一線を越えてしまいました
- 2006/11/23 20:37
- カテゴリー:散財
カメラに本格的に入れ込む人が,必ず踏む地雷,それがカビです。
私も,これまでに何度かカビをレンズに生やしたことがあります。住んでいる場所や家の構造,1階か2階かによってもカビの生えやすさは違うのですが,私が今住んでいるところは元々湿地だったようで,しかも木造アパートの1階ですから,条件としては最悪。実際,住み始めた年の梅雨時には,本当に大変なことになりました。
その後,除湿機を買ったりして対策を進めた結果,住むには問題のないレベルになったとは思うのですが,相変わらずレンズのカビには冷や冷やしています。
で,やってしまったわけですよ,また。今度はPlanar50mm/F1.4ZF。
そのころ,NikonFEの修理の真っ最中で,50mm/F1.4のレンズを調整によく使っていたのです。それで他のニッコールレンズと一緒に,防湿ケースからしばらく出してあったのです。2週間ほど出してあったのですが,ニッコールにはカビなど生えていません。
しかし,哀れツァイスの名玉には,1mm程度の円形の模様が・・・認めたくはないですが,やはりカビ。
防湿パッキンでも十分と思っていた私ですが,やはり乾燥剤を定期的に交換しないといけなかったりして面倒な上に,傷が付かないようにしまい込むのも難しく,限界を感じていたところでした。
こんな時いつも頭をよぎるのは,ちゃんとした防湿庫を買うことです。
しかし,多くの先人達が述懐するように,あれはある意味で一線を越えたもの,なのです。
防湿庫を買う->空いたスペースを埋めたくなる->またレンズを買う->防湿庫が一杯になる->防湿庫を買い足す->空いたスペースを埋めたくなる->(以下繰り返し)
という恐ろしいループに陥る危険性が極めて高いのです。
この誘惑に打ち勝てても,そもそもカメラをかびさせない為に防湿庫を買うなんていうのは,普通の人にとっては考えられない事でもあるし,買った人はそれなりのマニアだということになります。つまり,防湿庫を買った人は,もう他人に「私はマニアじゃありませんよ」という顔が出来なくなってしまうのです。
私はこの一線を越えないように,今まで踏ん張ってきました。しかし,たかだか2万円そこそこの防湿庫で,5万円も10万円もするレンズを守ることが出来るなら,実はとてもいいお金の使い方なのかも知れません。
私の場合,お金と言うより,時間と手間をかけて修理したカメラとレンズが多数あります。これを守りたいという気持ちもあり,思い切って購入検討をしてみることにしました。
結果,毎度おなじみの阿部先生で有名な東洋リビングの「ED-50SS」というのを買いました。お値段は24000円弱だったと思います。
届いてから空の状態で通電して1日ほどたつと,湿度は40%位になって,それをずっと保っています。なかなか頼もしいです。今日になってようやく置き場所を決定し,中にカメラとレンズを入れてみました。
残念ながらオリンパスのE-20と専用コンバージョンレンズを収めることが出来ませんでしたが,後はなんとか入りました。
これからの季節は湿気に悩まされることはありませんが,それでも鍋料理などをすれば湿度は上がります。そうした環境の変化に左右されず,一定の湿度を維持できるというのは,気分的にも随分と楽です。
これを買ってカビを完全に防げるわけではありませんので,この商品の善し悪しを云々するのは難しいですが,そもそもこうした光学製品をきちんと収納できる場所を確保できたことは,よかったのではないかと思います。