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PC-386BookLをカラーモデルとして復活させる

 ワンダースワンを手始めに次々に襲いかかる恐怖のビネガーシンドローム。偏光フィルムの交換以外に修理の方法がないこの問題は,交換可能な新品の偏光フィルムが手に入るかどうかという問題に始まり,ホコリや気泡を避けて一発で綺麗に貼り付けるという,非常に難しい作業に打ち勝たねばなりません。

 もちろん,それらの作業中にLCDそのものを壊してしまえば元も子もないわけで,フレキを切る,フレキがガラスから剥がれる,ドライバICが壊れる,ガラスが割れるなどに気を遣いながら作業をするのはなかなか難しいと思います。

 満身創痍で,次から次へと壊れていく状況に抗い,頑張ってここまで復活させたPC-386BookLを,先日LCDのフレキの切断で失った悲しみは大きく,どうしたものかとこの年末年始,考え込んでいました。

 外部ディスプレイを繋いでやればもちろん使う事が出来ますから,捨てるという選択肢はありません。しかし,HDDにFDD2機搭載という1990年代のフルスペックで,2MBのプロテクトメモリを装備した486(Cx486SLCですが)マシンがディスプレイまで含んだ「オールインワン」になっている,電源さえ与えれば即当時の環境が甦るというメリットは捨てがたいものがあります。

 加えて,今はもう世の中に存在しないDSTNのモノクロLCDには,なんとも言えない味わいがあり,私にとっては見にくさを越えた魅力があります。これを失ったことはなかなか残念なことでした。(青/白のLCDはまだちょっとした小さいディスプレイで使われていますが,200ラインを越えるLCDでSTNはもう見られないと思います)

 しかしこればかりは復活に同じ物を手に入れる意外に方法はありません。同じLCDを手に入れるのはほぼ無理,それこそ同型機のジャンクを手に入れるしかありません。一応ジャンクも探しましたがオークションには見当たらず,もし仮に出品されていても高くついたりLCDそのものがだめになっていたりする可能性も考えねばなりません。

 ここは1つ,古いLCDにこだわらずに,なんとか「オールインワン」を維持することを目指してみましょう。(あ,オールインワンというキーワードは,1980年代初頭のパソコンを知る人にとってはおなじみで,ディスプレイやデータレコーダまで搭載したMZ-80シリーズが他の機種との差を印象づけるものとして,強力にプッシュしていた言葉でした)

 以前から考えていたのは,入手しやすくなっている10インチクラスのLCDを移植出来ないだろうかということです。幸いにしてPC-386BookLの時代のLCDは厚みが必要でしたし,バックライトのインバータ基板も大きいので,蓋の部分にスペースがたくさんあります。

 なので,画面のサイズさえ適合すれば,あとはなんなく組み込めるはずです。

 とはいえこれはあくまで物理的な話。電気的な話がそもそも立ちはだかっています。もとのLCDの信号を使うことは絶対にと言っていいほど無理ですから,なんらかの方法で画像信号を用意し,LCDに表示させることはこの話の前提となります。

 適当な物がないかと探してみると,10.1インチのLCDモニターが使えそうでした。1024x600ピクセルという前時代的なTFTのLCDで,HDMIとVGA,それからNTSC/PALが入力出来るものです。お値段はamazonなら13000円ほどもしますが,あるお店で同じ物が7000円ちょっとで手に入りました。

 届くの少々時間がかかってしまいましたが,手元に来てまず試したことは,このディスプレイのVGA入力が24kHzのRGBに対応しているかどうかです。もし対応していればPC-386BookLの外部ディスプレイの信号をそのまま使うことが出来ますが,もしだめだったら変換基板を介する必要があります。

 さすがに変換基板まで組み込むのはもったいないので,一度VGA入力を外に出し,外部に変換基板を置く方法を取ることになります。オールインワンにはなりませんが,24kHzが日本以外で使われたことは希であり,海外製のディスプレイが24kHzに対応しないという事は今に始まったことではありません。

 果たして試してみるとなんと映りました。安い割に24kHzに対応していたみたいです。ならばと15kHzを入れてみましたが,これは未対応でした。残念。

 もしも15kHzのRGBまで対応しているというのであれば,それはそれで貴重なので組み込むのやめてしまう,あるいは組み込んでも一度VGA入力を外部に引っ張り出して汎用性を維持することも考えていましたが,24kHzまでしか対応しないだなんて,まるで今回の改造のために生まれてきたようなものじゃありませんか。

 これで覚悟は決まりました。組み込んで使いましょう。

 まず,LCDや部品の配置を考えます。画面を表示させて,表示内容が枠で隠れてしまわないような位置を探して固定するのですが,なんと上下がギリギリ。左右方向は問題がありませんが,表示サイズを調整出来ないディスプレイなので,危ないところでした。

 LCDを両面テープと接着剤で固定したら,ドライバ基板をLCDの上側に固定し,配線を取り回します。このLCDはVGA入力がUSBのMiniBを流用しているのでコネクタも小さく楽ちんです。

 これに電源のケーブルの2本を取り回して長さを揃えて切断します。その先に10ピン程度のコネクタをハンダ付けし,メンテ姓も確保しておきます。

 次に考えるのはディスプレイの操作キーです。電源のON/OFFはもちろん,入力切り替えや画質の調整で頻度は高くないものの必要になる操作キーは,PC-386BookLに穴を開けることになるので出来れば用意したくありません。

 幸いにもこのLCDには赤外線リモコンが付属していて,これですべての操作が可能です。受光部は操作キーの基板についているのですが,受光部だけはコントローラ基板に直接繋がっているので,特に操作基板の回路が必要になっているわけではなさそうです。

 なので,受光部を直接コントローラ基板に繋いで試すと,ちゃんと動きました。これで操作に関しては問題解決です。

 もとのLCDの明るさやコントラストを調整するスライダの一部に3mm程の穴を開け,スライドさせると穴が出てくるようにした上で受光部を固定します。

 スライダは動かせるように,もとのインバータ基板を外さず,ダミーで残しておきます。これで綺麗にまとまりました。

 さて,次はとうとう本体側の改造です。外部ディスプレイの信号を取りだしてVGA入力に入れるというのが作戦ですから,メイン基板から信号を取り出す必要があります。従って全バラシです。

 メイン基板にマウントされているD-SUBの15ピンから出ているアナログRGB信号から,RGBの各信号とHとVの同期信号の5本とGNDの計6本を,コネクタの足にハンダ付けして直接取り出します。そしてケーブルの長さを調整して端っこにコネクタをハンダ付け。

 電源は12Vから15Vまで入力可能だそうなので,電源の容量を考慮しなくていいようにACアダプタからの入力のところから取り出します。本体の電源スイッチに連動させるために本体の基板から12Vを探して供給することも考えましたが,安全性を考えるとこれがベストでしょう。

 長さを揃えてこちらもコネクタにハンダ付けし,テストを行うとあっさり表示ができました。

 あとは組み立てて完成です。取り回しによってはノイズで画像が乱れることもあるのですが,上手く取り回して回避します。

 気を付けないといけないのは,PC_386BookLの外部ディスプレイの信号は,初期状態では出力されないという事です。バックアップのための電池が切れると初期状態に戻ってしまうので,こうなるともう全く画面が見えなくなります。

 起動時にHELPキーでメニューに入っても,そこからの操作が全くできなくなるのは辛いので,ブラインド操作で外部ディスプレイの信号が出るようにしないといけません。

 簡単なのは,DOSをフロッピーから起動し,CTRL + HELP + Dを押すことです。フロッピーから起動しないといけないのは,初期状態だと内蔵HDDの設定が256バイト/セクタに戻ってしまうからで,こうなるとHDDからの起動が出来なくなるからです。

 一度外部ディスプレイの信号が出漁されればあとはHELPキーで起動するメニューでも操作ができますので,HDDの設定などを変更して再起動。これで大丈夫です。

 ここまで出来たらあとは実際に使ってみます。安い割にLCDの品質は良好で,最初のTFTモデル,PC-9801NCを見た時の感動が甦ります。

 PC-9801は登場時からカラー表示が前提のマシンでしたから,やはりカラーはいいものです。私は滅多にゲームはやりませんが,ゲームも楽しめそうです。(あ,FM音源がないか)

 確かに当時の雰囲気を存分に味わうことの出来るDSTNの表示も恋しいですが,カラーの鮮やかな表示は,これはこれで楽しいものです。本体の重量も手に持った瞬間にわかるほど軽くなっていますし,最終的にアップグレードされた形で復活するというのもありではないかと思います。

 で,ふと気になったので調べてみると,PC-386BookLには,BookLCとBookLXというカラーモデルがすでに出ていたんですよね。LCがTFT(エプソンとしてはTFTとはいってませんが),LCがSTNモデルではないかと思いますが,それぞれメインメモリが2MB追加されているので,今の私のPC-386BookLと同じ状態です。

 そういう意味では,Bookタイプという今となっては存在価値のないプラットフォームにおける完成形として,当時既にカラーモデルが位置づけられていて,その価格にもかかわらず市場に投入されたという事でしょう。存在が空想の物ではなく,実際にカラーモデルが少数とは言え作られていたわけですから,私のPC-386BookLはオリジナルの価値や魅力を損なう物ではない,ということにしておきましょう。

 レトロマシン,ヴィンテージマシンのレストアは,オリジナルに戻すことが基本です。勝手な改造やアップグレードは御法度ですが,今有る部品で当時の状態を取り戻すことは十分に認められると思います。

 ということで,今度こそだめだと思われたPC-386BookLですが,まさかのカラーモデルとして復活を遂げました。これで本当にレストアが終わればいいなあ。

 

PC-8201のLCDを復活

 1983年,PC-8001,PC-6001,PC-8801でまさに帝国を築こうとするNECがハンドヘルドコンピュータとして世に問うたマシンがPC-8201です。

 A4サイズ,単三電池4本で駆動,デスクトップ型と全く同じキーを備えたキーボードに大画面のLCD,そしてN-BASICと互換性のある強力なBASICという本気のマシン。

 その上レッド,アイボリー,シルバーという,どれも従来のパソコンとは一線を画す3色の本体色で,当時中学生だった私には,138000円という価格もあって,とてもまぶしく見えました。

 PC-8201に搭載されたN82BASICもマイクロソフト製のBASICですが,このBASICこそ,ビル・ゲイツが最後に書いたコードをを含んでいることでも知られています。

 さらに,PC-8201にはタンディとオリベッティに兄弟がいて,すべて京セラのOEMだったということもエピソードの1つです。

 そんなPC-8201ですが,単三電池で動かすためにすべてCMOSのICで構成することになります。Z80は当時まだCMOSでは手に入らず,CMOS化で先行していた沖電気の8085が搭載されています。

 このころの電池で動くマシンのCPUの選択肢には制限があって,PC-2001に至っては8080系でさえありません。そういう過渡期のマシンというのも,実は結構面白いものだと思います。

 さて,そんなPC-8201ですが,私が入手したのは随分後です。とはいえ入手から30年も経過しています。当時既に傷んでいましたが,この30年でさらに劣化が進んでしまいました。ケースもすでに塗装が剥げてしまっていますし,黄変も見られます。

 その劣化のうち,最も深刻なのは先日発覚したLCDのビネガーシンドロームです。発見したときの悲しさといったら・・・

 表示は正しく出ていますが,画面の中央に色の違う楕円が浮き出ていて,いかにもLCDがだめになっている感じがします。こうなると時間の問題で,分解してLCDを取り外しきちんと確認してみると,ビネガーシンドロームに特徴的な,すでに斜めのキズのような物が浮き出ていました。

 ここまで来るともう偏光フィルムの交換しかありません。PC-386BookLのLCDの修理に失敗した悲しみが癒えないまま,私はある一面ではPC-386BookLよりももっと大切なマシンの修理に進むことにしたのです。

 作業そのものは簡単。ますはLCDの端っこをめくって,手持ちの偏光フィルムが使えるかどうかを試してみます。悲しいかな,このLCDは先日入手したA4サイズの偏光フィルムを斜めにしないとコントラストが最大にならず,結局1枚の偏光フィルからは斜めに1枚分しか採ることが出来ない,無駄の多い結果となってしまいました。

 大きさを測って切り出した後は,元の偏光フィルムをLCDからエイやっと剥がしてアルコールで綺麗にします。

 あとは覚悟を決めて,新しい偏光フィルムのシールを剥がして貼り付けます。少々大きめに切り出しておくと,少し斜めになったくらいで失敗したりしないのでオススメです。

 書くと簡単ですが,ホコリは入る,気泡も入る,斜めになって端っこが張り切れないととにかく失敗の可能性が高い作業です。しかも偏光フィルムの糊は一度貼ると使えなくなるので,チャンスは一度きりです。それでも偏光フィルムが複数枚とれればまだ安心なのですが,前述の通りA4の偏光フィルムから1枚しか採れない以上,本当に一度きりです。

 こういう時大体失敗知るのが私なのですが,今回はホコリは入らず,気泡も数カ所で済みました。強く指で押すと気泡は消えるものなのですが,押しすぎるとガラスが割れてしまうので注意が必要です。

 しかし,3ヶ所の気泡が消えず,うち1ヶ所が黒ずんだ謎の気泡です。しかし,これを深追いするとろくな事がないと,これまでに痛い経験を重ねてきたもう一人の私がやめておけとブレーキを踏んでいます。

 なんとかしないとと思う気持ちを抑えて,今回はこのままでいきましょう。余った端っこを少し切り落とし,LCDは一応完成。本体に組み込んで組み立てれば作業終了です。

 劣化した偏光フィルムを交換したのですから,視認性も向上。非常に見やすくなりました。ますます愛着がわいてくるから不思議です。

 問題の気泡は,なんと小さい物は3日ほどで,黒ずんだ物でもどういうわけか5日くらいで綺麗に消えてなくなりました。やはり深追いは禁物でした。希望については神経質になることはなかったということです。

 そんなわけで,今回のビネガーシンドロームには勝利。PC-8201は無事に復活することができました。登場から40年以上ですからね,自分でメンテ出来る人しかレトロマシンを所持してはいけないと,そんな風に自分に言い聞かせて,今後も維持していこうと思います。

ワンダースワン復活の道~その4・完結編

 ワンダースワンカラーのLCD,ようやく決着しました。手間もお金もかかってしまって,結局何をやってるんだろうと思うこともありましたが,LCDの綺麗さを見ると,やってよかったかもなあと思ったりします。

 さて,前回壊してしまったLCDだけを買い直すことは失敗に終わり,もう一度コントローラ基板ごとフルセットで買い直すことにしました。円安が進行してしまったため前回よりも価格が上がっていましたが,それは仕方がありません。

 今回は配送のトラブルもなく(とはいえエスポ便はまたも深夜に配達してくれたわけですが),無事に予定日よりも前に到着。動作テストも良好で,今回は前回の反省から,とにかく余計な事をしないと誓って作業開始です。

 風防は前回取り付けてありますので,今回はホコリをよく取った上で,LCDをケースに貼り付ける作業からです。一番問題となるホコリ,そしてうっかり触って表面を汚してしまうということがないように,慎重に,でも手早く作業を進めます。

 上手くいったので,LCDとコントローラ基板と繋ぎ,メイン基板を重ねます。付属の両面テープは,もともと基板についていたスポンジよりも少しだけ薄いので,コントローラ基板の厚みを上手く相殺してくれるだろうと,スポンジを剥がして両面テープに交換します。

 上手く基板を固定できたら,今度はコントローラ基板に電源を供給する配線を行います。メイン基板にあるDC-DCコンバータモジュールから2本,細い線で引き出してコントローラ基板に取り付けます。この辺は商品ページにあるとおりです。

 前回は配線の取り回しが悪かった(最短で配線したら基板とケースのリブに挟まってしまった)ので,よく考えて配線を回します。

 これもうまくいきました。あとはフレキの途中にあるタッチパッドをテープでケースの裏側に固定します。このタッチパッド,短押しで画面の明るさを段階的に変更,長押しで画面モードを変える機能があります。

 画面モードは,カラー,カラーで縦のスキャンラインあり,カラーで横のスキャンラインあり,モノクロ,を繰り返して変更出来ます。

 このLCDは3インチという小さいサイズのくせに480*320ピクセルの解像度があるんです。ワンダースワンの解像度は224*144ピクセルですから,縦横をそれぞれ2倍して448*288ピクセルとし,長辺に余った32*288ピクセルのエリアに,ワンダースワンに特徴的なアイコンの固定パターンをドットマトリクスで表示する仕組みです。良く出来ています。

 スキャンラインは1本間引いて黒を表示すれば,解像度を落とすことなくオリジナルのLCDに近い表示が出来る事になります。これもなかなか憎い工夫です。

 とはいえこのスキャンライン,画面の輝度が半分に落ちてしまいます。それだけ画面が暗くなりますし,明るくするにはバックライトの輝度を上げねばならず,結局電池寿命に影響します。

 もともとLCDですので,そんなにスキャンラインが目立つわけではありませんので,私はスキャンラインはなしで使うことにしました。せっかく改造するんですから,IPSという高画質LCDで,その上倍の解像度で表示するという高画質を堪能しましょう。

 さて,今回はスムーズに改造が出来ました。GUNPEY EXをテストプレイしますが,これがもう素晴らしい画質で,感動的です。登場から経過していますが,あの見にくいSTNカラー液晶が,筐体のサイズを変えることなくIPSにバックライトのカラー液晶になるんですから,技術的な進歩はすごいなと思います。

 そして,その進歩が主に中国企業の努力によってなし得ているというのも興味深いです。もともとSTNのカラー液晶だって,当時は最先端のLCD技術だったはずです。

 それが,画質,電力,価格的にも追いつかれて追い越されてしまい,セット全体の価値が大きく向上するという結果に繋がっています。もう,中国の技術力なしに世界は動かないのかも知れません。少なくとも,世界の技術の中心に日本はいません。

 消費電力は増えてしまうので,駆動時間が短くなると言う話は聞いています。しかし,フル充電したNi-MHで3時間ほど遊べるようですし,ワンダースワンを長時間遊ぶこともしませんので,これで十分だと思います。シミュレーションゲームやRPGで遊び始めたら,なにか対策が必要かも知れません。

 ということで,ビネガーシンドロームの同時発生で右往左往したワンダースワンの復活祭りは,これでひとまず終了。

 モノクロの初代ワンダースワンは,緑/青で復活。ワンダースワンカラーはIPS化,スワンクリスタルはオリジナルと同じ状態に復活。部品取りに使ったスワンクリスタルは,電池の液漏れで死んだメイン基板と,ほぼ無傷のLCDが手元に残りました。

 費用はそれなりにかかってしまいましたが,今出来ることはとりあえず全部こなしたと思います。

 さてさて,実は怖くて様子を見ていないLCDがあるのです。PC-386BookLです。夏頃だったか,ちらっと見た時,LCDに斜めの線が入っていたことに気が付きました。

 これってもしや・・・しかし,見たくない現実から目を背けて,私はその場を立ち去ったのですが,今回のワンダースワンが落ち着いたことで,勇気を持ってPC-386BookLを見ました。

 結果は・・・恐ろしいことになっていました・・・続く。

ワンダースワン復活の道~その3

 続けてワンダースワンのお話。今回のお話はほぼ私の愚痴です。

 まず1つ目です。ワンダースワンカラーのIPS化に失敗し,壊してしまったLCDを買い直したわけですが,あろうことかまさかの未着で泣き寝入りという事になりました。

 aliexpressではしばしばこうした未着のトラブルがあるそうですが,私はこれまで幸いにもこうしたトラブルはなく,すべて届いていました。

 しかし,今回はだめでした。それも,中国のお店の不手際や通関前の運送トラブルならまだあきらめもつくのですが,残念な事に日本の運送業者に引き渡されてからの問題でした。

 今回の荷物は,日本に到着し通関をパスしたあと,いつものように「エスポ便」なるものが私の家まで届けてくれることになっていました。追跡してみると,通関手続きの完了が12月13日の10時55分,日本の運送業者への引き渡しが同日11時55分となっています。ここまでは順調です。

 そして配達開始が翌14日の22時5分。おいおい,こんな夜遅くから配達開始かいな。そして配達完了はあけて15日の3時2分・・・こんな深夜に!

 エスポ便は置き配しかしないので,15日には朝から夜まで何度か玄関先とポストを見たのですが,見つかりません。ああ,荷物が行方不明になりました。

 最近はあまりなかったのですが,一頃荷物が続けて届かないことがありました。原因は一つ向こうに出来た,同じ名前の新しいお家に誤配されていた事でした。我が家とは違って,このお家は通りから見えていてわかりやすく,住所も似ているのでよくここに誤配されるのです。

 お互い様と思いたいところですが,彼らの荷物がうちに来ることはありません。明らかに誤配と知らされた事例以外でも私の荷物が時に数日遅れになることがあるのは,きっと誤配されたものがうちに再度配達されるからだったのでしょう。

 今回もその可能性があります。夜中ですからね,暗くて住所など良く確認出来るはずもないですし,写真だって撮れないし,寒いなか表札の名字をぱっと見て「おーここだここだ」とポストにでも突っ込んだんでしょう。

 一時期多かった誤配は,私まもちろん先方のお家にも迷惑がかかっていることを日本郵便やヤマト運輸にしつこく言い続けたことで,徐々に減っていきました。ヨドバシとamazonの配達員の方は優秀で,大手の配達業者から自社便に変わった後に誤配があったことはありません。

 ですが,今回のエスポ便,これまで上手く配達されたケースでは,すべて常識的な時刻に配達が行われていました。システム登録上の問題かも知れませんが,それにしてもこの時刻に誰かが端末を操作したと考えるのが普通ですから,やっぱりいつもと違います。

 そういった,いつもと違うシステムに乗ってしまった私の荷物は,(おそらくは)誤配というブラックホールに飲まれてしまったというわけです。(もっとも誤配じゃないかも知れませんが,紛失にせよ破損や廃棄にせよ,思うに誤配が一番罪が軽いんじゃないかと思いますよ)

 郵便やヤマト,amazonなどの誤配は,受け取った方が誤配であることを連絡する手段が簡単でした。amazonにしても郵便局にしても身近なものですし,話せばわかる相手です。しかしエスポ便の送り状には連絡先は書かれていません。仮にエスポ便をネットで調べてくださったとしても,その電話番号はナビダイヤルで高額な通話料がかかる上いつも話し中で繋がることは絶望的で,メールは100%無視されるでしょう。調べた限り,もしも話が出来ても「話にならない」そうですし。

 そんな状態で,誰が善意で私に荷物を戻してくれるでしょうか。そもそも,これまでもそうだったように,そのお家は誤配があっても私に声をかけてくれることも,ましてや持ってきてくれることなど一度もありませんでしたから,今回についても警戒されてゴミ箱行きでしょう。(シメシメとあけて,わけのわからんLCDが出てきてがっかりしているかも知れませんが)

 今回は本当に運が悪かったとしか言いようがありません。中国からの通販には届かないというリスクが付きもので,そういうことも楽しめないと使っちゃだめだと思うのですが,悔しいのは届かなかった理由が日本国内の,日本人によるもので,しかもおそらく半径100m騎範囲のどこかにあるだろうと推測されることです。いやはや,もう日本の宅配システムは信頼出来ないものになっているのです。

 よろしい,では紛争だ,とばかりにaliexpressに返金の手続きをするも,5秒で却下されました。配達完了になっている場合,もうaliexpressにもセラーにも責任はなく,配達業者にあるのでしらん,とのことです。確かに通関が済んでしまえば,もうそれは日本領内のお話ですしね。

 ということで,あえなく撃沈。置き配は信頼性の高さはもちろん,万が一事故が起きた場合の保証(と効率化によるコスト削減との天秤)によって成立しているものだと思いますが,エスポ便は連絡手段が実質的に機能しないことで逃げ切りが可能な,なかなか賢い業者と言えそうです。

 つらつらと思うに,責任を持つことからみんな逃げるようになりましたよね。責任にはコストがかかるわけで,そういうものを外部に出すことで,自分の責任の範囲を極小化してコスト削減を行うわけです。

 当然,仕事の範囲が細分化され,面倒な仕事ほど小さく切り取られて,立場の弱い人たちに押しつけられます。当然その人たちが最終責任を取れるはずもなく,それは本来彼らに仕事を出している大手が責任を取るものだと思うのですが,それはアウトソーシングという仕組みで回避することが出来るようになりましたaliexpressのようにです。

 でもですね,aliexpressなど通販も含めた小売業というのは,お客さんが支払ったお金を受け取り,品物を渡すことが仕事です。しかもそれは基本サービスで,そこから利便性やアフターサービス,気持ちの良い接客などを競うものだと思います。

 しかし,今回のaliexpressの考え方は,お金を集めて「出荷する」のが自分たちの仕事だとしていて,およそ小売業とは言えません。そう,それはECプラットフォーマーという仕事であることを,利用者である我々は忘れてはいけません。

 そこへ行くと,amazonにしてもヨドバシにしても,小売業の本分を忘れていません。amazonは置き配を始めた会社でしたが,最終的に客が品物を受け取るまで,amazonが問題の解決を図ろうとしてくれます。その強力な力は公正取引委員会に怒られるほどですが,しかしなから彼らの視線は使命感と共に常に消費者に向いています。

 ヨドバシに至っては,配達も自社便で手渡し前提,再配達は電話でと,前時代的なほど客との対話にこだわっています。ヨドバシのクルマから降りてきたヨドバシの制服を着た人に,ヨドバシですと自分の買った物を手渡されれば,それはもうお店で購入したこととなにも変わりません。

 特に再配達の電話については,面倒という声があるのに対し,あえてお客様との対話を重視しているというインタビューが出ていました。通話料は無料で,人と人がきちんと話し合うことで問題を解決することにこだわる姿勢は,ヨドバシの店頭でも良く体験することです。

 店舗と通販に共通の考え方を押し通せることはヨドバシの強みだと思いますし,通販専門のamazonが,小売店の責任を消費者目線で全うしようとすることは,本当に頼もしいと思います。

 別にこれは日本の厳しい消費者の考え方ではないと思います。小売店は品物とお金を交換するのが仕事です。客の手に品物が渡るまでがその責任だと考えてくれているお店とお付き合いしたいものです。

 というわけで,aliexpressの荷物が届かなかった件で,私はモヤモヤとしていました。連絡はつかないし,ついたところで良い結果は出てこないだろうと思うので,その理不尽さをどうやって解決すべきか考えても考えても答えは出ません。

 しかし,そんな私の気持ちをスッキリさせる事実が発覚します。改めて注文した商品を見ていると,ちょっと違和感があります。手元にある壊れたLCDと見比べると,明らかにフレキの形状が違います。出ている向きも長さも違いますから,これきっと互換性はないでしょう。

 どちらもワンダースワンカラーのIPSキットとして売られていたものですが,コントローラ基板の違いで,フレキの形状に種類があるみたいです。私が壊した物はL字に曲がっていますが,交換用に買った物はストレートです。

 ああ,なんということか。注文の段階ですでに決着が着いていたとは。もし仮に届いていても,悲しみが広がるだけだったというわけです。

 事ここに至って,もうどうでも良くなりました。誤配で受け取った人がメルカリで売り払ったとしても,配達員の兄ちゃんが配達したことにして捨てたとしても,もういいです。好きにしなさい。

 L字に曲がったLCDは単独では売られていないようで,もしこのまま計画を進めるならばキット全部を買い直す必要があります。先々週から微妙に円安が進んだことで価格も上がってしまっているので泣きっ面に蜂ですが,やむを得ずキットを注文し直しました。今度はちゃんと届くといいなあ。


 1つ目が長くなりましたが次の話。モノクロのワンダースワンの話です。

 位相差フィルムで色を白/黒にしてあるのがオリジナルのワンダースワンのFSTN液晶です。位相差フィルムの劣化によって緑/青になってしまったワンダースワンが多いため,元の状態を記憶している人は少ないでしょうし,もともと緑/青だったゲームボーイの印象が強いこともあって,ワンダースワンの修理例のほぼすべてが,普通の偏光フィルムを使った緑/青のLCDへの修理です。

 私はこの白/黒のLCDにこだわりを持っていたので,出来れば位相差フィルムを使った偏光フィルムを手に入れたいと思っていましたが,これが絶望的に見つかりません。

 このままバラバラになったままよりは,とりあえず修理して組み上げた方がいいだろうと言うことで,私も普通の偏光フィルムを使って,緑/青で修理をすることにしました。

 向きを調整し,綺麗な緑色が出てコントラストが最大になるようにしてからカット,裏表を間違えて1枚無駄にしましたが,なんとか綺麗に貼ることが出来ました。

 見栄えは残念な緑/青ですが,試しにグンペイをやってみたところ,これが意外にちゃんと楽しめます。もうね,これでいいですよ。

 そして最後に,ゲームボーイアドバンスです。

 偏光フィルムが手に入ったのでさくっと交換するつもりが,えらいはまりました。

 まず,ゴミが入りました。諦めつつ組み上げても表示が出ません。フレキの差し込みを少しずらすと表示が出ることがわかり,ようやく組んだとおもって画面をみたら,偏光フィルムの端っこが浮いています。

 何度やっても浮いてきます。もう30回ほども組んでバラしてをやったでしょうか。結局,LCDを貼り付ける両面テープが偏光フィルムを剥がしているのですが,どうも初期ロットの筐体はLCDに変な応力がかかるみたいで,それで偏光フィルムが浮いてしまうようなのです。

 偏光フィルムをギリギリの大きさにカットしたり,両面テープの位置を調整したりと試行錯誤を繰り返しましたがどうにも浮いてしまいます。仕方がないので,浮きが出ている部分の両面テープにフィルムを貼り,粘着をなくして対処しました。

 ただ,風防の裏側のホコリを拭うのに,レンズを拭くのにも使われるシルボン紙を使ったところ,擦り傷がたくさんついてしまいました。表面に比べて裏面は柔らかくて傷がつきやすいみたいです。

 反射型のTFTは外光を取りこむ必要があるので,この擦り傷が妙に目に入ってきます。これは失敗しました。とにかく,いじればいじるほど,悪くなって行くというのがこの手の修理作業です。最初に緻密な計画を立てて,流れるように作業をするように心がけ,基本的にはやり直しなしの一発勝負だと覚悟して作業にあたらねばなりません。

 繰り返した対策から2日,今のところ偏光フィルムの浮きは出ていません。このまま収束してくれるといいなあ。


 ということで,ワンダースワンカラーの風防の交換を思いついて始まった泥沼。まだ道半ばで決着は着いていませんが,とりあえずモノクロとカラーを1台ずつ復活させることができました。

 え,なに?嫁さんのワンダースワンがどっかにあるはず,だと・・・

 

ワンダースワン復活の道~その2

 ワンダースワン復活計画,まずはスワンクリスタルの復活に成功しました。過去最大級の盛大な液漏れによる基板の破損に絶望的なレベルのビネガーシンドロームによるLCDの損傷という致命傷からの復活です。

 これはうれしいですよ。ワンダースワンシリーズの最も完成度の高い機種であり,無改造品では最も実用性が高く,そのせいもあって最も高価な値段で取引されているものですので,これが復活出来たというのは,液晶の劣化(ビネガーシンドローム)が避けられないものであるスワンクリスタルとしては,非常に意味のあることだと思います。

 と大きな事を言ってますがやったことは実に簡単で,基板についてはジャンク品の基板を移植,LCDについては劣化した偏光フィルムを貼り替えただけです。

 まず基板。これはもう偶然としか言えなくて,使用感ありありで傷だらけの,動作未確認のジャンク品を手に入れました。価格は8000円くらいだったと思います。ちょっと高いなと思いましたが,LCDの程度もそんなに悪くなさそうだったので,どっちも使えたら儲けものだとさっさと購入しました。

 数日後に届いたものを確認したところ,わずかな電池の液漏れがあったみたいですが基板は無傷,幸い正常に動作しました。ジャンク品ということで動作しない場合は面倒だと思っていましたが,それでも修復できるだろうと思っていたところ,正常に動作してなによりでした。

 さて次はLCDです。このジャンク品についてきたLCDも,真ん中に少し膨らみがあり,色も全体に黄色くなっているのですが,目障りなほどではありません。十分にゲームを楽しむ事が出来る状態だと思いますが,せっかくですしビネガーシンドロームで完全に死んでしまった私のスワンクリスタルのLCDを復活させてみます。

 この場合,なにより難しのは,新しい偏光フィルムを手に入れる事で,10年前なら絶望的だったでしょう。

 しかし今は世界の工場,中国から誰も簡単に部品を手に入れる事の出来る時代です。円安かつ,中国の経済力が上がったとは言え,それでも小分けされたものを安価に手に入れる事が出来る状況は非常にありがたく,私もなにかとお世話になっています。

 最大の問題は,その種類があまりに膨大であることです。これほど多いと何を買っていいやら,何が適合するやら,さっぱりわかりません。検索するのも一苦労なら,検索後に絞り込むのも至難の業です。めぼしい物が見つかっても試すわけにはいきませんし,気軽に返品できるわけでもないので目利きが重要という事になるでしょう。

 私の場合,LCDにそんなに詳しいわけではないのですが,とにかく情報を集めてスワンクリスタルの反射型TFTに適合しそうな偏光フィルムをいくつか選び,一か八かで購入して試すことにしました。

 aliexpressは安いし品数も膨大,しかしも最近は早いし信頼性も高いという事ですでに当たり前になった感がありますが,もう一度同じ物を買おうと思っても売っていなかったり,以前購入した業者があっという間になくなっていたりするので,まさに一期一会。リサイクルショップで掘り出し物をつり上げるくらいの気分で買い物をすることになります。

 なので,例えば「これが使えたよ」というありがたい情報を入手しても,その通りの物を入手することはほぼ不可能です。仮に手に入ることがあっても値段が大きく変わっていることも多くて,実質的に入手出来ないことも多いですし。

 しかし,有益な情報であることは変わりません。それを手がかりにあれこれ探ったところ,いけそうなものを2つほど選んで購入,価格もピンキリなので出来るだけ安いところを選んで購入しました。

 最近は本当にaliexpressも早くなった物で,1週間かからない場合もあります。小さな物でもロストせずきちんとポストにはいているのを見ると,ここまで多くの人の手にわたって海を越えここまでやって来たんだなあと,しみじみ思ったりします。

 さて,どの偏光フィルムを買ったのかですが,あいにく私もわからなくなってしまいました。スワンクリスタル用と書かれたものを買って,結果的にこれが一番マッチしたわけですが,それがどういう商品名だったか,どのお店で買ったかはもうわかりません。

 で,届いた偏光フィルムを早速試してみようと,古い偏光フィルムを剥がしたLCDを繋いで動作させ,新しい偏光フィルムを上に重ねてみました。

 しかし,残念な事に全く表示が出てきません。裏返しても,クルクル回してもだめです。

 うーん,やっぱりそんな簡単な話ではないなあと心底がっかりしたのですが,晩ご飯を食べてから,ふと保護フィルム(というか糊のある面の剥離シート)を剥がしてみたらどうだろうと思い立ち,試してみたら綺麗に表示が出ました。

 すごいですね,まさにあのスワンクリスタルの画面が復活です。感動しました。

 確かに位相差フィルムを使って表示を出しているとは思いますが,まさか保護フィルムも位相差を作り出しているとは思いませんでした。保護フィルムを剥がすと正しい位相差になるというのが理屈だと思いますが,これはさすがに事前にはわからないですよね。

 ということで,適当なサイズに切り出してLCDに貼りますが,糊のついた偏光フィルムはホコリが入ったり気泡が残ったりとなかなか難しく,悉皆するとやり直しが利かないので,実は私は1度失敗しました。2回目は綺麗に貼れたので良かったのですが,ちょっともったいないことをしました。

 ところで,リスク回避という事でゲームボーイアドバンス用の偏光フィルムも買ったのですが,こちらも同じように保護フィルムを剥がすとスワンクリスタルでも綺麗に表示が出ました。ただ,よくよく見ると少し色が異なっていて,スワンクリスタル用として購入した物に比べて,黒が青みがかってしまいます。

 おそらくですが,縦位置と横位置に合わせて,位相差を調整して色味を合わせているんだろうと思いますが,オリジナルのスワンクリスタルと比較して,黒がしっかり出ているものが近い方を選んで貼りました。

 貼った物を早速動作させましたが,スワンクリスタルを初めて起動したときの感動が甦りました。ジャンク品についてきたギリギリ使えるオリジナルのLCDと比べてみましたが,地色の透明度が高く,発色も素晴らしいです。オリジナルは20年以上経過しているので,地色が黄色くなっていますし,透明度も下がっているのでコントラストも低く,色も良くありません。

 見ていて惚れ惚れしてしまい,しばらくGUNPEY EXを夢中で遊んでしまいました。

 ということで,まずは1台,スワンクリスタルが復活しました。これでとりあえずワンダースワンのソフトをプレイできる実機を1台確保できたので一安心です。

 ちなみに,今回入手した偏光フィルムは,ワンダースワンカラーのFSTNカラーLCDの偏光フィルムとしても使えそうです。きちんと試したわけではないのですが,簡単に試したところネガポジ反転もなく,正しい色で表示が出来るとことまでは確かめました。ただ,オリジナルに比べて発色やコントラスト,明るさが十分かどうかは自信はありません。

 もともと見にくいLCDでしたので,偏光フィルムを交換したくらいで実用レベルに達するとも思えませんから,これはもう深追いする予定はありません。IPS化する予定ですし。

 それからやはりビネガーシンドロームでLCDが死んだモノクロの初代ワンダースワンですが,これもFSTNの白黒LCDがオリジナルで,巷でよく見るTN用の偏光フィルムによる緑/青のなんちゃって修理ではだめだと,なにか良い方法はないものかと考えていました。

 もしかして今回のTFT用の偏光フィルムが使えたりしないかなと期待したのですが,これは全くダメでした。位相差フィルムを通した,白/黒モードの表示こそ,初代ワンダースワンのこだわりの1つで,安易に緑/青で修理出来たことにはしたくはないのですが,これを実現出来る偏光フィルムの入手がもう絶望的で,実はもう諦めかけています。

 多くの修理例のように緑/青でいいか・・・なんて日和りつつあります。

 さてさて,今回甦ったスワンクリスタルはうちのリファレンス機としてオリジナルの状態を保つ動態保存機の位置付けです。実用機はあくまでワンダースワンカラーのIPS改造品であり,これは割ってしまったLCDが届いてから作業開始です。
 
 気長に続きます。

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