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2009年05月の記事は以下のとおりです。

今度こそ頼むぞアドエス

 昨日,問題が解決し運用の成熟を期待するフェイズに入ったと宣言したアドエスですが,その日のうちに撤回することになりました。

 やっぱり,電源OFFを一度行った後では,WEBブラウズでフリーズをします。再現率はほぼ100%といっていいでしょう。

 このフリーズはなかなか深刻なもので,他のアプリも固まりますし,復旧はキーボード横のリセットではダメで,電池の横にあるリセットボタンを押すしかありません。時計は狂いますし,精神的なダメージが結構大きいです。

 運用で回避は難しく,もうWEBブラウズをしない,ということしか手はないとあきらめかけたのですが,それでもメールにあるリンクに不意に触れてフリーズすると,これはこれでとても悔しい思いをします。

 とはいえ,昨日,一時的とはいえ電源OFFから復帰させたアドエスでフリーズが起こらなかったことも事実です。あれからなにを変えたのか・・・良く思いだしてみます。

 すると,どうもIrisBrowserを削除してから調子が悪いようです。

 まさか,と思いつつ,もう一度IrisBrowserをインストールし,設定から接続をいつも使っているプロバイダに繋ぐよう指定しました。

 すると,ウソのようにフリーズが起こらなくなります。

 推測ですが,自動接続を行う部分が,PocketIEもOperaも共通になっているんではないかということ,そしてその仕組みは,いわゆる「インターネット接続」を指定しているのではないかということです。よく分かりませんが,この「インターネット接続」では,W-SIM経由とWiFiを自動的に切り替えるんじゃないかと思っていまして,この仕組みに頼らず,しかもW-SIM経由に固定できるIrisBrowserなら,問題は起きないという事ではないかと。

 せっかくですから,IrisBrowserをしばらく使ってみたのですが,動作が重たいことを除けば,悪くないブラウザだなあと考えが変わりました。スクロールバーが出てこないことが気に入らなかったのですが,これは設定を変えるとあっさり解決。

 iPhoneで皆を感激させた拡大/縮小なども実現されているので,ついつい指でつまみたくなりますが,さすがにアドエスでそれは無理です。

 レンダリングも遅いですが,レイアウトは綺麗ですし,見やすい表示をしてくれています。上下ボタンによるスクロールは1行単位とイライラしますが,これはもしかしたらなにか設定の方法があるのかも知れません。

 また,そんなに信頼性も低くないので,これを常用することにしました。逆にLunascapeを削除しました。

 そんなわけで,今度こそと思っていたのですが,ActiveSyncでこけてしまったりと,なかなかリセットボタンから開放してはくれなさそうです。

 冷静に考えてみると,あれこれアプリを突っ込んでいるから信頼性が低くなるとはいえ,そうしたアプリに頼らないと使いやすいものにならないのがWindowdMobileでもあるわけで,この辺は好きな人でないと使い込めない理由になってしまうなあと考えてしまいました。

 その点ではPalmも同じでしょうが,Palmの場合は初期のPalmが最初から良くできていたので,これを否定しない形でアプリが作られてきましたし,全体にリセットの世話になることは少ないように思います。

 さらにいえば,携帯電話は良くできていますよね,リセットなんかしたことないですもん。カスタマイズは一切出来ず,自分が慣れていくこと以外にないものではありますが,信頼性は高いと言えて,これがキャリア主導の端末作りかと,今さらながらに思います。

 口うるさい日本のキャリアが,ここ最近スマートフォンを展開しようとしていますが,どうも彼らの根っこに染みついたポリシーにあわない気がしてなりません。

 ということで,今度こそ,24時間以上リセットをせずに済む日を目指したいと思います。

キーロックスイッチと天気予報を連動させる

 前回,キーロックスイッチで電源をOFFにするという運用が完成形に至ったと書きましたが,この手のガジェットの環境設定は,飽きるまでやってしまうものです。やめときゃいいのに余計なことをやって,はまりまくるのが常です。

 今回は,キーロックスイッチをOFFにして電源を入れたときに,JWezWmという気象情報取得ソフトを起動し,自動的にデータを取得後にToday画面の表示を反映,後に自動的にアプリが終了するという流れを実現することになりました。

 前回までの方法では,キーロックスイッチがONになっているときは,とにかく電源を切る,ということだけを実現すれば良かったので,どんなときでも自分を起動しておけば済みました。キーロックスイッチがOFFになっているときは「なにもしない」からこそ出来た方法です。

 しかし,今回は同じ起動したときでも,キーロックスイッチのONとOFFで処理が違ってくるので,キーロックスイッチがOFFの場合の記述も必要です。

 そこで,RegcondExec.iniを以下のように書き直します。


[KeyLockOn]
triggerNegate=false
triggerKeyName=HKEY_CURRENT_USER\Software\Sharp\PhoneStatus\Status0
triggerKeyState=exists
triggerKeyType=DWORD
triggerKeyValue=0x0001
checkType=both
polling=200
exec=\Program Files\MortScript\PowerOff.mscr
exec=\Program Files\RegCondExec_v010\RegCondExec.exe| -execmode=open -section=KeyLockOff

[KeyLockOff]
triggerNegate=false
triggerKeyName=HKEY_CURRENT_USER\Software\Sharp\PhoneStatus\Status0
triggerKeyState=exists
triggerKeyType=DWORD
triggerKeyValue=0x0000
checkType=current
exec=\Program Files\JWezWM\JWezWm.exe|auto
exec=\Program Files\RegCondExec_v010\RegCondExec.exe| -execmode=open -section=KeyLockOn
onUnmatch=\Program Files\MortScript\PowerOff.mscr
onUnmatch=\Program Files\RegCondExec_v010\RegCondExec.exe| -execmode=open -section=KeyLockOff


 前回と同じように,RegcondExec.exeのショートカットをスタートアップフォルダに置き,起動オプションを -section=KeyLockOnとしておくことで,[KeyLockOn]の記述に従ってキーロックスイッチを監視します。

 キーロックスイッチの状態が変化したら,PowerOff.mscrというMortScriptを実行します。このスクリプトは実行後6秒後に電源を切るものですが,実はlock2suspendも常駐させているので,まずLCDの表示が消え通信が切断されて,終わった頃に電源が切られるという仕組みです。これは前回同様です。

 そして,前回は再び[KeyLockOn]で監視に入った流れを,今回は[KeyLockOff]という別の流れで監視することになります。

 [KeyLockOff]では,その時のキーロックスイッチの状態を監視します。変化は監視しません。電源が入った時の状態が,もしキーロックスイッチOFFなら通常の起動ですので,JWezWmを起動し,気象情報を取得します。済んだら今度は[KeyLockOn]でキーロックスイッチを監視します。キーロックの状態がどうなっているかで,動かす監視の方法を変えるというわけですね。

 もし,キーロックスイッチがONなら,それはきっと電源ボタンが不意に押されて電源が入ってしまったということでしょうから,[KeyLockOn]の時と同じように電源を落とすスクリプトを呼び出し,[KeyLockOff]でキーロックスイッチを監視するようにします。

 この流れでいけば,キーロックスイッチをON,OFFそれぞれで好みの処理をさせることが可能になりますし,間違って押された電源ボタンも無効に出来ます。

 今回,随分はまったのは,RegCondExec.exeの起動オプションでした。-execmodeはデフォルトではtoggleになっています。[KeyLockOn]しかなかったときには,このオプションを省略してtoggleになっていても,なぜかきちんと動作してくれていました。

 今回,[KeyLockOff]というsectionを追加して使い分けたのですが,KeyLockOnからKeyLockOffを起動すると,異なるsectionを起動することになるので,デフォルトのtoggleでは常駐解除が出来ずに,無効なsectionというエラーが発生していました。

 そこで,-execmode=openとし,そのsectionで起動するように強制すると,問題なく動くようになりました。

 いや-,実はよく分からないのです。topggleで同一のsectionの起動がエラーにならない前回の場合,常駐の解除がなされないといけません。でも実際には常駐されています。つまり,そのsectionの動作は終了し,そこから起動がかかっているという解釈です。

 しかし,この解釈なら実行後に終了して別のセクションを起動しているわけですから,エラーなど起きるはずがありません。微妙なタイミングなのかも知れませんが,どちらにしてもopenで起動すれば,思った通りの動作になってくれます。

 こうして,めでたくキーロックスイッチの操作で気象情報を自動取得する仕組みが追加できました。私は通話にアドエスを使わないので常に電源を切っておけるのですが,こういう使い方をするのは珍しいのか,あまりgoogleでも引っかかりません。


 さて,この作戦で運用に入ったのですが,その後もいろいろ苦労しました。


(1)WEBの閲覧でフリーズ

 リセット直後は問題ないのですが,一度電源をOFFにすると,次からWEBをみようとブラウザを起動すると,いつまで経っても「接続中」の表示が出たまま,終了することも出来なくなる。結局最終的にはすべてのアプリが固まるので,リセット(それも電池ブタを開けて)するしかない。

 メールも天気情報も同じ条件でちゃんと取得できるので,本当にWEBの時だけ起こるのだが,OperaもIEも他のブラウザも同じように発生するのが謎であった。

 数日間の試行錯誤の結果,「Pocketの手」のIEの設定を起動すると,接続に関係するチェックボックスが3つとも解除されてしまうというバグがあり,これが原因でずっと接続中のままになってしまうことが分かった。

 改めてIEの設定から接続に関するチェックボックスを3つとも設定すると,これまでの問題がウソのように,快適に動くようになった。やれやれ。


(2)RealVGA

 アドエス最後のカスタマイズ,RealVGA化。せっかく800x480ドットのLCDにもかかわらず,196dpiに設定されたアドエスは,表示される内容がQVGA並みとなる。その分文字は高品位だが,小さいLCDに多量の情報が表示されている間隔は便利だし気持ちのいいもので,これを本当にVGAとして使うべく,128dpiや96dpiに設定することを,ReakVGA化と呼んでいる。

 ところが,入力パネルのdllが,196dpiの物以外に用意されておらず,単に設定を変えただけでは入力パネルが出てこないだけではなく,最悪の場合はリセット後に再起動しなくなる。私はここにはまり,5,6回フォーマットをする羽目になった。

 そこで,xxxをyyyしてzzzすることで128dpiと96dpiの入力パネルを入手し,今のところ問題なく動作するようになった。文字が小さく,多くの情報が手に入るようになったことで使い勝手は向上したが,フォントの見やすさがさらに求められることになってしまった。

 また,画面が暗いままだと文字が読みにくいため,バックライトの輝度を1段上げることになってしまったのと,一部アイコンや設定画面が崩れたり拡大されて表示されるなど,おかしな表示なってしまうという弊害もある。

 はっきりいって,私はもう元の解像度には戻せない。


(3)GoogleTalk

 GoogleTalkを常用する私としては,OctraTalkの使い勝手が悪い癖に有償という状況に辟易していたところ,偶然にもtalkonautというアプリを見つけた。やや動作が重いが,日本語も通るし,使い勝手も悪くはない。実質JabberをWindowsMobileで使うための唯一の解でもあるので,こちらをえらんでOctraTalkはさっさと削除。


(4)メイリオ

 真のClearTypeであるメイリオは,個人的にはWindowsVistaにおける最大の功績であると評価をしている(印刷フォントとしてはナニでも,液晶表示フォントとしては見やすさと軽快な印象で私は好きです)のだが,これをアドエスに入れてみる。

 Pocketの手からフォントリンクを変更して,システムフォントをメイリオにしてみたが,残念な事にメール(PocketOutlook)の受信したメールのフォントが変えられない。

 ところがなんと先人達の偉大なことよ。PocketOutlookが使用する,msgothic.ac3を,同じファイル名でサイズゼロのファイルで上書きしてやると,PocketOutlookは仕方がないからシステムフォントを使うことにするらしい。よってOutlookでもフォントの置き換えが可能になるとのこと。

 やってみると,なんと見やすく,美しいことか。情報量の多さが窮屈な感じにならず,実に涼しい画面になっているので,画面を眺めていることが苦にならないどころか,楽しいとさえ思える。賛否両論あるカスタマイズではあるが,私はRealVGA化と同時に行う事をおすすめしたい。


(5)ActiveSyncのBluetoothによる同期

 Bluetoothを使ってActiveSyncを使う事は,最初はいろいろ苦労したが,出来てしまえば実に簡単なことで,これほど手軽にActiveSyncが出来る事に感激した次第。昔,シリアルポート経由で行っていた頃,なかなかうまく接続できずにイライラしたものだが,環境は確実に良くなっていると思う。

 はっきりいって,アドエスのような端末こそ,Bluetoothが内蔵されているべき。


(6)ブラウザの評価

 OperaとPocketIEの調子が悪いときに,他のブラウザをいろいろ試した。

・SkyFire・・・重たいし,これまでのブラウザとあまりにUIが違うので却下。ついでに高解像度にも対応しないのでみにくくて仕方がない。

・IrisBrowser・・・WebKitらしい軽さと再現性は大いに結構だが,やはりスクロールなどのUIがこれまでのブラウザと違うし,それが必ずしも使いやすいわけではないため却下。特にzoomの設定値を覚えてくれないというのは,致命的。

・OperaMini・・・Javaベースの小さいブラウザで,速度もまずまずだったのだが,起動するのにいちいちJavaを起動しないといけなかったり,Java独特のもっさいりしたメニューにげんなりし,速攻削除。

・LunascapeMobile・・・エンジンを切り替えられるタブブラウザとしてそれなりの評価を得ているLunascapeではあるが,WindowsMobile版ではIEのコンポーネントを流用しているので,単にIEがタブブラウザになっただけ。ホームページを変更できないなどかなりしんどいが,IEはそもそも軽く使いやすいので,今のところこれで決定。

・NetFrontv3.5・・・無償版がダウンロード出来るのだが,あろう事か使用期限が5月31日までとなっており,この段階で評価する気にならず放置。

・minimo・・・ダウンロード出来ず。Firefoxのモバイル版のリリースも当分先な感じ。もはや期待しないことにする。

 結局,Opera8.7とLunascapeMobileの使い分けで落ち着くことになりそう。


 というわけで,多少の問題と妥協はありつつ,なんとか運用できるところまできたかなという印象です。いつも,こうしたガジェットの環境構築は,終わった後ではもう二度とごめんだと思うのですが,結局新しい機械を手に入れるとまたやっちゃうんですよね。

 アドエスがどこまで使い物になるか,先人達の偉業を味わいながら,試していこうと思います。

アドエスのキーロックスイッチ決定版

 さて,前回,Bluetoothドングルを取り付けたアドエスを,キーロックスイッチによって電源をOFFにするする仕組みを考えましたが,キーロックスイッチONの時でも電源ボタンがマスクされないことから,電源ボタンがふいに押されて起動した後,ずっと起きっぱなしになるという問題点があり,検討を続けていました。

 今回,すべての問題点を解決出来たので,書いておきます。

・用意するもの

lock2suspend.exe
MortScript4.1
RegCondExec


・基本的な流れ

 前回はKLChgExecによってキーロックスイッチのONとOFFを監視し,それぞれに応じたMortScriptを起動したが,今回は,レジストリを監視し,キーロックスイッチの変化と同時に,キーロックスイッチの状態も見ることで,キーロックスイッチがONの場合にはとにかく電源を切る,ということにしてみた。

 キーロックスイッチは,レジストリのHKEY_CURRENT_USER\Software\Sharp\PhoneStatus\Status0に状態が常に反映されていて,1ならON,0ならOFFとなっている。

 これを,RegCondExecという常駐ソフトで監視し,OFFからONに状態が変化した場合には従来通りのPowerOff.mscrを実行,また起動時にONの状態であった場合にもPowerOff.mscrを実行する。

 lock2suspend.exeについては,キーロックスイッチがONになった直後に通信の接続を切り,またOFFになって起動した場合にすぐに通信の接続を行うこと,またモデムとして動作しているときにはサスペンドに入らないという機能を実現するために併用する。


・設定

(1)まず,RegcondExecをインストール。なかなか複雑な設定が必要だが,以下を記述したRegcondExec.iniを用意し,実行ファイルという同じフォルダに入れておく。

[KeyLockOn]
triggerNegate=false
triggerKeyName=HKEY_CURRENT_USER\Software\Sharp\PhoneStatus\Status0
triggerKeyState=exists
triggerKeyType=DWORD
triggerKeyValue=0x0001
checkType=both
polling=200
exec=\Program Files\MortScript\PowerOff.mscr
exec=\Program Files\RegCondExec_v010\RegCondExec.exe|-section=KeyLockOn

 RegcondExecは,execで指定されたアプリを実行すると常駐が解除されてしまうので,再常駐させるために,自らを起動するという,ちょっとアクロバットなことを行う。


(2)RegcondExec.exeのショートカットをスタートアップフォルダに置き,起動オプションを -section=KeyLockOnとしておく。

(3)lock2suspend.exeの起動オプションを,/disconnect /connect /keepmodem だけ指定する。つまり,キーロックスイッチがONになったら,まずは画面をOFFし接続を切る。そしてPowerOff.mscr(以下を参照)で指定された6秒後に,電源がOFFになる。

If( ProcExists("player.exe") = 1)
ToggleDisplay(0)
Else
Sleep(6000)
PowerOff
EndIf
Exit

(4)lock2suspend.exeとRegcondExec.exeを常駐させる。


・運用

 RegcondExecが常駐すると,Today画面の下部にRCEアイコンが出る。この状態でキーロックスイッチをONにすると,まずlock2suspend.exeによって画面が瞬時にOFF,後に電源が切れる。

 ここで,電源ボタンを押すと普通に起動してしまうが,RegcondExec.exeによって6秒後に再び電源が切れる。

 キーロックスイッチがOFFになるとlock2suspend.exeによって通信の接続も行われて,起動する。


・問題点

 これでおおむね問題点はなくなり,望む動作が実現出来たが,SDカードのマウントとアンマウントに問題があるようで,一度だけSDカードがアンマウントされないままSDカードがマウントされ,SDカードがSDカード2として存在したことが,いろいろなアプリの動作に支障を来した事がある。また,SDカードが結局マウントされないという問題も時々起こるので,最悪の場合SDカードの破壊につながる可能性も否定できない。


 いちおう,BluetoothによるActiveSyncも動作するようになり,PCとの同期やファイル転送,そしてオーディオにといろいろな活用が出来るようになってきました。電源周りについても一応の目処が立ったことで,今度こそ実用的に使えるものと期待しています。

 ゲームもいくつか入れましたし,HPの電卓のエミュレータも入れました。PIMとしてWindowsMobileを使うはまだまだ辛く,現在の所全く考えられないのですが,それでもこのマシンが今後2年間,インターネット接続マシンとして私の生活を支えてくれるだろうという期待が高まった来たように思います。

アドエスのUSBにBluetoothを挿しっぱなしにする方法

 BluetoothをUSBに取り付けたことで,アドエスはサスペンドしなくなります。私の場合,電話としてアドエスを使いませんし,メールもプッシュで受け取りませんので,サスペンドにならないことそのものは別にどうでもいいことなのですが,だからといってLCDが単純に消えると言うだけでは,CPUもメモリも動き続けていますから電池があっという間に切れてしまいます。

 だから,私の場合電源をOFFにしてキーロックが出来ればそれが一番良いわけです。

 しかし,定番アプリであるlock2suspend.exeは,サスペンドに入れる機能はあっても電源を切るという機能はありません。

 困ったなあといろいろ調べていたのですが,なかなかアクロバットなことでどうにか実現しました。複数のアプリケーション間の非同期タイミングで動作している感じですので,私自身の備忘録として,ここに書いておきます。

・用意するもの

lock2suspend.exe
MortScript4.1
KLChgExec


・基本的な流れ

 キーロックスイッチがONになったら,KLChgExecがONになったことを検出,MortScriptでスクリプトを実行。

 もしTCPMPが起動中の場合には,LCDを消しておしまい。

 それ以外なら,5秒間ウェイトさせる。しかしlock2suspend.exeも常駐しており,この5秒間の間に通信の切断とLCDの消灯が起こる。

 そしてキーロックスイッチがONになった時刻を起点として5秒後に,電源がOFFになる。

 キーロックスイッチがOFFになると,今度はlock2suspend.exeによって起動し,通信の接続も行われる。(てことは,やはりlock2suspend.exeにとって電源OFFもサスペンドも同じ,ということなのかなあ)


・設定

(1)電源をOFFにするために,MortScriptのスクリプトを用意する。PowerOff.mscrとして保存しておく。私の場合はMortScriptと同じフォルダに入れておいた。

If( ProcExists("player.exe") = 1)
ToggleDisplay(0)
Else
Sleep(5000)
PowerOff
EndIf
Exit


(2)次にKLChgExec.iniを以下のように記述する。

[KLCHGEXEC]
KEYLOCK_ON_APP=\Program Files\MortScript\PowerOff.mscr
KEYLOCK_ON_ARGS=


(3)lock2suspend.exe用に,notconf.txtを以下のように書いておく。

notsuspend=TCPMP
notdisconnect=TCPMP


(4)lock2suspend.exeを,/force /disconnect /connect /keepmodemで常駐させる。


(5)KLChgExecも常駐させる。


・運用

 キーロックスイッチをONにしても,TCPMPが動いている時には,LCDが消えるだけ。

 それ以外の場合には通信の切断が始まる。同時に5秒後に電源が切れるように設定される。通信の切断は5秒以内に終わるはずなので,切断されてから電源OFFになる。この段階で点滅していたBluetoothのLEDが消灯すればOK。

 電源が切れた状態でキーロックスイッチをOFFにすると,今度はlock2suspend.exeだけで起動し,通信の接続も行われる。ここでMortScriptを使っていろいろやってみたが,LCDが点灯と消灯を繰り返したりして動作が不安定だったので,ややこしいことはしないでlock2suspend.exeにおまかせ。

 USBになにも繋がっていない場合にも上記と同様の動きになるはずで,キーロックスイッチがONになってから5秒後に電源が切れているはず。(というのも,外側からは電源が切れているのかLCDが消えているのかサスペンドなのか見分けが付かない)

 電源が切れてからキーロックスイッチをOFFにすると,これも上記と同様にlock2suspend.exeによって電源が入り,通信の再接続が始まる。


 問題点

 キーロックスイッチがONの時に電源ボタンが押された場合,とても困った事が起きる。

 電源ボタンだけはキーロックスイッチでもマスクされないため,せっかく電源が切れた状態にあっても,電源ボタンに触れてしまうと,キーロックスイッチがONのままアドエスが立ち上がってしまう。

 USBになにも刺さっていないなら,そのまま1分ほどでサスペンドに入るため問題はないのだが,USBにBluetoothが刺さっている状態ではサスペンドに入ることはないので,ずっと動作状態のまま。

 /forceオプションで画面をすぐに消すようにしてあっても,実際には動作している状態なのでBluetoothのLEDも点滅をしているし,おそらくこのままなら数時間で電池が切れてしまうはず。

 この状態を発見した場合,電源ボタンで電源を切ることが出来ないので,結局キーロックスイッチを一度OFFにし,再度ONにしないといけないので,大変面倒。電源ボタンを無効にする方法があったら解決なんだが・・・


 ということで,問題点は積み残していますが,一応USBコネクタにBluetoothを差し込んだままで使い続けられそうな感じです。

 しかし,この電源ボタンの対策だけは,もうどうにもならんだろうなあ。

最小のBluetoothドングルにチャレンジ

 昨日書いたアドエスにBluetoothのお話ですが,さらに小型化を目指して頑張ってみました。「あくまで変換コネクタにこだわる」とかいいつつ,舌の根も乾かぬうちにアドエス専用のドングルになってしまいました。

 昨日の問題点は,なんといってもドングルの飛び出しが激しいことです。変換プラグも飛び出していますが,そこにさらにドングルを差し込むとさらに数ミリ飛び出します。

 この飛び出しを押さえるために,基本的にはドングルを本体の背中に持っていくというのが今回の作戦の方針ですが,そのために解決すべき点が3つあります。

 1つは,miniBコネクタ部分の飛び出しを押さえることです。普通にminiBコネクタを差し込むと,30mm位は飛び出してしまいます。

 もう1つの問題は,背面に回す以上,ドングル部の厚みを極力薄くしないといけないということです。もしドングルをそのままの形で使うとすると,厚みは5mm近くになります。背中が5mmも出っ張ってしまうと,持ったときに邪魔だけではなく引っかけて壊してしまうかも知れません。

 最後に,USBのカバーを外さないと裏側にまわせません。これはもうどうしようもないので,カバーを外して使う事にします。


 1つ目の問題は,コネクタのうち電気的な接点の部分が飛び出すことはやむなしとし,そこからケーブルを引っ張り出している部分を即裏側に曲げてしまうことで,飛び出しを極力抑えようとしました。折り曲げた部分をドングルの固定に使う作戦は,前回と同じです。

 結果はこんな感じです。

ファイル 295-1.jpg

 どうですか,もうこれ以上飛び出し量を小さくするのは無理でしょう。強度的な問題もあるように思いますが,飛び出す方がかえって危ないと思います。

 2つ目の問題はよく考える必要があります。厚みそのものを減らすためには,このドングルの厚みが結局USBのAコネクタの厚みそのものであることから,分解して中身の基板を使うことしかもうありません。

 しかしそうすると,基板の固定方法が問題になります。両面テープで接着などと言う安易な方法を使うと着脱が出来なくなります。

 また,基板だけ使うと言っても,最終的な厚みが激減するわけではありません。部品によっては2mm近い厚みのものもあるわけですし,部品は基板の両面に付いている訳ですから,最悪値としては4mmくらいになる部分もあるかも知れません。

 アドエスにはカメラが付いています。カメラの横にはmicroSDカードスロットが付いているのですが,この部分だけ盛り上がって,1mm程盛り上がっています。ここに基板を沿わせて,うまくごまかすことを考えてみます。引っかけて壊してしまう危険性も減るでしょう。

 固定場所は決まりました。次は固定方法です。先程のminiBコネクタの板金が背面まで折り返されていますから,まずはこれを基板のGNDにハンダ付けします。そして基板と本体背面が接触する部分に1mm厚のスポンジテープを貼り付け,折り返した板金のバネ性を利用して,背面に心持ち押しつけるようにして固定するようにします。

 やってみると,案外良い感じです。あとは配線を済ませて完成。

 こうして出来たのが,下の写真です。

ファイル 295-2.jpg

 はっきりいって,これは商品としてはあり得ませんね。素人の工作ならではの,まさにこだわりの一品と思って頂けるとありがたいです。

 本体に取り付けるとこんな感じです。

ファイル 295-3.jpg

 コネクタ部の飛び出しも小さいですし,背面にまわした基板の盛り上がりも思った以上に少なく見えます。カメラ部の出っ張りに沿うように配置したことはなかなかあったようです。

 心配した電波の飛びについてですが,結果から言うとほとんど差がありません。隣の部屋でも音切れはありません。ファイル転送も,実効速度の低下は認められず,少なくとも実用性が低下することはないようです。

 実際にこれで音楽を聞いたりファイル転送をしたりしましたが,ほとんど飛び出しがありませんから,内蔵の使い勝手とまでは言いませんが,それに近いくらいの感覚で使えます。かなりいいですよ,これは。

 内蔵するともっといいのですが,そうするとUSBがふさがったままになってしまいますから,やっぱりそこまでは出来ないですね。もちろん,USBハブまで内蔵すれば良いのですが,OnTheGoに対応したハブなど聞いたことがありませんし,仮にあったとして,そこまでやるのかといわれれば,さすがにちょっとどうかと思います。

 気に入って使ってみようと考えたのですが,しかしいつものように問題が発生。

 1つは,アドエスはUSBにケーブルを差し込んでおくと,それだけでサスペンドに入らないのです。小型につくった専用ドングルは,付けっぱなしを前提に考えており,だからこそUSBカバーも取り外すことにしたのですが,画面が消えるだけでサスペンドに入ってくれないというのはさすがに付けっぱなしには出来ません。

 もう1つは,そもそもこれを使っていいものかどうか,です。考えてみるとAコネクタに刺さる形で認証が取られた製品なわけで,これを分解して使う事にした今回のケースは,実用上はなんら問題は起こらないとは思いますが,実は認証されていない違法無線局ということになり,電波法に触れてしまいます。

 犯罪者になりたくないので,もう使うのをやめなくてはいけません・・・残念。

 ということで,なにかと道は険しいですが,とりあえずここまでで,火の付いたホビースト魂は沈静化しました。

 こういう工作は得意な私も,筐体をこしらえたり加工したりするのは下手くそで,見栄えのいい外観を作る人たちにはいつも感心します。今回,もう使えないことを考慮して,絶縁も兼ねて全面をスポンジテープで覆って終わりにしましたが,見栄えはよろしくありません。

 あやしいものがくっついているので,電車の中で取り出したりすると通報されたりするかも知れません。

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