入射光式の露出計を買う
- 2008/06/02 15:54
- カテゴリー:散財
少し前の話になるのですが,入射式の露出計を買いました。GOSSENのデジシックスというものです。少し前にとあるWEBサイトでも紹介されていたので,ご存じの方も多いでしょう。
露出計は言うまでもなく,露出を測定する道具です。フィルムへの露光量は一定ですので,周りの明るさに合わせて,シャッター速度や絞りを適切に調整しないと写真は撮影できません。
その露出計にも,2つの種類があります。入射光式と反射式です。
反射式はカメラに内蔵されている露出計がその代表格ですね。被写体に当たって反射した光の強さを測定するもなのですが,写真というのは反射した光を写し取っているのですから,これが一番理屈に合っているように思えます。
一方の入射光式というのは,被写体に届く光の強さを測定するものです。
それぞれに一長一短があるのはお約束です。反射式は,被写体から距離が離れていても測定が出来ます。もし一眼レフに内蔵されたものなら,レンズや絞りを通過した光を測定しますから,それらを含んだ形での測定が可能です。
入射光式は,被写体に入り込む光を測定するのですから,被写体のそばまで行かなければ測定できません。数メートルならいいですが,望遠レンズを使った撮影などはどう考えてもお手上げです。
それでも入射光式が不可欠な露出計として存在するには理由があって,それは被写体の色に左右されない,のです。
反射型の露出計は,被写体に当たった光の反射光を測定します。被写体が白い場合には反射光は強くなりますから,露出計は実際よりも明るいという指示を出します。
露出が自動のカメラの場合,本当はもっと暗いはずなのに明るいと判断され,実際よりも暗めの露出となります。いわゆるアンダーになるわけですね。
被写体が黒い場合にはこの逆で,実際よりも暗いと判断されてしまい,露出がオーバーになるのです。
反射型露出計の場合,反射率18%のグレーの時に適性露出になるよう調整がなされています。グレーカードなるものが売られていますが,あれがその18%のグレーです。
こういう事がありますから,被写体の反射率を考えつつ,露出の補正を行ってあげないといけないわけですね。これが初心者が失敗写真を量産する最大の理由になっていた時代もあり,今でも必ず「露出補正」は初心者脱出の必修科目になっているのです。
ところが入射光式の場合には,こうしたことが起きません。当たり前ですね,反射する光を測定するのではなく,差し込む光の量を測定するのですから,被写体の反射率などには一切関係がありません。
その上,被写体の真そばで測定しますから,背景の明るさ(逆光やら影やら)にも引っ張られません。これが今でも入射光式の単体露出計が活躍できる理由です。
ということはですね,18%の反射率のグレーカードを被写体とした場合,両者の示す値は全く同じになるはずだという事です。
前置きが長くなりましたが,入射光式の露出計はそれなりに高価です。理由はよく分かりませんが,やっぱり数が出ないことが理由なんだと思いますし,それに一応測定器ですからあまりいい加減なことも出来ないんでしょう。
3万円4万円は当たり前,2万円までの安い物はアナログ式で昔ながらのものだったりするので,私はちょっと躊躇していたのですが,今回買ったデジシックスは実売2万円弱でデジタルと,他に競合する物がないものです。
これが2万円か-,とがっかりするような質感のなさ,作りのちゃちさはこの際目をつぶりましょう。また,ディスプレイにはEV値を表示するだけで,実際の絞り値やシャッター速度への換算は,機械式のローターを星座板のようにくるくる回して行います。
質感のなさだけではなく,全体の操作感に頼りなさがありつつも,機能的には問題なしでしょう。小さく電池の消費もわずかで,操作も案外簡単です。常に測定しているのではなく,ボタンを押した瞬間のEV値を表示し続ける仕組みになっているので,明るさに合わせてリアルタイムに表示が変化したりはしませんが,そのおかげで電池寿命はとても長く,CR2032という小型のコイン電池で十分実用になるのでしょう。
実際の測定結果ですが,なんとも不思議な結果になりました。
*istDLを使って,約18%の反射率と思われるグレーのカーペットを撮影したのですが,2/3EVほぼずれてしまいました。*istDLの露出計ではジャストになっていたのに対し,デジシックスではオーバー気味です。
これで信用できるのかいな,と不安になりつつ,次にこれを使って撮影するのはどういうときだろうかと,その機会をうかがっているところです。
2万円とやや高価ですが,反射率に左右されない絶対的指標を得ることの心強さ,そして私のようにカメラを修理する人の基準測定器として,このサイズと価格なら辛抱することはないでしょう。さっさと買って,悩みから解放されるべきですね。