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DL2050の調整完了

  • 2025/11/18 15:26
  • カテゴリー:make:

 さて,DL2050の修理の次は,調整です。

 ところで,測定器を誤差がある範囲に入るようにすることを,一般に校正(calibration)と呼んでいますが,調整(adjust)と校正は違う意味を指し示しています。

 校正は誤差がどれくらいあるかを調べ精度が保証される範囲にあるかどうかをはっきりさせることで,調整はその誤差がある範囲に入る様に調整を行うことです。

 一般に校正というと,調整のニュアンスが含まれることが多いと思いますが,瀬尾土が保証出来ませんでしたでは話にならないので,調整が前提で校正が行われているからだと思います。

 とまあ,これも受け売りで本当の所はどうなんだか自信があるわけではないのですが,私個人は校正と調整は使い分けようと思っています。なので,今回は調整のお話です。


 調整は2018年にも行っていますが,この時はCALボタンを押した後にわけもわからずデタラメな操作を行った結果,測定が不可能になるという致命傷からの復活が主なテーマでした。

 その方法も補正値が書き込まれたEEPROMを直接書き換えるという乱暴な方法で,かつよく使う直流電圧の低いレンジだけを対象として物でした。

 今回は電解コンデンサの交換と基板の修理でせっかく直ったのですから,できる限りのレンジとモードで校正を行って,調整をした上で気持ちよく使おうというのが目標です。

 ただ,この目標はなかなか大変で,SモードとMモードでそれぞれ33のモードとレンジの組み合わせがありますので,全部で66もの校正箇所があります。それをEEPROMの直接書き換えで調整すると,下手をすると1000回近くもEEPROMの抜き差しが必要になるかも知れません。

 ということで,出来るだけEEPROMへの直接アクセスが減るように考えるのですが,ともあれ直流電圧から調整します。

 直流電圧に限らず,すべての調整はゼロアジャストからはじまります。入力端子をショートした時にゼロになるようにしなければ話になりません。

 方法は,CALボタンを押して,モードとレンジをマニュアルで選び,入力をショートした状態でLOCALキーを押します。これをすべてのモードとレンジで繰り返して,終わったらもう一度CALボタンを押してCALモードから抜けます。

 残念な事に,この作業だけでは測定値が正確にならなかったので,本格的に調整を行います。

 調整はCALボタンを押してCALモードに入るところまでは同じですが,各モードとレンジにおいて決まっている値の基準電圧(もしくは電流や抵抗)を与えた上で,RELキーを押します。

 こう書くと簡単なのですが,Sモードのようにフルスケールが120000の場合には100000,Mモードのようにフルスケールが40000の場合には36000になるような基準を与えなければなりません。(なお750Vレンジでは750Vが基準電圧になるそうです)

 安定化電源があれば余裕だぜ,と思った方は少々甘いです。例えば120mVレンジでは100mVの基準電圧が必要ですが,小数点以下3桁の表示が安定するには1uVの安定性が求められます。仮に安定性は目を瞑ったとしても,DC360VやAC750Vなど,そもそも一般家庭にあるはずありません。

 ということで,校正用の基準電圧発生器が欲しくなるわけですが,残りの人生を考えたら,そんな大げさな物を買ってしまうのは遺族に対しての嫌がらせになってしまいます。ここは知恵と工夫で乗り切ります。

 とりあえず,SモードのDC1.2V,12Vレンジについては並列に繋いだHP34401Aで1.0Vや10Vを作り,これでフルスケールを登録します。Mモードについては360mV,3.6Vで登録です。

 それ以外については出来るだけフルスケールに近い電圧を与えて,34401Aと同じ値になるようにEEPROMを直接書き換えます。残念な事にISPで書き込むことが出来なかったので,一々EEPROMを外して書き込み,戻して電源の再投入という面倒な方法で行わざるを得ません。

 120mVや40Vレンジでは100mVや36Vに近い値,120Vやそれ以上の値では安定化電源の最大値である32VでEEPROMを直接いじって調整をします。誤差が大きくなりそうですが,仕方がありません。(高圧怖いですし)

 ACについてはどういう訳だか,RELキーによるフルスケールのセットに失敗しますので,すべてEEPROMの直接書き換えで調整を行います。

 基準電圧はファンクションジェネレータを用い,50Hzの正弦波で,Sモードでは100mVrms,1.0Vrms,Mモードでは360mVrms,3.6Vrmsを発生させて入力します。私のファンクションジェネレータでは8Vrmsが最大電圧なので,これ以上の電圧は8Vrmsを使って調整をするしかありません。

 ただ,AC100Vについては測定をする機会もあると思いますから,乱暴ですがコンセントの電圧を測定してEEPROMを書き換えます。

 ここまででなんと6時間ほどかかってしまいました。EEPROMを付けて外しては手間も時間もかかります。温度なんかでも値が変わりますし,EEPROMのアドレスを読み間違ったりしてなかなか大変な作業でした。

 続けて電流です。この際AC電流は測定する意味はないと思うので触らず,DC電流だけ調整をします。2018年の時点では電子負荷を持っていなかったので手も足も出なかったのですが,今は電子負荷を使って基準の電流を作る事ができるので,電圧と同じ手順で調整を進めていきます。

 次に抵抗です。これはまず,34401Aの4Wで,多回転の半固定抵抗で基準抵抗を作り,同じケーブルをDL2050に差し替えて,まず4Wモードから調整を行っていきます。

 とはいえ,高抵抗を作るのは難しいので,1MΩから上はEEPROMの書き換えで対応することにします。これが終わったら,同じ抵抗で2Wも調整を行います。

 この作業で4時間ほど。合計10時間ほどかかって,ようやく自分の出来る事を終わらせることが出来ました。

 おわってからひととおり測定を行ってみたのですが,やっぱりズレるものです。また電源投入からの値の変化も大きくて,電源投入直後では誤差が大きすぎ,これが実用範囲に入るのに30分,落ち着くのは1時間ほどかかるので,このあたりは34401Aと違ってすぐに取りかかることができず,ワンランク下がる測定器という事になりそうです。

 そんなわけで,DL2050の調整までが終わりました。DCV,ACV,DCA,2W,4W,までは調整もできましたし,誤差の範囲もある程度つかめました。ACAについてはノータッチとしましたが,そんなに大きくズレていないと思いますし,他の測定器を使うことにしますので,ここは割り切りました。

 ところで,今回はEEPROMを直接書き換えることを何百回と行いました。ISPができないながらも,作業W効率の向上とミスを防ぐ目的で,レンジとモードで66もあるパラメータがどのアドレスに割り当てられているかを一覧にした物を作りました。

 左側がアドレス,次の数字がバイト数,右側がレンジとモードです。

S-Mode
0000-0005 0,1,2 DCV120mV
0006-000B 3,4,5 DCV1.2V
000C-0011 6,7,8 DCV12V
0012-0017 9,10,11 DCV120V
0018-001D 12,13,14 DCV1000V
001E-0023 15,16,17 ACV120mV
0024-0029 18,19,20 ACV1.2V
002A-002F 21,22,23 ACV12V
0030-0035 24,25,26 ACV120V
0036-003B 27,28,29 ACV750V
003C-0041 30,31,32 2W120
0042-0047 33,35,35 2W1.2K
0048-004D 36,37,38 2W12K
004E-0053 39,40,41 2W120K
0054-0059 42,43,44 2W1.2M
005A-005F 45,46,47 2W12M
0060-0065 48,49,50 2W120M
0066-006B 51,52,53 4W120
006C-0071 54,55,56 4W1.2K
0072-0077 57,58,59 4W12K
0078-007D 60,61,62 4W120K
007E-0083 63,64,65 4W1.2M
0084-0089 66,67,68 4W12M
008A-008F 69,70,71 4W120M
0090-0095 72,73,74 DCA12mA
0096-009B 75,76,77 DCA120mA
009C-00A1 78,79,80 DCA1.2A
00A2-00A7 81,82,83 DCA12A
00A8-00AD 84,85,86 ACA12mA
00AE-00B3 87,88,89 ACA120mA
00B4-00B9 90,91,92 ACA1.2A
00BA-00BF 93,94,95 ACA12A
00C0-00C5 96,97,98 Cond(導通)

M-Mode
00C6-00CB 99,100,101 DCV400mV
00CC-00D1 102,103,104 DCV4V
00D2-00D7 105,106,107 DCV40V
00D8-00DD 108,109,110 DCV400V
00DE-00E3 111,112,113 DCV750V
00E4-00E9 114,115,116 ACV400mV
00EA-00EF 117,118,119 ACV4V
00F0-00F5 120,121,122 ACV40V
00F6-00FB 123,124,125 ACV400V
00FC-0101 126,127,128 ACV750V
0102-0107 129,130,131 2W400
0108-010D 132,133,134 2W4K
010E-0113 135,136,137 2W40K
0114-0119 138,139,140 2W400K
011A-011F 141,142,143 2W4M
0120-0125 144,145,146 2W40M
0126-012B 147,148,149 2W300M
012C-0131 150,151,152 4W400
0132-0137 153,154,155 4W4K
0138-013D 156,157,158 4W40K
013E-0143 159,160,161 4W400K
0144-0149 162,163,164 4W4M
014A-014F 165,166,167 4W40M
0150-0155 168,169,170 4W300M
0156-015B 171,172,173 DCA40mA
015C-0161 174,175,176 DCA120mA
0162-0167 177,178,179 DCA1.2A
0168-016D 180,181,182 DCA12A
016E-0173 183,184,185 ACA40mA
0174-0179 186,187,188 ACA120mA
017A-017F 189,190,191 ACA1.2A
0180-0185 192,193,194 ACA12A
0186-018B 195,196,197 Cond(導通)

 パラメータは6バイトで1組になっていて,最初の2バイトはゼロアジャスト,続く4バイトが補正値です。もともと16ビットの数値なので上位と下位のバイトを入れ換えて読む事になります。

 例えばがC4 FF 06 00 34 36と並んでいたら,FFC4がゼロジャスト,00063634が補正値となります。表示される値が低すぎるのでこれを増やしたい場合には補正値を小さくし,逆に表示が高い場合には減らすために補正値を大きくします。

 また,MモードとFモードはパラメータを共有しています。フルスケールが同じだからだと思います。


 これで一応,私が普段使う範囲については34401Aと同じ程度の測定値が得られるようになりましたし,誤差も把握出来たので,実用レベルになったと思います。

 ただ,残念なのは値の更新周期が長かったり,高精度が期待出来る4Wの抵抗測定では測定時間が非常に長く,DL2050の最大の特徴である2つの測定を同時に行う昨日も,結局後進周期が2倍になるので使い物にならず,測定器を2つ並べた方がよほど使い勝手が良かったりします。

 精度でも更新周期でもHP34401AとDT4282が揃えばもう怖い物なしで,残念ながらDL2050の出番はないなあというのが現実です。それでも現場復帰できたことはうれしいもので,機会を見つけて使いたいなあと思うところです。

 

DL2050の修理

  • 2025/11/14 14:48
  • カテゴリー:make:

 ほとんど使うことがなくなっているベンチ型DMMのDL2050に,先日偶然電源を入れてみました。すると,どうも測定値が不安定になっているようで,これはいよいよ調整が必要になったかと,詳しい状況の把握を始めました。

 なかなか状況は深刻なようで,測定誤差が大きいというよりも,値がフラフラと変動し続けます。入力端子をショートしてもゼロにはならず,やっぱり数十mVの範囲でフラフラと値が動いています。

 これはもう話になりません。調整で済むレベルではなく,完全に壊れています。

 修理という趣味には,壊れているものがなければなりません。私は内心喜んだのですが,果たしてDL2050という中途半端なDMMで,修理を完遂するだけのモチベーションを保てるか心配になりました。

 DL2050というDMMは,15年ほど前に広い部屋に引っ越し,自分のラボをコツコツ作ろうとしていたときに中古で買った測定器です。秋葉原の計測器ランドで,会社の帰りに立ち寄って買ったことを覚えています。

 買ったはいいものの,120000カウントでは1秒に2回しかサンプリングしてくれず,40000カウントならハンディタイプのテスターで十分だったりするということで,案外出番は少なく,数年後にHPの34401Aを購入してからは完全に不必要な物に成り下がってしまいました。もったいない話ですが,電圧計なんてのはそもそもテスターで十分なことが多くて,DL2050のようなスペック的に飛び抜けた物のないDMMを,わざわざ使おうと思うことは少ないです。

 しかし,前述のような思い入れもあり,捨てるには惜しいですし,とりあえず修理を試みることにしました。

 以前ここにも書きましたが,DL2050はESCORTというブランドの3146Aというモデルがオリジナルのようで,これが各社にOEMで出され,例えばAgilentではU3402という名前で売られていたりします。

 兄弟機を合わせるとそれなりに売れたDMMのようですが,そのくせサービスマニュアルや回路図などの情報は出回っておらず,2018年の11月に調整を行った時に集めた断片的な資料以外に,新しい情報を手に入れる事は出来ませんでした。

 頼りになるのは回路図ですが,これも今見るとメーカーから出た物ではなく,誰かが書き起こしたもののようで,あくまで参考程度にとどめておくのが良さそうです。

 修理の方針ですが,まずはセオリー通り,電源電圧をチェックです。電源基板と繋がるJ602の電圧は,茶色がGND,黒が8.9V,赤が5V,黄色が16.5V,青が-1.95Vです。馴染みのない電圧が目に付きますが,これもまあ測定器ならではですから仕方がありません。

 チェックすると,電圧は一応問題なく出ているようです。オシロで確認しても変なリップルやノイズもなく,綺麗なものです。

 次に基準電圧を見てみます。基準電圧はMAX6225というICで作っていますので,これの6ピンを見ます。2.5Vが出ているので問題なしです。

 ひととおり目視で部品の破損を見たのですが,液漏れや焦げなども見つからず,がっかりしながら次の作戦に駒を進めます。

 入力端子をショートしても0Vにならずオフセットが乗っており,しかもその値がフラフラしているわけですから,入力をショートした状態で,入り口から順番に電圧を見ていってなにか電圧が出てきたらその手前に故障箇所があるはずです。

 とまあ,とても簡単に書きましたが,DMMはレンジや測定モードがたくさんあって,リレーやアナログスイッチによる切り替え箇所が多数あります。迷路のような回路を順番にほどいていきながら,順番に電圧を見ていきます。

 すると,あるアナログスイッチの手前で変動する電圧を見つけました。そのアナログスイッチを直列に入っている抵抗を外してみると電圧の変動が軽減したので,このアナログスイッチからのリークだろうと目途を立てました。

 MAX4611というアナログスイッチで,4066とピンコンパチということで,早速74HC4066を注文し,届くまで修理は中断としました。(使われているのがフラットパッケージなので,DIPでは交換出来ないのです)

 翌日,もう少し検討しようと電圧をあちこち測るのですが,どうも思ったような電圧が観測されません。おかしいなと思って調べてみるとMAX4611は4066とピンコンパチだが,コントロール端子の論理が反転していました。つまり,アナログスイッチの切り替えを全部逆にして回路図を読んでいたのです。

 これはいかんと,もう一度回路図を読み直し,入力端子をショートして電圧を確認していきました。おそらくここではないかという場所を見つけたのですが,それを確認するにはパターンをカットするしかありません。

 そこでパターンをカットすると,電圧の変動はほぼなくなりました。しかしオフセットは残っており,長い周期での変動は残っています。どうもこのラインから変な電圧が入り込んでくるようでした。

 元に戻そうと,カットしたパターンを繋ぐと,電圧変動もオフセットも小さくなっています。あれ,ひょっとして部品の問題じゃないかも・・・ハンダ付けの不良かも知れません。

 この周辺のICのハンダ付けをやり直してみると,値がバラバラと変動することはなくなっており,数分かけて0mV程度のオフセットが徐々になくなっていくような感じになっていました。

 おそらくですが,ICの足をハンダ付けし直したことと,スルーホールの補修を行った事で,問題の1つが解決したみたいです。

 この状態で一度組み立て直したのですが,入力をショートしてもすぐには0Vにならず,ゆっくり0Vになったりするのは,まだどこかおかしいのだろうと再度分解して調査を再開します。

 引き続きICのハンダ付けをやり直していくと,独特の臭いに気が付きました。これは電界コンデンサの電解液の臭いです。見た目では分かりませんでしたが,どうやら電解コンデンサの液漏れが発生していたみたいです。

 これはまずいとあわててすべての電解コンデンサを外して容量を確認すると,100uFの電解コンデンサの1つが30uF程度になっているものを見つけました。14個ある100uFの電解コンデンサのうち全体の半数は正常だったのですが,残りは80uF以下になっていて,ひどい物は50uFや40uFになっていました。

 他の容量の物も含め,とりあえずすべての電解コンデンサを交換することにしましたが,100uFの電解コンデンサなど20個近くも持ち合わせがありませんので秋月に発注,届いた段階で交換にかかります。

 交換して試してみると,フラフラと変動する電圧もなくなり,入力端子をショートするとスパッと0Vを示すようになりました。

 やはり,電源ラインに入っている電解コンデンサの容量ヌケも1つの原因だったみたいです。電源ラインに入っているパスコンというのは,やはり大切なんですね。

 ハンダ付けの不良やスルーホールの腐食も電解コンデンサの液漏れで起きていると思われますから,元凶はやはり電解コンデンサということになりますが,2000年代前半の製品ですので仕方がないところもあるかも知れません。

 これまでの不調が嘘のように,値が安定して表示されているのを見ると,とりあえずこれで修理は出来たかなと,組み立て直しました。

 ただ,Lモード(120000カウント)での誤差が大きいので,これは調整をやり直す必要があります。そういえば前回の調整では,CALボタンを不用意に押してしまい,無茶苦茶な較正データを書き込んで動作不能に陥り,結局内部のEEPROMを直接書き換えて復活させたのでした。

 今回の調整についても,100Vや1000Vの基準電圧があるわけではないので,同じような方法で調整を行うことになりそうです。あまり寒くなると調整作業に適さない気温になりますから,まだ秋と言えるうちに,作業を終わらせようと思います。

CLIPHITの再修理プロジェクト

  • 2025/10/29 14:44
  • カテゴリー:make:

 2014年の秋にコルグから,CLIPHITなる電子楽器が登場しました。

 ということはもう11年ですか・・・洗濯ばさみみたいなセンサーで挟んだものが打楽器になるという画期的なオモチャで,ペダルまで付属しています。

 電子ドラムを買おうかどうか迷っていた私は,場所という最大の問題を解決するであろうこのCLIPHITに夢を託し,予約して発売日に手に入れたのでした。

 しかし結果はとても残念なもので,センサを用意するのが面倒,結局場所をとる,配線が大変,極めつきはモノラルだったという事で,電子ドラムの代わりには全くならないものでした。そもそも1万円ほどのオモチャに何を期待したんだかと,当時の私をなじってやりたいところですが,コルグに対するイメージはこの製品でも確実に低下したのでした。

 話は逸れますが,私はつくづくコルグとは縁がなく,コルグの製品を手に入れても気に入らなくて使わなくなるか,処分してしまいます。コルグというメーカーを信じて買った物でも,やっぱり最後にはがっかりして使わなくなるのです。

 ToneWorksしかり,SG-Rackしかり,Kaossilatorしかり・・・唯一の例外は,箏曲を始めた娘のために用意した「調べ」でしょうか。というか,箏曲のチューナーって実質これしかないやんけ。

 2014年の秋に購入,ほぼ同時に絶望したCLIPHITは,3歳の娘のオモチャに格下げされる予定でしたが,あろうことか保証期間中にスピーカーの断線により音が出ないと言う致命傷を負い,ますますコルグに対する信用を低下させました。

 素直に修理に出せば良いのに,面白がって私はスピーカーの交換で修理することを思いつきます。3インチ(7.7cm)というちょっと珍しいサイズのスピーカーなど手持ちにあるはずもなく,たまたま秋月電子で安売りされていたF77G98というスピーカーを手配して修理を試みました。

 フレームの取り付け穴をカットしたりしてなんとか組み込んだはいいものの,音が小さいという結果にさらにがっかり。当時私は能率が悪いからという結論に至っていますが,能率云々以前の問題として,インピーダンスが8Ωだったことが一番の原因でした。

 オリジナルのスピーカーは4Ωで,これが8Ωになると当然出力は小さくなります。アンプのゲインを上げればいいんですが,そんな改造をするのも面倒という事で放置。娘のオモチャになることもかなわず,以後ジャンクの巣窟たる自室の押し入れの奥底で深い眠りにつくわけです。

 果たして10年の歳月が流れ,娘は中学生になったわけですが,今年の夏に購入したデジットのランダムボックスに3インチのフルレンジスピーカーが入っていたことを,ふと思い出したのです。

 このスピーカー,東京コーン紙製で私が修理に使ったF77G98の姉妹モデルのようで,F77A98というものです。一文字違いで見た目もそっくりですが,大きな違いはインピーダンスが4Ωであることです。

 なにせ箱に入っていたのは1個だけでステレオには出来ませんし,もう1つ買い足そうにも在庫切れ,しかもエッジが変形しているのでゴミ確定だなとそこら辺に転がしてありました。

 一応エッジだけは出来るだけ元のように戻したので音はちゃんと出るのですが,音質を語るようなものではないので,私が死ぬと同時に廃棄物になるやつだなと思っていたのです。

 しかし,見た目が同じで4ΩですからCLIPHITに取り付け可能。音も大きくなるはずですし,ゴミの再利用ですので気分的にもうれしい物があります。

 そこで先日のお休みに,魔窟からCLIPHITを発掘し,交換を試みました。

 分解して思い出したのは,まずフレームの取り付け穴がある耳をカットしないといけないということ。それからスピーカーの厚みがかなりあるので,配線を挟み込んだりしないようにすることをも要注意です。

 当時,耳をカットするのにどんな風にしたのかも思い出せないのですが,金属用のハサミで試すと簡単にカット出来ました。切り口から想像するに,当時も同じ事をやっていたようです。

 後はささっと交換し,配線をハンダ付けするだけです。元通りに組み立てて音が出ることを確認し,このプロジェクトは終了です。

 デジットのジャンクを使ったという満足感もあり,10年ぶりに喜びの声あげるCLIPHITに思わず涙腺が緩みそうです。

 しかし,実際に音を出してみると,30秒で飽きてしまいました。クリップであちこち挟みますが,全く使い物になりません。クリップをあきらめて本体だけで音を出してみますが,出る音の種類が僅かなので,これも10秒で飽きます。

 結局1分を待たずに,CLIPHITは電池が抜かれてしまうのでした。

 娘がまだ小学校の低学年ならオモチャになった可能性はあったのですが,中学生が楽しいと思うには,ただ音が出る以上のなにか音楽的なものが必要なわけで,その点でもCLIPHITは絶望的です。

 加えて,音が大きくなったとはいっても,もともと音量が十分ではなく,買った当時の私も不満を述べています。当時も全く話題にならなかったこと,後継機がでなかったことも,CLIPHITという製品の失敗を物語っているのではないでしょうか。(驚くべき事にサウンドハウスでは今でも買えます)

 ということで,ゴミにゴミが入り込んだだけ,という悲しい結果に終わったCLIPHIT復活大作戦。当時宴会芸で使えるかもと書いた私ですが,10年経って宴会の機会すらなかった私にはもはや無用の長物でしょう。

 どうするかな。

nanoKONTROL2を改造する

 nanoKONTROL2というガジェットを買いました。

 続にフィジカルコントローラという音楽制作のツールで,スライダやらツマミやらボタンが一杯ついている,物理的なコントローラです。

 ハードウェアをソフトで実現して統合した物がDAWのくせに,操作部分,つまり人間との接点はやっぱりハードウェアがよいという,なんだかおかしな話ではあるのですが,おもいおこせば1980年代,DX7を端緒としてボタンとLCDだけになったシンセサイザーが,その絶望的な音作りの面倒臭さゆえにスライダーをパラメータごとに備えた専用のプログラマーをオプションとして用意していたのと,同じようなお話だと思います。

 私もDAWを使うようになり,トラックパッドでのミキサーの操作に辛い肩凝りを誘発してしまい,フィジカルコントローラへの興味がこのところ出ていたのです。

 そこへ,microKEY Airに付属していたはずのバンドルソフトや音源のライセンスカードをなくしてしまい,探し回るよりもお金で解決するのが大人だろうと,同じコルグから出ていたnanoKONTROL2を買ったというわけです。

 でもこれ,10年ほど前に出た物がそのままのロングセラーですし,しかも当時の価格は5000円程度だったそうで,今の半額です。これだけ円安が進むとバンドルソフトの価格だけでも5000円を超えるだろうと思うので無理もないのですが,なんでも早めに買っておく方が得をするんだなと,物価高が本格的に庶民を襲う昨今の教訓にしないといけないところです。

 で,とりあえず手に入れたnanoKONTROL2ですが,これが1万円というのはちょっとどうかと思う安っぽさ。とりあえず便利になりそうですし,大きさも手頃で悪くはないのですが,これで満足かと言われればさすがに難しいでしょう。

 気に入らないのは大きく2つ。

 1つは,LEDの色,もう1つは今どきのmicroUSBであることです。

(1)左上の電源LEDが白なのは当時としては精一杯の贅沢だったのでしょうが,他のLEDが全赤というのは頂けません。せめて再生は緑にすることくらいできたんじゃないかと思います。

 そこで,フィジカルコントローラの標準色に交換を考えます。再生は緑,SOLOは黄色,MUTEはオレンジ,RECは赤とし,これ以外のLEDはオレンジで統一とします。

 幸いにも1608サイズの各色LEDが手持ちにあったので交換したのですが,黄色と緑が暗すぎて,光っているのかどうか分からない位です。オレンジもかろうじてというレベルで,赤に完全に負けています。

 そこで,LEDに入っている抵抗を下げました。もともと330Ωが入っていたのですが,これをとりあえず100Ωにします。するとオレンジはかなり明るくなって実用レベルになったのですが,黄色と緑が相変わらず厳しいです。

 ならばとこの抵抗を47Ωまで下げましたが,あまり明るさには違いが出ません。抵抗をパラ付けして23.5Ωまで下げましたが変化無しです。ダイアミックドライブですので元々抵抗は低かったのですが,さすがにこれくらい小さくしても明るさに変化がないとなると,電源電圧が3.3Vなので電流が頭打ちになるとか,そういう理由で意味がないことになりそうです。

 こうなってくると電流が少なくても明るいLEDにするのが対策で,緑色は純緑にしました。これだとさすがに明るく,赤色に負けないくらい光ります。

 しかし,黄色は高輝度タイプが手元にないので,このままとしました。白色に黄色の透明テープで対応することも考えましたが,1608の白色が全く手元にないのであきらめました。これは次回の課題です。


(2)microUSB

 個人的には嫌いじゃなく,microUSBよりはずっと気に入っていたminiUSBは,まさにこの時代の象徴であり,古くささの元凶でもあります。

 なにより,今どきminiUSBのケーブルなんて身近にはありません。ましてMacBookと直結するためのTypeCとminiUSBのケーブルなんて,探さないと入手さえ難しいでしょう。

 ならば,時代遅れのminiUSBをmicroUSBのコネクタに改装すれば解決します。

 ただ,基板のパターンまでコンパチなmicroUSBのコネクタは私の知る限りなく,当然手持ちもありません。なにより,microUSBはminiUSBに対し,オス側のサイズはそんなに変わらないのに,メス側のフットプリントがかなり小さい事が,製品の設計者にはありがたいわけです。

 私の部品箱を探すと,aitendoの福箱に入っていたmicroUSBコネクタが出てきました。これ,落とし込みタイプで,通常の表面実装の基板には使えませんし,当然アマチュアにも使い道がないのですが,私はこれを見てピンときました。

 miniUSBの代わりにこれをマウントし,配線は細い銅線で手配線するのです。手配線するなら基板に接した足よりは,基板からちょっと浮いている方がやりやすいわけで,まさに今回の作戦にはぴったりです。

 壊してしまう危険性もありましたが,最近涼しくなったこともあり,意を決して改造です。

 まず基板を壊さないようにminiUSBコネクタを外します。外れたら新しいmicroUSBコネクタの外側のスリープから出ている固定用の足を曲げて,基板に触れるくらいに調整します。

 この足の部分をminiUSBの固定用ランドにくっつけてハンダ付けします。位置を上手く調整して問題なく差し込めることもこの時確認します。

 終わったら,コネクタの端子と基板を配線します。5ピンのうち1本はIDですので,オープンかもしくはGNDですので,配線の必要はありません。オープンにしたままか,隣とくっつけてしまいます。

 案外上手くいったのでテストをすると,当然動作します。ケースに組み込んでも問題なくコネクタは刺さりますので,改造は成功です。

 これでnanoKONTROL2は,うちのMacBookとTypeC-microBのケーブルで直結出来るようになりました。

 miniUSB用の角穴がmicroUSBには大きすぎて不細工なのですが,便利さにはかないません。これですっきりしました。

 バンドルソフトもインストールし(使えそうな物はあまりなかったのですが),この件はこれで終了。環境の改善ばかりやってないで,いい加減に音楽を作らないといけません・・・

 ところで,これで気をよくした私は,他に残ったminiUSBの機器をmicroUSBに改造する計画を立てることにしました。この話は後日。

microKEY AirにMIDI OUT端子を増設する

 2年ほど前のことですが,Jupiter-Xmを弾いて憂さ晴らしをすることを続けていた時期がありました。

 とても楽しく弾いていたんですが,1つだけフラストレーションを感じたのが,鍵盤の音域の狭さでした。これほどの表現力を持つシンセサイザーが37鍵というのは厳しすぎる。せめてもう1オクターブ,49鍵なら文句はない(見た目も格好いいし)と常々思っていました。もしJupipter-Xmの派生モデルとして49鍵のモデルが出たら予約して買い換えます。

 まあ,そんな世の中にないものを期待して待ち続けるのもむなしいですから,当座49鍵のミニ鍵盤を外付けにしようと考えました。しかし,49鍵になるともう実質KORGのmicroKEYシリーズしか選択肢がありません。

 せっかくだからとワイヤレスMIDIを経験してみようと,microKEY Airを買ったのはいいのですが,結論からいうとJupiter-Xmには繋がってくれませんでした。

 BluetoothLEも,USBも,microKEY Airは「受け身」専用だからです。接続のためには,USBならHOSTが,BluetoothならSOURCEがいないと繋がりません。しかし,Jupiter-XmもmicroKEYもUSBはDEVICE,BluetootはSINK専用です。

 だーっ,もともとMIDIには主人も従者もなく平等でINとOUTを繋げば即動くのが利点だったのに,物理層がUSBやBluetoothになった途端に仕切るのはPCがやってくれるだろうと受け身になって,結局DEVICEやSINK機器だけが集まっては互いの顔を見合わせて途方に暮れることの,なんと多いことか!

 USBで繋がるMIDI機器がほとんどになったのですが,これもPCを核にしたシステムを前提としているからであり,鍵盤を音源を分離するというMIDIの最初の理念からは変質を遂げているのがわかります。もう,MIDIに期待される役割が変わってしまったということでしょうか。

 しかしですよ,せっかくハードウェアのシンセサイザーを鳴らすのに,わざわざPCを立ち上げて鍵盤を繋ぐなんて,そんなアホな話がありますかいな。

 と,憤りを強く感じた私が2年前に採った作戦が,Jupiter-XmにSOURCEになるBluetoothを装備することで,そのためにWIDI MasterというMIDI-Bluetooth変換器を買ったのでした。

 当時のの艦長日誌を見ると,これはこれで使いやすく,レイテンシも少ないとあります。便利だという事で使い続けることになるかと思えば,実は全然使っていません。

 というのも,他の機器との併用を考えると,もうなにがなにやらわからなくなってしまったからでした。microKEY Airを複数の機器とペアリングして使うと,以後はどの機器につながっているかわからない上に,選択的に接続機器を選ぶ手段もないのです。

 MIDIならケーブルを繋ぐだけなのに,ワイヤレスにすると繋いで音を出すだけでこんなに困るなんて,話になりません。WIDI Masterも設定にスマートフォンが必要だったりするのでとにかく面倒。ケーブルならINとOUTをさっと繋ぐだけなのに・・・

 ということで,microKEY AirもWIDI Masterも使うことはなくなりました。

 ですが今年,PRO-800を買ってから,事情が変わってきました。PRO-800から音を出すのに,音源を内蔵するJupiter-Xmを引っ張り出すのもおかしいですし,かといってPCを起動してmicroKEY Airと繋ぐのもバカバカしいです。私はただ,PRO-800で音を作りたいだけなのです。

 話は2年前と同じ道をたどります。USBホストとMIDIを変換するコンバーターを探してみると,さすがに2年の年月のおかげもあり,完成品も6000円弱で手に廃しそうですし,自作についてもRaspberryPiを使って簡単に作る事が出来そうです。

 しかし,私は2年前とは違う発想にたどり着きました。

 私がもしmicroKEY Airの設計者だったら,キットレガシーなMIDI信号を内部に持たせるだろう,なぜならデバッグやちょっとした実験に便利な上,その信号を用意することはとても簡単でコストもかからない・・・

 そこでさっさとmicroKEY Airを分解し,あちこちの波形を見てみました。するとMIDIの信号があっさり見つかりました。32usのタイミング,8ビットのシリアル。鍵盤を押したりベンダーを動かしたらバラバラと出てくる波形なので,間違いはないでしょう。

 ただ,振幅は3.3Vなので,このままではMIDI機器に繋ぐことは出来ません。5mAのカレントループであるMIDIインターフェースの物理層を作る必要があります。

 内蔵することを前提にチップ部品で物理層の回路を真面目に作り,これを介してバラックでPRO-800に繋いで実験してみると,あっさり音がなりました。やはりmicroKEY Airは内部にMIDI信号を宿しておりました。

 ここまでくると,microKEY AirにMIDI OUT端子を装備するための改造をきちんとやろうという気持ちになります。

 まず最初に端子をどこに出すかです。標準であるDINの5Pは取り付けられそうな場所がなく断念しました。3.5mmのジャックならなんとかなりそうです。幸いMIDIも正式に3.5mmや2.5mmのジャックによる接続も規格化されたので,ケーブルは新規に用意することになりますが,これで綺麗にまとめましょう。

 microKEY Airを分解し,左側のこの位置にジャックを取り付けました。

 20250929101249.jpg

 次に回路です。昨今,マイコンのポートの起動能力がそれなりにあるので,5mAのカレントループをマイコンのポートで直接実装することが一般的になっています。

 簡単で結構な方法なのですが,実は今回はMIDI OUTをBluetoothモジュールへの信号からもらう事になるので,ドライブ不足が心配です。そこで真面目にトランジスタでドライブすることにしました。

 教科書通りにオープンコレクタのトランジスタに電流を吸い込ませるわけですが,このトランジスタはmicroKEY Airの内部信号で直接駆動出来ません。と言うのも論理が反転しているからで,インバータが必要です。

 ここで,74HC04なんかを選んでしまうと,3.3Vで動かないのでアウトな訳ですが,手持ちのTC7S04Fは3Vから動くので問題なし。これと,やはり手持ちの汎用トランジスタである2SC2412で作る事にします。

 抵抗は供給側も吸い込み側も5V時代は220Ωでしたが,3.3Vではそれぞれ33Ωと10Ωです。低抵抗なので電力が心配ですが,5mAならチップ抵抗でもとりあえず問題ありません。(ただしショートを考慮すると0.5Wを見込まないといけないですから,正しい設計では御法度です)

 20250929101137.jpg

 上の写真が作った基板です。この大きさだと,ペダル用のジャックに貼り付けられるほどの大きさです。

20250929101139.jpg

 さて,信号ですが,以下の位置から取り出します。

20250929101138.jpg
 これを先程の基板に繋いで完成です。

 試しに3.5mmのTRSとDIN5Pの変換ケーブルを作って動作確認をしましたが,全く問題なし。49鍵のMIDI OUT付きミニ鍵盤が出来上がりました。見た目もPRO-800とマッチしています。

 ただ,本気で使うにはちょっと難ありで,microKEY Airの問題ではあるのですが,まず鍵盤の質が良くありません。指の腹の位置が支点から近く,ベロシティが調整しにくいのが致命的です。

 トランスポーズも専用ソフトからは出来るのですが,単体では出来ません。

 それでも,ちょっと音を出したい時,音を作りたいときには重宝するので,microKEY Airは以前よりもずっと活躍してくれそうです。


 ところで,ここまで出来るとちゃんとした3.5mmのMIDIケーブルが欲しいじゃないですか。ちょっと高いなと思いつつ,amazonで3.5mmのTRSとDIN5Pのオスのケーブルを900円ほどで買いました。

 ところがこれが全く動いてくれません。調べてみるとピン配置がデタラメで,全くMIDIとは違います。コネクタの配線を変更出来ないのでゴミになるところなのですが,どうせゴミならとDIN5Pのコネクタをカッターで分解し,配線を変更して使っています。

 ちょっと不細工ですが,大きくなったり太くなったりせず,普通に使えるようになったのでこのまま使い続けるつもりですが,それにしてもひどい話だと思います。ちゃんとMIDIケーブルと書いてあるんですよ,これ。

 

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