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2012年03月の記事は以下のとおりです。

006Pニッケル水素電池の充電器は大成功

  • 2012/03/29 10:34
  • カテゴリー:make:

 先日ATtiny2313を使って作った,006Pニッケル水素電池の充電器ですが,ようやく実際に使ってみました。初回の充電ですので念のため電流計を接続し,本当に4時間半の間75mAを流し込めているかを,確認しながらの作業です。

 電流計はアナログテスタであるBX-85TRを使います。動作に電源がいらず,オートパワーオフもないことから,こういう場合にはアナログが便利です。

 気温は22度と適当な温度です。朝の10時半頃に充電をスタートしましたので,3時頃に充電が完了する予定でした。

 結果ですが,まず充電時間については,ぴったり4時間半で充電を停止してくれました。その間の充電電流は,充電スタート時も停止時も,ほぼ75mAで一定していました。大したものですね。

 回路の発熱もほとんどなく,電池もほんのり熱を持っている程度で,危険な感じはありません。充電完了時の電圧を無負荷で測定すると約10.5Vです。1セル当たり1.5Vですので,充電直後の電圧としてはちょうどいい頃合いではないでしょうか。

 あまりにすんなり充電が出来てしまったので,もう1つ2つ同じMR250Fを買おうかと思ったのですが,相変わらず9Vの電池を使う用途が見当たりません・・・

 ないものは自分で作る,が信条の私ですが,さすがに無理矢理使い道を作るなんてのは,おかしいですしね。

 私が持っている006Pを使った機器は,テスターが2つほどと,キットで作ったCメータとLCメータ,BOSSのチューニングメーターであるTU-12くらいです。これ以外に思いつきません。そしていずれも,使用頻度が低くて普通の乾電池で全然大丈夫だったりします。

 つくづく,006Pの出番って少なくなっているんだなあと思いました。

N-30その後

 音楽との向き合い方をまた1使えたネットワークオーディオプレイヤー,パイオニアのN-30ですが,後日談を少し。


(1)インターネットラジオでNHKを楽しむ

 NHKのラジオ放送は,AMが第一と第二,これにFMを加えた3つがありますが,すべてインターネットで配信されています。「らじるらじる」という,どうしてそんな名前にしたのか,誰か止めることは出来なかったのか,と思われるおかしな名前で呼ばれようとしていますが,多くの人がそうであるように私も恥ずかしくて使いませんし,おそらくこのまま廃れて消えゆく運命にある名前でしょう。

 WEBブラウザ,もしくは専用アプリから聞くことが出来ますが,NHKには広告がないですし,しかも全国放送という事もあって,地域による試聴制限がありません。専用アプリでかつ起動時に位置情報を確認するradikoとは,このへんが違います。NHK万歳。

 これをN-30で聴くには,iPad2で受けてAirPlayで飛ばすというのが解決策なわけですが,なんとN-30で直接聴くことが出来るのです。

 元々,N-30などのパイオニアの製品は,インターネットラジオのディレクトリ(案内サイト)にvTunerと言うところを使っています。vTunerに登録されたインターネットラジオのサイトを,N-30が参照して接続に行くわけですね。

 NHKの「らじるらじる」は,残念な事にvTunerに登録がありません。従ってN-30でそのまま聴くことが出来ないのですが,パイオニアは自前でvTunerのようなサイトを運営していて,ここでユーザーごと(厳密には機器ごと)にアカウントを用意し,自分だけのインターネットラジオディレクトリを作る事が出来るようになっています。

 これ,私はほとんど知らなかったのですが,なかなかお金もかかるし面倒ですよ。維持費というのはボディブローの様にジワジワきますし,メンテをサボるとろくな事はないし,うかうかしていると悪い奴らが群がってきて,某ソ○ーさんのように次期社長が頭を下げることにもなりかねません。

 詳しい説明が説明書にもなく,またWEBサイトにもわかりやすいリンクがあるわけでもないので,使いこなしノウハウのようになっているのが現実だと思いますが,これを利用するとNHKがN-30で聴けるようになるのです。

 え,知ってた?すいません。私は感激したもので。

 方法ですが,ちょっとややこしいので手順を書いておきます。まずはアカウント作成からです。

1.まずN-30をInternet Radioモードにする
2.何か受信している状態でHELPを選択
3.Get access codeを選択
4.しばらくするとaccess codeが表示される
5.http://www.radio-pioneer.com/にアクセスする
6.いきなり英語でびびるが落ち着いて上部にある日の丸をクリック
7.一応さらっと目を通し,「同意します」をクリック
8.先程のaccess codeと自分のメールアドレス,パスワードを入力する
 パスワードはなんとN-30でそのまま表示されるので,ばれるとまずいものは使わない
9.「登録」をクリック

 次にNHKの追加です。

1.「別の放送局を追加する」をクリック
2.以下を入力する
 ラジオ局名:NHK第一(あるいはNHK第二,NHK-FMなど,なんでもよい)
 ラジオ局URL:(先頭にhttp://をつけること)
  NHK第一 mfile.akamai.com/129931/live/reflector:46032.asx
  NHK第二 mfile.akamai.com/129932/live/reflector:46056.asx
  FM mfile.akamai.com/129933/live/reflector:46051.asx
 地域:日本
 ジャンル:公共放送
 type:MP3
3.「Go」をクリック
4.これで「追加したラジオ局」にNHKが追加されている

 そしていよいよ,N-30で聴いてみます。

1.N-30をインターネットラジオモードにする
2.メニューに「Added Stations」が表示されるので,これを選択
3.すると先程登録したNHKが表示されるので選択

 なお,access codeは機器をリセットすると変わってしまいます。再取得をしても変わるので,その場合登録をやり直すことになるのか,それともアカウントを作り直すことになるのかは,試していないので分かりません。

 早速聴いてみましたが,音切れもなく快適です。ビットレートはMP3で48kbpsですので全然駄目なのですが,AM放送の第一と第二は帯域も広く,ステレオになりますのでとても新鮮な感動があります。

 一方でFMは駄目ですね。48kbpsでは音もぐちゃぐちゃですし,ステレオの広がりも破綻しています。アナログチューナーと比較するともう余りのひどさに言葉を失います。

 でも,いちいちFMチューナーに切り替えないでNHK-FMが楽しめる訳ですし,先程書いたように第一と第二はラジオよりも音質がよいわけで,設定して置いて損はありません。

 ちなみにこのパイオニアのサイトですが,vTunerに登録されているラジオ局を検索したり,お気に入りに登録したりできます。例えばビットレートの高いサイトを探すなど,とても便利に使えます。インターネットラジオが受信出来るパイオニアの機器を持っている人は,これを使わないと損です。


(2)インターネットラジオの致命的なバグ

 NHKを登録するために,N-30をインターネットラジオにモードを切り替えたところ,画面が全く表示されなくなり,全くキーを受け付けなくなりました。しばらくしてから突然パイオニアロゴが画面に現れ,再起動するという,まったくもって恥ずかしいバグです。

 まあ,この手のバグには概ね寛容な仏のような私ですから,黙って電源を切って再起動。約2分経過して起動すると,iPodやミュージックサーバーへの切り替えは問題なく出来るのに,インターネットラジオに切り替えた途端に真っ暗の画面のまま,そしてやっぱりしばらくして再起動がかかります。

 なんといいますか,歯止めの利かなくなった暴走ポインタがメモリを蹂躙し,そこで平和に暮らす住民達をなぎ倒していく行く様子が目に浮かびつつ,なんとかインターネットラジオを復帰させようとしますが,どうにもなりません。

 やむなく再起動後にセットアップからリセットをかけて,復帰させました。

 このことで,ネットワークなどの初期設定が全て消えてしまいますので,全てやり直しです。大した設定はありませんのでそんなに手間ではありませんが,こんなわかりやすいバグを見逃してええのんか?と首をかしげてしまいます。

 一通り設定を終えてから気付いたのですが,いくらN-30で探しても,それまで聴いていたラジオ局が見つからないのです。

 おそらくラジオ局が閉鎖されたか,トラブルでこけているかして,画面に出てこないのだと思います。

 しかし悪いことに,私のN-30はそのラジオ局に繋いで電源を切りました。再起動後そのラジオ局につなぎにいこうとしても繋がらないということが起きてしまったわけで,異常系の処理に漏れがあったということではないでしょうか。

 ん?てことは,ネットワークを引っこ抜いても同じトラブルが出てしまうのか・・・いくら何でもそんな問題に気が付かないはずはないよなあ。

 よく分かりませんが,今はとりあえず問題なく動いています。


(3)音楽データの整備

 あきらめて非圧縮のPCMデータを曲ごとに単一のファイルで用意したのですが,ファイル名が長くて小さい画面からはみ出してしまい,不便という話を以前書きました。

 WAVファイルはメタデータを入れ込めませんので,ファイル名を工夫するしかないのですが,長い理由はアーティスト名が入ってしまったからでした。

 そこで,アーティスト名を削除し,ファイル名を短くします。数も多いし,手作業では苦行以外なにものでもないですから,ここは自動化を試みます。

 とはいえ,いちいちスクリプトを書くのも面倒なので,それらしいツールを探すのですが,これがまたサブフォルダを検索対象にしないので,ちょっと面倒なのです。

 また,ファイル名の先頭にはすでに曲順が書かれており,曲順と曲名に挟まれた部分だけを削除しないといけないので,ちょっとばかり頭を使わなければなりません。

 今回使ったツールは正規表現で検索が出来るのですが,不慣れな正規表現を使ってなんとか目的を達成しました。しかし,やっていくうちに不具合が見つかり,ファイル名が訳の分からない文字列になったりして,もう大変です。

 一筋縄には行かない数ですので,コツコツをやっていくしかなく,失敗したファイル名を手作業で確認して修正する作業はクラクラします。ですが,なんとかこの週末に終わらせました。

 おかげで画面に出てくる情報は曲名だけになり,随分スッキリしました。手間をかけた分だけ良くなっていくというのは,ネットワークオーディオの神髄かも知れません。


(4)ジャケット写真

 N-30のディスプレイは小さくて,ジャケット写真が出てこなくても別に悔しいとも思わないのですが,それでもちょっとしたアクセントとして表示されていれば,見た目に賑やかで楽しいかも知れません。

 ところがジャケット写真というのは,なかなか壁が高いんですね。まずメタデータを打ち込めるファイル形式かどうか。WAVは駄目です。

 そして,ファイルサーバがジャケット写真を扱えるようになっているか。フォルダに置いた「cover.jpg」をジャケット写真として送信する機能がファイルサーバにあれば,ファイルにメタデータとして埋め込まれている必要はありませんが,これもサーバの機能ですから,N-30側ではどうにもなりません。

 ということで試してみたのですが,結論から言うと,だめでした。Pogoplugには,ジャケット写真を送信する機能はないようです。

 
(5)次なる目標

 ということで,一通り作業が終わって,夢のCDレス音楽生活が始まったわけですが,SACDについては答えがありません。SACDはリッピングも出来ませんので,いちいちディスクをセットする手間も面倒ですし(面倒と思うかどうかは人によるでしょうけど),ディスクの破損に対し無防備です。

 そこで考えたのですが,それなりに高性能なSACDプレイヤーのアナログ出力を,高音質なリニアPCMフォーマットで録音しておけばいいんではないか,と気が付きました。

 どんぶり勘定ですが,SACDは2.8Mbpsの2chで5.6Mbps,CDは0.7Mbpsの2chで1.4Mbpsですから,ざっくり4倍の情報量があります。リニアPCMと違って,その4倍の情報量が全ての帯域に均等に広がっているわけではないというのがSACD(といいますかDSDですね)のミソなわけですが,そもそも24bit/96kHzであってもCDの3.2倍に過ぎません。

 これが24bit/192kHzというフォーマットになってくるとSACDを越える器と断言出来るわけですが,ここまでいくとちょっと大変ですね。私もそんなレコーダは持っていませんし。

 そこで,まあ適当な妥協をして24bit/96KHzのレコーダで録音すれば,SACDのおいしいところ(可聴帯のきめの細かさとか20kHz以上の部分の空気感みたいなもの)がそれなりに取り込めるのではないかと思う訳です。

 N-30は24bit/192kHzの再生能力があります。Pogoplugの容量にもまだまだ空きがあります。そもそもSACDを楽しむのに,PD-D9というプレイヤーの音質丸ごと録音して楽しんでもよいでしょう。

 そう考えると,悪いアイデアではないのですが,いかんせん録音作業が面倒です。一人でヘッドフォンでモニタして,何時間も音楽だけに集中出来る時間など,離婚するまで取れないでしょう。
 
 それに,私の持っているレコーダは,ZoomのH1という,1万円以下の安物です。もっとも,ライン入力で録音するので,価格のうち大部分を占めると思われるマイク関係の部分が関係なくなりますから,それなり音で録音できるとは思いますが,オーディオ用途ではないレコーダが,果たしてこの用途で耐えられるのかどうか,です。

 もし後々,もっと高級なレコーダを手に入れた時に,今回の作業時間が無駄になるのも嫌ですし,さてどうする!?

皿洗いロボがやってきた

  • 2012/03/26 15:02
  • カテゴリー:散財

 とうとう,我が家に食器洗い機がやってきました。

 家事省力化の総仕上げ(自走掃除機のrumbaはちょっとおいておいて)として,また水道とガスを劇的に節約できる経済的な道具として,そしてなにより21世紀の夢として,ずっと欲しかった家電の1つでした。

 子供が生まれ,自分達の活動時間が大きく制限される生活を体験すると,どうやって楽をするか,どうやって作業を並行に進めるかが鍵になります。

 掃除機だって,洗濯機だって,今や当たり前ですが,その昔は「主婦を怠けさせる」となかなか理解が進まなかった家電製品です。食器洗い機だって,今同じようなステージにあるといえるのではないかと思っています。

 とはいえ,私が食器洗い機を導入するまでには,越えねばならない壁がありました。まず,お値段です。一声7万円から8万円という値段は,あらゆるメリットを帳消しにするほどの障害です。

 次に設置場所。床に置くわけにも行かず,食器洗い機専用スペースがあるわけでもなく,水道と排水の工事が必要ということで,結局狭いキッチンしか置く場所がありません。食器を洗うという機能だけで,こんなにスペースを与えてなんとももったいない。

 工事が必要な点も問題です。手軽に買えないこともそうですし,通販で安い商品を見つけても,工事をしてもらえないなら買えません。勢い少々高価な量販店で買うことになってしまいます。

 また,洗剤も専用のものが必要で,私が知る限り,実家ではメーカーが消耗品として販売するものがおすすめされていました。

 最後に洗浄力。手で洗っても苦労するのに,自動で綺麗になるわけがない。

 洗ってふきんで拭いて,という作業は,時間はかかるとはいえ,それほど苦痛でもなく,夫婦の会話の場となっていることを考えると,これを自動化する事は手放しに喜べないと思い,これまで好奇心を押さえつけてきました。

 ところが,今は3月下旬。決算の時期です。在庫を現金化して数字にするため,大なり小なり値引きが行われるため,1年で一番家電が安い時期といってもよいでしょう。

 なにかのついでに,食器洗い機の価格を見て私は目が点になりました。2万円とあるではないですか。先日購入したN-30よりも安いとは,驚きました。

 ここで食器洗い機導入検討委員会が即時発足,委員が緊急召集されました。機種検討,設置場所,工事関係など分科会が直ちに立ち上がり,数時間後には結論が出そろい,その後満場一致で購入を決議,予算取りから決済まで,あっという間に決着しました。

 食器洗い機は,欲しい家電製品No.1であると同時に,買ってがっかりした家電製品No.1でもあります。この辺を軸に,経緯とレビューを書いてみます。

(1)大きさ

 大きさは最大のネックと言っても良いのですが,先日パナソニックから「食器カゴのサイズにおける」という触れ込みの,小型タイプが出てきました。発売時に気になってお店で見てみたのですが,想像していたよりもずっとでかいのです。

 設置面積は食器カゴよりも少し大きいくらいなのですが,フタを開ければ手前に張り出してきますし,後ろも少し空間をあけねばなりません。

 ですが,これまでのサイズに比べればやはり大幅に小さくなっています。これなら,なんとか置けるだろうと,大きさについては割り切ることにしました。

 この段階で気付くべきでしたが,食器洗い機の大きさというのは,結局容量に直結します。小さい食器洗い機というのは,庫内に入れられる食器の数が少ないから実現するのであり,昨今の軽自動車のように,なかは広々というわけではないのです。

 もちろん,パナソニックの小型の食器洗い機シリーズも,夫婦だけの世帯におすすめとありますから,それは分かっていたつもりでした。しかし,後々それもかなり理想的条件のもとであることが分かってくるわけです。

 
(2)機種選定

 小型のもの,というのが選定基準ですので,もはやパナソニック一択です。パナソニックはこの分野でなかなか力を入れているようで,置き場所を問題にする人への回答として,「プチ食洗」というシリーズを3機種用意しています。最上位機種はミストとエコナビ,中位機種は標準的な乾燥までを行う全自動,下位機種は乾燥機能なしの洗浄のみです。

 最初,特価で2万円で見つけたのは,洗浄のみのタイプでした。以前,温水で洗浄するため勝手に乾くことが多く,乾燥機能があっても使わない人が多くいるため洗浄機能のみの機種を用意したという記事を何かで見かけた記憶もあって,これを買おうと思っていたのですが,あれこれ調べていると,乾燥機能があっても綺麗に乾かない場合が多いとか,ふきんで拭くことによる雑菌の付着がないことが食器洗い機のメリットと考えた場合に,乾燥機能がないのは無意味と思うようになりました。

 それに,わざわざ食器乾燥機なるものが売られているくらいですから,食器の乾燥にはそれなりの需要があるはずです。

 さらに調べてみると,同じお店には乾燥機能付きの機種は取り扱いがなく,他のお店で調べてみると8000円ちょっと高い値段で,乾燥機能付きの機種が買えることがわかりました。3割増しの値段というと高い様に思いますが,逆に3割余計に出せば全自動というのは,なかなかお得に思えます。

 で,ミストとエコナビはさらに1万円高ですが,ここまではいらないと判断してやめました。エコナビは気になりましたが,節約できる電気代がわずかですし,水道代も元々食器洗い機は水を節約するものですので,やめました。

 結局,パナソニックの「NP-TCM1-W」に決定です。お値段は約3万円です。


(3)工事

 洗濯機と同じで,設置は基本的に業者に任せるものというのが,食器洗い機の常識だと思います。もちろん,自分でする人もいるでしょうが,それは特殊な人でしょう。

 工事は,主に食器洗い機に水を供給するための「分岐水栓」を取り付ける作業がメインです。水道から食器洗い機へのパイプを接続するために,分岐をつくるわけですね。水回りの工事ですので,ちょっと面倒です。

 私の場合,実は前に住んでいた人が食器洗い機のユーザーだったらしく,すでに分岐水栓がついていました。ただ,いつ頃のものかも,メーカーも機種もわかりませんから,接続出来なければ結局工事を頼むことになります。

 仮に適合しても,経年変化で水漏れが起きたり,正しく動作しないかも知れません。もし工事を頼めない業者から購入し,後で工事が必要になった場合に,私にはそんな業者にあてはありません。

 分岐水栓をよく観察すると,洗濯機のコネクタとほとんど同じです。結構業界内でも統一されているのかもなあと思って調べてみると,ホースを取り付けるコネクタは,どうやら機種やメーカーを問わず,概ね統一されているようです。

 分岐水栓の種類がたくさんあるのは,むしろ水栓側の問題らしく,構造やメーカーによって多くの組み合わせがあることが原因です。確かに,最近の小綺麗なキッチンのように,温度調節とコックが1つのツマミに集約されているタイプで,パイプがキッチンの内側に隠れているような場合,分岐水栓はキッチンの内部に取り付ける必要があります。これは素人には無理ですね。

 まあ,うちは標準的な混合水栓ですので,もしこれが駄目でも自分で分岐水栓を買えばなんとかなるかと,一か八かでいってみることにします。


(4)届いた!

 金曜日の夕方に商品が到着,帰宅後改めて見ると,やっぱり大きいです。これが本当に設置できるのか,不安になります。また,内部は以外に狭く,苦労して設置した割には,わずかな食器しか洗えず,結局手洗いの手間が減らないのではと不安がよぎります。

 そんな心配をしていても仕方がありませんので,翌日の朝から設置を開始します。

 まず,取説とは別に入っている,設置マニュアルをよく読みます。付属の給水ホースは分岐水栓に問題なく接続出来ることを確認済みですので,そこは心配ありません。

 シンクの右側の狭いスペースに置くことにしたのですが,やはりちょっとシンクに出っ張ってきます。しかし,シンクの左側に置いてしまうと本当に狭くなってしますので,ここは無理にでも右側に置きたいところです。

 高さ調整用の足が3突いていますが,これは通常3mm,90度回して取り付ければ5mmのかさ上げが出来ます。水平を出すためのものですが,キッチンの縁の1段高くなったところを利用出来れば思い,いろいろ頑張ってみた結果,やはり不安定で危険なので,あきらめました。

 結果として,シンクの右側に設置することまであきらめませんでしたが,少々シンクが狭くなることについては,妥協せねばなりません。

 冷蔵庫の裏側にあるコンセントに電源を差し込み,アースもちゃんと接続しました。給水ホースと排水ホースも接続完了。案外簡単なものです。水漏れもありません。

 最後に設置マニュアルの通り,試運転を始めます。ここでは,庫内に記された高低2つの印の間に,水面が来ているかどうかを確認します。ちょっと斜めになっていたようで,これをなんどか調整して完了。これもそんなに難しくありません。

 ところが,フタが水栓にぶつかってしまい,完全には開いてくれません。食器の出し入れは結構苦労しそうです。カゴは取り出せますし,ギリギリOkということにしておきましょう。

 ところで,分岐水栓をよく見ると,給湯側についています。最初はあまりに気にしなかったのですが,これってお湯で洗うという事です。果たしてこれで得なのかどうかはわからないですが,運転時間が短くなるそうですので,電気代とガス代の勝負になりそうです。


(5)改めて見ると

 よく見てみると,金属はほとんど使われておらず,外側も内側も,ほとんどがプラスチックです。高級感はありませんが,軽くて上部,温度も逃げず,理想的ではないかと私は思います。

 この手の家電は,様々なモードが用意されており,なんやかんやと切り替えが必要なものですが,NP-TCM1は今年2月の発売にもかかわらずシンプルそのものです。

 電源とスイッチと行程切り替え(乾燥をするかしないか),そしてスタートボタンにLEDが3つだけです。操作面ではなにも工夫出来ません。でも,全自動の装置というのは,これを理想とすべきです。

 ただ,庫内がグレー一色というのは,ちょっと寂しいです。汚れがよく見えるように白にしてくれても良かったし,カゴくらいは別の色にしてくれてもなあと思います。

 また,中国製だからかも知れませんが,全体的に作りが雑です。特にカゴの作りは,実用上何の問題もありませんが,手にザラザラとこすれる感触があり,成型の精度がいまいちであることを物語っています。

 繰り返しますが,別に危険ではありませんし,食器洗い機としての機能になんら問題はありません。

 このカゴはしかし,よく考えられています。狭いスペースにいかにたくさんの食器を洗浄力を維持しつつ並べるか,ミリ単位で検討されたんじゃないかと思います。どんなお皿が置かれてもまっすぐ立つように調整されたクリップや,隣のお皿との隙間が狭くなるよう,ギリギリを狙ってあるあたり,すごいなあと感心します。

 ですが,食器の並べ方が難しく,まるでパズルを解くかのようです。公称18個というのは,かなり特殊な例だと考えねばなりません。


(5)記念すべき第1回

 朝と昼の2階のお皿を説明書の通りに入れて,前日に買っておいた専用洗剤を5g投入。25cmほどの大皿1枚,18cmくらいの中皿2枚,20cmくらいのスープ皿が2つ,あとはフォークやスプーンなどと,無難な数です。

 水がバシャバシャかかる音がしますし,乾燥モードではファンの音もしますが,全然気になりません。手で洗うときの方が水の跳ねる音でテレビの音がきこえないくらいですので,静音という点でも,大きなメリットがあると思います。

 乾燥まで終わり,30分ほど放置してから取り出して見ますと,これがまあピカピカです。手洗いをはるかに超えた仕上がりです。洗い残しもほとんどなく,油もすっかり落ちています。この隙間なら洗い残すだろうと思っていた皿も,両面とても綺麗になっています。

 少し水が残っているところもありますが,わずかですのですぐに乾きますし,問題になりません。

 この段階で,食器洗い機の威力を見せつけられ,洗浄力についての疑問は払拭されました。

 そして,驚くべきは水の使用量が少ないことです。もともと夏場に水不足になる地域では,食器洗い機に自治体からの補助金が出ていたくらいですので,今さら驚くべきではないのでしょうが,排水ホースから出てくる水をみていると,良くもこれだけで洗い上げるものだと,感心します。

 スペックによると,1回の洗浄で9リットルの水を使うとのこと。ポリタンク半分の水で最大18枚のお皿を洗うわけですから,なかなか大したものです。

 それと洗剤です。専用洗剤はどうしても高価で,へたをするとメーカー純正品を買うしかないかもと思っていましたが,すでに純正品というのはなくなっており,洗剤メーカーから様々なものが売られており,スーパーで普通に選んで買うことが出来ました。

 私は,評判から「ハイウォッシュジョイ」を選びましたが,そうも洗浄力には大きな差があるらしく,洗剤選びも使いこなしのポイントになるようです。

 1回5グラムですので,700グラムだと140回分です。1週間に10回として,14週ですから,3ヶ月半という計算です。購入価格は確か500円ほどでしたから,1ヶ月で150円ほど。これなら全然問題ないでしょう。


(6)第2回目

 夕食のお皿は30cmほどある大皿が2枚,中皿が数枚という程度で,別に数は多くないのですが,説明書によるとお皿の最大径は24cmまでとあり,明らかに大皿が入りません。

 立てられないだけで,少し斜めに入れれば入るだろうと,無理に入れてみたのですが,その結果本来入るべきお皿が入らなくなり,スペース効率から言うと最悪です。

 それでも無理矢理ふたを閉めて洗浄スタートです。

 仕上がりをみると,大皿に汚れが少し残っています。ショウガの繊維ですので,洗い残しと言うより,循環させた水によって付着した汚れでしょう。すすぎの段階で落ちるべきなのですが,それが残ったというのは,やはり無理にお皿を入れたせいだと思います。


(7)第3回目

 翌日,朝昼晩の食器をすべて洗うことにしたのですが,さすがにこれは量が多くて,結局大きなお皿は入りませんでした。もともと魚用の角皿は長くて入りませんし,和食用のお鉢も,入れてしまうと他が入らなくなるので,結局手洗いです。

 最初から全ての食器が入らないことが分かっている以上,出来るだけ多くのお皿を,綺麗に洗えるように配置することに腐心することになるわけですが,10分ほど汚れたお皿と格闘し,なんとか上手く入れることが出来ました。おかげで手が油でぎらぎらです。

 しかし洗い上がりは問題なし。綺麗に洗えていますし,少し残った水も取り出してしばらく放置すれば乾いてくれます。

 しかし,食器洗い機が動作している間,私も一緒に入らなかった食器を手洗いしていましたので,ロボットと一緒に共同で家事をやっているような気分になり,食器洗い機に妙な親近感がわいてしまいました。


(8)今日までに分かったこと

 ということで,わずか2日間しか使っていませんが,反省点や運用の工夫をいくつか思いつきました。

・食器が案外入らない

 多くの方が,思った以上に食器が入らないといっていますが,これはまさにその通りです。NP-TCM1は2から3人分,18枚の食器が入るといいますが,まずこの数は入りません。一人分は割り引くべきと言うのは,その通りだと思います。

 1つは奥行きの問題。大皿などは上下よりも奥行きの問題で入りません。無理に入れると他の食器が入らず,無駄なだけです。

 もう1つは,形状です。標準的な食器ならそうでもないのでしょうが,少し大きなお茶碗だと,深さの関係で隣の食器と干渉し,1つあけて置かねばなりません。そのせいで1つ食器が減ってしまいます。

 ですので,食器洗い機を優先するなら,食器洗い機に適したサイズの食器を統一して使うことが理想な訳ですが,それではあまりに味気ないです。


・小物を中心に入れる

 大物を入れると得な気がするのですが,実は食器洗い機の威力は小物を一気に片付けられることにあります。何度も何度も小さいお皿を洗って拭いてというのは,水ももったいないし,手間もかかります。大きなお皿は手洗いでもそんなに負担になりませんし,そもそも投げやフライパンは手洗いにするしかありません。

 どうせ全てが食器洗い機で洗えないなら,何を洗うか,きちんと決めておくのがよさそうです。

 箸とかスプーン,しゃもじは特におすすめです。


・洗ってはいけないもの

 プラスチック製の食器は変形する可能性があるし,クリスタルガラスのグラスは曇るので,やはり食器洗い機では洗えません。

 これに加え,エポキシ接着剤で補修を行った食器も使えません。欠けた茶碗の補修に使っていたのですが,盛った部分が熱で変形していました。

 エポキシ樹脂に毒性があることは分かっていましたが,端っこのちょっと欠けた部分ですし,火にかけるようなものでもありません。それに私しか使わないもので,手洗いなら問題ないと考えていました。

 しかし,食器洗い機になると,水が循環しますので,熱によって溶け出した化学物質が他の食器も汚染することになります。これは面倒な話です。

 金継ぎといって,割れた瀬戸物を漆で接着し,金箔で割れ筋を装飾するという技があるので,これで修理すべきだったのですが,安易でした。

 この茶碗は手洗い専用にするか,別の方法で修理するか,あるいは処分するかを考えないといけません。


(9)ということで

 まず,食器洗い機に盛っていたネガディブなイメージは,ほぼ払拭されました。洗浄力,価格,ランニングコスト,騒音,設置場所,工事といった心配事は,すべて杞憂に終わりました。

 ただ,大きな障害になっているのは,一度に洗える量が想像以上に少ないことです。また,大きな食器は最初から洗うことが出来ません。どうしても手洗いで洗うものが残ってしまうのです。

 もちろん,炊飯器の内釜とか鍋などは最初から手で洗うことにしていましたが,それ以外のものを食器洗い機で洗うことも,実際にはなかなか高いハードルです。

 そうなると,あとは運用でカバーするしかなくて,大きなお皿は最初からあきらめるとか,小物を中心にするとか,そういう工夫は前述の通りです。

 また,食器が少ないのに食器洗い機を使うと逆にもったいないわけですし,どのくらいの量で食器洗い機を使うとリーズナブルなのかという点は,もう少し使って見ないとわからないです。

 また,まだ慣れていないからなのですが,カゴに食器を入れるのが一苦労で,時間もかかるし手も汚れます。その間に手洗いできるくらいの時間がかかっているかも知れません。乾燥までやってくれるから,と頑張っていますが,ここもやはり手際よく出来るようにならないと駄目ですね。

 ということで,現時点では,まだまだおすすめ家電というわけにはいきません。大方の心配事には「大丈夫」と言えますが,プチ食洗は食器の数だけではなく大きさも制限を受けるし,思った以上に入りません。設置場所が許す限り,大きなものを買うことがおすすめというところでしょうか。

 私としては,まず庫内を広く取るために,内張をもっと薄くするということ,フタの裏側をもっとえぐってこのサイズで26cmくらいまでの皿を格納出来る事,そして高さ方向にもう少し伸ばして,長い角皿を入れることが出来るようになると,よいのではと思います。

 食器洗い機を使いこなすために,使う食器の数を減らすとか,気に入っている食器をやめて食器洗い機に最適な食器に買い換えるとか,そういう話になると本末転倒な気がします。

 省力化によって時間的ゆとりが生まれるはずですが,一方で気分的ゆとりが減っていくことになるとは,ちょっと想像していませんでした。

 とりあえず,生活の一部になるように,使いこなしていこうと思います。

006Pニッケル水素電池の充電器を作る

  • 2012/03/23 11:10
  • カテゴリー:make:

ファイル 553-2.jpg

 006Pという9Vの角形電池があります。積層電池といい,通常の1.5Vの乾電池の小型のものを6つ積み重ねて9Vにしています。一説によると,ソニーがその昔,小型のトランジスタラジオを作ったときに,手頃な電池がないことから自ら作った電池と言われていますが,真偽の程は分かりません。

 006Pは安価で9Vの電圧の得られる電池としてそこそこメジャーな存在ですが,近年の電子回路の低電圧化や低消費電力化,さらには低い電圧を昇圧して任意の電圧を得る電源回路の搭載などで,電池寿命が短く,大電流を引っ張れない006Pを使う例は,非常に少なくなっている印象です。

 私が子供の頃には,なにかというと006Pで,特にトランジスタ数石で作られたようなオモチャ関係は,軒並み006Pでした。端子が列んでいるのでショートしやすく,電池スナップの断線が多かったことも,懐かしいです。

 ギター用のコンパクトエフェクターやチューニングメーターなどは,未だに006Pが使われているようですね。小電力のアナログ回路は電流はそれほど必要なくとも,電圧が高いと性能を上げやすいものです。

 さて,私は家の電池のほとんどを二次電池にしました。デジカメはリチウムイオンですし,乾電池のたぐいは可能な限り,ニッケル水素電池(というかエネループ)にしました。電池を買うのも,ストックしておくのも,もう必要がないわけです。

 ニッケル水素電池は使い方さえ正しければ,非常に良い特性を持つ電池です。それで,技術的な興味として006Pのニッケル水素電池を使いこなして見たいなあと思っていました。

 しかし,家電量販店で売られているものは非常に高価です。充電器も別売りですし,使うあてがないのに買うには,ちょっと冒険です。そこで,makerの強い味方,秋月電子を見ていると安価なものが何種類か売られています。

 このうち,私はMR250Fという型番のものを買ってみました。ニッケル水素電池の1セルあたりの電圧は1.2Vですので,6つ積層しても7.2Vにしかなりません。そこでこの電池は7セル積層し,8.4Vの組電池にしています。電流は250mAhということですので,なかなか高性能ではないでしょうか。1つ650円。

 届いたMR250Fは,本来なら一度満充電にしておく必要があるのですが,あいにく充電器の用意が出来ていません。作戦としては,かつて秋月で購入したMAX713を使った急速充電器を改造するというものです。

 MR250Fの充電条件は,標準で14~16時間@25mA(0.1C),急速で4.5時間@75mA(0.3C)です。0.5Cで3時間充電や,1Cで1.5時間充電というような急速充電は行えません。

 これに従い,0.3Cという急速充電にしては穏やかな電流で充電を行うよう改造を行ったのですが,どうもうまくありません。充電が行われない,あるいは一瞬で終わってしまうのです。

 いろいろ検討してみましたが,どうもMAX713そのものの問題のようで,工夫のしようがないことが分かってきました。MAX713は急速充電で顕著に表れる,充電完了時に電池電圧が下がるという特性を利用した充電ICですが,0.3Cくらいだとその変化が小さく,なかなかつかまえられません。

 だから誤動作しているという結論ではないのですが,どちらにしても75mA程度の充電電流では上手く動かないのも仕方がないし,それに0.3C充電くらいだったら多少充電時間が増減しても電池を痛めることはありません。

 そこで,よく分からないICに頼らず,定電流回路を組んでみることにしました。ちょっと多めの電流を流せる2SC2120が腐るほどありますので,これを2つ使って75mAの定電流回路を作ります。

ファイル 553-1.jpg

 上記のようなよく見る簡単な回路です。ミソはQ2のエミッタとGNDに入った抵抗で,ここが電流を決めます。後述のように,私の場合は充電のON/OFF制御を行うために,Q1のベースをVccに繋げず,マイコンの出力である5Vに繋げますので,やや少なめの電流値になってしまい,最終的には切った貼ったで調整をしています。

 なにせ数Ωの抵抗ですので,なかなか調整が難しいのですが,まあ細かい事は気にしません。

 14V程度の電圧を加えてテストを行いましたが,問題なく約75mAの電流が電池に流れ込んでくれています。よしよし。

 このまま使おうかと思ったのですが,私のようなうっかりさんは,ついつい4時間半を過ぎてそのまま充電をし続けてしまうことでしょう。過充電によって電池が壊れ,万が一爆発でもすると,かのエジソンが子供の頃に,列車内での新聞売りの合間で行っていた化学実験中に火事を出してたたき出されたように,私も家をたたき出されてしまいかねません。

 そこで,うっかりな私をサポートすべく,4時間半で充電をストップするタイマーを作る事にしました。これで心置きなくうっかりできますね。いやなに,1つ100円のマイコン,ATtiny2313を使えば,なんということはありません。

 時間は固定,電流も可変にしませんから,充電中のLEDとスイッチを2つほど用意すれば済むだけなので,本当に簡単なはずですが,考えてみるとこれだけでは開発中に,動作の確認が非常にやりにくいですね。本当に4時間半も見張っていないといけないなんてのは,うっかりな私には厳しい要求です。

 そこで,ちゃんと残り時間を表示するようにディスプレイを用意しましょう。7セグLEDでいいと思うのですが,時間と分,さらに秒まで表示すると5桁用意することになります。

 うーん,配線が面倒くさい。ダイナミックドライブも面倒くさい。

 ということで,贅沢に16桁x2行のおなじみのLCDを奢りましょう。スイッチは2つ。制御用の出力を1つ用意し,ついでにLEDも点灯させましょう。

 回路図を書くのが面倒くさいので,さくっと省略。

 ソフトについては,4時間半という長時間タイマですのでそこそこ正確なタイムベースが必要ですから,4.194303MHzの水晶発振を利用し,これを16ビットカウンタで分周,1秒ごとに割り込みを発生させてダウンカウンタを減らしていきます。これがゼロになったら充電を停止するだけ,の話です。

 ですが,なめてましたね。1時間ほどでソフトをザクザクと書き,回路を組んで書き込みましたが,LCDがちゃんと表示されません。しかも充電制御の端子が一瞬だけHighになり,すぐにLowに落ちてしまいます。

 LCDのライブラリは自分で作った実績のあるものなのに,おかしいなあと思って悩むこと1時間,私のライブラリはLCDを繋ぐ端子が固定されていて,今回の回路ではちゃんと動いてくれないのでした・・・うっかりですね。

 ポートの割り当てを変更して書き直しても良かったのですが,スイッチとLCDとタイマを使ったよくあるマイコンの用途を手軽なものにするため,これを雛形にしようと目論んでいた私は,汎用性の高いフリーのLCDライブラリをそのまま使う事にしました。ピン配置も自由ですし,tiny2313だけではなく,他のAVRにも対応出来ます。

 これで問題が一気に解決。あとは細かいバグを取り,多少の機能追加を行って完成です。

 リセットボタンで充電時間を4時間30分に初期化できるのですが,この状態でさらにリセットボタンを押すと15分ずつ時間が短く設定出来ます。

 また,スタート/ストップボタンで充電を始めたり止めたり出来ますが,時間のリセットは行いませんので,あくまで「ポーズ」です。

 ソフトも完成し,定電流回路とも接続が終わり,全体のテストも完了。時間も正確で,なかなか綺麗にまとまりました。

 初回の充電は電流計を接続し時間と一緒にモニタし,事故に備えて安全に配慮する必要がありますので,まだ実際の充電を行ってはいませんが,まあ大丈夫でしょう。これから機会を見つけて試してみたいです。

 うまくいったら,MR250Fをもういくつか買っておくのも良いですね。余力があれば,他の種類の電池も充電出来るように,充電電流も切り替える事が出来るとさらによいのですが,数Ωの抵抗を切り替えるのはなかなか難しいですから,定電流回路そのものを切り替えるのがよいように思いますけど,なんか面倒ですね。

 冷静に考えたら,006Pを使う機器が全然手元になくて,充電した006Pの使い道がないことに気が付きました。うーん,どうしたものか。

 ところで,この検討で,アナログの電流計が必要になり,中学生の時に購入してとても大事に使ってきた,サンワのアナログテスタ「BX-85TR」を久々に引っ張り出して来ました。

 しかし,どうも様子がおかしいです。テスタを左右に振ると,ゼロ点がずれます。しかも,途中で針が止まってしまうこともあります。メーターが故障している可能性があるわけですが,そうなるともう修理も難しいでしょう。

 あれこれといじって見ましたが,改善しません。あきらめて分解してみようとメーターを固定する内部のネジを緩めてみると,なんと針が途中で止まることがなくなりました。

 左右に揺すってゼロ点がずれる問題はまだ少しだけ残っていますが,それでも随分マシになりました。筐体が30年近い時間をへて歪んでしまい,メーターの可動部が動きにくくなってしまったのでしょうか。

 精密機械であるメーター部分を素人がいじるとろくな事がないので,もうこれであきらめます。そもそもアナログテスタですから,絶対精度はそれほど要求しません。

 しかし,なかなかショックな出来事でした。

Boogie Boardの電池が切れた

  • 2012/03/22 17:22
  • カテゴリー:make:

 Boogie Boardがこわれました。

 書けるのですが,消せません。

 消せないBoogie Boardは,ただのBoardだ・・・

 というわけで我々は,夫婦間の貴重な意思伝達ツールを失い,家庭崩壊の危機に瀕していました。

 こういうとき,私は連打とか力任せに押すとか,そういう頭の悪いことしか思いつかないわけですが,嫁さんは絶妙な力加減で,見事に消したりします。その見事な集中力には,まさに「道」というにふさわしい,凛としたものさえ感じます。

 まあ,消せなくなった原因(後述)を考えると,これは全くのウソだったわけですが。

 悔しいので,私はその持てる技術を総動員し,Boogie Boardの修理を試みました。

 Boogie Boardは2500円くらいで販売されている「電子黒板」です。電池寿命がながいので,基本的にははめ殺しで,電池が切れたらゴミとして捨てられる運命にあります。

 これはちょっともったいないのですが,電池が交換出来るようにするといろいろ面倒でお金もかかりますし,数年電池が持つならばそれでいいじゃないかという割り切りは,Boogie Boardの美点でもあります。

 でも,嫁さんが操作すると消えるわけですから,電池が切れている可能性は少ないんじゃないかと,とりあえず分解します。

 どうせネジ止めなどされていないだろうと思っていたら,なんと表面のシートを剥がすと,4本ものビスが顔を出しました。これを緩めるとスイッチの部分がパカッと外れて,基板と電池があらわになります。

 この状態でスイッチを押しても,やはり消えません。接触不良か電池切れのどちらかだと思うのですが,まずは電池の電圧を測定すると,約2.7Vと出ます。かなり減っていますが,これで直ちに動かなくなると言うのは,ちょっと違うかなあという気もします。

 ハンダ付けされているリチウムコイン電池を外して,外部電源に繋いで試してみようと,電池のハンダを溶かします。するとあら不思議,消えるようになったではありませんか。

 接触不良かもなあと思って,何度かスイッチを押しますが,確実にLCDは消えてくれます。いくつかの部品の端子をハンダゴテでなめて,ハンダの接続を良くして置きました。

 はっきりした原因がつかめないままですが,動くようになってしまったので,ここで一度ふたを閉めて,現場に復帰させました。

 しかし,数時間度もう一度試すと,やはり消えません。問題は接触不良ではありませんでした。

 うーん,今度ばかりは真面目にやらないとだめですね。もう一度分解し,電池を外しました。

 電池を外し,安定化電源を接続して動作電圧の下限を調べてみたのですが,1.7V付近でも画面を消すことは出来ます。マイコンがMSP430F2000シリーズですから,低電圧でもとりあえず動作するのでしょうね。

 だから,2.7Vの電圧がある電池で動作しないというのはおかしいのですが,推測するに,この手のLCDというのは消去する時に一気に大電流が流れますから,ここで電圧が急激に下がって,リセットがかかっているんではないかと思います。

 まあ,とりあえず電池に原因がある事が分かったので,電池を交換しようと考えたのですが,手持ちのCR2032もそうですし,そこら辺で普通に入手出来るのも,ハンダ付けが出来るタイプではありません。

 今後のこともあるので,この際ですから電池ホルダを搭載しましょう。秋月あたりで手に入る電池ホルダは安価で小型なのですが,あいにく私が持っているのは高信頼性でがっちりした作りの,パナソニック製のものです。

 これをあれこれ工夫して,もとの電池の位置に取り付けてみたのが,下の写真です。

ファイル 552-1.jpg

 なにせ厚みがありますので,不格好なのはもう仕方がありません。それでもそこそこ小綺麗にまとまっているように思うのですが,いかがですかね。

 冷静に考えてみると,こうやって元の大きさに収まらない以上,CR2032にこだわる必要はなくて,もっと小さい電池を使っても良かったでしょうし,逆に居直って単三二本とかを外にぶら下げても良かったかもしれません。頭が固いというのは,嫌なものです。

 今にして思うと,最初の修理で一時的にLCDが消えるようになったのは,電池がハンダゴテの熱で熱くなり,電圧が上がったせいでしょう。電池は化学反応で電気を出す道具ですから,温度が上がればそれだけ活発に反応が進むものです。

 ということで,外観は別にして,機能的には完全復活です。ばっちり書いて消してが可能です。今後電池が切れても交換して末永く使うことも出来ますし,夫婦円満間違いなしということで,めでたしめでたし。

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