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2025年08月の記事は以下のとおりです。

Pocket Masterを買ってみた

  • 2025/08/27 09:10
  • カテゴリー:散財

 先日PRO-800を買って,こいつを実戦投入するのに,コーラスとリバーブが必要だと感じました。さすがにリバーブ無しでは,PRO-800の音が出ている位置をコントロール出来ません。馴染ませるのか際立たせるのか,包むのか一点から放射するのか,アナログシンセサイザーには考えなくてはいけない要素が多いものです。

 私が以前Matrix-1000を使っていたときにはヤマハのR100を使っていました。一番安いデジタルリバーブだったから,というのが理由ですが,実は他社のリバーブに比べてヤマハのリバーブは綺麗にかかるので大好きでした。

 JX-8Pにはコーラスが,他のD-70やVintageKeysには一応リバーブまで内蔵されていたので,モノラルアウトのアナログシンセサイザー特有の問題として,外部エフェクタをどうするかが課題だったわけです。

 Matrix-1000も使わなくなって久しく,結局R100もSE-50も数年前に廃棄してしまったわけですが,まさか今になってPRO-800のためにエフェクタで悩むときが来るとは思いもよりませんでした。

 仕方がない,空間系のエフェクタを1つ買うか,1万円くらいであるだろうよ,と探してみたのですが,なんとまあ,新品で買える物はほとんどないのですね。愕然としました。

 以前は1Uはもちろんハーフラックのものもいくらでも売ってましたし,高価なものから安価なものまで選ぶ事が出来たはずなのに,今や絶滅しています。エフェクタといえば,もうギター用の足で踏んづけるものか,ガジェット系のものしかない有様です。

 しかも,リバーブもコーラスも単独のエフェクターとしては存在せず,マルチエフェクタの要素の1つと,随分惨めな扱いを受けています。すでに1980年代後半にそうした傾向はあったにせよ,それでも単独のリバーブには凛としたたたずまいがありました。

 かくして私は焦り,R100やSE-50を廃棄したかつての愚行を悔やむことになりました。

 冷静に考えてみると,リバーブもコーラスもわざわざハードウェアで用意しなくても,DAWのプラグインでかければ済む事です。しかし,ちょっと演奏したいときとか,ステージに持ち出すときに,一々PCを立ち上げる手間をかけるか,と言うと,やっぱり抵抗がありますよね。

 どうしたものかと腕を組んで考えた結果,1つの結論に達しました。

 PRO-800を購入したお店で見つけた,Pocket Masterというマルチエフェクタを買うことです。

 お値段8800円。ポイントでかなり安くなりそうです。

 なになに,中国はSONICAKEのギター用マルチエフェクタで,安いのに本格的な音が出てくることで話題沸騰中,ガジェット系とはいえしっかり使えるものらしいです。

 以前から話題になっていたとのことで,私は恥ずかしながらノーチェックでした。ギター用なのでモノラル入力,ステレオ出力ですから,今回の用途にも使えそうです。

 そもそもどんなエフェクトがあるのかという話ですが,目当てにしているコーラスとディレイ,リバーブも一応あるみたいです。ただ,あくまでギター弾きにとってうれしいエフェクタであり,なかでも売りはNAM機能なので,評判を真に受けると悲しい事になるかも知れません。

 でもまあ,一応ギターも弾きますし,この値段ですから,オモチャとして買ってみましょう。その感想です。

(1)外観,第一印象

 ギター用のエフェクタらしからぬ外観で,私はこういうの大好きです。縦長でごっついダイキャスト,いかにも踏めと言わんばかりのスイッチやペダルは私には「いつまで1970年代を引き摺ってるのよ」と感じざるを得ません。

 プラスチックで角の取れたかわいらしいケース,小さなカラフルなディスプレイにツマミ1つにスイッチ2つのシンプルさ。これは確かにガジェット系ですね。

 ちなみに,最近ファミコンっぽい色やスケルトンなどのカラーバリエーションが追加されたみたいです。私はグレーを買いました。


(2)操作性

 これは独特の物があるので,慣れるまで大変です。まず電源投入が最初の壁でしょう。ツマミを長押ししただけではだめで,そこから電源投入を選択して短押しという2ステップで要約電源が入ります。

 電源オフもなかなか難しく,通常操作の画面から長押しでメニューを出し,電源OFFを選んで短押しです。このメニューを出すのもなかなかわかりにくく,エディットなどの階層に入っている場合には,通常の画面まで戻らないといけませんが,その戻る方法も2つのボタンの同時&短押しです。わかるかそんなもん。

 こういう,ちょっとズレた操作体系に慣れてしまうと,案外サクサク操作できる物で,エフェクトの選択や編集も簡単にできるようになりますし,システムの設定などもストレスを感じなくなります。


(3)音

 音はですね,まずギターなら,特に欠点もなく楽しく演奏出来ると思います。良く出来ています。大きな音を広いところで出した場合にどんな風に聞こえるかわかりませんが,ひずみ系もディレイも,しっかり作ってある割に真面目すぎず,適度に遊び要素もあって,楽しいですよ。

 アンプシミュレータも良く出来ていると思います。JCのクリーントーンににコーラスとディレイなんて,本当に気分良く演奏出来ます。

 アコースティックシミュレータも追加されたそうなので試しましたが,これは今ひとつ。ZOOMの安いやつの方が,もっと強力にアコギっぽくなります。

 で,肝心のNAMですが,これがもうにやけるレベルです。私はPignoseを持っているのですが,音は気に入っているものの,近所の手前実際に使うことはほとんどありません。このPignoseのデータを手に入れてPocket Masterにロードしてみるとあら不思議,Pignoseの音が出てくるわけです。

 これはちょっと感動です。エフェクトを出来るだけ外しダイレクトにPignoseの音を楽しんでいます。


(4)使い心地

 なんといっても電池内蔵というのが便利過ぎます。乾電池もいらない,ACアダプタもいらない,と,ようやくエフェクタも今どきの仕様になりました。しかもBluetoothに対応しているので,私は試していませんがヘッドフォンもワイヤレスに出来そうです。

 少し気になったのがレイテンシです。すべて有線で繋いだ時にも,僅かに遅れが出る場合があります。弾いているうちに気にならなくなってしまいますが,それは人間がレイテンシを補正して早めにピッキングを行っているからで,褒められたことではありません。


(5)空間系のエフェクト

 私はPRO-800のために,リバーブをかけたくてこのPocket Masterを買いました。ということで,リバーブだけのパッチを作って試しましたが,正直なところ満足出来る物ではありませんでした。

 まず,基本となるアルゴリズムが少なすぎです。しかもそれぞれのアルゴリズムで調整出来るパラメータも少なすぎ,調整の範囲が狭くてなにも出来ません。

 アルゴリズムによってはタップ数が少ないのか,かなり雑なかかり方です。チャーチなどは使い物になりません。

 左右の広がりも音の消え方も中途半端であり,初期反射音も今ひとつで,残響も透明度が低いうえに,途中でブツッと切れてしまいます。いや,こっちが切れるわ。

 コーラスは実用レベルですが,JX-8PのアナログコーラスやJupuier-Xの内蔵コーラスを知るものとしては,シンセサイザーに馴染まない変なコーラスだと思います。僅かに厚みも出ますが,音が前に出てこなくなるのは致命的かなと感じました。


(6)ところがどっこい

 そんな不満だらけの空間系ですが,ギターに繋いで歪ませてアンプシミュレータを通すとあら不思議,心地よいエフェクトがかかるのです。不思議です・・・


(7)結論

 面白いです。そして生真面目ではない音は,プレイヤーとリスナーに,ワクワクするような躍動感を共有できるんじゃないかと思います。

 NAM機能は強力です。これがDAWのプラグインではなく,リアルな実機で,しかもこの値段で扱えるというのは,本当に面白いと思います。もっといろいろ試してみたいです。

 空間系は,私の期待には応えてくれませんでしたが,ないよりまし,PRO-800でもMatrix-1000でも,ちょっと弾いてみる時には便利に使うでしょう。

 ただ,ギターで使うとこんなに面白いとは思ってなかったので,ギターのお供に使うことが主になりそうな気がします。

 うーん,そうすると空間系のエフェクターを考えないといかんなあ・・・捨てなきゃよかったなあ,R100。

 

愛すべきアナログシンセサイザー,BehringerのPRO-800

  • 2025/08/26 14:57
  • カテゴリー:散財

 Behringerという,ある世界ではとても有名な会社があります。ヨーロッパで生まれて現在は中国にある,プロおよびハイアマ用オーディオ機器のメーカーです。

 かつて,プロ用の機材はとても高価で,アマチュアが趣味で手に入れることはとても出来ませんでした。アマチュア用に簡略化された安価な機材はありましたが,それでも決して安い物とは言えず,そのくせ性能はプロ用のものに全くかないません。

 私は,音楽制作を劇的に変えたこととして,電気録音,マルチトラックレコーディング,ディジタル録音に続いてDAWの誕生があると思っていますが,DAWがスタジオ機材のコストを大きく低減させたこと,そしてその結果としてホームレコーディングが一般的になったことで音楽の製作コストが大きく下がり,その価値が激変したことに論を俟たないでしょう。

 同じ視点でBehringerという会社の製品を眺めてみると,DAWに取り込む事がどうしても出来ないハードウェアを,安価に提供することを使命とするこのメーカーの役割もまた,ホームレコーディングという新しい音楽制作の文化を根付かせるに貢献したといえるのではないかと思います。

 今から20年ほど前,円高という事もあってびっくりするような値段でプロスペックの機材がBehringerから登場した時,安かろう悪かろうだとか,デッドコピーだから開発費もかかってないから安いのだとか,いろいろ悪く言う人も多かったように思います。

 事実,私も2015年にステレオ15バンドのGEQであるFBQ1502を買いました。最安の時には1万円を切っていたというこの衝撃的な価格の製品も,使ってみるとノイズも多く,スライドボリュームの感触も悪くてLEDも時々消えたりしてがっかりしましたし,分解してみると安い部品が多用され,しかも決して丁寧とは言えないような作りで,本当のプロの現場で使うのは無理だろうなと思ったものです。

 それでも,同じ物を1万円で作る事は無理な話で,そこにこそ価値があることを理解しなければならないでしょう。

 そんなBehringerも,いつの間にやら大きな会社に成長し,当時はやってなかったギターアンプやシンセサイザーもラインナップするようになりました。しかも,傘下ににCoolAudioという半導体メーカーまで持っていて,絶版になって久しいアナログシンセ用リニアICやBBDなどの復刻をやっているのですから,仮にクローンメーカーと揶揄されてもここまでやればもう拍手するしかありません。

 この会社が自ら半導体まで復刻してクローンを作るには,創業者のブレない意地が大きいのかなと思います。スタジオ機材,とりわけヴィンテージシンセサイザーに対する憧れと尊敬が,新品で,かつ数万円で買えてしまうMiniMoogを作ってしまうのでしょう。

 確かに開発費は負担していませんし,シンセサイザーの専業メーカーにとっては不当な競争を仕掛けられたように感じるでしょう。商習慣として必ずしも褒められたことはなく,時に信念というのは個人の想いとは別に,体制に抗うことそのものだったりするものです。

 ですが,Behringerの場合,シンセサイザーのメーカーに対する尊敬は忘れていませんし,喧嘩をすることを望んでいるわけでもなさそうです。そこには欲しくても買えなかったというかつての自らの悔しさを知恵と工夫で解決し,欲しい人が現実的な価格で入手出来る製品を揃えるという創業のきっかけが,今も生きているからだろうと思います。

 そんなシンセサイザー大好きなBeringerが,MiniMoogのクローンをびっくりするような価格で発売したとき,多くの人が驚きました。神格化されたMiniMoogが数万円です。しかも,形だけ似せたわけでも,その逆の音だけ似ていて形は全く別物になっているわけでもなく,音も形もMiniMoogらしさを取りこぼさず,上手いさじ加減がなされていました。さすがヴィンテージシンセが大好きな人らしい仕事だと思った人が多かったからこそ,今もクローンを作ることが出来るのでしょう。

 好評だったのか創業者の意地なのか,シンセサイザーのラインナップは増えていきます。前述したように,80年代のシンセサイザーを復刻するのに避けて通れない専用のICを半導体のメーカーまで手に入れて用意するんですから,もう本気です。

 そうして復刻されたICを使って甦ったのが,SequentialのProphet600を復刻したPRO-800です。名機Prophet5ではないのがまたBehringerらしいところで,Prophet5までいってしまうと本家のRev.4と衝突しますし,木箱など値段の下がらない要素もあって,安くなるとは言え数万円というわけにはいかないでしょう。(聞いた話では,Prophet5のボイス数を増やした物を開発中だが難航しているということです。コストもそうですけど,純粋に技術的難易度が高いという事かもしれません)

 そんなProphet600は当時Prophet5の後継機種と言われた,世界で最初にMIDIを搭載したシンセです。2VCO+VCF+VCAという構成ですが,エンベロープやLFOはソフトでやっている,まさにアナログポリシンセの第2世代といえるものです。

 Prophet5よりも随分安くなったとは言え,DX7と同時期では,価格と性能で圧倒的に見劣りし,そんなに売れなかったと聞いています。

 ですが,アナログの音の良さが見直された昨今,音の良さに定評のあるPropeht600が復刻に最適だったと言うことは納得出来るお話です。

 このProphet600の復刻版であるPRO-800,オリジナルとは大きく異なっているのが,鍵盤のない音源モジュールであることです。一方で6音ポリから8音ポリに同時発音数も増えていて,オリジナルにはなかったノイズジェネレータも搭載されています。

 しかし,音そのものはProphet600と同じ物を目指していて,VCOもVCFも同じものを搭載し,あの特徴的なProphetサウンドが再現されています。加えて,CPUの速度から来るエンベロープのもたつきなども解消されていて,シンセサイザーとしての基本性能にはちゃんと手が入っているというわけです。

 2022年に登場した時は7万円を越えていたと思うのですが,先日見ると58000円まで値下がりしていました。これ以上下がる事はないだろう(実はありました・・・)し,下手をすると品切れになるかもしれず,またVCOのチップが1つ3000円近くする(しかも現在入手困難)ことを考慮すると決して高いものではないということで,思い切って買うことにしました。

 冷静に考えてみると,VCOのポリシンセって,これまで一度も手に入れたことがないんですよ。モノシンセやDCOポリシンセは持ってたんですが・・・


 2週間ほど前に届いたPRO-800ですが,第一印象は思いのほかチープな感じです。ぱっと見ると1980年代前半のメカメカしさはあるのですが,木と見せかけたサイドウッドや,アルミ削り出しと見せかけたツマミと,触るとわかるプラスチッキーなチープさを知ると,がっかりするかも知れません。

 私はそんなことにあまりこだわらないので,さっさと音出しです。

 音を出すために準備をするわけですが,今どきMIDIケーブルなんて,若い人は使うんですかね・・・私もしばらく探し回りましたよ。

 それから,アウトプット端子が1つだけという潔さ。そう,アナログシンセは,エフェクタを内蔵していないならモノラルのアウトプット1つなんです。いいですよね。

 ヘッドフォン端子もあるのですが,これは単に両耳で音が出るようにしてあるだけの物で,なにも特別な効果は得られません。ということで,ここにヘッドフォンを差し込み,音を聴いてみます。

 うーん,なるほど。

 これがProphetの音なんですね。今まで特に意識してこなかったんですが,YouTubeで見るProphet5の音なんかと,確かに共通するものはあります。ポリシンセが珍しかった頃に,こんな音が和音で出せたらそりゃ感動するに違いありません。

 純粋なアナログ,VCOシンセらしく,16個あるVCOがそれぞれ微妙にチューニングがずれています。これがまた独特の厚みや響きを生み出すのです。DCOシンセとは全然違うとしか言えません。

 で,いきなり2時間ほど演奏してみましたが,思ったほどチューニングのずれもなく,比較的安定して演奏出来ました。やはりIC化されたVCOってのは,実用レベルのシンセサイザーをきちんと作る事ができるんですね。

 さて,早速1つ音を作ってみます。私の場合,馬鹿の一つ覚えとも言うべきシンセストリングスをいつも作ることにしているのですが,VCAのエンベロープはアタックを遅めに,リリースを長めにしたいわゆるストリングスでありながら,VCFのエンベロープは強めのアタックに短めのディケイ,サスティンは低くリリースも短めにして,レゾナンスをかけたフィルタをぐいっと動かします。

 これでフィルタの利き具合とか,のこぎり波の倍音とかをさっと確かめる訳なんですが,さすがPRO-800はProphetの直系だけに,とてもしなやかで密度の濃い音が出てきます。しかもVCOならではの音の分厚さがあるので,演奏していて楽しくなるストリングスです。

 ポリモジュレーションでエンベロープをVCOにもかけると,どこかできいたシンセブラスの音になります。PRO-800のポリモジュレーションはProphet5なんかと違ってPWMにはかからないそうで,そこが残念な所の1つなんだそうですが,私自身はそれがどれくらい音作りに影響があるのかよく分かっていないので,この段階で十分楽しいです。

 先日のMatrix-1000やMicronのように,モジュレーションの自由度が高いとどうしても音作りが難しくなるものですが,それらをうまく整理し,モジュレーションを限定して音作りのやりやすさと自由度を両立を試みるのがポリシンセです。

 その整理具合は各社の思想やモデル毎の個性から生まれるわけで,当然自分のやりたいことにすぐに届けば「いいシンセ」,自分のやりたいことが出来なければ「ダメなシンセ」ということになります。

 シンセサイザーは楽器ですから当然音の良し悪しも大事ですが,何でも出来るはずのシンセサイザーをあえて不自由にする作業こそが,シンセサイザーの開発のキモではないかと思います。

 SequentialのProphetシリーズはそのあたりが実に上手く,ブラスやストリングスと言った定番の音にもすぐに手が届きますし,ポリモジュレーションで金属音や効果音などの音を作る自由度もありますから,使いやすくて何でも出来て,しかも音がいいので今でも強く支持されるのでしょう。

 PRO-800はそのシーケンシャルの末っ子の,しかもクローンです。ですが,その思想はしっかり継承されているように感じました。これでわかった気になるのは危険ですが,確かにPRO-800を触っていると,Prophet5がなぜ名機と言われるのか,納得できる気がします。

 わかりやすいツマミの配置,出てくる音が予測可能,必要にして十分なパラメータの数,なによりよく効くフィルタに分厚い音が,このシンセサイザーでの音作りに没頭させてくれます。

 加えて,拡張機能でVCFとVCAのベロシティに対応しているのですよ。これはうれしい。昔のアナログシンセの何が悔しいかって,ベロシティやアフタータッチに未対応であることです。しかもMIDI対応ですからね。

 アフタータッチは鍵盤側の不備から未対応でも構わないのですが,どんだけ存在感のあるいい音でもベロシティには対応してくれないと,実戦で使うわけにはいかんのです。だからPRO-800もMatrix-1000も本当にいい子です。

 PRO-800はこれ以外にもうれしい追加機能があります。例えばLFOの波形です。オリジナルには矩形波と三角波しか用意されていませんが,sin波やランプ波,ランダム,ノイズまで用意されています。このランダムというのは何かを計算中の電子頭脳(!)を表現するあの音を出すときに絶対に必要となるもので,これがないともうお手上げです。(お手上げでもぜんぜんかまわんのですが)

 あと,先にちょっと触れましたが,ノイズジェネレータも搭載されています。Prophet600ではノイズジェネレータを搭載する改造が定番化してるそうですが,これを最初から搭載しているのがPRO-800です。憎いですよね。

 定番の改造と言えば,CPUの高速化でエンベロープやLFO,反応の高速化などを行うものがあるそうで,このCPUの置き換えを行っている人の意見を取りこんでPRO-800は開発されているそうです。ならば,この改造も反映済み,と言うことでよろしいんじゃないでしょうか。

 つまるところ,Prophet5と同じ傾向の音を8音ポリフォニックにし,ベロシティ&アフタータッチとMIDIに対応して,小さく軽く安くしたものがこのPRO-800なわけで,そう考えるとなんと素晴らしいシンセサイザーかと思い知ります。

 とはいえ,いいことばかりではありません。悔しいのは,操作がややこしいことです。もちろん,音作りに使うツマミのダイレクト感に不満はありませんが,それ以外の操作についてはマニュアル無しでは怖くて触れません。

 音色の記憶やツマミからアクセス出来ないパラメータの変更は7セグのLEDを見ながら行わねばなりませんが,正直これはきつい。一応オリジナルが2桁であるのに対し,PRO-800は4桁に倍増してはいますけど,表現力が乏しすぎます。

 確かにPRO-800はProphet-600のクローンですから,特徴的なシートキーや7セグLEDも引き継ぐべき要素だったかも知れません。しかし,機能は増えているのですから,無理にこの操作系にこだわる必要もなかったかなと思います。

 例えば,PRO-800ではバンクという考え方で音色メモリーを大幅に拡張しています。ただ,バンクBの01番を表示するのに,8-01ではさすがにわからんです。なんでb-01にしなかったんでしょう。

 さらにいうと,PRO-800では音色名も記憶でき,PCからも管理出来るようになっているのですが,これを無理に7セグで表示しようとするので,CPUが暴走したのかと一瞬焦ります。だからでしょうか,音色名の表示をOFFにする機能まで用意されているんですよ。

 個人的には,14セグのLEDを搭載して欲しかったです。LCDやOLEDは,キャラクタタイプでもグラフィックタイプでも,PRO-800のクラシカルな外観にはマッチしないと思うので,Prophet600の範囲で動いているうちは7セグで,PRO-800で拡張された機能については14セグで表示するようにしてくれたら,小うるさいマニアも黙ったことでしょう。

 操作系についてさらに言えば,データのエントリーのために新設されたロータリーエンコーダに難ありです。これ,クリックなしなので,どこでデータがエントリーされたかわかりにくいので個人的には許せません。可変抵抗をA-Dコンバータで拾う方式ならクリックはいりませんが,ロータリーエンコーダはデジタルの入力装置ですから,ONとOFFの区別はユーザーにフィードバックされねばならないでしょう。(時々ロータリーエンコーダをまるでアナログの入力機器のように実装した物に巡り逢うことがありますが,これは見事ですよね)


 ということで,いくつかの不満もありながらも,PRO-800は新品で買える本物のアナログポリシンセとして,最も安価で最も扱いやすいものだと言えると思います。

 この価格での2VCOの8音ポリフォニックは唯一無二の存在でしょうし,VCFはProphetゆずりで音の良さは間違いなし。

 アナログシンセの醍醐味である音色の編集は整理されたパラメータをダイレクトにツマミを回して直感的にできて,Prophetの伝統であるポリモジュレーションでシンセサイズの自由度も確保。LFO波形の追加やベロシティ&アフタータッチに拡張メニューで対応して演奏の幅も現代水準です。

 その上小さく軽く,その気になればユーロラックにもマウント出来て,こんな合理的な選択肢があっていいのかと,つくづく不思議になるくらいです。これはやっぱりCoolAudioがアナログシンセ用のICを復刻したことが大きいでしょうね。

 では,これをDAWで使うかと言えば,優秀なアナログシンセのプラグインが安価に手に入りますし,6万円も出して8ボイス1パートだけ,しかもMIDIとアナログ信号で処理することになる面倒さを考えると,強いこだわりがないと出番はないでしょう。

 ライブならこれはギターと十分張り合えますし,バンドサウンドにぐっと厚みも出ること間違いなしでしょうが,今どきのバンドでアナログシンセ混ぜるチャンスなんかあるのか?と問われれば,80年代のコピーバンドくらいしかないかも知れません。

 それでも,このつるんとした音は唯一無二です。リード,ブラス,ストリングス,ベースと,いくらでも応用はできます。それに,音作りという創造的な作業に没頭し,気が付いたら日が暮れていたという体験は,音楽を作るという一連の作業において別次元の豊かさを味わえるものです。

 つまらない音のシンセサイザーでは,何時間も音作りなどできません。操作が複雑なシンセサイザーなら音作りは苦痛な作業です。パラメータの少ないシンセサイザーだったら,底が浅くてすぐにあきてしまいます。

 PRO-800は,それらを上手くバランスした,現時点における最も現実的で魅力的な解だと思います。みなさんも買えるうちに買っておきましょう。あ,リセールバリューは期待出来ないので,死ぬまで使う気持ちで買って下さい。

 最後に,シーケンサーやアルペジエータについて。これらの機能は私はあまり興味がなく,使っていません。面白いとは思いますが,感想を述べるほどに使わないと思いますので,そこにこだわるなら別のシンセを買うか,MIDIで動かして下さい。


 ・・・ところで,クリックのないロータリーエンコーダについてなんですが,クリックありの物に交換したところ,随分使い勝手が良くなりました。秋月電子で売られているアルプスのロータリーエンコーダと置き換え可能です。電気的な互換性はもちろん,フットプリントも同じですし,シャフトの長さやシャフトとツマミとの相性もバッチリですので,そのまま交換出来ます。

 クリックがあることで,確実な操作ができることは間違いないのですが,音色の選択だけは3クリックで1エントリーになるようで,音色が切り替わるのに3回のクリックを数えないといけません。これはかなり面倒です。

 それ以外のパラメータ変更は1クリックで大丈夫なようで,さすがに操作に違和感はなくなりました。

 好みの問題もありますが,クリック無しでゆるゆると変化するパラメータにイライラする方は,交換を検討されてはいかがでしょうか。

ALESIS MicronのディスプレイをOLEDに交換することに成功

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 私がALESIS micronを手に入れたのは2009年にのことで,当時もすでに特価で売られていました。アナログモデリングのシンセですが,音も太くて低域も豊か,AKAIのMiniakも含めるとそれなりの数が出たのではないかと思います。

 シンセサイザーとしてのアーキテクチャも独特なら,37鍵のシンセサイザーとしてはやや大柄で無骨な外観はデザインも個性的,UIも国産機にないものがあります。

 安かったこと,アナログモデリングを使ってみたかったことで買ったわけですが,なるほど音は素晴らしく,あのアナログシンセの音,あの曲で使われていた音が出てくることに感激したり,そうかと思うとアナログシンセが苦手とする音がパーンと出てきたりして,良く出来ているなあと思う一方で,内蔵エフェクトの弱さや音作りの面倒臭さもあって,面白いなあと思うほど触ることはありませんでした。

 音も良いので音作りをしたいのですが,パラメータが多いこと,またモジュレーションマトリクスが音作りのをキモになるという点で,見やすいディスプレイがないと辛いのですが,micronのLCDはとにかく目が疲れるものでした。

 2009年の艦長日誌には,LCDのバックライトが明るすぎて,目に焼き付くほどだと書いてあります。黄緑色のバックライトに黒の文字ですが,長時間にらめっこする音作りにおいて,どうしてこんなに明るいのかと首をかしげるほどのLCDを見続けるのは,私には無理でした。

 コロナ禍で社会が沈み込んでいたある時,micronのLCDをもっと見やすいものにすれば,音作りも楽しくなるのではないかとひらめきました。シンセサイザーによくある,絆創膏のような小さい16x2行のLCDを見やすくするために,プラグコンパチな有機ELのディスプレイに交換してしまうのです。

 LCDの劣化で見えにくくなったものをOLEDに交換するというこの手の改造は割に多く見られるようで,国内外を問わず目にすることがあります。しかし,簡単にいかないケースも多いようです。

 micronのLCDをOLEDにする改造を日本語で見つけることはなかったのですが,海外にはチラチラと試みている方がいるようです。失敗した,上手くいく方法はないか,という掲示板の書き込みばかりで,上手くいったという話を見つけることは出来ません。

 まあ,やるだけやってみようと,パラレル接続のLCDとコンパチなOLEDを秋月電子で購入し,とりあえず付け替えてみました。

 結果は惨敗。全く何も表示されません。

 原因を考えてみますが,気が付いたのは信号の電圧レベルです。LCDは種類によりますが2.2V以上をHighと認識します。一方秋月で買ったOLEDはデータシートによると電源電圧の0.7倍とありますので,3.5VでHighです。

 で,micronの回路図を見ると,LCDはFPGAに繋がっていて,このFPGAのI/O電圧は3.3Vとなっています。ということはLCDの信号レベルは3.3V系という事になる(LCDは5Vで動いています)ので,実はOLEDではHighと認識しないのです。

 波形を見てみると本当に3.3Vのロジックレベルなので,これで動かないのも当然という感じです。そこでレベルシフタを入れて5Vに変換したのですが,画面に出てきたのは判別不能なゴミです。

 ここに至って,LCDとOLEDのコントローラの非互換部分に依存する物と結論しました。それはコマンドかも知れないし,タイミングかも知れません。初期化の違いかも知れませんし,待ち時間の多い少ないかも知れません。ただ,いずれの場合もmicronのファームウェアを改造しないと対策できない範囲の話なので,ここで私はあきらめて,白色LEDのバックライトで白い文字が出てくるLCDへの換装で妥協したのです。

 しかし,やはりLCDはまぶしい上にムラもあり,長時間の凝視には厳しいです。やはり音作りを行うことは出来ませんでした。そして3年・・・

 先日デジットのランダムボックスを買うときに,特価していたOLEDを数枚買いました。というのも,異なるメーカーのOLEDが見つかったらもう一度トライしようと思っていたからです。コントローラが同じならダメですが,試してみる価値はあるでしょう。

 ということで,お盆休みに暑ざにも負けず,共立電子のOLEDに交換して再度試してみたわけですが,やはり全く画面になにも出ませんでした。

 さて,ここからが本番です。この3年で暖めていたアイデアがあります。実現に向けて検討開始です。

(1)レベル変換

 3.3VのFPGAに5VのOLEDを繋ぐのですがら,レベル変換は必要です。簡単に済ませるため74HC244を使って変換します。結果は前回同様,おかしな表示が出て来ました。


(2)バスの双方向の可能性
 
 前回も気になってはいたのですが,バスが双方向の可能性がありました。コマンドによって異なる処理時間を,ビジーフラグをみてコマンドを投げるように真面目に組んであったら,レベルシフタも双方向でないと動きません。

 そこでR/W端子の波形を見たところ,ずっとLowのままです。つまり双方向ではなく,片方向で動かしているという事です。もし双方向だったら74HC245を使い,R/Wで向きを反転させるような回路にしないといけないところでした。


(3)初期化の問題

 今回の新しいアイデアというのがこれで,初期化の非互換が原因とした場合の対策です。

 LCDとOLEDでは,電源の電圧と電流に大きな差があり,特に安定時間に違いが大きいです。動き出してしまえばコマンドも同じように作ってあるので問題はないはずですが,ひょっとするとOLED特有の初期化コマンドがあったりするかも知れません。

 実績として,ヤマハのシーケンサーであるQX5FDは,元々のLCDをそのままOLEDに交換することが出来ました。このことから,初期化後のコマンドやデータに互換性がある(ただしタイミングは違うかもしれない)わけですから,非互換は初期化の段階で起きている可能性が大きいでしょう。

 そこで考えたのが,OLEDの初期化を別のマイコンで行い,初期化が済んだらmicronに切り替えるというアクロバティックな方法です。初期化後なら,表示が変わっていない時は新しいコマンドは発行されていないので,切り替えてもおかしなことは起こらないはずです。

 ブレッドボードを使ったバラックで試してみます。まずTiny2313とOLEDを4bitモードで普通に繋ぎ,まともな文字が出るようにプログラムを書きます。以前作ったLCDのテストプログラムをそのまま使ったのですが,2行目になにも出てこずしばらく悩んだところ,やはり初期化に一部違いがあることがわかりました。(とはいえこれは表示が出てこないという致命的な問題の原因ではありません)

 最終的にはOLEDだけではなく,LCDでも表示が出来るように,共通の初期化を行うようにします。

 安定して表示が出るようになったら,74HC157を2つ使って,micronとTiny2313をスイッチできるようにします。選択は手動です。

 試してみると,OLEDでもLCDでも,まともな表示が出るようになりました。いやー,我ながら無茶をしますね。でも,波形を見る限り,問題は初期化にある可能性が高かったんですよね。

 配線が長くなったので不安定ですし,文字化けもあるのですが,とにかく基本路線は間違ってなさそうです。それならとTiny2313のコードをいじって,切り替えを初期化の直後に行うようにGPIOに信号を出し,HC157に繋いだところ,期待通りの動きをしています。切り替えタイミングが遅すぎるようで,変更された文字だけが表示される状態でしたから,切り替えのタイミングをうまく調整すると,完全に表示が出てきそうです。


 ということで,早速ブレッドボードで組んだ回路を万能基板に作り直しました。今度は実機に組み込みますから,格納場所をよく考えて基板を作ります。今回はOLEDのコネクタに差し込む小基板の体裁をとりました。この小基板にmicronのケーブルを差し込むような感じです。

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 基板が出来たらTiny2313のコードを見直します。多めにとっていたウェイトを削り,素早く切り替えが出来るようにします。特に電源安定時間として500ms必要というデータシートの指示を守るのは難しいので,最終的に250msまで削減しました。200msまでならなんとか起動できるのですが,ギリギリは怖いのでゆとりを持たせました。

 こうして出来上がった基板を間に挟んで試したところ,一発で動作しました。OLEDにまともなmicronの表示が出ています。トランスポーズやパラメータの表示で出てくるグラフィックも問題なく出ており,なにも問題はありません。

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 気をよくした私は,Tiny2313に起動メッセージを出すことにしました。起動メッセージが出ている間にTiny2313が初期化を行っているので,もし起動メッセージを出すならTiny2313で出すしかありません。

 なかなかタイミングがシビアだったのですが,0.3秒ほどAlesis Micronという起動メッセージを出すことができました。これがスクロールしたり1文字ずつ出てきたりしたらアウトだったのですが,シンプルで良かったです。

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 電源を何度も再投入するとOLEDの電荷が抜けず,OLEDのリセットに失敗するようで文字化けがあるのですが,ゆっくり起動すれば問題ありません。

 それより,この見やすさ。
 
 いよいよ組み込みです。モジュールの形状も大きさも違うので工夫が必要ですが,もとのLCDがバックライトありの分厚いもので,楽に固定する作戦だと薄いOLEDの場合パネルから随分深い所に表示が出ることになり見にくくなります。

 せっかくの美しい表示なのですから,見やすさにもこだわりたいところで,モジュールを大きく削り,両面テープでパネルの裏側に貼り付けることにしました。おかげでとても見やすく,井戸をのぞき込むような面倒臭さがなくなります。

 組み立てて動作の確認をします。動作の不安定さもなく,文字化けもありません。表示の更新にもちゃんと追いついているようで,ガチャガチャと乱暴な操作を行っても表示は乱れることがありません。実用レベルでしょう。

 ということで,作業期間は3日ほど。散らかった部屋で検討したので塗装が剥げてしまったり傷がついたりしたのが,いかにも私らしいわけですが,ともかくこれで音色のエディットで目が痛くなることはなくなりました。じっくり腰を据えて音作りができます。

 おそらく,micronのLCDをOLEDに換装できた人は世界中で私くらいのものでしょう。こういう無茶をする人はいないでしょうし,かといって他の真っ当な方法は非現実なほど難しいです。(例えばmicronの初期化のコードを変更するにはColdFireの開発キットが必要になりますし,バイナリで直に修正するには規模が大きすぎます。)

 今思えば,初期化のあとに切り替える方法でなくとも,初期化の後もTiny2313でmicronからのコマンド度データを受け,これをOLEDに再送する仕組みでいけるかなと思いましたが,まずTiny2313にLCDと同じ挙動を実装しないといけませんし,再送だとどうしてもタイミングがシビアになると思うので,これはこれで難しかったんじゃないかと思います。

 何年も暖めたアイデアがこうして正しいと証明されるとうれしい物ですし,この仕組みは初期化におけるLCDとOLEDの非互換部分を埋めるものと言えるかも知れません。

 なによりこうして使いにくい物が使いやすくなっていくことがうれしいじゃないですか。


[おまけ]

 今回の検討は最終的には上手くいきましたが,実はそれなりに犠牲も大きかったです。LCDモジュール1つとOLEDのモジュール1つを壊してしまいました。

 どちらも電源の逆差しが原因です。ブレッドボードでの実験で,LCDとOLEDを交換する時に,電源が入れ替わっていることに気が付かず,どちらも逆に繋ぐという馬鹿なことをやってしまいました。

 LCDはまだ外し品だから良かったものの(それでも端子が1列に並んだブレッドボード向きの奴はこれだけしか持ってなかったので地味に痛い),OLEDは秋月で買った1580円もした高価なやつです。

 LCDはまった表示が出なくなったのであきらめもつきましたが,OLEDはしばらく表示も出ていて,徐々に表示されている時間が短くなっていき,やがて全く出なくなってしまったので,悔しいです。

 電源のGNDを外すと表示が出たりしたこともあったので,電源の逆差しでドライバのVDD-GNDがショートしたんでしょう。他のGNDに繋いだ端子経由で電流が回って動いていただけで,ここも壊れてしまっていよいよ表示が出なくなりました。

 表示が出なくなったときには,100mAも電流が流れて発熱していました。完全に内部でリークしています。最後には全く動作しなくなったので,捨ててしまいました。

 ああ,もったいない。

 

Matrix-1000のメンテ

 実家の荷物をすべて引き上げることになったのが2021年の9月末,そこからもう4年も経過するというのですから,時間の経過というのは残り時間が少なくなるほど早く感じる,残酷な物だなあと思います。

 多くの所有物を心を無にして捨ててきましたから,現在残っている物にはそれなりのワケがあるわけで,可能な限り残しておきたい(私の手元にという意味もありますが,他の人の手に委ねてでもという意味もあります)と考えて引き上げてきたものをほったらかしにするわけにいきません。

 そんな品々の中に,OberheimのMatrix-1000というアナログシンセがあります。1980年代に登場した「最も安いオーバーハイム」で,デジタルシンセ全盛の時代に登場したモダンなアナログシンセです。

 Matrix-6というアナログシンセと共通の音源(といっても細部は違うようです)を持つラックマウントの音源モジュールですが,音色のエディット機能は持っておらず,プリセットされた音色を選ぶだけという割り切った仕様で,低価格と1Uラックサイズを実現しています。

 そのプリセットはなんと1000音色。どれもオーバーハイムらしい音色であり,それはすなわちアナログシンセの神髄を存分に楽しめるという事です。

 スペックを並べてみると,2DCO+1VCF+1VCAの6音ポリという王道の構成で,名前の通り強力なMatrixModurationも装備しています。DCOはVCOに比べて1ランク下のイメージがありますが,ピッチの安定度は実際にVCOのシンセを使ってみると,とてもありがたいものです。

 8254というタイマーICからの矩形波をのこぎり波や三角波にするWave shaperとVCF,VCAをワンチップにしたCEM3396を使って部品点数を極限まで減らしたシンプルな構成は,アナログシンセの完成形と言えるでしょう。

 アナログ末期の製品ということで,ベロシティとアフタータッチにも対応していて,なんとベロシティはノートオンだけでなくノートオフベロシティにも対応するという充実ぶりです。これらをMatrixModurationで縦横無尽に割り当てることが出来ます。

 USA製と日本製の2つがあるとされていて,音の違いもあるとかないとか。数も出たし安価だったこともあり,目にする機会も多かったオーバーハイムでした。

 かくいう私がこれを手に入れたのは高校生の時です。当時の唯一の音源だったD-20の音の細さと同時発音数に限界を感じていて,パッドやストリングスにアナログシンセを導入したいと考えていました。

 そこに偶然,弟から「友人がMatrix-1000を売りたがっている」と話があり,私が買うことにしたわけです。金額はもう覚えていませんが,当時の中古の価格と同じ程度だったと思います。

 手に入れた私は初めてのアナログシンセをワクワクしながら触ってみたのですが,まず出力がモノラルであることに衝撃を受けました。リバーブもコーラスもなく,1000音色もあるというのに使えそうな音が数個しかないという現実に,アナログシンセが時代遅れの楽器であることを思い知ったのでした。

 今ならそれが間違いである事を理解していますし,実際改めて1000音色を聞いてみると,どれもとてもアナログらしいいい音で,即戦力になる音も100個は下りません。要するに当時の私のレベルが低かっただけのことなのですが,それでも当時,お気に入りのPADやストリングスを,深めのエフェクトをかけて使っていました。

 1Uのラックマウントとはいえ奥行きがあり,重量も重かったので持ち運ぶことはしなかったのですが,あの当時にブラスやリードの戦闘力に気付いていれば(そしてそれらを使いこなせていれば),VintageKeysの代わりに持ち歩いていたんじゃないかと思います。

 そうそう,1996年のことだったと思いますが,電源投入から10分ほどすると暴走するという故障がありました。原因はマスクROMの不良で,読み出せるうちにさっとEP-ROMにコピーを取り復活させました。

 2021年の秋に自宅に引き上げてきた時,バックアップ用のリチウム電池は交換したのですが,その後は一度も電源を入れず,音も出していません。もう壊れているかもしれないなと思いつつ,なんとなくそれを知るのが怖くて,今まで屋根裏部屋に放置していたというわけです。

 ここ数年,夏の暑さが厳しい事もあって,そろそろメンテをしないといけないと重い腰を上げ,まずは簡単な動作の確認をしました。うれしいことにちゃんと音が出ています。心配していたVOICE間のバラツキもなさそうで,あのオーバーハイムの音がちゃんと出てくれて,胸をなで下ろしました。ただし0-199までのプリセットは消えていました。

 ということで,電解コンデンサの交換が主なメンテナンスになりますが,ぱっと見るところ音に直接関係しそうな電解コンデンサはなさそうで,良い設計だなあと感心しました。

 心配なのは電源の平滑用の4700uFと6800uFが,高さ25mmの低背だったことです。秋月を含め,さすがに25mmのものは入手出来ず,やむなく30mmのもので手を打ちました。もし天井にぶつかってしまうようなら交換をあきらめることになりそうです。

 交換用の電解コンデンサを秋月電子に注文し(電解コンデンサは生ものなので,使う時に買うのが鉄則です),届いたら早速交換作業開始です。

 Matrix-1000の基板はガラエポの両面で,パターンが弱く剥がれやすいです。丁寧にハンダ吸い取り機を使って古いコンデンサを外して行きますが,やはりいくつかのパターンは剥がしてしまいました。これが後々仇になります。

 新しいコンデンサに付け替えて作業終了です。1時間半ほどの作業ですが,単純な交換作業ですので大丈夫だろうとテストもしないで組み立ててしまいました。

 電源を投入し起動を確認したら音出しです。しかし,出ない音があります。アナログのポリシンセで和音を演奏し,ちゃんと音が出ていないVOICEに気付いた時の,あの絶望感は体験した事のある人しか分からないでしょう。

 テストモードで調べてみるとVOICE2が全く機能していません。音がおかしいとか小さいとかではなく,全く音が出ていません。むしろこういう故障は判断が楽なので,気をよくして交換したコンデンサの周辺を確認します。
 
 すると,VOICE2のCEM3396の周辺にある4,7uFの電解コンデンサのパターンが切れているのがわかりました。他のVOICEと比較しても,このパターンが切れていることは明白で,ここをとりあえず繋ぐ必要があります。

 バラしてパターンを修復し,また組み立ててテストです。今回は問題なく,どのVOICEも綺麗に音が揃いました。この感激もアナログポリシンセの修理でしか味わう事の出来ないものでしょう。

 初期化,キャリブレーション,DAC電圧の調整(ExtFunc -> 7 -> 2 -> EnterでDAC電圧をVR701を調整して0mVにする)を済ませ,消えた0-199のパッチをロードし,バッテリーを交換して修理完了。心配していた平滑用の電解コンデンサはぎりぎり天井にぶつかりませんでした。

 キーやツマミも水洗いし,中も外もすっきりしたMatrix-1000ですが,改めて音の良さと使いやすさを見直しました。どの音もちゃんとオーバーハイムの音ですし,さっと呼び出すだけで戦闘態勢になるというのは,ライブでもきっと重宝したでしょう。

 アナログシンセと言っても80年代中頃のDCOポリシンセは,それ以前のヴィンテージシンセとは全く別物で,これはこれでとても魅力的な音がします。安定したピッチに故障知らず,場所も取らず持ち運びが楽で消費電力も小さくて,音もモダンで存在感があり,しかも使い道が豊富とくれば,一家に一台ぜひ,という感じです。

 また,どうしてもDX7を意識しなければならなかったJX-8Pなどの当時の国産アナログに比べ,この頃のアメリカ製のシンセサイザーには堂々とした風格があります。交換した電解コンデンサを調べてみましたが,どれも容量抜けもなく,きちんと性能を維持していました。部品の品質もよかったみたいで,当時のアメリカの丁寧なものづくりを垣間見た気がします。

 しかし,こうなってくると,故障したときが心配です。CPUやRAMなどの汎用品はどうとでもなるとして,キーパーツであるCEM3396だけはストックもありませんし,入手も難しいでしょう。あるところにはある部品なのでしょうが,CoolAudioが互換品を作っているという話も聞いたことがありません(似たような機能をもつV3397というチップは作ってるようですが,互換品ではありません)ので,それなりに苦労しそうな気がします。

 パターンの修理やROMの交換,電解コンデンサの容量の違い(リセット回路の15uFは入手の関係で22uFに置き換えました)もあってオリジナルと胸を張って言えなくなってしまいましたが,おそらく死ぬまで持ち続けることになるMatrix-1000を,実際に演奏して楽しみたいと思います。


デジットの味をご家庭で2025

 先日,デジットのランダムボックスが久々に売り出されました。200回記念という事だそうですが,前回は確か年始だったと思うので半年ぶりです。

 その年始のランダムボックスは発売されたことに気が付くのが遅く,売り切れていました。今回こそは買い逃さないようにしようと,急いで買うことにします。

 過去には決済官僚に時点で残り数個になっているほどの人気商品なので,あわてて決済まで済ませたのですが,なにやら今回は在庫数がなかなか減りません。ちょっと拍子抜けしつつ,自宅でデジットを味わえるのを楽しみに,翌日の到着を待っておりました。

 果たして届いたランダムボックス,今回はこれまでになく,微妙な中身でした。

 まず,スカスカです。いや,別にぎっしり入っている方がお得とか,そういうことは電子部品には当てはまらないのですが,それでもランダムボックスというのは届いた部品をあれこれと品定めするのが楽しいわけで,数が少ないのはその楽しみも少ないという事になります。この時,私は少し嫌な予感がしました。

 詳しく見ていきます。2つのビニル袋が入っていたのですが,こんな感じの中身でした。

・DIN 13Pメスコネクタ
 DINコネクタの13Pです。確かに今は貴重かも知れませんが,もともとPC-8801のキーボードで使われているのをみたことがある程度で,正直使い道がありません。

・Y14H-1C-12DS
 12Vの小型リレーで1回路2接点のものです。秋月電子で120円です・・・

・PX-10
 今回の最大のゴミはこれでしょう。キーエンスの製品なのですが,なんだろうと思って調べてみると光電センサ向けのアンプユニットだそうです。センサがないと意味がないだけではなく,仮にセンサがあっても使い道はないなあ。
 分解して部品取りにでもと思いましたが,めぼしい物もなさそうです。
 後述するように2つ目を買った時に感じたのは,こいつが入っているから,中身が少なかったんじゃないだろうか,ということです。

・Z80A-CTC
 Z80ファミリのうち,CTCです。これもまあ,かつてX1用のMIDIボードを自作するときに買いましたし,X1turboやFM音源ボードに搭載されていた関係でおなじみのLSIですが,今使うかと言えば・・・

・LH5116-10 4個
 シャープ製のCMOS SRAMで,2k x8ビットの「普通」のSRAMです。4個入っていても2kバイトでは全然うれしくないですし,補修用としても手持ちが腐るほどあるので,もはやゴミです。

・GAL16V8B
 今回,一番興味を惹いたのが,このGALです。1990年代中頃,まだまだFPGAがアマチュアには遠かった時代,自分でプログラム出来るロジックICとして,唯一アマチュアが手作り出来るカスタムICだったのが,PALやGALと呼ばれる小型のPLDです。
 PALはワンタイムだったのに対し,GALは何度でも書き込み出来たので,アマチュア向けでした。TTL数個をまとめる事の出来る便利なデバイスで,特にアドレスデコーダなんかで重宝するのですが,書き込み器が高価で自作例も少なく,今で言うEDAツールであるPALASMも高価で入手困難と,やっぱりアマチュアには高い壁でした。
 今ならPALASMは無料で使えますし,ライタは汎用の物がサポートするのですぐに始められるのですが,そんな今はデバイスの入手が難しくなっています。
 私も使いたい時が何度もありました。今さらという気もしますが,当時の追体験という事で,なにかプログラムしても面白いかも知れません。

・4.7V 1W ツェナーダイオード
 品名など一切不明,ガラスモールドの4.7Vツェナーです。ポイントは1Wという大型であることでしょうか。普段自分が作る回路でこんな大きな物は必要ないのですが,修理で使うこともあるかも知れませんので,ストックとしては意味があるでしょう。
 ただ,私はなぜかツェナーの手持ち在庫は豊富でして・・・

・78L06
 TO-92の小型三端子レギュレータです。メーカーはMCCで,10個ほどありました。欲しい時には欲しいものですが,別にいつでも買えますし,安いですし・・・

・その他
 LEDも5mmの砲弾型で赤と緑の普通の物が大半,あとは訳のわからん基板(ボタン電池のホルダーのついてるやつで,これまでのランダムボックスにも大量に入っていた)や,機械時計のムーブメントみたいなものやら,スイッチ,抵抗,コンデンサ,という感じでした。


 うーん,これはつらい。別にICやLSIが欲しいとか,面白い部品が載った基板が欲しいとか,そういうことではないのですが,キーエンスのモジュールとか,これはかんぜんにハズレだったと思います。今後もこれが続くようなら,もうデジットのランダムボックスもおしまいかなと,そんな風に思いました。


 で,翌日の夕方・・・まだ在庫があるじゃありませんか。

 同時には1つしか買えないものだったのですが,翌日に在庫があるなら買えるかも知れません。前回はたまたま運が悪くてハズレを引きましたが,今度は当たりが出るかも知れません。

 ああ,完全にガチャで破滅する人の心理になってます。

 しかし,彼らと同じく,欲望にはあらがえず,気が付いたら注文を終えて多幸感に満ちておりました。

 翌々日に届いた2つ目のランダムボックスですが,基本的には微妙。しかし,幾分ましになっていました。やはり前回のものはどん底だったみたいです。


・M62X42B RTC
 なにやら見慣れないICだなと思って調べてみると,沖電気のRTCでした,そういえば沖電気もRTCの国産主力メーカーだったよなあ(他にはNECとリコーですかね)と懐かしそうに目を細めて眺めてしまいました。
 水晶発振子も内蔵していて,使い勝手は悪くありません。これを採用した機器を全く知らなかったので少し調べてみると,なんとシステムSSV(なんとCPUがV60で,サウンドチップがエンソニックのES5506)というアーケードゲームのシステム基板のRTCとして使われてました。補修部品として欲しい人には刺さるかも。
 さらに今回はAランク品ということで,誤差が10ppmのものでした。普通に時計として優秀です。

・LH5116-10 x3
 1回目と同じ2k x8ビットのSRAMです。いらんいらん。

・Z80A-CTC
 Z80ファミリのCTCです。1回目と同じシャープ製。

・TC4584BP
 東芝のCMOSでシュミットインバータです。これ,なにげによく使うICなのでちょっとうれしいです。

・TC4017BP
 同じく東芝のCMOSで10進カウンタとして有名です。これ1つで10個のLEDを順次点灯できるので,小型の電子ルーレットや電子サイコロでは定番でした。上記の4584は1ゲートで発振回路が作れるので,クロックと効果音の発振に使い,4017でLEDをグルグル回すという感じです。

・GAL16V8B
 1回目と同じGALです。

・EXO3 8K 12.000MHz x2
 キンセキの水晶発振器です。分周器を内蔵していて,1/2から1/256まで選択可能です。12MHzなのでなにかと使い道があるかも知れません。

・LT1384ACN x4
 お,リニアのICやんけ,と色めきだったのですが,調べてみるとMAX232と同じようなRS232Cドライバでした。少し前にAppleIIのSuperSerialCardを自作していた時に手に入っていれば,と悔やまれます。120kbpsに対応,0.1uFでチャージポンプが動作するという,この手の製品では高性能なものです。

・LTC485
 これもリニアです。期待したのですが,名前の通りRS485(RS422)のドライバでした。おもしろそうですが,1個では実験も出来ませんし・・・


・FCZコイル 7mm 7MHz x3
 今回一番うれしかったものの1つが,大久保OMが作り出した偉大なコイル,FCZコイルです。アマチュアが無線機器を自作すると,その再現性はコイルによって左右されがちです。コイルは伝統的に標準品がなく,AMラジオ用のIFTでさえ細かいスペックはもちろん,巻線の方法も異なった物が売られています。
 標準品がない故にコイルも自作されることが多いのですが,これもまた安定性や再現性を損ないますし,結局のところ無線機器の性能はコイルが握っていますので,とかく当時のアマチュアの作ったものはコイルに振り回されていたのです。
 これでは自作文化が育たないと大久保OMがFCZ研究所を立ち上げてご用意されたのが,高性能なアマチュア無線向けのコイル,FCZコイルです。
 周波数帯ごとに用意されたコイルは基本性能も高い上安定性や再現性もよく,誰が作っても一定の性能が出る魔法のコイルでした。といっても入手は通販か秋葉原に限られていて,私が子ども時代を過ごした大阪では入手出来ないものでした。
 しばらくすると大阪でも帰るようになりましたが,そうこうしているうちにFCZコイルも製造中止。互換品も出回りましたが一部は巻き方が異なるなど全く同じものとは言えなかったりと,またもアマチュアはコイル難民になるかと思われました。
 現在は一部のパーツ屋さんが互換品を作って販売しているようです。
 今回入手したFCZコイルは,FCZのスタンプがあるのでオリジナルだろうと思いますが,1つ200円以上したはずなので,3個入っていればすでに元は取っています。

・FCZコイル 7mm 144M x4
 これもFCZコイルで,144MHzのものです。144MHz用のFCZコイルも,初歩のラジオの自作記事でよく見ました。私は結局アマチュア無線は全くやらなかったのでFCZコイルを買うことはなかったのですが,こうして手にしてみると,もっといろいろやっておいても良かったかなと思います。

・2N2905A
 モトローラ製のCANタイプのトランジスタで,なにやら特殊っぽい感じがしたので期待しましたが,60V600mAでfTが200MHzという,普通のスイッチングトランジスタでした。

・78L06 x10
 これも1回目のものと同じです。そんなに78L06ばっかりあっても仕方がないんだけどなあ。

・2SA733
 NEC製の汎用PNPトランジスタの定番品で,2SC945のコンプリペア,2SA1015なんかと同等のものです。NECが半導体から撤退して久しく,当時の勢いを知る人も少なくなる昨今,オリジナルの2SA733で未使用品もなかなかお目にかかることがありません。

・クリスタルイヤホン
 厳密にはセラミックイヤホンではないかと思うのですが,ゲルマラジオでは必須となる,クリスタルイヤホンです。ダイナミックイヤホンやマグネチックイヤホンでは全く代替できないイヤホンですから,貴重と言えば貴重でしょう。
 とはいえ,今でも普通に(それこそamazonでも)買えますし,珍しい物でもないんですが,お値段は500円と結構高価だったりします。

・超小型サーボ EK2-0500
 とても小さいサーボです。これ,なんか見覚えがあるなあと思っていたら,2年前に購入出来たランダムボックスにも同じ物が入っていました。やったー,これで2つ揃った!
 

・その他
 DIPスイッチを含むいくつかのスイッチ,懐かしのロッドアンテナ,電池ボックス,お約束の訳のわからん基板,リードタイプのLEDに抵抗にコンデンサにノイズフィルタと思われるトロイダルコイルが入っていました。


 ということで,2つ目については十分元を取ったでしょう。FCZコイルは今手に入らない物ということで貴重品でしょうし,RTCも入手の難しそうなものです。

 もし2つ目も1つ目と同じくらいのハズレだったら,もうランダムボックスは買わないつもりでした。2つ目もかつての面白さに比べたら全然ですが,このレベルならまた買おうという気がしています。

 すぐに売り切れなかったことも不思議ですが,今回はなんと蔵出しセールの200回記念だったみたいです。前回買ったのが100回記念(2023年7月)だったので,あれからもう2年かあと,あらためて時間の流れの速さを感じたのでした。

 

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