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2013年01月31日の記事は以下のとおりです。

WP34Sの書き込みについて

 WP34Sが面白いです。

 現在進行形のオープンソースっていうのは,毎日プロジェクトの様子を確認しないとお尻がムズムズするのですが,新しいビルドが出ていたりすると何が変わったのか確かめる必要があったりして,キャッチアップするのが大変です。

 WP34Sの最新ビルドはV3.2_3363です。安定版としてダウンロード出来るものから既にバージョンが0.1上がっていますが,今のところこれで深刻な問題は出ていないように思います。

 それはそれとして,ようやく本体へのファームウェア書き込みが安定してきました。ついつい手順を忘れてしまうので,ここにメモしておこうと思います。


(1)用意するもの

・FT232RLを使ったUSB-シリアル変換モジュール(秋月のAE-UM232R)
・FT232RLのWindows版ドライバ(CDM 2.08.24 WHQL Certified.zip)
・Windowsが動くPC
・MySamBa(WP34Sのプロジェクトからダウンロード)
・最新のファーム
 (32kHzのクリスタルをつけている場合はcalc_xtal_full.bin)
・本体


(2)本体とAE-UM232Rの接続

・以下のように接続する
  本体 - FT232RL
   RxD - TxD
   TxD - RxD
   Vcc - 3V3
   GND - GND

・AE-UM232Rのジャンパ
 J1 - 右側をショート
 J2 - ショート

・本体のERASEとRESET端子については,一度でもWP34Sを書き込めばオープンでよい

・私の場合,本体にピンをハンダ付けし,コネクタで接続するようにしたが,ポゴピンが手に入るなら無改造でOK。というかこんなにしょっちゅう書き込むならポゴピンでないと大変。


(3)PCの準備

・AE-UM232RをPCに接続,ドライバをインストールする。デバイスマネージャを確認し,COMポートの番号を覚えておく。

・MySamBaを解凍し,起動。COMポートを設定し,用意したファームを指定する。


(4)本体の操作

・あらかじめ各種設定やプログラムをフラッシュメモリに保存しておくと便利なので,P.FCNからSAVEを選んでセーブしておく。

・電源が入っているときでも入っていないときでもよいが,ONキーを押しながらDキーを押すと,デバッグモードに入る。(ちなみにもう一度Dを押すとデバッグモードから抜ける)

・デバッグモードに入ったら,ONキーを押しながら6キーを押す。SAN-BA? bootと表示されるので,6キーだけ指を放し,再度6キーを押す。ここで表示が消えるが慌てない。

・背面の背面のリセットを押し,コネクタを取り付ける。


(5)書き込み

・本体のONキーを押す。表示はなにも出ないが,慌てなくていい。

・MySamBaのSendFileを押す。

・うまくつながるとプログレスバーが進み,約24秒で書き込みが終了。

・MySamBaを終了し,背面のリセットを押して,コネクタを抜く。

・ONキーを押すと,少し間があってから表示が表れる。設定をSAVEしてある場合にはRestoredと表示され,自動的に元の設定が書き戻される。ただし,日付と時刻は再設定が必要。

・X.FCNからVERSコマンドを選びバージョンを確認。「34S3.2T3363」という表示は,Version3.2ビルド3363,32kHzのクリスタル実装済み,という意味。


 こんな感じです。

 一度もWP34Sを書き込んでいない場合はERASE端子を配線し,内蔵フラッシュを消去してからSAM-BAモードで起動する必要があったりするのですが,私はすべて書き込み済みですので,現在用意しているケーブルはERASE端子を配線してありません。

 とはいえ,大げさな話でもなんでもなく,ERASEとVccをつないで背面のリセットを押してやるだけです。これで次の起動時にフラッシュが消去され,SAM-BAモードで起動します。リセットを押した後はもうERASEとVccをつないでなくても構いません。

 ところで,MySamBaでつながらないという場合が厄介だったりするんですが,配線が切れていないか,ちゃんとつながっているかを確認して,それでもだめならCOMポートの番号が正しいかどうかも見てみましょう。

 SAM-BAモードの時は表示も消えていますのでわかりにくいのですが,SAM-BAモードはあくまで電源が入っているときの状態ですから,リセットを押した後ONキーで電源を入れてあげないといけません。電流計を繋げば6mAから8mA程度の電流が流れることを確認出来るので,表示が出ていなくてもわかります。

 ということは,表示が出ていないので気が付かないけれども,すっと電源が入ったままになってしまう状態が起こるわけですね。CR2032は最大で220mAh,HP20bやHP30bは2つ並列ですのでこの倍ですから440mAhとして,8mAだとざっと55時間で切れる計算ですが,気が付かずに放置しておくと4日ほどで電池が切れます。

 電池が切れると当然うんともすんとも言わなくなりますから,表示が出ない状態だとますます混乱に陥ります。気をつけないといけないですね。

 そうそう,やっぱりもとの状態に戻したい,という場合ですが,HP20bについてはオリジナルのファームが公開されており,これを書き込めば元に戻せるはずです。しかし上位機種のHP30bについてはファームは公開されておらず,元に戻すことができません。

 HP30bはプログラムが可能になったりと,HP20bの上位機種にふさわしい機能を持っています。キーも液晶もHP20bより良いものなのでWP34Sにすればメリットは当然ありますが,元に戻せない改造であることは知っておく必要があります。


 WP34Sを実戦投入して1週間ほど経過していますが,キーの反応が普通の電卓よりも若干遅いことを除けば,実に手に馴染むよい電卓だと思います。高機能ですのでどこにバグが潜んでいるかわかりませんし,使いこなしも難しいのでマニュアルはしばらく読み込まないといけませんが,それだけの価値のあるものだと思います。

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