拡大率1.0倍のDK-17Mを作ってみる
- 2018/03/29 10:53
- カテゴリー:カメラに関する濃いはなし
ニコンの純正オプションに,DK-17Mというマグニファイヤーアイピースがあります。拡大率は1.2倍で,やや小さい倍率のファインダーを大きく見せるためのものとして非常に有効です。
同種のものはニコンにも他社にもありますが,このDK-17Mは高級機にしか用意されない丸窓専用品で,価格は5000円近くもします。
安いルーペ並みのお値段なので気軽に買えるような物ではないのですが,使ってみた印象は価格に応じたもので,歪みも少なく,非常に見やすくなります。
欠点は素通しのアイピースに比べて厚みがある事で,当然アイポイントも遠くになります。厚みがあるのはその画質のために,結構分厚いガラスレンズを2枚も使っているからなのですが,この厚みがあるおかげで,鼻が背面に当たらなくなり,LCDが汚れないという点が私にはとてもうれしいのです。
このアイポイントの違いというのは,些細なことではありながら,顔という敏感な部分にどこが触れるかという大きな違いを生むことになります。このことはDK-17Mを使っていたD800から,使わなくなったD850に移行して気が付いた事です。
DK-17Mの厚みを持つアイピースがあればなあ,と思ってここまできたのですが,先日D300のアイピースをあれこれいじっているうちに,作っちゃえばいいんじゃないのか,と思い至りました。
考えたことはとても簡単で,DK-17Mを分解し,レンズを抜き取って,通常のアイピースのガラスをはめ込むだけです。
とはいえ,高価で使い道のあるDK-17Mを分解してしまうのももったいないし,通常のアイピースも壊してしまうわけですから,なかなかお金がかかります。それに,うまくいくとは限りませんしね。
ですが,D300で使おうと思っていたDK-17Mが,もともとのファインダー倍率が高いことで使えなくなり,1つ余ってしまったことから,改造にチャレンジしてみました。
・必要なもの
DK-17M
DK-17F
DK-17Mは鏡筒とレンズを固定する枠を使い,レンズは使いません。ですが,いつでも復活出来るように,順番と裏表が分かるように保管しておくことをおすすめします。
DK-17Fは素通しのアイピースで,フッ素コーティングがされている高級品です。D850の付属品で,私はこの付属品を使ってみました。
アンチフォグのDK-17Aはガラスではなくプラスチックらしく,ゴシゴシ擦るとコーティングが剥げてしまい,キズも付いてしまうらしいです。今回のような改造ではどうしても汚れたり傷が付いたりしますので,これは避けた方が無難です。
ノーマルで一番安いDK-17でもいいように思うのですが,肝心なことはこのガラスが簡単に外れるようになっていることで,DK-17がガラスをどうやって固定しているかがわからないため,おすすめしません。
というか,D850に使うんですから,本体標準以下の性能になったらだめでしょう。
・改造手順
(1)まず,DK-17Mを分解します。レンズの分解によく使うカニ目外しや分解コンパスを使って,表面の内側にある枠を左に回します。もし回りにくかったらアルコールを垂らしてしばらく放置して下さい。
(2)枠が回って外れたら,鏡筒からレンズを取り出します。上から凹レンズ,スペーサー,凸レンズという順番です。
(3)DK-17Aからガラスを取り出します。DK-17Aは枠にはめ込んだスプリングでガラスを押さえつけています。このスプリングは爪楊枝でちょっと内側に押すだけで簡単に外れます。
なお,ガラスには裏表があり,フッ素コーティングは片面にしかついていませんので,これが外側に来るようにしてください。
(4)ガラスをDK-17Mにはめ込みます。ここが一番心配していたところで,もしガラスがレンズと同じ直径なら奥まで沈んでしまうので固定できません。
ですが,幸いなことに,ガラスの直径は僅かにレンズよりも大きく,固定枠と同じ大きさでした。まるで最初から想定したかのように,このサイズのガラスをきちんと固定する仕組みが用意されているので,なにも工夫は必要ありません。
(5)DK-17Mに枠をねじ込みます。
これで完成です。早速DK-19を取り付け,D850に装着です。おお,見慣れたD800のシルエットが甦ります。
構えてみると,確かに鼻があたらなくなります。まあ,10mmほど離れただけでぶつからない鼻ってどんだけ低いねんと思う訳ですが,私はむしろ邪魔なので外してしまいたいくらいですから気にしません。
しかし,鼻で呼吸すればLCDは曇るわけで,汚れなくなっても曇ってしまえば一緒です。生きるってつくづく面倒なものです。
ただ,どうやら私は鼻がぶつかるのを避けるために,無意識のうちにD850を斜めに構えていたらしく,今回自然に水平に構えることが出来たことから,いつも少し上向きになっていたような感じです。
肝心の見やすさについては,なにも変わっていません。D850はもともと見やすいファインダーですが,これを損なってはいません。アイポイントが少し遠くなったことでややケラれる傾向がありますが,メガネをしていない私には許容範囲です。視度補正も再調整する必要はありませんでした。
とまあいうことで,アイポイントを1cmほど遠ざけるだけの,普通の人には存在意味が不明なアイピースが完成しました。費用対効果も最悪で,わざわざ拡大率を1.0倍にするなんて理解されないと思いますが,カメラのボディを顔にきっちり押し当てることが出来るメリットは大きいですし,使って見た感じは上々でした。
他の機種でDK-17Mを常用している人にとっては共通した使い勝手になりますし,これでD850がもっと気分よく使えると思います。
そうそう,D300ですが,DM-17Mを使わず普通のアイピースを使うことにしました。もともとNEPS1が分厚いので通常のアイピースでも鼻はぶつかりません。見やすさもこっちの方が上です。
しかし,アイカップにどうも違和感が・・・よく見るとDK-3と書いてあるじゃありませんか。
よく似ているのでDK-19だと思っていましたが,こりゃまたF3時代の古いものが出てきたものです。てなわけでDK-19を注文しました。