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2015年01月の記事は以下のとおりです。

NAMM2015雑感

 恒例のNAMMのレポートを見ると,年が明けたことを実感するのですが,ハードシンセが今ひとつ元気のない昨今においても,毎回毎回面白い情報を耳にしますし,そこからいろいろ考えさせられるきっかけになっています。

 ということで,少々今年のNAMMショーに雑感を。

・JD-Xi

 ローランドは昨年,創業者と新社長との間ですったもんだがあり,音楽業界のみならず経済紙でもその泥仕合っぷりが採り上げられたわけですが,新体制になったことで,良く方面での影響が出てきているように思います。

 よくよく考えてみると,ローランドは非常に保守的な体質で,音源の進歩も新しいコンセプトの提案もきちんとやっているメーカーではありましたが,変えない所は絶対に変えない,譲らないところは絶対に譲らないという,頑固なメーカーでもありました。

 そこが,ローランドの好きなマニアには忠誠心を誓うに値する姿勢であったわけですが,一方で他社を受け入れない壁にもなっていたと思います。

 例えば,ミニ鍵盤。例えば,ピッチベンドホイール。

 ローランドには,この2つを搭載したモデルは過去にありません。それがローランドのアイデンティティと解釈されていた節もありますが,そこにこだわっているローランドに好感を持つ人が,どれほどいたかと思うのです。

 ということで,ローランドが今回のNAMMで発表したJD-Xiは,それまでのローランドがやらなかった3つのチャレンジをやってくれました。

 1つはミニ鍵盤。KORGもYAMAHAもやっているミニ鍵盤を,ローランドはこれまで一度もやったことがありません。ショルダーキーボードでも,DTM用の鍵盤でも,一貫して標準鍵盤でした。

 しかし,よいミニ鍵盤なら問題ないという前例をKORGが作ったことで,ミニ鍵盤に対するアレルギーが,プレイヤー側からも消えつつあるように思います。そうなると,標準鍵盤にこだわるのは損なわけです。

 次にピッチベンドホイール。ローランドは30年以上前から,独自形状のスティック型のピッチベンダーを採用し続けていました。ジョイスティックという人もいますが,ローランドのものは下方向に動きませんので,三方向のジョイスティックというのが正しいでしょう。

 これも,最初は左右だけの「レバー」だったのですが,上方向にモジュレーションを割り当てたことで,ローランド独自になりました。私はこれでないと,自由に演奏出来ないのですが,世の中はピッチベンドとモジュレーションは別々のホイールになっているのが普通です。

 JD-Xiでローランドがこの2つのホイールを搭載したことが,私には一番驚きでした。ユーザーインターフェースを変えることは良くないという姿勢に好感を持つ人もおいと思いますが,同時にマジョリティに受け入れられる必要性もあるわけです。

 最後に,アナログへの回帰です。ローランドは,これも頑なに,アナログへの回帰を拒んできました。もちろんアナログモデリングはやっていますが,昔のシンセの復刻には非常に慎重で,触ってみると「ああJupiterだな」と思うことがあっても,そこをJupiterの復刻とは言わないメーカーでした。

 Jpuiter-80だって,見た目はJupiter-8っぽいですが,音はそんなことはないし,多機能で今風の音がする,Jupiterとは違うシンセです。Jupiterの復刻を願う人からは「なんか違う」といわれ,最新のシンセを期待する人からは「今さらJupiterか」とそっぽを向かれるわけで,この不遇な感じは直視できないものがありました。

 しかし,ARIAでTR-808やSystem100を「復刻」してしまった以上,もう怖いものはなくなったのでしょうね。一気に突き抜けて,本物のアナログシンセを内蔵してしまいました。

 ただ,どうも見ている限り,1VCOのモノフォニックのようなので,どこまで本気で使えるのかわかりません。

 そして,5万円という価格も,ローランドが初めて狙っていくところじゃないかと思います。

 個人的には,いつものローランドらしく,がっかりな部分があって,あまり欲しいと思いません。

 ミニ鍵盤,安いこと,SuperNATURALシンセ音源など,魅力的な部分もありますが,4パートというのがもう致命的です。しかもこのうちアナログ音源が1パート,リズムトラックが1パートなので,ポリシンセのパートは2つしかありません。せっかくシンセパートで64ポリなのに,もったいないと思います。

 これでポリシンセのパートが4つ,アナログとリズムで1パートずつの合計6パートあると,ちょっとしたDTMにも使えるので,予約して購入していたかもしれません。残念です。


・Prophet-6

 Prophet-5じゃないですよ。Prophet-6です。

 Prophet-5の生みの親であるDave Smithさんが世に問う,Prophet-5の復刻モデルとも言うべき最新作がProphet-6です。名前の通り6ポリのアナログシンセで,見た目もProphet-5によく似ています。

 驚いたのは,「SEQUENTIAL CIRCUTS」のあのロゴが入っていることです。

 実は,Dave Smithさんが立ち上げたSequential Circuitsは,1980年代後半にYAMAHAに買収されていて,その商標もロゴもYAMAHAが所有しています。だから,これがいかにDave Smithさんといえど,勝手に使う事はできないはずです。

 この話,ホントかどうかわかりませんが,小耳に挟んだエピソードとして,今から2年前の2013年に,MIDIでの貢献が認められて,ローランドの創業者である梯郁太郎さんと,Dave Smithさんがグラミー賞を受賞したことで,両者の親交がスタートし,これが縁で梯さんがYAMAHAとDave Smithさんを仲介して,本来の持ち主の所にロゴが戻ったという話です。

 梯さんは体調もあまり良くないようで,その上ローランドでのトラブルもあったりして,辛い時を過ごされたのではないかと思っていましたが,それでもこうして彼らしい活動を通じ,また1つシンセサイザーの世界に貢献をされたことを,私はいいことだなあと感じました。


・YAMAHA

 ヤマハは,今年はNAMMでシンセサイザーの新製品の展示はなかったようなのですが,しかしながら今年はYAMAHAにとってシンセサイザー発売40周年のメモリアルイヤーです。

 新製品がないなかで,ちょっと寂しいのですが,この40年を振り返るスペシャルコーナーが出ていたそうです。

 現地でCS80なんかを見た人を羨ましいとは思いますが,実はYAMAHAのサイトにある特設コーナーが大変素晴らしく,読み応えがありますのでおすすめしておきます。

 この手の公式サイトにある「~周年記念コンテンツ」なんてのは,当たり障りのないことをならべては「画期的でした」なんて宣うものなのですが,YAMAHAのそれは違います。

 大変客観的で,また貴重な情報や裏話なども満載です。時代背景を当時の記録と正確な数字で追いかけている部分もあり,大変にリアリティがあります。

 初めて見る開発中の写真,当時のカタログなども大変面白いですし,普通なら触れることもないペダルなどの小物や,シンセではない電気ピアノにまで言及するなど,とてもワクワクしながら読ませて頂きました。

 なかでもびっくりしたのは,1990年代から2000年代の不調っぷりを,あまりに正直に認めていることです。

 YAMAHAはDX7で大ヒットを飛ばし,音楽と楽器の世界を変えました。その後SY77がまではシンセサイザーを牽引するメーカーだったわけですが,その後はMOTIFシリーズが登場するまで,あまりぱっとしないメーカーだったのですが,これをきちんと書いているのですね。

 いわく,最新の音源への挑戦は続けていたが売れなかった,とても厳しい時代だったと振り返っています。そうそう,為替相場の変化やバブル崩壊後の経済状態にも言及しています。日本では中級機種だったものが,為替相場の影響で海外では高級機になってしまい,狙ったユーザーに届かないということが起きたと書いてあるあたり,当時の日本のメーカーの忸怩たる思いが伝わってきます。

 また,物理モデリングシンセサイザーの記念碑的存在あるVL1については,鍵盤を押さえただけでは音が出ないなど,演奏者に特別な技術を要求したこともあり,一般化しなかったと,その失敗を振り返っています。

 概ね,こういう場合は書かないか,書いてももう少しマイルドに書くものだと思います。VL1なんか商業的には失敗だったが製品としては大成功だったとか,そういう風に書いても許されると思うのですが,演奏者にそっぽを向かれたと書いてしまうのは,あまりに正直過ぎるなあと思ったわけです。

 これについては,VL1に対する愛情のようなものが散見されるので,読む方もほっとするわけですけど,40年の歴史を「栄光」だけではなく「挫折」や「失敗」でも振り返る事ができるというのは,とても真摯で素晴らしいと思いました。

 みなさんも,是非読んでみて下さい。


 というわけで,NAMMショーに関連して,いくつか思った事を書きました。ARP ODESSEYが復刻とか,当たり前過ぎる話はすでにご存じと思いますが,毎年毎年,なにかしら面白い話が出てくるのがNAMMのいいところだなあと思います。

 

ダイソンDC45修理の顛末

 ダイソンのDC45というコードレスクリーナーを使うようになってから,掃除機がけが劇的に楽になったと言う話は,ここでも何度か書いています。

 日本メーカーの掃除機は強い吸引力で「吸い込む」事を掃除機に期待していますが,ダイソンもそうだしルンバもそうですが,あちらの掃除機は「かき集める」ことを軽く考えず,これと「吸い込む」の合わせ技で,最終的な性能を考えているようです。

 DC45も,ブラシを使っているときは,ちょっと強めのハンディクリーナー程度のパワーしかないように思います。しかしにモーターヘッドという回転ブラシのついたヘッドを取り付けて床を掃除すると,ウソのようにゴミが取れるのです。

 そりゃ,日本のメーカーが異口同音に言うように,吸い込み仕事率500W以上をバッテリーで実現するのは無理でしょう。しかし,それよりはるかに小さいパワーで十分掃除が可能ということを,DC45は示していると思います。

 で,そのDC45ですが,先日修理に出ていました。症状は,モーターヘッドのブラシが掃除中に止まる,と言うものです。

 最初から動かないというなら話は簡単なのですが,最初はブラシが回転しているのに,掃除中に気が付いたら止まっているという状態です。止まっていると気が付いたところで,もう一度その部分の掃除をやりなおす羽目になるのですが,だからといってしょっちゅうブラシの回転を確認するのも効率が悪いですし,なにせどうしたら止まるのか,という規則性も見いだせないので,とにかくストレスになります。

 原因はいろいろ考えられるでしょうから,簡単に解決しないだろうなと思ってはいましたが,サポートに電話をしてみると,モーターヘッドの故障かも知れないという事で,新しいモーターヘッドを送ってもらうことになりました。

 届いた新品のモーターヘッドをパイプに取り付け,早速試しに掃除をしますが,残念な事に2,3回前後させるだけで,ブラシの回転が止まってしまいました。問題は全く解決していません。

 再度電話をしたところ,どうも先方はブラシが最初から全然回らないということと勘違いをしているように思うので,そうではないと説明したところ,丸ごと送る事になったという次第です。

 私の見立てでは,電池->クリアビン->パイプ->モーターヘッドという順番で電流が流れるわけですけども,どうも電池->クリアビン->パイプの2箇所の接続が悪くなっているような感じです。

 ならば,クリアビンだけ交換すればよいようにも思いますが,この際だから悪いところは全部見てもらうのがよいと,前向きに考えました。

 日曜日の夕方にピックアップをお願いしたところ,ヤマト運輸のお兄さんが段ボール箱を持ってやってきました。

 ここに私のDC45を一式いれて,送り返します。ただ,この段ボール箱は,パイプを入れる必要があるのでそれなりに大きいため,小さいものは箱の中でゴロゴロと転がってしまいます。

 モーターヘッドや本体が箱の中で動かないようにする梱包材があるかと期待しましたが,そういうものはないようなので,心配でしたがそのままごろごろと入れて封をしました。

 一応これは私の所有物で,ダイソンに預けるんですけどね。お客の持ち物が輸送中に壊れないように,手配することが必要じゃないかなと思います。

 結果ですが,クリアビンが交換されて戻ってきました。試して見ると,今のところ問題は解決しています。確かに電池とクリアビンの接点はもうボロボロでしたし,クリアビンとパイプの接続もあやしいものでしたから,良かったんじゃないかと思います。

 あと,ぱっと見ですが,フィルターも新品に,そして痛みがひどかったブラシも新品になっていたようです。本体やパイプ,電池はそのままです。

 ただ,本体も新品のようにピカピカに清掃されていました。パイプもそうです。こういうのは細かい事ですが,ありがたいですしうれしいです。

 さて,これでつくづく思ったのは,2年保証はとてもありがたいという事です。

 ダイソンは海外製なので壊れやすいとか,そういう意見も時々目にしますが,私はそんな風には思いません。壊れやすさ,丈夫さという観点で言えば,日本のメーカーと同じか,あるいはそれ以上によく考えられていると思います。

 その上で,日本のメーカーは1年保証です。しかも,サービスセンターなり販売店なりに,持ち込まないといけません。電話は平日だけです。しかも最近の日本のメーカーは,フリーダイヤルをやめています。

 ダイソンの場合,電話はフリーダイヤルで,携帯からでも,土日でも繋がります。部品の交換で済むような場合は新しい部品をすぐに送ってくれます。修理が必要な場合でも,すぐに引き取りに来てくれます。そして72時間以内に修理を終えて返送してくれることになっています。これを2年間面倒見てくれるのです。

 ね,とても気軽に相談が出来ます。日本のメーカーだと,とても億劫になってしまいます。

 確かにダイソンはちょっと高価かも知れません。しかしこの2年間のサポートがあるなら,十分納得が出来ると思います。

 最悪なのは,並行輸入ですね。並行輸入品はこうしたサポートを受けられません。少しばかり安いとはいえ,このサポートを受けられないというのは掃除機の場合は損だと思います。
 
 怖いのは,この2年間が終わってしまった時ですね。このサポートの気軽さを失うのは,厳しいというか寂しいものがあります。もちろん修理や部品の交換は有償で行われるでしょうが,ざっと値段を見てみるとかなり高価です。買い換えた方が安くなるのが,この2年というタイミングなのかも知れません。(だとするとちょっともったいない気がします)

 いずれにせよ,これでまたしばらく正常な状態で使えそうです。

2014年の散財を振り返って

  • 2015/01/09 15:17
  • カテゴリー:散財

 昨年買ったもの

 2015年が始まり,2014年に買ったものを振り返ってみました。

 実は大きな買い物をあまりした記憶がなかったので,あまり書くことがないだろうと思っていたのですが,それは私に都合のいい勘違いでした。相変わらず無駄遣いをいっぱいしています・・・

 どうも,買ったものに対する思い入れも薄くなっているようで,それであまり記憶に残らないのだと思った次第ですが,結構重要な買い物でも艦長日誌に書かずに済ませたことも,昨年は目立ちました。

 反省を込めて,まとめてみます。


FLUKE 101

 あのフルークのテスターが小型になり,安くなったということで,買いました。なるほど,使い心地はよいですし,性能も十分で,買って良かったものの1つだと思います。

 ではうちの主力機になったかと言えばそんなことはなく,使用頻度だけを見ると,相変わらず秋月オリジナルのP-10が一番だったりします。

 理由はいくつかあり,一番大きいのはバッテリーチェッカーがないことです。P-10はあるんですね,負荷電流を流しながら電圧を測る機能が。

 他には,よく使うDC電圧の分解能が1mVだったりすることです。AC電圧はmVのレンジがあり,0.1mVが分解能になるのですが,ここがちょっと不満なところです。

 あとは,テスターリードがあまりに立派すぎて,小型軽量の101には不釣り合いなことでしょうか。ケーブルを引っ張り回す方が本体を動かすよりも負担になってしまうので,私はもう少し細いサンワのリードと付け替えました。

 おすすめ度:****


SB-700

 ニコンのスピードライトです。まさか私がSB-700なんかを買うとは思っていなかったのですが,きっかけは娘の七五三です。

 写真館できちんと写真を摂りたかったのですが,娘の行動範囲には見つからず,あきらめて自分で撮影することにしたわけですが,その際に必要なものとして白い背景布,しっかりした三脚,そして光源でした。

 そして,光源として選んだのがSB-700です。ニコンはストロボの制御に定評があるメーカーでもあるので,純正から探すことにしましたが,以前SB-400を買って失敗したので,今回はちゃんとワイヤレス発光が可能なものにしたいと思いました。

 かといってストロボは消耗品だと私は思っているので,SB-910なんかを買うのは無理です。

 SB-500が出たばかりだし,これにするかなあと思っていたら,出たばかりで結構高価です。逆に上位機種のSB-700だと値段もこなれていて,その差は3000円ほどです。

 この価格差でガイドナンバーが大きく,多機能,ディスプレイを装備していることを考えると,新しいという理由だけでSB-500を買うのはばからしくなってしまいました。そこでSB-700の購入しました。

 使ってみると,写真の撮り方が一気に増えた感じです。

 当初の目的である七五三の写真はなんとか撮影ができて,そのことそのものもうれしいわけですが,その後もストロボを使うことでいろいろな表現にトライできるので,面白いなあと思っています。

 特に,バウンスを使った場合の調光範囲の広さはありがたく,暗い室内での立体感のある補助光として,とても面白く使っています。照射角も24mmくらいまで対応出来るはありがたいです。

 ところで,ワイヤレス発光を行う場合には,本体内蔵のストロボがコマンダーとなるのですが,この本体のストロボの発光が邪魔になる場合があります。しかし,覆ってしまったり方向を変えるとコマンダーにならなくなるので,ニコンはそのための小道具を純正で用意しています。

 SG-3IRというのがそれで,価格は1000円ほど。仕組みは簡単で,赤外線透過フィルタを本体ストロボの前にぶら下げるだけのものです。これで可視光は遮断されますが,コマンダーとして必要な赤外線だけは外に出て行くというわけです。

 私は,SB-700をサイドから,本体ストロボをキャッチライトにしようと思っていましたが,かえって不自然なのでやめました。それでSG-3IRが必要になったというわけです。結果は上々です。ストロボ内蔵の機種をお餅で,かつSB-700以上のモデルをお持ちのニコンユーザーは,買って置いて損はないと思います。

 おすすめ度:***


マンフロットMK294A3-A0RC2

 自分が写真に写るのが嫌いな私にとって,三脚など必要になることはほとんどありませんでした。しかし,D800はしっかりした三脚がないとブレも出るし,ここは1つ一生ものを買おうと意気込んで選んだのがこれです。

 一生ものと意気込んだ割には安いものですが,持ち運ぶわけではないし,重量物を支えるわけではないので,私にはこれでも精一杯なのです。

 アルミ製で,ボール式自由雲台がついています。さすがマンフロットで,しっかりしています。これならずっと長く使えるでしょう。

 それなりに重量があるせいもあって,たたんだ状態でうっかり倒してしまい,フローリングの床に大きなへこみを作ってしまったのは,ここだけの秘密です。

 おすすめ度:***


AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED 買いました

 後述するPENTAX Q7と超広角ズームの08との組み合わせで,室内で動き回る子供を撮るのに超広角が思った以上に便利だと気付いた私は,D800でも超広角を検討する事にしました。

 しかし,皆が息をのむAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G EDなど買えるはずもありません。そんなとき見つけたのがこの18-35です。

 小型軽量,安価で,しかし写りは抜群というレンズです。D800のような高画素機で風景を撮る人にも,小さくて軽いと言う理由で定番化しているという話も耳にします。

 それならと購入を検討していると,価格の変動が結構あるんですね。安い時を狙ってヨドバシで買ったのですが,買ってびっくり,とても良いレンズなのです。

 ちょっと暗いので,やや使い道が狭まりますが,それでも良く写ります。色も良く乗りますし,歪みも小さく,取り回しも楽ちんです。

 純正レンズでこれだけ写るものが,この値段で買えるとなると,レンズメーカーのレンズはかなり苦戦するんじゃなかろうかと,心配になりました。

 とはいえ,そこはやっぱりF5.6クラスのズームレンズです。シグマの35mmF1.4と交換して使っていると,ほぼ同じ価格のレンズですが,個性の違いがくっきりわかってとても面白いです。

 おすすめ度:****


Kindle Voyage

 KindleのE-inkモデルで初めての300dpiモデルです。

 これ,毎日使っていますが,もう昔のモデルには戻れません。1万円程度のモデルに比べて高価ですから,慎重に使うかとおもいきや,見た目が紙だし,軽いので,ついついラフに扱ってしまいますが,傷も付かず,とても自然に使えていると思います。

 300dpiの威力もそうですが,文字が奥に引っ込まない見え方だったり,フロントライトを周囲の明るさにあわせて可変する機能のおかげで,トータルとしての読みやすさを実感しています。

 このことで,ハードカバーの文芸書をストレスなくスキャンして読めるようになったことは特筆すべき点で,私はこれは本当に良い買い物だったと思っています。

 おすすめ度:*****


腕時計

 機械式の時計として,セイコーのSARX019を買いました。中級の機械式で,購入以来ずっと使っています。

 時計は精度が命,と言う私が,誤差の大きな機械式をつ買うことになるとは思わなかったのですが,腕に馴染み,見た目にも品のあるおとなしさで,とても気に入っています。

 おかげさまで,多少の誤差は私の生活になんの問題も起こさないことを知りました。

 問題は,時刻のズレが遅れる方向なことでしょうか。遅れるのと進むのとでは,遅れる方が問題の出方が大きいなと思っていたのですが,これもまあ生活を始めて見るとあまり関係はなないようです。

 出かける前に,秒針まで合わせるのを日課にしていましたが,今はそんなことをする気もありません。長針をさっとあわせてオシマイです。誤差は±30秒ほどあることになりますが,これで十分ですね。

 おすすめ度:**


Blu-rayドライブ

 パイオニアのBlu-rayドライブを買ったのが昨年の初めでしたが,よく考えるとあれからちっとも使っていません。もう光学ディスクの時代じゃないんでしょうね。

 おすすめ度:*


PC-G850

 これはもともと,コレクターズアイテムとして買ったものですので,過度な期待はしていません。私にしては珍しく,購入後分解することも改造することもしていません。ほとんど未使用です。

 ですが,たまに触ると面白いのですね。Z80の8MHzですから,ポケコンとしては高速な部類ですし,慣れたBASICが走ることも面白いです。

 ただ,バッテリーバックアップがありませんので,電池交換時に中身が消えます。それで,本格的に使おうという気持ちが萎えてしまうのですが,まあそれは言い訳ですね。

 おすすめ度:*


PIXUS PRO-100

 写真は紙に焼いて,が信条の私が,エプソンタイマーにぶちぎれて買ったのが,A3ノビの染料インクモデル,PIXUS PRO-100です。

 本体の価格もそれなり高価ですから,いわゆる「インクカートリッジで儲けるビジネスモデル」が適用されないことを期待し,インクの消費が少ない,もしくは安いことを願っていましたが,意に反してインクの消費は多いし,高価なため,かえってランニングコストが増大しています。

 しかし,PM-G850に比べて大幅に画質がアップしたかと言われればそうでもなく,買って良かったのかどうかは正直疑問なところです。

 良い話もあって,画質はもちろんよいですし,四つ切りが印刷出来ることも素晴らしいですが,LANに対応したことが一番便利かも知れません。

 そうそう,このモデルは,ちょっと分厚い用紙を使うとこすれがでます。PM-G850ではこういうことがなかったので,かなり残念です。あと,印刷後の紙の反り方向が,PM-G850と違い,裏側が出っ張る方向で曲がります。

 インクの乾きも遅いので,要注意です。

 おすすめ度:**


PENTAX Q7

  PENTAX Q7は,特価が出ていたので買いました。しかもオーダーカラーです。オリーブドラブは,若い頃には嫌いな色でしたが,歳を取ると趣味が変わってくるものです。

 08との組み合わせを狙って買ったので,どちらかというと特殊なレンズで遊ぶとき専用のつもりだったのですが,実際買ってみると,もうこればっかりです。もしかするとD800よりも使用頻度が高いかもしれないくらいです。

 08が良く写るいいレンズであること,手に持った感じがしっくり来ること,1/1.7インチのセンサは,なんとか許容できるギリギリの性能を持っていること,そして動画が結構面白いことがあります。

 ぱっと手にとってうれしいのはQ7で,もっと評価されてもいいのになあと思います。

 おすすめ度:****


PS3

 PS4が売れているという話を聞き,今のSCEならPS3もさっさと収束しかねないと焦った私は,あわててPS3を買いました。250MBのモデルを買いましたが,直後に廃止されたので,買って良かったと思います。

 なにせ,ダウンロードコンテンツが使えないのがもったいなく,だからといって一度壊れたPS3をもう一度買うのもどうかと悩みました。でもまあ,これはこれで1つ買って置いてもよいでしょう。

 PS3を買い直したことで新しい発見があったのですが,PS2のソフトがアーカイブとしてダウンロード販売されており,PS3でかなり遊べるようになっているのです。

 いちいちPS3に移植して大変なこった,と思っていたのですが,ラインナップがどこか引っかかります。

 ギャラクシーフォースをダウンロードしたのですが,起動して思わずニヤニヤ。PS2のSEGA AGESと全く同じなのです。

 起動してからぱっと画面が切り替わり,まるでそこからはPS3がPS2になったようです。

 なったようです?いや,なったのですね,これは。

 どういうことかというと,PS2のエミュレータが動いているのではないかという話です。

 一時期,PS3でPS2のエミュレーションは可能かどうかがネットで議論されたときがありました。出来るという人は「CELLのパワーをなめんなよ」でしたし,不可能という人は「お前らバスの幅ってわかってるか」でした。

 私の立場は,出来るでした。これは理論値を計算し,十分可能という結論を得たからですが,待てど暮らせどPS2のエミュレータは発表されず,PS2を処分した私は目の前のPS2のソフトが死蔵されることに,いつしか焦りを感じていたのです。

 PS2のエミュレーションの事が,誰の頭からも消えていた今,私はその実物と再会した様な気分だったのですが,次の瞬間どうしてこの可能性を見落としていたのだろうと,悔しくなりました。

 エミュレータは,あるシステムを仮想的に構築するものです。原理的にはどんなソフトも動くはずですし,開発者はそれを目指すわけですが,現実は厳しく,エミュレーションではどうしても再現出来ないものがある以上,必ず非互換の部分は残ります。

 ゲームのような厳しい条件のものは特にそうで,PS2のエミュレータとしてリリースするなら,互換性検証も必要になります。

 そうした手間をかけて,そのエミュレータが商品になるかといえばならないわけですから,SCEがやりたくない気持ちもわかります。

 ならどうするか,特定のPS2のソフトと一緒に組み合わせて,PS2のソフトを簡単に移植する仕組みとして利用するのです。こうすれば,互換性検証は1つだけでよいですし,動くようにするための特別対応も,そのソフトの都合だけを考えていればよいことになります。

 しかも,そのPS2のソフトの一部としてお客さんは買ってくれるので,商品の一部として売ることが出来ます。

 かくして,技術論ではPS2エミュレータは可能だった,しかし経済論でエミュレータは不可能だった,が正解という事になりそうです。

 いや,本当にこれがPS2のエミュレータなのかどうか,知りませんよ。

 おすすめ度:**


CLIPHIT

 コルグの電子ドラムです。待ち望んだものがとうとう出た,と予約までして買いましたが,恥ずかしい話,全然使っていません。

 結局,何かを叩くという楽器ですから,叩くものを用意しないと成立しないわけで,それが用意出来るなら本物のドラムを買うよなという話です。

 ちょっと見方を変えて,打楽器のオモチャとして扱う事にすればいいのでしょうが,正直今の私にそんな時間的余裕はなかったりします,まあ,無駄遣いの真骨頂という感じでしょうか。

 おすすめ度:*


EWI4000SW

 昨年末に購入したウインドシンセです。

 買って分かったのは,案外簡単だという事,しかし実用的に演奏出来るレベルに達するにはかなりの練習量が必要になること,そして,これはアナログシンセに限りなく近いものだということです。

 PCMなら,フルートやサックス,トランペットなどをリアルに演奏出来たかも知れませんが,このモデルはアナログモデリングです。いわゆるEWIの音,いわゆるシンセリードしか出ません。

 いや,それはそれで全然よいのです。むしろその方が好ましいくらいです。ただ,使えるシーンは限られるかなという感じを持っています。

 MIDIで他の音源をならしてみれば,また違った面白さに気が付くかもしれません。

 いずれにせよ,時間がないことと,気分的な話(そう交通事故ですね)もあり,今はちょっと手に取る気になりません。

 おすすめ度:*


GreenFarm Cube

 水耕栽培にLED照明という「野菜工場」の小型版でブームになったGreen Farmのさらに小型版がこのCubeです。このことで実用性はかなりスポイルされ,成長する野菜を食べるということを楽しむマシンになりました。

 説明書では,30日もすると食べられるとあるのですが,うちは40日になるのに,まだ1cmほどの大きさにしかなっていません。

 すべて発芽したのに,枯れてしまったものが半分です。

 これは,やっぱり真冬の寒さが原因でしょう。可愛そうなことをしました。

 ということで,やっぱり生き物を相手にするときは気をつけないといけないという話です。

 おすすめ度:*


パーフェクトS 4.5L

 4.5Lの圧力鍋です。

 大型のものが欲しかったところに,安いものが見つかったことで買いましたが,実際使ってみると,これはこれで使いこなしが難しく,また別物だなあと感じました。

 シチューはじゃがいもが解けてしまい,マッシュポテトになりました。

 おでんもしかり。あまり美味しいものにならなかったのです。

 単純に量が作れるという理由で大きな圧力鍋を使うのは,ちょっと考えた方が良いのかもしれません。

 おすすめ度:***


Kaossilator2

 これも衝動買いですね。使っているかと言えば,全然です。

 面白いのは事実ですし,楽しいものではあるのですが,やっぱりこれも時間がないと手に取る気分にならないものです。そういう点では,CLIPHITやEWIと同じですね。

 はっと気が付くのは,楽器の演奏が仕事になったら,さぞ辛いだろうなということです。

 やはり,楽器はたしなむもの,本人が楽しいと思うためのものであって,無理をして向かい合うものではないんだなということです。

 おすすめ度:**

 とまあ,一気に書き殴ってみましたが,コンピュータとかガジェット関係の買い物がほとんどなくなっています。PC業界は不況なわけですが,その通りになっているなあと思いました。

 楽器関係はあれこれ手を出しましたが,これらはどうも,引っかかったなあという反省が先にきます。

 そうなると,カメラ関係なわけですが,これはちゃんとしたものを買えば,それなりの成果がついてくる即戦力ですから,まあ当たり前の話です。

 2015年は,より経済的に苦しくなるでしょう。そしてこの傾向は死ぬまで続くことでしょう。収入が増えない,むしろ減るのであれば,支出を減らすしかありません。

 明らかに無駄遣いと後で後悔することになるものは,その傾向がようやくつかめてきた気がします。2015年は実験の年。1年後に無駄遣いが減ったと,思えるようになっていたいと思います。

なぜか年末恒例のポケコンメンテ

 年末の冬休みになると,特に決めたわけでもないのに,私の古いコンピュータのメンテをついつい始めてしまいます。

 動態保存してあるHC-20やPC-8201,X-07といったハンドヘルド型や各種ポケコンの電池が切れているかどうかを確認することをふと思い出すからですが,これらに使っているニッケル水素電池の再充電(エネループだから出来る技ですね)をして,また向こう1年頑張ってもらおうと,せっせと充電を始めるわけです。

 久々に手にとって電源を入れたマシンがそのまま問題なく動くかどうかはまさに神のみぞ知る,です。

・HC-20

 HC-20はエネループで動くように改造してありますが,電池の消費は非常に少なく,バッテリーバックアップ時の電流を気にして検討した成果が出ています。プリンタも問題なく動き,なにも問題はないように思うのですが,やはりLCDが劣化しています。

 オリジナルのLCDは表側の偏光フィルムがひび割れていたので交換したのですが,交換したものも歪んで波打っています。コントラストも下がっているので見にくいです。

 その上,裏側の偏光フィルムも劣化しているようですし,反射フィルムも浮きが出て大きな気泡が所々にあります。

 幸い液晶そのものには問題がなさそうなので修理は今回は見送りますが,こういうフィルムなどの材料は確実に劣化しますので,どうしたものかなと思います。


・PC-8201

 PC-8201は全く問題なし。電池の消費も少ないですし,機能も問題なし。LCDも劣化していません。よく頑張っています。びっくりしたのは,時計が数秒レベルでしか狂っていなかったことです。


・PC-2001

 PC-2001も同様で,全く問題ありません。


・PC-1245

 中学生の時に購入した,今も仕事で使っているものはすでにLCDがほとんど見えなくなってしまったのですが,予備に購入した程度のいいPC-1245でも,思った以上にLCDの劣化が進んでいました。

 寒かったからというのもありますが,1/3程黒くなっています。これはまずいです。
電池の液漏れも心配だったので,電池は抜いておきました。


・PC-1246

 今回ショックだったのは,PC-1246のLCDも劣化が始まっていたことです。1980年代後半生まれのモデルでさえ,同じような劣化が起こるというのはとても衝撃的な事実で,結局シャープのポケコンのLCDは生産時期にかかわらず,生産されてからの時間で劣化が起こるという覚悟をしなければならなくなりました。

 ただ,この劣化は1980年代前半のモデルの劣化とはちょっと違っていて,画面の端っこからくっきりとした黒い模様が出ています。ぼやーっと滑らかなグラデーションを描いている劣化とはちょっと違うものだと思いたいです。

 LCDの劣化は自分では修理するのが難しいですし,部品の交換も現実的には不可能ということもあり,頭の痛い問題です。


・PC-1445

 うちで一番強力なPC-1200系列のマシンですが,電池が切れていたことを除けば問題なしです。程度もいいですし,これを常用機にすることもちょっと考えたいくらいです。


・VX-4

 うちで唯一のカシオ機ですが,これが購入後はじめて電池切れになりました。エネループがはじめて取り出されることになりましたが,メモリのバックアップは完璧ですし,さすがこのあたりはカシオです。

 電池を充電してやると,元のように快適に動作します。全く問題なし。


・PC-E500

 メモリを増設した改造モデルと,オリジナルと保ったモデルの2台を持っていますが,電池のの消費が激しく,どちらも単4ということもあって,電池を抜いていました。

 先日,単4のエネループを買ってメモリ増設モデルに入れる事にしましたが,問題なく動作しました。ちょっとうれしいですね。これも随分手間をかけて遊んだなあ。


・PC-E200

 VX-4の電池が切れていたので,PC-E200も念のため再充電することにします。動作は全く問題なし。劣化もありません。

 ところで,PC-E200は私が昨年購入したPC-G850VSの始祖にあたるモデルなんですよね。PC-G850VSの方がLCDも見やすいし,キーも押しやすいのですが,ポケコンらしい仕組み,例えば電池交換時にメモリーを保護する機能とか,メモリーの増設が出来るとか,豊富なオプションがあったりとか,そういうものが省かれているのですね。

 そもそも,PC-E200もそうでしたが,PC-G850VSも学校教育用のマシンですから,ビジネス用途を目指したそれまでのポケコンとはシステム拡張性やデータ保護の仕組みに違いがあって当然なのですが,ポケコンらしい独自機能でもあるので,ちょっと残念な気がします。


・MC-2200とPC-1210

 これはもうLCDが完全にだめになっているので,最初からあきらめています。


・PC-1600K

 これも問題なし。電池は完全になくなっていましたが,充電すると元通りです。

 しかし,PC-1600Kはスタンバイ電流の消費が多いなあと思います。メモリ増設のせいでそうなったのかも知れませんが,いずれにしてもこれだと常用するのは厳しいように思います。


・X-07

 さて,今回大問題になったのはキヤノンのX-07です。

 動作の確認を始めてみると,電池は切れていませんし,基本動作に問題はないのですが,LCDのドット欠けがさらにひどくなっています。以前ここにも書きましたが,これはLCDそのものの劣化と言うよりは,LCDドライバに問題あるようで,ある法則をもってドットが欠けます。

 LSIの駆動電圧を上げるとドット欠けがなくなっていくこともこの根拠の1つですが,突き詰めて考えるとLSIの劣化ですから,いずれ壊れて動かなくなってしまうと思います。

 それで,ドット欠けが少なくなるような出来るだけ低い電圧で動かしていたのですが,それでも派手に欠けるようになって来たところをみると,劣化が着実に進行していることをうかがわせます。

 LSIの絶対定格を越えてしまうと,新品のLSIでもジワジワ壊れていくものですからさすがにまずいと思いましたが,ドット欠けがある状態でこのまま劣化が進行してももったいないですから,絶対定格ギリギリでドット欠けを減らす方法を検討することにしました。

 電圧を定格の5Vの10%増しである5.5Vを上限とし,調整を試みます。5.45Vあたりだとかなりドット欠けがなくなります。これ以上にしても減りません。ならもうこれでいきましょう。

 調整を終えて蓋を閉めようと思ったところでトラブル発生。起動しなくなりました。いやー,やってしまいました。そういえば前回もこのパターンで壊してしまったんですよね。

 いろいろ調べてみたのですが,どうも下ケースに重なっている2枚の基板間をつなぐ,2つのフレキが切れてしまったようです。

 このフレキとコネクタは元々電池の激しい液漏れで劣化があり,なんとか騙し騙し使っていたものです。18本が1つと34本が1つで,主にバス関係が通っています。

 フレキを触ると起動したりするので,疑わしい18本のフレキを,フラットケーブルの直づけにします。しかし動かず。テスターで調べると34本のフレキも断線が複数あるようです。

 34本かあ・・・悩んでいても仕方がないので,今どきPCの自作でも使わないような太いフラットケーブルを剥いて,ハンダ付けです。いやはや,これだけハンダ付けをやったのは久々ですね。

 作業が終わって試して見ると,とりあえず起動はします。これでもう閉じようと思っていたのですが,あろうことか電源部分が何かに触れてショートしたらしく,焦げ臭い臭いがします。その後動作は急激に不安定になりました。

 慌てましたが,どうもシリアルポートのレベルコンバータ用にトランジスタのベースに電源が触れてしまい,これが壊れたようです。なんで動作が不安定になったのかはわかりませんが,とりあえずこれを交換。なんとか元通りです。

 さて,今度こそ閉じようと思ったら,また動かなくなりました。今度は完全にだんまりです,いよいよ死んだか!と慌てましたが,調べてみると上ケースと下ケースのそれぞれの基板を繋ぐフラットケーブルが断線していて,これを直すと動作するようになりました。

 本当にこれで終了だ,と思っていたら,電池が減っていないのにLowBatteryが出るという問題が発覚。調べてみると2つ理由があり,1つはフレキをフラットケーブルに交換した際に基板のパターンを切ってしまっていて,電池電圧が検出回路に行ってなかったこと。もう1つは電圧を上げたことで,検出電圧も変わってしまった事です。

 前者は配線を修復,後者は検出回路の抵抗を調整して,電池電圧が4V付近になったら警告が出るようにしました。

 これでようやく終了です。延べ6時間ほど,苦労しました。

 しかし,もうこれ以上壊れたら,修理出来ないんじゃないかと思います。LCDドライバの劣化も進んでいて,いつ動かなくなってもおかしくありませんし,LCDそのものも反射フィルムが浮き上がっていて,非常に見にくくなっています。

 いつまで動くかわからないものに時間をかけるのももったいないと思ったのですが,40ピンのDIPという大型パッケージに入った,稀少品種であるZ80互換CPUのNSC800を見ると,やっぱりなんとかしようと思って頑張りました。

 ということで,久々に時間をかけてメンテをしました。以前に比べて興味を失っていたこともあり,最初はちょっとうんざり気味だったのですが,修理や改造をした時のことを思い出すにつれ,いつの間にかのめり込んでいる自分に気が付きました。

 これらを何かの実用に使おうと思ったりもしていますが,それもちょっとどうかなあという感じです。

 あ,PC-G850VSにS-OS SWORDがあったりするんですね。これはすごい。RAMが32kBしかないことや,外部記憶装置が使えないこともあり,S-OSを100%使い切れませんが,Z80を搭載するマシンならではの使い道に,ちょっと心が動いています。

 

象印のコーヒーメーカー

  • 2015/01/06 13:51
  • カテゴリー:散財

 年末,習慣となっている朝のインスタントコーヒーを飲もうと思ったら,切れていました。買い置きの新しいものを棚から出して封を切ってみると,なんとそれはレギュラーコーヒーでした。

 いやはや,まいりました。キャンペーン中で安いと思って買ったコーヒーが,まさかレギュラーコーヒーだったとは。しかも2袋もあります・・・

 かといって,うちにはコーヒーメーカーもサイフォンも,ドリッパーのような簡単な道具さえも全くなく,無論ペーパーフィルターもありません。

 これは,そもそも私がレギュラーコーヒーを好まないという,変な嗜好を持っているからです。10年ほど前,無印でコーヒーメーカーを買いましたが,これが不衛生で手入れも面倒,その上美味しくないということで,すっかり毛嫌いするようになってしまったのです。

 以来,うちはインスタントです。いや,インスタントでも十分おいしいですよ。

 しかし,合計で800gもあるレギュラーコーヒーの粉を前にして,これはどうにか使わないといけないと,腕を組んで考えたのです。

 平日なら速攻で通販サイトを探したでしょうが,幸か不幸か冬休み。せっかくですから店頭で品定めをし,ワクワクしながら持って帰るのを楽しめる機会ですので,他の用事のついでに買ってみようということにしたのです。

 さて,用事が終わって,周辺のお店をウロウロします。怪しげなディスカウントショップがあったのでとりあえず入ってみます。

 コーヒーメーカーは売っていましたが,1980円と微妙なお値段。しかもぱっと見ると日本のパチモンメーカーのロゴなのですが,よく見るとそのさらに偽物です。

 どうせパクるならもっと一流のメーカーをパクれよと,ツッコミを入れつつ手に取ってみると,これで入れたコーヒーにはおかしな有機化合物や重金属でジュブジュブと染み出してくるんじゃないかと思われるような危険な香りがします。

 なんか,急激に「馬鹿にするなよ」という気分が頭をもたげて,他の商品を探してみます。

 一応、国産ブランドのコーヒーメーカーもあるのですが,いいなと思うものは品切れだったりして,ここで買うのはやめました。

 コーヒー専門店に行けばなにかあるだろうとぶらっと見ていると,ドリッパーは案外安いようです。しかしうちにはコーヒーサーバーもありません。そういえばヤカンもないです。いろいろ買いそろえると結構な値段になりそうで,あきらめることにします。

 お,サイフォンもあるじゃないか。いっちょやってみるか!

 実家では一時期,サイフォンを使っていたので,一私も使おうと思えば使えるのですが,値段がそれなりにすることを見てから萎えてしまいました。それに危険ですしそこまでこだわるわけではありません。これは,手間をあえて楽しむものですからね。

 となると,電気のコーヒーメーカーになります。しかし,この店には売っていないようです。残念。やっぱりコーヒー専門店には,コーヒー用品のメーカーのものしか売っていないようです。

 仕方がないので,家電を扱っているというスーパーマーケットに行ってみました。いや,こういうなんでもありのスーパーって,久しく行ってなかったので,とても新鮮な気分でした。食料品はもちろん,衣料品やオモチャもあります。このワンストップで揃う便利さは,小売店としての大きな魅力の1つだと思います。

 家電もそこそこ揃っています。コーヒーメーカーも何種類もあり,値段もそれなりに頑張っているようです。

 ほー,いろいろあるなあ。

 コーヒーメーカーは原理的には簡単ですし,随分昔からある家電品ですが,炊飯器がこれほど美味しくなっているこのご時世,調理家電の進化の波がコーヒーメーカーに波及していないというのは考えにくいわけで,私の期待はそこに並んだポップの文言に,否応なく高まっていきます。

 とはいえ,所詮はコーヒーメーカー。高いものを買っても仕方がないので,いろいろ悩んだ結果EC-AK60という象印のものにしました。なにやら濃度調整ができるらしいです。値段は3980円だったと思います。

 在庫無し,とプライスカードに貼られていたのに,その棚には在庫らしきものがあります。展示品かなあと思って見てみると,未開封の新品です。店員さんに聞こうと思いましたが,この広いフロアに一人しかいない上,お年寄りにつかまって走り回っています。

 仕方がないのでこれを手にとってレジに向かいます。レジも複数のお年寄りの攻撃を受けて修羅場と化しています。なんだか場違いな感じがしてきました。

 レジの近くにオモチャ売り場があり,娘へのお土産として「アナと雪の女王」のオラフの小さいぬいぐるみを手にとってレジに並びます。支払い前に「これ,勝手に取ってきましたが,いいですよね?」と一言確認すると,もちろんですと,いいお返事です。

 この日はカードで支払うと引き落とし時に5%引きになるキャンペーンをやっていたので,もう200円ほど安く買えたことになります。楽天あたりで買うのと同じ値段になるというのですが,スーパーもなかなか侮りがたいですよ。

 さて,このEC-AK60ですが,買って帰って「良く出来てるなあ」と何度も感心しました。

 とにかく黙って1度作ってみます。お,まずくない。これなら全然大丈夫です。

 2度3度と使っているうちに,便利だなと,よく考えているなと思う所がポロポロ出てきます。

(1)水を入れるタンクが外せる

 水を入れるタンクが外れるので水を入れるのがとても楽です。これまではサーバーに水を入れてタンクに注いでいたのですが,こぼしてしまうこともありました。


(2)フィルターのカップが外せる

 これは素晴らしいです。フィルターのカップが本体から外せるので,フィルターをセットする,豆を入れる,後始末もとても楽で,汚れる部分だけ取り外せて洗えるので衛生的と,この仕組みだけでもこの商品を買って良かったと思いました。


(3)サーバーを外してもカップからコーヒーが落ちてこない

 これも細かい事ですが結構感心しました。コーヒーが出来上がった時にサーバーを取り外すと,コーヒーのしずくがぽたぽたと落ちて,保温プレートを汚してしまうのが,私はとても嫌でした。

 この機種では,サーバーを外すと蓋が閉じて,カップからコーヒーが出なくなります。安全ですし,汚れません。素晴らしいです。


(4)マグカップ対応

 対応,といっても大げさなものではなく,タンクやサーバーの目盛りや,計量スプーンにマグカップ用のものが用意されているだけの話です。ですが,小さいコーヒーカップでちびちび飲むのは私の趣味ではなく,そこも従来のコーヒーメーカーを気に入らなかった理由だったりします。

 マグカップの目盛りがあることで,失敗なく量を調整出来るのはありがたいです。


(5)なかなかおいしい

 そして最後に,なかなかおいしいと思います。なにやらおいしくコーヒーを炒れるための工夫があるそうですが,私にはそれがどれほど貢献しているのかわかりません。しかし4000円という値段で,手軽に簡単にできるコーヒーとしては,十分においしいと思います。

 というか,コーヒーメーカーも,ここまで来てたのかという感じです。


 で,年末年始の間,朝とおやつの時間にコーヒーメーカーで炒れたコーヒーを飲む習慣が出来ました。娘の昼寝に付き合うとついつい一緒に寝てしまうのですが,2時間程度の睡眠の後の気だるい体をしゃきっとさせるのにちょうどいいんです。

 とはいえ,準備や片付けが面倒だとなかなか続かないものですけど,このコーヒーメーカーの進化の方向として,簡単手軽と言うのは,案外正しいなあと思いました。

 実のところ,このことで年末年始に飲むと思って大量に準備したビールがちっとも減らないという事態が起こっています。朝から飲むビールは,それはそれでおいしいものなのですが,飲んだ後の時間が使い物にならないという点で,コーヒーの良さを改めて見直した次第です。

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