絞りリングのないレンズを買う(64GBのCFカードも買う)
- 2012/07/04 17:34
- カテゴリー:散財
D800が私の手もとにやってきましたが,毎日あまり触ることがなく数日が経過しています。そろそろ外観も見慣れてきましたし,シャッターの音や重量の感覚にも慣れてきましたが,どうもしっくりこないのが,シャッターボタンのストロークの深さと,AFの癖です。
AFの癖は私が慣れていくしかないのですが,シャッターボタンのストロークの深さは,「あれ,こわれたかな」と,なかなか走らないシャッターに不安を感じることが何度もあったくらいなので,悩むところです。
それはそれとして,私の場合は必要と思われるものはさっさと揃えてしまいます。もちろん必要かどうか悩むものまであわてて買うことはしませんが,悩まないものについてはいずれ買うわけですし,さっさと買って幸せになるべきと本体購入予算に入れるようにしています。
昨日のバッテリーグリップMB-D12もそうですが,大容量のCFカードと,レンズを手配したところ,昨日の夜には揃いました。
・CFカード
D800のようなカメラに見合うものは,なんといってもSanDiskの600倍速でしょう。64GBで3万円ということで,高いとは言え随分安くなったものです。
プロ・アマを問わず,メモリカードをけちるとろくな事がないのですが,そうはいっても3万円ですので,私の場合上海問屋が取り扱っている,WINTECという全然聞いたことがないメーカーの600倍速を買うことにしました。64GBですが,期間限定でなんと8999円。安い。
プロ用と景気のいいことをいってますが,この600倍速にはちょっと誇大なところがあって,リードは600倍速なんですが,ライトは300倍速です。概して一眼レフというのは書き込み速度が高いと使い勝手が上がりますので,このカードは600倍速ではなく,300倍速と考えて使うべきかと思います。ま,それでも9000円は安いと思います。
速度よりも信頼性が気になります。遅いメモリカードというのは一般論として信頼性も高いものではありません。リードとライトの速度がこれだけ違うというメモリカードを,どう考えて良いやら私も分からなかったのですが,まあ9000円ですからね,外したところでそんなに痛い目に遭わないだろうと,そんなくらいの気分です。
昨夜届いたので試して見ると,別に普通に使えます。フォーマットも問題なし,撮影も問題なし。リードは確かに高速です。ライトは少し遅いなと思うレベルですが,別に奇なる程ではありません。
信頼性はまだ分かりませんが,これで信頼性にも問題がなければ,随分安い買い物が出来たなあと思います。
・AF-S 50mm F1.8G
D2Hの時代には,AiAF50mm/F1.8を使っていましたが,これが安いし小さいし,そのくせ良く写るというので,常用レンズでした。これがGレンズ(絞りリングがない)化するにあたり,さらに高性能になって評判も上々という事で,せっかくのフルサイズですから,新しいレンズを常用しようという事で,買い換えることにしました。
この,50mm/F1.8クラスの標準レンズというのは,何十年も前から安いし良く写る定番なのですが,最近高額化しているニコンの純正レンズにおいて,実売2万円というありがたいプライスを維持しています。
Gレンズになると絞りリングがなくなりますので,マニュアルフォーカスのボディ,例えばF3には取り付けられませんが,それはPlanar50mm/F1.4に任せるとして,デジタル一眼で気楽に使える標準レンズとしては,こちらに任せることにしたわけです。
たまっていたポイントをヨドバシで使って,1万円くらいで買いました。デザインはかなり気に入りません。せっかくの50mm,せっかくの大口径レンズなのに,ガラスが小さく見えるほど鏡筒が無駄に大きく,しかもとってもプラスチッキーで,コツコツと軽い音がします。D800に取り付けると,なんか大げさすぎて不細工だなあと。
超音波モーター内蔵という事で,スムーズな動きは期待通りでしたが決して高速ではなく,このあたりは価格相応ということで,過度な期待は禁物です。それに,どういうわけだか結構AFが迷いますよ。
肝心の写りは,まだよく分かりません。ですが,評判通りF1.4のレンズに比べてシャープですし,以前のAiAF50mmよりも好ましいと感じます。
とりあえず,常用レンズとして活躍することになると思います。癖を早く掴まねば。
・TAMRON SP28-75F2.8 A09NII
正式な名前は面倒なので,識別可能な最低限の長さで省略しましたが,安くて良く写る,プアマンズF2.8通しズームで有名な,タムロンの標準ズームです。
先日,A007という24-70の手ぶれ補正付きが出たことで,標準ズームはこちらに切り替わっていくと思われ,この28-75は設計も古いので収束方向に向かうと思いますが,おそらく歴史に名を残すレンズになると思われるくらい,良く出来たレンズです。
小さく,軽く,通しF2.8,解像度も十分で,かつボケも綺麗,なんといっても実売価格が3万円を切るというバーゲンプライス。これは買っておかないと損です。
ということで,先日世話になったばかりのフジヤカメラに聞いてみると,28800円で在庫あり。昨夜会社の帰りに買って帰りました。
蛇足ですが,せっかくフジヤカメラにいくのですから,防湿庫の肥やしを減らして,ゴミを減らそうと考えました。Kマウントの200mm/F4とか,Takumarの50mmF1.4とか,今回買った2本のレンズで代用が可能なAiAF28mm/F2.8とAiAF50mm/F1.8の2つなど,一気に処分しました。
程度も悪いレンズばかりで,ゴミ処理の気持ちで軽く1万円程度と見積もっていたところ,26000円にもなりました。
ということで,今回の28800円のレンズとの差額で,わずか3000円ほど支払って帰ってきました。
早速取り出してみますが,小さく扱いやすさに長けており,しかしながらずっしりとしたガラスの重みを感じて,大変に好印象です。安いなりの外観だという人もいますが,私は良く出来ているなと思います。
D800に取り付けて見ると,これもなかなか好ましい外観です。鏡筒のコンパクトさに比べて大きな前玉がとても格好良いですね。
AFモーター内蔵ということで,そんなに速度を期待していませんでしたが,想像以上の動作で,なかなかキビキビしています。悪くはありません。
絞り開放でもそんなに解像感は落ちませんし,逆に言うと絞ったところでそんなに劇的に改善しません。私としては広角域より,望遠域の方が好みです。そしてさすがにF2.8。ズームレンズでこれだけぼけるというのは,なかなか感動的な体験ですね。
そのボケもうるさくなく,なかなか綺麗です。
普通に考えると,D800には全然そぐわないレンズということになりそうですが,腐ってもF2.8ですしね,広角側も28mm止まりで欲張っていませんから,そんなに悪くはないと思うのです。純正がいいのは百も承知でいえば,F2.8のナノクリを買うために20万円を用意出来るかどうかの話もあるし,もっと安価な,例えば24-85などは暗いレンズですので,純正であることと引き替えに基本スペックがワンランク落ちてしまいます。果たしてそれでよいのかどうか。
このレンズ,個体差が大きく,保証期間内にTAMRONに調整に出す事を前提に買うとお買い得,などという意見もでるくらいなのですが,昨日ざっと見たところ,私のものは許容範囲内にあると感じました。なんだかF2.8ズームを初めて手にした感じというのは,こんなにうれしいものだったのですね。そりゃー高価でも売れるわ。
ということで,D800を導入するにあたって必要と思われるものは,一通り揃いました。あとはしばらく使いこなすことに専念すべきですね。結局,フジヤカメラに下取りで9万円ほど買い取ってもらいましたので,その分でレンズやCFカード,グリップなどを買ったと思えば,全部で25万円程度に収まっているのではないでしょうか。
フジヤカメラというところは,決して安値で競う店ではありません。下取り価格も,いわゆる最大値は高くありません。その代わり,下取り価格の減額の条件がゆるくて,どんなものでもそれなりの値段で買い取ってもらえます。
これは,実質的な値引きと同じです。今回の下取りも,別のお店に持ち込めば,この半分くらいにしかならなかったんではないかと思います。そう考えると,やっぱり値引きですよね。
フジヤカメラくらいの店になると,中古の回転も速いですし,売れにくいものでも売れてくれます。中古の商売で一番怖いのは,なんといっても商品を切らしてしまうことです。発注をかけて決まった数が決まった日に入ってくるのではないだけに,買い取りが中古の商売の成否を決するわけです。
だから,良い条件で中古を集めますが,極端に良い条件だと売値が上がったり,利益が少なくなったりします。中古の商売の難しいところですが,同時に面白いところでもあります。
売るものが手もとにあれば,フジヤカメラは「安いお店」です。私の場合,稼働率がゼロに近く,防湿庫をふさいでいることの方が問題になっていたので,思い切って捨ててしまおうかと思っていたくらいですから,これがトータルで9万円になるというのですから,やっぱり大サービスです。
東京には,こういう個性的なお店もあります。なんだかんだで東京なのかも,知れません。