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2019年12月の記事は以下のとおりです。

ルンバの充電不良

 うちは年末年始に家電が壊れることが多く,年末の休みに掃除機の修理をしたり,年明けの初売りで電子レンジを買ったりと,面倒な事が起こります。

 今年はなにが来るのかなと思っていたら,ルンバでした。

 うちのルンバ770は2013年5月にやってきて,2017年3月に大修理を行っています。この時780の基板と入れ換えているのですが,ブラシの劣化でゴミ取り能力が低下しているとはいえ,それなりに使えていました。

 ところが2週間ほど前から,充電が終わらずエラー5が出るようになりました。なるほど,充電も出来ていません。

 エラー5を調べてみると,充電が出来ないエラーとあり,電池の端子の汚れか電池の劣化が原因のようです。前回の電池交換から3年ほど経過しているので,さもありなんと,新しい電池の手配をしました。

 そのうち,充電そのものが始まらなくなって,スタンドに自分で乗っかることも出来なくなりました。なんだか悲しいですね,まるで飼っていた猫が歳を取って自分で水を飲めなくなっているような感じです。

 ただ,本体にあるDCジャックに直接アダプタを差し込むと充電します。問題なく動作するので,最悪この形で使い続けることは出来そうです。

 で,まず最初に疑ったのは電池ですが,届いた新しい電池に交換しても同じで,充電が始まりませんでした。ACアダプタの故障は,本体に差し込めば充電するのですから,これも違うでしょう。

 そうすると充電スタンドの可能性が高いのですが,回路図もないのでよく分かりません。とりあえず本体と接触する電極間の電圧は約3Vで,充電出来るほどの電圧は出ていません。

 なら,ここをONするFETが壊れたのかもと,似たような品種に交換しますが全く変化なし。冷静に考えて見ると,ここに金属のもの(例えばはさみとか)が乗っかってショートしたら事故になりますから,低い電圧で高いインピーダンスにしておいて,ショートしても安全なように作りますわね。

 本体がつながったことを検出する方法は,本体に高めの抵抗を仕込んでおいて,これが電極に繋がった時の電圧がある範囲に入っていたら,スタンド側の電圧を一気に上げ,本体側もその電圧を検出して充電回路をONすれば,危険はなくなります。

 ということで,壊れている可能性はスタンドと本体にあるのですが,どっちも回路図がありません。仕方がないのでまずは本体の基板を交換することにします。

 で,交換してみましたが,全然変わらず。充電出来ません。充電出来ないので,本体がスタンドに到達しても止まってくれません。

 そうなるともうスタンドだろうなと思うのですが,こちらは基板もないし,修理のしようもありません。仕方がないので,中古品を手配します。2500円ほどでした。ちょっと高いかなあ・・・

 注文した直後に,もう一度試してみようとスタンドに置いて見ると,あれ,充電を始めました。何度やっても充電します。以前のように長時間の充電でエラーが出ることもありません。スタンドに戻ると充電を開始し止まってくれます。

 あれ,なおった?

 翌日タイマーで掃除してもらいましたが,帰宅するとおすまし顔で充電スタンドに座り,充電していました。

 うーん,少なくとも充電が出来ているので,今はスタンドは悪くないでしょう。アナログ的な要因が大きな本体側の問題のように思いますが,すでにルンバ700シリーズは使い古された機種で,TipsもHackも世界中に散らばっているはずです。同じような問題が出ていないか調べてみます。

 すると,ありましたありました。充電出来ないという問題が。

 なになに・・・本体側のDCジャックの接触不良とな?

 ルンバのDCジャックは,差し込まれればACアダプタがと充電回路が繋がりますが,抜かれればスタンドからの電源と充電回路が繋がるように,切り替わります。

 この切り替えは,DCジャックが差し込まれることで機械的に行われるのですが,このスイッチ機構の接点が腐食して,接触しているのに導通しないと言うことがおこるのだそうです。

 接触抵抗が高いと電流が十分に流れません。それで充電不良となりエラー5が頻発するようになり,やがて充電も出来なくなってしまいます。

 さらに,DCジャックを何度か抜き差しすると接触面の酸化膜が剥がれ落ちて,導通が復活します。

 で,この部品は基板ではなく,本体のシャシーに取り付けられているので,基板の交換では入れ替わりません。ずっと不良のジャックが使われ続けていたわけです。

 なるほど,今起こっている現象が全部説明できました。

 つまり,基板の交換は無意味,2500円出して用意した充電スタンドは無駄,電池も新しいものを買う必要はなく,分解することもしなくてよいことだった,という事になります。

 ああ,なんと無駄な事を・・・

 それでも,最近はあって当然のルンバが復活したことはうれしいことで,また我々家族の視線が彼に向かうきっかけになったのは事実です。電池は3年も持てば大したもので,そろそろ交換してもよいと思っていましたし,スタンドも万が一の為の予備だと思えばいいことにしましょう。

 

4000円のモニタヘッドホンはいけそうか

  • 2019/12/12 15:19
  • カテゴリー:散財

 私はサウンドハウスという販売店が好きなのですが,楽器関係の買い物をそうそうすることもなく,顧客としては一見さんのレベルです。

 そんなサウンドハウスの取り扱い製品のうち,以前からとても気になっていたものがあります。モニタヘッドホンのCPH7000というモデルです。

 これ,サウンドハウスのオリジナル商品で,元々安かったものが更に値下げされ,現在3980円でいつも買えてしまう,アラウンドイヤーと呼ばれている耳をすっぽり覆う形の密閉型ヘッドホンです。

 4000円とはおよそ思えない作りの良さとモニタらしいストイックなデザインがとても気になっていて,評判も良いので何かのついでに買おうと思っていました。

 今のようにヘッドホンがブームになる前の随分昔からヘッドホンは好きでいろいろ試してきましたが,結局のところリスニング用にSTAX,モニタ用にはT50RPmk3で現在落ち着いています。

 ここでもソニーのMDR-M1STを買ったことを書きましたが,解像度の高さや定位の良さ,音の近さと装着感に優れていることは理解しつつ,STAXとT50RPmk3のタッグに今一歩及ばずという事で,控え選手に甘んじています。

 ただ,ヘッドホンというのは身につけるものという性格上傷みも思った以上に進みますから,消耗品という割り切りも必要な場合があったりしますので,ラフな使い方をするとするとき(それは大音量を突っ込む時もそうです)にはできるだけ安いものを使って,どんどん使い潰すという工夫も必要だったりします。

 そういう観点で,このCPH7000が4000円というのは実に気になる存在だったのです。

 4000円ですから,多少の問題は目を瞑ることができるでしょう。問題は4000円だからとあきらめることの出来るレベルかどうかなわけで,こればかりは主観で評価せざるを得ません。

 ということで,他の買い物のついでに,念願?のCPH7000を買いました。

(1)作りと質感

 これはもう4000円とは思えないですよ。さすがに1万円と言われれば抵抗がありますが,6980円や7980円と言われても納得します。

 装着位置調整用のスライダは作りが雑で,動きにスムーズさもなければクリック感も乏しいのでここだけは3000円だなあと思いますが,全体に華奢な感じはしませんし,イヤーパッドやヘッドバンドもしっかり作られていて感触もよいです。このあたりは少ない予算内でもこだわって作られた部分なんじゃないでしょうか。

 装着感も良くて,違和感もなく,長時間の装着でも痛くなったり疲れたりはしません。その点で言えばT50RPmk3の方が痛くなるし疲れます。

 ケーブルもやや長めに作られていて,取り回しと動き回れる範囲のバランスのギリギリの所をねらっている気がします。これもこだわっているんだと思います。

 確かに可動部分がギシギシいったりしますが,私個人はあまり気になりません。この程度ならいくらでも工夫ができます。


(2)音質

 で,肝心の音質なのですが,これはこの値段ならよく頑張っているんだけど,モニタには使えないなあ残念だなあ,と言うレベルでした。

 というか,値段相応という言い方は適当ではなく,こういう音に調整をしたんだろうなと思いますが,私がモニタに望む音とは違っているのでがっかりだという感じです。

 CPH7000ほど,レビューがばらつくヘッドホンもないと思う訳ですが,私の感じたことはとにかく高音がキンキンザラザラしていることです。高音に軸足をおいた調整がされているのだと思いますが,STAXやT50RPmk3に比べてかなり高音が出すぎています。

 耳障りでうるさいという話ではなく,明らかに音色に変化が出てしまうほど,高域の特定の周波数にピークがある感じです。

 相対的に低音は出ていないように聞こえます(でもちゃんと出ているようです)し,中域の太さや艶やかさもないので,表現力はかなり乏しいと思います。

 例えば,1万円を越える標準的なモニタヘッドホンがパチンコ玉の表面のツルツルときちんと表現出来るとすれば,STAXは表面に映り込んだものが見えます。一方CPH7000は表面がツルツルかどうかわからない,という感じです。

 それでも,それがパチンコ玉とわかるくらいの表現力はあり,その色や大きさは概ねつかめます。これって結構大変なことで,4000円で実現している事には素直に感心します。

 周波数特性としては高域の不自然な強調が厳しい,という結果ですが,位相特性は良好です。音が散らず,比較的定位にも安定感があります。これはよいです。

 左右のバランスも良くて,これは大したものだと思いました。
 
 価格相応だと思ったのはリニアリティで,特に小音量時の再現性が急激に悪くなることがあります。残響音の消え方が不自然です。

 モニタ用ヘッドホンの評価基準には,音の近さというのもありますが,CPH7000はやや遠い感じがします。先程定位は安定していると書きましたが,実はもともと音がやや遠く,コントラストが良くなくて,音の輪郭がボヤーとしています。この点でもSTAXほどの切れ味はありません。


(3)結局

 見た目は○,作りも良く,装着感も十分高いのですが,音が理由でモニタ用途には使えません。また高域の不自然さはしばらく使っていれば慣れるから,と言うレベルではなく,使っている間ずっと耳に刺さってきます。これも厳しいです。

 それから小音量時の表現力の乏しさです。これだとモニタ用も厳しいですし,リスニング用としても楽しくないでしょう。エージングをすれば軽減されるかも知れませんが,消耗品であるヘッドホンでエージングとはすなわち消耗そのものなので,私はエージングを前提にして欲しくないなあと本音では思っています。

 他の特性は悪くないので残念ではありますし,特に高域の強調についてはお金がかけられないからこれで我慢したという感じではなさそうなので,音決めを行った人の好みというか,明確な意思ではないかと思います。だから,彼の好みに私が会わなかったというだけの話ですから,良い悪いではないということなのでしょう。

 ということで,もうちょっと使ってみようと思いますが,STAXを手に取ったときに感じるあの高揚感や,T50RPmk3を手に取ったときに安堵感のようなものを自然に求めてしまうことは避けられず,CPH7000には手が伸びません。

 特性を理由に使わなくなっているわけですから,他の人にプレゼントするわけにもいかず,どうしたものかと思っています。

 これで4000円は確かに安いと思います。使い道を考えれば十分使えると思います。しかし,私には4000円でも使い道がないものになってしまいました。

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