調整びより
- 2011/08/23 17:38
- カテゴリー:マニアックなおはなし
東京はここ数日気温が下がり,室内でも25度を下回る温度でした。
25度?電子機器の調整にもってこいの気温です。
ということで,昨日は帰宅後,菊水の1631Bの再調整を急遽行う事にしました。
1631Bは夏休み中に修理と調整を済ませたはずでしたが,昨日少し動かしてみるとどうも値がレンジによって派手にバラツキ,信用に足りません。それに400kHzで3mVの信号による調整に自信がなく,この点も考えなければなりません。
DL2050で測定可能な交流電圧の周波数範囲は100kHzあたりまで。400kHzでは正確な実効値を示してくれる測定器は,オシロスコープくらいしかありません。
そんなわけで,さっさと調整をやり直します。
細かい事は省略しますが,結論だけ書くと,今回も失敗に終わりました。まず,発振器であるVP7201Aの出力電圧が今ひとつ信用出来ないということ。またノイズが載るので,特に3mV位の微少電圧ではどうも誤差が大きくなるようです。
また,発振器も1631Bもそうですが,インピーダンスが600Ωですので,これを無視して調整を行うわけにもいきません。3mVを作るのに普通のボリュームを使いましたが,これではインピーダンスが回転角によって変わってしまうので,信用出来ません。
1時間半ほど頑張って,結局あきらめました。
今回の成果物は,やっぱりなんちゃってで調整という物はできないということです。ちゃんと治具を作って,真面目に調整をするための計画を練ることにします。
(1)VP7201Aのコンディション
なにせ,先日適当に調整をしただけの状態ですので,歪みも電圧も無茶苦茶なはずです。歪率計が完成したら,まずはVP7201Aをベストな状態に調整しましょう。
(2)アッテネータを作る
600Ωのπ型アッテネータを作る必要があります。減衰比を固定しておけるので,入力電圧さえ管理していれば,減衰された電圧は直接測定出来なくても信用して良いはずです。もう1つは,入出力のインピーダンスを600Ωに固定しておけることです。
この治具を作る際,400kHzを扱うということから,ノイズ対策はもちろん,配線容量による減衰などを考慮しないといけませんから,出来るだけ短い配線を心がけるようにします。
問題の減衰率ですが,40dBとします。今回欲しい3mVを得るには,入力に0.3Vを入れればよいので,手頃です。
(3)マルチメータとオシロスコープを併用
マルチメータは高い精度と真の実効値を表示する機能がある一方で,帯域が100kHzまでです。オシロスコープのHP54645Dは演算機能で実効値を計算できますが,あまり精度は高くないようです。しかし帯域は100MHzです。
そこで,400Hzで0.3Vをマルチメータで測定し,この時の値をオシロスコープでも測定しておきます。実効値でなくても波高値でいいでしょう。この時,アッテネータからは3mVが出ているはずです。
そして400kHzに切り替えます。マルチメータでは測定出来ない周波数になってしまったので,頼りになるのはオシロスコープです。400Hzの時と同じ波高値になるようにVP7201Aを調整してやると,アッテネータからの出力は3mVになっているはずです。
今回の目玉は,40dBのアッテネータです。実は,オーディオアンプの測定をしていると,案外アッテネータが欲しいときがあるのです。10,20,40dBのステップ式アッテネータを,この機会に作っておいたほうがいいかもなあ,などと考えているところです。まあ,スイッチなんかで切り替えるとシールドをしないといけないし,帯域も伸びないので,今回は40dB固定のアッテネータにしておきます。
なんか,ちっとも片付きません・・・