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2011年07月の記事は以下のとおりです。

「ステレオ」付録スピーカーの行き着く先

  • 2011/07/26 12:20
  • カテゴリー:make:

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 「ステレオ」の付録だったスピーカーキットと,これに合うように設計されたエンクロージャを手に入れたわけですが,その後の話です。

・アンプを作る

 なんといっても,アンプがなければ音が出ません。手持ちのアンプとしては6V6シングルがありますが,まさかこのスピーカーをでかい,おもい,熱いの三重苦の真空管アンプでならすわけにもいかず,どうしたものかと思案しておりました。

 もともと,音質に不満のあるテレビ用のスピーカーを考えていたので,そんなに爆音が出る必要もなく,また超高音質であることもないので,小さく気楽に作る事を念頭に置きます。

 最近,作りやすさ,値段の安さ,そして出来上がったアンプの音質の良さから自作愛好家に間で定番化しつつある,HT82V739を試してみます。秋月で1つ50円。大阪のシリコンハウスでもこんなもんでしょう。

 このIC,よく調べてみるとなかなか優れものです。現時点で欠点が見当たりません。電源電圧は5V単電源,出力は8Ωで1.2Wと電源電圧5Vの時に取り出せる出力としては目一杯です。

 BTLですので出力に大きなカップリングコンデンサは必要なく,部品点数も減って小さく作れる上に,低音再生能力を邪魔する物がありません。外付けの部品は入力のカップリングコンデンサ,基準電圧のカップリングコンデンサ,電源のカップリングコンデンサの3つだけです。

 CMOS構成なのでスタンバイ時の電流が少なく,わずか1uAです。CE端子を使ってやれば電源スイッチなどわざわざ設ける必要などなさそうです。

 それでいて,S/Nが70dB以上,歪み率が0.18%と,すでにHi-Fi領域といっていい性能を誇ります。部品の数が少ないという事は再現性も高いという事で,このICを5Vという低い電圧で使うだけで,十分な性能の高音質アンプをいとも簡単に作る事が出来てしまうんですね。

 しかも50円ですからね,これは安いですよ。

 実際,アンプ部を作ってみると,なかなかいい音がします。ノイズも聞こえず,歪みも少なく,低域も高域も素直に伸びており,位相特性もなかなか良さそうです。これは気に入りました。

 5V-2AのスイッチングのACアダプタを使う事にしましたが,電源の弱さとノイズが気になったので,3300uFの電解コンデンサを電源に追加しました。これでゆとりが出てきました。

 ケースはタカチの小型ケースに入れます。ABS製ですが,前後のパネルが分解できるので加工も楽です。実際の加工は基板に載せる部品が決まって,基板を固定する位置がきちんと判明する最後に行います。


・自動電源スイッチ

 テレビ用ですので,いちいち電源を入れるのは面倒ですし,音量がリモコンで変わらないのも面倒です。そこで,テレビのヘッドフォンジャックから音声信号を取り出し,音が出なくなったら自動的にスイッチが切れるようにする回路を作ります。

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 定数が中途半端な値になっているのは,あとでカットアンドトライを行ったためです。

 音声信号をまず増幅し,ダイオードで整流してからコンデンサで遅延を作り,これをもう1つのトランジスタで反転させて,アンプICのCE端子に入れてやります。

 お手本などありませんので,トランジスタを2つ使って自分でコリコリと設計します。時間のあるときにLTSpiceでシミュレーションをやりつつ,こんな物かなと言う定数を決めて,休みの日に作ってみました。

 結果,かなりの大音量を入れてやらないと,安定してスイッチがONにならないことが判明。というのは,せっかくアンプICのスタンバイ電流が1uA程度なのに,このスイッチ回路が何mAも食うようでは本末転倒なので,消費電流を絞り込んだ設計を行ったせいです。

 動作を確実にするならオペアンプを使うとか,デジタルICを使うとか手もあるのですが,それなりに大きな電流を悔います。そこでディスクリートで組んでみたのですが,なかなか上手くありません。

 消費電流と動作感度のトレードオフで,なんとか妥協できる抵抗を選んで,この回路は完成とします。

 当初の設計では,電源OFFじはアンプのスタンバイ電流も入れて28uA程度でした。しかしこれでは確実にONになってくれないので,上記の定数に変更しています。上記でおよそ60uAです。


・だがしかし

 バラック状態で音が出るようになったので,スピーカーに繋いでみました。先日エッジにドライバーを突き刺して穴があいたスピーカーは,ゴム接着剤の残りを塗って,穴をふさぎました。変なよじれも出ず,まともに音が出ているのでもう良いことにします。

 音を出してみると,どうも片側だけ歪みが大きいことに気が付きました。エッジの補修を行った方ではありませんので,原因は別です。

 最初アンプを疑いましたが,左右を入れ替えて見るとスピーカーについて回るため,スピーカーが原因と断定。このスピーカーだけでならしてみると,確かに音が歪んでいます。

 おかしいなあ,ボイスコイルのリード線でもコーンに触れているのかもと裏側を見ましたが接触はありません。

 手でコーンを前後に動かしてみると・・・カスカスとこすれる音がするではありませんか。

 やってしまいました。ボイスコイルがどこかに触っているようです。それだけはないようにと気を遣って作ったのに,これだけ派手にこすれるというのは,自らの鈍くささに嫌気が差します。

 しかし,あきらめるわけにはいきません。もうこのスピーカーはテレビ用に使い道が決まっているのです。今さら「あかんかった」では済まされません。そこで禁じ手です。

 まず,コーンをいろいろな方向から,少し斜めに押し込んで,こすれないところがないか調べます。幸い,狭い範囲ですが,こすれずストロークする場所が見つかりました。

 要するに,この方向にフレームをゆがめれば,こすれなくなるわけです。フレームを少しずつペンチでゆがめますが,さすがに手強いです。昨年のP650に比べて口径も大きい分,なかなかこすれが取れません。

 悪魔が耳元でささやきます。ハンマーでやっちゃえよ,と。

 私は言われるがままハンマーを持ち,ゴンゴンとフレームを叩きます。フォステクスのエンジニアが見たら気を失うような光景です。

 しかし,なんとこすれがなくなりました。こんなあっさり行くとは思いませんでした。音を出してみると,少なくとも歪みはなくなり,左右でバランスの取れた音が出ています。これで問題は解決です。

 しばらく音を聞いていましたが,フルレンジらしい定位のよさ,そして中域のエネルギーにバランス良い周波数レンジと,大変好ましい音が出ています。大変気に入りました。


・だがしかしっ!

 喜んでテレビに繋いで,その音の良さに期待を膨らませますが,いざスピーカーを置く場所を探すと,全くありません。

 試行錯誤をしますが,そのうち嫁さんの目が怒ってくるのがわかります。そして30分ほど格闘した後,「ただでさえ危険なものであふれる我が家が,これ以上危険なもので占拠されることに,私は耐えられない!」と,決定的な一言を吐き出し,このスピーカーは,職を失うことになりました。


・そして伝説へ

 失意のうちに検討部屋に撤収した私とスピーカーとアンプ。私は,MacBookProにまともなスピーカーがないことに気が付き,新しい活躍場所として彼らに与えることにしました。音声スイッチもちょうど便利に動くことでしょう。

 PCスピーカーである以上,ローカルの音量ツマミは必要でしょう。ケースに穴をあけ,ボリュームを取り付けます。自動電源スイッチがONになるとLEDが点灯するようにしてありますし,また強制的に電源をONにするスイッチも付けますので,3つの穴がフロントにはあきました。

 問題は背面です。DCジャック,スピーカー,そして音声入力です。DCジャックは手持ちのアダプタに合致したもの,スピーカーは3.5mmのモノラルジャックを2つ使い,入力は3.5mmのステレオジャックを使います。

 それぞれ端子を基板に取り付け,基板をケースに固定することにします。まずリアパネルに基準線を入れるのですが,ゆがんだので弾き直します。2本の基準線が出来てしまったので,気をつけて作業しましょう,。

 基準線上に,ジャックの1つに合わせて穴を開けます。いい感じです。もう1つあけましょう・・・あれ,なぜゆがんでいるの???

 基準線を間違えました。

 だーっ,気をつけようといった矢先に,違う方の基準線で穴をあけてしまいました。

 仕方がありません,穴を大きくしてごまかしましょう。

 次に,入力ジャックです。気をつけて,正しい基準線上に穴をあけます。が・・・なぜゆがんでいるの???

 このジャックは先程のモノラルジャックと違う品種なので,同じ高さではありません。

 だーっ,今度ばかりはもうだめだ!

 やむを得ません。もっと大きな穴を開けて,3つのジャックが通るようにしました。DCジャックの穴開けはうまくいきましたが,これはあまりに不格好です。

 そこで,カメラ修理用の薄いモルトプレーンをリアパネルと同じ大きさに切り出し,少し小さめの穴を開けて,ジャックの大穴を隠すことにしました。うん,これならばれません。

 アルミの大きめのツマミを取り付け,なんとか様になったところで,MacBookProの横に置いて音を出してみます。なかなかいい感じです。8cmのフルレンジですので,ニアフィールドでちょうどいい音がします。

 音量ツマミを付けましたから,Macからは最大音量を入れてやると,上手い具合に自動電源スイッチが動いてくれます。


・そして

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 P800というフルレンジスピーカーはバランスの取れたユニットで,これ用に作られたエンクロージャP800-EはP800をうまくならす箱に仕上がっています。設置のための底面積も小さく,MacBookProの横に置いても机が狭くなることはありません。

 1.2Wという出力には,少し小さいかなあと言う心配もありましたが,ニアフィールドで使っているとフルパワーで動かすことなど考えられません。それだけ十分なパワーを持っています。

 スピーカーが近いと気になるノイズや定位の問題も全く問題とならず,これだけ簡単にできるアンプとしては,あまりに良くできたものと感心します。

 惜しいのはテレビに使えなかったことですが,置き場所の関係ですのでこればかりはもうどうしようもありません。

 音楽を聴きながら作業をすると,私は気が散ってミスをするし,音楽も楽しめない不器用さですので,実はあまりスピーカーを欲しいと思った事はありません。しかし,作業をしないとき,BGMとして気軽に楽しむことや,他のソーズをスピーカーでちょっとならして見たいときなど,便利だと思います。

 お金も手間もかからなかったので,これはこれであり,でしょう。

ベンチ型マルチメーターを買いました

  • 2011/07/22 21:41
  • カテゴリー:散財

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 自宅用にベンチ型のマルチメーターがずっと前から欲しかったのですが,ようやく念願かなって買うことができました。ケンウッドのDL2050です。

 中古ですが,5・1/2桁でΔΣ型,2003年製という比較的新しいもので3万円ですから,私としては満足な買い物でした。

 いろいろ調べてみると,アジレントのU3402Aという現行のマルチメーターとうり二つです。自社製と思われるシリーズと,廉価版のU3401AとU3402Aは入力端子が左右逆で,これはどっかからのOEMであると考えるのが普通でしょう。

 U3402Aとスペックやキーの配列,機能も調べてみましたが,ぴったり一致。

 U3402Aは新品でも7万円弱で買えますけども,中古では4万円中程。3万円で買うチャンスというのはなかなかないですから,これが良品ならお買い得です。

 ずっと欲しかったマルチメーターを買うのに,他の中古も見ていたのですが,やたらと古かったり,あまり安くなかったりと,満足なものを見つけられずにいました。そんなとき,計測器ランドのWEBに掲載されているDL2050を見つけたのです。

 私はアマチュアの時に,リーズナブルで性能は十分なケンウッドの計測器にある種の憧れがありましたので,DL2050はむしろ好都合。中古の計測器ですから現物を見たいという事で,WEBから予約した後電話をして,お店で買うので取り置きしてもらいました。

 そして先週の金曜日,仕事をさっさと切り上げてアキバに向かい,閉店間近の計測器ランドに滑り込みます。現物を見ると想像以上の良品です。傷もなく,ディスプレイも曇っていません。これで精度が出ていれば万々歳ですが,それはこの場ではわかりません。ただ,一応1ヶ月の保証がありますので,そんなにおかしな事にはなっていないでしょう。

 うきうきしながら持ち帰り,まずは電源投入です。簡単なチェックを行って問題がないことがわかると,早速分解して中性洗剤で洗えるところは洗います。中を見ると大変綺麗で,ホコリも煤も付いていません。まるで新品のようです。

 しかも,GP-IB付きであることも判明。私は使いませんが,ちょっと得した気分です。

 汚れていたバンパーもすっかり綺麗になり,パネルはアクリル用の研磨材で磨いて細かい傷を消しました。筐体の傷はエナメルペイントでタッチアップし,これで気持ちよく使う事が出来ます。

 早速オシロの上に置いて,小型アンプの製作に使いました。表示の更新周期が高速なこと,5・1/2桁という高精度,2画面表示,そして電流計がちゃんとあてになる,というところで,これまでのテスターとは大違いの気持ちよさです。

 そもそも,マルチメーターの必要性は,結局一番出番の多い秋月のP-10という安価なテスターをどこまで信用してよいのかという疑問と,P-10やP-16,テクトロのSTA55Gなど複数のテスターで,測定値がばらつくという精神衛生上誠に厳しい現実を打破したいと思ったからです。

 何か1つ基準を持つこと,それを信じて先に進むことは,工作に限らずとても大事なことですが,私は,電圧と電流という電子回路の基本中の基本を,これまでずっとおろそかにし続けたことを,今更ながらに悔いています。

 ハンディタイプのテスターでは,たかがしれています。50000カウントのテスターを3万円で買っても,大した意味はありません。6000カウントのテスターを,ブランドで選んで2万円以上で買っても,それもあまり意味はありません。サンワの1万円ちょっとのテスターで十分です。

 本当は,今回のマルチメーターも新品校正済みで買うべきではあります。しかし,今回の予算は35000円まで。その枠の中では,最もよい買い物をしたと思います。

 繰り返しますが,電圧と電流は基本です。波形も歪み率も大事ですが,電圧と電流の測定値に信頼を置けないというのは,絶対にあってはなりません。

 えらそうにいう私は,実は仕事でもマルチメーターなど使ったことがなく,サンワのテスターだけでここまでやってきたんですけどね・・・アマチュアとしての私でも,やっぱり欲しい物は欲しいのです。

「ステレオ」付録スピーカー用エンクロージャが届きました

  • 2011/07/11 15:21
  • カテゴリー:散財

 「ステレオ」の付録だったスピーカーのキット「P800」を不細工ながらも無事に組み立て終わった事と,これに使うためのエンクロージャを手配した話を先日書きました。

 これが出来上がったスピーカーです。先日書いたように,ボイスコイルの引き出し方向を上下間違えたために,ターミナルを移設するはめになって,結局マグネットの印刷が上下ひっくり返っております。

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 気が付くともう7月中旬,アキバのコイズミ無線にお願いした「P800-E」というエンクロージャが,私の手元に届きました。案外早かったなあという印象です。

 私が注文した翌日あたりにはすでに納期が7月下旬となり,現在は予約完売納期未定で予約を受け付けていないそうです。1つ1400円という値段では,確かに数を限定しないと面倒でしょう。

 届いたエンクロージャは,いつものフォステクスの段ボール箱に収まっており,私はこの段階でワクワクしています。

 箱を開けると,予想外に小ぶりで,でも奥行きがあるエンクロージャが出てきました。

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 作りは結構雑ですし,材料もそんなに良いものではないような感じです。密度の低そうなパーティクルボードは,叩けば「コツコツ」と結構響きます。表面に貼られた木目のシート(まさか突き板ってことはないでしょう)は表面がデコボコしていて,端っこは接着剤がはみ出し,盛り上がっています。ターミナルもいかにも安い感じです。

 しかし,私が感心したのは,組み立ての良さでしょう。ぱっと手に取ると軽いのですが,華奢な感じはありません。びくともしない剛性感は十分にあります。吸音材については右側の側面には貼られていません。左右非対象というところに,とりあえずつめとけ,という投げやりさはなく,ちゃんと音質を考えて貼る所と貼らないところを調整したんだろうと思います。

 そしてそのデザインと寸法は,P800を狙って作られたものだけに,そのたたずまいはさすがだと思います。正面から見ると細身で,奥行きの長さは頼もしさを感じます。

 それに,当たり前の事かも知れませんが,正確な加工が剛性感を値打ちのある物にしています。スピーカーは人の目に触れるものですから,平行が出ない,底面が4点で床に接することがないという不細工さがあると,がっかりです。

 後述しますが,私は工作を何十年もやっているのに,ちっともうまくならないし,下手くそで鈍くさいままです。こんなに手先が不器用でいいのかと思うくらいですが,私がこれまでまともに一度もエンクロージャを自作しないのは,木工がとにかく下手で,嫌になるくらいだからです。

 木の箱を見てニヤニヤしていても始まりません。P800のボイスコイルをターミナルにハンダ付けをしてから(キットの説明書にはターミナルに巻き付けるとあるのですが,これではちょっと心配なのでハンダ付けします)),取り付けてみましょう。

 梅雨の明けた土曜日の昼下がり,私はビールを飲みながら,心地よい酔いの中にいました。これがまずかった。

 スピーカーの位置がずれないように,しっかり固定して付属の木ねじを締めていきます。3本目の木ねじを締めるときに,横にいた嫁さんに「ドライバーの先が滑って,スピーカーに突き刺さるんだよなあ」といった瞬間,

 ズボッ

 と,ドライバーの先端は無情にスピーカーを射貫いておりました。

 いゃああああぁぁぁあ

 そばで見ていた嫁さんの血の気が引いています。私の機嫌が最悪の状態になることを予期してのことでしょう。

 よく見ると,エッジ(コーンとフレームを繋ぐ柔らかいゴム)が破れています。コーンに突き刺さっていないのは幸いかも知れません。ただ,この穴をふさがないと空気が漏れてしまいますので,これは付属していたゴム接着剤の残りで補修です。

 その前に全ての木ねじを取り付けないと,と慌てて作業を続行しますが,あろうことかもう一度同じ場所を突き刺す羽目に。

 もうかなり嫌になりつつ,やはり下穴を開けるべきだったと反省です。先の尖ったもので下穴を先に開け,全ての木ねじを締め終わりましたが,私の後悔に終わりはありません。

 とにかくゴム接着剤を使って穴をふさぎます。あまり塗りすぎるとそこだけゴムが固くなるので,音響的にも無視できない影響があるでしょう。しかし,鈍くさい私のことです。案の定接着剤を塗りすぎてしまいました。

 肩を落としつつ,冷静に考えるとスピーカーをエンクロージャから一度取り外し,裏側から接着剤で穴をふさげば綺麗に仕上がったことに気が付き,もう落とす肩がないほどがっかりしました。さらに本当に好き破ったのがエッジだけだったのか,ダンパーを突き破ったり,ボイスコイルをちぎったりしていないか,確認することもやっていません。

 これはもう,やり直すしかありません。

 しかし,すっかり悪酔いした私は,浜に打ち上げられたクラゲのように床の上で干上がってしまい,作業の続行を断念し,最後の力を振り絞って,元の箱にしまいました。

 実は,スピーカーをネジ止めするとき,エンクロージャを上向きにするんですね。その時当然床にはターミナルが接するわけですが,ターミナルは当然出っ張っていますから,エンクロージャはグラグラとして安定しません。

 ここに力を加えて木ねじを締めるわけです。エンクロージャがグラっと動けば,そのままスピーカーを直撃するのはもう当たり前のことです。子供がこういう鈍くさいことをしますよね,私はあれを大人になってもやってしまったわけです。

 男は,いつまでも,少年のままだ。

 結局音を出すこともなく,そのまま休日が過ぎてしまいました。アンプも作らないといけないし,やることはたくさんあるのですけど,己の鈍くささと成長のしなさ加減に辟易し,少し興味を失いつつあります。

 大人になって上手になったこと・・・工作技術ではなく,失敗したときのあきらめ方。

 大人になるというのは,本当に嫌なことですね。

 そうはいっても,やいのやいのと集めたスピーカーですので,一応完成させないことには示しが付きません。まずはユニットを取り外してエッジを破ったスピーカーの被害を確認,場合によっては修理を行う必要があります。もし修理不可能な壊れ方をしていたら,いつかエンクロージャを作ってならそうと思って買っておいたSa80/AMGを取り付けることにしましょう。

 音が出るようになったら,どんな音か確かめる必要があります。ニアフィールドで使った方が楽しめそうならPCスピーカーにでもするし,そこそこしっかり低音がでて,中域のエネルギーもあるなら,不満のあるテレビスピーカーにしてもよいですね。

 どっちにしても小型のアンプは必要です。プロの電気屋さんとしては,ここはちゃんとこだわりたいところですが,はっきりいって面倒くさいのでHT82V739でも使ってさっさと小型アンプを作って背面に取り付け,パワードスピーカーにでもして使う事にしましょうか。

 まあ,ちょっと考えましょう。夏は工作の季節。そしてその夏は始まったばかりです。

SONY Readerを触ってみて

 私が読む本と嫁さんが読む本との間には共通点がありません,結婚時の蔵書の合算の結果,重複なく正味2倍の冊数になったことでも,それははっきりしました。

 私が面白いと言っておすすめしても途中で投げ出すし,嫁さんが面白そうに読んでいる本を私が読み始めても数ページで閉じてしまうので,ここまで違う物かと思うことがあります。

 そんななか,私の蔵書で嫁さんがいたく気に入った本が「闘うプログラマー」です。ちょっとまえに復刻された本で,DECのスタープログラマのデヴィッド・カトラーがビル・ゲイツに三顧の礼で迎えられ,WIndowsNTの開発を率いるというドキュメンタリーです。

 ご存じの通り,WindowsNTは現在のWindowsを根本から支える基盤ですが,カトラーは気高い思想で,WindowsNTの開発に邁進しました。「闘うプログラマー」という本は,スペシャリストであるカトラーが全力投球する姿を描き,最新のOSが生まれる瞬間を捉えた作品であると同時に,大規模なプロジェクト特有のスリルと興奮を,余すことなく伝えた名著です。

 余談ですが,ソフト開発のドキュメンタリーであるこの本と双璧を成す,ハード開発のドキュメンタリーとして「超マシン誕生」があげられます。本国アメリカでは単なるコンピュータ開発物語としてではなく,ピューリッツァー賞を受賞したノンフィクションとして,現在も賞賛されロングセラーを続けています。いずれも復刻版が出た現在,この2つはコンピュータに関わる人なら読まねばならない本でしょう。

 私は,カトラーという有名人の個性に惹かれてこの本を面白く読みましたが,ソフト屋として百戦錬磨の猛者である嫁さんは,大規模プロジェクトへの妙な親近感から,その臨場感がたまらないといいます。

 私はこれをスキャンしてPDFにしてあるのですが,嫁さんが久々に読みたいと言い出しました。通勤途中で読みたいという事だったので私のKindle3を貸してあげたところ,想像以上に好印象だったようで,自分のマシンを買おうと言い出しました。

 Kindle3は安価で,入手も難しくありません。しかし,初期不良や修理などのサポートが国内で受けられず,これが負担になるため私は他の人にはお勧めしていません。

 代わりに私が話したのが,SONY Readerです。

 Kindle3とReaderとは,できる事出来ない事の違いはもちろん,そのコンセプトも全然違う端末ですが,自炊したPDFを読むという事に限って言えば,そんなに違いはありません。800x600ドットのe-inkパネルはPRS-650なら6.5インチでKindle3と同じです。

 内蔵のストレージにPDFを突っ込めば良いだけで,この点での使い勝手に差はありません。同じ世代のパネルですし,それ程表示品質に差もないでしょう。

 ソニーのポイントもいくらか持っていた嫁さんは,私が絶賛するKindle3の向こうを張って,Readerを買いました。PRS-650,6.5インチの「Touch Edition」です。

 日曜日に届いたので私も少し触らせてもらいました。以下その感想です。先に結論だけ書いてしまうと,自炊した本の受け皿としては,Kindle3とDXの圧勝です。

 Wi-Fiなどの通信機能,キーボード,amazonかReaderStoreか,対応フォーマットの違いや,WIndows専用かプラットフォーム非依存かなど,カタログを見比べれば分かることについてはここでは触れませんが,それらを抜きにしてもKindleの勝ちだと思います。

 なお,データはScanSnapS500を使ってスキャンしたPDFで,2値は600dpi,グレースケールは300dpiでスキャンしてあります。設定は文字を太くする以外,デフォルトのままです。大きさは文庫からA5のハードカバーまでの数種類ですが,B5より大きな画像やカラーの画像は扱っていません。


・第一印象

 色はブラックを買ったのですが,大変にスタイリッシュで格好はいいです。金属製の筐体はヒンヤリするため「本」らしくないと書きましたが,そのソリッド感は決して不愉快なものではなく,「本」とは別の物,と考えてしまえれば,そんなに否定的にはならずに済むでしょう。

 KindleはとてもカジュアルでTシャツにジーパンのようなものです。Readerはノーネクタイでスーツという印象で,どっちを「かっちょいい」と思えるかは完全に趣味の世界だと思います。私はGeekなKindle3が大好きです。

 Kindle3のようにキーボードがなく,スッキリしたデザインですが,タッチパネルのせいでパネルが随分奥にあって,画面の縁の高さが数ミリあることが,画面を覗き込むような感覚が残念です。これはKindle3が圧倒的にいいですね。


・e-inkパネル

 kindle3と同じ世代の「PEARL」を搭載していると聞いていたので,余り気にしなかったのですが,比較のためKindle3と並べてみると,全然違うものです。

 まず,背景の白色が全然違います。Kindle3は本当に白いのですが,Readerはやや黄色みがかっています。結果として,ぱっと見た時のコントラストに大きな差を感じ,Readerの画面が「なにやら薄暗い」という印象を持ってしまいます。

 文字色である黒色にそれ程の差はありませんが,やっぱりまぶしいような白色であるkindle3の方が綺麗だと思います。

 ただ,実際の紙の色に近いのはどっち,と言われればそれはReaderであり,もしもこの色味が紙に近づけたこだわりの結果であったなら,なるほど納得出来る話ではあります。長時間の読書で疲れないかも知れませんし,明るい部屋ではKindle3の方が見にくい可能性もあるでしょう。

 最終的には好みの問題になるように思いますが,今のe-inkでも紙にはまだまだ遠い表示品質であり,色味を合わせることでもしもコントラストが下がっているなら,そういう調整はまだ早いというのが私の感想です。


・パッチパネルと操作感

 Touch Editionと名前が付いているだけあって,パネルを直接触るという直感的な操作を実現しているのは,Kindleシリーズにはない特徴です。

 本を選ぶ,ページをめくる,文字を入力するなど,画面を直接触って操作することは,確かに理想だと思います。しかし,Readerに限って言えば,e-inkの描画速度が遅いことや全体のレスポンスがやや緩慢であることから,タッチパネルの利点を生かせていないと感じました。すぐに反応がないので,本当に押したのかどうか分からないのです。

 加えて,よく言われるパネルの汚れは想像以上にひどく,大変目障りです。

 タッチパネルになったことで,ハードキーが大幅に整理されてしまい,BackボタンやMenuボタンもタッチパネルで操作しなければならないため,1つ前の画面に戻るとか,やり直したい時にさっと操作できず,イライラします。これは嫁さんも同意見でした。

 ページめくりのジェスチャーは,指を横方向にスライドさせるものです。Kindleは本体の左右の縁に付いたボタンを押すことでページをめくりますが,私はこの「大きな操作」でページをめくるというのが煩わしく感じました。ちょっとボタンを押すだけで済むことが,なぜわざわざ指を動かさねばならないのか。肘はおろか,肩までも動かさねばならないかも知れません。片手でめくることも出来ませんから,不便でしょう。

 それが分かってか,Touch Editionでもページ送りと戻しについては,ハードキーが用意されています。ただ,嫁さんにいわせると,ハードキーがあると持ち方が制限されるので,ジェスチャーによる操作は思いの外快適だという事でした。

 実は,もっと深刻だと思ったことがあります。Kindle3の場合,右綴じだろうが左綴じだろうが,ページ送りのボタンを押せば先に進み,戻しのボタンを押せば戻ります。送りのボタンは大きく,押しやすくなっていますが,どんな本でもとにかくこれを押せば先に進むという仕様です。欧米には左綴じの本しかありませんからね。

 これがReaderではとてもややこしいです。右から左へのスライドでは,左綴じの本(つまり横書き)の場合にはページ送りになりますが,右綴じ(縦書き)の本の場合,ページ戻しになります。

 左綴じか右綴じかは,実際に綴じられた本ではすぐにわかりますが,電子書籍ではそもそも綴じていません。ということは横書きか縦書きかの違いでページの進む向きが違ってくる訳ですが,1ページがドンと表示されている次が,左にあるか右にあるかを一瞬考えてしまいます。

 本を作る方からの反発を受けることは承知の上で,電子の本についてはそもそも綴じていないわけですから,右向きの矢印で進む,左向きの矢印で戻るで統一する方がよいのではないかと,私は思います。

 なお,Readerでは,スライドする向きとページがめくられる方向を,縦書きと横書きのそれぞれで設定することが可能です。ですので電子書籍らしいページ送りも出来ます。

・処理速度と操作感

 処理速度は可もなく不可もなくで,サクサク感はない代わりに,イライラすることも少ない物でした。細かいところは別にして,速度上の操作感の印象は,Kindleとそんなに変わりません。

 ただ,SDカードの認識に時間がかかったり,メニューを出したりするときの一瞬遅れたような動きは,Kindleにはありません。ましてハードキーを持たないReaderですから,確実に操作されたというフィードバックがないため,動作が遅れているのかそれとも操作されていないのか,どちらか分からず,不安になります。無反応の時についうっかり連打すると,,あとで一気に操作が有効になって,訳が分からなくなります。これはちょっと考え直してもらいたいことです。

 
・機能

 PDFの表示くらいしか試していませんが,多様なフォーマットに対応していることは評価すべきですし,英和辞書と英英辞書も最初から搭載しています。これは便利ですよ。

 それ以前に,講談社がコンテンツを提供するというのは,もうKindleなんかとは

 音声再生は,MP3やAACにも対応しており,MP3ですらオマケ扱いのKindle3に比べるとさすが,と言うほかありません。

 メモ機能もありますし,いろいろ出来そうなことは結構ですが,Readerを買う人がメモやAACの再生をどのくらいあてにするのか,私には疑問があります。

 むしろ,このことで使い勝手がスポイルされている点が問題です。

 トップの階層(ホーム)にはボタン1つで戻れますが,本を読むにはここから書籍選択画面に移動,さらに書籍を選ぶという手順になります。

 その結果,もしも別の本を読みたい時の操作が煩雑になってしまっています。

 ハードキーを使ってまずホームへ移動すると,そこからまた書籍選択画面を選ばねばなりません。さらに別の本を選んで・・・煩わしいです。

 本来なら,戻るキーをハードキーで用意しておかないといけないでしょう。Kindleは3もDXもそうですが,BackキーとHomeキーがハードキーで用意されています。HomeキーはReaderでいう書籍選択画面ですから,とにかくこれを押せば本を選び直せます。

 Backキーは,数字入力によるページ飛ばしに対しても有効なので,飛ばしすぎた場合などのUndoとして機能します。これは安心な機能だと思います。


・余白カットとズーム

 Readerの特徴的機能として,余白カットに注目した人も多いと思いますが,まず最初にKindle3では,この機能はデフォルトです。Fit to screenを選んでおくと1画面に収まるよう拡大縮小を行ってくれますが,この時印刷のない部分のカットもちゃんと行ってくれます。

 Readerの場合,この余白カットがデフォルトではありません。そこで余白カットをハードキーの拡大キーを押して設定する事になります。

 あちこちで酷評されていますが,この余白カットを設定したあと,本を閉じて再度開くと,余白カットされない設定に戻ってしまいます。別の本を読んだあと,元の本に戻ってくると,余白カットがされないため,いちいち設定をし直さねばなりません。Kindle3では本ごとに設定が記憶されますので,こんな煩わしいことはありません。

 ズームに至ってはさらに最悪です。

 拡大キーからズームを選び,画面を拡大したり縮小したり出来るのですが,ほどよい大きさに設定した後戻ると,設定がキャンセルされてしまいます。つまり,ズームモードでだけ有効ということですね。

 ズームでは,横幅いっぱいと縦幅いっぱいを自動設定する機能もありますが,せっかくそうやって拡大した画面はその画面だけで有効に過ぎず,記憶もしてくれません。

 ページロックを行えば,その拡大率と拡大位置を維持したままページ送りが可能ですが,目障りなことに「ページロック」と書かれた大きなアイコンが右隅に出たままで,これに本文がかぶってしまうこともしばしばです。このアイコンを避けるように拡大率を下げると,ほとんど拡大できず,大きな余白が出来てしまいます。何のためのズームなのかわかりません。

 本当にこれでいいと思ってるのか,作った人は使ったことがないんじゃないのか,と首をかしげたくなる最大の欠点が,これです。わずか800x600しか画素がないのですから,もっと大事に使いたいです。

 Kindle3はこのあたりはごく当たり前の仕様になっていて,余白カット,ズームは本ごとに記憶してくれます。


・よみやすさ

 2値で600dpi,グレースケールで300dpiで作られたPDFを,わずか800x600ドットで表示するのですから,見にくくなるのは避けられません。

 Kindle3の場合,その見にくさをカバーするため,コントラスト調整機能があります。コントラストといいつつ,文字を太くする機能も担っており,特に2値のデータの場合は,PCでの事前の加工を必要としないくらい,読みやすい表示を得ることが可能です。

 グレースケールの場合は文字も階調を持つので,文字が薄めに出てしまい,細い線などは消えてしまうことがあります。この場合,PCによる事前の処理が不可欠です。

 Readerの場合はどうかというと,2値でもグレースケールでも文字が細く薄く見にくいです。それで,表示品質の設定で調整を試みますが,どれもかえって見にくくなる設定ばかりで,結局標準が一番ましという結論になってしまいました。カスタムという明るさとコントラストを自由に調整出来る設定もありますが,あまりに操作性が悪く,またどうすれば最適点になるかがさっぱり分からないので,まるで使い物になりません。

 画像処理のアルゴリズムによる違いでしょうが,結局読みやすくなるかならないかが全てなわけで,標準以外は全滅なんて,これ本当に試したのかと,2つ目の首をかしげたくなるポイントです。

 この段階で,私は嫁さんにReaderを買わせたことを,後悔し始めました。

 グレースケールについては,そのままのデータではKindle3もReaderも同じように読みにくいです。よって,PCで前処理が必要になります。


・メモリカード

 内蔵のストレージが約1.4GB,これにメモリースティックとSDカードのスロットが用意されているのが,PRS-650の最大の売りだと思います。Kindleにはメモリカードが使えませんので,いっぱいになったら本体から消さねばなりません。

 低価格化の激しい大容量メモリカードを入れておけば,自分の蔵書は全て入れておけるかも知れず,これはKindleを圧倒するメリットだと思います。

 ただ,メモリースティックはもういらないでしょう。

 ところで,SDカードへのPDFのコピーですが,別に専用のソフトを使う必要はなく,マスストレージでマウント出来るので,普通にマウントしたSDカードにPDFデータをコピーするだけです。どのパスにおいてもちゃんと検索されるようで,自分で管理しやすいようにする自由度はあると思います。

 Kindle3ではdocumentsとういフォルダに入れるしかなく,しかもそのフォルダの下にフォルダを作る事が許されていません。冊数が増えるとたくさんのファイルで汚くなります。これもReaderの方がよいですね。

 マスストレージでマウントしたメモリへのアクセスは比較的高速で,遅すぎてイライラするKindleDXはもちろん,大幅に改善されたKindle3よりも高速だと思います。これもReaderは良くできています。


・Windows専用であることとファームウェアのアップデート

 Readerの致命的欠点は,その用途に本質的に無関係な理由で,Windowsマシンがないと「使えない」ことです。

 マスストレージでマウント出来るので,Macでも自炊したコンテンツを読むだけなら困りませんが,それとて自己責任で行うものです。

 しかし,DRMの関係でコンテンツの購入には専用のソフトが必要で,これがWindows専用なために,うちの嫁さんはコンテンツ購入の手段が全くありません。10年前ならいざ知らず,今Windows専用というのは,メーカーも相当勇気がいったはずです。

 ここで3つ目の首をかしげたくなる点です。ファームウェアのアップデートが,Windowsからでなければ出来ません。

 いろいろ理由はあるんでしょうが,いかに自己責任だとはいっても,Windowsを使っていないユーザーにアップデートをする機会さえ与えないというのは,その姿勢を疑われても仕方がありません。

 例えばです,セキュリティ関係のアップデートがあったとします。その穴をふさぐアップデートをすぐに行わなければ深刻なことが起こる場合,Macで使っている人,Linuxで使っている人に,そうした機会がないことで,ユーザーにもメーカーにも,もしかすると第三者にも損害を出す可能性は大いにあります。

 それでも,メーカーは「Macだから,Linuxだから知りません」と言い切れるのでしょうか。

 タブレットやスマートフォンが全盛の今,PCなんか格好悪くて使えないという人が少しずつ増えてきました。こういう流れに乗るべきが電子書籍端末であるはずなのに,PC,しかもWindowsがないとアップデートすら出来ないなんて,こんなみっともない話はありません。


・まとめ

 総じて言えることは,ハードウェアとソフトの下回りは,良くできてると言うことでしょう。しかし,上位層に近いところは不満だらけです。最上位のUIや操作仕様の部分に始まり,画像の加工を行う部分あたりまで,Kindle3に勝てる部分はないのではないかと思います。

 Kindle3は今時のマシンとは思えないほど殺風景で,文字中心のUIですが,本を読むという単機能に絞ったことが功を奏し,それで別になんの不満もありません。

 表紙をサムネールで表示する機能はKindleにはない楽しい機能ですが,時間がかかる,一覧性に乏しい,そんなに綺麗に表示されるわけではないことで,コレクション魂を揺さぶられるわけでもなく,慣れてくるとかえって面倒になりました。

 まだまだ改良が進み,アップデートも行われる事と思いますが,伸びしろがあるという期待と考えておきたいと思います。

amazonは噂のタブレットに集中しているのか,Kindleには新しい物も出ませんし,アップデートすら行われていません。安定しているし不満もないので別に構いませんが,kindleが足踏みをしている今こそ,Readerが存在感をアップさせるチャンスです。

 それと,ファームウェアアップデートについては,全ての購入者を対象にして欲しいと思います。WIndowsを使っている人以外は,アップデートする資格すらないというのは,考えて直して欲しいと思います。

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