54645Dが壊れていた~完結編
- 2017/04/25 11:07
- カテゴリー:make:
毎日ちょっとずつ進めている54645Dのレストアですが,昨日ようやく終わりました。やり残した事もあるのですが,部品入手の都合もあるので,今回はここで一区切りです。
まず,ファンの交換。元々のファンは風切り音だけではなく,コリコリというベアリングの劣化が進んできた時の音が耳障りになってきていますし,ファンは消耗品ですので私は積極的に交換するようにしているので,今回も交換することにしたと,前回も書きました。
最近はPCパーツの静音化のおかげで,静音を意識したファンが簡単に入手出来るため,交換するだけで静かになるというのもありがたいです。
で,交換したCFZ-80LAというファンは確かに静かだったのですが,風量が足りず,排気の温度が明らかに高くなっていました。それでも動くとは思いますが,コンデンサ類の劣化は言うに及ばず,長い目で見た時にASICの劣化も進むだろうと思いますので,やっぱりこれは風量を増やしておかないとまずいと思いました。
そこで買い直したのが,高速タイプと銘打ったCFZ-80RAです。2800rpmで41.15CFMの風量で,そのかわり騒音も29.9dBと大きくなります。前回使った標準タイプであるCFZ-80LAでは2000rpm,2911CFM,19.5dBでああったことを考えると,風量アップに期待が持てます。
交換した結果ですが,風量は期待した程ではなく,数字の上では2倍でも,3割増しくらいの印象です。その割には騒音は思った以上に大きくなり,音量もそうなのですが風切り音が大きくなっただけではなく,モーターが回る音も混じるようになってきました。かなりうるさいという印象です。
でも,以前の劣化したファンに比べれば随分ましです。風量もオリジナルの方が大きいようで,風切り音ももっとしますから,これでいってみましょう。
ケースを閉じると,そんな強い排気がでるわけではないのですが,確実に温度は下がっています。1時間ほど放置してみても,温度は上がっていないので,これなら安心です。音はそれなりに大きいので,交換前の「ファンレスか」と勘違いするような静かさはないのですが,オシロスコープで無音というのも違和感があって,私はこれでもよいと思いました。
そして仕上げです。自己校正です。
Verticalの校正はトリガの修理の時に出来る事を確認していますが,改めて行います。これも難なく終わり,次にDelayの校正です。やり方がよく分からなかったのでやってなかったのですが,今回はマニュアルをよく見て実行します。
普段使いのプローブと,ロジックのプローブのCH0を正面の校正用矩形波の端子に取り付けて、校正を開始します。これで3つの入力の遅延のズレ(スキュー)が揃います。
結果ですが,ばちっと揃いました。AD96687を交換した時には2nsほどのスキューがあったのですが,これが補正されて,CH1とCH2の波形がぴったり重なるようになりました。トリガレベルをCH1とCH2で同じにして,トリガのかかるタイミングを見ても,以前のようなズレが消えていて,綺麗に揃っています。いやはや,完璧です。
ということで,これで54645Dの修理は完了です。まだまだしばらく使っていけそうです。今回,あちこち触って見ましたし,普段使わないような機能も動かしてみましたが,やはりいちいち使いやすいです。使っていてジワジワとうれしくなります。
今回は,よく頑張りました。まさかトリガがかからないデジタルオシロを修理出来るとは思わなかったです。いつも修理が出来ると思うのですが,今回はたまたまラッキーで,次はこうはいかないでしょう。
そう思ってはいても,成功体験は大きくて,壊れたらとりあえず調べるという癖が付いたことは,ひょっとするとパズルを趣味にしている人と同じ感覚なのかも知れません。