F2のフォトミックファインダーのメーターにゴミ
- 2019/06/24 10:09
- カテゴリー:カメラに関する濃いはなし
さて,前回フォトミックファインダーのメータが動かない問題を書きましたが,その続きです。
メーターが動かないという電気のトラブルが,30度傾けると100%発生するというのも首をかしげたくなるのですが,接触不良を疑うも,バネ圧を増やしたり清掃しても改善しません。
ボディとファインダーの電源端子が悪いのかと思い,ファインダーのおでこの下にあるフックが引っかかるボディ側のピンを少し下にずらそうと,ビスを緩めたりしめたりしているうちに,マイナスネジの頭を飛ばしてしまいました。
これには参りました・・・ああ,どんどん壊れていく私のF2。
原因ときちんと調べることもなく,とにかく組んでばらしてを繰り返していても解決するはずもなく,時間ばかりが経過します。
そうしているうちにネジはなめ,更に深い部分を分解し,組み立てミスを連発するようになってきます。これはまずい。再起不能になる前に手を打たねば。
そこで,論理的に原因の究明を行うべく,真面目に回路図と検討する事にしました。
まず,メーターが動かなくなり,その時露出計も動かないのですから,可能性が高いのは電源が来ていないことです。
傾けてメーターが動かなくなる現象が出ていることを確認した上でフォトミックファインダーを外し,電源端子にテスターを当ててボディを傾けてみます。しかし,電圧が下がってしまうことはありません。どんなに動かしてもちゃんと3Vが出ています。
ボディに原因はなさそうです。
そうなるとファインダーです。
ファインダー単体に電源を繋ぎ,ファインダーを傾けると,やっぱり再現します。
続けてファインダーを上下に分解し,メーターがある上半分に電源を直接入れて,傾けます。すると現象は再現。上下の間をつなぐ接点の不良ではないことが判明しました。
上半分の回路を追いかけていきますが,断線箇所はありません。
ファインダーに電源を入れず,メーターを含めた回路に抵抗レンジにしたアナログテスタを入れて導通を見てみます。すると,当然導通があるわけですが,面白い事にメーターが止まっても全く変わらず導通が維持されています。
ん?
とういことは,回路が切れて電流が流れなくなったためにメーターが止まるのではなく,電流は流れているのに,なにか物理的なものがメーターの動きを妨げていることになります。
それならばと,メーターを軽く叩いてみます。メーターが動かない状態でも叩けば動きますし,何度か叩いていると,そのうち現象が出る角度が変わって来ました。
さらに叩くと,現象が出なくなりました。
うーん,ゴミでしょうね。
ただ,このゴミを取り除くにはメーターを外し,分解しなくてはなりません。そこまでばらしてしまうのも怖いですし,メーターはただでさえ壊れやすい精密部品です。今問題がないなら,わざわざ分解することはやめておきます。
ということで,この問題の原因はわかりました。
あとは組み立てです。
しかし,この組み立てがまたくせ者です。実は,以前からf2kとf1.4の間が1段ではなく0.5段ほどしか変化しないという問題がありました。きっとギアのかみ合わせがズレているせいだと思っているのですが,なにせ正しいかみ合わせ位置をメモしていないので,もう試行錯誤でやるしかありません。
しかも,これまでの組み立ててでは,f22にするとブラシがコモンから外れてしまうこともわかりました。これはさすがにまずいです。
ついでに,リング抵抗に接触するアースの接点を清掃していないことに気が付いたので,清掃して正しい位置に曲げておきます。
そうして組み立てるのですが,やはりなかなかうまくいきません。何度か組み立ててバラシ手を繰り返して,ようやくEV1からEV17まで連動するようになりました。
しかし,絞りの連動機構の動きが渋くて,f5.6から絞り込むときに,随分と大きな力をかけないといけません。これあはなにかがおかしいです。
改めて組み立てを確認して。なんとか落ち着いたところを探し出して,やっと完成です。はっきりいって,ボディよりも時間がかかってしまいました。
基準となるのはF3です。F3の露出計と同じような結果になるよう調整をして,これですべての作業が終了です。
一通りに動作試験をやって,あとはひたすら,脳内麻薬を出しながら空シャッターを切るだけです。
近いうちにフィルムを通そうと思います。以前なら100円のカラーネガフィルムをテスト用に撮影し,自家現像してすぐに再修理出来たのですが,今はラボに出さないと現像もできません。
面倒ですが,カメラは撮影してなんぼ,です。
数は減りましたが,手元にあるガチャガチャ可能なレンズを取り付けて,撮影を楽しもうと思います。
しかし,私はつくづくメカのセンスがないなあと思います。メカ屋さんが電気屋さんの手つきを不安そうに眺めていることって,設計の現場では良くある事なのですが,それをまさに地で行っている感じがしました。
こうして改めてF2を見ていると,やっぱり格好いいです。Fのように角張っておらず,F3ほどややこしくなく,角の取れたほどよい丸みにシンプルな外観と,良く出来ているなあと思います。
F2本体がデザインされたとき,一緒に考えられたのがフォトミックファインダーのデザインでしょう。後に何種類もファインダーが出ますが,個人的にはDP-1のデザインが一番しっくりきますし,F2らしくて格好いいなあと思います。
ニコマートELを修理した時,そのシルエットの美しさに,ぜひこの当時のフラッグシップを使ってみたいと思ったものですが,そのF2を実際に手にしてみて,F3とは繋がっている部分もあるけど,繋がっていない部分も多いなあと感じました。
そして,AEカメラではないことが,こんなにしっくりくるというのも,冷静に考えて分かった事です。思えば,私はPENTAXのSPを長く使っていましたから,AEではない内蔵露出計の指示だけで,シャッター速度も絞り値も露出補正もささっと決めていたのです。
そのことを体が覚えていて,F2フォトミックでもなにも違和感を感じることなく,操作できているんだろうと思います。そう考えると,F3よりもずっと手に馴染んだ感じがあります。(そうなんです,F3が名機である事は間違いないのですが,長い付き合いにも関わらず,私はまだF3を手足のように使えません)
さて,フィルムを通して,早く現像に出しましょう。そういえばGR1で1本撮ったものも現像に出さないといけないし,FA43mmも修理が上がってから一度も撮影していません。PEN EESにもフィルムが入ったままです・・・