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2024年08月の記事は以下のとおりです。

フィンガードラム,FGDP-30を買った

 昨年秋に発売と共に話題になり,現在も品薄が続いているヤマハのフィンガードラムFGDPシリーズですが,情けないことに私はチェックが漏れており,この面白そうな電子楽器の存在に気が付いたのは,つい先日のことでした。

 そもそも,フィンガードラムというのが1つのジャンルを作っていることすら私は知りませんでした。このジャンルが確立したのは4x4のパッドで本物顔負けのプレイをするプレイヤーが出てきた事にあるそうですが,今を去ること35年,私の高校の時の友人はRX5というヤマハのドラムマシンをリアルタイムで演奏し,その華麗なタム回しに心奪われましたし,私自身も鍵盤でドラムを演奏することには何の抵抗もなく,自慢ではありませんが実はそこそこ出来たりします。

 もちろん難しいフレーズは無理ですし,体に入っていないリズムは叩きようがないのですが,一般的な8ビートは複数のパターンを心得ていますし,フィルインもいろいろ出来るようにしています。また,同時になるはずのない音には気を付けているので,ハイハットとスネアとか,3つのタムを同時とか,そういう人の能力を超えた演奏はしないようにしています。

 もともと,打ち込みでもドラムのトラックは鍵盤でリアルタイム録音する人でしたが,それがフィンガードラムという言葉を与えられているとは知りませんでしたし,当然人前で演奏するようなことは,ウケ狙い以外では考えもつきませんでした。

 35年もこんなことをやってますので今さら違和感もないのですが,確かに鍵盤でドラム演奏というのは慣れないと難しいかも知れません。バスドラムとスネアドラムが隣り合っているので,左の人差し指でスネアを叩こうとすると,バスドラムは自ずと左の中指か薬指で叩くことになります。

 ハイハットは右の人差し指,クラッシュシンバルは右の中指か薬指,タムは左の人差し指,中指,薬指ということになりますが,こういう配列ではミスタッチも多いです。

 もったいないのは親指がフリーになっていることですが,もともと人間には手2つと足2つしかありませんので,小安日を使わずとも数はそれなりに足りてたりします。

 思い通りに指が動くようになると,あとはリズム感を養うことと多くのパターンを体に刻む作業という事になるのですが,これもまた興味がないとなかなか出来ないもので,私の場合はPOPとROCK,HR/HMくらいしかこなせないままです。

 こうして30年,密かに体得した一芸であるフィンガードラムをですね,専用機で演奏出来るようになるとは思わなかったのですよ。だって,もう練習しなくてもそれなりに演奏出来ちゃう私に取って,専用機があればもういきなりデビューですからね。

 で,話題になっているヤマハのフィンガードラムですが,FGDP-30とFGDP-50の2機種です。FGDP-50は上位機種で,バンドエイドのようなLCDを備えているあたり,往年のRXシリーズを彷彿とさせます。

 一方のFGDP-30は見るからに廉価版。出来るだけややこしいインターフェースを廃して,シンプルに徹するのはいいのですが,機能を盛り込みすぎて限界を超えるのがいつの物ヤマハの悪いところ。シンプルな操作のためには機能を絞る必要があるのに,機能をモリモリ盛ってUIをシンプルにするという自殺行為で本当に散っていったプロダクトは,1つや2つではないでしょう。

 しかし,お値段を見ると納得する物があります。FGDP-30は25000円,FGDP-50は4万円。この価格帯の楽器で15000円の差は大きいです。本当はFGDP-50で一本化して32800円くらいが適当だったように思うのですが,思うにこの2つは全く別物と考えた方がよさそうな気がします。

 上位機種のFGDP-50は,プレイバックサンプラーがあったり,ディスプレイがあったりと機能的にも優れていますが,なんといってもこれ一台でセッションが可能なように,他のパートを含むデモ曲が入っていて,ドラムだけ抜いて自分の演奏を重ねることが出来たりする点が面白いです。

 どっちにするかちょっと迷いましたが,フィンガードラム専用機に多くを求めるのは間違いだろうと考えて,シンプルなFGDP-30にしました。といいますが,入手可能だった機種がこれしかなかったので,他を検討しても仕方がありません。

 で,先日のハモンドオルガンを買った楽器店のポイントが残っていて,これに期間限定のポイントをあわせると5000円分くらいのポイントがあります。調べてみるとFGDP-30なら在庫あり。面白そうなアイテムが2万円で即納,運命的なものを感じてポチってしまいました。

 とはいえ,届くまではなかなか不安でした。ヤマハの楽器と私はどうも相性が悪く,体に馴染みません。もともと縁遠いメーカーでしたが,手に入れてもすぐに手放すことが多かったように思います。SEQTRAKも結局体が受け付けず,1年未満で売却しましたし。

 それに,ただのおもちゃなら2万円は出せません。しかしヤマハの楽器の音は素晴らしいので,MIDIの音源として使えるなら買いでしょう。また,フィンガードラムに最適化されたパッドも良い評判ですので,入力デバイスとしても魅力的です。

 調べてみると外部音源としても,入力デバイスとしても使える事がわかりました。これで一安心ではあるのですが,ヤマハだけに油断大敵です。

 ということで,翌日届いたFGDP-30ですが,なかなかこいつは大変な代物でした。

(1)大きさ,重さ,質感など

 想像以上に大きくて,想像以上に重いです。ただこれは悪いことではなく,しっかりした剛性感を持たせる工夫でしょうし,実際に少々激しいドラミングにびくともしない安定感があります。

 これが安物っぽいプラスチッキーな筐体だと,演奏中に勝手に動いてしまうようなことがあるでしょう。打楽器としての重厚さを持たせる事に成功しているあたり,さすが総合楽器メーカーだと思います。

(2)音の良さ

 ヤマハの楽器には,音の良さで裏切られたことはありません。安い物から高いものまで,電子楽器からアコースティックまで,本当に音にハズレがありません。この優等生ぶりが損をしているんじゃないかと思う事もあるのですが,価格以上の音質と,価格に関係なく使える音に整っている点で,実際に手に取って使ってみると本当にヤマハの楽器には隙がないと感じます。

 FGDP-30も他例に漏れず,音は抜群にいいです。もちろん,2万円そこそこの楽器ですので多くを望むことは出来ませんが,パッドを触った時の音が期待を越えるというのは驚きに繋がります。楽しいです。

 プリセットされているいろいろな音の完成度も高く,これは本当にドラムが好きな人が作ったんだなあと思わせるものがあります。

 また,往年のRXシリーズの音も入っているのですが,これがまた良く出来ていて,ニヤニヤしてしまいます。そうなんです,RX5なんかは12ビットだったので,結構音がざらつくんですよ。このあたりも良く再現されています。

 あと,シンセドラムです。シモンズなんかのあの特徴ある音を,こうして手元で再現出来るなんてのは,ちょっと夢みたいです。そもそもシモンズってちゃんと使える状態でどれくらい残っているんでしょう。

 仮にフィンガードラムをマスターできなくても,この音の良さで2万円や安いくらいです。私のようにドラムに詳しくなく,セッティングやエフェクトなどがすでに完成済みでセットとして揃っているわけですから,これをそのままDTMのシステムに組み込めば,ドラムパートは安心です。

(3)パッド

 パッドは本当に,本当に良く出来ています。最初,リモコンのようなゴムボタンなのかなと思っていたら,へこまないんですね。クリック感がありませんが,長時間の演奏ではかえって指が疲労しますので,このパッドは本当によく分かっている人が考えたんだなあと思います。

 聞けば,FGDPシリーズを作り上げた人はフィンガードラムのベテランだそうで,いわば大先輩からのプレゼントですね。

 感度もリニアリティも抜群で叩きやすく,表現がしやすいです。また,パッドの位置に関係なく同じ強さなら同じ音が出てくるので,これもかなり苦労されたんじゃないかと思います。素晴らしいです。

 加えて,アフタータッチです。パッドを押し込めばチョークになりシンバルの音が止まります。私はこれまで,いろいろなMIDIインプリメンテーションチャートを見てきましたが,ポリフォニックアフタータッチを送信する機器を初めて手に入れました。こんな使い方があるんだなあと感心。

 スネアも,跳ねるように演奏するときと,指をパッドにおいたままにした場合とで,響きがちゃんと違ってきます。クラッシュシンバルの連打(シンバルロールというそうです)も見事に再現出来ます。これ,鍵盤ではまず無理ですし,普通のドラム音源では再現出来ずに困るところです。

 とにかくこのパッドは,本当によく出来ています。FGDPシリーズの良さは,このパッドに集約されているのではないでしょうか。

(4)演奏のしやすさ

 FGDPシリーズは世界初のフィンガードラム専用機ですので,パッドの配列などは「やったもん勝ち」です。4x4のパッドや鍵飯が標準だった世界に,いきなりこの配列ですから,これまでにフィンガードラムをやっていた人からは反発もあるでしょうが,新規のユーザーを重視したという姿勢が見て取れます。

 これだけパッドの配列が変わり,またこの配列を前提とした運指があるという事実は,私のように鍵盤で経験していた人には,一種の覚悟や判断が求められます。

 私が仮にフィンガードラムの熟練者であるなら,自分の慣れた運指で叩けるようにアサインを変えればいいと思います。逆に全くの初心者なら,ヤマハのお奨めする運指をマスターすれば怖い物はありません。

 しかし,私のように中途半端な人はどうしたらいいのか・・・我流で先に進めば限界があるのは明白ですし,さりとて今さら全くの初心者として修行を積むのもしんどいです。というかちょっと片手で8ビートをやってみましたが,厳しいものがありました。

 我流で可能な範囲で楽しく遊ぶか,本気で取り組むかなのですが,これはまだ結論が出ていません。

 我流で進めるにはアサインを変える必要がありますが,ディスプレイのないFGDP-30では厳しい作業になるでしょう。しかも,変更するのはノートナンバーだけではなく,音量やパン,感度やチョークのグループ割り当てなども全部変えないといけないですし,悪いことに現在の値を一覧で見ることが出来ないので,1つ1つメモを取る必要があるでしょう。ここまでの情熱を私は維持出来るのか・・・

 ということで,今はとりあえず本体を右に90度回して叩いています。ただ,これだとタムが叩きにくくて困るので,なんとか解決策を見つけたいところです。

(5)楽しさ

 これはもう,文句の付けようがないくらい楽しいです。ドラムはギターやピアノと違って,叩けば音が出て,アンサンブルがすぐ出来ます。赤ちゃんにだって音を出す楽しみがわかってもらえる楽器ですが,これが電子工学とリンクすると,こんな面白い楽器になるんです。

 意外にバカに出来ないのが内蔵スピーカーの音の良さです。こんな小さいスピーカーでは,ドラムのキモである低音もさっぱりで,オマケのような物だろうと思っていたのですが,これがなかなかしっかりといい音を出しています。大口径スピーカーではないし,ステレオでもないのですが,ドラムの美味しい音をきちんと出してくれているので,本当によく頑張っていると思います。

 試しに,外部入力から聞き慣れた音楽を入れてみて下さい。驚くほどいい音がしますよ。

 さて,少し慣れてくると,外部から入力した音楽に合わせて叩くことも出来ます。これがまた楽しく,CD1枚を最初から最後まで通しでドラムを叩くということが,簡単にできてしまいます。他の楽器だとなかなかこうはいきません。

 そして,決まったタイミングで正確にパッドを叩くという基本が出来たら,次には強弱を付けたり,微妙なタイミングのズレを持たせたりという,いわゆる「ノリ」を表現する練習になりますが,FGDP-30は生意気なことに,こうしたノリを求める表現にも十分に対応出来るだけの器を備えています。すごいです。

 スネアを左右のスティックで短い時間差で叩くのをフラムといいますが,これが再現出来ることにも驚きました。これで,叩く場所による音の違いが連続的に表現出来たら,もうフィンガードラムでバンドに加入できますよ。


(6)残念なところ

 この値段ですから多少の問題は目を瞑りますが,やはりディスプレイは欲しかったです。それからBluetoorth。今どきワイヤレスではない音源などあり得ません。まして指を激しく動かす楽器ですので,ワイヤレスで繋がらないと演奏に集中出来ないでしょう。

 MIDIが標準でついてこないのも問題です。USBを経由すればMIDIを扱えますが,USBは必ずホストが必要になるので,繋ぎたいものが繋がりません。増えていったUSB-MIDIが,気が付いたらデバイス側のUSBばかりじゃありませんか?

 変換ケーブルでもいいので,MIDIが欲しかったです。そうするとぱっとシンセサイザーに繋いだり出来ますし。

 それから,今どきmicroUSBはないです。Type-Cでないと販売出来ない地域も出てくると思うんですが,大丈夫ですかヤマハさん?

 今後に期待出来る物として,PCやスマホでパッドの割り当てを帰る事の出来るエディターがあります。FGDP-30は2つしか設定を残せないので,PCで外部の機器で管理することが必要だと思いますし,ディスプレイのないことはPCと繋がることで解決するわけですが,こうしか外部機器との連携を是非実現して欲しいです。

 でも,ヤマハの悪い所って,面白い商品が出ても単発で終わり,基本的に売りっぱなしになっちゃうんことだと思います。あまり期待しないで待つことにしましょう。


(6)まとめ

 FGDPシリーズは間違いなく面白い楽器です。これまでヤマハが何度かトライしてきた非鍵盤楽器のなかでも,圧倒的に実用的で,圧倒的に楽しい楽器になっていると思います。キワモノではなく即戦力として,面白いではなく楽しい楽器が,FGDPシリーズです。

 問題はFGDP-30にすべきかFGDP-50にすべきかですが,これはもう予算だけで決めて下さい。FGDP-50の方が絶対にいいです。見た目もそうですが,ディスプレイがあること,単体でセッションが出来る事は,この商品の価値を十分に高めてくれると思います。

 もちろん,FGDP-30でも十分に楽しいですから,25000円で買って損をしたと思う事はないでしょう。

 私はヤマハの楽器とは縁がなくて,手元に残っているヤマハの楽器はほとんどないのですが,FGDP-30だけは長く楽しめそうです。他社が触発されてこれを越える物をこの価格で作ってくるかどうか,あるいはヤマハ自らが進化させてくるかどうかが,今からとても楽しみです。

Bikke2eのシートポストとハンドルバーを交換

 先日終了したCOM70Mのメンテに続き,日常の足となっている電動アシスト自転車Bikke2eのメンテも,この機会に行うことにしました。

 過去にどんなメンテをやってたかなあと艦長日誌を調べてみたのですが,なんと私としたことが記録を付けていないことが判明,何のために艦長日誌を維持しているのかと己を罵倒しました。

 仕方がありません,調べてみましょう。

 まず,購入は2015年3月。娘の保育園の送り迎え用に買った物で,本格運用が4月からでした。4月には英式バルブを米式バルブにするアダプターを導入し,空気圧の管理が楽になりました。

 同時にLED式のテールランプへの交換を行っているのと,フロントのブレーキシューの購入履歴が見つかりました。まだ1ヶ月ほどしか経過していないので交換までこの時に行ったとは考えにくいですが,すぐに摩耗するなあという印象を持ったことを覚えているので,割に早めに交換したんじゃないかと思います。

 そして2021年7月に,パンクからチューブの交換を前後輪ともに行っています。この時はタイヤまでは交換していません。確かこの時も暑い日で,フロントは速度センサなどでややこしく,後輪は変速機やドラムブレーキでややこしく,炎天下の半日の作業になったことを覚えています。

 この時,チューブに米式バルブを選んだので,先のアダプターは用済みとなりました。

 以後はメンテをやっていないのですが,問題は残っていました。この自転車,とにかくよく倒れるのです。春一番など吹く頃になると,毎日ドカーンと爆音を立てて倒れてしまいます。

 重い自転車ですので衝撃も凄まじく,うちの玄関のタイルは割れたりひびが入ったりしています。これ,公道で倒れたらけが人が出るんじゃないか・・・

 その衝撃はタイルに留まらず,ハンドルバーの左側が内側に曲がってしまっています。カゴのステーも曲がっているので,カゴのセンターがずれていて,まっすぐ走っているのにカゴが斜めになってしまい,脳がバグりそうです。

 なによりハンドルバーです。曲がってしまったものをとりあえず元に戻そうと頑張りましたが,全然動きません。危険だとは思いましたが,修理も面倒でそのまま放置していました。

 さて,娘の入院で毎日使うようになったこの電動アシスト自転車bikke2eですが,COM70Mとは違ってさすがに電動アシストがとにかく楽で,平坦な道はともかく上り坂は本当にありがたいです。こうなると問題はアシストがきかない速度域での快適性で,何か出来ることはないかといろいろ考えてみました。


(1)サドルの高さ

 一般に,サドルの高さは自転車を止めたときに,片足でつま先がようやくつくくらいの高さが良いとされています。ママチャリに良くある両足がつくとか,足がべたっとつく程度の高さでは,速度も出なければ疲労も大きく,長距離の移動は難しいです。

 そこでサドルの高さを上げるのですが,これ以上上げたらあかんよ,というマークがでてしまい,最適な高さに出来ません。

 きっと同じ悩みの人もいるに違いないと調べてみると,シートポストというサドルの筒の部分だけ売られていました。実際に長いものに交換している人もいるようです。

 調べてみるとシートポストには0.2mm刻みで様々な太さと長さがあるようで,互換性がないという恐ろしさ。早速うちのBikke2eを調べてみると,太さは28.6mm,長さは270mmでした。

 amazonで見つけたのはアルミ製で28.6mm x 350mmのもの。アルミ製というのがちょっとひっかかったのですが,まあ大丈夫でしょう。

 注文して心配になったのはむしろ長さで,この長さだとシートポストが完全に引っ込まず,一番低く出来ないんじゃないかという不安です。うちの嫁さんは身長が低いので,一番低いところで乗りたいそうですが,嬉々として勝手にいじり回している私を不安そうに見ています。

 果たして結果は,問題なしでした。ちゃんと一番低いところまでシートポストが入り込んでくれますし,私に合わせた高さにも問題なく調整出来る長さでした。これでかなり快適です。


(2)ブレーキシュー

 かなりすり減っていたので交換しました。これまでと同じ物です。なにせ自転車の重量が大きいのでブレーキもよく減るんでしょう。

 交換作業はとても簡単で,10分ほどで終了です。肝心のブレーキの利きには変化ありませんが,安心感はちがいます。


(3)ハンドルバー

 さて大本命,ハンドルバーです。

 これ,まさか自分で交換出来るとは思ってなかったのです。でもamazonを見ていると,安く買えることがわかりました,ママチャリ用のものなら1000円ほどです。

 面倒なのはハンドルに取り付けられたいろいろな部品をどうするかです。電動アシスト自転車はスイッチやらハンドルの固定レバーやらいろいろついてますので,これがそのまま移植出来るかどうかが分かれ道でしょう。

 届いた軽快車用のハンドルバーは形もそっくりで,ブレーキや変速機のワイヤーには問題なし。ただ取り外しとなれば話はちょっと変わって来て,ハンドルからこれらを抜き取るためにワイヤーを緩めないといけないかも知れません。そうなると調整も必要になるので面倒です。

 まあ,心配していてもこのまま使い続けるわけにも行きませんから,ぱぱっと分解です。まず,グリップを外します。bikke2eのグリップはよくあるゴム製の物を押し込む物ではなく,パイプの両端を輪っかで固定するタイプのものです。

 ところが,この輪っかを緩める前に,ハンドルの端っこの蓋の部分を外す必要があります。これがトルクスでとまっているのですが,外してみて私は困ってしまいました。ハンドルの両端が鉄板で塞がれていて,ここにネジが切ってあったからです。

 私が買ったハンドルバーは両端がそのまま中空になっているもので,どうがんばってもネジで固定できるような仕組みはありません。これは困った。

 ただ,だからといって使わないという話もないので,どうするかは後で考えるとして作業を続行します。

 グリップをはずしたらブレーキレバーなどを外していきます。幸いにしてワイヤー類も十分な長さがあったので,そのまま引き抜くことができました。

 ここまでくるとあとは楽勝。ハンドルバーを交換して新しい物を仮留めします。後で角度を調整する必要があるからですが,仮留めが終わったらレバーなどを元のように取り付けます。

 ハンドルバーの角度を調整したらレバーも本締めして動作確認。ブレーキも変速機も問題なく動作します。

 ところで,ワーヤーの取り回しがまずいものがあるのに気が付いたのですが,もう一度全部外してしまうのも面倒で,よく観察すると,ハンドルに固定する部分が半分に割れて,その場で付け外しが出来るものになっていて助かりました。

 さて,ここまでくると,ハンドルバーの両端の始末です。個々までの作業は30分ほどで,とても簡単だったのですがけつろんからいうと,この端っこの処理で3時間ほどかかってしまいました。

 さっさと普通のグリップを買って来れば済んだ話なのですが,居間のグリップは気に入っていたので出来れば流用したいところです。端っこをそのままむき出しで使う方法あるのですが,それだと雨水も心配ですし,グリップが短めになるので乗りにくそうです。

 ハンドルバーの内径にフィットするパイプなどを探しましたが見つからず,万策尽きたところで古い木のまな板を少し太めに切り出して,これを押し込む事にしました。端っこには穴を開けて,ビス留めできるようにしておきます。

 1回目は削りすぎて失敗,2回目でちょうどよい太さに出来て完成です。木ですから経年変化も心配ですが,その時はまたその時です。

 試運転をしたのですが,ちょっと角度が悪く,再調整を行ったところ,ベストポジションになりました。前のハンドルバーよりも湾曲が大きいようで,やや高さも稼げています。サドルを高い位置にしたので,ハンドルの低さも気になっていたところ,偶然ですが上手く調整ができたと思います。


(4)サイクルコンピュータ

 と,ここまでで基本的なメンテは終わって快適に走れるようになったわけですが,サイクルコンピュータが不調なままでした。

 CATS EYEのVELO9というモデルですが,全く動きません。いろいろ調べたところ,本体には問題はなく,センサーか配線に問題があるようです。

 どうせ断線だろうと高をくくっていましたがさにあらず,故障箇所はなんとセンサーでした。

 センサーを分解すると磁石で接点がON/OFFするリードスイッチが入っているのですが,これが悪いようです。

 ただ,磁石を近づければONになるので故障と判断するのが難しかったのですが,本来ならONになる距離でもONにならなくなっていたので,こういう劣化もあるんだなと思った次第。おそらくですが,倒れた時の衝撃で壊れてしまったのでしょう。

 ということで新品のリードスイッチに交換すると元のようにちゃんと動作するようになりました。これでもうしばらく使えそうです。

 

 さて,たったこれだけのメニューですが,その快適性は想像以上。20km/hまでは強力にアシストしてくれて坂道も疲れ知らずですし,座面が高くなったことで20km/h以上でも足の負担が小さくなりました。さらにハンドルの高さもちょうど良くなったので,不自然な姿勢で乗ることもなくなり,背中も腕も楽になりました。

 いってみればママチャリなわけですが,そこは電動アシスト自転車,多少のことは電気の力で補ってくれます。発進も2速からで全然問題なしですし,坂道も3速のまま登っていけます。

 速度が20km/hくらいだと,体を起こした姿勢の方が楽ですし,そもそも子どもを前後に2名乗せることの出来る自転車だけに頑丈で,剛性感も半端ないです。重くても電気でアシストしてくれるので羽の生えたように加速しますし,前カゴにはしっかり荷物も載ります。時速20km/hで定速運転するならこれ一択かなと思います。

 ということで,手間をかけて復活させたプジョーのCOM70Mが走る機会は,Bikke2eが快適になってしまったことでまた失われてしまいました。こうなってくるとギアチェンジも面倒くさいし,姿勢もしんどいので,うちの主力はBikke2eに落ち着きそうです。

 

9年ぶりの自転車のメンテ

  • 2024/08/08 14:13
  • カテゴリー:散財

 私の自転車,プジョーのCOM70M。2001年4月に二子玉川の東急ハンズで購入して以来,幾度の引っ越しにも耐え今も私の自転車であり続けています。そっかー,勝ってから23年か,短いようで長いなあ。

 修理の履歴をたどってみたのですが,2004年の正月に劣化したタイヤを交換しています。当時のCOM70Mのカタログに700X35Cとあったようで,おそらく私のものもこれを履いていたと思われるのですが,この時の交換ではお店の在庫の関係で38Cという少し太めの物にチューブも含めて交換してありました。

 35C標準の自転車に38Cですから,見た目にもごっつくなり,明らかに転がり抵抗が増した感じはしたのですが,やはり乗り心地は向上していて,これはこれで楽ちんな自転車でした。

 2011年の5月に32C(パナレーサーのPASELA)にチューブ含めて交換。ここで標準よりも細いタイヤになっていました。さらにブレーキシューも交換したのですが,間違って買った先端にネジを切ってある物を,危険なことにそのまま無理矢理取り付けて使っていました。

 2015年に泥よけ,スタンド,リアディレイラーとシフトレバーを交換しています。タイヤとチューブ,ブレーキシューはこの時は交換していないみたいです。

 ですが,この時すでにうちの主力マシンは電動アシスト自転車であるBikke2eで,私のCOM70Mはもうほとんど粗大ゴミ状態,放置されたままでまさに朽ちていました。

 ですが,先日娘が入院し,出来れば毎日見舞いに行く必要性が生じました。病院までは距離にして3.5km。自転車なら15分ほどの距離なので,自転車で最適な距離です。

 電動アシスト自転車は確かに楽ですが,20km/hを越えたあたりでアシストがなくなりますし,重量があって加速も減速も今ひとつなので,やはりCOM70Mに乗ってみようと考えました。

 しかしCOM70Mはもう朽ちる寸前です。タイヤはひび割れて危険ですし,ブレーキシューにもひびが入っています。全体的に錆びてしまってボロボロな感じが漂いますが,フレームとリムはしっかりしています。

 スタンドも使い勝手が悪くて困っていましたから,ここは一発奮起して,ちゃんとメンテして乗りましょう。どういう訳だか,私が自転車の作業をするときは真夏の炎天下になるんですよねー。

 早速部品の手配です。が,ここで私はまたもミスをやらかします。そういえば太いタイヤを履いていたよなあとおぼろげな記憶で1つ小さいタイヤにして標準に戻そうと,28Cを買ってしまいました。パナレーサーのComfyという安い奴です。

 ところがですよ,35C->38C->32Cと,すでに1つ細い物になっていたのに,さらに細い物にしてしまいました。乗り心地もそうですが,このリムに使えるのか?

 調べてみると,リムの内側は20mmでした。というか,リムの外側が実測で25mm,それでリムにP20と書かれていたので,まず内側は20mmで間違いないでしょう。

 20mmなら,28Cから48Cまで履けるそうですので,詳しいことはさておき,安全性には問題ないでしょう。

 スタンドは購入時についていたブリジストンのスタンドと同じ物を選びました。何だかんだでこれが一番使い心地が良かったです。ブレーキシューは以前買ってあった物が残っていますので,これをそのまま使いましょう。

 そうそう,グリップとサドルです。グリップは当時あまりいいものがなく,太めの物を使っていましたが,これもシンプルなゴム製のものに買えます。サドルはボロボロですので交換必須ですが,これもいつか交換しようと,1000円ほどの安い物を買ってありましたので,これをとりあえず使います。

 リアディレイラーはこのまま使えそうですのでこのままいきます。シフトレバーも機能的には問題ないですが,風防のプラスチックが黄色くなってしまっていますので,もったいないですが交換しましょう。

 あと,尾灯も自発光の物にしましょう。ブリジストンのものをBikke2eに使っていますが,長持ちしますし機能的にも申し分ないのでこれと同じ物にしましょう。

 ということで,9年ぶりのメンテです。

 まずタイヤとチューブ。これはささっと済ませることができました。特別書くこともないのですが,ここで知った事として,2020年に規格が変わっていたんですね。私の場合リムが旧規格,タイヤとチューブが新規格になるので,注意が必要かもしれません。

 次にスタンド。これもさっと交換です。ここまでは実にスムーズ。

 はまったのはなんとグリップです。古い物をカッターナイフで切って外し,薄く油を塗って新しいグリップを差し込みますが,途中から入りません。ハンマーでお尻を叩いても全く動かず,途方に暮れてしまいました。

 反対側のグリップを先に試すかと,今度はたっぷり油を塗ってみたところ,スルスルと入ってしまいます。ならばとやり直そうと抜きにかかるのですが,微動だにしません。万事休す。真夏の炎天下でグリップと格闘すること45分,意識が薄くなってきたころ,ようやく抜く事ができました。

 油をしっかり塗って差し込むとウソのようにするすると入っていきます。この段階で私は熱中症の一歩手前でした。アホな話です。

 次はサドル。これも苦労しました。買ってあった物が元のサドルと土地付けの部品が異なるのです。さっと交換というわけにはいかず,流用出来る部品を組み合わせてどうにか目途を立てますが,元のサドルを外そうにもちょうどいい大きさのアレンキーがありません。そういえば前回もここで挫折したんだよなと思い出し,今回は6.35mmのラチェットと付属のアレンキーでなんとか外すことに成功しました。

 部品をあれこれと組あわせて取り付け完了。しかし,安物のサドルですのでスプリングもクッションもなく,これはお尻が痛そうです。

 試しのりで分かった事は,強烈にお尻が痛いと言うこと。それから,路面のデコボコがダイレクトに体に入ってくること。長距離はもちろん,街乗りにも不適切だと判断せざるを得ません。

 そこで,スプリングのあるサドルを探してみたところ,購入時についていたのと同じじゃないかと思ったほどそっくりなものを見つけました。実は,ブラウンに鋲のついたサドルはこの自転車には似合っていると思っていたので,今の黒い実用一点張りのサドルは見た目にもうれしくありません。

 そこで早速取り付けてみたところ,見た目も満足。乗り心地も思っていた通りで,ソフトになりました。

 尾灯はまたも買い間違いをしました。バックステー取り付け型と思って買ったら,なんと泥よけ取り付け型でした。しかし,サドルの下に取り付けられていたもとの反射板のアームにぴったりフィットしたので,無事に交換できました。

 太陽電池がサドルの陰に入ってしまうことが気がかりなのと,見た目に格好悪いのはしっくりきませんが,尾灯が高い位置に取り付けられてより視認性が上がったことと,買い直すのももったいないので,これでいきましょう。

 ブレーキシューの交換は,そんなに難しくないはずでしたが,なにせ前後とも今や旧式のカンチレバーブレーキです。調整が面倒で,またも太陽にあぶられて気を失いそうになりました。前輪のブレーキの右側のシューが斜めに当たってしまうことが発覚したのですが,どうも上手く修正出来ず,仕方がないのでこのままにしました。

 ところで,カンチレバーブレーキってもう絶滅寸前で,カンチレバーブレーキ用のブレーキシューも貴重品なんだそうですね。今のうちに確保しておく必要があるかも知れません。

 続けてサイクルコンピュータです。といってもGPS内蔵とかスマホと連携とか,各種センサー対応でナビまでついてるようなまさにコンピュータとは違って,単なる速度計です。速度とトリップメータはないと困る物なので,安物でも着けることにしています。

 これまでは小さいという理由でCAT EYEのVELO5という古い物を使っていましたが,ちぎれた結束バンドを付け直しても時々センサーが動作しなくなってしまうので,この際だから買い換えることにしました。有線式は確実だろうと思っていましたが,どうもブラケットの端子と本体の端子の接触が悪くなっているみたいです。(ちなみにBikke2eのVELO9は全く動かなくなっています)

 どうせこのVELO5はタイヤサイズの設定に700Xがありませんから,ちょっと気持ち悪かったんですよね。最近のモデルだとタイヤの円周が入力出来るのでこの問題も解決しそうです。

 早速amazonで見てみますが,数万円の高級機か,安物の中華製しかありません。別に中華製でもいいのですが,どうも壊れやすいとか速度センサの誤動作があるようなので,日本製がいいですね。

 安い物で日本製というと,結局CAT EYEになります。この会社のラインナップを見てみると,主力はセンサと本体が無線で繋がるタイプみたいで,取り付けも楽そうです。

 価格は以前の倍になるのでもったいない気もしますが,無線式にこだわると4000円以上はやむなしです。バックライトも欲しいところで,結局選んだのがMICRO WIRELESS(CC-MC200)です。VELO9のワイヤレスタイプとほぼ同じだったので,こっちにしました。時刻が常時表示されているというのもうれしいところです。

 取付は簡単そうに見えて,やっぱり夏の暑さにやられて手こずりました。ハンドルバーへの取り付けは簡単で,配線の取り回しもありませんので楽ちんなはずですが,問題はセンサーです。

 センサーはワイヤレスなので大型化しており,本体との距離を50cm程度,スポークに取り付けた磁石との距離を5mmに出来るような場所に確実に取り付ける必要があります。

 しかし5mmってのはかなり難しいところで,内側に倒してなんとか5mmにしました。取付の際の結束バンドを,スポークごと通してしまってうなだれたことは秘密です。

 取付は問題なく完了,従来のVELO5からの進化点は結局バックライトと取付位置の自由度アップで見やすくなったくらいで大した変化はありませんが,信頼性や精度の向上は期待していいと思います。

 さて,最後の大物,シフトレバーです。

 前回のシフトレバーはSL-M310だったのですが,今回用意したのは後継機種のSL-M315です。違いはよく分かりませんが,互換性があるならなんでもいいです。ただ,正直なところSL-M310を使ってみて,指二本で操作するのがちょっと面倒だなと思いました。以前のシフトレバーはママチャリ用の簡単なものだったのですが,これが以外に使いやすくて,気に入っていました。

 交換はリアディレイラーの調整も必要になるので気軽という訳にはいかず,後日仕切り直すことにしたのですが,これが間違い。当たり前の事ですがグリップを外さないと交換出来ないことに気が付きました。

 そういえば前回も同じような事ではまった気がします。情けない。

 ということで,油を塗って差し込んだグリップをもう一度外す羽目になりましたが,これがなかなか外れません。というかピクリとも動きません。

 分解して一部古い部品を残して新しいシフトレバーを組み付けることも考えましたが,適合する星形のトルクスドライバがないため諦めました。

 また死ぬ思いをして,炎天下でグリップを外しました。いったい私はグリップでごれだけ体力を消耗しているんだろう・・・

 古いシフトレバーを外して,新しい物を固定すればもう話は簡単です。さっさとケーブルをまわして,リアディレイラーに繋いで,ケーブルを調整します。この作業は案外スムーズにいき,気持ちよく変速できるようになりました。

 これで全メンテメニューが終了です。COM70Mらしさを残しつつ,部品を新しくしたので信頼性や安全性も確保出来たでしょう。まだまだしばらく乗る事が出来そうです。

 

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