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2023年05月01日の記事は以下のとおりです。

multiEVOの新しいアタッチメント

  • 2023/05/01 16:25
  • カテゴリー:散財

 電子工作が好きな私ですが,意外にメカ的な工作に興味があることを最近意識することが増えました。というのも,私は電子工作が好きな人は必ずケースや基板の加工から逃げられないので,自ずと切るとか開けるといった工作のために工具を揃える事が当たり前だと思っていたところ,最近は基板はCADで描いてしまえばあとは発注するだけ,ケースも加工しやすいケースを使えば済む,あるいはケースを使わない場合もあり,ということで,案外こうした加工に対する投資やこだわりがない人がいるんだと思ったことがきっかけでした。

 昔から,アマチュアの電子工作は性能はともかく,見栄えがさっぱりというのが定説で,我々のような旧世代のホビーストはそこをなんとかしようともがいてきました。

 作業が素早く終わるものは仕上がりも綺麗,というのが私が経験から導き出した結論で,つまりパワーツールを使えば早く,かつ綺麗に仕上がるということです。前後にギコギコ挽く手動ののこぎりよりもテーブルソーは圧倒的に楽に綺麗に仕上がりますし,紙やすりで表面を均すときもサンダーを使えば早く綺麗に出来上がります。

 そのパワーツールも近年値段が下がると共に,売っている場所も増えてきたことで,アマチュアには好都合な環境になってきました。ならば積極的にパワーツールを活用したいところです。

 そんなアマチュアの強い味方が,ブラック&デッカーのmultiEVOです。モーターが組み込まれた本体部に先端部のアタッチメントを合体させ,一台で何役もこなせる電動工具がmultiEVOで,私は10年前に初代のモデルを購入しました。

 ちゃんとした充電ドリルが欲しかったことと,実質数千円で新しいパワーツールが手に入るというメリットを存分に味わった10年で,ドリル,ドライバー,空気入れ,サンダー,レシプロソーと,本当に活躍してくれています。

 新しいアタッチメントが出るとmultiEVOはさらに加工範囲を広げることになるわけですが,今回新しく出たアタッチメントに,私は久々に物欲が強く喚起されました。

 「ディテールサンダーヘッド」と呼ばれるものがそれです。EDS183という型名の新しいアタッチメントは,私がベルトサンダーと呼んでいるもので,本来のベルトサンダーはもっと大型なので,ベルトサンダーというのは誤りなのかも知れませんが,昔からこの名前で親しんでいるので,もうこのままいきます。

 multiEVOの購入時に書いた10年前の日誌を読み返すと,この時新しいアタッチメントとして「ベルトサンダー」を希望していると書いてあります。出たら絶対に買うとまで言いきっています。

 そして10年後,本当に出てしまいました。

 実は,ベルトサンダーはすでにプロクソンのものを買っています。硬質のアルミのシャシーやケースに角穴を開ける時は,平ヤスリで削っていくのですが,これが時間がかかって疲れる上に,綺麗に仕上がりません。また,アルミのダイキャストを削る作業も同様で,鉄道模型の電動車にDCCデコーダを組み込むときには,いつも苦労していました。

 ある時,幅9mmのベルトサンダーを使わせてもらったら,ものの数分で綺麗に仕上がったことに驚き,早速購入を決めました。1万円ほどしたのですが,劇的に作業が楽になり,綺麗に加工出来るようになったのですが,やっぱりAC式であることが問題で,あまり使わなくなってしまいました。

 そこへ,長い間切望していた,multiEVOのベルトサンダーの登場です。昨今の価格高騰もあってか,10年前のように5000円未満で買えるような話はないのですが,それでもポイントを差し引くと実質6500円ほどで買えたことになりますので,まあ想定内です。

 取り寄せという事で時間がかかることを覚悟していましたが,案外早く届いたベルトサンダーですが,これまでのアタッチメントでも最も大きなものでしょう。実のところ,multiEVOのメリットは丸鋸にしても空気入れにしても,専用品より一回り小さい事にあり,これが使い勝手の良さにも繋がっていると思うのですが,ベルトサンダーについてはアタッチメントだけで専用品に近い大きさがありますので,これはちょっと残念なところです。

 実際に使ってみると,ベルトサンダーとしての実用性は十分です。パワーも回転数も十分ですし,速度調整が可能なところも,集じん器が繋げるところも好ましいです。パワーについてはプロクソンのものよりも強く安定していますし,発熱も小さいです。

 消耗品であるベルト状のサンダーも汎用品と互換性があるようですし,コードレスでさっと使ってさっと片付けることが出来るのも大きなメリットです。いや,これは本当に便利です。

 平ヤスリはヤスリ加工の基本で,直角を出すこと,水平を出すことが大切ですが,これがなかなか難しいです。案外見落としがちなのはヤスリの品質の良し悪しで,たかがヤスリですがその切れ味は千差万別です。

 よいヤスリに出会った人はヤスリがけが楽しみになりますし,悪いヤスリを使えば疲れるし綺麗に出来ないしで,苦手意識を持ってしまうものです。私はちょっと高価なヤスリを買ったことで作業効率も仕上がりも劇的に改善された経験があるのですが,その平ヤスリの加工がパワーツールで大きく改善されるというのは,本当に助かります。

 その昔,電子工作の本に出ていた作例は,綺麗に加工されたケースと共に写真に映っていました。この当時の電子工作の達人は,同時に金属加工や木工の達人でもあったのでしょう。

 私も,苦手な木工はあきらめるとしても,作品の見た目を左右する金属加工については腕を上げるべく長年練習を重ねてきましたが,金属加工には力がいりますので,子どもには難しいものもありました。工具も危険なものがあり,いなす力がないと大けがをします。

 大人になって金属加工が楽になったのは当然のことと言える理由がここにありますが,最近はそうした金属加工が作品の仕上がりを決定付けることもなくなってきているようなので,パワーツールはもっと大きな工作,それこそ家のリフォームなどを趣味とする人が中心になっているように思います。

 ボール盤や旋盤,フライス盤などの据え付けが必要な大型の加工機の導入はある程度の覚悟が必要になりますが,使わない時は片付けておけるハンドツール,しかもアタッチメントの交換でいろいろな加工に使えるmultiEVOは電子工作メインの人には1つの解であり,電子工作に限らず様々な日常の作業に使える事を考えると,この10年で買った工具のうちで最も満足しているものの1つなんじゃないかと思います。

 

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