地デジアンテナブースタの効き目
- 2009/06/16 12:11
- カテゴリー:散財
地デジ導入にあたり,テレビ神奈川が安定して受信できていないことは,先日もここに書きました。そしてアンテナブースタを使ってみようという話になっていたのですが,この前の土曜日に手元に届きましたので,試して見ました。
実は私もエンジニアの端くれですので,アンテナブースタなんてのは「初歩のラジオ」に製作記事が出てくるくらいの簡単なもので,中学生の教材だとなめてかかっておりました。
その実,今まで何度か作ってみましたが一度として満足行く結果が得られたことはなく,ブースタを間に入れない方が受信感度が高いとか,ブースタに使ったICがなにやら熱くて指をやけどしたとか,まるでドジっ娘さながらの鈍くささです。
しかし,ブースタも買えば何千円も何万円もする代物です。結局最終的に綺麗に受信できるようになればよいわけですから,数百円で自作出来ればそれが一番良いわけです。
そう考えて取り組んでも一度としてうまくいかない私は,すっかり高周波に苦手意識を持つようになりました。世の中頑張ってもどうにもならないことというのがあるものです。
そんなわけで,テレビ神奈川が安定して受信できるように,都合3種類のブースタを作ってみたのですが,いずれも失敗。こんなにうまくいかないものかと,原因を探る気にもなりません。
もうあきらめて,ちゃんとしたものを買おう,メーカーの軍門に下った私は,googole先生と相談の上,1つの機種に行き着きました。
YAGIのアンテナブースタでDPW02という機種です。ゲインは2倍,アンテナ直下に取り付けることも可能な防水仕様で,電源部は室内におけるように分離されています。価格は約4200円ですが,安い割にはなかなか評判もいいようです。
私の場合,集合住宅ですので,共聴システムの一部としてアンテナブースタは入っているはずです。しかし,建て屋全体でそこにぶら下がる機器が多かったりするとレベルは下がります。こういう場合,室内に個別のブースタを用意すると改善するそうで,実はアンテナブースタのメーカーもそういう使い方で効果が出るように,作るんだそうです。
これが一戸建てで,アンテナからのレベルが元々低いものを室内に用意したブースタでパワーアップしようとしても,元々小さい信号ですから大きくするにも限界があるんだそうで(どうも私にはこのあたりがピンと来ません),一戸建てではアンテナ直下が原則になるようです。
まあそんな,ピンと来ない話だらけの高周波には苦手意識というか海千山千の怪しさを感じる私ですが,だまされたと思って届いたブースタを使ってみますと,これがまた見事に改善されるんですね。
あくまで参考値ですが,私の環境で,テレビ神奈川の受信レベルがブースタなしで約17dB,これがブースタを入れると23dBとなり,ちゃんと6dB(2倍)アップしているんです。
いや,これだけ数字がぴたりと合えば気持ちがいいです,私の場合,この値が20dBを越えるくらいだとドロップもなく安定受信できるので,変動しても20dBを切らないように出来たこの状況は非常にありがたいと言えます。
思えば私の場合,テレビ神奈川は受信できたり出来なかったりという当落線上にありましたから,ブースタで少しかさ上げすれば救える状況だったといえるかも知れません。だからこそブースタを導入することで,安定受信できた,という結論が得られたのでしょう。
問題がないわけではありません。何せ電源が必要な装置がアンテナ線の真ん中に入り込んでいるわけですから,停電があったり故障があると,電波が完全に遮断されてしまい,全く受信できなくなってしまいます。ブースタなしだとテレビ神奈川以外はきちんと受信できているわけですから,これはハイリスクハイリターン,といえなくもありません。(おおげさです)
ですので,このアンテナブースタの電源部も,UPSから電源を取ることにしました。これで停電も雷もばっちりです。
今回は,さすがにメーカーの底力をみました。ちょっとハンダ付けが出来るくらいのエンジニアが暇つぶしにちょこっと作る程度の工作で出来る事なら,4000円や5000円くらいで市販されるはずもありませんわね。
地デジに特化してあることで,帯域を狭めて効果を高めることが出来るとか,新しい素子を使っているとか,この時代ゆえの事情もあるでしょうが,このくらいのお金で問題が解決すれば安いものです。
集合住宅で,出力の小さな地方局の受信が出来たり出来なかったりという方は,このアンテナブースタを使うと,保証はしませんが,幸せになれるかも知れません。