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2012年12月の記事は以下のとおりです。

16ポートのギガビットハブを買う

  • 2012/12/20 18:04
  • カテゴリー:散財

 16ポートのギガビットスイッチングハブが昨日届きました。プラネックスのFXG-16IM3という機種です。アウトレットで買ったので,保証は1ヶ月しかありませんが,その代わり7350円という安さで入手しました。

 正直に言って,バッファローとかエレコムなんかのハブを買おうという気はしないですし,さりとてプロ用のハブを買うほど贅沢も出来ません。プラネックスを信用しているとか,そういう積極的な理由があるわけではありませんが,アウトレットの情報が毎日メルマガで届くということで,ついつい買ってしまうのです。

 それでこのハブですが,16ポートも必要になった理由については先日ここにも書きました。個人でこんなポート数のハブ(それもギガビット)を買う時代になるとは,大変なことですよ。

 届いた箱を開けてみると,16ポートにしては小さいという印象の黒い本体と電源コード,取付の金具などが入っています。取説は入っていません。

 とりあえず初期不良がないかを確認しないといけないので,ささっと今使っている5ポートのハブからリプレースです。

 結論から言うとなんの問題もなかったのですが,気になったことをいくつか。


(1)ステータス表示のLEDがややこしい

 同じプラネックスの5ポートのハブからリプレースでしたが,古いハブはギガビットでリンクすると緑,100Mでリンクするとオレンジに光ります。同じような物だろうと思い込んで新しいハブを見ると,ギガビットでリンクしているはずのポートが赤で点滅しています。

 おかしいなあ,100Mになってしまったかなあと,MacBookProを確認すると,ちゃんとギガビットでつながっています。このままズブズブはまるのか,と冷や汗が流れた所で取説を探しますが,入っていません。

 仕方がないので外箱を見てみると,ここに一通りの説明がありました。どれどれ,ギガビットでリンクすると赤,100Mでリンクすると緑・・・逆やんけ。

 なんで逆にするんでしょうね。こういうところで統一が成されていないというのは,ちょっと感心しません。個人プレーで仕事をしているから,こういうことが起こったりするものですからね。

 いやはや,箱を捨てたら分からなくなってしまうところでした。


(2)LEDが見にくい

 明るく光るので見にくいというのは間違いかも知れませんが,斜めから見ると,隣のLEDの光が漏れて,点灯しているように見えます。私は結構LEDを見る人なので,真っ正面から見ないと正確な情報が得られないというのは,ちょっと困ったものです。

 まあ,保証が1ヶ月で切れるんですから,分解して遮光でもしますかね。


(3)コネクタが汚れている

 アウトレットですから文句も言えませんが,コネクタの金属部分が汚れています。というより錆びています。

 最初は汚れかなと思ってアルコールで拭いたのですが全く取れず,コンパウンドで磨いてもあまり綺麗になりません。性能に直接関係ないとはいえ,やっぱり残念ですわね。


(4)コネクタがフロントにある

 アウトレットとは関係ないのですが,個人で使うハブは,やっぱりコネクタが背面にあった方がきれいです。まして16ポートですからね。最大で16本のケーブルがうじゃうじゃと前に出てくるわけで,そういうのが辛抱たまらん,という人は別ですが,最終的にケーブルは背面に回してしまうわけで,前にあることのメリットはあまりないように思います。


(5)消費電力が低い

 これはこの機種の利点なのですが,使っていないポートの電源を自動的に切断する機能があります。16ポート全部が動いたときでも8Wちょっととかなり小さい消費電力ですが,1ポートだけなら2.2Wまで下がるというのですから,よいですね。

 こういうことも外箱にちらっと書いてあるだけですので,捨てたらもうわかりません。


(6)付属品が邪魔

 プラネックスのハブ全般に言えることですが,なんじゃかんじゃと付属品が入っています。今回のハブはプロが使うことも想定してか,ゴム足だけではなく石膏ボードに取り付けるためのアンカーと木ねじ,金属の壁に取り付けるマグネットだけではなく,19インチラック取り付け用のアダプタまで同梱されています。

 これらは欲しい人には好都合でしょうが,必要のない人には邪魔なゴミです。しかも不燃物です。19インチラックのアダプタなんか,他機種共通にしてオプションにして,その分100円でも200円でも値下げして欲しいものです。


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 ということで,所詮はハブですから,とりたてて書くこともありません。思った以上に小さいということと,電源内蔵なのですっきりして,しかも信頼性も高いという事や,消費電力の低さはそのまま発熱の低さになり,それがさらに信頼性を高めるということは,この製品については大きなメリットです。

 しかし,デザインはよろしくないですよね。コストダウンは仕方がありませんが,無骨な真っ黒な筐体は面白味にかけますし,少々分厚いので重苦しい感じがします。先ほど書いたLEDの色の問題もありますし,積極的に人目に触れるところに置こうというものではないです。

 こういう縁の下の力持ちは,あんまり目立っても仕方がないですし,普段は忘れているくらいの存在感がちょうどい良いくらいですから,これはこれでよいと思います。7000円ちょっとで16ポートのギガビットのハブを買えたことを,まずは喜ぶことにしましょう。これで引っ越し先のネットワークは心配なしです。

Computer Chronicles

 今さらなお話ですが,1981年から2002年までの21年間,アメリカでパーソナルコンピュータの話題を中心に扱った,Computer Chroniclesという番組が放送されていました。

 この21年間は,コンピュータにとって激動の時代でした。個人にコンピュータの能力が開放され,爆発的に処理能力が高まり,新しい技術や概念が誕生しては,それが瞬く間に当たり前になっていく,個人がその力を実生活に活用するようになり,やがて行き着く先はコンピュータのコモディティ化・・・そんな急激な時代の変遷をリアルタイムに見て来た私はつくづく恵まれていたなあと思うのですが,これをその時々の視点で記録し続けたテレビ番組というのは,大変貴重な資料だと思います。

 日本にもこうしたパーソナルコンピュータのテレビ番組がなかったわけではありませんが,いずれもホビーストを対象としていましたし,スポンサーの関係から特定メーカーの機種を扱う事しか出来ないという,誠にもって窮屈なものだったように思います。

 とはいえ,NHKの趣味講座でマイコン講座が行われたときの盛り上がりは現在も語りぐさになっているわけですし,当時のテレビの力というのはニッチでアングラなものにも光を当てるだけの,強力なものを持っていたということでしょう。

 ですが,そこはパーソナルコンピュータとテレビの本場,アメリカ。まずもってこのジャンルで21年も続いた長寿番組というのがすごいと思いますし,番組の内容もしっかりとした取材と当事者が直接語るという信憑性において,そこら辺のドキュメンタリー番組も真っ青な出来だと思います。

 初期はApple][などの黎明期のパソコンの話題,IBM-PCの登場を経てDOSとWindowsが主役になったかと思えば,インターネットの登場とWEBブラウザの話に移っていきます。まさにパーソナルコンピュータの歴史そのものです。

 そうした太い流れの中に,例えば電子音楽と電子楽器,ロボット,ゲームなどパーソナルコンピュータと繋がりの強い分野の話題が枝葉を伸ばし,実に多彩な情報を提供してくれます。

 いいなあ,こういう番組が日本にあったらよかったのになあ。

 ふとしたことから,この番組の存在と,現在Creative Commonsのライセンスで,Internet Archive.orgで公開されていることを知った先日,「Japanese PC's」という特集の動画を見てみることにしました。

 まず,のっけから驚きます。出演者になんとCP/Mの開発者であるGary Kildallがびしっとしたスーツ姿で,なにやらもっともらしいことをしゃっべているではありませんか。

 私にとってGary Kildallといえば,趣味の飛行機を飛ばしている間にCP/MをIBMに売り損ねた残念なオッサンで,かつ太った不健康そうなオッサン,というイメージが強くて,あまり尊敬とか憧れとか,そういうものはなかったのですが,1985年に放送されたこの番組の彼は,大阪弁でいうところの「しゅっと」していて,なんとも男前なんですね。

 番組の内容は,すでにIBM-PCとその互換機に席巻された米国に対し,複数のメーカーが独自仕様で覇権を争っている日本の状況をルポしています。これを内戦状態の続く発展途上国とみるか,個性豊かなマシンの中から好きなものを選ぶ事が出来た自由を謳歌した時代とみるかは,当時の立ち位置によって変わってくると思いますが,こうした独自のパーソナルコンピュータ文化を長く保った先進国は珍しく,またアメリカが注目するほど市場規模が大きかった事も,まさに東洋の神秘といえたのではないでしょうか。

 番組は,その特異性を解き明かすために,秋葉原を取材します。私は当時の秋葉原を全く知りませんが,雑誌の広告などで想いを馳せた聖地に対する勝手な想像と比較しては,妙な懐かしさと違和感を感じます。

 お,PC-8801mkIISRが誇らしげにデモをしています。懐かしいですね。PC-9801F2には新製品のシールがくっついています。そうそう,IBM-PCjr.をベースにしたという,日本IBMのJXがやたらと出てきました。しかし実機よりも森進一が出ているポスターばかりです。アメリカ人にとってIBM以外はわかりにくく,かつそのIBMが苦戦していることが面白く映るのでしょう。

 狭いパソコンショップにずらーっと列んだ当時の8ビットマシンには,X1CやSMC-777,FM-77,MZ-1500があったりします。当時のディスプレイは14インチが普通で,ブラウン管ですから奥行きがあるんですよ。なんか,熱をはらんだむっとする空気が鼻にまとわりつく感覚を思い出しました。とても懐かしいですね。

 当時の私も,学校が終わってから自転車で20分すっ飛ばして,こういうお店に閉店まで張り付いては,いろいろなマシンを触ったものです。

 番組中にしばしば名前の出てくるMSXは,実機の映像がほとんど出てこず,これでアメリカ人はMSXを分かった気分になるんだろうかと,ちょっと疑問を感じます。

 場面は変わり,I/O編集部です。日米のパーソナルコンピュータの文化の違いを話しています。NECのトップも登場しますが,流ちょうな,丁寧な英語を話されていることに正直驚きました。そして若き日の西和彦が,ぼそぼそと早口な英語でインタビューに答えます。

 そうかと思うと,当時は日本でも開催されていたCOMDEXの会場が登場し,ここでCD-ROMが紹介されます。540MBという容量をして「huge」と語るメーカーの担当者は,キツネ眼に大きなメガネという当時の典型的な日本人のルックスで,しかし自信に満ちた英語でCD-ROMの素晴らしさを語ります。

 スタジオに戻ると,今度は日本のパーソナルコンピュータの独自性をコメンテータが語ります。どうも「漢字」が問題といってるようです。これは当時も,そして現在も語られる日本のパーソナルコンピュータの独自性なのですが,アメリカ人にとっても同じ認識であったことに,ちょっとした驚きがあります。よく研究していますよね。

 特集が終わると,パーソナルコンピュータ関連のトピックスです。なになに,コンパックが互換機を発売,Lisaがとうとう終焉,AT&Tが32bitプロセッサを開発しXEROXが供給を受ける,・・・面白いですね。

 そして最後は当時世界を制覇したデータベースソフトのdBASEの紹介。

 いやー,30分ですが,お腹いっぱいです。面白かったです。

 当時,日本でも,I/OやASCIIなどの雑誌は,定期的に海外,とりわけアメリカのパーソナルコンピュータ事情を紹介してくれていました。I/Oはアメリカの提携誌から記事を訳して掲載していましたが,私もLisaの販売不振やJobsの退社などは,そうした記事で知りました。

 パーソナルコンピュータの大型イベント,例えばApple][が衝撃的なデビューを飾った伝説のWWCFにも記者を派遣していますし,COMDEXなどのイベントも取材しています。そういう意味では,当時の日本のパーソナルコンピュータユーザーは,先進国たるアメリカの情報にも飢えていたんです。その喉の渇きを,僅かな情報が潤していたのがまるで昨日のことのように思われます。

 この番組を見てふと感じたのは,そうした記事を読んだときに感じた臭いと同じだなということです。当時の日本とアメリカの間には,それでも互いによく知らないが故の畏怖があったように思います。SteveJobsが日本人を死んだ魚のように海岸に押し寄せると言ったことがありますが,それも当時の彼らの日本人観の1つでしょう。

 日本人も,結局今手もとにあるパーソナルコンピュータはアメリカ生まれの技術で作られていて,それをモノマネして,あるいはちょっとした改良で作っているというある種の劣等感に後ろめたい気持ちを大なり小なり持っていたはずで,勇敢な人は「日本は製造と応用が得意なんだ」と世界第二位の経済力を拠り所にしては,胸を張っていたんではないでしょうか。

 現在のように情報の伝達が瞬時に行われ,人も物も金も国境を自由に越える時代には,こうした話はむしろ懐かしいものに映るわけですが,その懐かしさもワクワクするような面白さを内包していたことは事実であって,今とは違うスリルに満ちていたなあと,思い出しました。
 
 すべての映像がアーカイブされているわけではありませんが,それでも実に560本もの映像を無料で見る事ができます。

 Apple][は,その優れた性能と1200ドルという低価格っぷりでベストセラーになりましたが,そのApple][が日本にやってくると,40万円でした。30年前のお話です。国産機は10万円中頃が売れ筋で,Apple][は憧れのマシンでした。


 今,1200ドルのMacBookAirは,日本で10万円ほどです。なんと日本という国は,30年で強くなったものだと,しみじみ思いました。

 正月休みには,面白そうなものをいくつか選んで,もう少し見てみようと思います。

いろいろなこと

  • 2012/12/18 14:24
  • カテゴリー:散財

 すでに年末に入り,学生達は長い冬休みを目前に,お尻のムズムズする毎日を送っていることと思います。私はと言うと,社会人になると長い休みなんかなくなっちゃうんだよなあと学生の頃は思っていたのですが,案外そうでもないことを知って,日本人は働かなくなったんだと実感した次第です。

 別に特別に忙しいわけではないのですが,相変わらずいろいろ思うこともあるので,ちょこっとまとめておきます。

・DECT

 1980年代中頃に固定電話の自由化が行われ,電話機がスーパーで売られるようになりましたが,コードレス電話と留守番電話,そしてFAXが1つのカテゴリーとして身近な商品になって久しいです。

 今さら固定電話の時代じゃないと,今やすっかり影の薄い商品になりましたが,いくら携帯電話があるとはいえ,ないと困るものではありますし,さりとて「なんでもええ」という投げやりな機材でもないので,いざ買うとなると迷うものです。

 うちも,古いシャープのコードレス留守番電話ですが,アナログコードレスですので通話品質が悪く,もっぱらカールコードでつながったハンドセットのある親機で電話をする状況でした。

 新居は3階建てになりますし,ますます通話品質が悪くなることが予想されますし,アナログ故のセキュリティも気がかりです。固定電話をやめてしまうという手もありますが,ADSLは続行の予定ですし,固定電話はあった方がよいと思うので,ここは電話機を新調しようという事になりました。

 それで10年ぶりに固定電話の状況を見てみたのですが,最新の物はDECTという世界標準方式になっていました。目指した物は日本のPHSのようなもので,中ではコードレス電話,外では簡易な携帯電話なんだそうです。ただ,携帯電話としてのサービスはすでにどの国でも行われておらず,すでにコードレス電話専用規格になっているんだそうです。

 海外ではすでに広く使われているのですが,日本では昨年ようやく解禁になったものらしく,ようやく今年くらいから移行が始まっているような感じです。もともと携帯電話の技術をベースにしている(IMT2000に含まれているというのが驚きです)そうで,,ユーザーインターフェースや使い勝手も携帯電話のそれであることを期待出来ますし,通話品質も良いのではないかと,DECTから選ぶ事にしました。

 ここから先はちょっとグレーなので詳細は書きませんが,要するにアレです,xxxがyyyしてzzzてな具合で,我が家には現在DECTの電話機が稼働しています。お値段はハンドセット2台で6500円と,一般的なコードレス電話としては随分安価でした。

 で,使い心地ですが,これは抜群にいいですよ。アナログのようなノイズや違和感,不感帯による通話品質の低下もなく,遅延も思ったほど大きく内ですし,また家中どこでも安定した通話が出来るということで,通話中の不安要素は全く感じません。安心して通話が出来ます。

 留守番電話もちゃんと機能しますし,その内容をどのハンドセットからでも確認出来る便利さは大きいです。

 DECTが面白いのは,例えばハンドセットAからベースステーションの時刻を合わせると,ハンドセットBの時刻も同期するんですね。ハンドセット固有のローカルの設定は同期しませんが,ベースステーションの設定はハンドセット共通ですので,同期するというわけです。なかなか良く出来ています。

 1.9GHz帯ですので,無線LANや電子レンジの影響も受けず,消費電力も小さくハンドセットも軽くて電池寿命も長持ち,携帯電話に準じたユーザーインターフェースで使いやすく,説明書を見なくても使えてしまう手軽さに,親機と子機という区別もない(強いて言えばベースステーションが親機)気楽さがあり,世界標準らしいあっさりとしたシンプルかつコンパクトなデザインと,いいことずくめです。

 消耗品であるNi-HM電池は単4型が2本のパックですが,これも同等品が簡単に手に入るようですので,心配はありません。安いだけに信頼性が気になるところですが,こればかりは使って見ないとわかりません。乱暴に扱わないようにしたいですね。


・プラズマディスプレイの終わり

 選挙の結果に翻弄された人々が右往左往する中で,ひっそりと報道されたニュースがパナソニックのプラズマディスプレイ開発の中止決定です。

 生産は続きますし,これをつかったテレビがなくなるわけではないのですが,コンスーマ用途ではすでに液晶が主役になっていますし,なによりフルHDや3Dでもプラズマが先行する液晶に食いついてきたのに,次世代TVの本命たる4K2Kでプラズマのは話はとんと耳にしません。

 実質的な新規開発は行われていないと考えるのが妥当なわけですが,改めて「開発はやめます」と言われると,プラズマディスプレイをわざわざ選んだ私としては寂しい物があります。

 特にパナソニックはプラズマディスプレイの盟主であり,圧倒的な高画質であっと言わせたパイオニアの事業を買収,日立も撤退した現在において,唯一のプラズマディスプレイの供給元と行っても差し支えがありません。

 プラズマディスプレイの優れたメリットを磨いて,消費者に選択肢を用意してもらえることを期待したいところですが,液晶がこれだけ安く高性能化してきた上に,テレビそのものが厄介者になっている電気メーカーにとって,プラズマなど面倒なもの以外なにものでもないというのは,納得出来ます。

 ですが,例えばWebOSを買ったヒューレットパッカードには,WebOSという優れたスマートフォン用のプラットフォームを,生かして育てていく役割を,買収の段階で引き受けたことになるわけで,それを早々に撤退してしまうというのは,WebOSに関係する人を裏切る行為になってしまうと思うのです。

 同じ事はプラズマディスプレイにも言えて,世界で唯一無二の供給元になった現在,撤退するのはその役割から考えると,それなりに「重い」ことだと思えてなりません。まして,あれほどプラズマの優位性を宣伝していたわけですからね。

 とはいえ,赤字で続けられても困りますし,それを我々は望んでいるわけではありません。ちゃんと黒字で,ビジネスとして成立し,儲けたお金で開発を続けてもらうことが願いであるし,パナソニックにはそれを期待しています。

 私が今使っているテレビはプラズマディスプレイですが,これが壊れたらもう液晶しか買うことが出来ません。大事に使っていかねばなりません。今でも思いますが,プラズマディスプレイのポテンシャルは高いです。これに見慣れると液晶のテレビは塗り絵のようで,長時間見るのがしんどいです。


・レッツラゴン

 ある時,何気なく立ち寄った本屋さんで「ニャロメの数学教室」というマンガを見つけて買いました。「ニャロメのコンピュータ教室」は30年くらい前の本ですが,子供の私は買って読んでいました。この「ニャロメ」のシリーズに数学や宇宙,バイオテクノロジーがあることは知っていましたが,お小遣いの限られた私には,結局コンピュータだけ買って現在に至ります。

 今尾再販されていればと思ったのですが,版元はすでになく,多くは絶版です。ところがこの数学教室だけは,大手出版社から現在も出ているようです。もっとも,当時の物とは内容が違うかも知れませんが・・・確認はしていません。

 で,コンピュータ教室でも思ったことですが,赤塚不二夫と言う人は,実にぶっ飛んだ人です。私は世代的にはドラえもん世代で,従ってシェーなんてギャグはリアルタイムには知らないのですが,夕方のテレビで天才バカボンを見てそのナンセンスぶりは大好きでしたし,亡くなった時に出てきた数々の武勇伝を見聞きして,人としての赤塚不二夫には大変興味を持っていました。

 天才バカボンに比べて,赤塚不二夫の描く大人向けの漫画はなかなかきわどくて,面白いか腹が立つかの二択だろうと思うほどです。毒になるか薬になるかは,読み手に任されているわけです。

 そしてまた偶然,赤塚不二夫の娘さんが登場する本「ゲゲゲの娘、レレレの娘、らららの娘 」(文春文庫)を読む事があって,ますます気になったのです。

 そこで,赤塚不二夫関係の文庫を数冊読了したわけですが,特に娘さんが最高峰という「レッツラゴン」という作品は,ぜひ目を通したいと思いました。

 幸い小学館文庫に傑作選がありましたので,早速読んでみました。

 いやはや,驚愕です。

 もう読者おいてけぼりです。というか,読者のことなど全く考えていないし,本来なら裏方に徹するべき担当記者がこれほど前に出てくるあたり,内輪で遊んでいることがはっきりいって鼻について仕方がありませんが,マンガとしてはとにかく頭1つ2つも飛び抜けており,とにかくその不条理さが面白いのです。

 こんな物がかつてサンデーに連載されていたのかと思うと,当時の読者はなんと鍛えられたことでしょうか。羨ましいです。

 こうなると,ギャグゲリラも目を通したくなるのが人情です。今注文中なのですが,マンガを買ってワクワクするなんて,何年ぶりかなと思います。


・16ポートハブ

 新居には各部屋に優先のLANを用意しています。全部で6部屋ありますが,私の根城になる検討部屋にADSLモデムを置きWANを確保し,ここから各部屋にハブで分配する作戦です。

 もちろんギガビットで配線するわけなので,ハブもギガビット対応が必要です。ところが私が今使っている5ポートではポート数が不足します。もう1台カスケードするのも手ですが,消費電力が2倍になるのも気に入りませんから,新調する計画を立てていました。

 8ポートを考えましたが,これでも足りなくなってしまう事がわかり,やむなく16ポートを検討していたところ,プラネックスの16ポートのギガビットハブが7350円で売られているのを見つけ,買うことにしました。

 16ポートですからね,もうパネルはコネクタだらけです。大きいし大げさだし,家で事務所でもやっていれば自然なのでしょうが,素人が16ポートなんてばかげてますよ。

 でも仕方がありません。

 なにが面白いって,最近のハブは消費電力を下げるために,使っていないポートの電源を落とすんですね。つまり,16ポートでも8ポートしか使わなければ,8ポートのハブとほとんど同じ消費電力になるということです。これは魅力的です。

 そんなわけで,近日中に届きます。なんかプロっぽくてワクワクするわけですが,ハブなんてのは動いて当然のもので。普段は意識しません。私はハブの故障が原因でネットワークのトラブルを何度か経験しているので,壊れる前に最新のハブに交換して,信頼性と同時に消費電力の削減もやっていくのがよいと思っています。

 もう1つ,引っ越し前に安定稼働させておき,引っ越し先ではスムーズに設置が出来るようにしておこうというのも狙いなのですが,はてさてどういう事になりますことやら。

第2級アマチュア無線技士国家試験

 さる12月9日に,第2級アマチュア無線技士の国家試験を受けてきました。

 は?ハム?なんで急に?

 直接の動機はちょっとアレなのでここには書きませんが,以前から上級の資格を欲しいと思っていたことは確かです。

 私が,当時電話級と呼ばれた,今で言う第4級アマチュア無線技士の国家試験に合格し無線従事者免許証を手に入れたのは14歳の時。今にして思えば中二病全開,手の付けようのない自意識過剰な時期でした。

 「子供の科学」から「初歩のラジオ」に進んだ工作少年は,自然科学全般から電気電子に興味の対象を絞りますが,やがて「初歩のラジオ」で取り扱われているいくつかの分野から,さらに興味の対象を選ぶことになります。そしてその興味の対象が,その人の生業となることも珍しいことではありません。

 私はオーディオとコンピュータに軸足を置いて,今もそれらを楽しんでいますが,結局興味を抱かずに終わったアマチュア無線についても,「初歩のラジオ」を開けば眼に入ってくるわけですから,知らないうちにちょっとした知識を身につけるようになります。

 こういうことって,子供にとってはとても大事な事ではないでしょうか。

 何事もきっかけが大事ですが,振り返ってみればそうしたきっかけがその人の人生を左右することって大いにあります。私だってそれまで存在すら知らなかった「子供の科学」を親に買い与えられていなかったら,あるいは熱を出して学校を休んだ時の暇つぶしにこれまた全く知らなかった「初歩のラジオ」を買ってきてもらっていなかったら,今こんな趣味や仕事をしているとは思えません。

 押しつけられるのではなく,いろいろな物が眼に触れるチャンスがあって,そこから興味をもって自分の力で掘り下げていくことがあったかなかったは,その人の可能性をある程度決めてしまう重要な要素ではないかと,そんな風に思います。

 閑話休題。

 元々見ず知らずの人と話をしたいとも思わず,高周波回路にそれほど興味もなかった私にとってアマチュア無線というのは,「初歩のラジオ」の取り扱う分野のなかで唯一国家資格が必要という制限にやや強い印象があった程度ですが,なにせ電子工作が得意だった子供のことですから,試しにと電話級の過去問題を解けば概ね正解するわけです。

 間違った問題を勉強することも全く苦にならず,むしろ正しい新しい知識が手に入ることを喜んでいたほどでしたし,それに国家試験というものものしい響きを持つものが,私にも乗り越えられるかと思えば,しびれるじゃありませんか。

 そんなわけで14歳の時に,学校ではなく当時通っていた塾で知り合った友人が電話級に合格したと聞いて,どれ私もやってみるか,とその秋に受験,合格しました。ライバルの存在というのは誠に重要ですね。

 友人はさっさと無線機を買って局免を申請し,50MHzで開局しました。当時最新だったヤエスのFT-690mk2をわざわざ塾にこっそり持ってきて,私に見せてくれたことを思い出します。

 メーカー製の無線機は中学生には高価で,全く欲しいとも思わなかったのですが,自作の無線機で交信できればいいなあとは思っていました。特にある本で見つけた,50MHzのAMトランシーバーの製作記事は,回路規模も適当でしたし,バーニアダイアルが格好良くって,ぜひ作って移動運用したいなあと思っていました。

 しかし,冷静に考えると,電話級なんてのはただのおしゃべりで,電話ごっこなんですよ。それが目的ならいざ知らず,私は特におしゃべりをしたいわけではなく,電子工作の最高峰たるアマチュア無線を自作で行うことで,自身のスキルを高周波に振り向けたいと思っていただけですから,結局熱は冷めていきました。

 これが電信だったり,遠距離の通信だったり,海外との通信だったりすれば,その後の私の人生は大きく変わっていたかも知れません。

 3級や4級は国家試験も簡単ですし,講習会を受ければ免許が手に入ります。しかし,1級や2級という上級資格は,かなり難しい国家試験にパスするしかありません。

 無線工学そのものには興味があって,勉強も苦にならない私としては,やっぱり上級資格は手に入れたいものでした。その免許が何の役にも立たないと分かっていてもです。

 電話級を取った後に,2アマの問題を見てみましたが,とても難しく,しかしやりがいのある問題にしびれたことを思い出します。

 裏を返すと,無線工学以外には興味はなく,特にモールスは覚えるのが大変な上に本当に何の役にも立たないということで,上級資格は上級資格らしく,私の手の届かないところにあったのです。

 1アマや2アマに対する憧れだけは14歳の頃から残り,やがて時間がどんどん過ぎて,国家試験も記述式から選択式になり,モールスの実技も送受信から受信のみ,そしてとうとう昨年実技そのものがなくなってしまいました。

 これはチャンス到来です。

 モールスの実技がなくなり,一生使う事のないモールスを覚える難易度が相当下がりました。アルファベットからトンとツーが頭に浮かべばそれでよいのですから,随分楽になったものです。

 無線工学は一応現役のエンジニアな訳ですから,ビールを飲みながらでも合格するはずだろうと1アマの過去問をやったところ,半分ほどしか正解しません。解き方すら分からないという有様です。なめてました。

 これはさすがにまずいと,2アマにレベルを下げました。法規は覚えるしかありません。電話級の頃からいろいろ変わっているようですので,覚え直しです。

 モールスは語呂合わせで覚えます。仮に開局しても,モールスを使う事は絶対にないです。だから受かるためだけに覚えます。

 てな作戦を立てて,そのうち勉強するわ,と思っていたら,もう12月。2日前からあわてて勉強を始めて,試験に臨みました。

 試験場の強烈なニオイに閉口しつつも,他の資格試験にはちょっとないようなとても緩い雰囲気の中,午前の法規は2時間近くも時間を余らせ,午後の無線工学も早めに終わらせて,帰ってきました。

 それでも,結構疲れました。久々に頭を使った気がします。

 まず,法規は丸暗記ですので,試験問題を見た瞬間にぱーっと放出して,あとはすっきり忘れました。モールスも覚えているうちに問題用紙に書き出して,あとはさっさと忘れます。

 暗記科目ゆえに,わからない問題は考えても答えは出てきませんので,分かる物から回答して,わからんものは適当にマークします。自己採点の結果,122点(150点満点)という事でした。もうちょっといけると思ったのですが,うっかりミスもありましたし,合格点に達しているので良いとしましょう。

 無線工学はエンジニアの意地で,高得点が欲しいところ。むしろ満点でないといけないくらいですが,そんな気分とは裏腹に,すっかり油断していました。複雑な計算問題はなかった代わりに,解いたことがない問題がチラホラあって,ちょっと焦ったりしました。

 自己採点の結果,114点(120点満点)でした。

 ということで,おそらく合格です。こんなことなら,1アマにしておけば良かったかなあと,そんな風に思うのですが,まあいいです。

 ちょっとうれしくなって,アマチュア無線の世界が私の知らない間に大きく変化していて,もしも面白い事になっていたら開局するのも悪くないなあと思って,現在のアマチュア無線の状況を調べてみました。

 調べたところ・・・もううんざりするほどひどい状況になっていました。開局はないですね,こんな状況だと。もう10年もすると日本のアマチュア無線は絶滅するんじゃないでしょうか。

 電波は限りある人類共通の貴重な財産ですから,有効に使われていなければ理解は得られません。

 アマチュア無線の人口がここ数年で増えつつあるアメリカや,人数は少ないけれども質は高いヨーロッパに比べて,日本のアマチュア無線家は人数こそ多いけれども,その質は最悪と言われます。

 様々な質が問われますが,私はアマチュア無線という純粋な趣味に電波という貴重な資源の割り当てがあるという誇りを持たずに電波を出していることが最大の問題ではないかと思っています。

 アマチュア無線への電波の割り当ては,その過去の功績に報いる意味も込めて,国際的に認められているのですが,それを当然の権利として主張するだけの人達が多いんじゃないかと感じています。

 その権利を得るために何をアマチュア無線家がしたのか,そして現役のアマチュア無線家が何をするべきなのか,その意識が希薄です。アマチュア無線家同士はもちろん,そうではない一般の人々に対する啓蒙も全然です。

 こんなことでは,一般の人々の理解はとても得られません。少なくとも割は理解できません。

 ちょっと適当なことを書きますが,正直なところ有効活用が可能なVHFやUHFはアマチュア無線から召し上げた方がよいんじゃないかと思います。

 それなりに反発があるとは思いますが,HFだけ残しておけばいいんじゃないでしょうか。現役のアマチュア無線家が無線の世界に貢献をしないなら,過去のアマチュア無線家が開拓したHFだけ,その功績をたたえるために残しておくのはとても公平です。

 アマチュア無線機のメーカーが困ると思いきや,考えてみれば同じ帯域の無線機をアマチュア向けに売るより,新たにその帯域を割り当てられた業務向けに売る方が儲かるはずですから,大歓迎でしょう。

 アマチュア無線の資格も再編されるでしょうね。国はすでにアマチュア無線を邪魔で面倒で穀潰しな存在(もしくは気にもかけない存在)に思っているようですし,アマチュア無線に関連する各種団体も根っこから腐りきっているという話ですから,その話を信じれば,縮小はあっても拡大はありません。上級資格が最も取りやすいのは,もしかすると今かも知れません。

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