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2018年08月09日の記事は以下のとおりです。

D850を修理に出す その4?完璧になってかえってきました

 D850の修理が終わり,ようやく私の手元に戻ってきました。

 D850を修理に出したのが6月の最終日曜日で,1ヶ月以上も使えない状態になっていました。購入して11ヶ月ほどですので,実に1/10も使えない状態にあったわけです。これはなかなか痛いです。

 さて,最初の修理ではマルチセレクターの異音が全く改善されておらず,仕方がないので新宿に赴き,現象を目の前で確認してもらって再修理を依頼しました。これが7月27日の話です。

 しばらく音沙汰がないまま時間が過ぎて,8月2日に電話がありました。お,もう修理が出来たのか,早いなあと思っていたら,違っていました。

 話を聞いていると,工場には私のD850と,私が確認したニコンの備品のD850の両方を送付し,私のD850が備品と同等になるように修理して欲しいと,依頼をしてくれたそうです。

 ところが,何度も部品の交換を行ってみたが,どうしても備品と同等にはならないため,1つ提案をしたい,とのことです。

 その提案というのが,備品のマルチセレクターと,私のD850のマルチセレクターを交換することです。こうすると備品と同じ感触になるわけですが,その代わりに新品の部品を使わないことになるので,お客様の許可が必要だと,そういう電話でした。

 うーん,備品を潰してまで,感触の改善を試みてくれるのかニコンは・・・と驚いたと共に,いよいよこの異音が,私の個体の問題ではないと判明してしまったことにも驚いてしまいました。

 こう書いていると些細なことでごねているように思われるかも知れませんが,この異音はかなり大きなゴリっという音がしますし,その時ロックレバーがぐぐっと動くほどの衝撃があります。耳を近づければ音が聞こえるという程度ではなく,もう明らかに音がしているのがわかり,それで私は内部の破損か異物の噛み込みを疑って修理に出したのです。

 事実,窓口の担当の方は特に「仕様だ」「こんなもんだ」と私に反論することもなく,さっと備品と比べた上で「この程度にはします」と約束してくれたほどです。

 確かに,いくつか並んだデモ機では,私のD850ほどではないにせよ異音がしましたから,傾向としてこういう問題があるのはわかりました。でも,以前も書きましたが40万円の高級機で,これはないよなあと思うほどの感触です。

 異音そのものも問題ですし,個体差があることも,あるいは経年変化があることも私は問題だと思っていて,もしこれが個体の問題ではなく,設計の問題だとすれば,ちょっとお粗末だなあと思います。

 まあ,ニコンがすごいと思ったのは,そんな傾向の問題についてもなんとかしようと頑張ってくれることで,異音のほとんどない貴重なサンプルを壊しても私の注文に応えてくれようとするのは,意外なことだと私は思ったわけです。

 さて,返事をどうしたものかと考えていたのですが,そもそもこの異音の原因がわからない以上,どちらがいいかなど素人の私に判断出来るわけがありません。

 この異音がですよ,部品の接触によって起こっているとすれば,摩耗によって音が出なくなる可能性が高いです。言い換えると備品は散々使われて摩耗し尽くしたものだとすると,その先にあるのは破損です。

 摩耗ではなく,組み合わせる複数の部品の細かい寸法の問題で,備品は偶然異音が出ない組み合わせだったというなら,それに変えてもらった方がよいですわね。

 ここまで考えて,まず新品のどんな部品に交換しても出るのであれば,これはもう正常であると判断するしかない,異常かどうかは程度の大小で考えるしかないわけです。

 その上で,どれだけ使われているかわからない中古の部品を使って,今の感触を追い求めても,しばらくすると完全に壊れてしまうかもしれません。

 なら,現状よりも改善することを前提に,新品に交換してもらった方がよいということになります。

 とまあ,そういう話を電話で伝えたところ,その方がいいと思いますという返事をもらい,新品の部品交換で進める事になりました。

 正直なところ,この異音がここまでややこしい話になるとは思っていませんでした。目立つ音と感触で,明らかにおかしいと思うものだから,きっとすんなり話が通り,さっさと治るものと思っていたので,再修理や個体差で修理出来ないという結果になるとは考えてもみませんでした。

 普通のめーかーなら,これはもう仕様だ,正常だとそのまま返してくるでしょう。しかしニコンは違っていました。

 理想的には,異音の原因を調べてもらい,これを解消してもらうように部品を削るなどして,手作業で追加工してもらうことなのでしょうし,できればそのくらいやって欲しいとも思いましたが,そこは修理までを担当するサービスエンジニアの裁量の範囲を超えていますし,そのことで耐久性なども変わってくるでしょうから,性能保証が出来なくなります。まあ,非現実な対応策です。

 ということになると,恒久的な対策として,異音がしないように設計変更を行ってランニングチェンジということになるのでしょうが,カメラには伝統的にそうした改良は珍しくありません。

 また,ニコンはこういう設計変更にも割と親切で,アイカップが外れやすいというクレームに対し,外れにくくする金具を付属するようになったのですが,これが付いていない初期のユーザーがサービスに来たときには,金具を無料で渡していました。

 私も初期ユーザーだったので,向こうから「どうぞ」といって金具をもらった記憶があります。

 今回は分解が必要な話ですので,どうぞと簡単に配っておしまいにはならないのですが,同じようなクレームを付けたユーザーに対して,無料で修理するくらいのことは,期待していいかもなあと思います。

 私の予想では,D850は長く生産される息の長いモデルになるはずです。途中で何度も設計変更が入ることは珍しくなく,後に後期モデルでは改善されたなどと,マニア向けの本に書かれるときが来るかもしれません。


 ということで,改めて修理完了と新宿での確認が終わり,私の所に発送するという電話がありました。宅急便なら時間指定したいという私の要望も覚えていてくれて,果たして翌日の指定時間に私のD850は届きました。

 電話でも,担当の方は「こんなによくなるのかと思うほど良くなっている」といってらっしゃいました。

 実際の所,交換されたマルチセレクターの感触は間違いなく改善されており,音もそうなのですが左側を押したと気に異物感がなくなって,実によい感触になりました。

 確かに異音はしますし,感触も残っていますが,以前に比べれば大幅に改善です。このくらいなら気にならない程度です。いやはや,ほっとしました。長い時間がかかりましたが,修理に出して本当に良かったと思います。

 交換した部品の返却をお願いしてあり,異音がする部品も見てみたのですが,特にぶつかったり擦れたりという痕跡があるわけでもないので,やっぱりどうにもわからないです。

 ニコンが,細かい事にグチグチいうクレーマーととったか,あるいは設計変更に反映すべきフィードバックと取ったかは,わかりません。

 わかりませんが,とりあえず私のD850は,このくらいの音と感触で再出発です。ここから悪化しないように使っていこうと思います。

 それにしても,長かったです。もうカメラロスが苦しくて苦しくて。

 

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