ,かなり根本的に直してきました。

 3年間毎日使ったVoyageがかなり傷んできていること,ストレージが不足しつつある事,電池の寿命が短くなってきつつあることから,買い換えを考えていた私としてはまさに好都合,昨年oasisをパスしたこともあり,今回のoasisは早めに予約を入れておきました。

 めでたく昨日届き,早速セットアップをしました。

 さっと使ってみた感想です。

 まず,第一印象は「大きいなあ」でした。事実一回り大きく,これまでの機種のような「小さい」という印象は全くありません。前世代のoasisと比べても大きくなっていますので,これはもう言い訳無用でしょう。

 ただ大きいというよりも横幅が大きくなった感じが強くするので,小さめのカバンにきちんと入るだろうかと心配になりました。

 ただ,背面は金属になり,全体の剛性感も触った感じの質感も上がっていますので,値段相応の高級感はあると思います。

 大きくなったこともあるし,もともとそんなに重いという印象が薄いKindleですが,oasisでは200gを切っていて,実はVoyageよりも軽くなっています。確かにPaperwhiteよりも,Voyageよりも,軽く感じます。持った手をひねるような力が小さくなっていることと,指がうまい具合に引っかかることとで,とても快適です。

 電源スイッチは上面にうつり,せっかく慣れたVoyageの背面のスイッチからまた移動しました。Kindleの唯一の残念な点は,機種が変わるとボタンの配置が大きく変わることです。

 ページ送りのボタンは,Voyageのタッチボタンから物理的なスイッチになりました。私はそれでもよいのですが,これもVoyageで慣れましたし,表面が完全フラットになることの美しさから考えると,今さら物理的なスイッチに戻さなくても良かったんじゃないかと思います。

 画面はさすがに素晴らしく,7インチは伊達ではありません。わずか対角1インチの差ですが,この差はとても大きくて,6インチでは文庫本の印刷エリアくらいだったものが,7インチだと文庫本そのものが入り,文芸書版の印刷エリアにさえ匹敵します。

 1つ大きな判型の本が,そのまま読めるようになるというのは全く新しい体験であり,ムラのないフロントライトとより紙に近づいた色味も相まって,もうVoyageには戻れません。

 確かにVoyageは300dpiですが,6インチという大きさは自宅で落ち着いて読むには小さく,自宅で読み始めるときには「本来外で使うものだしなあ」という割り切りが必要だったわけですが,このくらいになると家の外でさっと本を開くことと,家でじっくり読書をすることが,この1つでシームレスに出来るようになると思います。

 読書というのは多分に気分に左右されるものでもあるので,これは結構大きな話です。


 8GBのストレージでも十分に大きく,私の使い方では何の問題はありません。32GBの方が売れているという話ですが,価格差を考えるとお得とは言え,そこまで必要になることは少ないと思います。

 ストレージについていえば,喜ばしいのはUSB経由での書き込み速度が大幅に上がっていることで,Voyageでは他のUSBメモリに比べて随分遅かったものが,oasisではかなり速度が上がっています。

 画面が大きくなり,ファイルサイズが大きくなっていることを考えると,転送時の待ち時間が減ることは大歓迎です。

 ページをめくるときの反応速度も改善されていますし,大きい割には軽く,持ちやすくなっている上,左右を持ち替えたときには画面がくるっと回転してくれますので,読み始めてしまうと読書に集中することが出来ます。もはやKindleだからとか,電子書籍だからとか,そういう「覚悟」を読み始めるときにする必要はないと思います。

 今回のKindleで,惜しいなと思う事がないわけではありません。1つはWiFi。未だに2.4GHzのみの対応です。大容量のストリーミングをするわけではないですから,別に5GHzの11acにする必要はないのですが,2.4GHzがこれだけ混雑していると,自宅では5GHzで使いたいなと思うシーンも多いでしょう。

 USBのコネクタについても惜しいところがあります。MicroBについては賛否両論あり,私はこれでもいいと思うのですが,せっかくIPX8相当なんだから,キャップを付けて欲しかったと思います。

 水没するような使い方をするつもりはないのですが,このコネクタが左手で持ったときに上に出てくるのがくせ者で,水しぶきがかかって中に入り込むことが容易に想像出来ることを考えると,充電の必要性も低いマシンだけに,キャップがあっても良かったんじゃないかと思うのです。

 物理的なスイッチは3つ付いていますが,これもタッチ式にした方が良かったかもしれません。確実な防水や掃除のしやすさがその理由です。

 ページ送りのボタンについても,Voyageでは下側が次ページ,上側が前ページだったのに対し,oasisは逆になっています。このあたりのポリシーのなさがKindleの弱点だと思えるのですが,これは設定で変更出来るのでよしとしましょう。

 とても残念なのは,ネットワーク機能でしょうか。せっかくWiFiで繋がっているのに,NASなどのファイルサーバに繋げません。これができればいちいちUSBでつないで転送といった面倒な事がなくなりとても便利になると思うのですが,amazonで購入したコンテンツで出来ていることが,自炊コンテンツでも出来るようになるという愚策を,amazonがするはずもありませんし,仕方がないですね。

 充電もワイヤレス給電を採用してもらえれば,コネクタを完全に廃止できます。そうするより美しく,より本に近くなり,そして完全な防水だって可能になるはずです。次のKindleでは,こうした点が改良されることも期待したい所です。


 画面が大きくなったことの恩恵は,テキストベースの電子書籍よりも画像を中心としたレイアウト済みの電子書籍にあると私は思っています。テキストベースのものでは,見にくければ文字サイズを大きくすれば済み,大画面化は1ページあたりの文字数に関係するだけであり,極論すれば1冊読むために必要なページ送りの回数が減るかどうかなのに対し,レイアウト済みの画像による電子書籍は,画像が表示される面積がすべてですので,画面が小さいと文字が潰れて読めなくなります。

 解像度が上がることはどちらの電子書籍にとってもメリットがあります。その点でいえば,コミックを読まない人や自炊をしない人にとってのKindleはVoyageがベストという事になりますが,コミックや自炊の本を読む人は,今のところoasisがベストという事になるでしょう。

 繰り返しになりますが,持ち歩きならVoyageがベスト,家でも外でも読むのであればoasisを選ぶ価値があると思います。voyageなら荷物の隙間に入れられますし,oasisなら家の中でも我慢せずに済みます。

 私?

 私はもうoasisに全面移行です。この見やすさは,多少大きくなっても,家の中でも外でも魅力的ですから。

 

ページ移動

  • 前のページ
  • 次のページ
  • ページ
  • 1

ユーティリティ

2017年11月

- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

ユーザー

新着画像

過去ログ

Feed