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2024年10月の記事は以下のとおりです。

ボスフリーの11-28Tを試す

 先日,子供用のママチャリを大人用にするプロジェクトであちこち検索していたところ,ボスフリーのスプロケットを交換するページがひっかかりました。

 ただ交換だけの話なら目にとまることもなかったのですが,ハイギアード化するものだったから話は変わってきます。

 ボスフリーのスプロケットでギア比を変えるのはどの人も頭を抱えているようで,現在は6速も7速もシマノのものは14-28。かつては13Tというのもあったそうですがすでに絶版で,プレミア価格で取引されていると言うから根強い需要があるんだろうと思います。

 この問題は私もぶち当たっていて,COM70Mでは結局14-28の7速のままとし,フロントをハイギアード化して解決したのでした。

 乗ってみると一番重い状態でもまだ余裕がありますし,もっと速度が欲しいです。そうなるとスプロケットをハイギアードするしかないのですが,それはそれで部品がありません。なので諦めておりました。

 ところが,そのページには11-28というスプロケットに交換する話がでていました。amazonで買えるシマノのものではない,ボスフリーのスプロケットです。

 まず,シマノではないことが問題で,小気味いい変速はやっぱりシマノでなくてはと思っていたので,最初からシマノ意外の選択肢は捨てていました。この11-28もメーカー名は書かれていません。あやしい。

 しかし,そのページによると,台湾大手のDNP製ということで品質に問題なしとあります。値段も3000円ほどですので,ダメモトで試してみるのもいいかと注文しました。

 届いてみると,DNPの刻印はあるものの中国製。偽物なのか本当にDNPの中国製なのかわかりませんが,とりあえず悪い作りではなさそうです。早速交換です。COM70Mの後輪を外し(ああなんと楽なことか),専用工具で元のMF-TZ510-7を外します。

 念のため新しいギアと高さを比べてみると,同じみたいです。特に再調整もなく使えるんじゃないでしょうか。

 その新しいスプロケットを取り付けますが,心配していた工具が短すぎて使えないと言う話も杞憂で,問題なく締め付け出来ました。

 後輪を取り付けて変速を試してみますが全然ダメです。トップまで入りませんし,途中で2段まとめて変速する始末です。リアディレイラーのリミットを再調整,ディレイラーワイヤのテンションを再調整してなんとか変速できるようにしたものの,フロントディレイラーへのチェーンの接触がなかなか改善しません。

 あまりこだわっても仕方がないので適当なところで手を打って,試走に出かけます。

 11-28という範囲を7速で刻みますので,これまでのトップギアである14Tは6速になります。7速は未体験ゾーンです。

 7速にするとさすが11T。重いです。重いですが,一漕ぎで進む距離が段違いで,平坦な道ではらくらく30km/hを越えます。これまで25km程度だったことを考えると,これは本当にいいです。

 ちなみに,これまでの7速は,

14 - 16 - 18 - 20 - 22 - 24 - 28T

 これが新しいスプロケットでは,

11 - 13 - 15 - 18 - 21 - 24 - 28T

 てな感じになります。従来の7速は中間で差が少なかったのですが,新しい物は7速にする価値もあるくらい,それぞれのギア比が違っているので,いい感じです。

 結局最大のギア比は,これまでの48:14=3.429から,48:11=4.364までアップしました。

 すべての組み合わせのギア比を計算すると,

   28  24  21  18  15  13  11
48 1.714 2.000 2.286 2.667 3.200 3.692 4.364
38 1.357 1.583 1.810 2.111 2.533 2.923 3.455
28 1.000 1.167 1.333 1.556 1.867 2.154 2.545

 ということで,フロントをミッド中心に使うとすると,フロントローでリア1,2からフロントをミッドにし,リアを1,2,3,4,5,6まで使って,そこから先はフロントをハイにリアを5,6,7にするとギア比が重複せずに変速できそうです。

 更に快適になったCOM70Mですが,あとは耐久性です。すぐに壊れたという話も耳に
しますし,貴重なボスフリーのスプロケットですから,出来るだけ無理をしないように,大事に乗りたいところです。

 

子供用ママチャリを大人用に改造する(4) 小物を取り付けて完成

 子供用のママチャリを大人用にするプロジェクト,今回が最終回です。細々とした取付などです。

 最初にテールランプから。元はステーに取り付けた反射板ですが,これをLED付きで太陽電池のものにします。ママチャリですので泥よけに泥よけに取り付けてもいいのですが,泥よけに穴を開けるのも面倒だったのでこのままステー取り付けのものを探して交換しました。

 次に鍵。鍵はゴリンのリアステー取り付けタイプでしたが,これをパナソニックのものにします。わざわざ変えるのはゴリンのものが動きが渋い上に,鍵をかけるときのツマミが小さくてつまみにくく,さらに鍵が刺さりにくいということで,とにかく使いにくいことに尽きたからです。

 パナソニックに変えたところで根本的には変わりませんが,ディンプルキーでどの向きにも刺さるのは大きなメリットですし,ツマミも大きいので幾分ましです。

 最後に,速度計です。私が最初に買ったCATS EYEのVELO5という安物でキズだらけなのですが,ないより増しという事で取り付けて見ました。

 実はちゃんと動かなかったのですが,本体を取り付ける台座の電極の接触不良だったのえ修理しました。このVELO5,700cの設定がないので使い道が限られるのですが,24インチの設定はあるので今回の用途にはぴったりです。

 それから,英式バルブを米式の変換するバルブが余っているのに取り付けました。ママチャリですので英式ですが,英式は空気圧が確認出来ないという致命的な問題があります。それに米式が基本の空気入れを使うのに,いちいちアダプタを使うのは面倒で仕方がありません。

 もともとBikke2eに取り付けていたバルブですが,パンクを機にチューブごと米式に交換したので,この部品が余っていました。これを使って今後は3.5barで管理しましょう。

 ところが,一晩経ってみると後輪の空気がすっかり抜けていました。さすがに10年も前のものだとダメかもしれないなあと思いましたが,分解して見るとバルブのシールが少し傷んでいたようなので,虫ゴムを切ったもので代用品を作り,交換してみました。これで数日間空気が抜けていないか様子を見ます。

 そして最後に,ベルです。購入時についていたベルで,大昔のママチャリのベルをプラスチックで作り直したようなもので,とてもチャチです。

 しかし,デザインがかわいらしく,実のところこの自転車にぴったりだと個人的に思っています。ただ,あまりに作りが悪く,ちょうど指のあたる部分にバリがあって,娘はここに指を擦り付けて怪我をしました。

 以来このベルを外していたのですが,今回の作業の締めくくりにバリを綺麗に取った上で取り付けてみることにしました。

 今どき自転車のベルなど使う事がないと思うのですが,一応付けておくのが決まりだと思いますし,これがあるとなんとなく「揃った」感じがします。

 これで完成です。試しに嫁さんに乗ってもらって,改めてサドルの高さとレバーの角度を調整,ハンドルの高さ,ブレーキの利き具合,変速の具合などを確かめてもらいました。

 ブレーキが甘い(特に前輪)という指摘があり,後輪はブレーキワイヤのテンションを上げてみましたが,前輪はちょうどいいくらいに調整されています。これで効かないというのはおかしいなあと,自分で乗ってみたのですが,これがびっくりするほどブレーキが効きません。

 握力が私より弱い嫁さんや娘にとって,これはもはや危険なレベルです。とりあえずブレーキシューを交換するしないないとBikke2eで使っているものと同じものを手配しました。

 入手後交換したのですが,元のブレキーシューはカチカチです。こんなに早くに劣化するというのはちょっと意外で,すり減った様子もありませんし,これはもしかするとステンレスリムのブレーキシューかも知れません。

 だとすると,娘はこんな危険なもので練習をしていたわけで,よくぞ無事でいてくれたものだとゾッとしました。

 随分乗りやすくなったということと,軽くて取り回しが楽だという事で,なかなか好感触な様子です。とはいえ,走っている様子を見ていると乗車姿勢が不自然で,いかにも子どもの自転車に無理に乗っている感じが拭えません。これでは疲れるんじゃないかと思います。

 お尻の位置が低く,膝が上がりすぎているように思うのですが,かといってサドルを上げるとつま先がつかなくなります。結局のところ,座面とペダルの位置が短いのでしょう。これはフレームの問題なのでどうにもなりません。

 うーん,子供用の自転車を大人用にするには,こういうところにも注意しないといけないんですね。難しいものです。

 
 こういう姿勢の問題で疲れる上に,電動アシスト自転車に楽ちんさでかなうはずもなく,どういう使い分けをするのかは嫁さん次第です。電動アシスト自転車は重いので取り回しが大変で,押して歩くときは想像以上の重労働です。そういう場合にはこの小さく軽い自転車が向いてるかもしれません。

 合計金額は計算していませんが,それなりにかかってしまった今回の改造。見た目も大人用になり,小柄の女性用になら十分使える物に仕上がりました。7速というのはなにげにオリジナリティがあり,見た目のかわいらしさと実用性をきちんと両立出来たんではないかと思います。

 とはいえ,そもそも娘は公道で自転車を乗ったことがありませんし,嫁さんにはBikke2eがあります。私はそもそもサイズ的に乗れませんから,この自転車,誰も乗らないまま朽ちるんじゃないかなあと,そんな風に思います。

 今回を総括してみると,ママチャリのメンテ性の悪さに閉口し,部品の交換や調整で根本的な問題は解決せず,作業のまずさであちこち傷だらけにしてしまいましたし,出来上がった物も今ひとつだったということで,40点くらいでしょうか。

 達成感が今ひとつなのは成果が出ていないからなんですが,いわゆるママチャリの仕組みも理解出来ましたし,勉強にはなったと思います。

子供用ママチャリを大人用に改造する(3) 簡単ではなかった7速化

 今回は駆動系の話です。

 最高と最低のギア比が変わらないことから変速については6速のまま変えるつもりがなかったのですが,入手可能なサムシフターが7速用しかなかったことから,仕方がなくスプロケットを交換して7速にすることにしたという顛末は書きました。

 ボスフリーですし,もともとシマノの6速のスプロケットがついていますので,これを同じシリーズの7速のスプロケットにすれば楽勝だと思っていたのですが,これが甘かった。

 まず後輪を外します。ママチャリは車軸にステーやら泥よけやらスタンドやらディレイラーやらディレイラーガードが共締めされているので,とにかく外すのが面倒です。さらにいうと取付はもっと大変です。

 スタンドと一緒に後輪が外れるというのがとにかく大変で,後輪を引っ張って外そうとすると左右に倒れる力がかかって,前後左右に力を維持しないといけなくなります。その上スタンドはグラグラと暴れるわ,まるでママチャリと相撲を取っているような感じです。

 今回はチェーンも切っていませんのでチェーンも外してくぐらせながらの作業ですから,さらに大変でした。

 ようやく外れた後輪,スプロケットを外して(これは簡単でした),ついでにハブのグリスを充填します。ほぼ新品ですのでしなくていいかなと思っていたのですが,次行うのはいつになるかと考えたら,一応グリスの充填はやっておく気になりました。

 確認したところ全く問題なし。ですがせっかく分解したので,グリスを充填しておきました。

 続けて7速の新しいスプロケットをねじ込んで完成です。出来上がった後輪をフレームに取り付けますが,先程書いたように外すときよりも苦労してなんとか取り付けました。あちこち傷だらけになってます・・・泥よけとか。

 さっとディレイラーの調整を済ませて,軽快に変速を行うことを確認していたのですが,7速(一番重いところ)にするとなにやらゴリゴリとあたっている音がします。何があたっているのかなあとよく見てみると,一番外側のギアが6速よりも7速の方がより外側にあるために,チェーンがフレームの一部に触って音を出していました。

 さすがにこれを放置できないので対策を考えるのですが,1つは7速を使わず6速までをとすることです。でもこれだと単純にこれまで使えていた14Tが使えなくなる上に,段数も6速のままとただの改悪です。

 そこで車軸にワッシャを入れて,フレームを広げてチェーンが触らないようにします。あいにく穴径10mmのワッシャなど手持ちがありませんので,買いに行くしかありません。

 ここで最近知った,近所のホームセンターです。いや,昔からあったのですが,私の住んでいるところから遠いところと思い込んでいたので,行ったことがなかったのです。調べてみると自転車で10分もかかりません。

 散歩がてらに仕上げた自分の自転車に乗ってホームセンターに向かいました。大阪の実家では近所にコーナンがあり,ここは中学背の頃から大阪を離れるまで,休みごとに通うほど親しんだホームセンターです。

 そのコーナンがこんな近所にあるとは。

 30年ぶりのコーナンです。まさにパラダイス。あっという間に1時間を過ごしてしまい,幸せな気分でワッシャ(とその他)を買って帰りました。

 帰宅後,ワッシャを2枚重ねてフレームを2mm広げたところ,チェーンが擦るのがなくなりました。一応これで解決したのですが,他の方はどうしているんだろうと気になったので調べてみると,私と同じようにワッシャを挟んでいる方もいるし,フレームの内側のボルトの厚みを2mmほど厚い物に変えた人もいました。

 結局フレームを広げて対応していることには変わらず,これで正解と考えて良いようです。

 しかし,当然ながらタイヤはフレームのセンターからずれるわけで,これが気にならないと言えばウソになります。とはいえセンターの調整をするのも面倒ですし,実害は出ないと思うのでこのままとします。


 この作業と並行して行ったのが,クランクの交換です。ママチャリですので,右のクランクとチェーンリングは一体になっているものですから,同時にチェーンリングも交換になります。

 クランク長が152mmと子供用だったことが問題で,これを165mmの大人用にするのが目的です。幸い素の自転車についていたものと同じようなチェーンガード付きのクランクセットが見つかったので,これに交換するだけです。

 コッタレスクランク抜きの出番です。新しい自転車だけになんの問題もなく左右のクランクが抜けたので,新しいクランクを取り付けます。

 チェーンリングの歯数はこれまでと同じで32T。単純にクランク長だけが変わったわけですが,ここも欲を言えば35Tとか38Tといった,少し端数の多いものが手に入れば快適になったのになと思います。

 ところでクランク長が13mmも長くなったので,コーナーでペダルが地面に擦ってしまう可能性が心配でした。ペダルクリアランスというそうですが,これが短いと地面に擦ってしまうので危険です。

 新しいペダルも届いたので取り付けて調べてみたところ,十分なクリアランスがあったのでとりあえずこれで進めます。

 ところで,これまでの6速のギアは,以下の様になっています。

14 - 16 - 18 - 21 - 24 - 28T

 これが,今回の7速だとこうなります。

14 - 16 - 18 - 20 - 22 - 24 - 28T

 これなら6速でも全然大丈夫だったかなあと思います。


 ここまでで一応駆動系も完了です。ペダルは安物でしたが一度分解してグリスを再充填して調整したので,滑らかに回ります。これなら大丈夫でしょう。

 最後に細かい作業をすれば乗る事が出来るようになるはずです。

子供用ママチャリを大人用に改造する(2) サドルとハンドル

 子供用24インチを大人用に改造プロジェクト,一発目はサドルとハンドルです。

 サドルはシートポストを300mmのものにすると共に,サドルも一緒に交換しなければなりませんでした。届いた部品をさっと組み立ててシートポストにグリスを塗って,フレームに取り付けてみます。

 やや上向きになっていたのでこれを戻し,適切な高さになることを確認して終了。これは簡単でした。

 問題はハンドルの高さです。今の物は220mmという普通のハンドルステムでしたが,子供用という事でハンドルの位置が低いです。そこでハンドルステムを長いものに交換して高さを上げます。

 300mmあればいいだろうと買ったのはいいんですが,届いたものを取り付けてみると,思った以上に下げ切りません。よく見るとステムが入る筒(操縦管というそうです)の長さが他に比べて短いので,調整範囲が狭いのです。

 ステンレスのパイプですのでカットすればいいかと思いましたが,先端を斜めにカットしないといけないのでパイプカッターでは切断できず,のこぎりで切るしかありません。

 しかし相手はステンレスですし,しっかり固定できるバイスもありません。一応嫁さんに試してもらって,最も低くしたところでも大丈夫かどうかを聞いたところ,大丈夫という返答をもらったのでとりあえず切らずに,このまま進めることにします。

 しかし,先端がフロントのブレーキの軸に操縦管お内部でぶつかっているはずですので,固着したときにハンマーで叩いたりするとブレーキを壊してしまうかも知れません。要注意です。

 ハンドルステムがついたので,ハンドルバーを差し込みます。ちょうどよい角度に仮留めしてブレーキハンドルを取り付けようとしますが,予想通りワイヤーが短すぎて取り付けできません。

 予想通りと書きましたが,アホな私はブレーキワイヤーを買っていませんでした。ここで作業が止まるのも悔しいので,近所の自転車屋さんに出抜いて,ブレーキワイヤーを買ってきました。

 アウターはオリジナルと同じグレーの物が手に入り,インナーは前後で2本買ってきましたが,これにディレイラーのアウターをいれてしめて3500円。ちょっと高いですよね。でも背に腹は代えられません。

 帰ってきて作業続行。ブレーキレバーを取り付け(先にシフターを取り付けておく),アウターケーブルを適切な長さでカットし,グリスを充填してからインナーを通します。ブレーキが上手く効くところで仮留めしワイヤーをカットし,終了です。ワイヤーは綺麗なままなので流用を考えますが,使えるのは長めのリアだけでしょう。

 ディレイラーのアウターはちょっと変で,元のアウターはブレーキのアウターが使われていました。ディレイラーとブレーキのアウターは太さが違うのでわかるのですが,元の自転車は同じなのです。

 今回買ってきたディレイラーのアウターとして買ってきた物は想定通り細い物だったので,やはり元の自転車がブレーキワイヤーを流用した物だったのだと思います。

 ということで正しくディレイラーのアウターを使うことにしますが,アウターを適当な長さに切断しグリスを注入,すでに取り付けたソフターから出て行くケーブルを通してこの作業もおしまいです。

 最後にグリップを取り付けて終わりです。心配事と言えばやはりハンドルステムをこれ以上に下げられないこと,固着した場合にボルトを叩いて固着を外すことが出来ないと言うことでしょうか。

 次は7速化の顛末です。

子供用ママチャリを大人用に改造する(1)

 さて,自分の古い自転車のレストアが済んだところで,ふと目についたのが娘の自転車です。ああ,よくある家族の自転車のメンテを嬉々としてやるやつね,と思った方,はいその通りです。

 でも聞いて下さい。その娘の自転車というのが,ほぼ新品なんです。

 小学校5年生の初夏だったと思うのですが,近所の自転車店の店頭で購入したママチャリなのですが,3万円ほどもしたそれなりの自転車なのです。

 小学校5年生ですので子供用か大人用かで迷うところですが,小柄な娘の対角をみて,無愛想な若い店主は子供用のうち最も大きなサイズの物を指さしました。こちらの選択権はないようです。

 娘は自転車に初めて乗るので,練習が必要です。だから体に合った物が必要なのはわかりますが,もう2年もすると大人用の物が必要になるのでもったいないですよね。

 だから,大人用はダメかと食い下がったのですが「だめですね」の一言で終了。選択肢も多くて安価な大人用の自転車ではなく,品種の限られた子供用のやや高価な自転車をなんだか怒られたような気分で購入し,1時間ほどしてから受け取って帰ってきたのでした。

 娘はその後,意外にも喜んで練習をして,それなりに乗れるようになったのですが,公道をルールを守って走ることはやっていません。いよいよ受験生になる日が近づいていることと膝の具合が心配で,転倒したら一生悔いることになるかもと考えてのことです。慎重すぎますか?そうですよねー。

 そうこうしているうちに受験,進学,膝の手術と続いて,自転車はほぼ新品のまま,誰が乗ることも出来ない自転車になってしまったのでした。

 まあ仕方がないよな,と思って廃棄処分を考えていたのですが,改めてみるとなかなかかわいらしくて良く出来ています。ノーブランドのママチャリではなく,一応a.n design worksというブランドの自転車ですし,部品はシマノのものを中心に,組み立ても適当なものではありません。

 フロントのチェーンリングはシングルで32Tとごく普通,リアはシマノの安価な外式6段,これをレボシフトで変速します。まあ,このあたりは普通過ぎますよね。そうそう,ブレーキはシマノのローラーブレーキです。これはちょっといいかも。

 大きさは子ども向けということですが24インチです。小柄な女性が乗るのに適していると言われるにもかかわらず,あくまで主流は26インチゆえに街であまり見かけないサイズです。

 ただ,そこは子供用ですのでそのまま大人が乗ることは出来ません。

 さて,どうしたものか・・・お金をかけて部品を交換して大人が乗れるようにするのか(うちは娘と嫁さんがほぼ同じ身長ですので二人で乗ってもらえます),おの部品代で安いママチャリを買うのか。

 もちろん改造でしょ,同じお金がかかるなら作業の楽しさがついてくるのに,なぜ新品を買わんにゃならん?

 ということで,迷わず24インチ子供用を大人用ママチャリに改造プロジェクト発動です。まずは部品集めから。


(1)サドルとハンドルの高さ

 嫁さんに試しに現状の自転車にのってもらったところ,やはりサドルとハンドルが低いのが辛くて話にならんそうです。

 まずは適正な高さにするためにシートポストを長いものに交換します。直径25.4mmのものでアルミのものが見つからなかったのでステンレスにしました。長さ300mmで,ブリジストンのものです。

 ところが,サドルがシートポスト一体型であることが判明。鋲がついたブラウンのおしゃれなサドルですが,硬めですしサスペンションもなく,乗り心地は今ひとつ。

 躊躇なくサドルも新調しますが,ここはパナソニックのママチャリ用を選びます。大きくてフカフカでサスペンションもついてます。リーズナブルですし評判もよいのですが,いかにもママチャリという感じがどうもいけません。

 ハンドルも高くする必要があるので,ハンドルステムも長いものに交換します。もとが220mmですので,300mmもあれば十分だと思ったのですが,実はここでミス発生。長すぎて最低にしてもまだ高いという問題に気が付くのは作業開始後のことでした。


(2)ハンドルバー

 今どきのママチャリらしく,バータイプのハンドルバーがついていますが,個人的にはこれって乗りにくいなあと思います。私だけかも知れないですが,腕の力を抜くと手のひらって自然に体の内側を向きませんか?これを90度回して親指を体の内側に向けるのは,力を入れ続けないといけないのでしんどいです。

 ということで,自分の自転車もプロムナード型に変えて非常に良い結果を得ているのですが,今回の娘の自転車もプロムナード型にしようと思います。

 プロムナード型って,握る部分が横でも縦でもなく,斜めに向いていますよね,ちょうど体重を支えるときに手首が自然な間借り方になり,力を入れなくても支えることが出来るように思います。

 一番きついのはやっぱり横方向に握るバータイプで,手が滑って回らないように握る力も大きくしないといけないので,私は疲れると思っています。


(3)グリップとシフター

 グリップも自分の自転車に使ってみて具合が良かったものを今回も選びます。問題はシフターで,現状はレボシフターなため,右のグリップが短い物になっています。これだと好きな物が選べませんし,そもそもレボシフターが使いやすいとは思わないので,サムシフターにします。

 しかし,6速のサムシフターはどれも在庫切れ。いろいろ考えましたが,在庫のある7速のサムシフターを使うことにします。当然リアのスプロケットも6速から7速に変えないといけなくなりますが,それもやむを得ません。


(4)ボスフリースプロケット

 ママチャリですので当然ボスフリースプロケットですが,元々がMF-TZ500-6というシマノの6速でした。ボスフリーでは7速が限界ですし,シマノのボスフリーに限って言えば6速も7速も最大と最小の歯数は同じですので,6速のままでいこうと思っていました。

 しかし標準的なグリップにするためにシフターも交換が必要,しかし7速用しか手に入らないので不本意ながらスプロケットも7速用に交換です。MF-TZ510-7に交換することになるのですが,これも後で問題を抱えることになります。


(5)クランク

 嫁さんが訴えた不満の1つに,クランクの短さがありました。子供用の自転車と言うだけあって元のクランク長は152mmしかなく,そのためにペダルを漕ぎにくいのです。

 大人用なら165mmや170mmが使われるわけで,クランクセットも探してみました。元の自転車はチェーンカバーの内側にチェーンリングがおさまっていますし,見た目も大事なので似たようなチェーンガードのついた物で,クランク長が165mmのものを選びました。


(6)ペダル

 ペダルも流用を考えたのですが,練習中に転送したときの傷がひどいので安いもんですし交換することにします。ブラウンのものを探すと安い物しか出てきませんので,これでいいでしょう。


(7)鍵など

 ゴリンのリアを固定するものがついていますが,鍵が刺さりにくい,鍵をかけにくいというのでどうも気に入りません。同じタイプのものでも,パナソニックの物はディンプルキーで差し込みやすそうですので,これに交換です。

 それからリアのリフレクターは,これも使っていて好感触なLEDタイプ,太陽電池で充電する物を選びます。元のリフレクターは泥よけ取り付けタイプではなく,ステーに取り付けるタイプですので,同じタイプを選びます。


(8)リアディレイラー

 先日私の自転車から外したRD-M310を使おうかと思っていましたが,娘の自転車のディレイラーは車軸に共締めするものでしたので断念しました。流用とします。


 とまあ,たったこれだけの作業なわけですが,いろいろ大変でした。次回以降にその顛末を書いていこうと思います。

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