LCDモニタも買いました
- 2009/06/15 13:44
- カテゴリー:散財
最近はLCDモニタが安いですね。ここしばらくのうちに引っ越しがあるだろうと思っている私は,8年ほど前に購入したシャープのLCDモニタ&テレビLL-M1500Aをしぶとく使っていました。15インチXGAですが,画質はなかなかよく,TVチューナーもD端子もビデオ入力も搭載し,あげくリモコンまで用意されているという,とてもありがたいモデルでした。当時10万円近くしたんですよ。
私のマシンがノート型に移行するに伴い,このこのモニタは単なるテレビに成り下がっていたのですが,先日のATOM330マシンを地デジマシンに仕立てたことで,LCDモニタ本来のお仕事に返り咲きました。
しかし,15インチのXGAで地デジは,あまりに厳しい。まるでネットブックで見ているようです。非常に不満だった私は,緊急LCDモニタ選定会議を招集しました。
第1回目の結論は,機種選定に適当なものはなし,よって見送りでした。というのは,やはり入力端子と価格のバランスの問題でした。
条件として,(1)アナログRGBがあること (2)コンポーネントもしくはD端子があること (3)スピーカー内蔵 (4)HDCPに対応した端子があること (5)大きさは20インチまで (5)マシン性能がプアなのでフルHDは無理 が挙げられます。コンポーネント端子というのが足を引っ張る条件なのですが,これは今私が使っているDVDレコーダを捨てるわけにはいかないので,必須になります。
しかし,日本独自規格のD端子はもちろんのこと,コンポーネント入力による525iや525pが入るディスプレイはAVモデルを標榜しており,なかなか高価なのです。
今時,20インチ程度のワイドモニタなら,1万円台前半で買えます。解像度が低くて良いなら1万円を切るものもありますが,これらはアナログRGBとDVIがあるくらいで,コンポーネント入力やD端子があると,チューナーまで内蔵して6万円とか,そういう価格になってしまいます。
安いものを探してチューナー3万円というのを見つけましたが,それでも倍の価格ですから,躊躇したのです。
LCDパネルの価格が下がり,素モデルであるLCDモニタの価格が暴落しているのは知っているので,もし本当に買うなら今なのだけど・・・とあきらめきれず,google先生に相談します。
するとさすが先生,面白い情報が出てきました。一部の三菱製LCDモニタには,アナログRGBと兼用で,コンポーネント信号が入力できるようになっているようなのです。その場合,525pは問題なく表示され,525iについても簡易表示が可能という話なのです。
ただし,このコンポーネント入力に関しては説明書にもほとんど説明がなく,市販のケーブルを使ってくれとあるだけです。カタログやWEBにも,AV機能を強化と書いてあるだけで,具体的な話はほとんどありません。
しかし,先生が教えてくれた情報によると,三菱のLCDモニタのうち,RDT192WLM,RDT204WM-S,RDT223WM,RDT223WM-S,RDT241Wの5機種については,コンポーネント信号の入力が可能ということです。
本当かどうかはわかりませんが,一応考慮すべきでしょう。
一方,私はモニタについては三菱のファンで,それはトリニトロンブラウン管の特許が切れた直後に類似の構造と性能をもつ,ダイヤモンドトロンを商品化した90年代前半からでした。
高い性能に不相応な低価格でコストパフォーマンスは非常に高く,真面目なものづくりから,働いているエンジニアのきまじめさが目に浮かぶようですが,一方でこれで儲かるのかよ,と思うと気の毒な気持ちになる事が多い三菱製品。そういうバイアスもあってか,私もモニタを選ぶときはまず三菱から選ぶようにしています。
弟が買ったモニタも三菱でしたが,満足度は高いと言っていましたし,お金にうるさい古い友人も結局三菱にしたといっていました。彼らのようなうるさがたが三菱で満足なら,私ごときに不満の出るはずがないでしょう。
かくして,20インチ程度のモニタとしてRDT192WLM,RDT204WM-Sの2機種を考えてみます。RDT192WLMは最安値で14000円となかなか安いのですが,1366x768と今使っているモニタに対し,横幅が広がっただけになっています。これは少々つまりません。
それではとRDT204WM-Sを見てみると,こちらは1650x1050とかなり広いです。先日組み立てたマシンは,最新のBIOSにすることでこの解像度に対応することは分かっていますので,接続性も問題なし。価格はわずかに2万円を切るという感じです。
6000円の差をどう考えるかですが,PS3を繋ぐことも考えると,やはり解像度は高い方がいいです。ピッチもRDT192WLMが0.3mmに対しRDT204WM-Sは0.258mmとよい細かさです。(私の好みの問題です)
安いお店を探してみると,昔良い対応をしてくれたお店が引っかかりました。迷わずここにお願いすることにします。木曜日夜の注文で,土曜日の午後に届けてくれました。
私は開封して気が付いたのですが,この機種はHDMIが搭載されていたんですね。DVI-DをHDMIにするケーブルを別に買わないといけないなと思っていたのですが,これはちょっとうれしい誤算でした。
さて,古いモニタを処分して,新しいモニタをセッティングします。
このモニタ,基本性能は素晴らしいのですが,かなりコストダウンをしています。重量のある大型モニタは筐体をしっかり作ったり,アームに金属を使ったりと,なにかとお金のかかるものなのですが,このモニタは6kgと軽く,アームと言うよりスタンドは全部プラスチックです。高さを調整する仕組みは,2cm程のブロックを積み重ねる方式で,一緒に見ていた友人は「レゴみたい」と大受けです。でも,これはかなり合理的な方法です。私はこの仕組みが大変気に入りました。
画質の調整などは,ほとんどいじっていません。そのままでもう十分だと思います。ただし,バックライトが明るすぎるので,一番暗くしてあります。それでも明るくて困ったものです。
それ以上に困ったのが音質の悪さです。ICレコーダの内蔵スピーカよりも悪いんじゃないか,もしかすると電話並みじゃないかと思うほど音が悪く,これはちょっと使えません。外付けのスピーカが必要になるのですが,どうせスピーカを付けるならもう少し使えるものが欲しかったし,この程度のものなら潔く付けないでいてくれた方が良かったように思います。
心配していたコンポーネント入力については,あっさり解決。というのも,数年前に購入したプロジェクタ用に,コンポーネント入力ケーブルを自作していて,どうやらこのケーブルがそのまま使えそうだったことが分かっていたのです。DVDレコーダに繋いでみると,あっさりと表示が出ます。どういうわけか,525iでも525pでも問題なく映ります。
こうなってくると,次の問題は入力の切り替えです。このモニタはアナログRGB,DVI-D,HDMIの3つがあり,切り替えが可能なのですが,アナログRGBとコンポーネント入力は共用です。市販のRGB切り替え器は,全線切り替えならいいですが,そうでない電子式の切り替え器などはコンポーネント入力に対応しませんので使えません。
1650x1050ドットの高周波信号を劣化せずに伝送するのは切り替え器を挟むと難しいでしょうから,面倒でも手でつなぎ替えることにします。そのうちDVDレコーダも使用頻度が落ちることでしょうし。
HDMIはPS3につないで見ますが,ちゃんと1080pが受けられています。これでBDも楽しく見れることでしょう。
グレアパネルには賛否両論があるでしょうが,今回の用途と,私が元々グレア派であることから,歓迎すべきポイントです。しっかりしたARコート施し,光源の位置を調整すれば,ノングレアにする必要などない,というのが私の持論です。
ということで,本格的にモニタを運用してみて,2万円は安いよなあとつくづく思いました。私は画質にこだわりもないし,このマシンでは写真の編集もしないので,そんなに高価なモニタは必要としていません。必要以上に十分な基本性能を持ち,HDMIまで持っていて,しかも消耗品を除いて3年補償という品質にを維持するこのモニタに,私は大満足でした。
20インチ目一杯に広がった地デジの映像は,フルHDには足りない画素数ですがもう十分で,個人用のテレビとしてはもうなにも文句はありません。
都合,7万円ちょっとで20インチの地デジ+1TBのHDDレコーダ(Wチューナ)が揃ったことになるわけですが,同じシステムなら家電量販店で10万円くらいで買えるのかも知れません。でも,自由度の高さはこの組み合わせでしか手に入らないものです。
気になっていた消費電力ですが,モニタがエコモード使用で22W,本体が約50Wですので,70Wちょっとでしょうか。最近のテレビは100Wを簡単に越えるので,録画システムまでいれてこの程度の電力なら,気にせず使えるレベルではないでしょうか。
とはいえそこはさすがにATOM330ですから,コマ落ちも時々起こりますし,エンコードまでやらせようとするのは難しいです。あくまで録画用と割り切る必要がありますが,折から家電とPCの境界がなくなりつつあることと,ATOMという低消費電力プロセッサの登場とにより,家電とPCを区別しない時代の可能性を感じました。