ワンダースワン復活の道~その3
- 2024/12/16 13:57
- カテゴリー:どんくさいはなし, 散財, マニアックなおはなし, make:
続けてワンダースワンのお話。今回のお話はほぼ私の愚痴です。
まず1つ目です。ワンダースワンカラーのIPS化に失敗し,壊してしまったLCDを買い直したわけですが,あろうことかまさかの未着で泣き寝入りという事になりました。
aliexpressではしばしばこうした未着のトラブルがあるそうですが,私はこれまで幸いにもこうしたトラブルはなく,すべて届いていました。
しかし,今回はだめでした。それも,中国のお店の不手際や通関前の運送トラブルならまだあきらめもつくのですが,残念な事に日本の運送業者に引き渡されてからの問題でした。
今回の荷物は,日本に到着し通関をパスしたあと,いつものように「エスポ便」なるものが私の家まで届けてくれることになっていました。追跡してみると,通関手続きの完了が12月13日の10時55分,日本の運送業者への引き渡しが同日11時55分となっています。ここまでは順調です。
そして配達開始が翌14日の22時5分。おいおい,こんな夜遅くから配達開始かいな。そして配達完了はあけて15日の3時2分・・・こんな深夜に!
エスポ便は置き配しかしないので,15日には朝から夜まで何度か玄関先とポストを見たのですが,見つかりません。ああ,荷物が行方不明になりました。
最近はあまりなかったのですが,一頃荷物が続けて届かないことがありました。原因は一つ向こうに出来た,同じ名前の新しいお家に誤配されていた事でした。我が家とは違って,このお家は通りから見えていてわかりやすく,住所も似ているのでよくここに誤配されるのです。
お互い様と思いたいところですが,彼らの荷物がうちに来ることはありません。明らかに誤配と知らされた事例以外でも私の荷物が時に数日遅れになることがあるのは,きっと誤配されたものがうちに再度配達されるからだったのでしょう。
今回もその可能性があります。夜中ですからね,暗くて住所など良く確認出来るはずもないですし,写真だって撮れないし,寒いなか表札の名字をぱっと見て「おーここだここだ」とポストにでも突っ込んだんでしょう。
一時期多かった誤配は,私まもちろん先方のお家にも迷惑がかかっていることを日本郵便やヤマト運輸にしつこく言い続けたことで,徐々に減っていきました。ヨドバシとamazonの配達員の方は優秀で,大手の配達業者から自社便に変わった後に誤配があったことはありません。
ですが,今回のエスポ便,これまで上手く配達されたケースでは,すべて常識的な時刻に配達が行われていました。システム登録上の問題かも知れませんが,それにしてもこの時刻に誰かが端末を操作したと考えるのが普通ですから,やっぱりいつもと違います。
そういった,いつもと違うシステムに乗ってしまった私の荷物は,(おそらくは)誤配というブラックホールに飲まれてしまったというわけです。(もっとも誤配じゃないかも知れませんが,紛失にせよ破損や廃棄にせよ,思うに誤配が一番罪が軽いんじゃないかと思いますよ)
郵便やヤマト,amazonなどの誤配は,受け取った方が誤配であることを連絡する手段が簡単でした。amazonにしても郵便局にしても身近なものですし,話せばわかる相手です。しかしエスポ便の送り状には連絡先は書かれていません。仮にエスポ便をネットで調べてくださったとしても,その電話番号はナビダイヤルで高額な通話料がかかる上いつも話し中で繋がることは絶望的で,メールは100%無視されるでしょう。調べた限り,もしも話が出来ても「話にならない」そうですし。
そんな状態で,誰が善意で私に荷物を戻してくれるでしょうか。そもそも,これまでもそうだったように,そのお家は誤配があっても私に声をかけてくれることも,ましてや持ってきてくれることなど一度もありませんでしたから,今回についても警戒されてゴミ箱行きでしょう。(シメシメとあけて,わけのわからんLCDが出てきてがっかりしているかも知れませんが)
今回は本当に運が悪かったとしか言いようがありません。中国からの通販には届かないというリスクが付きもので,そういうことも楽しめないと使っちゃだめだと思うのですが,悔しいのは届かなかった理由が日本国内の,日本人によるもので,しかもおそらく半径100m騎範囲のどこかにあるだろうと推測されることです。いやはや,もう日本の宅配システムは信頼出来ないものになっているのです。
よろしい,では紛争だ,とばかりにaliexpressに返金の手続きをするも,5秒で却下されました。配達完了になっている場合,もうaliexpressにもセラーにも責任はなく,配達業者にあるのでしらん,とのことです。確かに通関が済んでしまえば,もうそれは日本領内のお話ですしね。
ということで,あえなく撃沈。置き配は信頼性の高さはもちろん,万が一事故が起きた場合の保証(と効率化によるコスト削減との天秤)によって成立しているものだと思いますが,エスポ便は連絡手段が実質的に機能しないことで逃げ切りが可能な,なかなか賢い業者と言えそうです。
つらつらと思うに,責任を持つことからみんな逃げるようになりましたよね。責任にはコストがかかるわけで,そういうものを外部に出すことで,自分の責任の範囲を極小化してコスト削減を行うわけです。
当然,仕事の範囲が細分化され,面倒な仕事ほど小さく切り取られて,立場の弱い人たちに押しつけられます。当然その人たちが最終責任を取れるはずもなく,それは本来彼らに仕事を出している大手が責任を取るものだと思うのですが,それはアウトソーシングという仕組みで回避することが出来るようになりましたaliexpressのようにです。
でもですね,aliexpressなど通販も含めた小売業というのは,お客さんが支払ったお金を受け取り,品物を渡すことが仕事です。しかもそれは基本サービスで,そこから利便性やアフターサービス,気持ちの良い接客などを競うものだと思います。
しかし,今回のaliexpressの考え方は,お金を集めて「出荷する」のが自分たちの仕事だとしていて,およそ小売業とは言えません。そう,それはECプラットフォーマーという仕事であることを,利用者である我々は忘れてはいけません。
そこへ行くと,amazonにしてもヨドバシにしても,小売業の本分を忘れていません。amazonは置き配を始めた会社でしたが,最終的に客が品物を受け取るまで,amazonが問題の解決を図ろうとしてくれます。その強力な力は公正取引委員会に怒られるほどですが,しかしなから彼らの視線は使命感と共に常に消費者に向いています。
ヨドバシに至っては,配達も自社便で手渡し前提,再配達は電話でと,前時代的なほど客との対話にこだわっています。ヨドバシのクルマから降りてきたヨドバシの制服を着た人に,ヨドバシですと自分の買った物を手渡されれば,それはもうお店で購入したこととなにも変わりません。
特に再配達の電話については,面倒という声があるのに対し,あえてお客様との対話を重視しているというインタビューが出ていました。通話料は無料で,人と人がきちんと話し合うことで問題を解決することにこだわる姿勢は,ヨドバシの店頭でも良く体験することです。
店舗と通販に共通の考え方を押し通せることはヨドバシの強みだと思いますし,通販専門のamazonが,小売店の責任を消費者目線で全うしようとすることは,本当に頼もしいと思います。
別にこれは日本の厳しい消費者の考え方ではないと思います。小売店は品物とお金を交換するのが仕事です。客の手に品物が渡るまでがその責任だと考えてくれているお店とお付き合いしたいものです。
というわけで,aliexpressの荷物が届かなかった件で,私はモヤモヤとしていました。連絡はつかないし,ついたところで良い結果は出てこないだろうと思うので,その理不尽さをどうやって解決すべきか考えても考えても答えは出ません。
しかし,そんな私の気持ちをスッキリさせる事実が発覚します。改めて注文した商品を見ていると,ちょっと違和感があります。手元にある壊れたLCDと見比べると,明らかにフレキの形状が違います。出ている向きも長さも違いますから,これきっと互換性はないでしょう。
どちらもワンダースワンカラーのIPSキットとして売られていたものですが,コントローラ基板の違いで,フレキの形状に種類があるみたいです。私が壊した物はL字に曲がっていますが,交換用に買った物はストレートです。
ああ,なんということか。注文の段階ですでに決着が着いていたとは。もし仮に届いていても,悲しみが広がるだけだったというわけです。
事ここに至って,もうどうでも良くなりました。誤配で受け取った人がメルカリで売り払ったとしても,配達員の兄ちゃんが配達したことにして捨てたとしても,もういいです。好きにしなさい。
L字に曲がったLCDは単独では売られていないようで,もしこのまま計画を進めるならばキット全部を買い直す必要があります。先々週から微妙に円安が進んだことで価格も上がってしまっているので泣きっ面に蜂ですが,やむを得ずキットを注文し直しました。今度はちゃんと届くといいなあ。
1つ目が長くなりましたが次の話。モノクロのワンダースワンの話です。
位相差フィルムで色を白/黒にしてあるのがオリジナルのワンダースワンのFSTN液晶です。位相差フィルムの劣化によって緑/青になってしまったワンダースワンが多いため,元の状態を記憶している人は少ないでしょうし,もともと緑/青だったゲームボーイの印象が強いこともあって,ワンダースワンの修理例のほぼすべてが,普通の偏光フィルムを使った緑/青のLCDへの修理です。
私はこの白/黒のLCDにこだわりを持っていたので,出来れば位相差フィルムを使った偏光フィルムを手に入れたいと思っていましたが,これが絶望的に見つかりません。
このままバラバラになったままよりは,とりあえず修理して組み上げた方がいいだろうと言うことで,私も普通の偏光フィルムを使って,緑/青で修理をすることにしました。
向きを調整し,綺麗な緑色が出てコントラストが最大になるようにしてからカット,裏表を間違えて1枚無駄にしましたが,なんとか綺麗に貼ることが出来ました。
見栄えは残念な緑/青ですが,試しにグンペイをやってみたところ,これが意外にちゃんと楽しめます。もうね,これでいいですよ。
そして最後に,ゲームボーイアドバンスです。
偏光フィルムが手に入ったのでさくっと交換するつもりが,えらいはまりました。
まず,ゴミが入りました。諦めつつ組み上げても表示が出ません。フレキの差し込みを少しずらすと表示が出ることがわかり,ようやく組んだとおもって画面をみたら,偏光フィルムの端っこが浮いています。
何度やっても浮いてきます。もう30回ほども組んでバラしてをやったでしょうか。結局,LCDを貼り付ける両面テープが偏光フィルムを剥がしているのですが,どうも初期ロットの筐体はLCDに変な応力がかかるみたいで,それで偏光フィルムが浮いてしまうようなのです。
偏光フィルムをギリギリの大きさにカットしたり,両面テープの位置を調整したりと試行錯誤を繰り返しましたがどうにも浮いてしまいます。仕方がないので,浮きが出ている部分の両面テープにフィルムを貼り,粘着をなくして対処しました。
ただ,風防の裏側のホコリを拭うのに,レンズを拭くのにも使われるシルボン紙を使ったところ,擦り傷がたくさんついてしまいました。表面に比べて裏面は柔らかくて傷がつきやすいみたいです。
反射型のTFTは外光を取りこむ必要があるので,この擦り傷が妙に目に入ってきます。これは失敗しました。とにかく,いじればいじるほど,悪くなって行くというのがこの手の修理作業です。最初に緻密な計画を立てて,流れるように作業をするように心がけ,基本的にはやり直しなしの一発勝負だと覚悟して作業にあたらねばなりません。
繰り返した対策から2日,今のところ偏光フィルムの浮きは出ていません。このまま収束してくれるといいなあ。
ということで,ワンダースワンカラーの風防の交換を思いついて始まった泥沼。まだ道半ばで決着は着いていませんが,とりあえずモノクロとカラーを1台ずつ復活させることができました。
え,なに?嫁さんのワンダースワンがどっかにあるはず,だと・・・