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2016年05月の記事は以下のとおりです。

聖地巡礼

 先日,念願だったニコンミュージアムに行ってきました。

 お金のなかった学生時代には夢と憧れの存在だったニコンですが,その信者になってはや20年,マウント不変のメリットをしみじみ感じています。ニコンでよかった。

 そのニコンが,聖地大井町を離れて品川に移転し,その際に公開されたのがニコンミュージアムです。本社のロビーの一角に出来たもので,入場無料ですが,あくまで本社の一部ですから,平日の10時から18時までの開館となっています。

 昨年10月にオープンしたこのミュージアムですが,ニコンのファンはもちろん,カメラ好きも巻き込んで,話題になっていました。私もいきたいなあと思いつつ,土日にオープンしていないこと,平日はなかなか時間がないこともあり,ずっと我慢をしていました。

 ですが先日,ふいに時間が出来て,念願叶って見学することが出来ました。

 個人的な話で恐縮ですが,私はこの界隈に勤務していたことがあり,品川駅からそれなりに離れたこの建物を,とても懐かしく感じていました。港南口の周りの飲み屋街をくぐり抜け,食肉処理場に隣接するこの建物に入り,2つのコンビニと本屋さんを横目に,終端に位置するニコンミュージアムまで歩いてきました。

 これまで様々なレビューに目を通していましたが,その上で到着時に感じた第一印象は,思ったほど大きい物ではないなということでした。

 ただし,よくあるショールームとは違って,歴史的なもの(それはニコンにとってと言うより産業史としても重要な物)が存在しているという点ですでに興味深いものであると前置きした上で,昨今の博物館がレジャー的な性格を強くしている(かの国立科学博物館もそういう方針で来場者数をうなぎ登りに増加させています)中,規模という制約のために,気合いを入れて見学するぞ,と言う覚悟をかき立てることはなかった,という話です。

 面積はそんなに大きくないとはいえ,その展示物は圧巻です。限られた枠の中で意味のあるものを見せよう,という非常に前向きな気持ちがとにかく前面に出ていて,作り手も楽しんでいるという好ましい手作り感が,とても親近感を感じられるものでした。

 このミュージアム,見習うべきところが多いと思います。

 無論,そんなに頑張らなくても,ニコンは歴史と伝統と技術力,そして長年に渡って世界を相手に先頭を走ってきた自負をお持ちの超一流の企業ですので,見せたい物も山ほどあったでしょう。だから,展示物を限定しても,見た者を満足させることが出来るのは当然ということかも知れません。

 しかしながら,押しつけがましい圧力のような暑苦しさは全く感じませんし,見学者を驚かそう,びっくりさせようと,自らの力を誇示するような意図も見られず,これまでの自らの仕事を客観的に並べて,過去と今とこれからを丁寧に説明しているという印象を感じました。よく考えられているなあと思います。

 さて,これまでのレビューの多くは,個人法人を問わず,カメラメーカーとしてのニコンという視点で見ているものでした。

 ニコンがこれまでに発売したカメラがずらーっと壁一面に並んでいる状況は確かに楽しいのですが,中古カメラ店を毎週(毎日)見て回っていた私としては,実のところ見たことのあるカメラばかりが並んでいる感じがあって,そんなに興奮するようなものではなかったのです。

 冷静に考えてみると,そこにあるのはその当時,お金さえ出せば手に入った民生品です。量産品である以上はそれなりの数が製造されているはずですし,カメラはその中でも廃棄されずに残っている可能性も高い工業製品ですから,博物館らしいコンディションの良さに驚くことや,珍しいカメラに感激することはあっても,ここは本丸ではないなと感じました。

 ということで,普段あまり見る事のない廉価版の一眼レフやコンパクトデジカメを楽しみ,そうはいっても一度も現物を見たことがない初代のサンニッパなどをじっくり見せてもらいました。

 私が感激したのは,後にNikonI型と呼ばれる最初のカメラの試作機(通称No.6091)が出ていた事です。長く行方不明になっていたその試作機は,ある時他のものと一緒に資料室で発見されたそうです。

 そのニュースは私のような市井のファンにとっても胸躍るものだったのですが,そんな大事な貴重な物が行方不明になってしまうことには,その当時,今を歩くことに精一杯だったあの時代なら,当然のことかもしれないと思ったりしました。

 むしろその疾走感にゾクゾクしてきます。1947年,前しか向いていない人達が作ったカメラ,それがNikonだったわけです。

 確かにそれはボロボロですが,姿形は紛れもなく,ニコンです。食べるものにも困ったあの時代に,ちょっと前まで戦争をしていた国の技術者達は,何を思ってこれを削って,組み立てたんでしょう。ああ,写真を撮っておけばよかったなあ。

 フィルムを電送するスーツケースほどの装置も初めて見ました。こういうものって,使う人はプロだけですし,中古カメラとしてはあまり価値がないので,我々はほとんど見る機会がありません。

 今でこそメカとエレクトロニクスの融合体であるカメラですが,今から30年以上も前に,すでにこうしたものを作り上げるだけの技術力があったことを,思い知らされます。

 とまあ,面白かったのはここから先です。レビューでもほとんど振れられていないので存在を事前に意識しなかったのですが,なんと貴重な物が鎮座していることか。

 まず,国産ルーリングエンジン。ほとんどの人にとって無関係なこの装置ですが,回折格子という部品を作るため,精密な「ひっかき傷」を付けるための工作機械です。回折格子は分光分析装置という機械の心臓部で,1mmあたり1000本もの線を刻み込む必要があります。

 これを製造できるのはごく限られた国でしたが,ニコンはこれにトライします。その成功と失敗の物語はニコンの公式サイトにも出ていますのでぜひ読んで頂きたいのですが,これがやがて半導体製造装置や超精密な測定器に結実するのです。

 次は双眼鏡。戦前,海軍の士官達はドイツ製の,それもツァイスの双眼鏡をありがたがったそうですが,軍需に応えるための国策企業として生まれたニコンにとっても双眼鏡は重要な製品だったはずで,特に小型のミクロンシリーズは,今でも本気で「欲しい」と思わせるものでした。(調べて見ると,復刻しているんですね)

 そして半導体製造装置。まるでビール樽のような大きな筒に,分厚く大きなレンズがびっしり何枚も何枚も詰め込まれています。そしてその筒には,なんだかよく分からないワイヤーが走り回っています。1980年代のステッパーも秋葉原で売られているような部品がちょくちょく目に付き,本当に手作りだったんだろうなあという雰囲気が漂います。

 こういう産業機器で,しかも高額なものは,本当に目にする機会がありません。カメラよりもよほど見るのが困難なもので,私はこれを見る事が出来ただけでも,もう満足でした。

 そうそう,LCDの製造装置についても,かなり力が入っていました。現在のニコンの業績は,このLCD製造装置が支えているので,ぜひ自身でアピールして欲しいなあと思っていたのですが,すでにこのミュージアムで行われていたんですね。

 確かに現在は,ニコンのキヤノンも半導体製造装置のシェアは激減し,技術的にも最先端からは遠ざかっています。しかし,実はLCDの製造装置のシェアは大きく,直接目にするテレビ用のLCDを作る機械といえば,むしろこちらの方が身近な存在と言えるのかもしれません。

 顕微鏡なども,我々の命と健康を支える光学機器です。なんというか,プロ用のマシンの,あの無骨な魅力はなんなんでしょう。

 そして書いておきたいのは,日本最古とされるレンズ原器です。1921年に指導に来ていたドイツ人技術者が磨いたものということで,私も写真でしか見たことがありませんでした。こういうものがきちんと残っていることも素晴らしいですし,こうして大事にしていることに,光学メーカーとしての誇りを感じます。

 こうして見ていると,全く初めて知るものは少ないです。少ないから駄目という話では全くなくて,これまで門外不出で,その存在は知られていたけども,一部の限られた人しか見る事が許されなかったものを,こうして勢揃いさせているんですね。

 それらは,展示用に作られたものではなく,紛れもなく本物です。本物は,その背後にあるエピソードも,雄弁に語ります。

 いや,こうした歴史的な遺産を,見せたくても持っていない会社がどれほどあるか。そして持っているからと言って,見せようと思わない会社がどれほどあるか。自分達の業績を誇示しようというだけの,薄い動機で展示内容を決める会社がどれほど多いか。

 この小さなミュージアムが語る物は,ニコンの歴史にとどまりません。本物がそこにあることの強烈な体験を,こんなに手軽に出来る事を,我々は喜ばねばなりません。

 そしてお約束,ミュージアムショップです。

 ニコンようかんはもう定番として,他に何を買うかしばらく迷ったのですが,次に来る機会はないかも知れないと思って,買って後悔することにしました。ニコンFのナノブロック,ニコントランプも一緒に買ってきました。

 ナノブロックは噂には聞いていましたが,なかなか手応えのあるピース数で,これから少しずつ作って行こうと思いますが,底板部分を組み立てただけですでに間違いを発見するなど,前途多難な感じです。でも,こういう作業って楽しいです。ナノブロックって,レゴよりも勘合の感触が良くて,パチンパチンとはめ込むのが楽しくって仕方がありません。

 トランプは一応ちゃんとしたプラスチックトランプで,2枚のジョーカーを含む54枚に,一眼レフが印刷されています。素人目に見たら同じにしか見えない2枚のカードを,「ほらシャッター速度のダイヤルの上に突起があるのとないのがあるでしょ?」と4歳の娘に語る私も正直どうかしてると思いましたが,我が家にあるニコンのカメラをトランプに見つけた時の彼女のはしゃぎように,私は父親となった世転びを再び噛みしめることになるのでした。

 1700円という値段ならもうちょっと上質なトランプであって欲しかったと思いますが,まあこんなものでしょう。

 ニコン羊羹も娘と食べました。1つ120円は微妙な値段ではありますが,噂通り味はなかなか良くて,ゴマやゆずといった,ちょっと珍しいテイストが楽しめることが,ただただニコンの名を冠するだけのオモシログッズと一線を画しています。

 加えてこれらのオリジナルグッズって,羊羹を除いて,ニコン自らが作って販売しているんですよ。ナノブロックに付属する取説も,完全にニコン製品のそれなんです。手間がかかって儲けもないこうしたグッズって,安易に外に出してしまうものだと思うのですが,製造も販売もニコン(正確にはニコンマーケティング)が手がけているところに,ニコンの真面目さを私は見ました。

 ということで,短時間で見られる上に,とても満足度の高い企業ミュージアムです。品川駅からそれなりに歩きますが,ぜひ子供を連れて見に行って下さい。私も娘を連れて行きたいと思います。


 

VP-7722Aのファンを交換

  • 2016/05/25 13:26
  • カテゴリー:make:


 さて,2013年夏に修理を終えたオーディオアナライザVP-7722Aですが,次の機会にやらないといけない事の1つとして,間に合わせに取り付けた廃熱ファンを,正しいものに交換するというのがありました。

 以前書いたように,VP-7722Aには2つのファンが付いています。1つはCPUやDSPなどのデジタル部が格納され,厳重に封止されたアルミのケースに取り付けられたファン,もう1つは全体の熱を排熱するファンです。

 前者は60mmのファンで,元々付いていたものは25mmの厚みがありました。これは当時,何かに必要になるかも知れないと買っておいた新品のファンが偶然同じ寸法で,うまく交換出来たのです。(とはいえPC用でもなく,騒音に配慮しない産業機器用なので,とにかくうるさいです)

 腐っても一流メーカー製のファンですし,価格が1つ280円と安いこともあって偶然買った物が役に立ったわけですが,問題はもう1つの廃熱ファンです。

 これは80mmのファンで,元々の物は真っ黒なホコリが付着し,ベアリングからは異音が発生,風を切る音も爆音と,もう交換しないと落ち着かないレベルの物だったのですが,残念な事にこのサイズのファンは手持ちがありません。

 そんなに嫌ならPC用のファンを買って来ればいいじゃないかと思うのですが,当時の私はそんなことなど全く考えに及ばず,我が家のジャンク箱をひっくり返して,どういう経緯で手に入れた物か全く忘れてしまったのですが,とりあえず新品のファンを発掘してこれに交換したのでした。

 交換したとは言え,元のファンは80mm,今回見つかったファンは92mmですので,そのままでは取り付けできません。そこで後日80mmのファンを買って取り付けることにして,パネルに92mm用の穴を開けて,なんとか取り付けたのでした。

 ところがこれ,やっぱり強烈にうるさいのです。元のファンに比べれば静かですけど,それでもうるさくて,これでオーディオの測定なんか許されるのか,と思うほどなのですが,うっかり忘れていたりして,なかなか80mmのファンを買い直す機会がありませんでした。

 ですが先日地デジPCのメモリを買った時に一緒に,80mmのファンを買いました。PCパーツのファンというのは特別安いわけではありませんが,PC自作マニアの要望をとらえた,細かな売り文句が楽しいです。長寿命をうたうベアリングとか,羽根の形状を静音のためにチューニングしたとか,LEDで光るとか,辛抱防止で一体成型とか・・・

 ただ,大昔の話ですが,PowerMac7600を使っていた頃,電源ユニットに内蔵されていたファンを,当時流行しつつあった静音タイプに交換したところ,非常に静かになって快適だったことがあり,以後ファンは出来るだけ静かな物を選ぶ事にしています。

 さて,今回買ったのは「GELID Silent8」というもので,安いからという理由で選びました。

 ところが私が腰を痛めてしまい,とてもじゃないですがVP-7722Aと組んずほぐれつ格闘するのは無理,という状況が続いてしまい,ようやく先日になって,取りかかることにしたわけです。

 VP-7722Aを分解するのは,リレーを交換した時以来です。出来るだけ分解しないようにしてファンを交換しようと試みますが,リアパネルのファンの位置にはなかなか手が届かず,外すことはなんとか出来たのですが,取付は結局出来ず,最終的にはリアパネルを綺麗に取り外すことになってしまいました。

 取付が終わって試しに動かしてみると,十分な風量もあるし,とても静かです。これは快適ですよ。もう1つの60mmのファンの音が耳障りになったので,こちらも交換したいなあと思ったほどです。

 元通り組み立てて針運転。そしてラックに戻して動作確認です。問題なし。随分と静かになりました。

 いやほんと,長時間は辛いと思うくらいの騒音でしたので,せっかくのオーディオアナライザも使うのに躊躇していたのは事実です。でもこの静かさなら,気にしなくていいレベルです。よかったと思います。

 私のVP-7722Aは,左右でちょっと特性が異なります。基板を入れ替えても同じchがずれるので,どうもレイアウトかワイアリングによるものだと思うのですが,30kHzのLPFを入れれば内蔵発振器の歪率は1kHz,6dB時に0.00007%となかなか優秀です。80kHzのLPFを入れれば0.00036%となり,こちらもまあまずまずでしょう。

 残念な事に,オーディオ機器の自作をあまりしなくなってしまったので,かつて喉から手が出るほど欲しかった歪率計の出番が少ないのが寂しいのですが,こういうのは使いたい時が突然やってくるもの。そのいつかに備えて,平時のコンディションを維持することもまた大事な事でしょう。

 しかしなあ,この大きさと重さ,私がもし死んだらどうするんだろうなあ。残った人に迷惑かかってしまうなあ。

地デジPCのてこ入れ

  • 2016/05/24 12:54
  • カテゴリー:散財

 ASRockのN3150-ITXを導入して9ヶ月です。一度ハングアップしていたことがありましたが,それ以外は非常に快適で,地デジ専用マシンとして使うだけではもったいないくらいです。

 ストーカー並みにしつこいWindows10へのアップグレードを断り切ることが出来ず,私も結局Windows10にしてしまったのですが,別に大きな問題もなく順調に動いています。

 ですが,気になる事が1つ。このPCを用意したときには,地デジ専用ですからメモリは4GBもあれば十分と考えて,DIMMを1枚だけ差し込んでおきました。これでなんら問題はないのですが,先日MacBookProのメモリが壊れたことで,今のうちにDIMMをもう1枚買い足しておかないとまずいなと思うようになりました。

 このN3150-ITXはDIMMスロットを2つ持っており,同じスペックのDIMMを2枚入れるとデュアルチャネルで動作し,速度が向上するんだそうです。

 まあ,5%くらい向上すれば御の字で,当初は別にいいやと思っていた私ですが,デュアルチャネルにするには,同一ロットのメモリだと確実といわれるくらいですから,時間が経つほど同じ物が手に入りにくくなってしまいます。

 経験的にメモリは,今足りていてもそのうち足りなくなるものなので,とりあえず全部のDIMMスロットを埋めておきたいところです。

 そこで,一応値段を調べて見ると,昨年夏に比べて相場が随分下がっており,同じ容量のDIMMが半額で買えます。

 この際4GBを2枚買い直して確実にデュアルチャネルにするのがいいか,あるいは一気に8GBを2枚入れて16GBにして頂点を目指すか,それとも4GBを買い足してデュアルチャネルにならないリスクも受け入れるか,いろいろ考えました。

 ついでに,近いうちに退役することになるMacBookProに,Windowsマシンとしての余生を送ってもらうために,DSP版のWindowsも欲しいです。

 で,結論は,私が買った4GBのメモリと同じメーカー,同じ型名の4GBのDIMMをもう1枚だけ買い足して,デュアルチャネルになる可能性にかける,というものでした。これにDSP版のWindows8.1を1つ,それとなにかと交換をしないといけなくなりつつあるファンをいくつか,大阪日本橋のPCパーツ店に注文しました。

 ここ,先日メルマガが終了するにあたり,感想を募集していたのですが,注文書に感想を書くと,いろいろ面白いお土産をもらえるというので,書いてみました。届いたブツは,それはそれは盛大なもので・・・

 Windowsの擬人化キャラ紙バッグに,嫁さんは絶句し,ねこ耳のキャラクターのシールに4歳の娘は大喜びで,早速スケッチブックに張り付けていました。

 そうそう,メモリです。

 PCをラックから引っ張り出し,久しぶりに蓋をあけます。あいているDIMMスロットに届いた4GBを入れるだけです。

 問題はここから先。ファンの交換です。このケースはR11S4MI-BAというあんかなベアボーンのケースをそのまま流用しているのですが,ちょうどCPUの真上あたりに大きなファンが付いています。CPUファンではないんですが,シャシーファンとは風の向きが違う(吸い出しではなく押し込み)ので,CPUファンとして扱います。

 で,このファンの大きさは92mmなんですけども,これを鵜呑みにして92mmの静音ファン(しかもPWM)を買ったところ,つきません。

 外したファンを見ると,なんと,口径は92mmなんですが,取り付け穴の位置は80mmのものと同じでした。

 ここに80mmを入れれば無改造なんですが,もとが92mmですし,買った物も92mmですから,92mmの取付穴を開けることにします。いやなに,ドリルで簡単です。

 無事取り付けたんですが,電源を入れると爆音です。

 以前は静かだったので,交換しただけでうるさいというのは,なんだかおかしいです。1週間ほどそのまま使ってみましたが,もともとファンレスのマザーなのに,この爆音は理不尽と,UEFIで設定を確認します。

 すると,フルパワーで回る設定になっていました。

 これをAutoモードにして見ますが,どうも変化しません。おかしいなあと持って再起動すると,回転数が落ちました。これ,再起動しないとダメなんですね。

 マザー側は3Pで,PWMには非対応です。だから私が買ったPWM対応というのは無駄だったことになるんですが,一応速度調整は出来ていて,音も静かになりました。よしよし。

 しかし,なぜ前のファンは静かだったのかなあと,ファンを電源器に繋げてみました。すると,フルパワーでも元々静かなファンだったんですね。風量も少なめで,ファンレスのベアボーン用に,静かで風量の少ないファンを選んであったんですね。

 そうそう,メモリは無事に8GBになり,デュアルチャネルにもなっていました。問題は出ていません。なんでも,GPUがCPUと統合されていて,フレームバッファがメインメモリと共用になっている場合は,デュアルチャネルにすると効果があるんだそうですよ。

 ファンも静かになり,メモリも8GB,デュアルチャネルで動作しており,これでこのPCはもう大丈夫でしょう。今年の夏は暑さが厳しいと言いますから,これでしのいでくれればいいなあと,思います。


スロージューサーを買う

  • 2016/05/23 15:09
  • カテゴリー:散財

 4歳の娘に,ミックスジュースなる物を作ってあげようと思い立ち,バナナとオレンジとキウイフルーツに牛乳を入れ,ブラウンのブレンダーで細かく粉砕したものに,メイプルシロップを入れた物を出したところ,これがまた随分と喜んでくれたのです。

 これはこれでうまくいったのですが,ブレンダーは刃が高速回転するし,洗うときにも危険だという事と,音が大きくて使うのが億劫という問題点があり,それなら小型のジューサーを買ったらどうかという話になりました。

 で,一人分のジュースを作る小型のジューサーを探していたら,スロージューサーなるものが流行していることを,ふと思い出しました。

 存在自体は知っていたのですが,ゆっくり果物を搾ることで得られるメリットに対し,繊維を「絞りかす」として捨ててしまうことになるデメリットが気に入らず,これまでも興味の対象にはなっていませんでした。

 オレンジ1個から搾り取れる果汁はカップ1杯に満たないものですが,そのまま1個を丸ごと食べると,随分と満足感が得られるものです。しかもおいしいでしょう。

 わざわざジュースにする理由など,見当たりません。

 ジュースにすることのメリットと言えば,他の果物を混合して味をデザイン出来ること,皮を剥いて食べるなどの手間をかけずに済む事(これは食べるときに手間がかからないというだけの話で,作る時に手間がかかってますから,あまりうれしくありません)くらいのもので,効率は悪い,手間はかかる,片付けも面倒くさい,とデメリットばかりなわけです。

 ですが,娘がジュースという存在そのものを面白いと思うのであれば,話はちょっと違ってきます。

 ここで,もう一度スロージューサーのおさらいです。毎分40回転程度で果物をすりつぶし,果汁をとるのがスロージューサーです。これまでの高速回転する刃で切り刻むジューサーと違うのは,

 繊維質を分離するので舌触りがよい
 かき混ぜないので空気に触れず,酸化しにくい(栄養素が壊れにくい)
 静かで安全

 ということのようです。デメリットはこの裏返しになり,繊維質を取る事が出来ない,カスを捨てるからもったいない,ミックスジュースを作るなら混ぜないといけない,ということになります。

 なので,どうもメリット・デメリットというよりは,個性の問題という感じがします。しかしこのスロージューサー,4万円も5万円もするものらしく,そんなものがヒットしているというのがにわかに信じがたいところでした。

 ところが,登場してから数年経ち,価格もこなれてきていることがわかりました。この分野を切り開いたシャープのものも,新機種機との入れ替えの関係で2万円ほどで買えますし,パナソニックのものも2万円ちょっとです。

 そうなってくると,本当にこれを使ってメリットがあるかどうか,という話になるわけですが,こんな風に考えてみました。

・ミックスジュースを主に構成することになるバナナやキウイフルーツは,そもそも皮や種がないので,ペースト状になる。ゆえにカスが出ないだろう・

・オレンジやグレープフルーツは,雑味が出るので内側の袋は出来るだけ取り除いて,果肉だけでジュースを作る物なので,それが自動化されると考えればカスが出るのは当たり前。

・そもそも,高速で粉砕するタイプのジューサーだったら,今あるブレンダーで十分対応可能。わざわざジューサーを買うんだから,ブレンダーでは出来ないものでないと意味がない。

・凍らせたら果物を使えばフローズンが出来るらしい。これは喜ぶだろう。


 よくもまあ,こんな都合のいい話をポンポン思いつく物だと自分でも感心しますが,とにかくここまで来たら,もう購入にむけての反対勢力は散り散りになっています。向かうところ敵無し。意気揚々とポチるだけです。

 果たして,土曜日の午前中に届いたのは,シャープのスロージューサー「ヘルシオ ジュースプレッソEJ-CF10A-R」です。6月に発売になる最新機種との差は,音がやや小さくなることと,青汁がうまく作れるようになることだそうです。いらんわ。

 まず,嫁さんの第一印象は,でかいこと。これは私も同感で,想像を超えた大きさでした。貴重な常設場所を確保するには,かなりの稼働率をたたき出さないと認められない大きさです。

 一応,購入した張本人ですから,開梱して洗って,使えるようにします。前日に凍らせてあったキウイを,フローズンにしてみましょう。

 フローズン用の刃を取り付け,説明書通りに組み立てます。投入口から小さく切ったキウイをいれます。ぐいーんと大きな音を立てて,みるみる潰れていくキウイ。

 本来カスが出るところから,フローズンが出てきました。

 大喜びの娘に,食べてもらいます。

「どう?」
「おいしくない」

 私も食べてみましたが,酸っぱくて,はっきりいって美味しくありません。どうも,アイスクリームやシャーベットの味を期待して口に入れて,すりつぶしたキウイの酸っぱい味しかしないので,脳ががっかりするようです。

 0勝1敗。

 気を取り直して,バナナのフローズンです。凍らしたバナナがありますので,これでフローズンを作ります。リベンジです。

 しかし,投入したはいいのですが,なかなかつまって出てきません。時間が経つうちに溶けてしまい,グニャグニャの,ただのバナナペーストになってしまいました。

「どう?」
「まずい」

 嫁さんが笑いを堪えて,娘の残した「かつてフローズンと呼ばれたバナナ」を食べてみますが,「これはバナナをすりつぶしたものだ」と,まるで大辞泉のようなこと言っていました。想像するにまずそうなので,私は食べていません。

 0勝2敗。

 次に,オレンジを使ったミックスジュースを作ります。ジュース用の刃をセットして,皮を剥いたオレンジに続けて,説明書の通り,バナナを等量の牛乳と一緒に入れます。

 オレンジからは盛大にカスが出てきました。そしてバナナは牛乳でドロドロになって,山芋のすり下ろしのように,ぼたぼたと出てきます。しかし,バナナが詰まってしまい,スクリューがグルグルと回転する透明な容器の中で,バナナと牛乳がぐちょぐちょと撹拌されているだけの様子です。

 途中で止めて,娘の目の前に。

「どう?」
「もうのめない」

 ・・・嫁さんは無言で,オレンジのカスをスプーンで食べています。娘が残したジュースを嫁さんも口にしましたが,「ドロドロのバナナに牛乳を混ぜた物」と,まるで広辞苑のような感想を述べていました。

 0勝3敗。

 これだけ連敗が続けば,常設場所はおろか,ファーム落ちですよ。まずいです。

 とにかく,まともなジュースを作る前に勝手なことをやるからうまくいかないわけで,ここはグレープフルーツを1個丸ごと使って,100%のジュースを作って,スロージューサーのメリットを精一杯アピールしてもらうことにします。

 皮を剥いて,袋のまま投入します。ドボドボとジュースが出てきますが,カスも一杯出てきます。

 しかし,これは見た目にも美味しそうです。娘に出します。

「どう?」
「おいしい」

 やったー。やっとグラスを空っぽにしてくれましたよ。私も少しもらいます。うん,確かにおいしい・・・おいしいけども,グレープフルーツの味だよな,それならグレープフルーツをそのまま食べりゃいいんじゃないか?

 嫁さんも飲みましたが,「100%ジュースが高い理由がわかったよ」と,これまたスパイスの利いたコメントを頂戴致しました。

 0勝4敗。

 そして,毎回毎回嫁さんから出たコメントは,「シンクの排水口フィルターが詰まる」でした。かなりむかついていたようでした。

 そしてその日の夜,娘は既製品の桃のゼリー(自分でスーパーで選んだ)を,美味しそうにほおばっていました。0勝5敗。

 さらに翌日,デザートにグレープフルーツを食べたいという娘に,ジュースにするか,そのまま食べるかと聞いたところ,そのままという返事をもらうに至り,試合すらさせてもらえず,0勝6敗です。

 てなわけで,今のところ,手間がかからず,コストがかからず,ゴミが出ず,美味しく,繊維も摂れるようなジュースを,このマシンを使って作れない物かと,今後も検討し続けることになりそうです。

 結論としてですが,柑橘系など果汁の多い果物を100%ジュースにする場合は,とても美味しい。美味しいけども,そのまま食べるのと本当に同じ味がするので,メリットとしては袋や種を出さなくてもいいという,面倒臭さのちょっとだけ回避,という感じです。

 フローズンはかなりそのままで食べるのは厳しいです。脳が混乱します。

 バナナは牛乳と一緒にして,柑橘と合わせれば美味しいミックスジュースになりそうですが,ブレンダーの方がもっと美味しくできそうです。

 この悲惨な状況をよそに,嫁さんは「ああ,ジャガイモをつぶせるのね」と言ってました。ああ,スロージューサーが,芋を潰すマシンになるとは・・・

 どうすんのよ,これ。

MacBookProのメモリ故障

 先日MacBookProが起動しなくなってしまいました。プープーと耳障りなビープがなんどか鳴って動かなくなったのですが,この時は再起動で問題なく動き出しました。

 まあこういうこともあるわな,と大らかに構えていたところ,数日後に起動しようとしたらまた起動しないじゃありませんか。

 今回ばかりは何度再起動してもだめ。とにかくビープが鳴りまくりです。よく聞いてみると,2回プープーとなった後,3回プープープーを繰り返します。

 気になって調べて見たのですが,どうもメモリの異常のようです。そこで2枚刺さったSO-DIMMのうち,2GBを外して試したところ変化無しで起動せず,もう1枚の4GBの方を外してみたら起動することがわかりました。

 私のMacBookProは2008年のモデルで,もう現役で稼働しているものなどないんじゃないかというほどの骨董品なのですが,メモリの最大容量は4GBと2GBの組み合わせでトータル6GBです。

 経験的に,PCの寿命というのは,故障やCPUパワーの不足ではなく,メモリ不足によるものだと思っているので,可能な限り最大容量を搭載するようにしているのですが,さすがに6GBではきつくなってきました。

 ならさっさと新しいDIMMに交換だと思ったのですが,そうは問屋が卸しません。この時代のメモリはDDR2で,DDR2のSO-DIMMで4GBというのは,非常に珍しいんですね。というのも,DDR2では1Gbit品がメインストリームで,2Gbit品は安くなる前にDDR3に移行してしまったので,値段が下がっていないのです。

 1Gbit品を16個使うと2GByteのDIMMが出来ますが,DDR2世代においてはこれが一番ビット単価の安いDIMMとなります。で,1Gbit品を32個使って4GByteのDIMMを作ればいいように思う訳ですが,32個というと64ビットバスを作るには1チップあたり2bitのものが必要ですが,そんなものはありません。(ないと思う)

 とまあいうわけで,4GBのDIMMを作るには2Gbit品を8つ使うことになってしまうわけですが,先程書いたようにDDR2世代では2Gbit品は高価で,数も少ないのです。ゆえにDDR2の4GBのSO-DIMMは珍品扱いです。

 こういう話は,メモリやチップセットの世代交代の時には必ずと言っていいほど起きていた話で別に珍しいものではないのですが,何度か痛い目にあってきた経験から買っておいた4GBが真っ先に死ぬとは,ホントに人生なにがあるかわからんもんですな。

 で,結局どうしたかというと,2GBのDIMMを2枚使って4GB構成にしました。6GBにする前の構成に戻したことになりますが,軽い処理はともかくとして,重たい処理は厳しいです。

 そこで急遽,せっかくなのでMacBookProを買い換えようということを思いつきました。現行モデルは円安時に価格設定されたので割高ですが,6月のWWDCで新機種が出るのが確実なだけに,モデル末期の値下げが起きており,下位モデルなら20万円を切っています。

 私のやりたいことはLightroomで写真の現像が一番重たい処理ですので,これがさくさく動くであろう現行機種でも全然構わないですし,すべてが新しくなると噂される新モデルはインターフェース類も刷新される可能性があり,そうなるとすんなりと移行できないかも知れません。

 なら買っちゃうか,とかなり勢いづいていたのですが,一晩経ってから改めて考えると,最安のお店を探し回って1000円単位で一喜一憂するよりは,どこでも買っても同じ値段の新モデルを,アップルストアでUSキーボードにしてもらって買う方が絶対得だろうと,新モデルのスペックを完全に無視して結論しました。

 なにせ現行モデルは設計が古いですから,その分OSがアップデートされたときに,対象機種から外れるのも早いわけです。長持ちさせるという意味でも,今回は新機種が良さそうです。

 ついでに言うと,円高が進んでいるので,以外に安価な設定がされるかもなあと,ちょっと皮算用したりしてます。まあどうなるかわかりませんが。

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