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2010年06月の記事は以下のとおりです。

DP1sにビューファインダーを買う

  • 2010/06/29 11:15
  • カテゴリー:散財

 DP1sの不満点を解消するカスタマイズの最終段階で,最もお金のかかるオプションゆえ躊躇していたのが,ファインダーです。

 LCDがファインダーの役割を負うようになって久しいデジタルカメラですが,やっぱり光学ファインダーの見やすさにはかないません。LCDやEVFという電子式ファインダーを含め,まだまだだなあと思う一方で,確実に光学ファインダーが数を減らしている事実もあり,絶滅してしまうこともそう遠い事ではないと思います。

 DP1sに限って言えば,LCDが見にくいため,光学ファインダーは必須だと思うのですが,ご多分に漏れず別売りでかつ高価です。さりとてLCDのクオリティは低く,特に晴れた日の屋外での見にくさは筆舌に尽くしがたいものがあります。

 これではフォーカスはおろか,構図を決めることすらままならないと危機感を感じた私は,アクセサリシューに取り付けるファインダーを探してみました。

 かつてレンジファインダーのカメラが主流だったころ,交換レンズにあわせたファインダーを内蔵するには限界があり,特殊な焦点距離のレンズにはアクセサリーシューにファインダーを装着するのが当たり前でした。

 一眼レフ時代になり,アクセサリーシューには電極が付けられ,ホットシューと呼ばれるようになりストロボの取り付け場所として役割を変えました。そしてデジタルカメラ時代もその役割は基本的に変わっていません。

 DP1sがコンパクトカメラでもマニアックな部類に入るのは,このアクセサリーシューがちゃんと用意されていることでしょう。ストロボに加えて,ファインダーも取り付け可能というのはありがたい話です。

 そのファインダー,DP1s純正ももちろんありますが21000円もします。リコーのGRD用のファインダーも25000円近くの値段です。ただ構図を決めたいだけなのに,こんなに高いなんて・・・

 コシナのフォクトレンダーから安いものが出ていたと思っていたらすでにディスコンになっており,4万円近い高級なものしかありません。ライカ純正のファインダーなど論外です。アベノンのファインダーも探せば見つかりそうですが,簡単に手に入るような状況ではありません。

 さて困った。私はフォクトレンダーの15mmのファインダーは,SuperWideHeliar15mm/F4.5の付属品で持っていますが,さすがに28mmのDP1sに流用は難しいでしょう。そうなると買うしかないのですが,それにしても2万円もするのは,かなり抵抗があります。

 こういうとき,中古カメラ屋さんを巡回していると,思わぬ出物に出会うこともあるんですね。そういう時は本当にうれしいものですが,今の生活を維持したければ,昼間は働くしかありません。

 そんななか,ようやく見つけたのが,藤澤商会という五反田の中古カメラ屋さんのオリジナル商品,FUJISHO 28mmファインダーです。13200円に送料500円の合計13700円で,一応新品の28mmファインダーが手に入ります。ありがたい。

 とにかく他に代わるものがない状態ですので,これを買うしかないと思い注文,先日の土曜日に届きました。

ファイル 384-1.jpg

 ご覧の通り,これが13000円もするのかー,と思うような質感です。光学的にはそれなりにしっかり作ってありますし,基本性能についても過不足はありません。これで十分いいのです。

 しかし,アルミダイキャストなんだかプラスチックなんだかわからない質感の低い筐体に,厚ぼったく塗られた塗装は,国産表示を疑いたくなってしまう出来です。そういう質感に対しての13200円と考えると,これはやっぱり普通は買わないよなあと思います。

 早速取り付けて見ましょう。

ファイル 384-2.jpg

 デザインは直線基調で,不思議とDP1sに似合います。小ぶりなのもいいですね。なかなか格好いいですね。というか私のDP1s,すでに原形をとどめていないような気も・・・

 DP1sに取り付けた後は注意が必要です。これをつけたままだと,内蔵ストロボがファインダーにぶつかってしまい,ポップアップしません。このストロボではあまり使い道もないと思いますが,気をつけたいところです。

ファイル 384-3.jpg

 個人的な話ですが,ファインダーをあまり奥まで押し込まず,前板とツライチになるくらいの場所で止めておくと,覗き込むときに鼻の頭がLCDにぶつかりにくくなり好感触です。

 さて,視野については,LCDに映る範囲とほぼ同じです。構図を決める事については問題はありません。歪みも少ないですし,光学ファインダーをのぞき込むこの感覚は,やっぱりいいものです。

 パララックスについては,そもそもこのカメラがそんなに寄れないカメラですから,ほとんどの場合で考えなくてもよいはずです。

 実際に数枚撮影してみましたが,ファインダーで作った構図から大きくずれてしまうことはありませんでした。十分実用になりますね。

 一つ重要な事に気が付きました。DP1sはLCDを常時OFFにすることが出来ません。電池の消耗を防ぐ事が出来るだろうと思っていましたが,残念ながらそれは無理なようです。

 それと,当たり前の事ですが,ファインダーにはAFの枠も出なければ,合焦のサインも出ません。もちろん各種の情報も表示されるわけはなく,いちいちファインダーから目をそらして,フォーカスが私の望む場所で調整されているかを確認しないといけません。これはもう,パンフォーカスで撮影するときに,さっと構図を決めるのに便利なものだと割り切りましょう。

 ということで,あとはせいぜい予備バッテリーを買うことくらいになってしまったDP1sですが,なにせ現像する度に期待と違う濃密な画像が出てくることに驚きの連続です。

 撮影の時には全然脳内麻薬は出てきませんし,どちらかというと先々の現像の時の楽しみのために我慢して撮影するという感覚が強いのですが,連写が出来ない故に1枚1枚を大事に撮影しようとするその緊張感は,慣れてくると心地よいものに変わります。

 そして現像です。撮影した枚数が非常に少なく,現像を始める前の「さあやるぞ」という覚悟が空振りに終わるほどです。D2Hなどは連写のカメラですので,うんざりするほどのカットがあって,まず選ぶことから始めないといけないのですが,DP1sは選ぶ負担も少なく,じっくり現像の取りかかれます。

 結果,使い物になるカットがゼロの時もあって非常にがっかりすることもありますが,思い出してみるとフィルム時代はいつもこんなだったですよね。DP1sというカメラは,化学処理を使わない銀塩カメラですね,本当に。本当に趣味だけのカメラです。

VAIO U1にSSD~ベンチマーク編

 SSDをおごったVAIO U1ですが,ここのところ安定してきました。メールとTwitterとWEBくらいなら,どうにか実用になっています。

 CPUの速度の遅さだけはいかんともしがたく,メモリを空ける目的とあわせて可能な限りの常駐ソフトとサービスを切りましたが,やっぱり根本的に解決しません。

 ただ,画面サイズもキーボードも,なぜか「ほっと」するような安心感がこの昔のマシンにはあり,手元にあったらついつい電源を入れてしまうのです。小さくてボタンがいっぱい付いているものが好きで仕方がないのですね。

 で,先日SSDの速さが全然実感できないと書きましたが,UltraDMAのMode2になっていることが原因でした。BIOSで変更をしますが,AutoではMode2になってしまうので,UserにしてMode5を選びます。

 すると体感できる違いが出てきました。明らかに読み込みの速度が上がっています。少しは快適になった感じがします。

 そこで,ベンチマークを取ることにしました。SSDはベンチマークを取ると寿命が短くなるので,あまりやりたくありませんが,今回に限ってやってみます。

 私はSSDを半分に割って2つのパーティションを用意しています。Dドライブにはほとんどなにも書かれていないので,ここをターゲットにして測定開始です。

 結果は以下のようになりました。

SSD Laboratory BluePolaris 32GB UltraDMA Mode5

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梅雨の花

 東日本も梅雨に入り,しとしとと雨が降るようになって来ました。

 私は雨が大好きで,晴れた休日にある慌ただしさもなく,気温もそれほど上がらず,じっとしていればそこそこ過ごしやすい梅雨時は,引きこもるには魅力的です。

 昨日,ふと玄関先で,お隣の紫陽花の美しいグラデーションを見かけたので,DP1sで撮影してみました。

ファイル 382-1.jpg

 28mm,F4,現像はPhotoshopCS5です。トリミングをしています。

 つくづくDP1sというカメラのポテンシャルにはうならされます。そしてその性能に自分の力が全く追いついていないことを痛感します。

 ところで,クローズアップレンズを使ってみたのですが,画質やボケはそこそこのものだったのに,オートフォーカスの精度が甘く,フォーカスがきちんと来ていませんでした。

 マクロ撮影ではフォーカスが難しくなることをうっかり忘れていたせいもありますが,さりとてマニュアルフォーカスはこのLCDでは簡単とはいえず,なんだかこういう理由でもこのレンズが「寄れない」仕様になっているようになっているのかも知れないなと思いました。

新しい家電に囲まれて~その後

 新しい生活を初めて2ヶ月あまり経過しました。

 住む場所も,人数も,それこそ生活パターンも大きく変わってバタバタしていたわけですが,緊急度の高い案件はほぼ片付き,あとは自分達のペースで進めていけばいい状態になりつつあります。

 気候もこれから蒸し暑く過ごしにくい時期になっていくため,体調を崩さずマイペースでいくことが肝要かと。

 ところで,環境に変化に加えて,生活家電の総入れ替えがあり,何をするにも「勝手の違い」に翻弄されておりましたが,それもほぼ慣れてきて,落ち着いてきました。


・洗濯機

 斜めドラム式乾燥洗濯機を買ってみたわけですが,期待以上のこともあれば,期待以下だったこともあります。

 期待以上だったことは水と洗剤の節約と,その割に汚れが良く落ちていることです。9kgの洗濯物を洗うのにスプーンに0.9杯の洗剤で済んでするのですが,以前私が6kgの洗濯機を使ったときでも1杯より少し多いくらいを投入していましたから,洗剤の使用量は半分ちょっとということになるでしょうか。

 それに水の使用量も少なく,あれだけの洗濯をしているのに,水道の使用量は予想よりずっと少ないものになっていました。洗濯というのは水も電気も消費する家事だったわけですが,この洗濯機はランニングコストの低さで洗濯を身近なものにしてくれた気がします。

 汚れの落ちも大したもので,食べこぼしのシミも綺麗に落ちていますし,白いシャツなんかも「綺麗になってるな」と思う白さを実感します。少ない水で濃い洗剤液を作りたたきつける様に洗濯する訳ですから,経済性と洗浄力を両立出来るのも分かる気がします。

 また,一度に洗える洗濯物の量も最大で9kgとそれなりに大きく,週末の洗濯が負担に感じません。

 しかし,乾燥機はちょっと期待はずれかも知れません。どちらかというと,期待が大きすぎたということでしょうか。

 まず,乾燥機が使えるのは説明書によると6kgですが,実際にはおおむね5kgくらいまでで,洗濯のみで可能な9kgの半分ちょっとです。ということは,倍の回数を運転せねばなりません。5kgになって時間も水も半分になるなら倍の回数でもいいのですが,残念ながら5kgだろうが9kgだろうが,それほど時間も水も必要量は変わりません。

 無理に多い洗濯物を乾燥させると,乾きムラが多発し,結局外に吊しておくことになります。それにシワがひどく,アイロンをかけるようなシャツなどは最初から乾燥機を使わないのが賢いです。

 また,乾燥時間がながく,洗濯から乾燥終了までざっと4時間半です。別に付きっきりで見なければならないものでもなく,ほっとけばいいので負担は少ないのですが,迂闊に夕方に仕掛けると仕上がりは夜遅くになります。

 電気代は予想以上に低く,これなら常用できるという印象を持っています。さすがにヒートポンプということでしょう。

 で,結局のところ,最初に9kgくらいの洗濯を行い,次に5kgくらいの洗濯を乾燥までやってしまいます。下着や靴下,タオルなどの小物類は,干すのが大変に面倒臭いわけですが,これらを乾燥まで行うことで,洗濯という家事の労力のうち,面倒で時間のかかる面白くない作業からすっかり解放され,とても楽になりました。

 シャツなんかはハンガーに引っかけて吊すだけですので手間もそんなにかかりませんし,取り込んだ後アイロンをかけますから,どうせすぐに片付けられません。その点でも非常に合理的に処理が出来ます。

 ですので,さすがに万能ということではなく,うまく大容量の洗濯モードと手間のかからない乾燥モードを使い分ける,という形に落ち着いてきました。

 そうそう,nano-eですが,これは実は結構役に立ちます。眉唾というかオカルトな感じがしていたのですが,先日購入した古本がたばこ臭く,気になっていたところ,nano-eを使ってみたところ,少なくとも開いたページの匂いはすっかり消えていました。うまく使うと面白いと思います。


・掃除機

 カーペットの全面採用につき,古い掃除機ではヘトヘトになってしまうことから,回転ブラシと自走機構を備えたヘッドを持つ,カーペット前提の掃除機を急遽買った訳ですが,ポイントは3つで,カーペットの掃除がどれくらい楽になったか,どれくらい綺麗に吸うのか,そしてサイクロンはどうなのよ,です。

 まず,カーペットの掃除がどれだけ楽になったですが,以前に比べたら全然楽ですが,相変わらず重労働であることに違いはないなあという印象です。パワーヘッドですので勝手に前に進んでくれますから,人間はハンドルを持って支えるだけのはずなのですが,さすがにカーペットですので1ストロークではダメで,何度か前後に往復させないといけません。

 結局それが楽にならない理由の1つですし,後ろに戻すときにヘッドの重さがやっぱり負担になります。何度も繰り返していると意地になって,ついつい両手で握りしめ,押さえ込むように動かして汗だくになっていることがあります。これは誤った使用例なのですが,ついついムキになってしまうのは,この家事には不可避のものでしょう。

 綺麗に吸うか,については,特別強烈に吸うという印象はありませんが,不満もありませんので,なんとか合格という所でしょうか。吸引力はそれなりにあり,ゴミをさっと吸い取ってくれますが,やはりカーペットに潜り込んだものを吸い込むのは難しいようで,先日黒いプラスチックの削りカスを吸い込むときに,何度も何度も往復させてようやく吸い込んだのを見て,目に見えないゴミも結構しぶとく残っているんだろうなと思った次第です。

 説明書によると,何度も動かすより,ゆっくり1度だけ動かす方が効果が高いとあります。誠にその通りで,ゆっくり動かす方が綺麗になります。これは間違いありません。そういう使い方をマスターしないと効率的に掃除が出来ないと言うことでしょう。

 最後にサイクロンですが,これはモチベーションを高めるのによいですよ,本当に。真面目に掃除をした後,透明なダストボックスに綿埃が溜まっているのを見ると,少なくともこれだけのゴミがこの部屋に広く薄く存在していて,もし掃除をしないとこのゴミの上で生活していたのだ,と思うと,ちゃんと掃除はしないといけないと気持ちを新たに出来ます。

 国産掃除機のサイクロンなどダメだろう,と私も考えていたきらいがややありましたが,少なくとも私は,吸引力が落ちていったという印象は受けませんでした。それにボタン1つで圧縮されたゴミがぽろっと落ちる仕組みなのでメンテも簡単です。

 ただ,サイクロンで分流できなかったマイクロダストはフィルタに引っかかるのですが,このフィルタの目詰まりが最近気になってきたというのが本音です。電源スイッチをオフにすると「ガラガラガラ」とこのマイクロダストを叩いて落とす機構が動き,一応のメンテフリーを標榜してはいますが,マイクロダストの落ちる量が毎回毎回多量になっていることを見ると,ちょっとやそっとじゃ取り切れないくらい,溜まっているんだろうなあと想像出来ます。

 一度本気で分解掃除をしてみないといけないでしょう。

 欠点と言えば,やっぱり取り回しの悪いデザインでしょう。取っ手が変な位置についていて,しかも普段は隠れているので,ぱっとつかんで動かすときに一瞬手が止まります。これは嫌なものです。

 次にエコモードです。フローリングになったりヘッドの動きが止まったり,宙に浮いた時間が長いときにはモーターの回転数を自動で落とす機能ですが,これが今ひとつお馬鹿さんで,人間が掃除機の癖をつかんでやらないと作業の流れを止められてしまいます。もう一息なんですけどね,惜しいです。

 収納もなんか変です。本体を立てて,フックにパイプを引っかける仕組みなのですが,収納時にヘッドが床にちょうど接する高さでパイプが固定されます。しかし,フックにかけるとき,パイプを上から下に動かす必要があり,この時重みで下を向いたヘッドがそのまま床に引っかかり,つま先立ちのようになってしまいます。

 そのため,本体を立てたまま後ろ方向に数センチ動かす必要があるのですが,立てた状態では車輪は宙に浮いており,引きずらないといけないのです。これははっきりって,どんくさい設計と言わざるをえないでしょう。

 なお,欠点とは言いにくいのですが,特殊なパイプのせいで,電動工具のキリコを回収するためのパイプに接続出来ません。まあ,キリコのようなややこしいものをこの掃除機で吸うと壊れてしまいそうなので,古い掃除機で吸うことにします。


・アイロン

 両方が尖ったコードレススチームアイロンを,これまた急遽買うことになったわけですが,私にとって新規性の高いポイントは3つで,両方が尖っていること,スチームアイロンであること,そしてコードレスであること,です。


 まずなんといっても両方が尖っていることですが,これはもう素晴らしいです。向きをいちいち変えずに,後ろ向きのままでよいというのは,こんなに心地よいものだったのかと驚くばかりです。

 前後にかけられるから2倍の効率というのもありますし,ボタンを避けてかけつつ,返す刀でポケットをかける,といった芸当も可能で,これは本当に楽しいですよ。私で,シャツ1枚を約4分で仕上げられるようになりました。

 スチームアイロンであることについては,これまでの歴代のアイロンが,しょぼいスチームであったことと,そのくせことごとくスチームがすぐに壊れて出なくなったことで,ネガティブなイメージしかありません。

 耐久性についてはまだわかりませんが,少なくともスチームの量はギリギリ合格点です。もう少しあったら楽なんだけど,と思うのですが,これなら霧吹きを併用はなんとか回避できそうというレベルです。

 タンクが取り外せることもなかなか便利なのですが,問題は使用後の水が,このタンクからなかなか向けてくれないことです。水滴が長く残るとカビや水垢の原因になり,不衛生だし壊れる原因にもなります。出来るだけ速やかに乾燥させたいのですが,これがなかなか難しい構造なわけです。

 私の場合,電気ポットに立てかけておいて,ポットのほんのりした熱で2,3日中に乾燥させる技を編み出しましたが,これをしないと1週間は内部が濡れたままです。

 あと,水道水のカルシウム分が結晶化して目詰まりし,スチームが出にくくなることも何度かありました。アイロンをポンポンと叩くと,スチームの穴から粉が出てきます。このあたりの問題は昔から変わっておらず,解決がなされていないのかと正直がっかりしました。

 コードレスであることは全然デメリットを感じません。十分な熱量を持ちますし,コード付きでも動作している時間の半分は,サーモスタットによって非通電状態です。非通電状態でなぜACコードがコンセントにささっている必要があるのか,と考えると,実はコードレスアイロンが実に合理的であることに気が付きます。

 ただし,連続で長時間の使用は出来ず,こまめにスタンドに戻さねばなりませんが,普通の使い方をしていればこれは問題になりません。むしろ,以前のアイロンが垂直にアイロンを立てねばならず,ここで手首をぐいっと不自然に曲げる必要があったことを,専用のスタンドによって克服したことが,いかに快適かを論じるべきです。


・電子レンジ

 電子レンジは,果たして再加熱マシンなのか,それとも積極的な調理器具なのか,という永遠のテーマから逃げるわけにはいかず,その結論は人それぞれ,そして購入価格帯も大きく変わってしまうという,難しい商品です。

 我々は,再加熱マシンと考えていますが,調理器具への進化を始めてから長い時間を経過したことを考え,期待を込めて調理機能をないがしろにしないものを選びました。

 ポイントは,再加熱マシンとしての基本機能と,調理器具としての完成度と可能性です。

 まず再加熱マシンとしては,ほぼ満足です。外形に対して広々とした庫内,ターンテーブルがないことで四角いトレイが引っかからないし高さ方向も広々使える,赤外線センサのおかげで温度をセットすれば後は自動あとは自動でやってくれる,最初の1分ほどだけは高出力で加熱し,ほとんどの場合この時間で希望の温度に達してくれるので時間が大幅に短縮されること,そしてスチーム加熱が素晴らしいことは,期待以上のものがありました。

 いずれも,最も頻度が高く,確実に動いて欲しい再加熱という作業を大きく改善するものです。スチーム加熱のない下位機種でもこれらのメリットは享受できますので,1万円くらいの安い電子レンジを買うのは,もうやめたほうがいいでしょう。

 それでそのスチーム加熱ですが,ヘルシオのような積極的な調理には使えなくとも,豚まんやシウマイなどの再加熱に強みを発揮します。チルドの豚まんを作り立てのように味わうなら,もうこれしかありません。

 オーブンも結構工夫されていて,再加熱にも使われるようになっています。揚げ物の再加熱ではオーブン(グリル)も併用となり,揚げたてのからっとした仕上がりが素晴らしいです。コロッケはもう出来たてを買わなくてもいいです。

 次に調理器具としてですが,これは残念ながら期待はずれです。

 まず,自動メニューが少なく,また応用が利きません。分量の違い,ちょっとした材料の違いでも,確実に失敗します。とんかつが出来るからと言って,レンコンのはさみ揚げはできないのです。

 では手動でやればいいということになりますが,これは各種機能を自分で組み合わせて使う必要があるので,付きっきりで操作しなくてはいけないでしょうし,試行錯誤が必要になるでしょう。

 そんな中で,オーブンレンジの定番メニューであるハンバーグは,実においしく上手に出来ました。でも,他のメニューについては,とにかく火が通らず,まずい以前の問題として,食べ物にならないのです。

 一方,我々が買った機種は,トーストを焼くのに,オーブンレンジ最速の4分しかかかりません。これは偽り無しで,とりあえずちゃんと焼けます。途中で裏返す必要があって,裏返せないピザトーストなどでは裏面が「暖かい食パン」になってしまいますが,一応なんとかトーストというレベルですので,許しましょう。

 ただ,普通にトースターを買った方が,おいしく早く経済的であることは間違いありません。


・テレビ

 42型のプラズマは,未だに大きさに慣れず,強烈な存在感を放っています。うちに遊びに来られた方々も一様に「でかい」といいますので,やっぱり大きいです。

 画質は満足で,もう液晶には戻れません。我々はそんなに部屋の中を明るくしないこともあり,そもそもプラズマが適していたのだと思います。

 HDD付きで録画機能がインテグレートされていることも大変便利です。必ずしも使いやすいかと言われれば違うのですが,タイムシフトという用途に限って言えば放送と録画がシームレスに繋がるので,その自然さになぜ今までこうなってこなかったのかと考えてしまうほどです。

 ただ,そのタイムシフトには物足りないものがあり,例えば放送時間の延長には対応しても,番組変更には対応しなかったり,開始時刻のズレを追いかけられなかったりしますし,繰り返し録画の条件が番組タイトルではなく,基本的にタイマー予約された時刻であったりするので,イレギュラーな放送があると結構お手上げです。このあたり,epgDataCap_BonとepgTimer_bonの組み合わせは素晴らしいです。

 あと,BluetoothやUSBが付いていると本当に便利なんですけどね,キーボードやマウスが使えると,ネットワークへの接続機能をもっと使うと思うのですが,現状ではネットに繋げていても,ただ繋がっているだけという状態で全然利用しません。

 消費電力は思ったほどではありません。エコモードで動かしていることもありますが,予想以上に電気代が安くなっているので,プラズマは大飯ぐらいと言うのは,使い方でどうにでもなることがわかりました。

 難点と言えば,HDDの起動が遅く,電源投入後すぐに録画を見ることが出来ないことと,電源回路のコイルが時々「ジー」となきます。これ,かなりうるさいのですが,日立の人は本当にこれでいいと思ってるのでしょうかね。

 音質の悪さも,そこそこ慣れてはきましたが,やっぱり不満です。外付けのアンプとスピーカを使おうと本気で考えましたが,電源の連動ができないこと,リモコンで音量の調整が出来なくなることなど,連携の悪さが想像以上に面倒臭くなって,あきらめました。どうにかならんもんですかね。


・ガスレンジ

 私が調理にガスを使ってこなかったのは,ガスレンジが熱でボロボロになる消耗品であることを嫌っていたからですが,さすがに高いカロリーは他の追随を許さず,調理の負担が減ることを実感しました。

 ポイントはガラストップ,タイマー,そして両面グリルです。

 まずガラストップですが,これは本当にいいですよ。吹きこぼれてもさっと拭き掃除して終わり,新品のような清潔さが保てます。そして,なによりその剛性感が素晴らしく,大きな鍋をおいてもびくともしない安定感はさすがです。

 iPadの表面が強化ガラスではなく,プラスチックだったらどうでしょう。いいかえればそんな感じです。

 タイマーもすごく便利です。そもそもガステーブルのメーカーは「メカ」のメーカーですので,電子技術には疎いものだと考えていましたが,それもそのはず,ガスという扱いにくいものを安全に扱うために,エレクトロニクスとメカを繋ぐ境界面がなかなか進歩してこなかったせいでしょう。

 ようやく最近はタイマーが付いてくるようになりました。これは本当に便利です。予定の30秒前に知らせてくれる上,時間が来たらガスを止めて火を消してくれます。無駄な加熱もしなくて済みますし,安心して他の作業をすることも出来ます。とりわけ圧力鍋との組み合わせは最強でしょう。

 両面グリルもなかなか素晴らしいです。両面が一度に焼けるというのはプロの厨房でしかなかったものだと聞いていますが,オープンな七輪なら話は別でも,家庭用のガスコンロは両面焼けた方が便利だしおいしいはずです。

 実際,魚やなすを焼いてみたのですが,失敗もなく,とてもおいしく仕上がりました。これは他に代わるものはないでしょう。


 というわけで,ざっと「その後」をまとめてみたのですが,確かに便利になっていますが,それ以上に使う事が苦痛ではない,つまり作業が楽しいということが実に興味深い点でした。

 使いやすい家電はいつも求められていますが,一方で使いこなしが楽しいことも重要な点だと感じます。つまり,自動でも良い結果は得られるが,自分で工夫をしていけばさらに良い結果が得られるという自由度との両立こそが,家事を楽しくするのだということです。

 確かに,家電品が少なかった時代には,一家の主婦が工夫を重ねて家事をしていました。重労働だったことは確かだと思いますが,機械がなく全部自分でやらねばならないことが,工夫を産み出し,知恵として引き継がれることに繋がったはずです。

 すべての方がそうだとは言いませんが,そうした工夫が,つらい家事における楽しみの1つであったという意見を聞いたこともあります。さもありなん,です。

 自動車の運転でもそうですが,目的地に行くという目的さえ達成されればそれでよいはずなのに,運転することそのものが楽しい車が評価されることと同じ事かも知れません。過程を積極的に楽しむこと,それが結果も良い方向に導いてくれるのではないかと思いました。

DP1sをカスタマイズ

  • 2010/06/16 16:39
  • カテゴリー:散財

 先日購入したDP1sは,カメラとしてのポテンシャルの高さに満足する一方,その外観デザインやハンドリングの悪さに,今ひとつ手に取るチャンスが少ないです。

 こういう不満は一定の割合存在するマニアックな層が創意工夫でなんとかするのが世の常で,DP1シリーズのようなカメラの場合はなおさら,その傾向が強いと言えます。

 なにせ,箱から出して「うわこれはあかんわ」と思う点が多く,しかしそれを理由に使わないというのはもったいないカメラゆえ,みんな頑張るんですね。

 私も,いろいろ試してみました。先人達の知恵と勇気に脱帽です。

 最初に,完成形の写真を1つ。

ファイル 380-1.jpg


(1)自動開閉式のレンズキャップ

 DP1シリーズの最大の欠点は,撮影意欲を減退させるあのレンズキャップです。

 着ける外すに両手がふさがり,せっかく構えた手がキャップを外すことに使われる悲しさ,キャップの向きが決まっていて手探りではうまく着けられないもどかしさ,それに着け外しで思わずレンズに触れてしまうと言う危険さで,とにかく最初の関門で「もういいや」と引き返してしまうこと請け合いです。

 この問題は深刻で,第一関門だけにすぐにも対策しないといけない問題なわけですが,フィルタとフードを取り付けるための純正の筒をはめ込むことで,一応の解決は図れます。

 しかし,この筒は当然ながら鏡筒が伸びた状態を前提にしたものですので,電源OFFの時にもごっつい筒がそのまま飛び出します。これはもうコンパクトデジカメなんかじゃなくて,小型の一眼レフです・・・

 そこでDP1ユーザー達は,リコーのオプションに目を付けました。GXシリーズなどで使う事の出来る,自動開閉式のレンズキャップを無理矢理工作してDP1に取り付けるのです。

 この改造はなかば定番化しており,DP1シリーズユーザーの通る道です。自分で出来る人は自分で,出来ない人でも加工済み完成品をヤフオクで入手して,すべての人がこの装備を手にすると言っても過言ではありません。

 初期にはLC-1という直線で分割されたキャップが使われていましたが,今はさらに防塵性能を高めたという,曲線で分割をしているLC-2を使う事も行われています。

 これを,純正のレンズキャップの枠もしくはフィルタアダプタの枠とくっつけて,DP1のボディに取り付けるというのが基本的な考え方です。

 私の場合,純正のキャップに擦り傷を早速付けてしまったことと,安いと言う理由で,キャップの枠をLC-2に取り付ける方法を選択しました。

 amazonから部材が届いてから,早速加工です。

 まず,レンズキャップを,LC-2がはまるように直径50mmでくりぬきます。実はこれが失敗の原因でした。

 本当は,48mmくらいでくりぬき,LC-2を被せるように接着するのが正しいやり方なのですが,私は出来るだけ飛び出し量を減らし,薄く作る事を考えたため,キャップをLC-2よりもわずかに大きくくりぬき,LC-2の外側にキャップの枠をはめ込むような感じにしようとしたのでした。

 ノギスで25mmを作り,先端の尖った部分を使って,コンパスのように円を描いて削っていきます。きれいに削れ,しかも加工も楽で早く削れ,上機嫌で作業を進めていきます。

 しかし,このやり方が失敗だったと気付いたのは,キャップ側にあった,ボディに噛み込む爪を削ってしまった時です。加工が済んだ枠は確かに綺麗に加工できていますが,爪がないためボディに固定されないものになりました。これでは使い物になりません。

 まあなんとかなるわ,と気楽に考え,LC-2側を削っていきます。このままではLC-2の枠が太く,薄く作る事が出来ないからです。

 LC-2にもともとある爪を温存しながら削りましたが,どう考えてもDP1sには使えそうにない爪で,結局これも少し削り,位置決めの機能だけを持たせることにしました。

 そして,この爪の部分に黒いホットメルトを盛り,少し冷めたところでDP1sにはめ込んで,着脱可能な爪を自分で作りました。一応伸びる鏡筒で自動開閉は出来そうです。

 ここまでできたら,先程の枠をホットメルトで接着。一応機能はまともなキャップを作る事ができました。見てくれは・・・写真だとわかりにくいのですが,いかにも素人の工作というたたずまいです。まあ実際,素人なんですから仕方がないのですが。

 下の写真は,電源を入れて鏡筒を伸ばしたところです。

ファイル 380-2.jpg

 確かに,レンズキャップを買い直して作り直せば良いのですが,なかなか面倒臭いのでもうこのままでいいです。しかし,最大の難点が,このキャップをボディから簡単に取り外せないことでしょう。ホットメルトで接着をしたわけではないのですが,ボディにひっかかる爪としてホットメルトは柔らかすぎて,うまくレンズキャップの枠とボディとの間に挟み込まないとダメなのです。着け外しに不安があるというのは,この辺の現物あわせの結果です。情けない。


(2)グリップ

 一応純正のグリップもあるようですが,私はこのグリップの格好良さにぴぴっときました。偶然これを取り付けられている方のサイトを見て,これ欲しいなあと思っていた所,沖縄のカメラ屋さんでアメリカからの輸入品であることがわかりました。幸いにして在庫ありで,即購入。6300円に送料でした。

 これ,ちょっとお高いように思うかも知れませんが,アルミの削りだしにアルマイト処理されています。大量生産品ではなく,アメリカの工業デザイナーである,リチャード・フラニエックさんが自分のために作ったものなのだそうで,それが少量こうして輸入されては,マニアの手に渡っているという感じらしいです。

 本職がさすが工業デザイナー,機能的で,無駄がなく,なにより格好いいということで,すでにこのデザインが6300円を超えていると私は感じて,躊躇なくポチった次第です。

 このグリップは,ボディのSIGMAロゴを隠してしまいます。素人なら「まあいいか」と思うのですが,そこはプロの仕事ですね,Σを彫り込んでいます。ご存じかどうか知りませんがその昔,シグマはこのΣというギリシア文字がロゴマークだった時代があるのです。いやはや,なんとも渋い。

 取り付けは両面テープですが,あまりに強力なので失敗すると泣きそうになります。というか,泣きそうになりました。

 そして取り付けた結果,あまりに格好良く,思わず手に取ると,握った感じがまた良く,シャッターボタンへの指のかかりも最高で,これはもう文句なしです。シグマは,DPシリーズの次世代機のデザイナーにフラニエックさんを起用すべきです。いやほんま正味な話。

 そして,私は素人工作で,また余計なことをしました。ボディとグリップのわずかな面にライカタイプの貼り皮を張りました。ボディの右側にも張りましたが,FOVEONのロゴは隠してしまいます。なぜなら,くりぬくのが下手くそだからです。(一度やったらずれてしまいました。型紙を使ってもずれるというのは情けない)

 かっこよさはちょっと微妙なところではありますが,ボディの厚みが実質1mmほど増したことによって,握りやすさは向上し,手が滑ってしまう心配も減りました。これで撮影に集中出来るというものです。


(3)クローズアップレンズ

 DP1のレンズは高性能ですが,欲張らない設計をしている関係上,最短距離が長く,寄れません。28mm相当の広角レンズで寄れないというのはちょっと致命的で,せめて20cmくらいまで寄ることが出来ればぐっと撮影の幅が広がるのにと残念な点の1つです。

 これを解消するのがクローズアップレンズですが,早い話が虫眼鏡です。

 シグマから純正品が出ていますが,8000円以上します。いかに収差を改善しているとはいえ,基本的には凸レンズに8000円は出せません。そこで,我々の味方ケンコーから出ている1000円程度のクローズアップレンズを買ってみました。

 クローズアップレンズには拡大率でいろいろ種類があるのですが,私はNo.3を買ってみました。46mmのフィルタ径ですので,あまり種類はありません。

 実写の画像がないのでまたの機会にしますが,まず画質はそれほど期待してはいけません。もともとDP1は画質が売りのカメラです。クローズアップレンズを付けたことで画質の劣化は避けられないところです。シグマ純正ならどの程度の劣化なのか分かりませんが,ケンコーのものも実用レベルでは全然許容範囲,でも精神衛生上許せない,というレベルです。

 なお,常用するのは無理です。無限遠が出ません。だから,もうちょっと寄りたいなあと思うときに緊急避難的に使うというのが正しいわけで,それに1000円程度ならちょうとよいといえるのではないでしょうか。

 といいますか,そもそもフィルタのアダプタを使わないと装着出来ないのですから,どう考えても気軽に使えるものではありませんわね。

 

 ということで,一応一通りのオプションが揃い,臨戦体制になりました。これで外にも持って行けます。ただ,一度外に持っていったところ,やっぱりLCDの見づらさはいかんともしがたく,光学ファインダーの必要性を痛感しました。

 google先生に聞いてみると,あんがい自作している方とかいらっしゃるんですね。そりゃそうです。光学ファインダーって買うと2万円もするんですから。

 私は手持ちで,15mmのファインダーがありますが,さすがにこれが28mmに流用できるとは思えません。せめて12000円くらいまでで買えないものかなあ。

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