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2016年10月31日の記事は以下のとおりです。

ロシアより愛をこめて

  • 2016/10/31 10:12
  • カテゴリー:make:

 さて,先日のKT-1100Dの再調整の件で,半導体を少しばかり確保そしておこうと思いました。LA3350は,たまたま秋葉原の店頭で買えたから良かったものの,手に入らないともうおしまいだった部品なわけで,代用可能なものでない限り,困る前に手配しておくと幸せになれるというのが,長く生きてきた結果学んだものの1つです。

 まず手配しようとおもったのは,このころのケンウッドのチューナーの要である,アナログ乗算器です。

 MC1495という定番のICで,古くからあるメジャーなものですから,高価であっても入手は簡単だと思っていました。1つ違いのMC1496なんか,新日本無線がセカンドソースを作ってくれているくらいですし。

 調べて見ると,入手などとんでもない状態であることがわかりました。

 どうやら生産中止。世界中のどの部品屋さんでも在庫はなく,もともと高価で特殊な用途に使われた高性能部品だっただけに,似たようなICはいくらでもあるのですが,このICに限ってはほとんど見かけません。

 また,電子楽器に使われたICでもあり,ヴィンテージ電子楽器という特殊な市場で取引される部品の1つとくれば,もう価格なんてあってないようなものです。私は絶望しました。

 しかし,面白いものですね。MC1495でgoogle先生に聞いてみると,ロシア製ならあるよと教えてくれるじゃありませんか。

 ロシア,あるいは東欧圏においてもICが生産されていたことに疑問はないと思いますが,アメリカや西ヨーロッパのデッドコピーが生産されていたことは,当時の鉄のカーテンのせいもあり,あまり知られていません。

 旧東ドイツ製のZ80とか,結構マニア向けのものが珍重されているという話も聞いたことがあります。

 MC1495相当品である,ロシア製のICの名前はKR525PS1Aとのことです。

 10個で1400円ほど。なんとamazonで注文可能。470円ほどの送料,わずか1週間でロシアから届くそうです。ほんまかいな?

 まあ全部で2000円ほどですし,騙されたと思って買ってみましょう。いやはや,旧共産圏の半導体は初めて買いますね。大丈夫なのか・・・

 果たして,10日ほどで届きました。すごいですね,本当にロシアから自宅まで届きました。見たこともない相手の姿をなんとなく想像して,なんだかあったかい気持ちになりますね。

 電子メールではなく,封書で海外の友人と文通なんていうと,毎回こういう気持ちになるんだろうなと思いました。

 とはいえ,先日書いたようにKT-1100Dがまともに動いていない状態だったので,このICに交換することもしていませんし,他に動作の確認をする方法もありません。型名と数量があっていること,ピンの状態から少なくとも外し品ではないこと,でも変なマーキングがあったりなかったりでとても不安なこと,そんな複雑な想いが交錯しながら,私の机の上に置かれています。

 プレミアが付いていない状態でも,MC1495というICは数千円しました。怪しげな互換品とはいえ,これが本当に動くならば,とてもお買い得だったという事になるでしょう。いずれ確かめてみたいと思います。

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