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2014年09月の記事は以下のとおりです。

CLIPHITを買いました。が,

  • 2014/09/30 17:02
  • カテゴリー:散財

 コルグが先日発売した,「CLIPHIT」。いや,これは革命ですよ。

 センサを仕込んだクリップが3つ接続可能,これでどんなものでも,クリップで挟んでしまえば,あっという間に打楽器に早変わり。

 ペダルも最大2つまで取り付けられ,バスドラム,スネアドラム,ハイハットにシンバルという,最低限度のドラムセットをこれで再現出来るようになります。

 これまでの電子打楽器ってのは,ちゃんとした電子ドラムだとスタンドを組み立てて取り付けるので結局かさばりますし,そうでないものはドラムの代わりにならないので,結局ただのオモシロ打楽器に成り下がります。

 それが,このCLIPHITは,ちゃんとドラムセットになるように考えてつくってあります。

 ミソは,クリップ式のセンサーです。これを何かに挟んで,その何かを叩けば,CLIPHITがあらかじめアサインされた音をドンと出してくれるのです。ほとんどのものに取り付け可能で,変な話,指にクリップをはさんで手を叩けば,それでもう音が出ます。

 ということで,長年にわたり,ドラムを叩いてみたいと思っていた私は,飛びついたのです。

 これまで20年来,キーボーディストとはいえ,リズムキープは重要ですし,ドラムセット言う打楽器を実際に叩いてみないと,本来なら叩けないはずのフレーズを打ち込んでしまうというミスは防げないと考えて,何度かドラムを買うことを考えたのです。

 近所迷惑になると困りますから,電子ドラム限定にしていたのですが,それでも音はパンパンと出ますし,なんといっても自分が座る椅子の面積以上に,スタンド類が必要になってしまうことを考えると,何度も考え,何度もやめるということを繰り返してきたのです。

 そこへCLIPHITです。もう買うしかないでしょ。

 しかし,実に甘かったと痛感します。


(1)微妙に足りない

 クリップは3つ,ペダルは1つの合計4つの音が出ます。冷静に考えるとこれ,1つ足りないんですよ。バスドラムはペダルにアサインされていますので,残り3つのセンサーを割り当てるのですが,スネア,ハイハット,シンバルとアサインすると,タムがアサイン出来ません。

 これではフィルインが単調なものになり,つまりません。

 かといってタムをアサインしても,シンバルがなくなりますし,タムだって1つじゃ結局足りません。

 それに,シンバルだってクラッシュシンバルだけではなく,ライドシンバルも欲しいです。リムショットはどうするのか,など,どうも基本的なドラム演奏に使えるようなものではなさそうです。

 ペダルはもう1つ増やせますが,これは基本的にハイハットのオープンとクローズを切り替えるものです。いや,これは大事な機能なんですよ。でも,これよりもタムの数を増やすのが先でしょう。


(2)モノラルだった

 本体のスピーカーはバスレフ式で,アンプのパワーもあるので,びっくりするほどしっかり音が出ます。思わずわらってしまうのですが,ヘッドフォンで聴いてみるとなにか物足りません。

 そう,モノラルだったのです。なにも,それぞれの楽器をステレオでサンプリングしてくれとまではいいません。でも,音源はモノラルであっても,せめてパンニングくらいは,設定して欲しかった思います。

 バスドラムもスネアもシンバルもハイハットも,全部ど真ん中か出ていると言うのは,ドラムを叩く人にとって強烈な違和感があるんじゃないかと思います。

 どの楽器の音も,叩く人のやる気を焚き付けるような,なかなか良い音がするだけに,残念です。


(3)結局場所を取る

 これは当たり前のことなのですが,結局ドラムとして演奏するのであれば,それぞれの楽器の位置にあるものを叩くわけですから,場所は普通のドラムと同じだけ必要になりますわね。

 その場所が確保出来ないからCLIPHITなのに,CLIPHITには場所がいる,なんてのは,今頃気付くようなところではないですよねw


(4)もう配線がイライラ

 クリップが3つあることで想像がついていましたが,絡まってダンゴになっています。まず絡まったコードをほどくところから始めねばならず,「おれ,なにやってんだ」と我に返ってしまうと,もうドラムどころの話ではありません。


(5)結局

 本体を叩くと,スネアドラムの代わりになります。実はこれだけでも結構楽しめます。あまり欲張らず,1万円のオモチャとおもって,割り切れば,宴会芸には好評かもしれません。

ケルヒャーWV75plusで安全確実に窓掃除

  • 2014/09/22 16:41
  • カテゴリー:散財

 現在の家に住み始めて1年半になりますが,これまでタダの一度も窓ガラスを掃除したことがありません。

 普段は雨戸をしているので,そもそも汚れないように気を遣っていたのですが,そうはいっても中と外を仕切るガラスなのですから,汚れて当たり前。それでも掃除をしなかったのには理由があって,それは危険だったから,です。

 うちは3階建てなのですが,窓ガラスの外側を掃除するには身を乗り出して手を伸ばし,拭き取るしかありません。

 洗剤や水をボトボト落とす事も周りに迷惑になりますし,身を乗り出してバランスを崩して落ちてしまえば,痛いどころでは済まないかも知れません。

 しかも,掃除中は窓を開けたままにしないといけないですから,夏の暑いとき,冬の寒いときは出来ません。天気が悪いときも出来ません。

 窓ガラスの掃除は,「今年の汚れ今年のうちに」というキャッチコピーのせいもあり,どうも年末行事という気分がしますが,私に言わせればなにもクソ忙しくクソ寒い12月末に屋外の作業をすることはないはずで,要するにサボったツケです。

 そろそろ窓ガラスの掃除をしたいなあと思いつつ,寒くなる前に片付ける方法はないものかと,ずっと考えていたのです。

 そして考えついたのが,ケルヒャーの窓ガラス用バキュームクリーナーです。

 窓ガラスにびっしりつく結露退治に活躍する真冬には,毎年のように「素晴らしい」というレビューが出てくるこのバキュームクリーナーですが,本来窓ガラス掃除用のものですので,今回の用途にはぴったりではないかと考えたのです。

 というわけで,あまりよく考えずに,ケルヒャーのWV75plusを買いました。7000円くらいなんですね,この機種。ちょっとお安くなっている感じです。

 購入後,商品が配達されて感じたのですが,ケルヒャーといういかにもドイツ語というメーカー名からイメージされる重厚なものではなく,軽くてチャチで,確かにこれは数千円だわ,と言う感じでした。なにより残念なのは,付属品があれこれ多いのに,組み立てた状態では箱に入らないことでしょう。

 結局私は,箱を捨てました。

 さて,いつものようにレビューです。

(1)大きさ・重さ・動作

 大きさは一昔前によく見た,自動車用に売られていたハンディクリーナーみたいな感じです。手に持った感じは悪くないし,重くもないので長時間の使用にも負担は軽いでしょう。

 細長い本体の先端に,ブレードを取り付けます。ワイパーのようなゴムのへらが水をかき集め,それを吸い込む仕組みです。

 吸い取った水と空気は,内部で分離されて,水だけタンクに溜まるようになっています。

 だから,本体を逆さまにするとタンクから水が戻り,これが空気の通り道に入り込んでしまいます。当然故障に繋がると思いますし,取説にも「するな」と書いてあるくらいですので,これは避けたいところです。

 一応,IPX4ということで,ちょっとくらいの水は大丈夫だと思いますが,風呂場などで使うのは注意した方がよいかも知れません。


(2)付属品

 大小2種類のブレードはがっちり作られていて,いかにもドイツっぽいのですが,充電器は今どきトランス式のACアダプタですし,オマケくらいの扱いのはずのスプレーのボトルの組み立てが,やたら面倒だったりします。

 どうもこの製品,スプレーと洗浄液が主役のような感じです。

 そのスプレーですが,なんでわざわざついてるのかと思っていたのですが,その頭に幅の広いクリーニングクロスを取り付けられるようになっているあたりから,これはどうも,このスプレーがミソなんだと思うようになりました。

 吸水性の高いものではない,本当に洗浄液を塗り広げるのに適した素材のこのクリーニングクロスが,スプレーと一体化していることで,とても素早く,安全に窓掃除が出来るようになるんですね。


(3)使ってみて

 2つの使い方を試して見ました。1つは窓掃除,1つは風呂の壁の水滴を取る,です。

 まずは窓掃除です。洗浄剤をボトルに入れ,水をいっぱいに入れて溶かします。シュッシュッと窓に吹きかけてから,スプレーの頭のクロスで塗り広げます。ここで汚れが浮き上がるんだそうです。

 慌てなくてもよいのですが,一応乾く前に本体の電源を入れ,ブレードを窓の上部に当てて,一定の速度,一定の力で下に引っ張り,洗浄液を吸い込みます。これを何度か繰り返すと,ほら,窓ガラスがあっという間に綺麗になります。

 室内側はそれほど汚れていないと思いましたがとんでもない。吸い込んだ汚水は真っ黒ですし,クロスも黒く汚れています。何より掃除が済んだ窓ガラスは驚くほど綺麗で,向こうが良く見えます。

 屋外側も試すのですが,窓から身を乗り出して作業をする必要があり,慎重に始めます。しかし,大きく身を乗り出すこともなく,手の届く範囲で洗浄液を吹き付け,広げ,吸い込む事ができ,楽に,安全に作業を終えることが出来ました。

 1つは,水が垂れない,下に落ちないという安心感です。迷惑にもならないし,自分の腕に伝ってくることもありません。

 もう1つは,力をいれて擦ることはない,しかも1回すーっと拭き取ればそれでOKという簡便さです。時間もかからず,腕が疲れてしまうこともありません。多少の吹きムラが残り,筋状に汚れが残るのですが,これをゼロにするのはさすがに至難の業,もともと外にあるものなんですから,ここにこだわってもどうせすぐ汚れます。

 それより,窓ガラス全体の透明度が格段に向上したことを素直に喜ぶ,そういう大らかな気持ちも大切でしょう。

 あっという間に家中の窓ガラスの中と外を掃除できたのですが,これで洗浄液は半分くらい使った感じです。時間も労力もいらず,安全に,しかも綺麗になるということで,大変素晴らしいと思います。

 思うに,この商品の肝は,この洗浄剤です。汚れを浮き立たせる洗浄力はもちろんですが,すぐに乾いてしまわないこと,泡だらけにならないこと,拭き取るときにムラになって筋状の汚れが残らないようになっていることが,この洗浄剤の特殊なポイントです。

 しかも,水拭きやから拭きをしませんし,使用中はどうしても鼻と口から吸い込みますので,有害な物質は使えません。さわやかなシトラスの臭いがあるおかげで,作業そのものが苦にならないことも大事です。

 付属品は1袋で,これでボトル1本分です。私は別売りの4袋1000円のものも一緒に買いましたが,私の場合,窓すべてを掃除するのに125円かかるわけですね。普通の窓用洗剤でもこれくらいの値段はしますので,まあよいのではないかと思います。

 次に,風呂での使用です。

 うちの風呂はツルツルの壁になっていますが,これは水滴を拭き取りやすくして,カビの発生を抑えたいと思ったからです。しかし,その水滴を取る作業というのが結構な重労働です。雑巾で拭くのはさすがに大変と,水切り用のブレードを使っていますが,それでも切った水が自分にかかると,冬は寒いし厄介です。

 そこでこのWV75plusを使ってみようと考えたわけです。

 結果は上々です。とても楽です。壁の水滴がみるみる吸い込まれていきます。作業をしている私は濡れることもなく,また何度も繰り返すことなく綺麗に水を拭うことができます。

 風呂全体で120cc程の水が吸い取れたのですが,これがそのまま風呂場に飛び散るのかと思うと,そりゃ作業者が濡れるのも無理はないなと思いました。

 毎日使うものではないなと思って買ったのですが,結局毎日使うものになってしまいました。


(4)不便なところ

 いい話ばかりではありません。というか,ホントにこれドイツのメーカーのものか?と思うような配慮のなさに辟易します。

 まず,重心が高いので,本体もスプレーも,よく倒れます。これ,高いところで作業をすることが予想される窓掃除においては,致命的なんじゃないでしょうか。

 ブレードを本体の先端に取り付けると,もうそれだけでグラグラとして倒れそうです。少し触ると,簡単に倒れて転がります。

 スプレーもそうですね。先端のクロスが重いので,倒れそうです。

 しかも,スプレーも本体もそうですが,先端がT字ですから,ちょっとしたことで手が引っかかったりするのです。そうなると確実に倒れてしまいます。

 この安定の悪さが,とにかく気に入りません。もっと底面を広げるなり,重量物を下側に持って来るなりしないと,危ないと思います。

 それと,逆さまにして使うとタンクの水が逆流してしまうというのも問題です。原理的に仕方がないのですが,その逆襲した水がどこに行くかといえば,ファンに行くんですね。下側にある空気の吐き出し口から水がバババーと出てきた時には,もう壊れたと思い絶望しました。

 これ,下の方の水を吸うときには,どうしたって本体の下側が地面にぶつかるわけですから,横にしないと吸えません。逆さまは極端としても,水平くらいは制約無しで使えるようにならんかなあと思います。

 それと,タンクの水抜きのためのゴムのフタです。これがよく外れるのです。気が付いたらフタがあいています。ひどいときにはフタそのものが外れて,なくなっていました。

 こうなると,タンクの水抜き穴から汚水がドバドバ出てきてしまいます。私はこれであたりを汚してしまいました。

 そして,外れたフタを探し回ること20分。どこで外れたのかさっぱりわからず,あちこち探し回ってようやく見つけました。

 なんで外れてしまったのかなと考えてみると,このゴムのフタが,サッシの手前にある様々な出っ張り部分に引っかかり,外れてしまうようなのです。それはロックだったり,隣の窓ガラスのサッシだったり,レールの部分についている部品だったりと,いろいろあるんですが,これらが作業中にフタに引っかかると,ぽろっと外れてしまうんですね。

 洗浄液がついてしまうとヌルヌルするのでより簡単に外れるようになりますし,どういうわけだか引っかかりやすい構造になっている(タブが飛び出していたり)上に,曲面のタンクに沿うような形でくっついているゴム製のフタゆえに,ぴったりくっついているわけではないありませんから,引っかかればほぼ確実に外れます。外れた結果が大惨事であるだけに,もう少しなんとかならんのか,と思う点です。

 あとは充電関係でしょうか。連続使用時間が約20分で,充電に3時間かかります。ただ,充電はACアダプタを差し込まねばならず,これがまた不安定で倒れそうです。しかも充電完了後にはACアダプタを抜く事がおすすめされています。

 しかも充電回数が300回しかありません。うちのように毎日使うと,1年くらいでダメになる計算です。うーん,それは余りにもひどくないかい?

 最後に,付属品がいろいろついているのは結構なのですが,これを収納することが全く考慮されていません。折りたためるわけでもない,取り外せるようになっているわけでもない,本体に引っかけたりしてコンパクトに一体化できるわけでもない,とにかくT字になったものがかさばって,しかも不安定で倒れやすいので,まあ面倒なのです。


(5)まとめ

 まず,基本機能として,水滴を吸い込む力は申し分ないです。リチウム電池1本ですのでそんなにパワーはないのですが,どうしてどうして,ちゃんと水を吸い込みます。

 ブレードも良く出来ていますし,裏表使えるので長期間性能を維持できるでしょう。心強いです。大小2つのブレードは面積を取るかこまわりを取るかで選べるのが意外に良くて,少々高くても2つセットのplusを買った方がおすすめです。

 そしてなんといっても,洗浄剤です。我々日本人は,ついつい電気で動く本体への対価と考えてしまいがちですが,この商品は窓掃除を手早く,綺麗に行う「キット」であり,本体はその道具の1つに過ぎないことを,改めて感じさせられました。

 そしてその主役は,やはり最適化された洗浄剤です。そんなにべらぼうに高価なものではありませんし,これはぜひ専用品を使って,その効果を体感して欲しいと思います。

 キットして考えた場合に,7000円はちょっと高いかもしれません。しかし,安全,楽ちん,綺麗とくれば,決して高くはありません。風呂でも毎日使えますから,うちの場合は十分元は取れそうです。

ダイソンDC45のトラブル

 ダイソンのハンディクリーナーDC45を買ってから,私が担当している掃除機がけという家事は,激変しました。

 それまで大きな掃除機をぶんぶん振り回しながら掃除をしていたわけですが,なにせ電源ケーブルが邪魔で邪魔で仕方がありません。もうちょっとで届くところが何かに引っかかって届かない,無理に引っ張って抜けてしまって,離れたところまでプラグを差しに行く,階段で引っ張られて転がっていった,などなど,もうイライラしてたまりません。

 はっきりいって,戦争でした。

 DC45は,壊れたハンディクリーナーの後釜に買ったものでしたが,実際にこれだけで家中の掃除が可能である事がわかると,掃除機をかけるという行為そのものが根底から変わってしまいました。

 連続稼働時間20分は絶妙で,休日の掃除の時間としてはこのくらいあればなんとかなります。というか,20分以上掃除することそのものが,もはや不毛と言えるでしょう。

 ところが,購入して半年ほど経つようになると,時々動作が止まるようになってきました。最初はスイッチを押す手が緩んだのかな,あるいは電池が切れたのかな,と思ったのですが,最近は頻繁に止まるようになり,掃除に支障を来すようになってきました。

 せっかく調子よく掃除していたのに,止まってしまえばまたスイッチを押し直しです。それでもまた止まりますから,なかなか片付きません。

 そんなこんなで,イライラした私はDC45に平手打ちを食らわせたり,膝蹴りをお見舞いするなど,様々な意思表示を行うわけですが,やつもタダでは殴られてくれません。おもむろにダストボックスのフタを開けて,ゴミをまき散らして反撃します。

 ゴミにまみれて「キーっ」となっている私を,周囲はどんな目で見ているのでしょう。

 これはまずい,と修理を依頼しようと思うのですが,使えない期間が出てしまうとそれはそれで困ってしまいます。それくらいDC45に依存しているわけですが,もはや限界というところで,ダイソンに電話しました。

 すると,どうも電池の接点が緩んでしまい,電圧が下がって止まってしまうようになるんだとか。はっきりとは言わなかったのですが,この機種にはよくある持病のようです。

 「これでおそらくなおると思うのですが」と自信たっぷりに,新しい電池を送ってくれることになりました。古い電池は勝手に処分して下さいとのこと。

 果たして届いた電池は,これまでの電池となんら変わったところがありません。改良されたわけでも,違う型番になっているわけでもなく,本当に同じ物のようです。

 これに交換して掃除をしてみると,なんとまあ,全然動作が止まりません。本当に治りました。いやはや,快適です。邪魔されずに掃除が出来る。なんと気持ちの良いことでしょうか。

 それで,彼らの言う電池の接点の問題がどんなものなのか,観察してみました,

 確かに,新しい電池は,電池側の接点が広がっておらず,しっかり本体側の接点をくわえ込むようになっています。これまでの電池は広がっていますから,ここで接触不良が起きているという事なんでしょうね。

 DC45は,どうも,以前は電池が簡単に交換出来るようになっていたらしいのです。しかし,電池接点のトラブルがあって,途中から前後2本のネジで電池を本体にがっちり固定するような構造の変更が行われたようです。

 もちろん私のDC45は電池交換が出来ないタイプですが,それでもこういう問題が起きるんですから,やっぱこのあたり,詰めが甘いんでしょうね。

 さて,古い電池のトラブルの原因がわかってしまえば,これを直して見たくなるのも,また人情でしょう。細いピンセットで電池の接点を変形させて,新しい電池のようにしっかり本体側の接点に食いつくようにしてみました。

 そして試したところ,ウソのように動作が止まらなくなりました。動作時間も問題なしです。

 結局,電池が1つ増えたような感じになったのですが,コードレス掃除機にとって電池は生命線ですから,予備があれば安心です。

 とにかく,これでまた快適な掃除が出来そうです。

 そうそう,パイプもグラグラしているんですが,2年保証の間に修理なり交換なりをしないと,まずいような気がしてきました。掃除機というのはラフに扱われますから,長く使うならメンテナンスが欠かせません。


 

aitendoの時計キットでかつてのLEDクロックを復活

  • 2014/09/02 16:06
  • カテゴリー:make:

 2010年頃の話ですが,大型の7セグLEDの,ラジオクロックを寝室用に買いました。

 当時はまだ高価だった青緑の発光色で電波時計でしたが,結構な値段だったのにいかにも中華品質という感じで,購入時からあまり良い調子ではありませんでした。

 ACアダプタの接触不良に始まり,電波時計の感度が低すぎる,あるいはどんなに頑張っても電波を受信しない,LEDが明るすぎて眠れないくらい,ラジオは周波数がずれるなど,不満だらけでした。

 その度に修理や改造を繰り返して,なんとか騙し騙し使っていたのですが,新居への引っ越しをしたときにどうしても時刻が自動修正されず,買い換えました。

 ただ,私には思い出深いものでしたから捨ててしまうのも惜しく,購入当時に高価だったことを「まあ青緑の大型LEDだしな」と納得したことを思い出して,この7セグLEDだけ残してあったのです。

 ところで,先日aitendoで時計のキットを買ってきて組み立てたことを書きましたが,この時計のLEDの輝度ムラがひどいことから,対策を考えていました。

 ここでピコーンと繋がるのですが,ならばこのaitendoの時計に,大型7セグLEDを取り付けてみようと思い立ちました。とはいえ,詳細を検討するとなかなか簡単にはいきません。

(1)7セグLEDの改造が必要

 この7セグLEDには,2つの改造が必要になります。

 まず,時計キットはダイナミックドライブですが,このLEDはスタティックドライブ用に端子が引き出されています。幸いどちらもアノードコモンだったので,そこは大丈夫です。

 まあ,スタティックドライブというのは要するに全ピン出ているということですので,適当にまとめれば良いだけですから,面倒という話以外はどうにかなります。

 ですが,次が問題です。

 このLEDは12時表示のため,時刻の10の桁が,「1」しか表示出来ません。ほかのセグメントはLEDが仕込まれていないですし,その上「1」だって2つのセグメントが内部ですでに繋がっています。

 aitendoの時計は24時表示なので,このままでは使えません。そこでLEDを改造しなければなりません。

 まず,LEDを分解します。するとLEDチップが直接ベークの基板にボンディングされています。むき出しです。おお!

 次に,時刻の10の桁の2つのセグメントを分離します。パターンを切るだけなのでそんなに難しいものではありませんが,なにせLEDがむき出しですので,触ったらもうアウトです。

 そして,LEDが取り付けられていないセグメントにLEDを用意して上げます。同じ色のチップLEDをマルツ電波で安く買えそうだったので調達し,1セグメントあたり2チップを接着剤でまず接着,固定できた頃に細いワイヤーで配線していきます。

 ここで私は勘違いをしたのですが,時刻の桁は1と2だけ表示出来ればいいので,左上のセグメントにはLEDは必要ないと思っていたのですね。これは正しいのですが,aitendoの時計キットを使う限り,誤りです。

 なぜ?それは,このキットがゼロブランキングを行わず,0の表示を行う仕様だからです。0を表示するためには,左上のセグメントも必要です。これに気が付いたのはLEDを組み立てて実際に光らせてからでした・・・なんとも鈍くさい話です。

 配線も完了し,基板とセグメントをはめあわせて元に組み立て直しますが,悲劇はこの時起きました。つい手が滑って,落としてしまったのです。あわれ,基板はLEDの面を下側にしてぶつかり,滑って床に落ちました。

 確かめてみると,4つほどLEDが死んでいます。死んだLEDは削って,新たにチップLEDを取り付け直します。新たに作業中に1つ壊してしまい,これはえらいことになったなあと思いながらなんとか作業を収束させました。

 光らせてみると,案外新しいセグメントも違和感なく,綺麗に光ってくれます。そしてこれをダイナミックドライブ用に配線して,一応完成です。


(2)ゼロブランキングの実装

 前述のように,LEDを組み立ててから,時刻の10の桁にすべてのセグメントが必要な事が分かったわけですが,それなら左上のセグメントを光るようにすれば問題が解決するのかと言えば,そんな簡単な話ではありません。

 確かに,0時を00時,7時を07時と表示するaitendoの時計キットの仕様が許せるならそれでもよいでしょうが,冷静に考えてみるとそんな時計,みたことないですよ。

 やっぱり07時ではなく,7時と表示されないと。

 この,最上位桁のゼロを表示しないようにすることを,ゼロブランキングといいます。

 aitendoの時計に違和感があったのは,このゼロブランキングがないせいだったとはっとするわけですが,7セグLEDを壊してしまうリスクを負って,その違和感のある表示を行うように作ることが,正しいとは思えません。

 なら,ゼロブランキングを実現するしかありません。そうすれば見た目も自然だし,7セグLEDもこのまま使えます。ついでに高価なチップLEDも2つも削減できます。

 なんちゅうか,ゼロブランキングくらいソフトで書けば簡単なのに,なんでこれくらいの機能を最初から入れておいてくれないのかと,aitendoのクオリティの低さにブツクサ文句を言いたくなるのですが,ソフトを変更出来ないのですから,もう電気的に行うしかありません。

 原理は簡単で,時刻の10の桁の左上のセグメントが点灯するときというのは,0,1,2のうち0の時だけですから,この時には時刻の10の桁そのものを消灯すればいいだけのことです。あとの1と2の時には,そのまま10の桁のドライブ信号をスルーして出します。

 ゆえに,時刻の10の桁のドライブ信号と左上のセグメント信号のANDをとって,これで10桁のドライブを行えばよいのです。

 具体的には,10の桁のドライブ信号をカット,セグメントの信号を反転させて,ドライブ信号とNANDに入れます。そしてNANDの出力を,10の桁をドライブするトランジスタのベースに突っ込みます。

 桁のドライブ信号もセグメントの信号も負論理で,Lowでイネーブルです。ですから真理値表としてはこうなります。(Aはセグメント,Bは桁のドライブ信号)

A B X
-+-+-
0 0 1
0 1 1
1 0 0
1 1 1

 こうするとほら,セグメントがLowの時(つまり0の表示)はどんな場合も必ず10の桁のドライブ信号はHighになって,この桁そのものが消灯します。セグメントがHighの時(つまり1か2)は,10桁のドライブ信号がそのまま出ますので,ちゃんと10の桁が表示されます。

 この回路を追加して,どうにかゼロブランキングが実現して,自然な表示にすることが出来ました。

 

(3)秒を表示する桁が必要

 この7セグLEDは分までしか表示出来ませんから,もし秒の表示をするなら桁を増やさねばなりません。そこでちょっと大きめの7セグLEDを用意したのですが,青緑が手に入らず,黄緑にしました。

 実際に動かしてみると,色も明るさも違うし,おさまりがどうにもよくありません。そこで思い切って秒の桁は表に出さず,基板上の小型LEDで表示させることにしました。

 基板はこのLEDの裏側に取り付けましたので,秒を見るときには裏側をみないといけなくなるのですが,まあ日常生活で秒まで必要な事はないし,時刻合わせの際には裏側をみればいいだけの話ですから,これでもいいかなと思ってます。


(4)そして精度の追求

 クオーツ時計でも時刻が狂うのがなんとなく許せない私としては,ずっと電源同期式を好んで使っていました。しかし,電波時計が手に入るようになった15年ほど前からは,これを選ぶようになっています。

 今回も電波時計なら良かったのですが,なにせキットですのでそうもいきません。そこで出来るだけ精度を追い込むことにします。

 このキットは,ATMELの8051コアのマイコンを使っているのですが,クロックは12MHzです。これを基準に1秒を生成しているはずなので,とにかく12MHzの精度を追い込む事が肝要です。

 周波数カウンタで測定すると,ちょっと高めに出ています。これならトリマコンデンサを並列に繋ぐだけで12MHzに追い込めそうです。

 マイコンの水晶発振子にバッファを1段入れて,周波数カウンタで調整します。室温が25度くらいになる頃を見計らって,12.000000MHzに追い込みました。もしこの値から本当にずれないとすると,1Hzまであっていますから,1/12000000秒しかずれません。つまり1秒ずれるには12000000秒かかるわけで,これを計算すると約140日に1秒となります。

 うーん,案外ずれるものですね。

 加えて,普通の水晶発振子ですから仮に温度変化で50ppmずれると,それだけで50Hzずれるわけで,そうなると最悪の場合3日で1秒ずれる計算になりますね。うーん,これでは実用にならないかもなあ。

 ただ,通常のATカットの水晶の場合,我々が普通に生活する範囲ならほぼ大丈夫,±25ppmの範囲でさえも-40℃から85℃ですし,-20℃から40℃くらいの範囲だとほとんど変動しません。むしろ時計用の音叉型水晶振動子の方が,温度特性は悪いんですね。


(5)ゴーストの発生

 真面目に検討する気もないのですが,実は隣の桁の点灯していないはずのセグメントが,うっすらと点灯している場合があります。いわゆるゴーストが発生しています。

 ゴーストは,ダイナミックドライブの場合には桁のドライブの切れが悪いときに発生しますが,ドライブ用のトランジスタのキャリア蓄積で素早くトランジスタがOFFしない,という場合が考えられます。

 この回路では,PNPトランジスタでドライブしているにもかかわらず,トランジスタが確実にOFFするようベースとエミッタの間に入れる抵抗が省略されていて,これが原因かなと思っていました。

 そこで2.2kΩとベースとエミッタの間に付けてみましたが,全く変化無し。これはひょっとすると桁のドライブ信号の速度が速くて,トランジスタがOFF仕切れていないのかも知れないなと思ったのですが,もう測定するのも面倒になったので,放置することにします。


 ということで,たかだかこれだけの話に,2週間ほどかかってしまいました。鈍くさいというか,時間がなくて集中出来なかったとか,まあいろいろ原因はあるんでしょうけども,これくらいなら1日か2日で片付けてるのがこれまでの実績であり,こんなに時間がかかってしまうと,さすがに衰えを感じてしまいます。

 さて,こうして復活を遂げた時計ですけども,どこに設置するのか決まっていないのです。元のように寝室にと思いましたが,電波時計ではないし,今の時計になれているので,今さら置き換えるのもどうかと思います。

 かといって,AC電源の必要な時計を置ける場所は限られていますし,主なところにはすでに電池式のLCD電波時計が置かれています。気温や湿度も表示されるので,今回のLED時計で置き換えると不便になります。

 大きな青緑の表示で,遠くからでも暗闇でもはっきり見えることが最大の売りなのですが,これに見合う場所を考えつつ,しばらくは私の机の上で精度を確認していこうかなと思っています。

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