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2013年03月の記事は以下のとおりです。

DRA-N5のレビュー

  • 2013/03/29 17:45
  • カテゴリー:散財

 昨日に続いて,早速届いたDRA-N5のレビューです。

 いやはや,DENONをデノンと呼ぶようになってから買った製品としては,カートリッジのDL-103についで2つ目です。アナログプレイヤーはDENONのものですが,新品で買ったわけではないので,まともに買ったものとしては生涯でも2つ目です。つくづくこのメーカーとは縁がないものです。

 どうも,音の傾向が自分の好みに合わないというのが気になっているのですが,高校生の時に耳にしたDCD-1400とKENWOODのDP-990SGとの音の傾向の差が今でも強く印象に残っていて,切れ味の悪い,曇ったような音の傾向がDENONの音だと個人的には思ってここまで来ました。よく言えばきめの細かい,丁寧な音といえるのでしょうが,どうやらこの傾向は現在でもあてはまるようですし,高級機種でも大なり小なり見られるようです。(DL-103だってそうですよね)

 ただ,音質以上に商品の企画が自分の求めている物から少しずれているという感じがあって,これまであまり気にかけてこなかった感じです。

 ですから,DRA-N5を買うと決めた時には期待と不安が入り混じっていました。これがPioneerとかONKYOなら,迷わず喜んで買ったんじゃないかと思います。

 前置きが長いですね。では早速レビューです。


(1)大きさ,重さ

 思った以上に軽く,思った以上に小さいです。梱包も小さいですが,中身も大変コンパクトです。オーディオ機器には軽いものは駄目という神話が生き続けていますが,デジタルアンプやスイッチング電源という新しい技術が使われるようになった昨今,そんなことを言ってる時代じゃないと思います。

 A4の紙くらいの設置面積で済むコンパクトさは素晴らしいと思いますし,配線も電源とスピーカーを繋げばすぐにフルスペックで使える簡便さは,大変望ましいです。


(2)デザイン,質感

 シンプルでクセのないデザインですが,私個人は今ひとつ気に入りません。角の丸みが大きすぎて,ファンシーな印象があります。これが本体色のブラックとあまりマッチしていないように思えます。光沢が深くないことも原因かも知れないですね。

 正面は大きな有機ELのディスプレイとUSBコネクタのみで,スイッチは天面にあります。大変シンプルなのですが,画面のサイズの比率が今ひとつで,安物のデジタル時計のように見えます。

 質感は想像以上に悪いです。なにせ全面プラスチックの筐体ですから,光沢も塗装を重ねた美しいピアノブラックと違って,そのままプラスチッキーな光沢ですから,安っぽいのです。それに,プラスチックだけに,静電気が凄いです。気が付いたらホコリが付着しています。黒の光沢だけに,ホコリが目立って困ったものです。


(3)操作系,UIデザイン

 スイッチやボタンは前述の通り天面にあります。操作はリモコンで行いますので,これらのボタンは緊急時に使う程度のものでしょうから,特に不便は感じません。

 しかし,操作系と一緒にインジケータも天面にあるのは良くないです。スタンバイにあるのか,動作中なのか,起動中なのか,電源ランプの色と点滅で示されるのですが,正面からは全く見えません。

 そして,天面にボタンがあると,この上に物を置けません。似たようなサイズのコンポを置くことも出来ませんし,布を被せることも出来ません。ボタンは置かずに,ランプだけ正面に欲しいところです。

 ディスプレイは大型で見やすい有機ELですが,単色でメリハリがなく,文字の形やアイコンのデザインも美しくありません。

 そして,今の家電には例外なく使われているメニューなどの「階層構造」ですが,これがまたわかりにくいです。

 基本的には「戻る」が←キーにアサインされているのですが,項目によっては←キーに別の機能がアサインされている場合があります。迂闊に←キーを押せば,1つ上の階層に上がったのか,機能選択によって表示が変わったのか,分からなくなってしまいます。これは駄目ですね。使いにくいことこの上なしです。


(4)対応する音源

 まずネットワークオーディオプレイヤーとしてですが,QNAPのNASと組み合わせ,DLNAでFLACをならすことには問題はありませんでした。96kHz/24bitのファイルも全く問題なしで,音質の違いも一聴すれば分かるくらいの再現性を持っています。

 

(5)音質の傾向

 全体的にそつなくまとまっていますが,悪く言えば丸く,奥行き感が不足気味です。立ち上がりのレスポンスは遅い印象で,聴き疲れしない代わりに,思わず耳をかたむけてしまうような,生々しい音でもありません。

 あと,案外ノイズが耳に付きますね。ほとんど無音であって欲しかったのですが,サーというか,ジャーというか,そういう音が無音の時にしたのは,やや残念でした。

 あと,プチ音が良く出ますね。こういうポップノイズというのは結構気になるものなのですが,電源を入れればプチ,ネットワークにつながればプチ,ソースを切り替えればプチ,トーンコントロールでソースダイレクトを選べばプチと,なにかとプチプチいいます。気に入りません。


(6)ネットワークの信頼性

 今回は暫定設置という事で,無線LANを使いました。我が家は固定IPで運用していますので,DHCPを使わないで設定するのですが,設定情報を入力しても直ちにつながらず,リトライを繰り返し,何度かエラーを出した後,いつの間にかつながるようになっていました。よく分からないです。

 つながってしまえば切れたりしないのですが,ホントに大丈夫なのかという不安と一緒に操作するのは,楽しくないですね。


(7)インターネットラジオ

 インターネットラジオは案外良かったんですが,設定がちょっとややこしかったです。vTunerを使うのですが,denonradio.comにアクセスし,MACアドレスを登録する事が必要ということで,早速試みたのですが,登録出来ないとはねられます。

 よく読んでみると,最低1度,登録前にインターネットラジオで音を出しておかねばならないそうです。このMACアドレスの機器が「生きている」ことを確認しないといけないんでしょうね。

 認証が済めば,おきまりのNHKの登録を追加して,NHK-FMがなるようになりました。

 ところが,面倒な事に,この後本体リセットを行って初期化を行った際に,インターネットラジオでdenonradio.comが本体に表示されず,選局出来ない状態に陥りました。認証が済んでいたから慌てませんでしたが,認証のためにインターネットラジオをならす必要があるのに,ならすことが出来ないという袋小路にはまり込んだ可能性があるわけで,これは非常にバギーだなと思いました。

 結局この問題は,いつの間にやら直ってしまったので原因はわかりませんが,いずれにせよ,期待する動作が取説に書かれていないので,これで合っているのかと試行錯誤をしながら進める面倒臭さを強く感じました。


(8)AirPlay

 DRA-N5の目玉の1つがAirPlayです。簡単につながりましたし, 曲名などの表示もきちんと出ますので一見すると問題ないように見えるのですが,AirPlayで表示される機器名が,変更出来なかったのです。

 ネットワーク設定に,フレンドリーネームという設定項目があります。ここを変えればAirPlayの名前も変わると思っていたのですがさにあらず,デフォルトのCEOL Piccoloのままです。再起動しても,初期化を行ってもだめです。

 これ,もしこの機器を複数台もっていた時,どこから音が出るか分からないですよね。それで「どないすんねん」と思いながら一晩ねると,翌日にはどういう訳だか変更した名前に変わっていました。

 結論から言うと,変更出来ないのではなく,変更の反映が遅くなると言うことのようです。だから,名前が変わっていなくても気にせず放置,が正解です。そのうちちゃんと変わります。


(9)リモコン

 良くも悪くも普通のリモコンです。いかにも中国製というゴツゴツしか感じで,ボタンも硬く,深いです。押しづらいですね。

 すごいと思ったのは,走行系の割り切りです。REWとPLAY/PAUSE,FFの3つしかありません。まあこれで困ることはないと思いますが,音楽再生という機能についての考え方が垣間見えました。


(10)あれ?

 私の個体の問題かも知れないのですが,画面の明るさを変更しようと,リモコンのDIMMERボタンを押してみたところ,明るさが変わりません。もう一度押すとようやく1段階暗くなりました。さらに押すともう一段階,さらに押すと完全に消えました。

 ここからもう一度押すと明るく点灯しますが,もう一度押しても明るさが変わりません。

 取説によると,DIMMERボタンを押す度に,100% -> 75% -> 50% -> 25% -> OFFを繰り返すようなのですが,私の場合は,75% -> 75% -> 50% -> 25% -> OFFの繰り返しのような感じで,明るさは4段階,しかも最初の1段はキーが効かない状態です。

 ソフトのバグとは考えにくいですし,有機ELは明るいほど寿命が短くなりますから,私は50%の明るさを常用しようと思っていますので実害はないのですが,本体の故障だとすればちょっと面倒ですね。amazonの領収書を捨ててしまいましたし・・・

 この点だけは故障の疑いもあって心配なので,メーカーに問い合わせしたのですが,明るさの変化がわかりにくい場合もあるので,お店の展示品と比べてみてくれ,もし差があるようなら初期不良として交換してもらってくれ,差がないようなら仕様と思ってあきらめてくれ,という,なんとも手応えのないお返事でした。

 気になるようなら点検するのもあり,ということですが,持って行くのも送るのも面倒ですし,もうこれでいいです・・・ハズレをひきましたよ。

 表示で言えば,先にも書きましたが文字が美しくないし,大きさのバランスも不細工です。特に日本語の表示が最悪で,美しくない太めのゴシックが画面のど真ん中にでっかく表示されると,なぜだかとても恥ずかしくなります。

 時計の表示仕様も残念です。せっかくNTPサーバで同期するのに,時計の表示はリモコンのCLOCKボタンを押したときだけしか表示されないんですね。電源OFF(スリープ中)でもCLOCKボタンを押せば時計が表示されるのですが,いちいちボタンを押して時計を見るかといえば,そんなことはしないでしょう。

 おそらく,アラーム機能を中心に考えての時計なのでしょうが,ただでさえネットワークオーディオはトラブルが多いのに,こんなものをアラームにしてしまったら,音が出ないまま寝過ごすなんてことが起きてしまうでしょう。私はこんな機能は恐ろしくて使えません。

 あと,INFOボタンも今ひとつです。押せばアーティスト,アルバム,コーデックと一番上の行の表示が切り替わりますが,この切り替わった状態を覚えていてくれないのです。デフォルトはアーティストですが,私としてはアルバムを表示したいんですね。

 アーティストなんてのは,聞けばわかります。


(11)WEBからの設定

 本体のIPアドレスを直接叩けば,WEBブラウザから設定が出来るとあります。ほー,httpサーバを実装してあるんだな,これは便利だなと思ったのですが,その期待は簡単に打ち砕かれました。

 出来る設定は,ネットワーク設定とファームのアップデートのみ。他の設定は相変わらずリモコンからしか出来ません。

 そもそも,WEBブラウザで設定が出来る状態ということは,ネットワーク設定が済んでいると言うことでしょう。なんじゃこの無駄な仕様は?

 ファームのアップデートについては,本体のみではネットワークからのダウンロードしか対応しないので,ファイルからアップデート出来るこの機能は必要だろうと思いますが,それならファームアップデート機能専用と割り切って,もっとシンプルに作っても良かったんじゃないでしょうか。

 というか,USBメモリにファイルを入れて前面のUSBコネクタに突っ込めばそれで済む話ですよね。なんか,せっかくのhttpサーバが死んでしまっています。


(12)未確認事項

 まず,光デジタル入力のサンプリング周波数やビット数を確かめなければなりません。昨日書いたように,改造したBDP-150を繋ぐ予定ですが,88.2kHz/24bitを受けてくれないとこの改造も無意味になります。

 また,デジタル入力時のサンプリング周波数やビット数が表示されるのかどうかも気になります。

 最終的には有線LANで繋ぐ予定ですが,これも現時点では確かめていません。無線でつながっているのですが,多分大丈夫でしょう。

 iPodドックも使っていませんが,多分一生使う事はないでしょう。ここが壊れていても別にいいです。

 オートスタンバイも気になります。取説によると,操作しないで30分放置するとスタンバイに入るそうですが,これってアルバム1枚をじっくり聞けないということですかね。まさかそんなことはないと思うのですが,それならインターネットラジオを聞いているときはどうなんだとか,いろいろ疑問がわきます。

 もし,音が出てようと出てなかろうと30分でスタンバイに入るなら,これほど使えない機能もないんじゃないでしょうか。


(13)iOSから操作する

 iOSで動くリモコン「DENON Remote App」をiPad2に入れて見ました。そんなに期待もしなかったのですが,期待以上のひどさでした。

 電源を入れる,ファンクションを切り替える,インターネットラジオを聞くなどは出来ますが,肝心要のミュージックサーバーから音楽を鳴らすことが出来ません。

 NASが見つかり,iPad2の画面に表示されますが,これを選択すると「接続が拒否されました」と先に進めません。これでもうおしまいです。

 あまりのひどさに開いた口がふさがらず,iOSとの連携機能は最初からなかったことにしました。こうなるとandroidでどうなんだろうとか,試す気も起きないです。


(14)まとめ

 見た目も今ひとつ,音質もそこそこ,機能は豊富だがUIが良くない,細かいところで残念な仕様になっているなど,どうも鈍くさい感じです。

 所有欲を満たす質感もなく,音も特別よいわけではないので,65W+65Wのアンプとネットワークオーディオプレイヤーが小さい筐体に収まったということをメリットに,それこそ存在を意識しないような使い方をすることになるんじゃないかと思います。

 なんか,ボロカス書いてしまいましたが,正直なところ,期待が大きかっただけに,実物の残念さが目立ってしまい,悔しいのです。もっとスピード感のある,もっと切れ味のいい音を期待していましたし,浮かび上がるようなボーカルを再現出来るスピーカーを繋いでも,その能力を発揮出来ていないような気がします。

 デザインも質感も操作感もいまいち,ただし機能は豊富でシンプルに機材をまとめる事が出来るという便利さは特筆すべき所です。果たして買って得をするかどうかは,この多機能の恩恵をどれくらい受けることが出来るかにかかってくるように思います。

 値段が24000円と安かったのでお買い得感はありますが,これが4万円ならちょっと買わないなあというのが,私の今の結論ですね。

リビングに人が集まるようなオーディオシステムを考える

  • 2013/03/28 12:54
  • カテゴリー:散財

 ぼちぼち新居への引っ越しが射程距離に入ってきましたが,先に考えなくてはならない面倒なことがたくさんあるのが分かっていても,ついつい楽しくてやってしまうのが,趣味を楽しむ環境の整備です。

 新居のコンセプトは,一人で過ごす場所とみんなで過ごす場所のメリハリをつける,です。決して広くはない家ではありますが,みんなが集まるリビングとDKは出来るだけ障害物をなくして,見通しの良い空間を作ることを目指しました。

 そしてなにより,ここに自然と人が集まる「仕組み」を入れることが大事です。一人でいるより,ここに来た方が楽しい,面白いと思うような,そういう仕組みをハードウェア,ソフトウェア共に整備していきたいと思っています。

 こういう場合,まず第一に上がるのが大きなテレビです。

 確かに大画面の高画質のテレビは,人を引き寄せるわかりやすさがありますが,一方で大画面でなければならないものを,家族みんなで日常的に見るというのはなかなかないものです。

 ニュースや天気予報,バラエティ番組などの放送コンテンツは,極端な話内容が重要ですから,ワンセグだってかいません。42インチのプラズマで見たいなぁ,と自然に思わせるコンテンツは,それこそBlurayの映画ソフトくらいでしょう。

 ではどうするか。

 我々家族は,みんな音楽が好きですし,その音楽を良い音で聞くことの楽しみを知っています。音が出ればなんでもよいと思ってはいませんし,オーディオ機器による音の差があることも,そして価格による差があることも認めています。

 そして音楽を聴くという楽しみには,自由度があります。何かをしながら聞き流すことも出来ますし,一音一音を聞き逃さないように集中して楽しむ事もできます。これは映像を見ることとは随分違う事です。

 従って,リビングに,他の部屋には設置できないようなオーディオを設置すれば,自然にリビングに人が集まるはずです。

 しかし,音楽を聴くには,ソフトが必要です。ソフトがCDなどの物理的なメディアだと,どうしてもそれをリビングに置かねばなりませんし,また本当に楽しむには所有するすべてのCDをおいておくのがベストです。しかし,そんなことをすればリビングは狭くなり,また猥雑になって,落ち着きません。

 てなわけで,リビングに用意すべきオーディオを,以下のように考えました。

(1)ネットワークオーディオは必須

 私が所有するCDはすべてFLACでNASに入っていますし,ハイレゾ音源も少しずつ増えています。嫁さんのCDも半分くらいはFLACになっているようですし,ネットワークオーディオプレイヤーがリビングのオーディオの核になることは,もはや揺るぎないです。

(2)iPadとの連携

 嫁さんはiPadを片時も手放さない人ですが,iPadで操作ができ,AirPlayに対応していれば,iPadとオーディオ機器が連携します。便利なはずです。

(3)スピーカーはCM1を使う

 私を含め,家族が最も支持しているスピーカーが,B&WのCM1です。これが出す音は他のスピーカーの音とは一線を画すものであるので,このスピーカーの設置されている場所は,非常に強い吸引力が働くはずです。スピーカーにCM1を選ぶ事が出来て,欲を言えばCM1を出来るだけしっかり駆動できるアンプが欲しいところです。

(4)FMラジオ

 我々はFMラジオが大好きで,特にNHK-FMはかけっぱなしにしていることが多いです。FMチューナーはアンテナがないと厳しいですから,出来ればインターネット経由で聞くことが出来ればよいですね。N-30はそれが出来ています。

(5)SACDは再生したい

 ネットワークオーディオを中心にするとはいうものの,SACDについてはディスクを再生する環境が欲しいです。SACDをリッピング出来れば必要ないのですが,そういうわけにはいきませんし,SACDはまだ所有数が少ないですから,リビングに並べておいてもよいでしょう。

(6)でもシンプルにまとめたい

 テレビとまとめて設置しますので,Blurayプレイヤーもおくことになります。出来ればSACDとBDは1つの機器でかかるようになって欲しいです。

 また,配線がややこしいと見た目も良くないですし,操作が難しいと使う人が限られてしまい,みんなが集まる部屋には不適切です。


 とまあ,いろいろ書いたのですが,こういう条件をすべて満たすようなシステムを作るのは,なかなか選択肢がないんですね。ネットワークオーディオに対応していてもFLACは未対応とか,日本語が通らないとか,SACDに未対応とか・・・

 そして検討の末,以下のようなシステムに決着し,早々と機材を買いました。

・ネットワークオーディオ+アンプ
 DENON DRA-N5

・BDプレイヤー
 Pioneer BD-150

 まずDRA-N5ですが,192kHz/24bitまで対応したハイレゾネットワークオーディオプレイヤーに,65W+65Wのアンプを内蔵したレシーバーです。FMチューナーも内蔵しますが,インターネットラジオに対応し,NHK-FMも設定出来るのでばっちりです。

 DLNA1.5でNASにアクセス可能,FLACにも対応し,日本語も通ります。ジャケ写はさすがに出ませんが,これはまあいいです。

 そしてAirPlayに対応し,iPadのアプリから操作が可能です。スピーカー端子はバナナプラグですので,太いケーブルを使うこともできます。CM1も全く問題なく使えます。

 光デジタル入力とアナログ入力を備えているので,ちょっとしたシステム拡張も可能です。

 価格は実売で3万円程度なのですが,なんとamazonで20%オフのセールをやっていて,24000円ほどで買うことが出来ました。N-30よりも安く,アンプまで入っているので助かりました。

 そして,SACDは実売1万円で高機能,高品質で知られる,BD-150をチョイスです。1万円前後の低価格BDプレイヤーは結構激戦区なのですが,案外機能に差があります。例えば,パナソニックは伝統的にSACDがかかりません。ソニーはDVDのアップスケールに定評がありつつ,現行機種からSACD再生機能を外しました。

 DENONは3万円から,マランツは5万円からと価格帯が違ってきますし,OPPOも検討しましたが,1万円のプレイヤーで十分だと思っている人には,ちょっと高価です。

 BD-150にもネットワークオーディオ機能がありますが,FLACに対応しませんから,これは使わないことにします。ただしDLNAで映像コンテンツを再生する機能は便利に使えそうです。

 そして,テレビは買い換えず,日立のP42-XP035です。BDプレイヤーとはHDMIで接続します。BDを再生する場合について言えば,BDプレイヤーの価格が1万円でも10万円でもそんなに大差はないでしょう。DVDのアップスケールには性能のいい物が欲しかったのですが,仕方がありません。

 それで,BDP-150をオーディオディスクの再生機として使う場合ですが,アナログで接続するのではなく,DRA-N5とデジタルで繋ぐことにします。こうすると,特にパーツのグレードや物量で決まると言われる音質を,DRA-N5に任せることができます。

 まあ,BDP-150とDRA-N5のどちらでDA変換するのが良いかなど,ドングリの背比べのような気もしますが,回転系を持つオーディオ機器は案外音質に有害なノイズを出すもので,アナログにする部分は回転系から隔離した方が望ましいでしょう。

 しかし,BDP-150のデジタル出力は同軸で,DRA-N5のデジタル入力は光です。変換を入れると不細工ですから,私は安い方のBDP-150を改造し,光出力を取り付けようと考えています。

 いやなに,ちょっと調べてみると,背面のUSB端子を基板から外せば,光出力のコネクタを代わりにハンダ付けできるようなのです。

 パターンは引いてあるということですから,ここから配線を飛ばせば,USBも温存しながら光デジタル出力を追加できます。

 背面の穴は開け直しになりますから手間はちょっとかかりますので,しばらくはアナログで繋ぐことにします。うまくいったらまた報告します。

 DSDを直接アナログに変換するSACDプレイヤーと違い,PCMに変換してからDA変換するプレイヤーの場合には,その変換アルゴリズムが音質を決定する大きな要素になります。その意味ではBDP-150は少々物足りないといえますが,88.2kHz/24bitは立派なハイレゾですし,どうしても納得出来なければ,私が気に入って使っているPD-D9を持ち込むだけの話です。

 新居への引っ越しは4月9日。ちょっと気が早いですが,どうせ買う物ですし,それだったら在庫のあるうちに,しかも安いうちに買って置いた方がよいです。引っ越し荷物が少々増えますが,そんなに大きな物ではありません。むしろ引っ越しから早期にセッティングが出来る事をメリットとすべきでしょう。

 ちなみに嫁さんは,音質うんぬんより,自分でも簡単に操作ができることに安堵したようです。難しい操作は,実際に出来るか出来ないか以上に,疎外感を感じるものなのでしょう。

ということで,次回は早速届いたDRA-N5のレビューです。

プラズマディスプレイが過去の物になる時

 プラズマディスプレイの「火」が消える時が来ました。

 テレビ事業が重荷になっているパナソニックが,2014年度中のプラズマディスプレイからの撤退を決めたと報道されました。すでに新規の開発は行われていないとのことですので,2014年度中の撤退は急に決まった話ではなく,既定路線だったのでしょう。

 今後は液晶パネルを使ったテレビに一本化し,その液晶パネルも7割ほどを外部から調達するということですので,家電の雄ナショナルの流れを汲むパナソニックも,とうとうここまで後退するのかと残念です。

 ピークの2009年に比べると,ビジネス規模が半分になるという昨今の状況を考えるとやむを得ませんが,かつての基幹部品であったブラウン管を内製できたメーカーが圧倒的な強さを誇った時代は終わり,むしろ負担になって体力が削がれるという状況は,確かに看過できない問題です。

 ブラウン管テレビの時代は,ブラウン管を「持つ者」と「持たざる者」の差が大きく,ブラウン管を持つメーカーは我が世の春を謳歌していました。

 ブラウン管がプラズマディスプレイなり液晶ディスプレイなりのフラットパネルになるとき,ブラウン管時代の成功体験を持つメーカーは当然,この優位性を維持しようと考えたはずです。

 しかし,結果としては状況の変化を読み誤りました。特に,プラズマディスプレイのような特徴も動作原理も作り方も全く異なるディスプレイは,強みにも弱みになるという好例だったということでしょう。

 富士通,日立,パイオニア,NEC,そしてパナソニック,ちょっと方式は違うのですが類似のものをソニーも開発を手がけていたプラズマディスプレイ。ブラウン管を継ぐディスプレイの本命として,長く開発が続けられていました。

 応答速度の速さに発色の良さ,高いコントラストと視野角の広さという,まさの理想的な薄型テレビとしてようやく市場に投入されましたが,3つの壁が立ちふさがります。

 1つは液晶ディスプレイの高画質化です。プラズマの足下にも及ばないとされていた液晶ディスプレイですが,改良を重ね,もはやプラズマディスプレイとの画質差はないと言っても良いでしょう。

 2つ目はテレビの低価格化です。液晶ディスプレイの価格が強烈に下がり,プラズマディスプレイを使えないほどの安さでテレビが売られるようになりました。プラズマディスプレイの利点に見合うような価格差なら許されるというのがこれまでのメーカーの理屈でしたが,今その利点は,ほとんど見当たりません。

 最後は高精細化です。もともと,プラズマディスプレイは高精細化が苦手なディスプレイで,原理的に大画面化に適しています。液晶は逆で,大画面化が苦手でも,高精細化が得意です。

 一時は無理と言われたフルHDのプラズマディスプレイが登場してなんとか生き残って来ましたが,近い将来確実にやってくる4Kの時代には,もう対応が取れないと判断されたのだと思います。

 大画面化に向けば活路を見いだせたかも知れませんが,すでに液晶ディスプレイも大画面化していますので,プラズマディスプレイのメリットは非現実な大きさでのメリットにしかなりません。これではテレビには使えないです。

 高精細化と低コスト化は,なんとか乗り越えてきました。しかし,もうこれ以上は無理でしょう。公平に見て,プラズマディスプレイは詰みました。

 かくいう私はプラズマディスプレイのファンです。

 ですから今回の決定は,覚悟はしていたものの,とても残念な決定です。

 私は特にAVマニアでもないし,そもそもテレビなどニュースくらいしか見ませんから,それほどテレビにこだわっていません。しかし,少しだけとはいえ,毎日目にする物ですから,見ていて違和感のないものを手に入れたいとは思っていました。そしてそれは液晶テレビではなく,プラズマテレビだったのです。

 液晶テレビの低価格に引き摺られて,プラズマテレビの価格もどんどん下がりました。私も安くなったときに買ったのですが,その先にあったのは,全メーカーのプラズマテレビからの撤退,つまり,プラズマテレビがもう買えなくなるという現実です。

 大量生産の工業製品ですので,儲からないと最終的には買えなくなります。価格が下がることはありがたいことですが,その結果は必ずしもファンの期待に応える物にはならないという話だと思います。

 面白のは,プラズマディスプレイからの撤退をする2014年に,有機ELテレビの発売を目指すと言っていることです。有機ELはプラズマディスプレイと同じ,自発光のデバイスで,消費電力が大きいことと薄く出来ないというプラズマディスプレイの欠点を払拭する,まさにテレビに適したディスプレイです。

 個人的には,有機ELには問題が山積しているので2014年に発売など無理ではないかと思いますし,無理に発売しても,画作りや信頼性,耐久性という面で問題が出て,評判を落としてしまうのではないかと思うのですが,どちらにしてもプラズマディスプレイは有機ELディスプレイに,世代交代をすることになると,私は感じました。

 プラズマテレビを使って3年になりますが,不満どころか,良い買い物をしたなと気に入っています。パナソニックがプラズマディスプレイをやめることで,プラズマディスプレイは完全に過去の技術になってしまうのですが,ほんの10年ほどの間しか買うことの出来なかったこの特徴あるテレビを買うことが出来て,良かったと思います。

Kindleアカウントの統合

 最近,通勤経路が変わり,始発駅から乗る事がなくなった関係で,座席に座って本を広げるという習慣が難しくなりました。

 新しい通勤経路は日本でも屈指の混雑路線。座ることはもちろん,本を広げることも難しい状況です。

 しかし,通勤中に本を読むという習慣はなかなか断ち切りがたく,小さくコンパクトで,片手で快適に読む事ができる,Kindleを本格的に使う事にしました。

 まず,従来の文庫本に対し,Kindle Paperwhiteの扱いやすさはどうかというと,これは想像以上に快適です。持ちにくいわけでもなく,滑ってしまうこともなく,ページをめくるときに持ち直すこともなく,またほんの少しの場所さえあれば取り出して読む事ができるのも良いですね。

 また,電子ペーパーは高解像度・高コントラストで大変読みやすく,液晶と違って視野角も広くて,電車での読書にはもってこいです。

 誤解されている向きもあるようですが,フロントライトは暗いところでの補助光ではなく,白をより白くみせてコントラストを向上させるためのものですから,明るい車内ではしっかり明るくしておくのが読みやすさの秘訣です。

 自炊した本を読むのはもちろんですが,電子書籍を購入・ダウンロードすることもしばしばあり,確実に時代は変化しているなと感じます。

 ところで,私は2010年からKindleのユーザーです。KindleDXとKindle3(現在はKindle Keyboardと呼ばれているが面倒なので以下Kindle3と書きます)の2つを,amazon.comから買いました。KindleDXは3G付きです。従って,Kindleのアカウントは,amazon.co.jpにもamazon.comにも存在します。

 そうすると考えねばならないのが,アカウントの統合です。日本でKindleがサービスを介するという話が出たときに,amazon.comで買ったコンテンツは日本のKindleで読めるのか,という至極当然の心配から随分話題に上った問題への答えですが,私はしばらく統合せず様子を見ていました。

 KindleDXとKindle3は自炊の本を読むために購入したものですし,そもそも日本のサービスには対応しません。特にKindleDXで日本のコンテンツが読めるとメリットが大きいと思うのですが,アカウントの統合で可能になるのは,最新のKindle Paperwhiteで,amazon.comで入手したコンテンツが読めるようになることくらいです。

 そのコンテンツだって,せっかくの3G付きだしと,マニュアルやら無料のコンテンツを試しにダウンロードしてあったくらい程度の話ですので,別に統合の必要性を感じてはいませんでした。

 ですが,気が変わりました。

 Kindle Paperwhiteが主力機の座を確実な物とした今,ここにKindleのコンテンツは統合しておこうと考えたのです。

 統合できることは分かっていましたが,どういう手順で行うかは分かっていません。そこで私が行った手順を少し書いておきたいと思います。

(1)まず,amazon.comのKindleのページのトップに表示される,「統合できますよ」というバナーをクリック。居住地が日本になっていないと表示されないかも知れないので注意。

(2)指示通りに統合のステップを踏むが,エラーで進めない。しかしこれは分かっていたことなので慌てる必要はない。2つのアカウントにKindleの登録があるせい。

(3)ここで素直に,カスタマーサービスに連絡。多くの先人達は電話をしているようだが,高校時代に学んだ「電話は暴力」という師匠の教えに従い,ここは電子メールでサポートを受けることにする。

(4)Kindle - アカウントの統合というカテゴリを選び,アカウントの統合をしたいとメールを送信。

(5)速攻で返事が来る。いわく,

 ・統合によって変更されるサービスの説明を読み,了承すること。
 ・amazon.comとamazon.co.jpの両方から,端末とアプリの登録を消去すること。
 ・amazon.comに登録したメールアドレス,ユーザー名,住所を返信すること。

 ということで,すべての端末とアプリの登録を消去,amazon.comから登録情報を調べて,頂いたメールに返信。なお,当たり前の事だが登録解除で,端末からもクラウド上からも,コンテンツは消えない。

(6)またしても速攻で返事が来る。アカウントの統合が完了したので,ライブラリから統合されていることを確認してみて下さいとのこと。確認すれば確かにamazon.co.jpのライブラリから,amazon.comで入手したコンテンツが見える。

(7)登録を解除したKindleを再度登録する。登録はKindle本体から行う。登録を解除して再登録してもコンテンツは消えないが,コレクションは全部消えてしまったので作り直し。面倒臭い。お,クラウド上にすべてのコンテンツが見えているし,ダウンロードもできる。

(8)PC版のKindleアプリも再登録。しかし,amazon.co.jpで購入したコンテンツは未対応となって開くことができない。技術的に出来ないのか,政治的に出来ないのかは不明。

(9)KindleDXとKindle3も登録。やはりamazon.co.jpのコンテンツは開くことが出来ない。

(10)Kindleストアの設定を確認。統合直後はamazon.comのストアに設定されているため,Kindle PaperwhiteでKindleストアに行くと「しばらく待て」と表示され,amazon.comのストアに飛ぶ。これではなにかと不便なのでKindleストアの設定からamazon.co.jpのストアを利用するように変更。

(11)この設定変更をすると,以後は見慣れたamazon.co.jpのkindleストアが表示される。なお,この状態から端末上でamazon.comのKindleストアへの変更は出来ないので,もしamazon.comのストアにしたかったら,amazon.co.jpのMyKindleから,居住国設定をクリックすると,USと日本の2つから選べるようになる。

(12)amazon.co.jpのストアを設定し,KindleDXとKindle3からストアを開いて見ると,こちらはamazon.comのストアが開く。いちいち切り替える必要はないようだ。


 と,こんな感じです。実際にやってみて分かった事は,私の場合統合してもなんら問題はなく,さりとて特にありがたいメリットもない,ということです。ただ,Kindle Paperwhiteでamazon.comから書籍を買うことが出来るというのは,考えようによってはありがたい話で,その恩恵を受ける人もいるかも知れません。

 これで,KindleDXやKindle3でamazon.co.jpの本が読めて,しおり情報が共有されればこんなに便利な話もないんですが,そういうわけにはいきません。だから,アカウントを統合しても,なんのメリットもないなあというのが,私のケースです。

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