54645Dが壊れていた~一難去ってまた一難編
- 2017/04/24 13:07
- カテゴリー:make:
ここで修理完了としてもよかった,HP54645D。でも,もうちょっと頑張ってより快適に使いたいと思うじゃないですか。そこでここから先,より快適に使うための改造を行う事にします。まあ,やらなきゃ良かったという話になるかも知れませんが・・・
(1)空冷ファンの交換
54645Dには,12V,80mmのファンが付いています。空気を吸い出すのではなく押し込むタイプで,かなりの風量があります。エアフローはよく考えられていて,電源ユニットやCRTを冷やし,メイン基板のLSIの放熱器の直下にあいた廃熱口にまとまって吐き出されます。温度の低い順番に空気が流れていくように作ってあるのだと思います。
ですので,外側のケースを外した状態では放熱されず確実にダメージを受けるだろうし,またそのケースに余計な穴が開いていたりすると,空気の流れが変わってアウトでしょう。空冷というのはなかなか奥が深い世界です。
で,20世紀の商品にありがちなのは,ファンがうるさいということです。2000年以降,PCの世界では「静音」が1つのトレンドとなり,それまで無頓着にブンブン回っていたファンが,静かになるように工夫を重ねてきました。
回転数を低く抑えて風切り音を小さくすること,回転数を調整してその時々の最低限の風量に制御すること,流体軸受けを使って騒音と振動を押さえること,そして羽根の設計を見直し風切り音を小さくするなど,様々な方法が実用化されています。
ですので,20年前のファンを交換すると,その騒音の違いにびっくりします。ファンが回っているのかどうか分からない位に静かになり,ファンが作る騒音が以下に集中力を削ぐのかがわかります。
もともと,20世紀のファンはボールベアリングの軸受で,回転数も大きく,10年も回していればゴロゴロと大きな音を立てるように劣化するものです。常時回転しているものでもありますし,信頼性の要ともいえるファンの交換は,静音化だけではなく故障の防止という大きな意味もあるのです。
ところが,結構悩ましいのが,先程のファンの風量です。昔のファンの風量は大きいのですが,その風量が本当に必要なのかどうかが,わからないのです。PCパーツがどこでも簡単に買える世の中になったのでファンの入手は楽ですが,そのファンは昨今のPCの低消費電力化と静音化の流れで,どうしても風量が少なめになります。
私が今回選んだアイネスのCFZ-80シリーズは,なんと4タイプあり,風量と騒音で選ぶ事になっています。秋月で売られていた200円のファンが手元にあったので,先にこれで試したのですが,やはり風量が少なくて不安があったために,CFZ-80シリーズのうち標準タイプを選んでみました。
結果は,やっぱり風量が足りません。秋月で買ったものよりも少しばかり増えたかなという程度なのですが,あまりうれしくない結果になりました。
まあこれでいいかと,交換して試して見ました。底面から出てくる排気は非常に熱く,これは心配です。しかし筐体そのものの温度は上がっておらず,きちんと廃熱は行われているようです。
しかし,これから熱くなる夏場は心配ですし,ラックに押し込んでしまうとなお心配です。熱源はASICですから,ここが熱で劣化したり壊れると,取り返しが付きません。
どうしたものかと悩んだのですが,結局高速タイプに交換することにしました。高速タイプが届き次第交換します。
(2)ロータリーエンコーダの交換
CH1の垂直感度と掃引時間の切り替えのロータリーエンコーダの劣化がひどく,なかなか綺麗に切り替えが出来ない事がイライラの原因だったので,これを対策するために分解掃除をしたのが,今回のレストアのきっかけでした。
エレクトロニッククリーナーのおかげでだいぶ良くなったとは言え,まだまだ快適にはほど遠いです。とはいえ,新品のロータリーエンコーダは入手出来ませんので,なんとかこれで行くしかありません。
そこで閃いたのが,使用頻度の低いツマミと交換することです。
早速やってみました。
接着したフロントパネル固定用の爪がまた折れてしまい,途方に暮れたりしましたが,とりあえず再度接着してなんとかなりました。
交換の結果は,やっぱり快適です。いいですねえ。
ただ,交換されてしまった方は,ひどい状態です。使用頻度は低いとは言え,使った時に前後にウロウロされてしまえば,やっぱりイライラします。
そこで,ダメモトで手持ちのロータリーエンコーダに交換してみました。民生品向けの24クリックのもので,1クリックで2パルス出るため,やたらと動きが速くなるのですが,仕方がありません。
クリックありのものを試して見ると,やはり1クリックで2つ進んでしまいますから,これはさすがにダメです。そこでクリック無しのものを使って交換してみました。
ちょっとの回転で動いてしまうので,操作感が大きく損なわれた感じはあるのですが,確実に動く事にはかえられません,
しかし,ロータリーエンコーダは壊れやすく,しかし種類が多くて交換に適したものが毎度毎度手に入らず,困ってしまいます。なんとかならんもんでしょうかね。
でも,これで気になった点の修理はすべて終わった,はずです。
(3)折れた爪の対策
先程,フロントパネル固定用の爪が折れてしまい,再度接着したと書きましたが,なかなか大変でした。
強く接着できるように折れた箇所に接着剤を盛ったのですが,これが邪魔になってフロントパネルがうまく固定できず,削って試して削ってを繰り返して,どうにかしたという,みっともない作戦を繰り広げました。
これでそれなりに固定できたのですが,パネルに力をかけると,また爪が折れてしまうかも知れません。出来れば別の箇所に金属でパネルとシャシーを固定できれば安全です。
そこで,キースイッチ基板を固定するビスで1mm厚のアルミのをL字に曲げたアングルを一緒に締め付け,これをシャシーにネジ留めすることにしました。これが非常にうまくいき,パネルのぐらつきもなくなりましたし,剛性感が出てきて気分もいいです。
ただ,パネルに力がかかるとキースイッチ基板に力がかかりますので,壊れた時の被害が大きいでしょう。注意しないといけないですね。
(4)新しい問題
自己校正を行って(これは後日書きます),ラックに収納していると,娘が様子を見に来てくれました。オシロスコープの修理が終わった話をすると,あれこれと触りたがっています。
テストモードにある,キーとツマミのテスト画面に切り替えて,ボタンがあればとりあえず押す,ツマミがあればとりあえず回す,と言う人間の本能的な欲望を満たさせて上げようとしたところ,やはり根源的な欲求にはあらがえず,吸い込まれるようにボタンとツマミを動かし始めました。
最初は問題なかったのですが,あるとき突然,ボタンが効かなくなったのです。
おかしいなあと,電源を入れ直したところ,どうも見慣れないメッセージがチラチラと。それでも動いているので気にしなかったのですが,やはり時々ボタンがきかなくなることがあります。
起動後設定が初期化されていることもあり,なにやらきな臭いです。
よく見ると,起動直後に「キーが押されて起動された」とメッセージが出ているのに気が付きました。どうもキー周りのトラブルです。
しばらくしてから修理しようと現象の再現を試みますが,なかなか出てきません。出てきたメッセージと同じ物がでるように,あれこれとボタンを押しながら電源を入れてみますが,同じ物は出てきません。
ただ,ボタンを押して起動すると,設定が初期化されるんですね。
しかし,なかなか現象が出ずにいたのですが,もしかするとパネル固定用にアルミのアングルが悪さをしているのかもと思い,分解してみます。大丈夫そうですが,念のためカプトンテープで絶縁して戻したところ,現象が出ました。
アルミのアングルが原因ではないとして,なにが問題かを考えて見たところ,ロータリーエンコーダの交換に思い当たりました。
交換した新しいロータリーエンコーダは,ピンの向きが逆だったので,基板に抵抗の足を取り付け,ここにロータリーエンコーダの足をハンダ付けしています。この抵抗の足をハンダで付ける時,ズルズルとパネル側に落ち込んでしまったのかも知れません。
スイッチ基板を外してみれば,なるほど少し足が飛び出ています。そしてパネル側には,熱で出来たへこみも見つかりました。このパネルは輻射対策で,導電性の塗料が塗られています。テスターで確かめると,ほとんどゼロΩです。
足を短く切って,さらにカプトンテープで絶縁しました。組み立ててからテスターで確認して,ここに問題がないことを確かめてから組み上げます。
動かしてみると,問題なし。もう現象も出ません。これでようやく直ったようです。
とまあ,なかなか一筋縄ではいかないのが,私の修理です。相変わらず鈍くさいなと呆れるのですが,悪くなっては良くなってと,行ったり来たりを繰り返して直っていくのは,楽しみでもあります。
さて,残りの問題は,風量の大きな高速タイプのファンへの交換と,その状態での自己校正を行うことです。自己校正については,一度行ったところCH1とCH2のスキューも補正されることがわかったので,とても期待をしています。
あまりいじりすぎると他が壊れてしまいますし,ほどほどにしておかないと・・・次で最後にしましょう。