新しい電子レンジはグレードダウン
- 2018/01/30 13:55
- カテゴリー:散財
インフルエンザが猛威をふるっています。
不詳私も,この流行に乗り遅れまいと,一発大きなインフルエンザに罹患しました。先日東京に雪が積もった翌日の朝,出社してから突然鼻水が出てきたかと思ったら,その日の夕方には37.5℃の熱が出ていました。
こんなことはよくあることだと油断をしていたところ,翌朝には39.5℃になり,まっすぐ歩けない状態になりました。ここまで高熱がでるなら間違いなくインフルエンザだろうとお医者さんにかかると,やっぱりそう。この時39.7℃まで上がっていました。
イナビルなる馴染みのない薬を出され,朦朧とした意識の中でなんとか吸い込み,解熱剤で熱を下げつつ,寝ているのか起きているのかよくわからん夢うつつの数日間を過ごし,熱がようやく下がったのが3日目でした。
同時に腰を痛めたりお腹を壊したり強烈な頭痛に苦しめられたりと,どれか1つでもヒーヒーいっている不調が一気にやってきてしまい,心も体もボロボロだった私に,自分も1日早くインフルエンザに罹患していた嫁さんが言うのです。
「そういえば電子レンジが動かないのよ」
もうね,そんなことどうでもええという感じです。
しかし,寝ているしかない私と違い,元気な子供はもちろん,嫁さんの生活も電子レンジがないと前に進みません。とりあえず電子レンジがない状態でもこなせるメニューを工夫してもらうことにしました。
いや,この電子レンジは少し前からおかしかったのです。
パナソニックのNE-S262というオーブンレンジなのですが。1年くらい前から時々エラーが出るようになり,暖まり方にもムラが出るようになりました。
極めつけが今年の正月の出来事で,パンが焼けなくなりました。何度か試すと焼けるようになったのですが,心配になって中を見てみると,なんと上部のヒーターの端子がスパークでボロボロに砕けており,ブラブラしておりました。
スパークはかなり大きかったようで,天板に張り付けたスポンジも黒焦げでした。状況からの推測ですが,どうも庫内の蒸気が入り込み,これが結露を作り,端子部を腐食させたのではないかと思います。
さらに朽ちて外れた端子が周辺の金属部にも触れてショートしたり水を含んだスポンジを焦がしたりと,大事故にならなかったのが不思議なくらいでした。
この時は腐食した端子を磨き,朽ちたコネクタを交換して修理をしたのですが,こういう危険な設計をするメーカーの製品は今後は避けようと思った次第です。
今回の故障は電子レンジで,トーストは問題なく焼けますが,暖まりません。スタートを押しても庫内の照明は点灯せず,ブーンといううなり音も低いままです。取り消しを押しても取り消す事が出来ず,仕方がないのでコンセントを抜くことになります。
これまでなんどか調子が悪かったこともあり,もう限界だろうと新しいものを買うことにしました。
意識レベルが低下している中での緊急購入ですので,あまり比較検討は出来ません。決めた事は,26リットルの容量,ターンテーブルのない自動化された電子レンジであること,パナソニックを除くこと,トーストが早く焼けること,スチームによる調理はどうでもいいこと,です。
NE-S262はビストロではありませんが,過熱水蒸気が利用出来る,中級機でした。ヘルシオが流行っていたころでもあり,私もちょっと期待したのですが,自動メニューでないと使い道がなく,水タンクの掃除に手間がかかり,水タンクと配管の衛生状態にも不安があって,しかもスチームが出るまでに時間がかかるという問題があり,全くメリットを感じませんでした。
自動メニューもそんなに美味しいものではないですし,肉も魚も火が通らず,予定通りの時間に食事を始める事すら出来ない有様で,我が家ではすっかり信用をなくしていました。
一方で,4分ほどで焼き上がるトーストはこの手のオーブンレンジとしては破格の速さでしたし,2本の上面ヒーターのおかげで,手作りピザは美味しく焼けて,うちの定番メニューの1つになっています。オーブンは別にして,グリルについては継承したい機能です。
とまあ,こういう観点で調べて見ると,東芝のER-RD7という機種が良さそうです。基本スペックはこれまでの機種とほぼ同じですが,同じ26リットルなのに全体に小さくなっており,その上背面を壁にくっつけることも許されています。これはいい。
過熱水蒸気がないので水タンクもありませんが,トレイの周りに水を溜めて乾燥防止に湯気を使うことは出来るようです。これをスチームなどと言っていますが,まあこれははったりですね。
でも,準備も片付けも面倒だった水タンクなしで湯気を使えると言うも手軽でいい2かもしれません。
値段は約3万円。以前機種が4万円弱でした(特価で24000円くらいで出ていた事もあるそうですけど・・・)からグレードダウンになりますが,使わない機能が綺麗に取れてこの値段になっていますから,むしろ好都合でしょう。
グレードダウンはトーストが6分弱ほどかかるようになったことが1つ,もう1つは上面ヒーターが1本になってしまったことでしょうか。
前者は,毎日パンを焼く嫁さんを見ていると,焼き上がりでピーピー鳴らされているのに数分放置しているのが常態化していて,早く焼き上がることが生かされていないどころか,むしろデメリットになってさえいます。
後者は一応レシピブックには「出来る」とありますので,それを信じて購入です。
ということで,中の下ランクの電子レンジ,ER-RD7のレビューです。
・大きさとデザインの印象
大きさは確かに一回り小さく,窮屈だったうちの電子レンジスペースに余裕が生まれました。背面をくっつけることが出来るので,手前の張り出しもなくなり,すっきりまとまりました。
ただ,同じ26リットルとはいっても,縦横斜めの寸法は随分違っていて,特に奥行きが小さいような印象です。以前の機種はトーストを4枚まで焼くことが出来ましたが,ER-RD7では2枚までしか焼けません。
また,30cmのピザは入らないようです。少し小さめに作る必要があると思います。
デザインは,高さが低いので今どきな印象を与えますが,白はいかにもな家電の白で,塗装はつやつやでちょっとがっかりですし,エッジも80年代風に立っているので,なんだか電子レンジだけ昔の製品を買ったような気分になりました。
・操作系
下位機種ですので文句は言えませんが,ロータリーエンコーダを使わず,ボタンをたくさん並べて押す場所と押す回数で機能を決めていく煩わしいものです。
とはいえ,以前の機種のジョグダイヤルも決して便利とは言えず,時間の設定は便利だったのですが,様々な選択をダイヤルでやらねばならないので,調理方法を一発で設定出来るボタン式があながちダメだとも言い切れません。
私のように,使う機能がすでに絞り込まれている人は,それらが独立したボタンであればかえって便利なわけで,実際「お酒」ボタンがついたのはとてもありがたいです。
・性能
赤外線センサが搭載されているので,ある程度あてになる自動加熱が可能なのですが,センサの性能そのものは以前の機種の方が上だったようです。しかし,実査に使ってみると全く問題なしで,ご飯もお酒もきちんとあたたまります。
・音
静かです。以前の機種は温め中から強烈なファンの音がしていましたが,ER-RD7は加熱中は静かで,加熱が終わったらファンが強く回るようになります。
。から焼き
塗装や油などが焦げて臭いがするので,初回は利用の前にから焼きをするのがこの手の家電の常識なのですが,よく考えると以前の機種ではやった記憶がありません。取説を見ると以前の機種は必要なかったそうです。
ER-RD7では必要です。から焼き中は結構な臭いがします。
・お手入れ
ターンテーブルもありませんし,庫内の拭き掃除は以前と同じくらいで大変ではありません。パンくずも水滴も手前のトレイに入り込み,そのトレイは簡単に外せますので,これも問題なし。なんでも,一世代前の機種はトレイがなく,ゴミは奥の方から掻き出さねばならなかったそうです。
・残念なこと
あたため機能は,ボタンを押すごとに600W,500Wと出力が変わっていくのですが,温度を設定して暖めるとか,1000Wの最大パワーで暖めるという機能は最後の方に収まっているので,ボタンを何度も押さないと到達出来ません。
特にせっかくの温度センサを使う設定温度であたため,という機能がこんな使いにくい場所にあるのは,積極的に使わないように仕向ける力が働いていて,この機能にあまり自信がないんだろうなあと思いました。
あと,マニュアルです。
コスト削減でレシピがモノクロなのは仕方がないとしても,PDF版もモノクロというのはいけません。
・まとめ
値段相応です。基本機能はちゃんと作られているし,使い勝手も悪くなく,このクラスの電子レンジが売れ筋であるというのも頷ける話です。
45000円を超えると,容量も30リットルになり,オーブンの温度も300℃が使えるようになってきます。こうなるともう別物なのでやっぱり予算次第かなあと思いますが,果たしてそんな機能をどれくらい使うのかを考えてみると,電子レンジという調理家電にお菓子作り機能を求めるのは筋違いなんじゃないかと思っています。
その点で言えば,3万円以内で基本機能+基本機能が便利になる機能,を取捨選択して搭載したこのクラスの電子レンジは,なかなか良い買い物であったと思います。
さて,何年持ちますか・・・そろそろ洗濯機もやばそうですし,なにかと大変です。